JPH11908A - 水硬性無機質成形体の製造方法 - Google Patents

水硬性無機質成形体の製造方法

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JPH11908A
JPH11908A JP15388897A JP15388897A JPH11908A JP H11908 A JPH11908 A JP H11908A JP 15388897 A JP15388897 A JP 15388897A JP 15388897 A JP15388897 A JP 15388897A JP H11908 A JPH11908 A JP H11908A
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JP
Japan
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hydraulic inorganic
water
rotating part
rotating
hydraulic
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JP15388897A
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English (en)
Inventor
Takeshi Uehara
剛 上原
Eiji Kimura
英治 木村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水硬性無機物質、補強繊維、無機充填材など
の従来材料を用いて、たとえ補強繊維の表面付着水が高
い場合であっても、補強繊維が均一に水硬性無機質組成
物に分散して、優れた曲げ強度、引張強度を持ち、表面
が平滑な成形体が連続的に得られる方法を提供する。 【解決手段】 材料供給機能を有する第1の回転部と、
材料混練機能を有する第2の回転部と、材料圧縮機能を
有する第3の回転部と、材料計量機能を有する第4の回
転部とからなる押出機に於いて、水硬性無機物質、無機
充填材、補強繊維、水溶性高分子を均一に混合した水硬
性無機質組成物を第1の回転部に供給し、第2の回転部
に設けられたノズルから水を供給し、混練、圧縮、及
び、計量工程を経て、バレルの先端より押出すことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水硬性無機質成形
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セメント、モルタル、石膏等の水硬性無
機物質と水からなる無機質組成物を成形・硬化させた水
硬性無機質成形体は、古くから種々の構造材に好適に使
用されている。このような硬化体を製造するには、水硬
性無機質組成物を押出成形法によって押出成形して水硬
性無機質成形体を得た後、この水硬性無機質組成物を養
生硬化させる方法が生産性の面で優れている。しかし、
押出成形法に於いては、特に水硬性無機質組成物に流動
性が要求されるので、流動性を確保するために、水硬性
無機質に対して多量の水を添加して得られた水硬性無機
質組成物が用いられてきた。
【0003】しかし、このような多量の水を含む水硬性
無機質組成物を用いて成形した水硬性無機質成形体を硬
化させると、余剰水により硬化体中に空隙が形成され、
硬化に必要な最小限の水しか含まない水硬性無機質組成
物を用いた場合に比べ、硬化体の強度、耐水性等が低い
という問題があった。又、硬化体の強度を向上させるた
めに、水硬性無機質組成物中に補強繊維を添加すること
があるが、このように補強繊維を水硬性無機質組成物中
に添加する場合、補強繊維がマトリックス中に均一に分
散されるように水硬性無機質組成物を十分に混合、混練
する必要がある。
【0004】そこで、より少ない水量で補強繊維が均一
に分散混合された高強度な繊維強化無機質成形体を得る
ための方法として、バレルと、バレル内でバレルの径方
向に回転して材料を連続的に押し出す一対の長尺回転体
とで構成され、長尺回転体は押し出し方向に向かって、
材料を供給する機能を有する第1の回転部と、材料を混
練する機能を有する第2の回転部と、材料を圧縮する機
能を有する第3の回転部と、材料を計量する機能を有す
る第4の回転部とからなる、複数の回転部を持つ押出機
を用いて連続的に水硬性無機質成形体を製造する方法
(特開平6−218722号公報)が本出願人から先に
提案されている。
【0005】すなわち、上記の押出機は、第1の回転部
に設けた材料供給口であるホッパーから、必要最小限の
水と共に、全ての材料を予め混合混練することなく同時
