JPH1185069A - 着色ボールの製造方法及び表示装置の製造方法 - Google Patents

着色ボールの製造方法及び表示装置の製造方法

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JPH1185069A
JPH1185069A JP24852797A JP24852797A JPH1185069A JP H1185069 A JPH1185069 A JP H1185069A JP 24852797 A JP24852797 A JP 24852797A JP 24852797 A JP24852797 A JP 24852797A JP H1185069 A JPH1185069 A JP H1185069A
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ball
photoconductive
balls
colored
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JP24852797A
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English (en)
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Yoshinori Tomita
佳紀 富田
Takayuki Yagi
隆行 八木
Tsutomu Ikeda
勉 池田
Etsuro Kishi
悦朗 貴志
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空蒸着法で着色層を微小ボール表面上に作
製した場合、表示装置の生産性が低いことを問題として
いる。 【解決手段】 本発明は、前記課題を解決するために以
下の表示装置の製造方法を採用した。本発明の表示装置
の製造方法は、光導電性ボールを帯電させる帯電工程
と、帯電状態の光導電性ボールの一部表面に光を照射す
る露光工程と、光が照射された光導電性ボールの明部表
面又は光が照射されない光導電性ボールの暗部表面に帯
電した着色材料を付着させて着色層を形成する着色工程
と、該着色層を該光導電性ボール表面に定着させる定着
工程と、を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色ボールの製造
方法及び該着色ボールを回転させることにより表示を行
う表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報機器の発達に伴い、低消費電
力且つ薄型の表示装置のニーズが増しており、これらニ
ーズに合わせた表示装置の研究、開発が盛んに行われて
いる。中でも液晶表示装置は、液晶分子の配列を電気的
に制御し液晶の光学的特性を変化させる事ができ、上記
のニーズに対応できる表示装置として活発な開発が行わ
れ商品化されている。しかしながら、現在の液晶表示装
置には、画面を見る角度や、反射光により、画面上の文
字が見づらく、また光源のちらつき・低輝度等から生じ
る視覚への負担が、未だ十分に解決されていない。この
為、視覚への負担の少ない新たな表示装置の研究が盛ん
に検討されている。
【0003】新たな表示装置として、N.K.Sher
idonらにより電界駆動による微小ボールの回転を利
用した表示装置が提案されている(“A twisti
ngBall Display”,Proc. of
the SID,第18巻3/4号、289−293
頁,1977年、米国特許4126854号、同414
3103号、同5389945号、特開昭64−426
83号)。この表示装置は、微小なボールを用い、該ボ
ールは一方の半球面が白色で、他方の半球面が黒色とな
っており、前記ボールを支持体に形成したキャビティ内
に配し、各キャビティ内に高抵抗な液体を充填して、こ
の液体中でボールが自由に回転できるようにしたもので
ある。この場合、液体の種類により、ボールの黒色と白
色の夫々の半球部分の相互の帯電状態が異なり、外部電
界を与える事によってボールの白色又は黒色の半球面を
観察する側にむけるよう回転を制御することができ、目
的とする表示ができる。
【0004】このような機械式の表示方法は、温度変
化、電気的擾乱ノイズに対して極めて安定であり、メモ
リ性を有する為に表示中に電力を必要としない。さら
に、ボール表面の自然光の反射・散乱を利用して表示す
