JPS5829423Y2 - タ−ボ冷凍機の抽気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はターボ冷凍機における不凝縮ガスの自動抽気装
置の改良された構造に関する。

ターボ冷凍機の装置中に空気などの不凝縮ガスが存在す
ると伝熱性能が低下し、冷凍機の能力低下をもたらすし
、また侵入空気とともに漏入する空気中の水分が機器の
腐蝕を起生ずる。

そこで、ターボ冷凍機には自動抽気装置が従来より提供
されている。

この装置は 抽気タンク内に、冷凍装置の冷媒を冷却源
とした熱交換器を設け、冷凍サイクル中の冷媒液の蒸発
によって、凝縮器から導いた高圧ガス冷媒を凝縮させる
と共に、抽気タンク内に溜った不凝縮ガスを抽気タンク
外に排出するようにしたもので゛ある。

ところがか・る従来装置は、熱交換器を必要とするため
構造が複雑となると共に、冷凍サイクル中の冷媒液を冷
却源とするため冷凍能力が低下する欠点があった。

本考案はか・る従来装置が有する欠点を解消し得る抽気
装置を提供すべく威されたものであって、特に、潤滑装
置を備えたターボ冷凍機において、抽気管を有する抽気
タンクをガス管および油管により、凝縮器およびタンク
に夫々連絡すると共に、油冷却器の冷却油出口側に分岐
接続せしめたノズルを前記抽気タンク内に配設して、ノ
ズルから噴出する冷却油に高圧冷媒ガスを吸収せしめる
過程で抽気タンク内の不凝縮ガスが多くなると、これを
抽気管によって大気中に抽出する一方、抽気タンク内の
冷媒を吸収した油は油管を介し油タンクに送る如くした
ことを特徴としており、冷却用の熱交換器を省略して抽
気を効率よく行うことが可能となったものである。

以下本考案装置の１例について添付図面を参照しつつ詳
細に説明する。

第１図において１は羽根車２．増速装置３．電動機４を
密閉ケーシング５内に収納したターボ冷凍機用電動圧縮
機であり、各軸受６ａ〜６Ｃによって回転部分が支持さ
れる。

羽根車２の吸入側には大口弁７を備えたガイド部材８が
設けられ、このガイド部材８を介して羽根車２の吸入側
を蒸案器１０に連絡する一方、羽根車２の吐出側を凝縮
器９に連絡し、さらに凝縮器９と蒸発器１０とを、フロ
ート弁１１が内蔵された液溜室を介し連通せしめて公知
のターボ冷凍機が構成されている。

このターボ冷凍機には潤滑装置を付設して有するが、該
潤滑装置は油タンク１２．油ポンプ１２．均圧管１４お
よび油冷却器１７を要素となしており、油タンク１２は
均圧管１４によって羽根車２の吸入側と連通させ低圧域
に保持するとともに、返油管１５ａ、１５ｂを介して電
動圧縮機の密閉ケーシング５内に連通し、かつ油ポンプ
１３および油冷却器１７を介設した送油管１６によって
各軸受部６ａ〜６Ｃに連絡している。

以上の回路構成になる潤滑装置は油タンク１２内の潤滑
油を油ポンプ１３で吸上げて、油冷却器１７により４０
〜５０℃に冷却した後、送油管１６を経て密閉ケーシン
グ５内の各軸受部６ａ〜６Ｃに圧送し、潤滑の用に供し
た後、返油管１５ ａ 、１５ ｂを経て油タンク１２
に返送し、この流通過程を繰り返させて円滑な潤滑が威
されるものである。

前記油冷却器１７の冷却源は公知の如く冷却水、外気９
、冷凍サイクルの冷媒を用いるのである。

なお、油タンク１２は図示の別置構造になるほか、密閉
ケーシング５内の増速装置３を収納したギヤ室３ａに一
体に設けた構造のものであってもよい。

この場合、前記均圧管１４は羽根車２の吸入側と、ギヤ
室３ａの上部とを連通ずるのである。

また前記均圧管１４の途中にはオイルセパレータ（図示
せず）を介設し、分離した油を油タンク１２に戻すよう
にしてもよい。

上記ターボ冷凍機はさらに抽気装置を備えているが、該
装置は密閉容器をなす抽気タンク１８を要素となしてい
て、これを冷媒系と潤滑油系とに連絡してなる回路構成
である。

上記抽気タンク１８は電磁弁２０が介設された抽気管１
９をタンク内上層部に連絡して右筆るとともに、側壁部
に気密接続したガス管２３を介して凝縮器９と連絡する
一方、底壁部に気密接続した油管２４を介して、前記油
タンク１２と連絡しており、そして油管２４の接続部分
にはフロート弁２１を介装している。