に第1の回転部に供給し、第1の回転部で材料を混合し
ながら定量的に第2の回転部へ送り、この第2の回転部
で材料中の補強繊維を十分に解繊しながら他の材料と均
一に分散した水硬性無機質組成物とする。そして、第2
の回転部で得られた水硬性無機質組成物を、第3の回転
部で圧縮応力、剪断応力をかけることにより押出機の送
り方向に行くにつれて材料の体積を減少させ、充満率を
上げて、第4の回転部で水硬性無機質組成物を計量して
定量的に押出すようになっている。
【0006】この場合、材料を予め混合させずに、ホッ
パーにそれぞれの材料を投入すると、第1の回転部でこ
れらを均一に混合するのに時間がかかり過ぎるため、第
1の回転部のゾーンを長くする必要がある。
【0007】又、水硬性無機物質などの粉体と補強繊維
とを予め混合して置き、この混合物をホッパーに投入す
ると、補強繊維の含水率が大きかったり、表面付着水が
高い場合には、水硬性無機物質が優先的に補強繊維の水
分と反応して、該繊維の表面のみで硬化を起こし、水硬
性無機質組成物の中での補強繊維の分散性を著しく低下
させる。又、時間と共に硬化反応が進行するので、混合
した水硬性無機質組成物を長時間に渡って保存して置く
ことができなく、押出開始直後と時間が経過した場合で
は、水硬性無機質成形体の物性に相違がでる。
【0008】上述のような現象は、補強繊維として、表
面付着水分率が20〜30重量%あるポリプロピレン繊
維を使用する場合に起こり易く、予め乾燥機などで表面
付着水を乾燥させてから使用していた。しかし、実際的
には約5kgのポリプロピレン繊維を乾燥させるのに、
80℃の乾燥機で3〜4日が必要であり、前準備が大変
で不経済であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な問題を解消する為になされたものであって、水硬性無
機物質、補強繊維、無機充填材、水溶性高分子、水など
の従来材料を用いて、たとえ補強繊維が含水率が大きか
ったり、表面付着水が高い場合であっても、補強繊維が
均一に水硬性無機質組成物に分散して、優れた曲げ強
度、引張強度を持ち、表面が平滑な水硬性無機質成形体
が連続的に得られる製造方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載の
発明(以下、第1発明という)の水硬性無機質成形体の
製造方法は、バレルと、バレル内でバレルの径方向に回
転して材料を連続的に押出す一対の長尺回転体とで構成
され、長尺回転体が押出方向に向かって、材料を供給す
る機能を有する第1の回転部と、材料を混練する機能を
有する第2の回転部と、材料を圧縮する機能を有する第
3の回転部と、材料を計量する機能を有する第4の回転
部とからなる押出機に於いて、水硬性無機物質、無機充
填材、補強繊維、水溶性高分子を均一に混合した水硬性
無機質組成物を第1の回転部に供給し、第2の回転部に
設けられたノズルから水を供給し、混練、圧縮、及び、
計量工程を経て、バレルの先端より押出すことを特徴と
する。
【0011】本願の請求項2に記載の発明(以下、第2
発明という)の水硬性無機質成形体の製造方法は、上記
第1発明の製造方法に於いて、第1の回転部に供給され
る水硬性無機質組成物が、先ず、無機充填材、補強繊
維、水溶性高分子とを均一に混合し、ついで水硬性無機
物質を加えて混合して得られる組成物であることを特徴
とする。
【0012】上述のように、第1発明と第2発明との相
違は、第1の回転部に供給される水硬性無機質組成物の
相違にあり、両者とも組成は同一であるが、それが調製
される混合方法の相違から生じる該組成物の構造上の差
に基づく。即ち、第1発明で使用される水硬性無機質組
成物は、水硬性無機物質、無機充填材、補強繊維、水溶
性高分子が均一に混合された組成物であって、その混合
の順序、方法などを問わずに得られた単純均一混合物で
ある。
【0013】しかし、第2発明で使用される水硬性無機
質組成物は、先ず無機充填材、補強繊維、水溶性高分子
が均一に混合され、ついで水硬性無機物質が添加・混合
されて得られた組成物であって、最初に水で硬性反応を
起こさない材料同士が均一に混合され、次に水と反応す
る水硬性無機物質が添加・混合された組成物である。そ
れ故に、補強繊維が含水率が大きかったり、表面付着水
が高い繊維で合っても、その表面は無機充填材や水溶性
高分子で被覆されたり、脱水されたりしており、水硬性
無機物質が補強繊維の表面を被覆して硬化反応を起こし
ている割合は、第1発明の場合に比べ遙に小さいと想定
され、水硬性無機質成形体に中で、補強繊維がより均一
に分散する結果をもたらす。
【0014】従って、第1発明、第2発明は、相互に関
連した製造方法であるので、特に区別して説明する必要
