JPS5829087Y2 - 輪転印刷機における巻取紙の紙端位置制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は輪転印刷機における巻取紙の紙端位置制御装
置に関するものである。

巻取紙を使用する輪転印刷機において紙の巾に対して印
刷面が常に一定の巾方向位置を保つことが必要であって
、そのために印刷を行う版胴と巻取紙支持機構とは巾方
向の基準位置が合致するように製作されるのであるが、
実際には巻取紙紙管内径の個差や巻取紙の紙くせ等の原
因によって印刷中に走行紙の片寄り、蛇行等による偏差
が発生することがある。

このような偏差が発生した場合においてはその都度巻取
紙の巾方向の位置を修正しなければならないが、印刷中
に走行紙の偏差を検出してこれを自動的に修正する装置
として従来公知のものは、たとえば光電管、エアスイッ
チ等の検出器を用いて紙端位置を監視し、タイマにより
一定の時間間隔で検出器からの情報いわゆるサンプル値
を呼び出し、この値が許容範囲から外れているときその
偏差量に応じて巻取紙な巾方向に移動させて修正する一
定時間周期のサンプリング制御によるものであった。

しかし印刷機の運転速度は常に一定ではなく、そのとき
の印刷内容（墨１色刷か多色刷か等）や使用する紙質の
変緩等の条件によって変わるものであり、また実際の印
刷運転の手段として印刷開始後比較的低速で運転しつつ
印刷面のインキの濃さや見当等を調整し、これらの安定
度を確かめながら遂次段階的に加速してゆくものである
。

したがって前記のような一定の時間周期による制御では
同じ走行紙の進行長さに対して低速時の制御回数は多く
、高速時には少くなるので、低速時には過修正、高速度
に修正おくれな生じやすく、これらを補償するためにサ
ンプル値の大小に応じて１回当りの修正量な自動的に変
えるように比例、積分等の制御要素を付加していた。

また印刷速度の変化範囲が広い高速輪転機においては速
度範囲な何段階かに分割し、別に設けた速度検出器から
の出力によってタイマの設定時間を低速から高速に至る
までに遂次段階的に切換えて短縮する方法も採用されて
いるが、しかしながらこれらの方法はいずれも装置が複
雑化し。

高価になるという欠点があった。

この考案は上記従来のもののもつ欠点を排除し。

単純なオン、オフ動作によるサンプリング制御回路によ
り迅速に所要の修正を行うことを可能とする実用上すぐ
れた効果を持った輪転機における巻取紙の紙端位置制御
装置な提供することを目的とするものである。

この考案を図面に示す実施例を参照しながら説明する。

第１図に示すように１．．１’、１／／は巻取紙であっ
て、この巻取紙１，１’、１／／は軸２を中心として回
転可能に設けられた三叉アーム３の各先端部のセンレチ
ャック４．４’、４／／にそれぞれ支持されており、軸
２に連結して設けられた電動機構２２によって軸２とと
もに巾方向に移動することができるようになっている。

巻取紙から繰出された走行紙５はガイドローラ６．７を
経て印刷部８に送られ、圧胴９と版胴１０ならびに圧胴
９′と版胴１０′との間を通過して表裏両面に印刷が施
され、さらに矢印方向に進行することとなる。

これらの各側は主モータ１１から主軸１２．ベベルギヤ
１３および中間軸１４を経て図示しない歯車列により駆
動されるようになっている。

１５は紙端位置の許容偏差範囲（たとえば基準位置に対
して左右各１間）の両端に対応する２組の反射式光電装
置１５’、１５／／を内蔵する紙端検出器であって１表
面を黒色に着色したガイドローラ６に所望の間隔るあけ
て相対向して設けられており。

走行紙（白色、）とガイドローラ（黒色）との境目を検
出し、走行紙５０紙端が前記許容範囲を越えて左右いず
れかの方向に移動したときに右または左方向への検知信
号を発し、これによって電動機構２２が作動して軸２に
取付けられた巻取紙１を巾方向に移動させて紙端位置を
修正するようほなっている。

１６は近接スイッチ等を内蔵するパルス発生器であって
、中間軸１４上に取付けられたカム板１７に対向して設
けられていて、中間軸１４の回転に伴ってパルスをカウ
ンタ１８に送るように構成されている。

なお上記の実施例では中間軸１４０１回転につき１個の
パルスが発生し、かつ中間軸１４の１回転によって走行
紙５は印刷物１部の長さずつ送られるようになっている
。

そしてカウンタ１８には巻取紙１から紙端検出器１５に
至るまでの紙の距離ｌに相当する印刷物の部数またはこ
の部数に多少の余裕部分を加えた数がプリセットトされ
ている。

前記紙端検出器の実施例は案内ローラと光電反射式のも
のな使用して紙端位置を検出しているが、これに限定す
るものではなく、他の適宜の紙端検出器を使用するよう
にしてもよいことは言うまでもない。

