JPH1190456A - アルカリイオン水生成方法およびアルカリイオン水生成器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部からの電力供給を必要とせずに、水の浄
化およびミネラル分に富んだアルカリイオン水を生成す
る。 【解決手段】 通水路中のガルバニ電池４によって水分
子に電気エネルギを付与して水分子を活性化させる。そ
の後、水をセラミックマグネット５が作る磁場中を通過
させて、発生する微電流によってさらに水分子を活性化
させる。その後、水をトルマリン鉱石10を通し、この鉱
石10の永久極性電極の作用によって、水分子に電気エネ
ルギを与え、水分子を電気分解してアルカリイオン水を
生成する。さらにこのアルカリイオン水を天然炭酸カル
シウム鉱石11に通し、天然炭酸カルシウム鉱石11のミネ
ラル分を吸収させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する利用分野】本発明は、水道水等からミネ
ラル分に富んだアルカリイオン水を生成するためのアル
カリイオン水生成方法およびアルカリイオン水生成器に
関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、水質汚染によって水道水の水質も
悪化しており、人体に直接影響を与える飲料水の水質低
下は大きな問題であって、充分な浄化処理を行っている
とはいえ、水道水には、いわゆるカルキ臭があって、こ
のことを気にする者を含めて、市販されているミネラル
ウオーターが一般に飲用され、飲み水以外にも用いられ
てきている。

【０００３】また、飲料水をアルカリイオン水にして飲
用することによって、慢性下痢，消化不良，胃腸内異常
発酵，胃酸過多を抑制する効果があることは知られてい
る。

【０００４】従来のアルカリイオン水を生成するための
電気分解法によるイオン水生成装置は、駆動源としての
外部電力を必要とし、水をプラスイオンとマイナスイオ
ンとに分解して、アルカリイオン水を得ようとするもの
である。

【０００５】また水道水においては、水道管が鉄管であ
ることによる赤錆が原因する赤水、あるいは銅管である
ことによる青錆が原因する青水の発生が問題になる。こ
のため、水道管内部に薬品を塗布して錆を除去したり、
水道管内部を樹脂塗料によって被覆して防錆処理を施し
ていた。

【０００６】さらに水道管内に磁界を加えることによっ
て、水の浄化および水道管の防錆を行う方法もある。す
なわち、磁界中に水道水を移動させ、その磁力によって
水道水における水分子の大きなクラスタ(分子の集合)を
小さくして水の活性化を図り、水の浄化を行うようにし
ている。この活性化された水は、例えば酸化鉄(赤錆)の
発生を防止し、三価の酸化鉄(黒錆)を作り出し、その黒
錆の酸化被膜を水道管内壁に形成することによって、水
道管内部を保護しようとするものである。

【０００７】また、水道水の浄化を行う簡易な装置とし
ては、活性炭フィルタ，化学繊維フィルタ，セラミック
フィルタ等を用いて濾過処理を行うものも一般に用いら
れている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】従来の電気分解法によ
るイオン水生成装置には外部からの電力供給が不可欠で
あり、イオン水を利用するまでには一定時間を置く必要
があったり、また一度に利用することができる水量に制
約があった。

【０００９】また、従来の水の磁気処理法では、大きな
磁力を水に与えても、水が磁界中を常にある速度以上に
て移動しないと、その効果は全く現われないという問題
もある。

【００１０】また、水道管内部に薬品を塗布して錆を除
去したり、水道管内部を樹脂塗料によって被覆して防錆
処理を施す方法は、その水を飲用水として用いるという
ことを考慮すれば、安全性の面から問題が全くないとは
いえない。

【００１１】この点において、消石灰、すなわち水酸化
カルシウム：Ｃａ(ＯＨ)₂を水道管内部の錆防止あるい
は腐食防止のために使用することが効果のある方法であ
るということが、厚生省監修、水道施設設計指針・解説
書にも記載されている。しかしながら、水酸化カルシウ
ムは粉末のため水に溶けにくく、溶け残り水酸化カルシ
ウムが沈殿して廃棄物となってしまう。しかも、水酸化
カルシウムの水溶液は、ｐＨ値が12.0の強アルカリ性を
呈し、的確な水質管理を行わないと非常に危険である。