がある場合を除いて、これ等を合わせて本発明と呼び、
以後、両者の共通項目を、順次、説明する。
【0015】本発明で用いられる水硬性無機物質として
は、水と混練した時、硬化性を示す無機物質ならば、特
に限定されず、例えば、普通ポルトランドセメント、特
殊ポルトランドセメント、アルミナセメント、ローマン
セメントなどの単味セメント;耐酸セメント、耐火セメ
ント、水ガラスセメントなどの特殊セメント;石膏、石
灰、マグネシアセメントなどの気硬性セメントなどが挙
げられ、これらの少なくとも1種が使用できる。これら
の内、特に強度、耐水性の点で、ポルトランドセメン
ト、アルミナセメントが好適に使用される。
【0016】本発明に使用される補強繊維としては、水
硬性無機質成形体に賦与したい性能に応じて、任意の繊
維が使用でき、例えば、ビニロン、アクリル、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなど
の合成樹脂繊維;パルプ繊維;ガラス繊維;炭素繊維;
繊維状金属などが挙げられ、これらの少なくとも1種が
使用できる。上記補強繊維の中で、表面付着水、又は、
含水率の高い繊維に有効であって、特にアクリル、ポリ
エチレン、ポリプロピレン繊維などの高含水性の合成繊
維に好ましい。
【0017】補強繊維の直径は、0.5〜40デニール
が好ましく、0.5デニール未満の場合は、混合時に再
凝集し、交絡によりファイバーボールを形成し易くなっ
て、水硬性無機質成形体の強度が改善されなく、40デ
ニールを超えると、補強効果が小さくなる。
【0018】補強繊維の繊維長は、1〜15mmが好ま
しく、1mm未満の場合は、補強効果が小さく、15m
mを超えると、繊維の分散性、配向性が低下するので、
得られる水硬性無機質成形体の強度が低下する。
【0019】補強繊維の混合量は、水硬性無機物質10
0重量部に対し、0.1〜20重量部が好ましく、0.
1重量部未満の場合は、補強効果が少なく、20重量部
を超えると、補強繊維の分散性が悪くなる。
【0020】無機充填材は、本発明の水硬性無機質成形
体の製造方法で用いる全ての構成材料の機能を著しく阻
害せず、且つ、水に溶解しないものであれば、特に限定
されるものではない。無機充填材としては、例えば、珪
砂、川砂などのセメントモルタル用骨材;フライアッシ
ュ、シリカフラワー、シリカヒューム、ベントナイト、
高炉スラグなどの混合セメント用混合材;セピオライ
ト、ウオラストナイト、マイカ、炭酸カルシウム、珪藻
土などの天然鉱物;シリカバルーン、パーライト、フラ
イアッシュバルーン、シラスバルーン、ガラスバルー
ン、発泡焼成粘土などの無機質発泡体などが挙げられ、
これらの少なくとも1種が使用される。
【0021】無機充填材の平均粒子径は、0.03〜5
00μmが好ましい。平均粒子径が0.03μm未満の
場合は、水硬性無機質成形体の硬化前の組成物の操作加
工性が困難になり、500μmを超えると、無機質充填
材の分散性が悪くなる。又、無機充填材の混合量は水硬
性無機物質100重量部に対し、2〜200重量部が好
ましく、2重量部未満の場合は、補強繊維の分散性が悪
くなり、200重量部を超えると、得られる水硬性無機
質成形体の強度が低下する。
【0022】水溶性高分子物質は、水に溶解して粘性を
賦与し、水硬性無機質組成物の流動性を高めて賦形性を
向上させ、水硬性無機質成形体の中の過剰な水分を吸収
して、水硬性無機質組成物の粒子同士の空隙を埋める接
合剤の働きをするものであれば、特に限定されるもので
はない。水溶性高分子物質としては、例えば、メチルセ
ルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースなどのセルロースエーテ
ル、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、リグニン
スルホン酸塩などが挙げられ、これらの少なくとも1種
が使用できる。
【0023】水溶性高分子物質の添加量は、水硬性無機
物質100重量部に対し、5重量部以下が好ましく、少
なすぎると、添加する意味がなく、5重量部を超える
と、水硬性無機質成形体の耐水性が低下する。
【0024】本発明に於いて、上記の各種成分の混合装
置は、均一に分散・混合される機能があれば、特に限定
されるものではなく、通常の混合機械が使用される。使
用される混合機械としては、例えば、アイリッヒミキサ
ー、オムニミキサー、リボンブレンダー、タンブラー、
ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。又、上記の混合
装置は、押出機の第1の回転部に於いて、材料供給機能