る為に液晶装置・ブラウン管でみられるような光源のち
らつき等にて起こる眼疲労を抑えることができる理想的
な表示装置である。
【0005】ところで、ボール回転による表示装置に用
いる二色に着色された微小ボールの作製方法としては、
前述したSheridon等により、ガラスボールにT
iO2を高濃度に含有させガラスボールを白色化し、こ
の白色ガラスボール41の半球面に真空蒸着法を用いて
絶縁性の黒色層42を形成する方法が提案されている
(図4)。
【0006】また、斎藤等(“A Newly Dev
eloped Electrical Twistin
g Ball Display”, Proc. of
the SID, 第23巻4号,249−253
頁,1982年)も同様な方法により二色ボールを形成
しており、白色化したガラスボールの半球面に真空蒸着
法を用いてMgF2とSb2S3を同時蒸着し黒色層を
成膜して色分けしている。ガラスボールの白色化に際し
ては、LiO2とTiO2とSiO2の3成分からなる
ガラスを用いて、熱処理を行い光散乱が起こるように成
分分離し、異なる成分からなる表面状態を形成すること
により作製する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図4に示したように白
色ボール上に真空蒸着法により黒色層を成膜するボール
の二色化の方法は、薄膜形成を用いることで作製再現性
が高い方法である。しかしながら、真空蒸着法により成
膜を行なうには、工程が多く、また生産性が低い。
【0008】真空引き時および成膜後のリーク時の気流
によりボールが舞い上がるのを防ぐために微小ボールを
固定し、成膜後ボールを回収するために固定を解除する
必要があるし、真空蒸着できる真空度に達するまでに時
間を要するなどの理由で、1バッチで量産できる数量に
限度がある。
【0009】よって、着色微小ボールを低コストに作製
することを困難としている。この為に、表示装置の材料
コストが高く、表示装置自体を安価に製造できないとい
う課題があった。このような表示装置を商品化する上
で、着色ボールの低コスト化が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成する本
発明の表示装置は、微小ボールが回転することにより表
示を行う表示装置であって、光導電性を利用して帯電・
露光・現像処理して微小ボールの半球表面を着色した着
色ボールを形成することで、真空蒸着法より安価な着色
微小ボールを入手・作製することが可能となる。
【0011】あるいは、光導電性を利用して帯電・露光
・現像処理して微小ボールの一方の半球表面を白に着色
した後、他方の半球表面を白以外の色に着色した着色ボ
ールを形成することで、コントラストが高く、且つ安価
な着色微小ボールを入手・作製することが可能となる。
【0012】さらには、白色の酸化亜鉛球を用いれば白
く着色する必要がなく、且つ酸化亜鉛の光導電性を利用
して帯電・露光・現像処理して微小ボールの半球表面の
みを白以外の色に着色した着色ボールを形成すること
で、より安価な着色微小ボールを入手・作製することが
可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の表示装置の駆動原理の一
例を図9を用いて説明する。本発明の表示装置は、着色
層を形成した着色ボールと、該着色ボールを回転自在に
支持する支持体5と、着色ボールが自在に回転できる為
のキャビティ7とで構成された表示媒体と、該着色ボー
ルを回転し所望の着色層側を表示させる為の電極6、
6’と電源8より構成される駆動手段よりなる。また、
該キャビティは誘電性液体で満たされている。着色層2
は、反射光の色、反射強度の差を用いることにより観察
側からみて異なる色層を表示できればよい。微小ボール
表面上に着色層を被覆することにより、反射光の色、反
射強度等の光学的特性の異なる2つの表面を作り出して
いる。
【0014】また、微小ボールの形状としては、球体の
ような曲面形状のものであれば良い。
【0015】液体中の粒子は、粒子と液体の間で電荷の
授受が行われ電気二重層が形成され、粒子は正または負
に帯電することが知られている。本発明の微小ボールで
は半球表面に着色層2が形成され、他の半球面は未着色
である為、2つの異なる物質からなる領域を有する。よ
って、絶縁性液体から着色ボール表面に正イオン粒子又
は負イオン粒子が特異吸着して、着色ボール表面に表面
