JPS5835755B2 - アルカリ排水中和処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 アルカリ排水を中和処理する装置には、中和用の酸とし
て硫酸を用いるものと液化炭酸ガスを用いるものとが知
られているが、これらは倒れも工場廃液処理専用の常置
式として開発されたものであって、大容積の中和反応槽
を備えた非常に大掛かり、かつ大重量の設備となり、し
かも反応槽にアルカリ排水を滞留させて中和するもので
あるから酸消費量の割に中和反応の効率が低く、例えば
建設工事において生じるコンクリート廃液の中和処理の
ように移設や迅速な中和処理が求められる場合には適さ
ない多くの欠点があった。

そこで、中和反応効率を高めるべく、前記中和反応槽内
に滞留アルカリ排水を撹拌する装置を設け、乱流状態で
中和反応を促進させるものも従来考えられているが、増
々設備が大掛かりなものとなって現場間の移設が困難で
この種装置としては好ましくなかった。

又、硫酸による中和方式では、特定化学物質に指定され
ている硫酸の取扱いに有資格者を必要とする他、装置の
腐蝕対策を必要とし、また一方、炭酸ガスによる中和方
式では散気管を用いるのみであることから炭酸ガスのロ
スが多く中和反応に必要な量よりも遥かに多量の炭酸ガ
スの送入を必要とし、しかも不溶性の炭酸カリシラム（
ＣａＣｏ ｓ ）の大量生成があり、ｐＨ対策以外にｓ
ｓ（懸濁）対策を余儀なくされていた。

本発明はかかる実情に鑑みて、軽量で簡易的なものであ
りながら中和反応の効率が非常に高く、かつ建設工事現
場等で用いられることから要望の高い移設も簡単に行な
える装置を提供することを目的とする。

上記の目的達成のために講じた本発明に係るアルカリ排
水中和処理装置の特徴構成は、流入側接続口から流出側
接続口にかけて逆Ｕの字状に形成されたアルカリ排水流
動管の上昇流管部の途中に酸性ガス送気管が接続されて
いるとともに、前記上昇流管部の送気管接続箇所より上
流側箇所と上昇流管部の上端を越えた流動管の適所との
間に亘ってバイパス管が配設され、かつこのバイパス管
の途中にｐＨ検出器が介装されていると共に、前記酸性
ガス送気管の途中に、前記ｐＨ検出器の検出結果に基づ
いて開閉されるバルブが介装されている点にある。

このような特徴構成を有する本発明の作用効果は、次の
通りである。

つまり、管内流動により必然的に乱流状態になっている
アルカリ排水中に酸性ガスを送入させて中和反応させる
ために、従来のもののように大掛かりな撹拌装置を設け
る要がなく、装置全体を軽量で小型なものにし得乍らも
中和反応を増進することができ、移設や迅速な中和処理
が求められる建設工事等において生じるコンクリート廃
液の中和処理に非常に好適である。

又、アルカリ排水は、定常運転状態では逆Ｕの字状の流
動管を上手側から下手側に流れると共に、その一部がバ
イパス管を通って下手側に流れるが、アルカリ排水の供
給を停止した場合には、送入された酸性ガスの上昇流管
部での上昇力に伴なって、前記逆Ｕ字管の一部とバイパ
ス管とで形成されるループ状流通路をアルカリ排水が循
環流動することになるのであり、混入酸性ガスにより中
和反応が促進しｐＨが低下しているアルカリ排水が前記
バイパス管内流動中においてｐＨ検出器で検出されるこ
とになり、その検出器果に基づいてバルブが閉塞されて
酸性ガスの送気が自動的に停止され、又、逆にアルカリ
排水の供給開始時においては、高いｐＨのアルカリ排水
が前記バイパス管を流動してｐＨ検出器の検出結果に基
づいてバルブが開き、自動的に酸性ガスの送気が開始さ
れるのであり、ｐＨ検出器が介装されたバイパス管を付
加すると云う非常に簡単な構造付加により酸性ガスの送
気開始及び送気停止をノーマンコントロールでき、人為
的なコントロールの場合に生じる送気停止忘れによる酸
性ガスの不当な消費、及び、送気開始忘れによる未処理
アルカリ排水の排出を確実に防止できるに至った。

又、酸性ガスとして炭酸ガスを用いる場合は、中和生成
物をして水可溶性の炭酸水素カルシウムとなし、水不溶
性の炭酸カルシウムである懸濁性物質の生成を極力抑制
し得るので、ｓｓ対策を不必要となすか若しくは軽減す
ることができる。

以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図、第２図において、１は、流入側接続口１ａから
流出側接続口１ｂにかけて逆のＵの字状に形成されたア
ルカリ排水流動管で、それの上昇流管部１ｃの途中には
炭酸ガス送気管２を接続するとともに、この接続箇所よ
り上流、即ち下方の上昇流管部１ｃの適所と、この上昇
流管部１ｃの上端を越えた流動管１の適所（例えば図示
の通り水平流管部１ｄや図示は略すが下降流管部１ｅ）
との間に亘ってバイパス管３を配設し、このバイパス管
３の途中にｐＨ検出器４を介装してあん流動管１の流出
側接続口１ｂの近傍にスタティックミキサー５を介装し
、かつミキサー５の下流側にもｐＨ検出器６を介装しで
ある。

７は管路の横脇において取外し可能な状態で配列された
液化炭酸ガスの収容ボンベで、各々の電磁バルブ８を介
装した送気管９を介して前記のメインの送気管２に接続
されている。

