JPS5836522B2 - ストリツプライン帯域通過フイルタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高周波フィルタ、特に多数の並列結合共振子を
有する噛台型のストリップライン帯域通過フィルタに関
するものである。

噛台型の高周波帯域通過フィルタは電気回路設計者、特
にマイクロ波範囲中の周波数で作動さすべき電気回路の
設計者によって例年もの間用いられていた。

噛台型の帯域通過フィルタは多くの優れた特性を有して
いる。

すなわち、これらのフィルタは極めて簡潔構造であり、
誘電体支持材料を必要としない自己支持構造で造ること
ができて誘電体支持材料と関連する損失を無くすことが
でき、また急峻なスカート応答を有する良好な帯域応答
特注を呈する。

しかし、自己支持型で噛台型の帯域通過フィルタには、
フィルタの帯域幅が共振子自体および共振子間の間隔の
物理的寸法のような機械的誤差に依存するという重大な
欠点がある。

かかるフィルタの帯域幅は製造の機械的誤差の為に製造
されているフィルタでは同じ条件で設計できない。

殆んどの場合、かかる誤差を補正する為には、挿入損お
よび電圧定在波比（ＶＳＷＲ）のような他の臨界的なフ
ィルタ特性と関連して適正な帯域幅が得られるまで新た
なフィルタを製造する必要がある。

適正なフィルタが得られるまではフィルタを数回繰返し
造る必要がある。

誤差の為に、使用しうるフィルタを得るのに新たなフィ
ルタを造らなければならないということはフィルタを高
価なものとする。

更に、これらの繰返し製造は著しく時間を浪費し、この
ことはある場合に、新たな部品を繰返し機械形成する場
合の価格の増大よりも重大な欠点となる。

これが為、フィルタの設計者が新たな部品を形成するこ
となくフィルタの帯域幅を変えうるようにすることが必
要となる。

本発明の目的は、改善した高周波帯域通過フィルタおよ
びその帯域幅を調整する方法を提供せんとするにある。

本発明の他の目的は、複数個の並列結合共振子と、着脱
自在に装着した接地面部材とを具え、帯域幅を製造中の
誤差に対し補償するようにした高周波ストリップライン
帯域通過フィルタを提供せんとするにある。

本発明によれば、多数の共振子より或るストリップライ
ンフィルタを形成する。

このフィルタには互に離間関係にした第１および第２の
接地面部材と、これら接地面部材間に配置した複数個の
並列結合共振子とを設ける。

フィルタの入出力は端部の共振子に直接結合することに
より達成する。

第１接地面部材はフィルタの構体に着脱自在に装着し、
この第１接地面部材と並列結合共振子との間の間隔を変
えてフィルタの通過帯域特性を変えうるような寸法とし
た他の接地面部材に前記第１接地面部材を容易に交換し
うるようにする。

図面につき本発明を説明する。

第１図は本発明によるストリップライン帯域通過フィル
タの一例を示す斜視図、第２図は第１図の２−２線に沿
う断面図、第３図は第１図の３３線に沿う断面図である
。

このフィルタ１０には外匣１２と、蓋１４と、コネクタ
１６および１８とを設けるこのフィルタ１０はＴＥＭモ
ードの複数個のストリップライン共振子２０〜３０を以
って構成する。