電位が生じる。この為、絶縁性液体中では各領域で帯電
電荷特性が異なることとなり、着色ボールの極方向に双
極子モーメントを持つようになる。。この着色ボールに
電場を印加すると着色ボールにはその極方向を電界方向
に揃えようとするトルクが働き、着色ボールはいずれか
の半球面を一方向に揃える。図9のように、未着色領域
がマイナス帯電し、着色層がプラス帯電しているとする
と電源8にてプラスが印加された電極6’に未着色側
が、マイナスが印加された電極6に着色側がくる。これ
により図面上部より本発明の表示装置を観察すると着色
層(黒色)が見える。電界の方向を逆転すれば着色ボー
ルは反転し、着色側を観察側に向け光導電性ボールが白
色材料である場合は、白色が見える。
【0016】図10に示すように、着色ボール、絶縁性
液体で満たされたキャビティ7内を有する支持体5で構
成された表示媒体を整形し、表示媒体の上下面に複数の
電極を配置し、対向配置された電極間に電圧を印加する
ことにより、該電圧の極性に従う表示色を表示すること
ができる。
【0017】前記の絶縁性液体に用いる液体としては、
電気的絶縁性の高い液体であればよくトルエン、アセト
ン等の有機溶剤や水を用いることが可能であるが、間隙
を満たす誘電性液体が揮発しないよう、不揮発性の液体
を用いることが好ましい。特にシリコーンオイルはイオ
ンや不純物の含有量が低く、高抵抗な液体であり好まし
い。また、絶縁性液体は、着色ボールと接触して、2つ
の異なる物質からなる領域を有する着色ボール表面を界
面活性化させ、異なる2つの帯電電荷状態を誘発する性
質を有する。
【0018】キャビティ7のの寸法としては、着色ボー
ルの並進をなるべく防止し、メモリ性を有するため、着
色ボールより少し大きいぐらいが好ましい。
【0019】また、着色ボールを駆動するに用いる電極
としては、観察側からみて、微小ボールの表面に形成し
た着色層を観察できるよう、光透過であることが必要で
ある。この為、SnO2、TiO2、ZnO、ITO等
の透明導電膜を用いる。
【0020】支持体(光透過シート)としては、微小ボ
ールの着色層を表示する為に、光学的に透明であること
が必要であり、ポリエチレン、ポリスチレン、等の硬質
の樹脂やシリコーンゴム、ガラス等を用いる。
【0021】本発明の表示装置は、キャラクタ、グラフ
ィック、ビデオ等の画像情報を表示する受光型表示装置
に適用できる。また、紙のように見れ、紙のように動か
せ、画像を書き込め、画像を複写でき、画像を読み込
め、画像を消去できるペーパーディスプレイにも適用で
きる。
【0022】本発明は、別の実施形態をとっても良い。
本発明の第2の表示装置では、着色ボールを透明な絶縁
性液体と共に支持体(光透過シート)に形成されたキャ
ビティ(空洞)中に分散させる以外の構成をとる。着色
ボール間に単に絶縁性液体のみを介在させる構成をとる
ものである。
【0023】本発明の第2の表示装置の1つの例を図1
1を用いて説明する。着色ボール1005は、光導電性
ボールの半球表面に着色層が被覆されている(図示せ
ず)。第1の透明電極1001を有する第1の透明基板
1002と第1の透明基板と相対向し且つ第2の透明電
極1003を有する第2の透明基板1004との間の空
間を封止部(図示せず)により閉じた空間で構成し、こ
の空間内の着色ボール1005間を絶縁性液体1006
で充填する。閉じた空間を絶縁性液体で充填し、絶縁性
液体中に着色ボールが分散された状態を示す。つまり、
着色ボール1005及び絶縁性液体1006とで構成さ
れる表示媒体を透明電極を有する透明基板等で閉じる構
成をとる。
【0024】更に、本発明の表示装置は、反射光が可視
光波長領域以外の波長領域でも良い。例えば、室内が、
赤外光波長領域でも本発明の表示装置を適用できる。
【0025】微小ボールの材料としては、光導電性のあ
るものならば無機材料、有機材料のどちらでも良いが、
白い酸化亜鉛が特に好ましい。酸化亜鉛以外には硫化カ
ドミウム、セレン、シリコン、銅フタロシアニンなどの
光導電性物質を主たる原料とし、これに分光増感材、バ
インダー樹脂、電荷輸送物質などを添加してもよい。
【0026】微小ボールの寸法としては、ボールの直径
が表示装置としての一画素以下の大きさとなるよう、2
00μm以下のものが好ましい。
【0027】本発明の微小ボール形成方法の一例とし
て、酸化亜鉛ボールの形成方法としては酸化亜鉛の塊を
粉砕・分級する、酸化亜鉛溶液をノズルから吐出して溶
