JPH1196302A - 手書き文字認識装置 - Google Patents

手書き文字認識装置

Info

Publication number
JPH1196302A
JPH1196302A JP9257018A JP25701897A JPH1196302A JP H1196302 A JPH1196302 A JP H1196302A JP 9257018 A JP9257018 A JP 9257018A JP 25701897 A JP25701897 A JP 25701897A JP H1196302 A JPH1196302 A JP H1196302A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stroke
character recognition
pattern
character
coordinate data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9257018A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4099248B2 (ja
Inventor
Akira Tsuruta
彰 鶴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP25701897A priority Critical patent/JP4099248B2/ja
Publication of JPH1196302A publication Critical patent/JPH1196302A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4099248B2 publication Critical patent/JP4099248B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Character Discrimination (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 手書き入力文字の画数や筆順に依存せず字体
が崩れていても文字カテゴリの大分類を安定且つ有効に
行う。 【解決手段】 方向量子化部7は、正規化後の各座標デ
ータ間の方向を16の方向コードを用いて量子化する。
画像パターン生成部8は、4個の画像メモリに対応する
方向コードのセグメントおよびオフストロークの画像パ
ターンを生成し、太め処理によってオフストロークをセ
グメントよりも細くする。特徴抽出部9は、各画像メモ
リを5×5領域に分割し、個々の領域から黒画素数を特
徴量として抽出して特徴ベクトルを求める。こうして、
筆順や崩し字の影響が生じにくいストローク方向に基づ
いて特徴量を抽出して、筆順や崩しに依存しない手書き
文字認識を行う。また、ストロークとオフストロークと
の太さを変えて重み付けを行って、続け字のカテゴリを
安定して認識する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パーソナルコン
ピュータや携帯情報端末等に用いられて、タブレットか
らペン入力された手書き文字等を認識する手書き文字認
識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、パーソナルコンピュータや携帯情
報端末等に対して文字を入力する場合には、キーボード
を用いるのが主流である。ところが、このキーボードを
用いて文字や記号を入力するには一定の技量が必要であ
る。また、文字入力の対象となる機器が携帯情報端末の
ように小型化が進んでいるのに対して、上記キーボード
の小型化には限界があるために、キーボードを設ける領
域を確保できない場合がある。
【0003】そこで、タブレット等を用いた手書き文字
入力が注目され始めている。このようなタブレットが設
けられたパーソナルコンピュータや携帯情報端末等には
手書き文字認識装置が搭載されている。そして、上記手
書き文字認識装置は、手書きされた文字を構成するスト
ロークのパターンと、文字認識辞書に格納されている文
字パターンとのマッチングを取ることによって、手書き
入力された文字を認識して文字コードを出力する。
【0004】ところが、現在の手書き文字の認識技術は
完全なものではなく、画数/筆順制限の緩和等の種々の
改良余地が残されている。現在研究されている画数/筆
順制限を緩和するオンライン手書き文字認識方法は、大
きく分けて以下の4つの基本的なアプローチに大別でき
る。
【0005】(1) 入力ストロークを、その筆順は固定
して一筆書きパターンに変換してから認識する方法…画
数に依存しない (2) 入力ストロークを、その画数は固定して文字パタ
ーンと対応付けて認識する方法…筆順に依存しない (3) 入力ストロークを、画数や筆順に因らずに標準パ
ターンとの間で対応付けを行って、過不足なく対応付け
ができる最適ストロークを決定する方法…画数および筆
順に依存しない (4) 入力ストロークをビットマップデータに変換した
のちに、OCR(OpticalCharacter Recognition)認識手
法を用いて認識する方法…画数および筆順に依存しない
【0006】ここで、上記OCR認識手法を用いる方法
として、森等:「二度書き/ストローク切れにロバストな
オンライン文字認識」信学技報 PRU95-63(1995)(以下、
文献1と言う)や、特開平8−147415号公報「オン
ライン文字認識装置」(以下、文献2と言う)等がある。
【0007】上記文献1では、特徴として拡張外郭方向
寄与度特徴を用いている。この拡張外郭方向寄与度特徴
は、文字線の方向と接続関係を表現するものであり、文
字内の各黒画素から8方向に触手を延ばして求まる黒画
素連結長を要素とする8次元ベクトルで表される。その
場合、文字パターンを上記触手を延ばす方向当たり8区
間に当分割し、外郭深度3まで抽出する。この抽出処理
によって1536ベクトルを得、さらに、256次元に
次元圧縮して特徴ベクトルとしている。
【0008】また、上記文献2では、入力ストロークの
座標点列データから、X座標の変化が+のセグメントの
画像パターンと、X座標の変化が−のセグメントの画像
パターンと、Y座標の変化が+のセグメントの画像パタ
ーンと、Y座標の変化が−のセグメントの画像パターン
とを、夫々異なる画像メモリに格納する。つまり、XY
座標系における第1,第2象限に在る画像パターンを1
つの画像メモリに格納し、第2,第3象限に在る画像パ
ターンを1つの画像メモリに格納し、第3,第4象限に
在る画像パターンを1つの画像メモリに格納し、第4,
第1象限に在る画像パターンを1つの画像メモリに格納
するのである。そして、各画像メモリを8×8の領域に
等分し、各領域毎に黒画素数をカウントして特徴ベクト
ルを生成する。
【0009】しかしながら、上述のオンライン手書き文
字認識方法(1)〜(3)は、標準パターンに加えて画数ま
たは筆順の変形パターンを文字認識辞書に登録したり、
入力ストロークと標準パターンとの対応付けを行ったり
するので、認識処理に多大な時間を要する。また、上述
のオンライン手書き文字認識方法(4)は、上述の方法
(1)〜(3)に比べて短時間に認識結果が得られるもの
の、筆順や画数の情報が不足しているために一般に第1
位の文字候補の認識率が上述の方法(1)〜(3)よりも低
