JPS5826372Y2 - 液体採取装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は例えば下水処理場等において水質検査を行う
場合に用いられる液体採取装置に関し、特に液体採取装
置内に水に含オれる浮遊物が滞留しない構造とし、保守
が容易であることと水質検査の精度を向上できる液体採
取装置を提供しようとするものである。

液体採取装置の一つの例としてシリンダとピストンによ
って定量ずつサンプル液を採取し検査装置に与える方式
のものがある。

サンプル液は汚れのひどいものも扱わなければならない
ためサンプル採取用シリンダの内壁は汚れが耐着する。

このためシリンダの内壁面にピストンの周面を接触させ
、その間で気密を保つ構造とした場合にはその間の気密
を保持することはむずかしい。

従って一般にはシリンダとピストンとの間にゴム製のベ
ロフラムを介在させ、このベロフラムによってシリンダ
とピストンとの間の気密を保持させピストンの周面をシ
リンダの内壁に直接接触しなくともよい構造とされる。

このようにベロフラムを用いるときはベロフラムに一方
向の圧力を与えシリンダ内にサンプル液を吸引するとき
も及びシリンダからサンプル液を吐出するときもベロフ
ラムが変形しないように構成しなければならない。

例えばサンプル液を吸引するときはベロフラムに負圧が
掛り、オた吐出するときは正圧が掛るように構成したと
すると吸引と吐出の毎にベロフラムは外側に膨らんだり
、内側に縮んだりするため本来の折目以外の個所で折目
が生じ易く、これがために耐久性が低下しベログラムの
寿命を著しく短かくするとともにシリンダより吐出され
るサンプルの定量性を著しく阻害してし斗う欠点がある
。

このため従来ではヘッドタンクを設はシリンダにサンプ
ル液を吸引するときはヘッドタンクの水頭圧によりベロ
フラムに正圧力を掛け、またシリンダからサンプル液を
吐出するときは吐出管をヘッドタンクの水頭位置オで持
ち上げヘッドタンクの水頭圧とほぼ等しい正圧力がベロ
フラムに損った状態で吐出動作を行うようにしている。

第１図は従来の液体採取装置を示す。

図中１はヘッドタンクを示し、２はサンプル採取装置を
示す。

つ普りここではサンプル採取装置としてサンプル採取用
シリンダを用いた場合を示す。

３はこの採取装置の一部を構成するピストン、４はシリ
ンダ２とピストン３との間に取付けられたベロフラム、
５は水質検査装置を示す。

即ちヘッドタンク１には被サンプル液が流れる流路６か
らポンプ７によって被サンプル液が汲み上げられる。

ヘッドタンク１内には堰８が設けられ、汲み上げられた
被サンプル液の殆んどは堰８を越えて再び流路６に戻さ
れる。

このようにしてヘッドタンク１には常に新しい被サンプ
ル液が一定量蓄えられる。

ヘッドタンク１の底面近くから採取管９が導出されこの
採取管９が弁１０を通じてシリンダ２のサンプル吸入口
１１に連通される。

シリンダ２内を上下動するピストン３の最上位置はヘッ
ドタンク１の水頭位置に等しいかこれより低い位置に選
定される。

よって弁１０が開けられるとシリンダ２にはヘッドタン
ク１の水頭圧が与えられベロフラム４はピストン３が最
上位置に達した状態でも外側に膨らんだ状態に保持され
る。

一部シリンダ２の底面にはサンプル吐出口１２が設けら
れ、この吐出口に弁１３を介してサンプル吐出管１４が
取付けられる。

吐出管１４はヘッドタンク１の水頭位置とほぼ同じ高さ
にまで持ち上げられて検査装置５に接続される。

吐出管１４をこのようにヘッドタンク１の水頭位置とほ
ぼ同じ高さに持ち上げることにより弁１０を閉じ、弁１
３を開けてもシリンダ２にはヘッドタンク１の水頭圧と
ほぼ等しい圧力が掛けられベロフラム４は外側に膨らん
だ状態に保持され、その状態を保ったま會シリンダ２か
らサンプル液を吐出し、検査装置５にサンプル液を送給
することができベロフラム４を保護することができる。

コノように従来はシリンダ２にサンプル液を吸引すると
きも及びシリンダ２からサンプル液を吐出するときもベ
ロフラム４に正圧力を掛は吸引及び吐出を低速度で行い
ベロフラム４に無理な力が掛らないようにしている。