媒を瞬時に気化させるなどの方法により微小ボール形状
とすることができる。
【0028】あるいは酸化亜鉛の微粒子を微小ポリマー
ボールに分散させてもよい。
【0029】着色ボールの形成方法としては、上記した
微小ボールが光導電性を有することを利用し、微小ボー
ルを帯電させ、微小ボールに片側から露光し、現像・定
着することにより微小ボールの半球表面に着色層を形成
する。帯電・露光・現像・定着の各工程は電子写真に準
ずる。帯電はコロナ放電を用いることができる。露光は
光導電性の特性に応じた波長の光を用いることができ
る。現像は着色トナー微粒子や磁性トナーをもちいて行
ない熱定着する、あるいは、帯電したインクで現像した
り、メッキ法により着色することもできる。
【0030】現像は暗部が着色されるポジ型と、逆に明
部が着色されるネガ型(いわゆる反転現像)のいずれも
可能であるが、図3ではネガ型の例を示した。
【0031】光導電性を有する微小ボールの半球のみが
着色される原理を簡単に説明する。
【0032】導電性基板の上に設置した、図6のような
形状の、厚さの異なる絶縁膜を帯電させると、厚さに対
応して表面電位が高くなる。同様に、微小ボールを導電
性基板の上で帯電させると、その表面電位は一様ではな
く、導電性基板に近い部分は表面電位が低く、導電性基
板から最も遠い球の頂点部は表面電位が高くなる。
【0033】この暗状態で逆極性のトナーでポジ現像す
ると、表面電位に応じてトナー濃度が変化し、頂点部は
濃く、導電性基板に近い部分は薄く、連続的な濃度分布
をもって着色される(図7)。
【0034】また、前記帯電状態にボール頂点部より均
一露光すると、ボールが不透明であるためにボールの上
部のみが導電性になり、影となるボール下部は高抵抗の
ままである(図8)。ボール頂点部の表面電荷は導電性
基板に向ってボール内部を通過して流れ(図8破線矢
印)、トラップされていた正孔と再結合したりして表面
電荷が消失する。これを表面電位と同極性のトナーを用
い、現像器と導電性基板との間にバイアス電圧を印加し
ながら反転現像をおこなうと、半球上部のみが着色され
る。
【0035】また、従来、酸化亜鉛を用いた電子写真法
を応用したものとして、エレクトロファックスが知られ
ているが、本発明では酸化亜鉛を球状とし、その半球の
みを着色しこれを回転させることで可逆的な表示を可能
としているので、本質的に異なる表示システムである。
【0036】
【実施例】以下実施例を用いて詳細に説明する。
【0037】(実施例1)図1は本発明の表示装置に用
いる微小ボールの断面図である。図2は自然光4を照射
した時の観察側から見える微小ボールの色を説明する図
である。微小ボールは、可視光波長領域にて不透明な光
導電性ボールからなり、半球面に着色層が形成されてい
る。図2より、観察側から見て、微小ボールの着色側が
観察側に向いた場合には着色層の色を見ることとなり
(図2(a))、微小ボールの未着色側が観察側に向い
た場合には光導電性ボールの地の色が見えることとなる
(図2(b))。
【0038】図3は本発明の微小ボールの形成方法の工
程を示す断面図である。本実施例では、光導電性ボール
1として、平均直径50μmの酸化亜鉛球を用いた。ア
ルミシートからなる導電性基板11上に微小ボールを散
布し、この表面に2KVのコロナ帯電を施し、表面より
一様露光し、つづいてキャノン製LBP−A408の平
均直径5μmの黒色トナーで反転現像を行ない、180
℃に加熱してトナーを溶融し定着し(不図示)、黒色の
着色層2を形成した(図3)。
【0039】なお、露光には酸化亜鉛の分光特性を考慮
して、350nmの紫外線を用いた。
【0040】(実施例2)この着色した微小ボールを、
前述したSheridon等と同様な方法で、エラスト
マー中に混合し、これをシート状に成形硬化し、このエ
ラストマーシートをシリコーンオイルに浸漬して膨潤さ
せることにより各微小ボールの周囲にキャビティを形成
し、シート状の表示装置を作製した。具体的には、2液
型シリコーンゴム(ダウコーニング社製シルポット18
4)中に前記微小ボールを分散させた。次にガラス基板
上でこの分散系を厚さ約100μmの膜状に伸ばし、該
シリコーンゴムを100℃、1時間の条件で加熱硬化さ
せた。次に上記微小ボール分散硬化ゴムシートをガラス
基板より剥離し、粘度1csのシリコーンオイル(東芝
シリコーン社製)中に24時間浸漬して該ゴムシートを
膨潤させ、微小ボールの周囲にキャビティ(隙間5−1