い。したがって、この認識率の低さを改善しようとすれ
ば変形パターンを文字認識辞書に追加する必要があり、
結果的に認識処理に時間を要するようになってしまう。
【0010】ところで、上述のように、認識処理に多大
な時間を要するということは、携帯情報端末においては
決定的に不利である。通常、ユーザが携帯情報端末を使
用するのは時間が余り取れない状況下にであり、このよ
うな状況下では0.5秒に1文字の入力が完了しないと
ユーザにいらいら感を与えてしまう。一方では、携帯情
報端末においては、重量や価格等の制約から高能力を有
するCPU(中央演算処理装置)を搭載することができな
い。
【0011】上述のような問題を改善する1つの方法と
して、入力文字が属する文字認識辞書上のカテゴリを大
分類(以下、単に入力文字の大分類と言う)する方法があ
る。この入力文字の大分類は、文字認識の際に用いる文
字認識辞書のカテゴリを限定することによって、マッチ
ングやストロークの対応付けを効率よく行うものであっ
て、手書き文字認識の際には必要な技術である。
【0012】上記入力文字を大分類する方法として、文
字の画数から大分類を行う方法、筆順から大分類を行う
方法、ストローク長等のペンの移動情報から大分類を行
う方法、上記OCR手法によって大分類を行う方法等の
各種の方法がある。これらの種々の大分類方法を組み合
わせることによって、参照する文字認識辞書を絞り込ん
で、手書き文字認識に掛かる処理の無駄を省いて認識速
度を向上している。
【0013】ここで、上記OCR手法によって大分類を
行う方法としては、上述の文献1や木村等:「ハンディ
型パーソナルペン入力における個人字形登録の効果」信
学技報PRMU97-4(1997)(以下、文献3と言う)等がある。
上記2つの文献1,文献3においては、何れも拡張外郭
方向寄与度特徴を用いている。そして、大分類には、2
56次元の特徴ベクトルと文字認識辞書上の全カテゴリ
の標準ベクトルとのユークリッド距離や市街距離を求め
ることによって行っている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の入力文字および文字認識辞書の大分類方法には、以
下のような問題がある。先ず、文字の画数から大分類を
行う方法は、例えば崩し字や続け字等によって設定画数
範囲外の書き方をされた入力文字は、大分類の段階で認
識対象文字から除外されて認識できなくなってしまう。
これを補うために画数範囲を広く設定した場合には、入
力文字および文字認識辞書を効果的に絞り込むことがで
きなくなるという問題が生ずる。また、上記筆順から大
分類を行う方法は、入力手書き文字を正規の筆順で書か
なければならず、制約が大過ぎて使いにくいという問題
が生ずる。また、ストローク長や特徴点から大分類を行
う方法は、例えば崩し字等の場合には、ストローク長が
大きく変化したり、特徴点が安定して抽出できないため
に、入力文字や文字認識辞書の大分類の性能が著しく低
下するという問題がある。
【0015】また、上記OCR手法によって大分類を行
う方法は、第1位の文字候補の認識率は劣るものの、文
字パターン全体の形状の特徴を用いるので上位数個の文
字候補全体の認識率は高いというOCR手法の特性を生
かしており、大分類に適した手法であると言える。とこ
ろが、上述したように、文字パターン全体に関して文字
線の方向と接続関係を抽出するために大次元(256次
元)のベクトル演算が必要となり、時間的制約から携帯
情報端末には不向きである。
【0016】さらに、上記文献2のOCR手法を大分類
に使用することも考えられる。ところが、この場合に
は、文字筆跡パターンの各ストロークの画像パターンの
みを使用しているために、崩し字や続け字に対しては分
類性能が低下する。そこで、崩し字や続け字に対処しよ
うとすれば崩し字や続け字用の特徴ベクトルも文字認識
辞書に登録する必要があり、辞書容量が増大し、認識時
間が長くなってしまい、携帯情報端末には不利となる。
特に、携帯情報端末では、片手持ち等の不安定な状態で
筆記されるために崩し字や続け字で入力されるのが常で
ある。
【0017】つまり、従来の入力文字の大分類の方法で
は、手書き文字入力の画数や筆順の制限を緩和すればす
るほど、特に携帯情報端末において十分満足する性能を
得ることができないのが現状なのである。
【0018】そこで、この発明の目的は、手書き入力文
字の画数や筆順に依存せず、且つ、手書き入力文字の字
体が崩れていても入力文字のカテゴリの大分類を安定且
つ有効に行って手書き文字認識を高速に行う手書き文字
認識装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、手書き入力された筆跡の座
標データを時系列に配列して成る座標データ列を得るタ
ブレットと,上記座標データ列に基づいて手書き入力文
字のカテゴリを大分類する大分類部と,この大分類結果
に基づいて手書き入力文字を認識する文字認識部を有す
る手書き文字認識装置において、上記大分類部は、上記
座標データを変換して,手書き入力された筆跡パターン
の位置と大きさを正規化する正規化部と、上記正規化後
の座標データ列に基づいて,ストロークを構成する各セ
グメントおよび各ストローク間を結ぶオフストロークの
方向を量子化して方向コードを得る方向量子化部と、上
記方向コードに対応付けられた画像メモリ上に該当する
方向コードのセグメント及びオフストロークの画像パタ
ーンを生成する画像パターン生成部と、上記画像メモリ
をM×Nの領域に分割し,各領域の特徴量を抽出して特
徴ベクトルを求める特徴抽出部と、上記特徴ベクトルと
予め登録された標準ベクトルとのマッチングを行うマッ
チング部と、上記マッチングの結果を受けて,認識対象
となるカテゴリを限定する文字分類部を備えていること
を特徴としている。
【0020】上記構成によれば、方向によって分類され
た入力筆跡のストロークおよびオフストロークの画像パ
ターンに基づいて特徴量が抽出されて、特徴ベクトルが
得られる。そして、この特徴ベクトルと標準ベクトルと
のマッチングの結果に基づいて、認識対象となるカテゴ
リが限定される。その場合、個人によって筆順が変わっ
てもストロークの方向には個人差が生ずることは少な
い。また、崩し文字であっても基本となるストロークの
方向は大略同一である。したがって、筆順に依存しない
で、且つ、崩れた文字であっても安定して手書き入力文
字のカテゴリが大分類されるのである。
【0021】その場合に、上記筆跡パターンのストロー
クのみならずオフストロークをも考慮して大分類を行う
ことによって、楷書で手書き入力された文字の画数と続
け字で手書き入力された文字の画数との変動が少なくな
り、続け字による画像パターンの変動が吸収される。さ
らに、崩し字や続け字用の標準ベクトルを特別に用意す
る必要がなく、少ない標準ベクトルで崩し字や続け字の
カテゴリが大分類される。
【0022】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
係る発明の手書き文字認識装置において、上記画像パタ
ーン生成部は、上記セグメントおよびオフストロークの
画像パターンを生成する場合に、上記セグメントの太さ
を所定の太さにする一方、上記オフストロークの太さを
上記所定の太さよりも細くするようになっていることを
特徴としている。
【0023】上記構成によれば、上記オフストロークの
画像パターンの太さがストロークの画像パターンの太さ