前記両ｐＨ検出器４，６は夫々制御器Ａを介して電磁バ
ルブ８に連繋され、炭酸ガス送大量を自動制御する。

またｐＨ検出器６とスタティックミキサー５との間には
、図外のアルカリ排水送水ポンプの吸込側に必要に応じ
て中和処理水をリターンさせるためのバイパス管１０が
あり、このバイパス回路を操作する開閉弁１１．１２が
押設されている。

そして全体がケーシング１３内に収められている。

１４は切切板である。前記スタティックミキサー５は、
周知の通り、第３図に示すように流動管１と内径が同一
の管１５内に、ノピツチの左捻りと右捻りの懸旋状羽根
１６Ａ！、１６ｒを排水の流動方向に沿って交互にかつ
突合せ端部同志が９０度に交差する状態に配列されたも
ので、螺旋状羽根通過毎の流水の分割、反転ならびに軸
芯部と管壁部間の往復流動の二作用にて極めて高い混合
能を発揮し得る。

このスタティックミキサー５を装着しないときは中和反
応完了までに大なる流路長を要するが、この流路は、放
流光への排水管そのものを利用することにより、中和処
理装置としては大型化する必要はない。

炭酸ガス送入箇所から下流方向への距離と中和反応によ
るｐＨ減少状態を示す第４図のグラフにおいてａはスタ
ティックミキサー５を用いた場合を、ｂは用いない場合
を表わす。

原アルカリ排水のｐＨとこれに炭酸ガスを送入してｐＨ
＝ ８．５まで中和したときのｓｓとの関係を示す第５
図のグラフにおいてＣはスタティックミキサー５を用い
た場合を、ｄは従来の散気管方式による場合を表わす。

酸性ガスとして炭酸ガス以外のものを用いることも本発
明の範囲に属するものとして応用できる。

本装置は工場に常置してもよきものである。

尚、前記制御器Ａについて説明すると、第６図のように
上流側のｐＨ検出器４に連繋のｐＨ指示調節計１７、こ
のｐＨ指示調節計１７に連繋のｐＨ調整器１８と、下流
側のｐＨ検出器６に連繋のｐＨ変換器１９の各々と、夫
々に対応した電磁バルブ８とを連繋して、炭酸ガス送入
量を、原アルカリ排水のｐＨに応じ、および、中和処理
後の排水のｐＨに応じて自動的にフイードフオワド、お
よびフィードバックするものが最も好ましいが、フィー
ドバック機能を有しないもの（この場合、下流側のｐＨ
検出器６も不要）であってもよい。

図中、Ｍ１５Ｍ２はｐＨ電極洗浄用ブラシの駆動モータ
である。

又、電磁バルブ８に代えて電動バルブを用いるもよきこ
と勿論である。

又、電磁バルブ８と電動バルブとを併用し、処理開始初
期には電磁バルブ８にて直ちに炭酸ガス送入を開始させ
、処理途中では電動バルブを作動させて炭酸ガス送入量
−を微調整するといった手段も有効である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係るアルカリ排水中和処理装置の実施例
を示し、第１図は概略縦断面図、第２図は概略横断面図
、第３図はスタティックミキサーの断面図、第４図は炭
酸ガス送入箇所から下流方向への距離に対するｐＨの相
関グラフ、第５図は原アルカリ排水のｐＨに対するｐＨ
＝８．５まで中和したときのｓｓの相関グラフ、第６図
は制御系構成図である。 １・・・・・・アルカリ排水流動管、１ａ・・・・・・
流入側接続口、１ｂ・・・・・・流出側接続口、１ｃ・
・・・・・上昇流管部、２・・・・・・酸性ガス送気管
、３・・・・・・バイパス管、４・・・・・・ｐＨ検出
器、５・・・・・・スタティックミキサー、１５・・・
・・・管、１６１，１６ｒ・・・・・・螺旋状羽根、Ａ
・・・・・・制御器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 流入側接続口１ａから流出側接続口１ｂにかけて逆
   Ｕの字状に形成されたアルカリ排水流動管１の上昇流管
   部１ｃの途中に酸性ガス送気管２が接続されているとと
   もに、前記上昇流管部１ｃの送気管２接続個所より上流
   側個所と上昇流管部１Ｃの上端を越えた流動管１の個所
   との間に亘ってバイパス管３が配設され、かつこのバイ
   パス管３の途中にｐＨ検出器４が介装されていると共に
   、前記酸性ガス送気管２の途中に、前記ｐＨ検出器４の
   検出結果に基づいて開閉されるバルブ８が介装されてい
   るアルカリ排水中和処理装置。 ２ 前記アルカリ排水流動管１は、それの流出側接続口
   １ｂ近傍にスタティックミキサー５が具備されている特
   許請求の範囲第１項に記載のアルカリ排水中和処理装置
   。 ３ 前記のスフティシフミキサー５は、アルカリ排水流
   動管１と同径又はほぼ同径の管１５内に、左捻りと右捻
   りの螺旋状羽根１６Ａ’、１６ｒを流動方向に沿って交
   互に、かつ突合せ端部同志が９０度に交差する状態に配
   列されて構成したものである特許請求の範囲第２項に記
   載のアルカリ排水中和処理装置。 ４ 前記アルカリ排水流動管１における中和反応終了相
   当個所にｐＨ検出器６を備え、このｐＨ検出器６は酸性
   ガス送大量自動制御器Ａにフィードバック連繋されであ
   る特許請求の範囲第１項ないし第３項の倒れかに記載の
   アルカリ排水中和処理装置。 ５ 前記酸性ガス送気管２に炭酸ガスを流すべく構成し
   である特許請求の範囲第１項ないし第４項の何れかに記
   載のアルカリ排水中和処理装糺