0μm)を形成させた。次に、前記ゴムシートをITO
電極膜付きガラス基板で挟持させて、表示装置を作製し
た。該表示装置に±100Vの電界を印加すると、微小
ボールがキャビティ内で回転することにより、電界の極
性に応じて観察側に着色層を形成した半球面、または未
形成の半球面が現れた。応答速度は50ms以下であっ
た。詳しくは、観察側に印加した電界の(+)側が来る
と、微小ボールが回転し、未着色な半球面があらわれ、
観察側からにて表示装置が白色となった。電界の極性を
変えると、着色層のある半球面があらわれ黒色を表示し
た。すなわち、本発明の表示装置では、白色の酸化亜鉛
ボールの半球面にのみ着色層を形成し、従来技術と同等
の表示を安価に提供することができた。この際、コント
ラスト比は約5:1であった。また視野角特性は±85
°以上であった。すなわち、本発明の表示装置では、透
明なガラスボールの半球面にのみ2層の着色層を形成
し、従来技術の白色ボールに黒色層を形成した着色ボー
ルと同等の表示を提供することができた。
【0041】以上示したように、本発明の表示装置によ
り、白色化する工程の無い微小ボールを用いて、2色表
示を達成することが可能となった。この表示装置に用い
る微小ボールは、安価に入手することが可能な白色の酸
化亜鉛の微小ボールを使用でき、さらに着色する工程も
微小ボールの半球面のみに所望の色の着色層を形成する
工程となり、2色表示可能な微小ボールを作製すること
が容易である。このことにより表示装置の価格を低くお
さえることが可能となった。
【0042】(実施例3)10wt%ポリカーボ樹脂T
HF溶液に平均直径5μmの酸化亜鉛を10wt%の濃
度で分散させ、平均直径50μmのガラスボール表面に
一様に塗布し、ガラスボール表面の樹脂薄膜内に酸化亜
鉛を固定担持させた。これにより、光導電性および白色
化を同時におこなうことができた。これを実施例1と同
様の手段で着色した。
【0043】(実施例4)平均直径50μmの酸化亜鉛
球から成る未着色の微小ボールを、実施例2と同様な方
法で、エラストマー中に混合し、これをシート状に成形
硬化した。これに帯電・露光し、このエラストマーシー
トをニグロシンを主成分とする黒色インクを溶解したシ
リコーンオイルに浸漬して酸化亜鉛球を液体現像しなが
らエラストマーシートを膨潤させた。そして、200℃
に1分間加熱保持して定着を行い、黒色の着色層を形成
した。つづいてインク未添加のシリコーンオイルで余剰
のインクを洗浄し、半球表面を着色した微小ボールを
得、且つ微小ボール周囲にキャビティを形成し、シート
状の表示装置を作製した。
【0044】(実施例5)実施例4においてエラストマ
ーシート(図5(a))を帯電し、図5(b)に例示し
たようにイエローの場合にはブルーの絵素マスクをしな
がら露光し、イエロー、マゼンタ(グリーン絵素マス
ク)、シアン(レッド絵素マスク)、黒(ND絵素マス
ク=可視領域においてフラットな吸収を有するマスク)
のうち一つの色のインクを溶解したシリコーンオイルで
現像した。
【0045】絵素マスクを交換あるいは移動しながら、
この処理を各色についておこない、イエロー、マゼン
タ、シアン、黒の4つの絵素を形成し、この4つの絵素
で1つの画素を構成した(図5(c))。画像は複数の
画素で構成される。各画素の各絵素を白、イエロー、マ
ゼンタ、シアン、黒のいずれかに選択することでカラー
の画像を表示する。
【0046】つまり、本実施例では、複数の光導電性ボ
ールを光透過シートに分散させる工程と、該複数の光導
電性ボールを帯電させる帯電工程と、該複数の光導電性
ボールの中の幾つかの光導電性ボールをマスクで選択す
る工程と、選択された光導電性ボールの一部表面に光を
照射する露光工程と、着色材料を有する絶縁性液体に浸
して光が照射された光導電性ボールの明部表面にイエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラックのうちいずれか1つの
帯電した着色材料を付着させて着色層を形成する現像工
程と、該着色層を該光導電性ボール表面に定着させる定
着工程と、を順次に繰り返して該複数の光導電性ボール
全てに着色層を形成する。
【0047】本実施例の製造方法をとることにより、複
数の微小白色ボールの半球表面をイエロー、マゼンタ、
シアン、黒のいずれかに着色して着色ボールを複数作製
した後に、エラストマーシートに4つの絵素で1画素を
構成するように着色ボールを分散させて表示装置を作製