よりも細くなっている。したがって、後に抽出される特
徴量が黒画素数である場合には、上記オフストロークに
対して重み付けが行われる。その結果、筆順の変動によ
る大分類の精度低下を軽減することができる。
【0024】また、請求項3に係る発明は、請求項1に
係る発明の手書き文字認識装置において、上記画像メモ
リは、主たる方向が上下左右である4つの方向コード群
に対応付けられた4個の画像メモリであることを特徴と
している。
【0025】上記構成によれば、筆記条件によって傾き
が変動し易く個人差も大きい斜め方向ではなく、個人差
が少ない上下左右の4方向に全セグメントおよび全オフ
ストロークの画像パターンがまとめられる。こうして、
手書き入力された文字が崩し字であっても更に安定して
カテゴリが大分類される。
【0026】また、請求項4に係る発明は、請求項3に
係る発明の手書き文字認識装置において、上と右との両
方向の中間の方向を指定する方向コード、上と左との両
方向の中間の方向を指定する方向コード、下と右との両
方向の中間の方向を指定する方向コード、および、下と
左との両方向の中間の方向を指定する方向コードは、該
当する両方向の夫々が対応付けられている2個の画像メ
モリに対応付けられていることを特徴としている。
【0027】上記構成によれば、例えば上方向と右方向
との境界付近に位置するセグメントの画像パターンは、
上記上方向が対応付けられている画像メモリと右方向に
対応付けられている画像メモリの両方に生成される。し
たがって、標準パターンの該等セグメントが上方向の画
像メモリと右方向の画像メモリとの何れに存在してもマ
ッチすることになる。その結果、上下左右の4方向の境
界付近に位置するセグメントの傾斜の変動が吸収され
て、手書き入力された文字のカテゴリが更に精度よく大
分類される。
【0028】また、請求項5に係る発明は、請求項1に
係る発明の手書き文字認識装置において、上記正規化部
は、上記タブレットからの座標データ列に基づいて、上
記筆跡パターンの中心を求め、上記筆跡パターンを,上
記中心を通る直交軸によって分割した4領域の夫々の座
標データを、正規化サイズ×正規化サイズの矩形領域を
直交軸によって4等分割したうちの対応する領域の座標
データに変換するようになっていることを特徴としてい
る。
【0029】上記構成によれば、手書き入力された筆跡
パターンの中心を基準として位置と大きさとが正規化さ
れるので、手書き入力文字の変形が吸収されて入力文字
のカテゴリが精度よく大分類される。
【0030】また、請求項6に係る発明は、請求項5に
係る発明の手書き文字認識装置において、上記正規化部
は、上記筆跡パターンのストロークのみならずオフスト
ロークの座標データをも用いて上記筆跡パターンの中心
を求めるようになっていることを特徴としている。
【0031】上記構成によれば、楷書で手書き入力され
た筆跡パターンの中心位置と続け字で手書き入力された
筆跡パターンの中心位置との変動が少なく、続け字によ
る正規化誤差が吸収される。
【0032】また、請求項7に係る発明は、請求項1に
係る発明の手書き文字認識装置において、上記特徴抽出
部は、上記画像メモリをM×Nの領域に分割する場合
に、各領域の境界部分をオーバーラップさせて分割する
ようになっていることを特徴としている。
【0033】上記構成によれば、上記画像メモリにおけ
る分割領域の境界付近に存在するセグメントの位置の変
動が吸収され、手書き入力文字のカテゴリが更に精度よ
く大分類される。
【0034】また、請求項8に係る発明のプログラム記
憶媒体は、手書き入力された筆跡の座標データを時系列
に配列して成る座標データ列を得、上記座標データを変
換して,手書き入力された筆跡パターンの位置と大きさ
を正規化し、上記正規化後の座標データ列に基づいて,
ストロークを構成する各セグメントおよび各ストローク
間を結ぶオフストロークの方向を量子化して方向コード
を得、上記方向コードに対応付けられた画像メモリ上に
該当する方向コードのセグメントおよびオフストローク
の画像パターンを生成し、上記画像メモリをM×Nの領
域に分割し,各領域の特徴量を抽出して特徴ベクトルを
求め、上記特徴ベクトルと予め登録された標準ベクトル
とのマッチングを行い,このマッチングの結果に基づい
て認識対象となるカテゴリを限定して、手書き入力文字
のカテゴリを大分類するプログラムを記憶したことを特
徴としている。
【0035】上記構成によれば、方向によって分類され
た入力筆跡のストロークおよびオフストロークの画像パ
ターンに基づいて特徴量が抽出されて、特徴ベクトルが
得られる。そして、この特徴ベクトルと標準ベクトルと
のマッチングの結果に基づいて、認識対象となるカテゴ
リが限定される。その場合に、個人によって筆順が変わ
ってもストロークの方向に個人差が生ずることは少な
い。また、崩し文字であっても基本となるストロークの
方向は大略同一である。したがって、筆順に依存しない
で、且つ、崩れた文字であっても安定して手書き入力文
字のカテゴリが大分類される。
【0036】その場合に、上記筆跡パターンのストロー
クのみならずオフストロークをも考慮して大分類を行う
ことによって、楷書で手書き入力された文字の画数と続
け字で手書き入力された文字の画数との変動が少なくな
り、続け字による画像パターンの変動が吸収される。さ
らに、崩し字や続け字用の標準ベクトルを特別に用意す
る必要がなく、少ない標準ベクトルで崩し字や続け字の
カテゴリが大分類される。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の手書
き文字認識装置におけるブロック図である。この手書き
文字認識装置は、タブレット1,大分類部2,大分類辞書
部3,文字認識部4,結果表示部5,画像メモリ部15及
び文字認識辞書部16で概略構成される。
【0038】上記タブレット1は、例えば表示一体型に
形成されており、操作者がペン入力した筆跡を検出して
電気信号で表現される座標データ列に変換する。大分類
部2は、正規化部6,方向量子化部7,画像パターン生成
部8,特徴抽出部9,マッチング部10および文字分類部
11によって概略構成されて、入力文字の文字カテゴリ
を限定する大分類処理を行う。大分類辞書部3には、各
文字カテゴリ毎の標準ベクトルが登録されている。ま
た、文字認識部4は、大分類部2で限定された文字カテ
ゴリに関して文字認識処理を行う。結果表示部5は、文
字認識部4で認識された文字を表示する。
【0039】上記大分類部2の正規化部6は、上記タブ
レット1からの座標データ列に基づいて入力筆跡パター
ンの中心を求め、この中心座標に基づいて上記入力筆跡
パーンの正規化を行う。そして、方向量子化部7は、正
規化部6による正規化後の座標データ列における各座標
点間のセグメントおよび各セグメントの連鎖であるスト
ロークの間のオフストロークの方向を量子化する。画像
パターン生成部8は、画像メモリ部15に格納されてい
て、方向量子化部7で量子化された各セグメントおよび
オフストロークの方向コードに対応した画像メモリ上
に、各セグメント及びオフストロークを太め処理しなが
ら直線補間して画像パターンを作成する。特徴抽出部9
は、上記各画像メモリを5×5の領域に分割し、各領域
に含まれる黒画素数をカウントして特徴ベクトルを作成
する。
【0040】上記マッチング部10は、上記大分類辞書
部3に登録されている文字カテゴリ毎の標準ベクトルと
