JPS5828207Y2 - 柱状採泥器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、柔かく流動性のある汚染底泥を不撹乱状態で
柱状に採取するための柱状採泥器に関するものである。

例えば、海底堆積物を不撹乱状態の１ま採取することは
底質汚染を調査するうえで非常に大切である。

ところが、内湾の底泥の表層は柔かく流動性があるため
、採取時に逸散してし普うことが多い。

そして、内湾底泥の堆積速度の多くは一年間に数−程度
であるため、例えば底泥表層４〜５ｃＷＩを採泥時に失
った場合、採取された堆積物表面は数十生前の堆積物と
なり、現在の汚染度を正しく評価することができない。

而して、底泥中に記録されている汚染の歴史を知るため
には底泥を柱状に取る必要があり、この場合、底泥中に
採泥器を差し込んでその採取を行うが、軟弱な底泥を撹
乱することなく柱状に採取するためには、次の点を考慮
する必要がある。

１ 底泥中に採泥管をゆっくりと貫入させる。

２ 採泥管の貫入抵抗を小さくする。

３ 目的の深さ以上に泥中に貫入しないようにする。

４ 採泥管内の採取資料が流失しないように考慮する。

筐た、上記の条件に加えて採泥器に望まれる条件として
は、 １ 採取資料が採泥器によって汚染されないこと、２
堆積状態が直接肉眼で観察できること、などがあげられ
る。

本考案はこのような点に鑑みてなされたもので、採泥を
簡単且つ確実に行い得るようになすと共に、その使用性
を高めたことを特徴とするものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する
に、第１図□おいて、１は採泥管であって、との採泥管
１は透明のアクリル樹脂によって可及的に肉薄に形成さ
れ、その下端にはキャッチャ２が取付けられている。

上記キャッチャ２は、資料防失弁５，６を内蔵した二組
のカップリング３，４を上下二段に連結すると共に、そ
の下端にコアカッタＩを取付けたもので、上記資料防失
弁５，６は、支持リング５ａ 、６ａに多数の花弁状の
分割弁５ｂ、６ｂを上方のみに開放可能に取付けること
により構成し、これらをそれぞれカップリング３，４内
に挿脱自在に嵌入しており、このキャッチャ２と採泥管
１との連結に当っては、第２図からも明らかなように、
採泥管１の下端をカップリング３内に嵌合して若干回動
させることにより、採泥管１の下端縁から切設した連結
溝８の係止部８ａ内にカップリング３のねじ孔３ａに螺
挿した止めねじ９を嵌合させ、その状態で止めねじ９を
螺回させることによってその先端の当片９ａとカップリ
ング３との間に採泥管１を挾持するようにしている。

上記当片９ａは採泥の障害とならない程度の大きさ及び
厚さに形成される。

なお、上記採泥管１とキャッチャ２との連結は、単純な
止めねじとねじ孔との組合わせによる手段を用いて行っ
てもよく、要するに両者を止めねじの締緩によって容易
に連結、分離できるものであればよい。

また、採泥管１の上端には、上記キャッチャ２の連結と
同様に止めねじ９及び連結溝８によって上部管１０が取
外し可能に連結されており、この上部管１０は、採泥管
１とほぼ同等の口径を有するもので、その周囲に固着し
た台板１１上に多数の馬蹄形のウエート１２を増減可能
に載置して、これらのウエート１２を押え板１３及びね
じ杆１４を介して保持せしめており、上部管１０の下端
には、笠状をなすポリエチレン製の過剰貫入止め１５を
取付け、捷た上部管１０の上端には、採泥管１と同等の
口径を有する水抜口１０ａを形成すると共に、との水抜
口１０ａに、第３図からも明らかなように、アーチ形の
枠棒１７をガイドとして上下に開閉可能な水抜弁１６を
対設せしめている。

而して、採取資料の汚染を防止するため、採泥管１及び
貫入止め１５を除く金属部分はステンレス製としている
。

なお、資料と接するキャッチャ２及び採泥管１は、重金
属や機械油等によって汚染されないように注意すること
が必要である。

上記構成を有する採泥器によって底泥の採取を行う場合
は、ウエート１２を適宜増減してその荷重により採泥器
を海底等に貫入させる。

この場合、キャッチャ２における資料防失弁５，６は上
方に開放し、底泥はキャッチャ２から採泥管１内に充填
されるが、その際、採泥管１内の水は、底泥の進入と共
に水抜弁１６を上方に押上げて水抜口１０ａから円滑に
流出するため、採泥抵抗の増大や管内の水の撹乱による
資料の逸散等が生じない。

そして、採泥器が所定の深さ１で貫入すると貫入止め１
５が底泥に係止し、採泥器はその深さで停止する。

そこで、採泥器を引き抜き揚収することにより所定長さ
の柱状資料を採取することができるが、その引き抜きの
際には、キャッチャ２における資料防失弁５，６が閉鎖
して資料を保持すると共に、水抜弁１６が水圧により閉
鎖して採泥管１内への水の流入を防止するため、資料の
逸散や下方への流出が阻止される。

底泥が柔かい場合には資料流失弁による保持が困難にな
り易いが、上述したように資料防止弁５゜６を二段にす
ることによりその保持を確実ならしめることができる。

このようにして採取した資料は、透明の採泥管１を通じ
て外部から肉眼で観察することができ、また、採泥管１
とキャッチャ２及び上部管１０を分離する場合は、止め
ねじ９を緩めることにより採泥管１を鉛直状態に保持し
た１１その分離を行うことができる。

而して、採泥管１内の採取資料は、採泥管を鉛直に保っ
た１１上方に徐々に押し上げ、採泥管の上端で１〜１０
ｃｒ１１程度の必要長さに切取って分析されるが、この
際、採泥管１と同じ口径で切取るべき試料と同じ長さの
採取用リングを採泥管の上端に当て、その内部に資料を
押し込んで切ると便利である。

以上詳述したように本考案によれば、過剰貫入止めの付
設により所定長さの泥柱資料を容易に採取することがで
き、しかも、透明アクリル樹脂によって採泥管を形成し
ているため、採取した資料を外部から肉眼で観察するこ
とができ、また、採泥管とキャッチャとの着脱を、採泥
管を鉛直に保持したｉｔ止めねじの締緩により簡単に行
うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る採泥器の断面図、第２図はその要
部拡大側断面図、第３図は同平面図である。 １・・・・・・採泥管、２・−・・・キャッチャ、５，
６・−・・・・資料防失弁、９・・・・・・止めねじ、
１５・・・・・・貫入止め。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透明アクリル樹脂によって形成した採泥管の下端に上方
   のみに開放可能な資料防失弁を備えたキャッチャの上端
   を嵌合し、これらの採泥管とキャッチャとを締緩自在の
   止ねじによって切離し可能に連結すると共に、採泥管の
   上端に、笠状の過剰貫入止めとウエート及び水抜口を備
   えた上部管を上記キャッチャと同様の手段により取外し
   可能に連結したことを特徴とする柱状採泥器。