に混合機能を付与させた装置であっも何ら構わない。
【0025】第1発明に於いて、水硬性無機物質、無機
充填材、補強繊維、水溶性高分子を、上記の混合機で予
め均一に混合して、水硬性無機質組成物となし、これを
第1の回転部の始端部に材料供給口に設けたホッパーに
貯蔵した後、第1の回転部に供給し、これらを混合しな
がら定量的に第2の回転部へ送られる。ここに於いて、
押出機の第1の回転部に於いて、材料供給機能に充分な
材料混合機能が付与させられている場合は、ホッパー中
の水硬性無機質組成物の混合分散均一度が、相対的に低
くても本発明の目的を達成することができる。
【0026】一方、第2発明に於いては、混合が2段階
で遂行され、第1段階で無機充填材、補強繊維、水溶性
高分子が均一に混合され、第2段階で、第1段階で得ら
れた混合物に水硬性無機物質が添加・混合されて、最終
的に水硬性無機質組成物が調製される。上記の混合は、
上述の通常の混合機械が使用され、第1段階の混合機械
と第2段階の混合機械は同一の機械が使用される場合が
多いが、異なった混合機械が使用されても構わない。上
記の水硬性無機質組成物の押出機への投入は、第1発明
の場合と同様に、第1の回転部の始端部に材料供給口に
設けたホッパーに貯蔵され、第1の回転部に供給し、こ
れらを混合しながら定量的に第2の回転部へ送られる。
【0027】更に、押出機の第1の回転部に2個のホッ
パーを設け、1個目のホッパーには第1段階で得られた
混合物を、2個目のホッパーには水硬性無機物質を、そ
れぞれ投入し、これらを第1の回転部で連続的に混合・
供給して、水硬性無機質組成物を調製し、定量的に第2
の回転部へ導入しても構わない。
【0028】押出機にホッパーから押出機に水硬性無機
質組成物などを定量的に供給する方法としては、特に限
定されるものではなく、従来公知の任意の方法が使用で
き、例えば、スクリューフィーダー、サークルフィーダ
ーなどが使用される。又、水硬性無機質組成物の供給量
は、押出機のバレル径により異なるが、適切でないと、
水硬性無機質組成物の混練が十分になされない場合が多
く、例えば、バレル径が100mmの場合、水硬性無機質
組成物の総量で100〜600kg/hrが好ましい。
【0029】本発明の方法に於いて、第2の回転部は、
水がノズルから定量的に供給され、水硬性無機質組成物
が混練される機能を有している。第2の回転部に水を定
量的に供給する方法としては、特に限定されるものでは
ないが、従来公知の任意の方法が適用でき、例えば、チ
ュービングポンプ、一軸ネジ式ポンプ、マグネットポン
プ、ダイヤフラム式定量ポンプ、定量パルスポンプなど
を利用することができる。水を供給するノズルは、第2
の回転部の始端部から押出方向に向かって、第2の回転
部の全長の3/4以内の位置に設置されることが好まし
い。
【0030】本発明に使用される水の添加量は、水硬性
無機物質100重量部に対し、15〜60重量部が好ま
しく、更に好ましくは20〜40重量部である。水の添
加量が、15重量部未満の場合は、水硬性無機質組成物
の水混合物の分散が不充分となって硬化が不完全とな
り、60重量部を超えると、水硬性無機質成形体の強度
が低下する。
【0031】本発明の方法に於いては、上述のように得
られた水硬性無機質組成物と水との混練物が、材料を圧
縮する機能を有する第3の回転部、材料を計量する機能
を有する第4の回転部の順に送られ、最終的にバレルの
先端より水硬性無機質組成物が押出される。
【0032】本発明の水硬性無機質成形体の製造方法
は、特開平6−218722号公報に提案された押出機
を使用することが可能で、第4の回転部から吐出された
水硬性無機質組成物を所望の形状の押出、金型内に供給
して賦形してもよいし、第4の回転部から吐出された水
硬性無機質組成物を所望の形状のプレス金型内に供給し
プレス成形を行ってもよい。
【0033】本発明の水硬性無機質組成物から硬化体を
得るには、時間をかけて自然養生を行っても構わない
が、ポルトランドセメントのように、硬化反応が遅い水
硬性無機物質を使用する場合には、オートクレーブで加
熱・加湿して養生を行い、硬化反応を促進して、機械的
物性を向上させることもできる。
【0034】
【作用】補強繊維が含水していると、水硬性無機物質で
被覆されて、硬化反応を起こして、水硬性無機質成形体
中の該繊維の分散性を劣悪にして、その物性を低下させ
る。第1発明に於いては、水硬性無機物質、無機充填
材、補強繊維、水溶性高分子からなる均一混合組成物
を、水を添加せずに、第1の回転部で作製し、第2の回
転部で水と混練して、水硬性無機質組成物とするため、
補強繊維が含水する程度が減少し、又、たとえ最初から
補強繊維が含水していても、乾燥した各種材料と共に混