上記特徴ベクトルとのマッチングを行う。そして、文字
分類部11は、マッチング部10でのマッチング結果に
基づいて、各文字候補の類似度を基に文字認識部4で行
う文字認識の対象となる文字カテゴリを限定する。
【0041】図2は、上記大分類部2によって行われる
大分類処理動作のフローチャートである。以下、図1お
よび図2に従って、上記大分類処理動作について詳細に
説明する。
【0042】ステップS1で、上記正規化部6によっ
て、タブレット1からの座標データ列に対して、筆跡パ
ターンの大小や位置の変動による不整合を吸収するため
に、筆跡パターンの位置と大きさとに関して以下のよう
に正規化が行われる。
【0043】図3は、上記筆跡パターンの正規化の説明
図である。図3(a)に示すように、筆跡パターンの外接
矩形における左上の座標(x,y)を(0,0)とする。一
方、図3(d)に示すように、矩形の正規化領域の左上の
座標(Y,X)を(0,0)とし、Y方向の正規化サイズをY
0とし、X方向の正規化サイズをX0とする。そして、筆
跡パターンの中心Gの座標を(Gx,Gy)とした場合に、
図3(b)に示すように、上記筆跡パターンの中心Gのy
座標「Gy」を正規化後のパターンのY座標「Y0/2」と
し、筆跡パターンのy座標0〜Gyを1次式に従って正
規化後のパターンのY座標0〜Y0/2に変換する一方、
筆跡パターンのy座標Gy〜ymaxを1次式に従って正規
化後のパターンのY座標Y0/2〜Y0に変換する。同様
に、図3(c)に示すように、上記筆跡パターンの中心G
のx座標「Gx」を正規化後のパターンのX座標「X0/2」
とし、筆跡パターンのx座標0〜Gxを1次式に従って
正規化後のパターンのX座標0〜X0/2に変換する一
方、筆跡パターンのx座標Gx〜xmaxを1次式に従って
正規化後のパターンのX座標X0/2〜X0に変換する。
【0044】こうして、上記筆跡パターンの位置と大き
さとの正規化が行われる。尚、筆跡パターンの中心Gの
座標(Gx,Gy)は次のようにして求める。ここで、筆跡
パターンのセグメント(隣り合う2つの座標点の間で表
される区間)の数をSとし、セグメントi(i=1,…,
S)の中点の座標を(xmi,ymi)とし、セグメント長をL
とすると、筆跡パターンの中心Gの座標(Gx,Gy)
は、
【数1】 で求められる。
【0045】ここで、本実施の形態においては、手書き
入力された筆跡パターンの中心Gの座標(Gx,Gy)を算
出する際に、ストローク間のオフストロークを1つのス
トロークと見なし、このストロークと見なされたオフス
トロークの中点の座標とオフストローク長とを加味する
ようにしている。こうすることによって、続け字で手書
き入力された場合における筆跡パターンの中心Gの位置
変動を小さくするのである。
【0046】ステップS2で、上記方向量子化部7によ
って、上記ステップS1における正規化後の座標データ
に基づいて、2つの座標データ(座標点)を結ぶセグメン
トおよびオフストロークの方向が図4(a)に示すような
16個の方向コードを用いて量子化される。尚、図4
(b)は、正規化部6からの正規化後の座標データ列と得
られた方向コード列の関係を示しており、座標データ
(X0,Y0)と座標データ(X1,Y1)とを結ぶセグメントの
方向コードは「H0」であり、座標データ(X1,Y1)と座標
データ(X2,Y2)とを結ぶセグメントの方向コードは「H
1」であり、以下同様にして、座標データ(Xn-2,Yn-2)
と座標データ(Xn-1,Yn-1)とを結ぶセグメントの方向
コードは「Hn-2」であることを表している。
【0047】ステップS3で、上記画像パターン生成部
8によって、図5に示すように、上記ステップS2にお
いて得られた方向コードに対応した画像メモリ上に、各
座標点間のセグメントおよびオフストロークを太め処理
を行いながら直線補間して画像パターンが生成される。
【0048】ここで、上記画像メモリと方向コードとの
対応付けは次の通りである。すなわち、画像メモリM1
には方向コード「1」,「2」,「3」,「15」,「16」が対応付
けられており、画像メモリM2には方向コード「3」,
「4」,「5」,「6」,「7」が対応付けられており、画像メモ
リM3には方向コード「7」,「8」,「9」,「10」,「11」が
対応付けられており、画像メモリM4には方向コード「1
1」,「12」,「13」,「14」,「15」が対応付けられてい
る。
【0049】そして、例えば、方向コード「1」,「2」,
「3」,「15」,「16」に対応した画像メモリM1には、入
力文字「木」の正規化後の座標データに基づく筆跡パター
ンのうち、方向コードが「2」であるセグメントaと、方
向コードが「3」であるセグメントbおよびオフストロー
クcと、方向コードが「15」であるセグメントdと、方
向コードが「16」であるセグメントeの画像データが、
夫々太め処理されて書き込まれる。端的に言うならば、
上記画像メモリM1には、主たる向きが右向きであるセ
グメントおよびオフストロークの画像パターンが生成さ
れるのである。同様に、画像メモリM2には上向きのセ
グメントおよびオフストロークの画像パターンが生成さ
れ、画像メモリM3には左向きのセグメントおよびオフ
ストロークの画像パターンが生成され、画像メモリM4
には下向きのセグメントおよびオフストロークの画像パ
ターンが生成されるのである。
【0050】その場合に、方向コード「1」と方向コード
「5」との中間の方向コード「3」は、方向コード「1」が対
応付けられている画像メモリM1と方向コード「5」が対
応付けられている画像メモリM2との2個の画像メモリ
に対応付けられている。同じように、上記方向コード
「5」と方向コード「9」との中間の方向コード「7」は画像
メモリM2と画像メモリM3とに対応付けられ、方向コー
ド「9」と方向コード「13」との中間の方向コード「11」
は画像メモリM3と画像メモリM4とに対応付けられ、方
向コード「13」と方向コード「1」との中間の方向コード
「15」は画像メモリM4と画像メモリM1とに対応付けら
れている。このように上下左右の中間の方向の方向コー
ドをその方向コードを境界とする2個の画像メモリに対
応付けることによって、標準パターンにおける該等カテ
ゴリの該等セグメントが上記2個の画像メモリの何れに
在っても該等セグメントの画像パターンとマッチするこ
とになり、上下左右の4方向の境界付近に位置するセグ
メントの傾きの変動を吸収して、より精度よく大分類を
行うことができるのである。
【0051】尚、上記太め処理とは、上記ストロークの
場合には、図6(a)に示すように、本来のストローク上
の画素の上下左右4画素も同一ストローク上にあるとす
る。つまり、ストロークの太さを上下左右側に太くする
のである。これに対して、上記オフストロークの場合に
は、図6(b)に示すように、画像メモリM1,M3の場合
(すなわち、ストロークの主たる方向が水平方向の場合)
には、本来のストローク上の画素の上1画素も同一スト
ローク上にあるとする一方、画像メモリM2,M4の場合
(すなわち、ストロークの主たる方向が垂直方向の場合)
には、本来のストローク上の画素の右1画素も同一スト
ローク上にあるとする。したがって、オフストロークの
場合にはストロークの場合よりも太さは細くなる。
【0052】ステップS4で、上記特徴抽出部9によっ
て、以下のような特徴抽出が行われる。すなわち、図7
に示すように、各画像メモリM1〜M4が5×5の25領
