JPS5819147Y2 - 熱処理バスケツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、熱処理時に熱処理すべき部品を装入するため
に用いる熱処理バスケットに関する。

従来の燃処理バスケットは、側壁を有し上部が開口した
外枠に上部から底板を装入して外枠下部に設けたストッ
パに係合したものからなっている。

このため内部に入れた熱処理部品を取り出そうとして熱
処理バスケットを反転すると底板も一緒にはずれてしま
い、次の使用には外枠を再度反転して再び底板を装入し
なければならないので、外枠、底板の温度、重量が大の
熱処理バスケットの段取にはかなりの時間を要し、全体
の作業時開を長くするという問題があった。

また、熱処理部品の重みで高温に曝される底板はそって
しまい、次の使用に際しては、意識してそのそりを直す
ように底板の上、下面を逆にしてセットしなければなら
ないという面倒があった。

本考案は、従来の問題を解消するために、底板を外枠内
に反転時に抜外れ不能にかつ上下方向に移動可能に装入
することにより、熱処理バスケットの反転使用を可能に
し、作業時間の短縮、底板のそりの抑止に伴なう耐久性
の向上を図った熱処理バスケットを提供することを目的
とする。

以下、本考案の熱処理バスケットの一実施例を図に従っ
て説明する。

第１図乃至第３図において、１は側壁を有し上部、下部
が開口した外枠である。

外枠１は、図では４側壁を有する断面矩形状に形成され
たものが示されているが、その形状は矩形状に限定され
るものではなく、他の形状、たとえば正方形、円形など
であってもよい。

外枠１の上面及び下面には、外枠１の内方に向って延び
る適数個の突起２，３が設けられている。

この突起２，３は外枠１に一体に形成されたものであっ
てもよいし、ボルト等の締結手段によって外枠１に固定
されたものであってもよい。

外枠１の側壁の高さ方向中央部には、後述する底板を外
枠１内に着脱するに十分な大きさを有する窓孔４が少な
くとｌ、も１個設けられている。

図には４側壁を有する外枠１の長手方向に延びる側壁に
窓孔４が設けられた場合が示されているが、窓孔４は巾
方向の側壁に設けられてもさしつかえない。

外枠１内には、底板５が窓孔４を通して、突起２．３間
にわたって移動可能に、装入されている。

突起２，３の何れか一方が外枠１にボルト等によって着
脱自在に固定される場合は、突起を外枠１がら外して底
板５を外枠１内に装入した後再び突起を外枠１に固定す
ることにより、底板５を外枠１内に装入してもよい。

底板５の外形は、突起２，３の内のりより大でかつ外枠
の内のりより小に形成されており、底板５が外枠１内が
ら外に抜出ないようになっている。

外枠１には、また必要に応して底板５にも、熱処理時に
ガスが通過する小孔６が多数設けられている。

第４図は、本考案の熱処理バスケラｌ−Ａを、たとえば
２列２段に積層した場合を示しており、図中７は基板で
、８はバスケラ）Ａの積層体の隅角部に基板７に植立し
て設けられた支柱、９はバスケットＡの積層体の中央部
に基板７に植立して設けられた支柱である。

支柱８，９により熱処理バスケットＡを秩序正しく整列
させて積層することができ、かつ突起２，３は上下方向
の積み重ねを安定させる座の機能を果たしている。

上記構成を有する熱処理バスケットの作用について説明
する。

外枠１内に装入された底板５は、第２図のように下面の
突起３上に着座しているが、この状態で外枠１の上部開
口から底板５上に熱処理部品を装入する。

熱処理部品が装入された熱処理バスケットは、たとえば
第４図に示すように積層されて炉内に搬入され、熱処理
部品の熱処理が行なわれる。

熱処理が終わると熱処理部品が装入された熱処理バスケ
ットは炉外に取出され、そこでフック手段などで吊られ
て１８０°反転されて、熱処理部品が熱処理バスケット
から取出される。

この反転による熱処理部品の取出しと同時に、底板５は
外枠１内を下方に自重で移動して、反転によって下方に
位置することとなった突起２の上面に着座する。

この状態は、既に再度の熱処理部品受入れ状態にあり、
従来のように底板が外れることもないし、底板を装入す
るために外枠を更に１８０°反転する必要もない。

また、反転されて突起２に着座している底板５は、反転
される前の突起３上に着座している底板５と表裏が逆の
状態にあるから、熱処理部品が装入された場合その重量
は底板５のそりを修正する方向に働らく。

反転使用が繰返されると、底板５にはそりを生じる力が
反対方向に交互にががり、それが修正されて実質的にそ
りは生じない。

したがって、本考案の熱処理バスケットによるときは、
上面および下面に突起を設けた外枠内に底板を上下方向
に移動可能に装入したので、熱処理部品取出時に反転し
ても底板が外れることはなく、かつ反転した状態がその
まま熱処理部品の受入れ状態になっているので、反転使
用が可能となり、作業時間の大巾な短縮を図ることがで
きるとともに、底板のそりもなく耐久性の向上を図るこ
とができる。

また、外枠側壁に底板着脱用の窓孔を設けたので、外枠
への底板の装入 取外しを容易に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例に係る熱処理バスケットの
斜視図、第２図は、第１図のＩＩ −ＩＩ線に沿う断面
図、第３図は第２図のＩＩＩ −ＩＩＩ線に沿う断面図
、第４図は第１図の熱処理バスケットを積層した状態の
斜視図である。 １・・・・・・外枠、２，３・・・・・・突起、４・・
・・・・窓孔、５・・・・・・底板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部、下部が開口し側壁を有する外枠の上面および下面
   に外枠内方に向って延びる突起を設け、前記外枠内に底
   板を上、下面の突起間にわたって移動可能に装入し、前
   記外枠の側壁には底板を外枠内に着脱するに十分な大き
   さの窓孔を穿設したことを特徴とする熱処理バスケット
   。