なお上記の実施例は単なる一例にすぎず、各部分につき
同一の機能をもつ他のものとして差支ないことは言うま
でもない。

次に上記のものの作用について第２〜４図を参照して説
明する。

印刷機が運転を開始すると紙端検出器１５は走行紙５０
紙端な絶えず監視しており、もし走行紙５０紙端が許容
偏差範囲を越えて左右いずれかの反射式光電装置１５’
、１５／／によって検知されると、この検知された右ま
たは左への検知信号ａが発せられ、この検知信号はアン
ド回路２０′ 。

２０〃の一方を経て信号すを発生し、ワンショット回路
２１’、２１／／の一方を作動させ、あらかじめ設定さ
れた時間（たとえば０．５秒）だけ電動機構２２に出力
Ｃを送り、軸２を右また左へ移動させて、これに取付け
られた巻取紙はそれによって一定の距離（たとえば０．
５ｍｍ）だけ右マタハ左へ移動することとなる。

また信号すはオア回路２３およびフリップフロップ回路
２４を経てカウンタ１６にセット信号ｄを送り、カウン
トｅを開始させるとともに信号ｇによりアンド回路２０
′２０〃の一方を切って以後の信号すの入力を阻止する
。

カウンタ１８はパルス発生器１６からのパルスのカウン
ト数がプリセットされた数と一致したときにリセット信
号ｆ’Ｙフリップフロップ回路２４に送り、これをリセ
ットさせて次の検知信号の入力可能な条件を作る。

このときなお紙端位置が許容範囲を越えていて１紙端検
出器１５が検知した場合には再び検知信号ａがアンド回
路２０′２０〃の一方に入力し、上記と同じ順序で再修
正が行われ、走行紙の紙端が許容範囲内に復帰するまで
この修正サイクルが断続的に繰返されることとなる。

第３図は１回の修正サイクルで修正動作が終った場合を
示し、また第４図は２回の修正で修正動作が終った場合
を示す。

この考案は上記のように構成したので１紙端位置に許容
範囲を越える偏差を生ずると巻取紙を巾方向に一定量移
動させ、これによる紙端位置の変化が紙端検出器位置に
反映してから、すなわち走行紙がカウンタによってプリ
セットされた距離だけ進行してから再度検知信号を入力
し、修正の必要がなくなるまで一定量ずつの修正サイク
ルを断続的に繰返すものである。

換言すれば修正の結果を必要最小限の間隔ごとに確認し
て連続的なサンプリング部側を行うものである。

そしてこの修正の間隔は走行紙の一定進行距離によって
設定されるので、たとえばタイマ等を利用してサイクル
時間を設定する方歩に比べて印刷機の運転速度の高低に
関係なく常に無駄時間なく短時間で修正を完了すること
ができ、比例、動作、積分動作等の複雑な電気回路を用
いることなく、過調整やハンチング等の生ずるおそれの
ない能率的かつ確実な制御を遠戚することができる等の
優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による実施例の概略説明図。 第２図は制御回路図、第３，４図はタイミングチャート
である。 １”、１’ 、１／Ｉ・・・・・・巻取紙、２・・・
・・・軸、３・・・・・・三叉アーム、４，４’ 、４
／／・・・・・・センタチャック。 ５・・・・・・走行紙、６，７・・・・・・ガイドロー
ラ、８・・・・・・印刷部、９・・・・・・圧胴、１０
・・・・・・版胴、１１・・・・・・主モタ、１２・・
・・・・主軸、１３・・・・・・ベベルギヤ、１４・・
・・・・中間軸、１５・・・・・・紙端検出器、１６・
・・・・・パルス発生器、１７・・・・・・カム板、１
８・・・・・・カウンタ。 ２０’、２０／／・・・・・・アンド回路、２１’ 、
２１ “・・・・・・ワンショント回路、２２・・・・
・・電動機構、２４・・・・・・フリンプフロンプ回路
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 巻取紙をその軸線方向に沿って位置調整する部材を具え
   た輪転印刷機において１巻取紙から繰出された走行紙が
   印刷物の単位長さ走行するたびにパルスを発生する部材
   と、前記パルスの複数倍としてあらかじめ決められた設
   定パルス数に相当する走行距離だけ巻取紙から離隔して
   配置され、この位置での走行紙の紙端位置が所定位置か
   らずれたとき出力を発生する紙端検出部材と、前記紙端
   検出部材の設定パルス数がプリセットされたカウンタと
   、前記紙端検出部材の出力を受けて前記カウンタのカウ
   ント数が設定パルスに達するまで前記位置調整部材をあ
   らかじめ決められた単位量だけ作動させた後不作動状態
   に保持する制御部材とを具え、前記カウンタは前記制御
   部材から信号を受けて前記パルス発生部材から送られる
   パルスのカウントを開始し、そのカウント数がプリセッ
   トされた数と一致したとき、前記制御部材に信号を送り
   前記紙端検知部材が次の出力な入力可能とように構成し
   たことを特徴とする巻取紙の紙端位置制御装置。