域に分割され、各領域内の黒画素数がカウントされてカ
ウント値Cnm(n=1〜4,m=1〜25)を要素とす
る100次元(5×5×4)のベクトルv(=v1,v2,…,
100)が作成される(以下、ベクトルvをvvecと表記す
る)。そして、上記vvecのユークリッドノルム|vvec
|が下記のように求められ、このユークリッドノルム|
vec|でvvecの各要素値を除して正規化し、得られた
値を要素値とする特徴ベクトルv'vec(=v'1,v'2,…,
v'100)が求められる。但し、
【数2】 v'i=α・vi/|vvec|(i=1,2,…,100) 但し、αは桁上げするための定数 である。
【0053】尚、上記画像メモリM1〜M4を5×5の
25領域に分割する場合には、図7に示すように境界部
分をオーバーラップさせて分割するようにしている。こ
うすることによって、分割領域の境界付近に位置するセ
グメントの位置変動を吸収することができるのである。
また、上述のように特徴抽出部9による特徴抽出は、黒
画素数をカウントすることによって行われる。したがっ
て、上述のようにオフストロークの太さをストロークの
太さよりも細くするということは、オフストロークの特
徴量に重み付けを行うことを意味するのである。
【0054】ステップS5で、上記マッチング部10に
よって、上記ステップS4において求められた特徴ベク
トルv'vecと大分類辞書部3に各文字毎に登録されてい
る標準ベクトルとの類似度(ベクトルの内積)が計算され
て、特徴ベクトルv'vecと標準ベクトルとのマッチング
が行われる。ここで、上記特徴ベクトルv'vecと標準ベ
クトルwvecの内積(v'vec・wvec)は、 v'vec・wvec=v'11+v'22+…+v'100100 で求められる。
【0055】この場合、本実施の形態における特徴ベク
トルv'vecは100次元ベクトルである。したがって、
文献1や文献3に開示された従来のOCR手法による大
分類における256次元ベクトルの場合よりも短時間に
類似度算出を行うことができるのである。
【0056】ステップS6で、上記文字分類部11によ
って、上記ステップS5において算出された類似度の大
きい順にソーティングされて、図8(a)に示すように、
図5に示す例の場合には、入力文字「木」の筆跡パターン
から抽出された特徴ベクトルとの類似度の大きい順に最
大候補数Nまでの標準ベクトルに割り付けられた文字カ
テゴリが、文字認識部4による文字認識の際に対象とな
る文字カテゴリとして選出される(大分類結果として確
定される)。そして、図8(b)に示すように、認識対象と
なる全文字カテゴリを各ビットに割り当てたビットフィ
ールドにおける大分類結果に対応するビットに「1」を書
き込むことによって、大分類結果が保持される。そうし
た後、大分類処理動作を終了する。
【0057】以後、上記文字認識部4は、上記タブレッ
ト1からの当該手書き入力文字の座標データ列に基づい
て、文字認識辞書部16に登録された文字認識用の特徴
ベクトルを用いて、文字分類部11に内蔵された上記ビ
ットフィールドに「1」が立っているビットに割り当てら
れている文字カテゴリに関して、より詳細な文字認識処
理を行う。このようにして、認識率の高い手書き文字認
識が高速に行われるのである。尚、その場合の上記文字
認識用の特徴ベクトルは、筆跡の座標データ列に基づく
標準ベクトルである。
【0058】上述のように、上記実施の形態において
は、上記正規化部6,方向量子化部7,画像パターン生成
部8,特徴抽出部9,マッチング部10および文字分類部
11によって概略構成された大分類部2を設けている。
そして、タブレット1からの座標データ列に対して、正
規化部6によって位置と大きさに関して正規化を行った
後に、方向量子化部7によって、各座標データ間のセグ
メントおよびオフストロークの方向を16個の方向コー
ドを用いて量子化する。そして、画像パターン生成部8
によって、上記16個の方向コードを上下左右の方向に
大別して成る4つの方向コード群に対応付けられた画像
メモリM1〜M4の夫々に、該当する方向コードのセグメ
ントおよびオフストロークの画像パターンを生成する。
そして、特徴抽出部9によって、4個の画像メモリM1
〜M4を5×5領域に分割し、個々の領域から黒画素数
を特徴量として抽出して100次元の特徴ベクトルを得
るようにしている。
【0059】手書き文字入力の場合、個人によって筆順
は変わっても筆跡パターンを構成する各ストロークの方
向に個人差はあまり生じない。また、崩し文字であって
も、基本となるストロークの方向は楷書の当該ストロー
クの方向と大略同一である。そこで、本実施の形態にお
いては、上述の如く、入力筆跡のセグメント方向(画像
メモリ)によって分類された各セグメントおよびオフス
トロークのパターン(画像パターン)に基づいて特徴ベク
トルv'vecを抽出するのである。こうすることによっ
て、手書き入力文字の筆順に依存せず、且つ、崩し文字
であっても安定して手書き入力文字のカテゴリを大分類
できるのである。
【0060】その場合、従来の一般的なOCR手法にお
いては、「水平」,「垂直」,「右斜め」および「左斜め」の向
きを考慮しない4方向にセグメントの画像パターンをま
とめている。ところが、実際の手書き文字においては、
斜めのストロークは、筆記条件によって傾きが変動し易
く、個人差も大きい。そこで、本実施の形態において
は、「上」,「下」,「左」および「右」の4方向にセグメントお
よびオフストロークの画像パターンをまとめるのであ
る。こうして、筆記条件による方向の変動が少なく個人
差も少ない上下左右の4方向にセグメントおよびオフス
トロークの方向を大別することによって、手書き入力さ
れた文字が崩し字であっても更に安定してカテゴリを大
分類できるのである。
【0061】さらに、本実施の形態においては、上記
「上」,「下」,「左」,「右」の中間の方向の方向コードをその
方向コードを境界とする2つの画像メモリに対応付ける
ようにしている。こうすることによって、上下左右の4
方向の境界付近に位置するセグメントの角度の変動を吸
収して、より精度よく大分類を行うのである。
【0062】また、上記実施の形態においては、上記正
規化部6によって正規化を行う場合に、入力筆跡パター
ンの中心を基準として正規化を行うようにしている。し
たがって、手書きによる文字の変形を吸収することがで
きる。その場合に、オフストロークの情報を加味して正
規化を行うことによって、続け字で手書き入力された場
合の筆跡パターンの中心位置と楷書で手書き入力された
場合の筆跡パターンの中心位置との変動を少なくでき、
続け字による正規化誤差を吸収できる。
【0063】また、上記実施の形態においては、上記画
像パターン生成部8によってストロークの画像パターン
を生成する場合に、オフストロークの画像パターンも生
成するようにしている。そして、太め処理によってスト
ロークの場合には上下左右4画素まで太くする一方、オ
フストロークの場合には上1画素あるいは右1画素まで
太くするようにしている。したがって、オフストローク
の場合にはストロークの場合よりも太さは細くなる。こ
うして、オフストロークの画像パターンの太さをストロ
ークの画像パターンの太さより細くすることによって、
後に特徴抽出部9によって黒画素数を特徴量として抽出
する場合にオフストロークに対して重み付けを行うこと
ができる。
【0064】すなわち、上述のように、ストロークとオ