この抽気タンク１８はさらに散布ノズル２２をタンク内
中間部に横設していて、この散布ノズル２２を、油冷却
器１７の冷却油出口側に分岐接続している。

上記抽気装置は自動運転を行わせるための指令器として
、タンク１８内圧力を検出する圧力スイッチ３５と、タ
ンク１８内圧力と凝縮圧力の差圧を検出する差圧スイッ
チ２６とを備えており、両スイッチ２５．２６が作動し
たときに電磁弁２０を開放するよう回路構成している。

圧力スイッチ２５は抽気タンク１８の内圧が大気圧に比
し０．１ｋｇ／ｃｍ２以上高くなると作動し、一方、差
圧スイッチ２６は凝縮圧カー抽気タンク１８内の圧力≦
０．１５ ｋｇ／Ｃｍ２の条件で作動するようになって
いる。

次に上記抽気装置の作動態様について説明すると、凝縮
器９内の上部からガス管２３を通じて冷媒ガスの一部を
抽気タンク１８に連続して集める。

これと同時に油冷却器１７で冷却された潤滑油の一部を
散布ノズル２２からタンク１８内に散布させる。

その結果、冷媒ガスと潤滑油とが接触することにより、
冷媒ガスは潤滑油に吸収されるが、空気等の不凝縮ガス
はタンク１８内上方部に分離し電量する。

冷媒を吸収した油は相当量になると、フロート弁２１の
作用で油管２４を経て油タンク１２に送られた後、冷媒
は気化して均圧管１４を介し圧縮機１の吸入側に吸込ま
れる。

しかして抽気タンク１８内の不凝縮ガスが多くなってく
るとタンク１８内圧が下らなくて差圧スイッチ２６が作
動し、また、タンク１８内圧が次第に上昇して大気圧よ
り高くなると圧力スイッチ２５が作動する。

この両スイッチ２５．２６の作動があると電磁弁２０が
開放されるので抽気タンク１８内の上方部に存在する不
凝縮ガスは強制的に排出される。

このようにして、潤滑油の吸収作用によって冷媒ガスと
不凝縮ガスとは分離し、不凝縮ガスのみを放出すること
が可能であり、さらに冷媒を吸収した油は油タンク１２
に返されて再び潤滑の用に供され、しかも冷媒は気化分
離後圧縮機に返されるので、油および冷媒の循環量低下
を来すおそれは全熱ない。

本考案は斜上の説明によって明らかなように、圧縮機の
吸入側と均圧させた油タンク１２に貯溜する潤滑油を、
油冷却器１７で冷却した後、前記圧縮機の各軸受部に強
制循環的に給油する潤滑装置を備えたターボ冷凍機にお
いて、抽気管１９を有する抽気タンク１８をガス管２３
および液管２４により、凝縮器９および油タンク１２に
夫々連絡すると共に、油冷却器１７の冷却油出口側に分
岐接続せしめたノズル２２を前記抽気タンク１８内に配
設して、ノズル２２から噴出する冷却油に高圧冷媒ガス
を吸収せしめる過程で、抽気タンク１８内の不凝縮ガス
が多くなると、これを抽気管１９によって大気中に抽出
する一方、抽気タンク１８内の冷媒を吸収した油は油管
２４を介し油タンク１２に送るようにしたから、抽気用
の熱交換器を省略できて、コスト低下がはかれる。

また、本考案は、冷凍サイクル自体の低圧冷媒の蒸発潜
熱を利用して抽気タンク内で不凝縮ガスと冷媒の分離を
行わせる従来の抽気装置の如く冷凍サイクルの冷凍能力
の低下を防止し得る点に特長を有している。

特に本考案は、抽気タンク１８内で冷媒を吸収するため
油の温度は上昇するが、低圧の油タンク１２内で冷媒を
放出するため油の温度は下がり、全体として冷却源はほ
とんど不要である。

このように本考案は種々の実用的にすぐれた効果を奏す
ものであって、誠に有用な抽気装置である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置例の実施に係るターボ冷凍機の配管系
統図である。 ９・・・・・・凝縮器、１２・・・・・・油タンク、１
７・・・・・・油冷却器、１８・・・・・・油気タンク
、１９・・・・・・抽気管、２２・・・・・・ノズル、
２３・・・・・・ガス管、２４・・・・・・油管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧縮機の吸入側と均圧させた油タンク１２に貯溜する潤
   滑油を、油冷却器１７で冷却した後、前記圧縮機の各軸
   受部に強制循環的に給抽する潤滑装置を備えたターボ冷
   凍機において、抽気管１９を有する抽気タンク１８をガ
   ス管２３および油管２４により、凝縮器９および油タン
   ク１２に夫々連絡すると共に、油冷却器１７の冷却油出
   口側に分岐接続せしめたノズル２２を前記抽気タンク１
   ８内に配設して、ノズル２２から噴出する冷却油に高圧
   冷媒ガスを吸収せしめる過程で、抽気タンク１８内の不
   凝縮ガスが多くなると、これを抽気管１９によって大気
   中に抽出する一方、抽気タンク１８内の冷媒を吸収した
   油は油管２４を介し油タンク１２に送る如くしたことを
   特徴とするターボ冷凍機の抽気装置。