JPS5825718Y2 - Ｏｆケ−ブル用圧力油槽 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はＯＦケーブル用正圧力油槽関する。

従来ＯＦケーブル内の絶縁油の変化を補償するために使
用される圧力油槽として、油槽内のセル内に一定の圧力
で封入したガス圧力を利用してセルとケースとの間に圧
入した絶縁油をケーブルに加圧する構造のいわゆる内ガ
ス型のものがあるが、これは、可変油量を決定する因と
なるガス定数値を犬きくできないという欠点がある。

また従来から周知のように内ガス型圧力油槽を組立てる
際にはセルの容積が一定であることからセル内に充填さ
れるガスの初期圧を、セルの機械的強度を考慮して適宜
選定することによりガス定数を決定している。

この場合のガス定数はボイルシャールの法則上のガス定
数とは異なり実用上の値であり、セル内のガス容積、絶
対温度が一定値であることを前提として油槽組立時のセ
ル内ガス圧によって決められ、一旦油槽が組立てられた
後は一定となる。

ガス定数が決１れば、動作油圧範囲が決１す、ガス定数
が太きくなるに従って同油圧範囲が小さくなる。

例えば、ガス定数と動作油圧範囲との関係は下表のよう
に決められている。

しかるに、上表の関係は油槽組立時のセルの可変容量を
高めることによりガス定数を適宜選定するものであるが
、油槽が大型になると、セル内に充填されるガスの初期
圧がセルの機械的強度上、一定収上高くすることができ
ない場合がある。

本考案は、上記の点に着目してなされたもので、動作油
圧範囲を変え得る内ガス型構造のＯＦケーブル用正圧力
油槽提供することを目的とする。

動作油圧範囲を犬きくするには、ガス容積Ｖとガス圧Ｐ
（絶対圧力）との関係ＰＶ＝ｎＫＴ（ｎはセル数、Ｋは
ガス定数、Ｔは絶対温度）により、カス容積Ｖを小さく
すればよい。

本考案はガス容積を適宜縮小することにより動作油圧範
囲を大きくするようにしたものである。

以下本考案を図示の実施例につき説明する。

第１図において、ケース１内に複数のセル２が水平方向
に併列配置されている。

ケース１内の各セルの頂部は上多岐管３に連結され、底
部は下多岐管４に連結されている。

上多岐管３は周知の適当なガス供給装置５に弁６を介し
て連結されている。

下多岐管４は周知の適当な油供給装置７に弁８を介して
連結されている。

ケース１と各セル２との間にＯＦケーブル内に連通ずる
絶縁油９が充填されている。

各セル２内には上多岐管３より供給されたガスと下多岐
管４より供給された調整油１０とがそれぞれ封入されて
いる。

調整油１０はセル２内のガス容積を変化させる役目をも
っているが、セル内のデッドスペース（油量変化に影響
を与えないスペース）を利用して充填されている。

上記構成の油槽を組立てる際にセル２内の調整油１０の
量を上多岐管３と下多岐管４とを使って適宜調整するこ
とによりセル２内のガス容積を変え所望のガス定数を得
るようにする。

次に上記構成の組立につき第２図を参照して説明する。

この組立を行なうにあたっては著大な圧力変化によりセ
ルを破損することのないよう十分考慮する必要がある。

今、仮にセルの最小ガス容積（ガスを封入し得る最小の
容積）が６．５ｔ／セルのセルを構成しこのセルを備え
た油槽をつくる場合の組立は次のように行う。

■ 油槽内に充填される油量を正確に知るために、先ず
空の状態のケース１及びセル２の全重量を計測した後、
各セル内に調整油を有効油量（セルの形状変化により出
入りできる最大油量であって第３図に斜線で示した部分
）（２０ｔ）と死油量（セル内のプツトスペース（第４
図に斜線で示した部分）に充填できる最大油量） （７
ｔ）の合計量（２７ｔ）を充填する。

■ ケース内を真空処理した後、このケース内にＯＦＦ
ケーブル連通ずる絶縁油９を充満させる。

■ この状態で上多岐管３よりガス圧を加えながらこの
下多岐管より各セル内の調整油を排出する。

このとき、各セル内には必要最小ガス容積を確保するた
め、７（ｔ） −６，５（ｚ）＝ ｏ、５（ｔ）の油量
の調整油１０を残しておく。

■ 次に、第２図に示すＰｌの圧力１でセル内にガス圧
を加える。

■ この状態よりケース内に絶縁油９を圧入すればセル
内ガスが圧縮され、特性線（Ｃ）のカーフ”Ｋ沿って上
昇し、有効油量（２０ｔ／セル）に１で充填したとキＰ
２の圧力を指示する。

なお、絶縁油９の圧入時、セル内調整油の多少により特
性線（Ｃ）に合わない場合は下分岐管４の弁８を動作し
て調整油量の調整を行なう。

上記の組立を行なうことによりセル内に絶縁油９の油圧
とほぼバランスするガス圧を印加することができ、セル
破損を起すことなく製作可能となる。

以上、本考案に係るＯＦケーブル用正圧力油槽、ケース
内の各セルを水平方向に排列配置し、各セル内頂部をガ
ス供給装置に連通ずる上多岐管に連結し、各セル内底部
を、油供給装置に連通ずる下多岐管に連結し、各セル内
底部に前記油供給装置に連通ずる調整油を封入したこと
により、調整油の油量を適時調整すればセル内のガス容
積を適宜縮小することが可能であるから動作油圧範囲を
広げることができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るＯＦケーブル用正圧力油槽一実施
例を示す概略図、第２図は圧力−油量特性線図第３図お
よび第４図はそれぞれの形状変化の説明図である。 １・・・・・・ケース、２・・・・・・セル、３・・・
・・・上多岐管、４・・・・・・下多岐管、９・・・・
・・絶縁油、１０・・・・・・調整油。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一定圧力でガスを封入したセルをケース内に複数収納し
   、セルとケースとの間にＯＦＦケーブル連通ずる絶縁油
   を充填したＯＦケーブル用正圧力油槽おいて、各セルを
   水平方向に併列配置し、各セル内頂部をガス供給装置に
   連通ずる上多岐管に連結し、各セル内底部を油供給装置
   に連通ずる下多岐管に連結し、各セル内底部に前記油供
   給装置に連通ずる調整油を封入したことを特徴とするＯ
   Ｆケーブル用正圧力油槽