フストロークとの画像パターンを生成するので、楷書で
手書き入力された文字の画数と続け字で手書き入力され
た文字の画数との変動が少なくなって、続け字による画
像パターンの変動を吸収できる。その場合に、大分類辞
書部3に続け字用の標準ベクトルを登録しておく必要が
ない。したがって、大分類辞書部3の記憶容量を少なく
して高速な認識処理を可能にする。また、ストロークと
オフストロークとに重みを付けてマッチングを行うこと
ができるので、入力文字の筆順が変動しても大分類の精
度低下を軽減できる。
【0065】また、上記実施の形態においては、上記特
徴抽出部9によって、各画像メモリM1〜M4を5×5の
25領域に分割する場合には、図7に示すように各領域
の境界部分をオーバーラップさせて分割するようにして
いる。したがって、上述した上下左右の境界の方向コー
ドを2個の画像メモリにオーバーラップさせて対応付け
る場合と同様に、分割領域の境界付近に位置するセグメ
ントの位置変動を吸収することができ、手書き入力文字
の大分類を更に精度よく行うことができる。
【0066】すなわち、上記実施の形態によれば、手書
き入力文字の画数や筆順に依存することなく、且つ、手
書き文字の字体が崩れていても、文字カテゴリの大分類
を安定且つ有効に行うことができるのである。
【0067】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に係
る発明の手書き文字認識装置は、画像パターン生成部に
よって方向毎に分類されて生成された入力筆跡のセグメ
ントおよびオフストロークの画像パターンに基づいて、
特徴抽出部によって特徴ベクトルを求め、マッチング部
による標準ベクトルとのマッチング結果に基づいて、文
字分類部によって、認識対象となるカテゴリを限定する
ので、筆順が変わっても個人差が生ずることが少なく且
つ崩し字であっても基本部分は大略同一であるストロー
ク方向に基づいて、筆順に依存しないで且つ崩れた文字
であっても安定して手書き入力文字のカテゴリを大分類
できる。
【0068】その場合、上記筆跡パターンのストローク
のみならずオフストロークをも考慮して大分類を行うこ
とによって、楷書で手書き入力された文字の画数と続け
字で手書き入力された文字の画数との変動を少なくで
き、続け字による画像パターンの変動を吸収して、手書
き入力された文字の文字カテゴリを更に精度よく大分類
できる。さらに、崩し字や続け字用の標準ベクトルを特
別用意する必要がなく、少ない標準ベクトルで短時間に
崩し字や続け字のカテゴリを大分類できる。
【0069】また、請求項2に係る発明の手書き文字認
識装置における上記画像パターン生成部は、上記セグメ
ントおよびオフストロークの画像パターンを生成する場
合には、上記セグメントの太さを所定の太さにする一
方、上記オフストロークの太さを上記所定の太さよりも
細くするので、後に抽出される特徴量が黒画素数である
場合には上記オフストロークに対して重みを付けること
ができる。したがって、筆順の変動による大分類の精度
低下を軽減することができる。
【0070】また、請求項3に係る発明の手書き文字認
識装置における上記画像メモリは、主たる方向が上下左
右である4つの方向コード群に対応付けられた4個の画
像メモリであるので、手書き入力された筆跡パターンの
全セグメントおよび全オフストロークの画像パターン
を、筆記条件によって傾斜が変動し難く個人差も少ない
上下左右の4方向にまとめることができる。したがっ
て、手書き入力された文字が崩し字であっても更に安定
してカテゴリを大分類できる。
【0071】また、請求項4に係る発明の手書き文字認
識装置は、上と右との両方向の中間の方向を指定する方
向コード、上と左との両方向の中間の方向を指定する方
向コード、下と右との両方向の中間の方向を指定する方
向コード、および、下と左との両方向の中間の方向を指
定する方向コードを、該当する両方向の夫々が対応付け
られている2個の画像メモリに対応付けるので、例えば
上方向と右方向との境界付近に位置するセグメントの画
像パターンは、上記上方向が対応付けられている画像メ
モリと右方向に対応付けられている画像メモリの両方に
生成される。したがって、上下左右の4方向の境界付近
に位置するセグメントの傾斜の変動を吸収して、手書き
入力された文字のカテゴリを更に精度よく大分類でき
る。
【0072】また、請求項5に係る発明の手書き文字認
識装置における上記正規化部は、手書き入力された筆跡
パターンの中心を求め、上記筆跡パターンを上記中心を
通る直交軸によって分割した4領域の夫々の座標データ
を、正規化サイズ×正規化サイズの矩形領域を直交軸に
よって4等分割したうちの対応する領域の座標データに
変換するので、手書き入力された筆跡パターンの中心を
基準として位置と大きさとを正規化できる。したがっ
て、手書き入力文字の変形を吸収して入力文字のカテゴ
リを精度よく大分類できる。
【0073】また、請求項6に係る発明の手書き文字認
識装置における上記正規化部は、上記筆跡パターンのス
トロークのみならずオフストロークの座標データをも用
いて上記筆跡パターンの中心を求めるので、楷書で手書
き入力された筆跡パターンの中心位置と続け字で手書き
入力された筆跡パターンの中心位置との変動を少なくで
き、続け字による正規化誤差を無くすことができる。
【0074】また、請求項7に係る発明の手書き文字認
識装置における上記特徴抽出部は、上記画像メモリをM
×Nの領域に分割する場合に、各領域の境界部分をオー
バーラップさせて分割するので、上記画像メモリの分割
領域の境界付近に存在するセグメントの位置変動を吸収
でき、手書き入力文字のカテゴリを更に精度よく大分類
できる。
【0075】また、請求項8に係る発明のプログラム記
憶媒体は、方向によって分類された入力筆跡のセグメン
トおよびオフストロークの画像パターンに基づいて特徴
ベクトルを求め、この特徴ベクトルと標準ベクトルのマ
ッチング結果に基づいて、認識対象となるカテゴリを限
定するプログラムを記憶しているので、筆順が変わって
も個人差が少なく且つ崩し字であっても基本部分は大略
同一であるストローク方向に基づいて、筆順に依存せず
且つ崩れた文字であっても安定して手書き入力文字のカ
テゴリを大分類できる。
【0076】その場合、上記筆跡パターンのストローク
のみならずオフストロークをも考慮して大分類を行うこ
とによって、楷書で手書き入力された文字の画数と続け
字で手書き入力された文字の画数との変動を少なくで
き、続け字による画像パターンの変動を吸収して、手書
き入力された文字のカテゴリを更に精度よく大分類でき
る。さらに、崩し字や続け字用の標準ベクトルを特別用
意する必要がなく、少ない標準ベクトルで短時間に崩し
字や続け字のカテゴリを大分類できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の手書き文字認識装置におけるブロッ
ク図である。
【図2】図1における大分類部によって行われる大分類
処理動作のフローチャートである。
【図3】図1における正規化部によって行われる筆跡パ
ターン正規化の説明図である。
【図4】方向コードおよび方向コード列の説明図であ
る。
【図5】図1における画像パターン生成部によって生成
される画像パターンの説明図である。
【図6】図1における画像パターン生成部によって行わ
れる太め処理の説明図である。
【図7】図1における特徴抽出部によって行われる画像
