JPH1180552A - シラン系水性エマルション - Google Patents

シラン系水性エマルション

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JPH1180552A
JPH1180552A JP24935297A JP24935297A JPH1180552A JP H1180552 A JPH1180552 A JP H1180552A JP 24935297 A JP24935297 A JP 24935297A JP 24935297 A JP24935297 A JP 24935297A JP H1180552 A JPH1180552 A JP H1180552A
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JP
Japan
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aqueous emulsion
silane
water
group
humate
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Application number
JP24935297A
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English (en)
Inventor
Takuya Omura
卓也 大村
Takashi Tsuda
隆 津田
Takenao Yamamura
武尚 山村
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンクリート等の躯体に対して、吸水防止性及
び白華防止性を付与し得る組成物の提供。 【解決手段】加水分解性シラン化合物、フミン酸塩、乳
化剤及び水からなるシラン系水性エマルション。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート等の
躯体に対して吸水防止性と白華(エフロレッセンス)防
止性を付与することにより、その美観と耐久性を向上さ
せる、シラン系水性エマルションに関するものであり、
土木・建築構造物の内外装に広く使用することができ、
これらの技術分野で賞用され得るものである。
【0002】
【従来の技術】従来からアルコキシシランに代表される
加水分解性シラン化合物は、石造物やコンクリート等の
建築土木材料の撥水材及び吸水防止材として有用である
ことが広く知られている。一般的に、これら加水分解性
シラン化合物は、種々の溶剤で希釈して使用されていた
が、このような溶剤系のものは、溶剤の毒性、引火性及
び揮発性により使用範囲に制限がある他、低分子量アル
コールであるイソプロパノールを溶剤とする吸水防止材
は、蒸発速度が急速であるため、躯体への浸透性が充分
でない等の問題があり、逆に揮発しにくい溶剤を使用し
たものは、塗工面の湿潤状態が長くなるため、空気中の
ゴミが付着する機会が増えたり、又硬化に長時間を要す
るという問題がある。さらに、溶剤系のものは、濡れた
コンクリート表面には塗工できない問題点も有するもの
であった。
【0003】これらの問題を解決するためには、加水分
解性シラン化合物を水溶液又は水性分散体としたものが
好ましいが、加水分解性シラン化合物は化学的な性質
上、水と接触すると文字どおり加水分解反応を引き起こ
し、更にこれに続く縮合反応が起こり易いため、水中で
安定に存在させることは極めて難しいことされていた。
この問題を解決するシラン系水性エマルションとして、
HLBが4〜15の乳化剤を用いたシラン系水性エマル
ション(特開昭62−197369)や非イオン性乳化
剤とアニオン性乳化剤を組み合わせたシラン系水性エマ
ルション(特開平3−232527)が報告されており
更にシラン系水性エマルションをセメントモルタル用組
成物としてセメントスラリーに混和させて使用すること
で耐久性を向上させる例(特開平6−305800)が
報告されている。
【0004】ところで、モルタルやコンクリート等の建
設・土木用の材料又は構造物においては、環境条件によ
っては、これら材料又は構造物に白華が発生してしまう
という問題があり、白華防止のための種々の試みがなさ
れている。白華防止の方法としては、コンクリート等の
躯体を製造する際に、キレート化合物を原料混合物中に
配合し、白華の原因であるセメント水和物中のCaイオ
ンを捕捉する方法や、エマルション系塗料等の防水材を
躯体表面に塗布して、セメント水和物中のCaイオンが
当該水和物中の水分と共に躯体表面に移行すること抑制
する方法等が知られている。又、コンクリート等の躯体
の表面にフミン酸塩を塗布する方法や(特開平5−17
0573号)、コンクリート等を製造する際に、フミン
酸塩を原料混合物中に配合する方法も知られている(特
開平5−170499号)。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、躯体
製造時にキレート化合物を配合する方法では、セメント
水和物中の水分移行を抑制できず、又セメント水和物中