する場合に比べて、製造プロセスが簡易となる。
【0048】(実施例6)図12は本発明の第1の実施
形態を利用した表示装置の一例の概略構成を示すもので
ある。図12(a)は平面図、図12(b)は断面図で
ある。先ず、透明な下部ITO電極2102で全面を被
覆された厚さ100μmのPETフィルム2101上
に、実施例1で述べた着色ボール2103を分散させて
成るゴムシート2104を厚さ100μmに形成した。
係るシート上に、所望の形状にパターニングされた透明
な上部ITO電極2106を有する厚さ100μmのP
ETフィルム2105を、上部ITO電極2106が前
記ゴムシート2104と対向する向きに圧着した。上部
ITO電極2106の形状・サイズは、所望の解像度に
合わせて選択する必要があるが、本実施例では簡単にす
るため、従来公知の7セグメント・タイプを用いた。各
上部電極2106とパルス発生器2107を接続し、波
高値100V、パルス幅50msの矩形波を全電極に印
加して、全面を白色状態とした。次に、上部ITO電極
2106の内、任意のものをスイッチ2108で選択し
た上で、先程とは逆極性のパルスを印加したところ、選
択した上部ITO電極に相当する個所のみ着色ボール2
103が回転し黒色化し、セグメント形状の組み合わせ
を利用した表示(数字やアルファベットの一部)が可能
であることを確認した。また、係る黒色表示セグメント
に先程のパルスとは逆極性のパルス(最初のパルスと同
極性)を印加したところ、黒色表示が再度白色表示に戻
ることを確認した。
【0049】(実施例7)実施例6で用いた7セグメン
ト・タイプの構成に変えて、下部電極2112、上部電
極2113をストライプ状のITO電極で構成した。ス
トライプ状のITO電極幅及びその電極間の間隔は、4
0μmとした。下部電極2112と上部電極2113と
は互いに直交するように配置した表示装置を作成した。
係る表示装置の概略構成を図13(a),13(b)に
示す。全下部電極2112と全上部電極2113に不図
示のパルス発生器を用いて波高値100V,パルス幅5
0msの矩形波を加えて、全面を白色状態とした。次に
任意の下部電極2112と上部電極2113とを選び、
係る電極間に上記パルス発生器を用いて逆極性のパルス
を印加したところ、両電極が交差する領域において、着
色ボール2103が回転して、黒色化した。すなわちパ
ルス印加する電極の組み合わせを選択することにより、
所望の領域を黒色表示できることを確かめた。また、さ
らに黒色表示をもたらすパルスとは逆極性のパルスを印
加することにより、黒色表示部分が再度白色表示に戻る
ことを確認した。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、着色ボールが回転
することにより表示を行う表示装置において、前記微小
ボールの一方の半球表面に光導電性を利用して着色層を
形成することで、安価な微小ボールを用いることがで
き、表示装置の価格を低く抑えることが可能となった。
【0051】すなわち、真空蒸着のような気流の影響も
少ないので、着色ボールを固定する必要もない。また、
真空蒸着材料より安価なトナーを用いることで材料費を
低く抑えた。さらに着色は大気中にて行なわれるので、
真空蒸着よりタクトタイムが短く生産性が向上し、量産
効果により価格を安くすることができた。
【0052】また、酸化亜鉛球は白色であり、この球を
用いてコントラストの高い表示装置を得た。
【0053】さらには、表示面を複数の絵素に分解し、
それぞれの絵素をイエロー、マゼンタ、シアンおよび黒
のいずれかに同様の方法で着色することにより、簡単且
つ安価にカラー化できた。また、酸化亜鉛球は白色であ
るので、高いコントラストを示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の表示装置に用いる着色ボールの
断面図である。
【図2】本発明の第1実施例の観察側から見える着色ボ
ールの表示色を説明する図である。
【図3】本発明の第1実施例の着色ボールの形成工程を
示す図である。
【図4】従来例の着色ボールを説明する断面図である。
【図5】カラー化する場合のシート、マスクおよび4色
重ね合わせた結果の一例である。
【図6】帯電電位を説明する図である。
【図7】暗時ポジ現像した場合の例である。
【図8】ボール頂点より露光し、反転現像した場合の例
を示す図である。
【図9】本発明の表示装置の原理を示す図である。