メモリの分割と作成されるベクトルの説明図である。
【図8】図1における文字分類部によって行われるビッ
トフィールドへの大分類結果書き込みの説明図である。
【符号の説明】
1…タブレット、 2…大分類部、3
…大分類辞書部、 4…文字認識部、5
…結果表示部、 6…正規化部、7…
方向量子化部、 8…画像パターン生成
部、9…特徴抽出部、 10…マッチン
グ部、11…文字分類部、 15…画像
メモリ部、16…文字認識辞書部。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 手書き入力された筆跡の座標データを時
    系列に配列して成る座標データ列を得るタブレットと、
    上記座標データ列に基づいて手書き入力文字のカテゴリ
    を大分類する大分類部と、この大分類結果に基づいて手
    書き入力文字を認識する文字認識部を有する手書き文字
    認識装置において、 上記大分類部は、 上記座標データを変換して、手書き入力された筆跡パタ
    ーンの位置と大きさとを正規化する正規化部と、 上記正規化後の座標データ列に基づいて、ストロークを
    構成する各セグメントおよび各ストローク間を結ぶオフ
    ストロークの方向を量子化して方向コードを得る方向量
    子化部と、 上記方向コードに対応付けられた画像メモリ上に、該当
    する方向コードのセグメントおよびオフストロークの画
    像パターンを生成する画像パターン生成部と、 上記画像メモリをM×Nの領域に分割し、各領域の特徴
    量を抽出して特徴ベクトルを求める特徴抽出部と、 上記特徴ベクトルと予め登録された標準ベクトルとのマ
    ッチングを行うマッチング部と、 上記マッチングの結果を受けて、認識対象となるカテゴ
    リを限定する文字分類部を備えていることを特徴とする
    手書き文字認識装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の手書き文字認識装置に
    おいて、 上記画像パターン生成部は、上記セグメントおよびオフ
    ストロークの画像パターンを生成する場合に、上記セグ
    メントの太さを所定の太さにする一方、上記オフストロ
    ークの太さを上記所定の太さよりも細くするようになっ
    ていることを特徴とする手書き文字認識装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の手書き文字認識装置に
    おいて、 上記画像メモリは、主たる方向が上下左右である4つの
    方向コード群に対応付けられた4個の画像メモリである
    ことを特徴とする手書き文字認識装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の手書き文字認識装置に
    おいて、 上と右との両方向の中間の方向を指定する方向コード、
    上と左との両方向の中間の方向を指定する方向コード、
    下と右との両方向の中間の方向を指定する方向コード、
    および、下と左との両方向の中間の方向を指定する方向
    コードは、該当する両方向の夫々が対応付けられている
    2個の画像メモリに対応付けられていることを特徴とす
    る手書き文字認識装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の手書き文字認識装置に
    おいて、 上記正規化部は、上記タブレットからの座標データ列に
    基づいて、上記筆跡パターンの中心を求め、上記筆跡パ
    ターンを上記中心を通る直交軸によって分割した4領域
    の夫々の座標データを、正規化サイズ×正規化サイズの
    矩形領域を直交軸によって4等分割したうちの対応する
    領域の座標データに変換するようになっていることを特
    徴とする手書き文字認識装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の手書き文字認識装置に
    おいて、 上記正規化部は、上記筆跡パターンのストロークのみな
    らずオフストロークの座標データをも用いて上記筆跡パ
    ターンの中心を求めるようになっていることを特徴とす
    る手書き文字認識装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の手書き文字認識装置に
    おいて、 上記特徴抽出部は、上記画像メモリをM×Nの領域に分
    割する場合に、各領域の境界部分をオーバーラップさせ
    て分割するようになっていることを特徴とする手書き文
    字認識装置。
  8. 【請求項8】 手書き入力された筆跡の座標データを時
    系列に配列して成る座標データ列を得、 上記座標データを変換して、手書き入力された筆跡パタ
    ーンの位置と大きさとを正規化し、 上記正規化後の座標データ列に基づいて、ストロークを
    構成する各セグメント及び各ストローク間を結ぶオフス
    トロークの方向を量子化して方向コードを得、 上記方向コードに対応付けられた画像メモリ上に、該当
    する方向コードのセグメントおよびオフストロークの画
    像パターンを生成し、 上記画像メモリをM×Nの領域に分割し、各領域の特徴
    量を抽出して特徴ベクトルを求め、 上記特徴ベクトルと予め登録された標準ベクトルとのマ
    ッチングを行い、このマッチングの結果に基づいて認識
    対象となるカテゴリを限定して、手書き入力文字のカテ
    ゴリを大分類するプログラムを記憶したことを特徴とす
    るプログラム記憶媒体。
JP25701897A 1997-09-22 1997-09-22 手書き文字認識装置およびプログラム記憶媒体 Expired - Fee Related JP4099248B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25701897A JP4099248B2 (ja) 1997-09-22 1997-09-22 手書き文字認識装置およびプログラム記憶媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25701897A JP4099248B2 (ja) 1997-09-22 1997-09-22 手書き文字認識装置およびプログラム記憶媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1196302A true JPH1196302A (ja) 1999-04-09
JP4099248B2 JP4099248B2 (ja) 2008-06-11

Family

ID=17300599

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25701897A Expired - Fee Related JP4099248B2 (ja) 1997-09-22 1997-09-22 手書き文字認識装置およびプログラム記憶媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4099248B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002091288A1 (en) * 2001-05-10 2002-11-14 Bijitec Pte Ltd System and method for compressing stroke-based handwriting and line drawing