の水の移行と共に表面へ移行するCaイオンを完全に捕
捉することは不可能であることを原因として、白華防止
効果が不充分な上、キレート化合物の配合量によっては
躯体の物理特性を阻害する場合もあった。又、防水材を
躯体表面に塗布する方法も、白華発生を充分抑制できる
ものではない上、防水材の塗膜とコンクリート等の躯体
の表面との密着性が不足することが多く、又塗膜形成に
よる外観変化は避けられない為、建造物等に使用した場
合にはコンクリート表面の持つ独特の風合いをそのまま
表現する事は不可能であった。又、躯体表面にフミン酸
塩を塗布する方法や躯体製造時にフミン酸塩を原料混合
物中に配合する方法でも、実用的に充分な白華防止効果
が発揮されていないのが現状である。一方、躯体に吸水
防止性等を付与することを目的として、上記した様なシ
ラン系水性エマルションを躯体に塗布する場合やコンク
リート等の躯体の製造時に混合して使用する場合のいず
れにおいても、環境条件によっては、同様に白華が発生
してしまう問題があり、吸水防止性能を有すると共に白
華防止性も兼ね備えた材料が望まれている。本発明者ら
は、コンクリート等の躯体に対して、吸水防止性及び白
華防止性を付与し得る組成物を見い出すため鋭意検討を
行ったのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決する為には、加水分解性シラン化合物とフミン酸
塩を組み合わせた水性エマルションが、フミン酸塩を単
独で使用した場合に比較して格段に優れた白華防止効果
を有することを見出し本発明を完成した。以下、本発明
を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
◎加水分解性シラン化合物 本発明のシラン系水性エマルションで使用する加水分解
性シラン化合物は、躯体に対して吸水防止性及び撥水性
を付与することができるものであれば種々のものが使用
でき、モノマーでもオリゴマーでも使用可能である。オ
リゴマーは、加水分解性シラン化合物の2量体以上の縮
合物であり、好ましいオリゴマーは、2〜10量体であ
る。10量体を超えるオリゴマーを使用する場合は、得
られる水性エマルションの吸水防止性能が低下すること
があり、又当該水性エマルションを躯体に塗布して使用
するときには、得られる被膜にムラができることがあ
る。本発明では、加水分解性シラン化合物として、下記
一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物又はそ
のオリゴマーが好ましく使用できる。
【0008】
【化2】Rn Si(R1 4-n ・・・・(1)
【0009】ここで、式(1)において、Rは加水分解
を起こし難く、安定な疎水基であり、炭素数1〜30の
アルキル基、置換アルキル基又はアリール基である。ア
ルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オ
クチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘ
キサデシル基、オクタデシル基及びエイコシル基等を挙
げることができる。置換アルキル基としては、ハロゲン
化アルキル基、芳香族置換アルキル基等が挙げられる。
ハロゲン化アルキル基としては、上記アルキル基のフッ
素化物、塩素化物及び臭素化物等があり、具体的には3
−クロロプロピル基、6−クロロヘキシル基及び6,
6,6−トリフルオロヘキシル基等を挙げることができ
る。芳香族置換アルキル基としては、ベンジル基、並び
に4−クロロベンジル基及び4−ブロモベンジル基等の
ハロゲン置換ベンジル基等を挙げることができる。アリ
ール基としては、フェニル基、トリル基、メシチル基及
びナフチル基等が挙げられる。R1 は、加水分解性の官
能基であり、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原
子、アミノ基、ヒドロシキル基及びカルボキシル基であ
る。アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ
基及びプロポキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子とし
ては、塩素原子又は臭素原子が好ましい。シラン化合物
が複数個のR又はR1 を持つ場合は、それぞれは同一で
あっても異なっていても良い。nは1又は2である。n
が0のものは、得られるエマルションによる吸水防止性
が十分でないという問題がある。
【0010】加水分解性シラン化合物の具体例として
は、下記に示すシラン化合物又はこれらのオリゴマーが
好適なものとして挙げることができる。 ○一般式(1)において、Rがアルキル基、ハロゲン化
アルキル基又は芳香族置換アルキル基で、R1 がアルコ
キシ基で、nが1のシラン化合物の例 Rがアルキル基の例としては、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチル−トリ−n−プ
ロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルト
リエトキシシラン、エチル−トリ−n−プロポキシシラ
ン、プロピルトリエトキシシラン、プロピル−トリ−n
−プロポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチ
ルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラ
ン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリ
メトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シ
クロヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキ
シシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリ
イソプロポキシシラン、2−エチルヘキシルトリメトキ
シシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメ
トキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ヘキ
サデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキ
シシラン及びエイコシルトリメトキシシラン等が挙げら
れる。Rがハロゲン化アルキル基の例としては、6−ク
ロロヘキシルトリメトキシシラン及び6,6,6−トリ
フルオロヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
Rが芳香族置換アルキル基の例としては、ベンジルトリ
メトキシシラン、4−クロロベンジルトリメトキシシラ
ン、4−クロロベンジルトリエトキシシラン及び4−ブ
ロモベンジルトリ−n−プロポキシシラン等が挙げられ
る。
【0011】○一般式(1)において、Rがアルキル基
で、R1 がハロゲン原子で、nが1のシラン化合物の例 ドデシルトリクロロシラン及びドデシルトリブロモシラ
ン等が挙げられる。
【0012】○一般式(1)において、Rがアリール基
で、R1 がアルコキシ基で、nが1のシラン化合物の例 フェニルトリメトキシシラン及びフェニルトリエトキシ
シラン等が挙げられる。
【0013】○一般式(1)において、Rがアルキル基
で、R1 がアルコキシ基で、nが2のシラン化合物の例 ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジブチルジメトキシシラン及びジイソブチルジメト
キシシラン等が挙げられる。
【0014】本発明では、一般式(1)において、Rが
アルキル基、R1 がアルコキシ基で、nが1のシラン化
合物、即ちアルキルトリアルコシキシランを使用するこ
とが、保存安定性に優れ、粒子径の小さいエマルション
が得られるためより好ましい。
【0015】これら加水分解性シラン化合物又はそのオ
リゴマーは、2種以上を併用することもできる。
【0016】本発明で使用される加水分解性シラン化合
物又はそのオリゴマーは、製造時の不純物であるシラノ
ール基を持つ化合物や残留触媒等を含んでいるものであ
っても良い。
【0017】シラン系水性エマルション中の加水分解性
シラン化合物の割合は、1〜65重量%であることが好
ましく、より好ましくは5〜50重量%である。この割
合が1重量%に満たない場合には、得られる水性エマル
ションが躯体に対して吸水防止性及び撥水性等の所望の
性能を発現し難くなることがあり、他方65重量%を越
える場合には、加水分解性シラン化合物の乳化が困難に
なったり、得られた水性エマルションが不安定で分離し
易くなることがある。
【0018】シラン系水性エマルション中の加水分解性
シラン化合物の平均粒子径としては、10μ以下が好ま
しく、より好ましくは1μ以下である。
【0019】◎フミン酸塩 本発明で使用するフミン酸塩の原料フミン酸としては、
天然のものでも、人工物でも使用可能である。天然物
は、通常腐植酸とも呼ばれているものであり、土壌中の
有機物の一種で、酸に不溶、アルカリに可溶の高分子有
機多塩基酸であり、腐朽した植物体からアルカリ水溶液
を用いて抽出した黒色溶液に、鉱酸等を加えて酸性にす
るときに沈殿する褐色又は黒色のゲル状物質として従来
から知られているものである。又人工物としては、亜炭
及び褐炭等の原料を硝酸酸化して得られるニトロフミン
酸等が挙げられる。塩としては、ナトリウム及びカリウ
ム等のアルカリ金属塩、マグネシウム等のアルカリ土類
金属塩、アンモニウム及びアミン等の塩いずれも使用可
能である。これらの中でもアルカリ金属塩、アンモニウ
ム及びアミンを使用することが白華防止性に優れること
から好ましく、臭気がなく貯蔵安定性に優れることから
アルカリ金属塩がより好ましい。
【0020】本発明におけるフミン酸塩の配合割合は、
特に制限はないが、フミン酸塩の色調が強いため、得ら
れる水性エマルション又はその被膜が着色しない程度に
配合することが好ましい。具体的には、本発明の水性エ
マルションを躯体表面に塗布して使用する場合は、水性
エマルション100重量部に対して、フミン酸塩を0.