【００１２】また、各種フィルタを用いる水濾過法は、
いわゆる目詰まりを発生しやすく、フィルタ交換を頻繁
に行う必要があり、作業性の問題、およびランニングコ
ストが高いという問題、あるいはフィルタの品質にばら
つきがある等の問題がある。

【００１３】そこで、本発明の目的は、前記従来の問題
を解決し、外部からの電力供給を必要とせずに、水の浄
化およびミネラル分に富んだアルカリイオン水を生成す
ることができ、しかも水道水における赤錆，青錆の発生
を防ぐことができるアルカリイオン水生成方法およびア
ルカリイオン水生成器を提供することにある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明のアルカリイオン水生成方法は、通水路の入
口から水を流入させて出口から流出させる主通水路中の
処理過程を通すことによってアルカリイオン水を生成す
るアルカリイオン水生成方法であって、前記主通水路に
おける処理過程が、ガルバニ電池を通して電気エネルギ
を与えて水のクラスタを小さくする第１の工程と、セラ
ミック磁石の磁場を通して水のクラスタをさらに小さく
する第２の工程と、クラスタが小さくなった水をトルマ
リン鉱石が有する電極と接触させて、水分子を電気分解
してアルカリイオン水を生成する第３の工程と、アラゴ
ナイト型の炭酸カルシウムを通して、前記生成されたア
ルカリイオン水に前記炭酸カルシウムが含有するミネラ
ル分を吸収させる第４の工程からなり、この方法によっ
て、ガルバニ電池およびトルマリン鉱石を用いることに
よって、外部電力を必要とせずに水の活性化と電気分解
が行われ、さらにセラミック磁石による磁気処理によっ
て、さらに水の活性化が図られて、アルカリイオン水が
生成される。しかもアラゴナイト型の炭酸カルシウムに
よって、生成された水はカルシウム分に富んだアルカリ
イオン水になり、さらに水道管の内壁がカルシウム被膜
によって覆われることから、赤錆，青錆の発生を防止す
ることができる。

【００１５】また本発明のアルカリイオン水生成器は、
水を通水路の入口から流入させ、主通水路に設けられた
処理部を通して出口から流出させて、アルカリイオン水
を生成するアルカリイオン水生成器であって、主通水路
における上流側から順に、ガルバニ電池と、セラミック
磁石と、トルマリン鉱石と、アラゴナイト型の炭酸カル
シウムを設置したことによって、前記アルカリイオン水
生成方法を簡素化された構成の生成器によって実施する
ことができる。

【００１６】また本発明は、前記アラゴナイト型の炭酸
カルシウムとして天然炭酸カルシウム鉱石を用いること
によって、低コストで前記のような炭酸カルシウムの作
用効果を得ることができる。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図面を参照しながら説明する。

【００１８】図１は本発明の一実施形態を説明するため
のアルカリイオン水生成器の外観斜視図、図２は図１の
アルカリイオン水生成器の内部構造を示す説明図であ
り、図１において、１は、水道の蛇口部に適当な手段に
よって連結される入口部１aと、処理後の水を外部に流
出する出口部１bを備えた筒状容器である。

【００１９】図２において、２，３は入口部１aと出口
部１bにそれぞれ連結して主通水路を形成する一対の通
水筒体であり、一方の通水筒体２には、上流側に２種の
異種金属(例えばマグネシウム金属板とステンレス板)か
らなり、水中で電位差を生じさせるためのガルバニ電池
４が設置され、このガルバニ電池４より下流側に、磁力
線中を水が直交する方向へ流れるようにセラミックマグ
ネット５が設置されている。ガルバニ電池４とセラミッ
クマグネット５の設置部分は通水可能な網のような部材
６，７，８によって仕切られている。

【００２０】また他方の通水筒体３には、一方の通水筒
体２との連結通路部９側である上流側に、水分子に電気
エネルギを与えるために永久極性電極を有するといわれ
ているトルマリン鉱石10が設置され、このトルマリン鉱
石10より下流側に、水溶性を有するアラゴナイト型の天
然炭酸カルシウム鉱石11が設置されている。トルマリン
鉱石10と天然炭酸カルシウム鉱石11の設置部分は、前記
と同様に通水可能な網のような部材12，13，14によって
仕切られている。

【００２１】ここで、炭酸カルシウムとして水溶性のア
ラゴナイト型天然炭酸カルシウム鉱石(特に北海道長万
部二股温泉地区にて産出されるもの)11を採用した理由
について説明する。