WO2010078698A1 (zh) * 2008-12-30 2010-07-15 广东国笔科技股份有限公司 一种手写字符识别方法及系统
CN113011412A (zh) * 2021-04-15 2021-06-22 深圳市鹰硕云科技有限公司 基于笔顺及ocr文字识别方法、装置、设备及存储介质
CN113158961A (zh) * 2021-04-30 2021-07-23 中电鹰硕(深圳)智慧互联有限公司 基于智能笔手写图像的处理方法、装置、系统及存储介质

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002091288A1 (en) * 2001-05-10 2002-11-14 Bijitec Pte Ltd System and method for compressing stroke-based handwriting and line drawing
WO2010078698A1 (zh) * 2008-12-30 2010-07-15 广东国笔科技股份有限公司 一种手写字符识别方法及系统
CN113011412A (zh) * 2021-04-15 2021-06-22 深圳市鹰硕云科技有限公司 基于笔顺及ocr文字识别方法、装置、设备及存储介质
CN113158961A (zh) * 2021-04-30 2021-07-23 中电鹰硕(深圳)智慧互联有限公司 基于智能笔手写图像的处理方法、装置、系统及存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP4099248B2 (ja) 2008-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2667954B2 (ja) 静的及び動的パラメータを使用する自動手書き文字認識装置及び方法
US6275611B1 (en) Handwriting recognition device, method and alphabet, with strokes grouped into stroke sub-structures
US6011865A (en) Hybrid on-line handwriting recognition and optical character recognition system
US7336827B2 (en) System, process and software arrangement for recognizing handwritten characters
US20030007683A1 (en) Method and system for separating text and drawings in digital ink
US20080002884A1 (en) Method and device for recognition of a handwritten pattern
JPH08180139A (ja) 拘束のない手書き英数字のオンライン認識の方法及び装置
JP3761937B2 (ja) パターン認識方法及び装置及びコンピュータ制御装置
US11837001B2 (en) Stroke attribute matrices
Fornés et al. Rotation invariant hand-drawn symbol recognition based on a dynamic time warping model
JP3155616B2 (ja) 文字認識方法及び装置
CN101354749B (zh) 字典制作方法、手写输入方法和设备
Chaithra et al. Handwritten online character recognition for single stroke Kannada characters
Murthy et al. Choice of Classifiers in Hierarchical Recognition of Online Handwritten Kannada and Tamil Aksharas.
JPH1196302A (ja) 手書き文字認識装置
Safdar et al. A novel similar character discrimination method for online handwritten Urdu character recognition in half forms
Ashoka et al. Feature extraction technique for neural network based pattern recognition
US9454706B1 (en) Arabic like online alphanumeric character recognition system and method using automatic fuzzy modeling
Wakahara et al. Stroke-number and stroke-order free on-line Kanji character recognition as one-to-one stroke correspondence problem
Simayi et al. Survey on the features for recognition of on-line handwritten Uyghur characters
Sajedi et al. Persian handwritten number recognition using adapted framing feature and support vector machines
Johnston et al. Sketch recognition of digital logical circuits
Yin et al. Lexicon-driven recognition of one-stroke character strings in visual gesture
Inuganti et al. Online handwritten Indian character recognition and its extension to Telugu character recognition
Prat et al. A Template-based Recognition System for On-line Handwritten Characters.

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080311

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080317

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110321

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120321

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees