JPS5821375Y2 - 包装容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は包装容器に関し、更に詳しくは体積に偏頗性を
有する食品の包装に便利な包装容器に関する。

従来のこの種包装容器にあってはその底面部は均一な平
坦面をもって形成されており、底の深さは均一に構成さ
れていた。

なかにはデ゛ザイン上の効果を意図して底面部に凹凸模
様を形成したものもあるが、全体としてみるならば底の
深さは同様に均一であった。

このように従来の包装容器は底の深さが均一に構成され
ていたから、例えば葉物野菜等の如き体積に偏頗性を有
する食品を入れたとき、食品の一部が盛上った状態とな
り、そのためこれをフィルムでパック（例えばシュリン
クパック）したとき、パック時に加わる力が食品に均一
にかからず体積の大きい部分（盛上った部分）、例えば
葉物野菜であれば、例えば葉の部分が局部的に大きな力
を受けて強く圧迫され、その結果、その部分が品傷みす
るという不具合があった。

また食品の体積の小さい部分はパック時に及ぼされる力
を受けないか、受けてもそれが小たいため充分保持され
ず、従って容器内で遊びができ、位置的にズして容器内
で一方に偏って存在する事態を生じ、かかる場合には容
器自体の底面が多く外観に現われるため購買者が見た場
合に分量感に欠けるきらいがあり、商品価値を著しく損
なうものであった。

本考案は上記従来の欠点を解消するもので、底面部の長
手方向に向って順次配置された浅底部と深底部をそれぞ
れ実質的に水平状態で形成することにより、体積に偏頗
性を有する食品の包装に当り、体積の大きい部分を深席
部に位置させることにより収納状態を均一ならしめ、以
てパック時に加わる力を食品全体に均一に及は゛し、品
傷みの防止を図り、且つ食品の偏りをなくして分量感に
富む外観を与えることのできる包装容器を提供しようと
するものである。

以下、本考案の一実施例につき図面に基き説明する。

１は底面部２と該底面部２より立上り形威された周壁部
３とを備えてなる包装容器で、この包装容器１の底面部
２の長平方向に向って段差が生じるように該底面部２の
段部４を設けて１つの浅底部５と１つの深底部６を形威
してあり、底面部２の長手方向に向って順次配置された
浅底部５と深底部６とは、それぞれ実質的に水平状態で
形威しであると共に深底部６を平坦面に形威しである。

浅底部５には数条の凹溝７を縦横に配設し、以て格子模
様状の溝部を形成してあり、前記凹溝７に対応して浅底
部５の裏面には数条の突起８が縦横に突設され、以て格
子模様状の突起部が形成されている。

上記構成からなる包装容器１はあらゆる種類の食品を包
装できるが、特に体積に偏頭性を有する食品の包装に有
益である。

ここで偏頭性を有する食品とは、例えば葉の部分と茎の
部分とで体積の大きさが異なる葉物野菜の如くその全体
の体積に偏りのあるものをいい、従って、茎の部分と根
の部分とで体積の大きさが異なる野菜や、きのこ類、そ
の他水産物等もこれに該当する。

葉物野菜を例にとれば、茎の部分よりも葉の部分の方が
体積が大きいものがある一方、反対に葉の部分よりも茎
の部分の方が体積が大きいものもあるが、いずれも本考
案包装容器に適用して包装することが可能である。

第４図は茎の部分よりも葉の部分の方が体積が大きい葉
物野菜を包装した場合の例を示すもので、葉物野菜９の
体積の大きい部分即ち葉の部分９ａを深底部ｉ６に位置
させ且つ体積の小さい部分即ち茎の部分９ｂを浅底部５
に位置させるようにして葉物野菜９を包装容器１に入れ
、これをボン塩化ビニルまたはポリエチレン等の合成樹
脂フィルム１０で被覆してパックを施す。

上記の場合、体積の大きい葉の部分９ａは深底部６に、
体積の小さい茎の部分９ｂは浅底部５にそれぞれ収納さ
れるから、葉の部分９ａが特に盛上ることはなく、均一
な収納状態が得られる。

従って、合成樹脂フィルム１０によるパックを施したと
き、パック時に加わる力は葉の部分９ａ及び茎の部分９
ｂに平均的に及ぼされ、特に葉の部分９ａが強く圧迫を
受けるということはなく、その結果、葉の部分９ａが過
度の圧迫を受けて品傷みをおこすという弊害を防止でき
る。

また体積の小さい茎の部分９ｂも葉の部分９ａと同程度
の均一な力を受けるから合成樹脂フィルム１０に押えら
れて包装容器１内に確実に保持されるものであり、その
結果、包装容器１内での自由な動きは阻止され、容器内
で一方に偏って存在するという事態も防止せられる。

従って茎の部分９ｂは体積の小さい部分ではあっても包
装容器１内に平均的に配されるから茎の部分９ｂを収納
している底面部２（即ち浅底部５）は該茎の部分９ｂに
よって完全に覆い隠され底面部が外観に現われることが
ないので、購買者がこれを見た場合に、内容物が多数詰
っているという印象を受け、充分満足のいく分量感を感
得するものである。

更に包装容器１の浅底部５には数条の凹溝７を形成しで
あるので、内容物に付着した水分または内容物から流出
する水分は該凹溝７に溜まり、直接水分が内容物と接触
するのを避けることができ腐敗を防止し得ると共に、凹
溝７に溜まった水分が除々に蒸発することによって適度
な湿気を付与して食品の乾燥を抑制でき、特に品質の面
から水分の不足を避けなければならない物の場合には包
装前に予め凹溝７に必要量の水分を蓄えさせておけば内
容物の鮮度維持を図ることができるものである。

また浅底部５の裏面には凹溝７に対応して数条の突起８
が突設されているから、これによって包装容器１の強度
を補強でき頑強堅牢な構造体となるものである。

本考案の包装容器を実際に葉物野菜のみつばの包装に用
いてみたところ、均一な収納状態が得られ且つ合成樹脂
フィルムによりパックしたとき、どの部分も均一に圧迫
を受けて品傷みを生じた部分はなかった。

また外観観察において内容物の位置的偏りはなく容器の
底も外観に現われず満足すべき分量感が得られた。

また水洗等によって付着した水分は容器の凹溝に溜まり
、適当に湿度が保たれ、鮮度維持に一定の効果が発揮さ
れた。

包装容器の材質としては合成樹脂が一般的であるが、そ
れ以外の材質とすることも可能である。

また本考案は体積に偏頭性を有する食品の包装に特に有
益であるが、必ずしもこれに制約されるものではなく、
それ以外の食品の包装にも適用できることはいうまでも
ない。

以上説明したように、本考案は底面部に段部を設けて浅
底部と深底部とを実質的に水平状態で形成したから、特
に体積に偏頭性を有する食品の包装の場合、該食品の体
積の大きい部分を深底部に、体積の小さい部分を浅底部
にそれぞれ収納することにより、収納状態を均一ならし
めることができ、従ってフィルムによるパック時に加わ
る力を食品全体に均一に及ばしめることができるため、
食品の局部的な圧迫による品傷みの発生を防止でき、品
質維持に寄与できると共に、パック時に食品全体を均一
に保持できるから、容器内での食品の位置的偏り、ズレ
といったものは生じなく、従って食品は容器の底を万遍
なく覆い隠し、これを見た購買者に充分満足のいく分量
感を感得せしめるものであり、商品価値を頗る向上せし
めることができる等の優れた効果を奏するものである。

また、本考案は、底面部の長手方向に向って段差が生じ
るように該底面部に段部を設けて１つの浅底部と１つの
深底部を形成したから、特に長尺な体積、偏頭性を有す
る食品の包装の場合、該食品を容器内より突出すること
なく収納状態を均一にして収納することができる利点を
有する。

更に、本考案は深底部を平坦面に形成したがら、上記食
品を容器内に収納した場合、深底部の平坦面に食品を密
着して収納することができ、食品と深底部底面に余分な
空間が生じない利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は斜視図、
第２図は裏面図、第３図は第１図のＩＩＩ−ＩＩＩ線に
沿う縦断面図、第４図は葉物野菜を包装した場合を示す
縦断面図である。 １・・・・・・包装容器、２・・・・・・底面部、３・
・・・・・周壁部、４・・・・・・段部、５・・・・・
・浅底部、６・・・・・・深底部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底面部と該底面部より立上り形威された周壁部とを備え
   てなる包装容器において、底面部の長手方向に向って段
   差が生じるように該底面部に段部を設けて１つの浅底部
   と１つの深底部を形成し、底面部の長手方向に向って順
   次配置された浅底部と深底部とをそれぞれ実質的に水平
   状態で形成すると共に深底部を平坦面に形成し、且つ浅
   底部には、数条の凹溝を形成し、更に浅底部の裏面には
   該凹溝に対応する数条の突起を形威したことを特徴とす
   る包装容器。