JPS5834390Y2 - 空気冷却器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、冷蔵用ショーケースのような冷凍冷蔵機器の
空気冷却器、空気調和機の蒸発器、空冷ヒートポンプの
屋外熱交換器、ブライン熱交換器等。

周囲の空気を冷却するのに利用される空気冷却器に関す
る。

空気冷却器の代表的な例を第１図に示す。

空気冷却器は、側板１の間で間隔をもってほは゛平行に
多数配列されたフィン２と、このフィン２の複数の位置
を貫通する伝熱管３により構成される伝熱管群とからな
りたっている。

そして、冷却器の周囲を流れる空気はフィン２および伝
熱管３を介して、伝熱管３内を流れる冷媒によって冷却
される。

このような空気冷却器においては、空気が冷却される際
に空気中に含まれる水分が冷却器の表面に霜として付着
し、そのために冷却性能が著しく低下する。

しかも、霜の量が多くなると、ついには空気の流れを阻
害してしまうことになる。

そこで、冷却性能を維持するためにこの霜を取り除く必
要があり、その除霜方法には、霜を熱で溶がす方法と、
熱を利用しないで人間の手によって霜を打ちくだく方法
とがある。

霜を熱で溶がす方法としては、第２図に示すように、フ
ィン２より空気の上流側に設けたヒーター４によって加
熱された空気を冷却器に送って除霜する方法、水や温水
あるいはブライン液等を冷却器に散布して除霜する方法
、着霜部に熱冷媒を循環させて除霜する方法等がある。

これらのように加熱によって霜を溶がして除霜する場合
は、除霜時間中は冷却運転を停止しなければならない。

そのため、空気冷却器が食品のような腐食性物の冷凍貯
蔵に利用されている場合には食品温度が上昇して品質の
劣化をきたすことになり、空気調和機に利用される場合
には温度調整ができない等の大きな欠点がある。

さらに、加熱のためのエネルギーを必要とし、温水散布
や冷媒循環には配管、弁等を装備するためにコスト高に
なるという欠点もある。

一方、霜を打ちくだいて除霜する場合は、人間の手で行
なうので非能率的であるとともに、除霜時期に制限があ
るという欠点がある。

また、特許第１１６０４０号明細書に記載されたような
霜取手段を備えたものがある。

この例は、フィンを回転させるので、次のような欠点が
ある。

すなわち、外匣１８内の冷熱媒体を回転する熱交換器に
供給する場合、静止部と回転部を接続するためのカップ
リングが必要となる。

この場合、冷媒等の低粘性流体の軸封が非常に困難であ
り、もれを止めるにはシール部の摺動面を強く押す必要
がある。

しかし、このようにすると熱交換器を回転させるために
多大の動力を要する。

また軸封構造が複雑となり、非常に高価なものとなり、
実用的ではない。

本考案の目的は、冷却器および周囲の空気を加熱せずに
、機械的に、瞬時に、しかも冷却運転を継続した状態で
除霜が行なえる空気冷却器を提供することである。

本考案の特徴は、間隔をもってほぼ平行に配列された多
数の円形状フィンの間隔よりわずかに短かい幅の多数の
突起部を有する除霜部材を、上記突起部が円形状フィン
の間に位置した状態で円形状フィンの中心を中心にして
回転自在に設け、さらに上記除霜部材を回転駆動する駆
動装置を設けて、上記突起部によって冷却器の円形状フ
ィン表面に付着した霜をかき取るよう構成したことであ
る。

本考案の一実施例を第３図および第４図により説明する
。

円形状フィン５は、等間隔に配列する必要はないが、隣
接するフィン５同士がほぼ平行であるように配列する。

伝熱管６は、複数の位置で円形状フィン５を貫通し、全
体として伝熱管群を形成している。

除霜部材７は、円形状フィン５の間隔よりわずかに小さ
い幅をもちかつ円形状フィン５の外周端から伝熱管６の
最外周囲側の伝熱管６ａまでの距離にほぼ等しい長さを
もつ突起部８と、各突起部８を連結する連結部９と、こ
の連結部９の両端にあって突起部８および連結部９を支
持する支持部１０と、さらにこれらを円形状フィンの中
心を中心に回転可能に支持する軸受部１１とからなり、
第４図に示すように、円形状フィン５の周囲にほぼ等角
度間隔で複数個設けられる。