合されるので、補強繊維が非水硬性無機物質で被覆され
る割合が多く、含水率も低下させられたりする。それ故
に、補強繊維の表面で水硬性無機物質が反応硬化する割
合が少ない水硬性無機質組成物が得られる。
【0035】第2発明に於いては、先ず補強繊維を非水
硬性無機物質だけで混合し、しかる後に、水硬性無機物
質と共に混合するから、補強繊維の表面で水硬性無機物
質が反応硬化する割合が、第1発明より更に少ない水硬
性無機質組成物が得られる。又、第2発明の方法で水を
添加しないで得られた水硬性無機質組成物は、長期間の
貯蔵ができ、必要な量のみ押出機で成形できるので、大
変、経済的である。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明を、更に詳しく説明する為
に、実施例、比較例をもって、以下に、説明する。 実施例1 (1)押出機装置 使用した押出機は、バレルとバレル内でバレルの径方向
に回転して材料を連続的に押出す一対の長尺回転体とで
構成されている。該長尺回転体は、押出方向に向かっ
て、第1の回転部、第2の回転部、第3の回転部、及
び、第4の回転部の順に構成されている。
【0037】第1の回転部の始端部には、ホッパーが設
けられ、第2の回転部の始端部から50mmの位置にノ
ズルが設けられている。第1の回転部は、バレル内で回
転する回転軸の外周に全長150mmのスクリューが形
成されている。スクリューにはフライトが設けられてい
る。
【0038】第2の回転部は、パドルが回転軸に嵌装固
定されている。パドルは、押出機の径方向に向かって1
00mmの長さを持ち、押出機の押出方向に向かって頂
部が略螺旋条になるように45゜ずつ角度を変えながら
4枚組み合わされて構成され、全長で125mmとなっ
ている。
【0039】パドルは、常に一方の頂部が他方の頂部を
こするように90゜の位相差を持って回転し、パドルと
バレルとの間には0.1mmの間隔を有し、回転軸は第1
の回転部のスクリューに連動して回転する。
【0040】第3の回転部は、第2の回転部と同様の回
転軸にパドルが嵌装固定され、パドルは、第2の回転部
のパドルと同様に押出機の押出方向に向かって、頂部が
交互に直角になるように10枚組み合わされて構成さ
れ、全長で313mmとなっている。回転軸は第1の回転
部のスクリュー、第2の回転部の回転軸に連動して回転
する。
【0041】第4の回転部は、第2の回転部と同様の断
面形状を有するパドルが回転軸に嵌装固定されている。
パドルは押出方向に向かって頂部が略螺旋条であり、押
出方向に向かって頂部が連続になるように角度を変えな
がら9枚組み合わされて構成され、全長で282mmとな
っている。回転軸は第1の回転部のスクリュー、第2の
回転部の回転軸、第3の回転部の回転軸に連動して回転
する。
【0042】(2)水硬性無機質組成物の作製 フライアッシュ(平均粒径100μm、真比重2.3、
かさ比重0.6;JIS A 6201に準ず)50重
量部、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(20℃に
於ける2%水溶液の粘度が30000cpsのもの)2
重量部、ポリプロピレン繊維(2デニール、繊維長6m
m、付着水分率30重量%)1重量部をアイリッヒミキ
サー(日本アイリッヒ社製)で5分間混合して混合物を
得た。次いで、上記混合物に普通ポルトランドセメント
(秩父小野田セメント社製)100重量部を添加し、ア
イリッヒミキサー(日本アイリッヒ社製)で5分間混合
して、水硬性無機質組成物を得た。
【0043】(3)水硬性無機質成形体の作製 (2)で得られた水硬性無機質組成物をホッパーに投入
し、供給速度120kg/hrで第1の回転部に供給し
た。同時に、第2の回転部の始端部から50mmの位置
のノズルから、一軸ネジ式ポンプ(兵神装備社製、型
式;モーノポンプ3NE08H2)を用いて、水を2
2.9kg/hrで供給した。
【0044】上記(1)の押出機のスクリューを60rp
m の回転速度で回転させ、第4の回転部と吐出口の間に
100mmのバレルとバレル内にフライトが設けられた
スクリューを挿入連設し、更にバレル出口には、押出方
向に100mmの平行部を有し、出口形状が幅200m
m×高さ6mmの金型を連設し、平板状の水硬性無機質
成形体を連続的に得た。
【0045】(4)水硬性無機質成形体の評価 得られた水硬性無機質成形体を60℃、100%RHに
於いて、6時間養生して、無機質成形体を得た。押出開
始から終了まで均一な押出成形体が得られているか否か
を調べる為に、得られた無機質成形体から押出方向が2
00mmで幅30mmのダンベルを20本切り出して、
JIS A 1408に準じて、曲げ強度測定方法を測