【００２２】カルシウムには、生物起源の有機性および
無機性カルシウムと、鉱物起源の無機性カルシウムがあ
る。生物起源の有機性カルシウムは、動物の骨，牛乳等
に多く含まれているが、これはリン酸カルシウムあるい
は乳酸カルシウムであって吸収効率がよくない。したが
って、そのまま飲んだり食べたりしてもあまり吸収され
ない。また生物起源の無機性カルシウムには、貝殻(特
に牡蛎殻)あるいはサンゴに炭酸カルシウムとして多く
含まれている。

【００２３】しかし、前記炭酸カルシウムは、水に溶け
にくく、そのまま飲用してもあまり吸収されない。勿
論、炭酸カルシウムを加工して吸収されやすくしたもの
もあるが、加工コストが加わった分、高価なものにな
る。さらには、重金属等による海水の汚染の結果、貝
殻，サンゴ等に重金属が含有されており、生物起源の炭
酸カルシウムに対して、前記のような加工を行うことは
可能であっても、重金属を除去することは容易ではな
く、このため飲用に供するに問題が全くないとはいえな
い。

【００２４】一方、鉱物起源の無機性カルシウムを含む
ものには、大理石あるいは石灰岩等があるが、鉱物起源
の炭酸カルシウムには、カルサイト型とアラゴナイト型
があり、一般的にはほとんどカルサイト型であって水に
は溶けない。しかしアラゴナイト型は水溶性であって、
世界的にもごく稀にアラゴナイト型の天然水溶性炭酸カ
ルシウムが存在する。それは、世界中で米国のイエロー
ストーン国立公園におけるマンモス温泉群と我が国北海
道長万部二股温泉地区との２箇所のみしか産出せず、し
かも米国のイエローストーン国立公園におけるマンモス
温泉群の炭酸カルシウム鉱石は天然記念物のためその採
取が禁止されている。

【００２５】そこで、本例では北海道長万部二股温泉地
区にて産出する水溶性のアラゴナイト型天然炭酸カルシ
ウムを用いている。勿論、コスト的に問題なければ、人
工的に製造したアラゴナイト型炭酸カルシウムを使用し
てもよい。

【００２６】次に、図２を参照して本実施形態のアルカ
リイオン水生成器による生成方法を説明する。

【００２７】まず、第１の工程として、水道水等がガル
バニ電池４に流入してくると、水中においてガルバニ電
池４の作用によって電位差が生じ、その結果、水分子に
電気エネルギが付与され、このエネルギによって水の分
子集団(クラスタ)が小さくなり、よって水分子が活性化
される。

【００２８】第２の工程として、セラミックマグネット
５が作る磁場中の磁力線を電気伝導体である水が直交し
て通過することにより、磁力線に対して直角方向に起電
力が生じて微電流が流れる。この電流によって第１の工
程において活性化された水分子をさらに活性化し、よっ
て水のクラスタをさらに小さくする。

【００２９】また前記第１の工程が存在することによっ
て、水分子が停止していても、すなわち水道の蛇口が閉
じられていても、水の活性化は行われることになる。

【００３０】第３の工程として、水がトルマリン鉱石10
を通ると、トルマリン鉱石10が有する永久極性電極の作
用によって、前記工程で活性化されて、より小さなクラ
スタとなった水分子に電気エネルギを与える。その結
果、水分子は電気分解されて、ヒドロニウムイオン：Ｈ
₃Ｏプラス(酸性イオン水)、およびヒドロキシルイオ
ン：Ｈ₃Ｏ₂マイナス(アルカリイオン水)が生成される。

【００３１】第４の工程として、アルカリイオン水と酸
性イオン水が天然炭酸カルシウム鉱石11を通過する際
に、天然炭酸カルシウム鉱石11のミネラル分を吸収し、
酸性イオン水は天然炭酸カルシウム鉱石11における炭酸
カルシウムと反応してアルカリイオン水に変わる。さら
に本例では天然のアラゴナイト型の炭酸カルシウム鉱石
11を使用することによって、水へのミネラル分の吸収が
多量でかつ容易になされるため、この処理後の水はすべ
てミネラル分に富んだアルカリイオン水になる。

【００３２】このように本実施形態のアルカリイオン水
生成器およびその生成方法によれば、 水道水等が、ガルバニ電池４とセラミックマグネット
５とトルマリン鉱石10を通る過程において、外部電力の
供給を受けることなく電気分解されるため、極めて簡易
で安価な機器の提供が可能になる。

