JPS5831909Y2 - 走行波型織機用よこ糸キヤリヤの糸送り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、走行波型織機に係り、特にこの種の織機に使
用するよこ糸キャリヤへの糸送り装置に関する。

本考案はよこ糸キャリヤが閉軌道を連続的に走行するよ
うに構成した走行波型織機に使用するのに適している。

この種のよこ糸キャリヤへの糸送り装置として、水平面
に配置した回転ディスクと、糸送り中によこ糸の運動方
向に対して反対の方向によこ糸を動かす装置を有するも
のは知られているが、この糸キャリヤへの糸送り装置は
、ディスクの下側でかつテ゛イスク外周に沿って、テ゛
イスクの回転中にキャリヤ軌道と整列するように巻付は
部材と、これに近接してよこ糸端グリップとを設けると
ともに、ディスクの上側に、パッケージホルダと、パッ
ケージホルダから繰出されるよこ糸のためのグリップと
、よこ糸端グリップから突出した短いよこ糸端を形成す
るように、よこ糸送り運動と逆の方向によこ糸を動かす
機構を有している。

上記機構は、織機フレームに固定した押え片とディスク
に取付けられた複数のレバーを有して構成されており、
これらレバーの数は巻付は部材の数に対応している。

そして各レバーにはよこ糸が通る孔が設けられていて、
これらレバーは上記押え片の共働するカム面を有する一
対の歯車によって、ディスクの回転に際して回転するよ
うになっている。

しかしてレバーが回転すると、織布の耳部で切断された
よこ糸がよこ糸端グリップおよび巻付は部材を介してレ
バーにより引っばられ、よこ糸端グリップから突出した
短いよこ糸端が形成され、次にキャリヤスプールによこ
糸を巻き付ける間、よこ糸端がよこ糸端グリップによっ
て保持されるようになっている。

しかしながら、上記機構は、多数のレバーおよび対をな
す歯車を有して構成されているから、困難な動力学的条
件の下で作動させる必要があり、その保全に多くの労力
を要し、また装置全体が複雑な構造となり、その上よこ
糸が切断した際には、よこ糸をレバーに設けた孔に挿通
する必要があり、装置の管理がそれだけ難かしくなる。

本考案は上記した点に鑑みてなされたもので、よこ糸を
動かす機構の構造の簡単化を図り、装置全体の保全を容
易に行ない得るようにした走行波型織機用よこ糸キャリ
ヤの糸り装置を提供することを目的とする。

以下、本考案を図面に示す実施例について詳細に説明す
る。

本考案によるよこ糸キャリヤの糸送り装置は、走行波型
織機に近接して、キャリヤ１（第１図）の推進装置（公
知の故に図示されていない）の上方に一部分が重なるよ
うに配置されている。

キャリヤ１は第１図中鎖線で部分的に示す閉軌道Ａに沿
つて走行する。

すなわちよこ糸キャリヤの糸送り装置は軌道Ａの曲線部
の上方に配置されている。

上記よこ糸キャリヤの糸送り装置は、回転自在のディス
ク２を有し、このディスク２はフレーム３に装着されて
いて、テ゛イスク２の上側に設けた作動装置（図示せず
）によって自由に駆動されるようになっている。

またテ゛イスク２の上側にはパッケージホルダ４および
よこ糸用グリップ５が、下側には巻付は部材６およびよ
こ糸端のためのグリップ７がそれぞれ配設されており、
グリップ７は、第２図に示すように巻付は部材６に近接
配置されている。

巻付は部材６、グリップ５およびグリップ７の数は、キ
ャリヤ１の数の倍数に設定されている。

グリップ５，７は、走行波型織機において使用するのに
適したグリップが適宜選定される。

上記巻付は部材６は、たとえば第２図に示すように、ベ
ント管であって、公知機構（図示せず）によって、軸線
Ｏ−Ｏを中心として回転する。

巻付は部材６の軸線Ｏ−Ｏは、軌道Ａの曲線部の半径に
等しい半径の円上に位置し、その結果ディスク２を回転
させてよこ糸キャリヤ１に糸を送る場合に、巻付は部材
の軸線Ｏ−Ｏの軌道Ｂは、キャリヤの軌道Ａの曲線部と
平面内において一致することになる。

軌道ＡとＢが一致する区域を、第１図において符号Ｃで
示す。

軌道ＡとＢは一致する区域Ｃの直前においては互いに近
づく方向に密接しているから、その区域においてキャリ
ヤ１と巻付は部材６が出会うことになる。

上記パッケージホルダ４にはパッケージ８が保持されて
いて、このパッケージ８から巻戻されるよこ糸９は、グ
リップ５、ディスク２に設けた糸案内部材１０および巻
付は部材６を介してキャリヤ１のスプール１１に巻付け
られる。

すなわちキャリヤ１には、所定長さのよこ糸が装入され
る。

一方ディスク２の上方には糸送り工程においてよこ糸の
運動方向に対して反対方向によこ糸を動かす機構１２が
設けられている。

上記機構１２は水平方向に配置したロッド１４とこのロ
ッド１４を前後方向に動かす装置１６とを有して構成さ
れており、上記装置１６は織機のフレーム１５に設けた
ねし孔に螺退されていてロッド１４を、第１図に示す平
面内で巻付は部材６の軌道Ｂに対して交差するように位
置させるようにしている。