これら共振子は外匣１２の面３２と蓋１４の面３４との
間に配置し、これら面はストリップライン帯域通過フィ
ルタ１０の接地面とする。

このストリップライン帯域通過フィルタ１０は自己支持
構造で形成されている為、誘電体材料を用いる必要がな
い。

製造の便宜上、外匣１２を単一片から機械形成し、共振
子２０〜３０を別個に機械形成する。

外匣１２および共振子２０〜３０は原型により一回の処
理で形成することができる。

図面を明瞭簡潔とする為に第１図にはナット、ボルト、
溶接部等の構造上の細部は図示せず、また第１図は実際
のものに比例した寸法ではない。

外匣１２および蓋１４は良導電性の金属から造ることが
でき、これらは最犬の導電性を得る為に適当に鍍金する
ことができる。

またフィルタ１０は、温度変動に対するフィルタの電気
特性を安定化するインバーのような低温度係数の金属か
ら造ることができる。

各共振子は予定の長さＯとし、この長さはフィルタ１０
が作動する中間帯域周波数における四分の一波長とする
ことができる。

更に各共振子は一端で短絡し、他端で開放し、隣接する
共振子、例えば共振子２４および２６が互に反対側の端
部で開放するようにする。

これが為、フィルタ１０は既知のように噛合フィルタで
ある。

またフィルタ１０はくし歯状フィルタとすることもでき
る。

結合は隣接する並列結合共振子間にまたがる電磁界によ
って行なう。

各共振子は各別の共振器として作用する。

接地面間隔ｂ１各別の共振子間隔Ｓおよび共振子直径を
決める為の設計上の式は当業者によって容易に得ること
ができ、例えばフィルタデザインハンドブック″Ｍｉｃ
ｒｏｗａｖｅ Ｆｉｌｔｅｒｓ，Ｉｍｐ．ｅｄａｎｃｅ
Ｍａｔｃｈｉｎｇ Ｎｅｔｗｏｒｋｓ ａｎｄ
Ｃｏｕｐｌ ｉ ｎｇ Ｓｔｒｕｃ ｔｕｒｅｓ ”
ＭｃＧｒａｗ−Ｈｉ Ｉ Ｉ ，１９６４に記載され
ている。

前述したようにフィルタ１０の各素子（２０〜３０）は
共振器として作用する。

一般に対称構造であるフィルタ１０は、いずれの端部を
フィルタに対する入力端子或は出力端子として用いるか
にかかわらず、挿入損および電圧定在波比（ＶＳＷＲ）
等に関し同じ特性を呈する。

いかなる適当な同軸コネクタとすることもできるコネク
タ１６および１８は導体３６および３８によってそれぞ
れ端部の共振子２０および３０に直接結合したものとし
て示す。

導体３６および３８を連結する口出しを端部共振子に設
ける距離ａは周知のようにインピーダンス整合が最適と
なるように決める。

フィルタ１０の並列結合共振子２０〜３０は円柱体とし
て示したが、これら共振子は矩形構造とすることもでき
る。

上述した型の噛合通域通過フィルタは数個の優れた特徴
を有しており、その最も重要なものは以下の４つである
。

１６ 上述したフィルタは極めて簡潔構造となる。

２．第２通過帯域の中心周波数は第１通過帯域の中心周
波数の３倍となり、これらの間にはスプリアスレスポン
スが生じる惧れがない。

３．遮断および消去帯域の割合が直流における多数次の
減衰極によって高められ、作動中心周波数の偶数倍高め
られる。

４．上述した型のフィルタは自己支持型の構造で図面に
示すように造ることができ、これにより誘電体材料やこ
れと関連する誘電損を無くすことができる。

しかし、上述したフィルタには現在まで当業者によって
解決されていない重大な欠点がある。

一般に、フィルタの寸法が決められた後、フィルタの製
造中機械形成処理の機械的な誤差の為にこれらのフィル
タの寸法を維持しえない。

これが為、フィルタの設計によりたとえ理論的な作動デ
ータを予測したとしても、機械的なフィルタは通常全く
異なる特性を呈する。

例えば、帯域通過特性が非対称となり、更に所望の中心
周波数を有さなくなる惧れがある。

更に、反射減衰量が著しく変動する惧れがある。

以前では、当業者はフィルタの特性を殆んど自由に補正
することができなかった。

最も通常の方法は、使用しうる実用的なフィルタが形或
される程度の誤差となるまでフィルタを繰返し機械形成
し直すことである。

かかる処理には極めて時間を浪費し、フィルタを極めて
高価なものとする。

機械形成誤差を補正する他の方法は、共振子間で接地面
壁部１４および４０（第３図）の一方或は双方にねじ孔
をあけ、共振子間に同調用のねじを挿入することである
。

ある場合には上述した２つの方法を組合わせて用いるこ
とができる。

すなわち同調用ねじを付加してフィルタを機械形成し直
すことができる。

しかしかかる方法も満足な解決策ではない。

これが為、新たな部品を機械形成することによる価格の
増大、これに浪費された時間および追加の同調用ねじを
有するフィルタを同調させるのに要する時間が前述した
ストリップライン噛合フィルタの欠点であった。

