JPS5825291Y2 - 連続鋳造凝固厚さ計用標準板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は超音波の反射などを利用して溶融金属を連続鋳
造する場合の凝固厚さを測定する計測器の標準板に関す
るものである。

鋼などの溶融金属を連続鋳造する場合、凝固厚さの測定
は引張り速度の制御やブレークアウトの防止上重要であ
るため超音波の反射を利用するなど、各種の方法が試み
られている。

通常、鋼などの溶融金属が凝固する場合、樹枝状晶が発
達しながら凝固が進行し、この樹枝状晶は大きい場合に
は数ミリにも達する。

また、これを超音波計測器などで測定する場合、高温状
態での使用をやむなくされる。

したがって、凝固厚の測定においては、計測器の特性を
遂次校正する必要がある。

しかしながら従来、連続鋳造片の凝固厚さ測定用に利用
できる計測器校正用の標準板は全くない。

類似例として、超音波探傷においては、材料の欠陥検出
を行う場合、金属板の片面をフラットとし、他面に平底
ドリル穴を設けた標準板を用い、そのドリル穴からの反
射エコーを利用して計測器を校正する場合がある。

しかし、連続鋳造片の凝固厚さの測定では、凝固界面に
樹枝状晶を生ずることから、物理的にそれらと同等の適
用は不可能である。

そこで、考案者等は検討の結果、現実の溶鋼の連続鋳造
過程における凝固殻と溶鋼の固液界面における第３図に
示すような樹枝状の模様を引き写しに再現しなくとも、
これを大きくデフォルメした、たとえば第２図に示すよ
うな角錐の集合からなる凹凸を片面に形成し、他面を平
面とし前記角錐の頂部から平面までの間を基準厚さとし
た標準板によって超音波による凝固殻厚さを校正できる
ことを知見した。

以下、本考案につき実施例を用いて具体的に説明する。

第１図には連続鋳造凝固厚さ測定の概略図を示しており
、溶鋼１は凝固しながら下降して釦り、凝固層２と溶鋼
の間に樹枝状晶３を生ずる。

この状態で超音波凝固厚さ検出器４を接触捷たは非接触
で図のように配置し、凝固層に超音波を入射せしめ、樹
枝状晶から反射してくる超音波を再び超音波凝固厚さ検
出器４で受信し、信号ケーブル５を介して凝固厚さを凝
固厚さ計６に表示している。

この凝固厚さ計６ｉｄ長時間使用したり筐た、計器の構
成部品が経時変化すると、厚さ表示時に零点や感度が変
化して正確な測定ができなくなる。

このため、厚さ測定の基準となる標準板を計測器の近傍
に配置し適宜校正を行う必要がある。

第２図に標準板の概略図を示す。

これは被測定対象である凝固金属と超音波特性が同等な
不銹性の金属、例えばステンレス鋼板７を用い、片面８
を平面に仕上げ、他面９は樹枝状晶を模擬した凹凸を形
成したものである。

実際の標準板としては、基準厚さ２５〜２００ｍｍ、刻
みの深さ０．５〜１５鳩刻みのピッチ０．５〜１０ｍ７
１！のものを組み合せ、数種の基準厚さで刻みの形状の
異なる標準板を各種製作して使用する。

以上のように、本考案の標準板は超音波凝固厚さ計測器
の校正基準として非常に有用である。

なお、実施例では刻みの形状を三角錐状のものによって
説明したが、角柱状、円錐状、円柱状などでも、本考案
の効果に影響を及ぼすことはない。

また、上記の例では標準板は不銹性のステンレス鋼で製
作したが、超音波特性が同等で経年変化しない固体であ
れば、例えばプラスチックなどでもよい。

また、標準板の刻みを入れた両側に連続鋳造片の凝固界
面における溶鋼を模擬した液体を置く場合もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は連続鋳造凝固厚さ測定の概略図、第２図ａ、ｂ
は本考案に係る標準板の概略側面図釦よび平面図である
。 １：溶鋼、２：凝固層、３：樹枝状晶、４：検出器、５
：信号ケーブル、６：凝固厚さ計、７：ステンレス鋼板
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 片面を平面とし、他面を角錐、円錐或は円柱状等樹枝状
   晶を模擬した凹凸面に加工し、該凹凸の頂部から前面千
   面筐での間を基準厚さとしたことを特徴とする連続鋳造
   凝固厚さ計用標準板。