すなわちロッド１４を、巻付は部材６の軌道Ｂに対して
符号り。

Ｅの２点で交差させるようにしている。

この場合符号りは、軌道Ａと軌道Ｂが一致する区域Ｃの
手前に位置し、符号Ｅは区域Ｃ内でかつこの区域Ｃの上
方に位置している。

次に作用を説明する。

巻付は部材６の軌道Ｂが、次に続くよこ糸キャリヤ１の
軌道Ａと一致し、軌道Ａ、Ｂが一線上にある通路が区域
Ｃに形成されるので、この区域Ｃにおいて巻付は部材６
が、パッケージ８から巻戻されたよこ糸９をキャリヤ１
のスプール１１に巻付ける。

この際グリップ７が閉じてよこ糸端を保持し、グリップ
５が開いてよこ糸９を自由に通すようになっている。

この場合スプール１１に巻付けられるよこ糸の長さは、
織機の織り幅よりわずかに長くなるように設定されてい
る。

よこ糸の巻付け、すなわちよこ糸キャリヤ１のよこ糸送
りが完了すると、巻付は部材６は回転を止め、グリップ
７が開き、よこ糸端を開放し、またグリップ５が閉じ、
よこ糸９を糸案内部材１０とパッケージ８の間で固定す
る。

ついでキャリヤ１が動くと、キャリヤ１の軌道Ａと巻付
は部材６の軌道Ｂが離れ、キャリヤ１が織機の杼道１７
に導かれ、よこ糸がキャリヤ上に設けた糸テンショナに
挿入される。

これと同時によこ糸がグリップ５によって保持されてい
るのでよこ糸はスプール１１から巻戻される。

一定量のよこ糸がスプール１１から巻戻されると、織機
の織り幅にほぼ等しい長さのよこ糸がスプール１１上に
残される。

次によこ糸９が、織布１８の耳部近くに設けたグツツブ
１９に挟持され、ディスク２が回転を続けると、よこ糸
がグリップ７に係合し、その時よこ糸がナイフ２０によ
り切断される。

このようにしてグリップ７から突出する長いよこ糸端が
得られる。

このよこ糸端を織機の作動部材まで進めるために、よこ
糸は、巻付けを行なう間、よこ糸の短かい端部１３がグ
リップ７から突出するまで、グリップ７、巻付は部材６
および糸案内部材１０を介して機構１２によりよこ糸の
運動と反対方向に動かされる。

よこ糸端は、ディスク２の回転とともに、グリップ５か
ら糸案内部材１０までの長さ部分ＫＭ（第２図で左方部
分に示す）を、ロッド１４により曲げられてループＫＬ
Ｍ（第２図で右方部分）に、変形される。

すなわちよこ糸の端部長さはＫＬＭ−ＫＭだけ短かくな
る。

この差長は装置１６の平面内におけるロッド１４の動程
によって調節される。

一方この差長の変化法則は、非直線形のロッドを用いれ
ば変化する。

よこ糸の動きおよび短かい端部１３の形成が終ると、グ
リップ５が開き、よこ糸が解放状態になる。

この時巻付は部材６の軌道Ｂがキャリヤ１の軌道Ａと一
致するから、キャリヤ１への糸送りが再開され、テ゛イ
スク２の回転とともに、ロッド１４に沿って動くループ
ＫＬＭの長さが徐々に減り、ついでパッケージ８から巻
戻されることになる。

すべてのキャリヤ１への糸送りは同時に行なわれる。

以上述べたように本考案によれば、構造が簡単になり、
固定配置したロッドでよこ糸端を巻付は部材を介して引
くことで、よこ糸の送りを織機の生産速度に適応させる
ことが可能になるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるよこ糸キャリヤの糸送り装置の平
面図、第２図は第１図の要部拡大断面図である。 ２・・・・・・テ゛イスク、５・・・・・・よこ糸グリ
ップ、６・・・・・・巻付は部材、１２・・・・・・機
構、１４・・・・・・ロッド、Ａ・・・・・・キャリヤ
軌道、Ｂ・・・・・・巻付は部材軌道、Ｃ・・・・・・
一致部分、Ｄ、Ｅ・・・・・・ロッドとの交点、１５・
・・・・・織機フレーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平面に配置された回転自在ディスクを有し、この回転
   自在ディスクの下側面に、テ゛イスクの回転時によこ糸
   キャリヤの運動軌道と整列される複数の巻付は部材と、
   これらの巻付は部材の近傍に配置されるよこ糸端のため
   のグリップを支持するとともに上側面にパッケージホル
   ダと、よこ糸用グリップと、キャリヤへの糸送り工程に
   お：するよこ糸運動方向と逆の方向によこ糸を送る機構
   を設け、よこ糸端グリップから短いよこ糸端を突出させ
   るようにした走行波型機用よこ糸キャリヤの糸送り装置
   において、上記よこ糸運動方向と逆の方向によこ糸を送
   る機構は、回転自在ディスクとよこ糸用グリップの間で
   かつ巻付は部材の運動軌道に２つの点で交差するように
   固定配置されるロッドを有し、一方の交差点を、キャリ
   ヤの軌道と巻付は部材の軌道の整列する区域の運動方向
   前方に位置させるとともに他方の交差点を上記２つの軌
   道の整列する区域の上方に位置させたことを特徴とする
   走行波型織機用よこ糸キャリヤの糸送り装置。