【００３３】新規の水道管にあっては、水道管内壁に
カルシウム被膜が直接コーティングされ、また錆が既に
発生している水道管では、一定時間経過後にその錆をカ
ルシウム被膜が覆うことになり、錆の進行を抑制するこ
とができ、アルカリイオン水の生成を行えば行うほどカ
ルシウム被膜が付着し、かつその付着がほぼ完璧にな
り、水道管内壁全体を覆うことによって水道管の寿命が
延びることになる。また飲料水としても、水道管の錆が
原因する赤水あるいは青水が発生せず、しかも防錆方法
も、従来のような塗料あるいは薬品を用いる方法と比較
しても、安全で良質な水となる。

【００３４】アルカリイオン水の生成過程において、
水に含まれている塩素は還元され、また使用される天然
炭酸カルシウム鉱石11は優れた吸着力を持つため、水に
含まれている有機物を吸着し、水の浄化が行われる。

【００３５】アルカリイオン水の生成過程において酸
性イオン水も同時に生成されるが、その酸性イオン水も
アラゴナイト型の炭酸カルシウムの作用によって、アル
カリイオン水に変わるため、最終的には全てがアルカリ
イオン水になる。したがって、従来のように酸性イオン
水を破棄する必要はなく、水の有効利用が図れる。

【００３６】また得られたアルカリイオン水は、カル
シウム等のミネラル分に富んだ、いわゆるミネラルウオ
ーターになる。

【００３７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
外部の電力を全く必要とせずに水の電気分解等が行わ
れ、アルカリイオン水の生成と水の浄化とが行われると
共に、カルシウム被膜により水道管等の内壁を被覆する
ことによって錆防止が行われ、よって赤水，青水の発生
を防ぐことができ、しかも全処理を経た最終段階ではミ
ネラル分を多く含んだアルカリイオン水を生成すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を説明するためのアルカリ
イオン水生成器の外観斜視図である。

【図２】図１のアルカリイオン水生成器の内部構造を示
す説明図である。

【符号の説明】

１…筒状容器、 １a…入口部、 １b…出口部、 ４…
ガルバニ電池、 ５…セラミックマグネット、 10…ト
ルマリン鉱石、 11…アラゴナイト型の天然炭酸カルシ
ウム鉱石。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｃ０２Ｆ 1/68 ５３０ Ｃ０２Ｆ 1/68 ５３０Ｂ ５４０ ５４０Ｅ ５４０Ｆ 1/30 1/30 1/46 1/46 Ｚ 1/48 1/48 Ａ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 通水路の入口から水を流入させて出口か
   ら流出させる主通水路中の処理過程を通すことによって
   アルカリイオン水を生成するアルカリイオン水生成方法
   であって、前記主通水路における処理過程が、ガルバニ
   電池を通して電気エネルギを与えることにより水のクラ
   スタを小さくする第１の工程と、セラミック磁石の磁場
   を通して水のクラスタをさらに小さくする第２の工程
   と、クラスタの小さくなった水をトルマリン鉱石が有す
   る電極と接触させて、水分子を電気分解してアルカリイ
   オン水を生成する第３の工程と、アラゴナイト型の炭酸
   カルシウムを通して、前記生成されたアルカリイオン水
   に前記炭酸カルシウムが含有するミネラル分を吸収させ
   る第４の工程からなることを特徴とするアルカリイオン
   水生成方法。
2. 【請求項２】 前記アラゴナイト型の炭酸カルシウムに
   天然炭酸カルシウム鉱石を採用したことを特徴とする請
   求項１記載のアルカリイオン水生成方法。
3. 【請求項３】 水を通水路の入口から流入させ、主通水
   路に設けられた処理部を通して出口から流出させて、ア
   ルカリイオン水を生成するアルカリイオン水生成器であ
   って、主通水路における上流側から順に、ガルバニ電池
   と、セラミック磁石と、トルマリン鉱石と、アラゴナイ
   ト型の炭酸カルシウムを設置したことを特徴とするアル
   カリイオン水生成器。
4. 【請求項４】 前記アラゴナイト型の炭酸カルシウムが
   天然炭酸カルシウム鉱石であることを特徴とする請求項
   ３記載のアルカリイオン水生成器。