【図10】本発明の表示装置を示す図である。
【図11】本発明の第2の表示装置を示す図である。
【図12】本発明の実施例6に用いられる表示装置を示
す図である。
【図13】本発明の実施例7に用いられる表示装置を示
す図である。
【符号の説明】
1 光導電性ボール 2 着色層 4 自然光 31 基板 32 帯電器 33 露光 34 現像器 41 白色ガラスボール 42 黒色層 51 一様に光導電性球を分散させたシート 52 Y(黄色)用露光マスク 53 Y、M、C、Bk用の各露光マスクにより露光・
現像した絵素および画素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 貴志 悦朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導電性ボールを帯電させる帯電工程
    と、帯電状態の光導電性ボールの一部表面に光を照射す
    る露光工程と、光が照射された光導電性ボールの明部表
    面又は光が照射されない光導電性ボールの暗部表面に帯
    電した着色材料を付着させて着色層を形成する着色工程
    と、該着色層を該光導電性ボール表面に定着させる定着
    工程と、を有することを特徴とする着色ボールの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記光導電性ボールが酸化亜鉛を有する
    請求項1に記載の着色ボールの製造方法。
  3. 【請求項3】 光学的特性の異なる2つの表面を備えた
    着色ボールを回転させることにより表示を行う表示装置
    の製造方法において、 光導電性ボールを光透過シートに分散させる工程と、該
    光導電性ボールを帯電させる帯電工程と、帯電状態の光
    導電性ボールの一部表面に光を照射する露光工程と、着
    色材料を有する誘電液体に浸して光が照射された光導電
    性ボールの明部表面又は光が照射されない光導電性ボー
    ルの暗部表面に帯電した着色材料を付着させて着色層を
    形成する着色工程と、該着色層を該光導電性ボール表面
    に定着させる定着工程と、該着色層が形成されたボール
    を表示媒体内に分散させる工程と、該表示媒体表面上に
    電極を形成する工程と、を有することを特徴とする表示
    装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記光導電性ボールが酸化亜鉛を有する
    請求項3に記載の表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 光学的特性の異なる2つの表面を備えた
    着色ボールを回転させることにより表示を行う表示装置
    の製造方法において、 複数の光導電性ボールを光透過シートに分散させる工程
    と、該複数の光導電性ボールを帯電させる帯電工程と、
    該複数の光導電性ボールの中の幾つかの光導電性ボール
    をマスクで選択する工程と、選択された光導電性ボール
    の一部表面に光を照射する露光工程と、着色材料を有す
    る絶縁性液体に浸して光が照射された光導電性ボールの
    明部表面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのう
    ちいずれか1つの帯電した着色材料を付着させて着色層
    を形成する着色工程と、該着色層を該光導電性ボール表
    面に定着させる定着工程と、を順次に繰り返して該複数
    の光導電性ボール全てに着色層を形成することを特徴と
    する表示装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の表示装置は、前記複数
    の光導電性ボールを備えた絵素を複数有するように区分
    された画素を複数有しており、 前記複数の光導電性ボールの中の幾つかの光導電性ボー
    ルをマスクで選択する工程は、該1画素の中でいずれか
    1つの絵素をマスクで選択する工程である表示装置の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記光導電性ボールが酸化亜鉛を有する
    請求項5又は請求項6に記載の表示装置の製造方法。
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