このように低速度で吸引吐出を行うと吸引期間中にサン
プル液に含まれる浮遊物がシリンダ２内の底面に堆積し
吐出期間の初期と終期でサンプル液中の浮遊物濃度が異
ったり、或は堆積した浮遊物が時にはがれサンプル液の
代表性が悪くなったり、オた吐出口かつ普る欠点がある
。

この考案の目的はサンプル液中の浮遊物がシリンダ内に
堆積することを防ぎ、かつ堆積物がはがれてサンプル液
の代表性が低下することもなく、寸た流路もつまること
が少なく、従って保守が容易な液体採取装置を提供する
にある。

この考案ではシリンダに被サンプル液を供給する採取管
及びシリンダよりサンプル液を吐出するための吐出管の
他に採取時にシリンダより被サンプル液を側路させる側
路用管路を設けたものである。

この側路用管路は採取時に弁が開けられヘッドタンクよ
りシリンダに流入する被サンプル液の大部分を側路用管
路を通じて側路させ、その流れによってシリンダ内に対
流を起し浮遊物が滞留しないように構成したものである
。

以下にこの考案の一実施例を図面を用いて詳細に説明す
る。

第２図はこの考案の一実施例を示す。

この第２図において第１図と対応する部分には同一符号
を附してその重複説明は省略するが、この考案に督いて
はシリンダ２に６管及び吐出管の他に側路用管路１５を
設は採取時にこの側路用管路１５に取付けた弁１６を開
はヘッドタンク１から流入する被サンプル液の一部を側
路用管路１５を通じて排出させるように構成したもので
ある。

この例では採取管９と及び吐出管１４を共通の口１２を
通じてシリンダ２に連通させるように構成した場合を示
す。

即ちシリンダ２の底部に形成した口１２に採取管９と吐
出管１４をそれぞれ弁１０と１３を介して共通の口１２
に連通した場合を示す。

このように構成した場合には採取時は弁１３を閉じて弁
１０と１６を開けると共にピストン３を低速度で上昇さ
せる。

よってシリンダ２内にはサンプル液がヘッドタンク１の
水頭圧によって流入し、その一部は側路用管路１５から
排水管１７を通じて例えば被サンプル液流路６に排水さ
れる。

このときシリンダ２内に蓄えられる水量と側路されろ水
量は側路されろ水量が蓄えられ水量の例えば４〜５倍程
度に選定するとよい。

吐出時には弁１０と１６を閉じ弁１３を開けてピストン
を降下させ、吐出管１４を通じて検査装置５にサンプル
液を送給する。

従ってこの考案によればシリンダ２内に流入したサンプ
ル液の大部分は側路用管路１５から側路されるためシリ
ンダ内のサンプル液は攪拌され浮遊物が滞留することが
ない。

然もシリンダ２の底面に形成した口１２に採取管９を連
結した場合には採取したサンプル液による攪拌作用によ
りシリンダ２の底面に浮遊物が堆積することがなく、よ
って口１２が浮遊物によってつ！ることもなく保守が容
易となる。

更に浮遊物が堆積しないから堆積した浮遊物が時にはが
れてサンプル液に混入することがないからサンプル液の
代表性が損なわれるようなおそれもなく水質検査の精度
を高く保つことができる。

以上説明したようにこの考案によればシリンダ２内に浮
遊物の堆積がないから保守が容易なことと及びサンプル
液の代表性が損なわれることがないから精度のよい水質
検査ができる液体採取装置を得ることができ、その効果
は実用に供して頗る大である。

尚上述では採取管９と吐出管１４を共通の口１２に連結
した場合を説明したがこの考案は必ずしもその必要はな
く採取管９と吐出管１４のシリンダ２に対する関係は第
１図のように構成してもよｈ

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の液体採取装置を説明するための断面図、
第２図はこの考案の一実施例を示す断面図である。 ２ニジリンダ、３：ピストン、９：採取管、１４：吐出
管、１５：側路用管路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ピストンとシリンダとを利用した液体採取装置において
   、シリンダへ被サンプル液を供給する採取管及びシリン
   ダよりサンプル液を吐出すための吐出管の他に採取時に
   シリンダ内を通って被サンプル液を側路させる側路用管
   路を設けて威る液体採取装置。