上述したフィルタの帯域幅を変える為の最も一般に用い
られている方法は、共振子間の相対的間隔Ｓを変えるこ
とである。

この場合も新たな部品を機械形成する必要があること勿
論である。

しかし、接地面間隔ｂを非対称的に変えることは、一方
の接地面に対する共振子間の間隔を他方の接地面に対す
る共振子間の間隔と相違させることであり、前述したフ
ィルタの帯域幅をフィルタの他の特性に影響を及ぼすこ
となく変えることができるということを確かめた。

図面に示すように、接地面の蓋１４はフィルタ１０に着
脱自在に装着し、この蓋１４の内方に面３４を形成し、
その高さをｄとする。

この方法ｄを変えると、例えば増犬させると、フィルタ
の中心周波数或は反射減衰量に影響を及ぼすことなくフ
ィルタの帯域幅が狭くなる。

寸法ｄを調整することにより共振子間の結合度を有効に
調整し、従ってフィルタの帯域幅を調整する。

これが為、新たなフィルタ外匣を機械形成することなく
フィルタの帯域幅を変えることができる利点が得られる
。

更に、寸法ｄの誤差は極めて臨界的にすることができ、
機械的なフィルタの外匣の誤差を補償する。

フィルタの帯域幅を調整する従来の最も一般的な方法は
共振子間隔を変えたり、フィルタの他の寸法を変えたり
することである。

フィルタの接地面間隔を非対称に変えることにより、フ
ィルタの電圧定在波比すなわちリプル特性に影響を及ぼ
すことなくフィルタの帯域幅を変えるということは全く
予期されなかったことである。

当業者は接地面間隔を非対称的に変えることにより電圧
定在波比特性に影響を及ぼすか或はフィルタの通過帯域
附近の帯域外周波数にスプリアスレスポンスが現われる
ようにするか、またはこれらの双方が行なわれるものと
思うであろう。

しかし、フィルタの上述した特性のいずれも影響を受け
ないということを確かめた。

本発明によって構成したストリップラインフィルタの挿
入損および反射減衰量を第４図のグラフに示す。

曲線４２および４４は、寸法ｄをｏ．ｏ１．ｏインチ（
０．２５４ｍｍ）としたフィルタの挿入搦および反射減
衰量をそれぞれデシベルで示す。

このフィルタの３ｄＢ帯域幅は中心周波数が５ ， ６
１’１．５ＭＨｚの約９２ＭＨｚに等しい。

曲線４６および４８は、寸法ｄを０．０２５インチ（０
．６３５ｍｍ）とし、その他は同一としたフィルタの挿
入損および反射減衰量をそれぞれ示す。

このフィルタの３ｄＢ帯域幅は中心周波数が５ ， ６
１ １．４ＭＨ ｚの約７９ＭＨｚであった。

上述したところのものは、フィルタの帯域通過特性を変
える為に他の接地面部材と交換しうる着脱自在に装着し
た接地面部材を有する噛台状のストリップライン帯域通
過フィルタである。

交換自在の接地面部材は接地面部材間に配置した並列結
合共振子の接地面間隔を非対称に変える。

これが為、フィルタの帯域通過特性を、フィルタの製造
中の誤差による差に対し補償することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明スプリットラインフィルタの一例を示す
斜親図、第２図は第１図の２−２線上を断面とし矢の方
向に見た断而メ、第３図は第１図の３−３線上を断面と
し矢の方向に見た断面図、第４図は本発明ストリップラ
インフィルタを説明する為のデータを示すグラフである
。 １０・・・・・・ストリップライン帯域通過フィルタ、
１２・・・・・・外匣、１４・・・・・・蓋、１６，１
８・・・・・・コネクタ、２０〜３０・・・・・・スト
リップライン共振子。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 第１接地面部材１４と、第２接地面部材３２と、こ
   れら第１および第２接地面部材間に配置した複数個の共
   振子２０〜３０と、信号を結合する入力および出力コネ
   クタ１６．１８とを具えるストリップライン帯域通過フ
   ィルタにおいて、共振子と第１接地面部材との間の間隔
   が共振子と第２接地面部材との間の間隔と所定量だけ相
   違してフィルタの所定の通過帯域が得られるように第１
   接地面部材の寸法を決定し、この第１接地面部材を、他
   の寸法とした接地面部材と容易に交換しうるようにこの
   第１接地面部材を第２接地面に対して着脱自在に且つ空
   間的に装着したことを特徴とするストリップライン帯域
   通過フィルタ。