そして、除霜部材７には、例えば回転速度が制御可能で
ある電動機のような駆動装置１２が歯車１３，１，４を
介して連結されている。

これにより、上記突起部８が各円形状フィン５の間に挿
入されて円形状フィン５および最外周側の伝熱管６ａに
近接した状態で、円形状フィン５のまわりを回転する。

このような構成において、駆動装置１２を駆動し、除霜
部材７′を円形状フィンの中心を中心にして回転させる
と、円形状フィン５と円形状フィン５の間に位置する突
起部８の回転によって、突起部８の両側端１５ａおよび
１５ｂが円形状フィン５の表面に付着した霜をかき取り
、突起部８の内周側先端１６が最外周側の伝熱管６ａの
表面に付着した霜の一部をがき取る。

このために、円形状フィン５の突起部８の位置する部分
の表面には、これらと突起部８とのクノアランス以上に
霜が成長することはない。

また、除霜部材７の突起部８をその回転方向と反対方向
にわん曲させれば、円形状フィン５表面の霜をかき取り
易いとともに、その霜を冷却器の外部に運ひ゛出し易い
。

本考案によれば、幅が円形状フィンの間隔よりわずかに
短かい突起部を有する１個または複数個の除霜部材を、
上記突起部が各円形状フィンの間に位置する状態で円形
状フィンの中心を中心にして回転自在に設けたので、次
のような効果を得ることができる。

（１）ヒーターによって冷却器および周囲の空気を加熱
せず、しかも冷却運転を継続したままで除霜できるので
、食品を冷凍・貯蔵する場合に品温か上昇せず、品質の
劣化をきたすことがない。

（２）機械的に除霜するので、熱によって霜を溶かす場
合に比べて短時間で確実に除霜できる。

（３）除霜部材を円形状フィンの最外周部に設けるので
、最も着霜しやすい場所である円形状フィン外周部の除
霜ができ、霜によって空気の流れが阻害されることなく
円形状フィンの内周部まで空気が流れ、空気冷却器とし
て効果的に冷却作用を行なうことができる。

（４）熱交換器が動かないので、冷媒配管の接続が簡単
であり、装置が複雑、高価になることもない。

さらに、除霜部材を回転駆動する駆動装置を設けたので
、次のような効果を得ることができる。

（１）除霜部材の回転を常時行なう必要がなく、従って
冷却能率を低下させずに任意の時に除霜することが゛で
きる。

（２）駆動装置の回転速度を制御できるので、着霜量に
応じて速度を変化させることにより、着霜量が多い場合
でも短時間で確実に除霜することができる。

（３）除霜部材は１個だけ設けても効果を充分に期待で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の空気冷却器を説明するための概略断面図
、第２図は従来の加熱による除霜を説明する斜視図、第
３図は本考案の一実施例を示す概略断面図で第４図のＩ
ＩＩ −ＩＩＩ矢視断面図に相当する。 第４図は第３図の■■−■■矢視図である。１・・・・
・・側板、５・・・・・・円形状フィン、６・・・・・
・伝熱管、７・・・・・・除霜部材、８・・・・・・突
起部、９・・・・・・連結部、１０・・・・・・支持部
、１１・・・・・・軸受部、１２・・・・・・駆動装置
、１５ａ、１５ｂ・・・・・・突起部の両側端、１６・
・・・・・突起部の内周側先端。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １０間隔をもって互いにほぼ平行に配列され、定位置に
   固定された多数の円形状フィンと、これら円形状フィン
   の複数の位置を貫通する１個または複数個の伝熱管によ
   り構成されるその内部を低粘性流体が流れる伝熱管群と
   、前記円形状フィン間に位置し幅が前記円形状フィンの
   間隔よりわずかに短かい突起部を有し前記円形状フィン
   の中心を中心にして該円形状フィンの外囲に添って回転
   自在に支承された１個または複数個の除霜部材と、前記
   除霜部材を回転駆動する回転速度が制御可能な駆動装置
   とを備え、前記除霜部材の回転に伴って、突起部が前記
   多数の円形状フィン表面に付着した霜をかき取るように
   構成したことを特徴とする空気冷却器。 ２、前記除霜部材の突起部が除霜部材の回転方向と反対
   方向にわん曲していることを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項に記載の空気冷却器。