定し、その標準偏差を算出した。又、得られた無機質成
形体の切断面を目視で観察し、補強繊維が分散している
ものは○印、補強繊維の凝集が認められるものには△
印、該凝集が著しく認められるものには×印を付けて評
価し、結果を表1に示した。
【0046】実施例2 ポリプロピレン繊維1重量部の代わりに、アクリル繊維
(2.5デニール、繊維長6mm、含水率25重量%)
を2重量部添加した以外は、実施例1と同様にして無機
質成形体を作製して、評価した。結果は表1に示した。
【0047】実施例3 実施例1の(2)と同じ方法で水硬性無機質組成物の作
製し、これをビニル袋に詰めて、室温で一週間放置し
た。得られた水硬性無機質組成物を実施例1の(3)、
(4)と同じ方法で水硬性無機質成形体を作製、養生、
評価し、結果を表1に示した。
【0048】比較例1 普通ポルトランドセメント(秩父小野田セメント社製)
100重量部、フライアッシュ(平均粒径100μm、
真比重2.3、かさ比重0.6;JIS A6201に
準ず)50重量部、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス(20℃に於ける2%水溶液の粘度が30000cp
sのもの)2重量部、ポリプロピレン繊維(2デニー
ル、繊維長6mm、付着水分率30重量%)1重量部をア
イリッヒミキサー(日本アイリッヒ社製)で5分間混合
して水硬性無機質組成物を得た。得られた水硬性無機質
組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、水硬性
無機質成形体を作製、養生、評価し、結果を表1に示し
た。
【0049】比較例2 比較例1で得られた水硬性無機質組成物を、ビニル袋に
詰めて、室温で一週間放置し、得られた水硬性無機質組
成物を実施例1の(3)と同じ方法で水硬性無機質成形
体を作製することを試みたが、補強繊維の絡まったセメ
ントの塊が数多く存在し、混練ができる状態でなく、水
硬性無機質成形体を得ることができなかった。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明の水硬性無機質成形体の製造方法
は、上述のように構成されており、補強繊維が均一に無
機質成形体の中に分散されているので、優れた曲げ強度
と引張強度を持ち、表面が平滑になる水硬性無機質成形
体を得ることができる。従って、本発明の方法による水
硬性無機質成形体は、外壁、屋根、パイプなど各種の無
機質二次製品に応用することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バレルと、バレル内でバレルの径方向に
    回転して材料を連続的に押出す一対の長尺回転体とで構
    成され、長尺回転体が押出方向に向かって、材料を供給
    する機能を有する第1の回転部と、材料を混練する機能
    を有する第2の回転部と、材料を圧縮する機能を有する
    第3の回転部と、材料を計量する機能を有する第4の回
    転部とからなる押出機に於いて、水硬性無機物質、無機
    充填材、補強繊維、水溶性高分子を均一に混合した水硬
    性無機質組成物を第1の回転部に供給し、第2の回転部
    に設けられたノズルから水を供給し、混練、圧縮、及
    び、計量工程を経て、バレルの先端より押出すことを特
    徴とする水硬性無機質成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 第1の回転部に供給される水硬性無機質
    組成物が、先ず無機充填材、補強繊維、水溶性高分子と
    を均一に混合し、ついで水硬性無機物質を加えて混合し
    て得られる組成物であることを特徴とする請求項1記載
    の水硬性無機質成形体の製造方法。
JP15388897A 1997-06-11 1997-06-11 水硬性無機質成形体の製造方法 Pending JPH11908A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010510088A (ja) * 2006-11-21 2010-04-02 ガルシア,カルロス ハビエル フェルナンデス 予備混合および乾式繊維添加処理

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JP2010510088A (ja) * 2006-11-21 2010-04-02 ガルシア,カルロス ハビエル フェルナンデス 予備混合および乾式繊維添加処理

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