01〜0.1重量部配合させることが好ましく、より好
ましくは0.01〜0.03重量部である。この割合が
0.01重量部に満たないと充分な白華防止性能が得ら
れないことがあり、他方0.1重量部を越えると、フミ
ン酸塩の色調が強すぎ、得られるエマルション又は被膜
が着色する場合がある。又、本発明の水性エマルション
をモルタルやコンクリート等の躯体中に配合する場合
は、躯体原料の混練時に添加して用いることができ、こ
の場合は水性エマルション100重量部に対してフミン
酸塩を5〜15重量部配合することが好ましく、より好
ましくは7〜12重量部である。フミン酸塩を水溶液と
して配合する場合の水溶液中のフミン酸塩濃度は、15
〜30重量%が好ましく、より好ましくは15〜25重
量%である。
【0021】◎乳化剤 本発明で使用される乳化剤は、前記加水分解性シラン化
合物を水性エマルションないしはそれに近い状態にする
目的で配合されるものであり、ノニオン性、アニオン性
及びカチオン性の何れのタイプのものも使用可能であ
る。これらの中でもノニオン性乳化剤を使用した加水分
解性シラン化合物の水性エマルションは乳化安定性が優
れており好ましい。ノニオン性及びアニオン性乳化剤を
使用する場合には、加水分解縮合反応が比較的早く発生
し効力が低下してしまうので、調製後速やかに使用する
ことが好ましい。ノニオン性乳化剤としては、HLB=
4〜22のタイプのもの、又はそれらの混合物が好適に
使用される。具体例としては、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタンモノラウレー
ト、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノラウレート及びポリオキシエチレンソル
ビタンモノステアレート等が挙げられる。その他の乳化
剤のHLBとしては1.5〜22のものが好ましく、よ
り好ましくは4〜15である。乳化剤は、加水分解性シ
ラン化合物に対して0.1〜50重量%に範囲で使用す
ることが好ましく、より好ましくは1〜20重量%であ
る。乳化剤の種類及び濃度は、使用する加水分解性シラ
ン化合物により変化するため、乳化剤を使用するに当た
っては、実験的に検討し決定することが好ましい。これ
ら乳化剤は、2種以上を併用することもできる。
【0022】◎水 本発明における水は、加水分解性シラン化合物を分散さ
せるための分散媒であり、その好ましい使用割合は、シ
ラン系水性エマルション中に35〜99重量%であり、
より好ましくは50〜95重量%である。エマルション
中の水の割合が35重量%に満たないと、シラン化合物
の乳化が困難になったり、得られたエマルションが不安
定で分離し易くなる場合があり、他方99重量%を超え
ると、シラン化合物の割合が少ないため、得られる被膜
又は硬化物が、撥水性及び吸水防止性を発現し難くなる
場合がある。
【0023】◎その他の成分 本発明の水性エマルションには、上記必須成分の他、必
要に応じて、シリコーン系マクロモノマーからなる乳化
剤等の前記したもの以外の乳化剤、保護コロイド剤及び
緩衝剤等を通常の割合含有しても良い。この他にも、防
黴剤、殺菌剤、フレグランス、着色剤、シックナー、発
泡剤及び消泡剤等をシラン系水性エマルションの性能を
損わない程度添加することもできる。本発明では、エマ
ルション中の加水分解性シラン化合物の加水分解反応を
抑制する目的で、緩衝剤を配合することが好ましい。緩
衝剤としては、有機酸、無機酸、塩基及びこれらの塩等
が挙げられる。無機酸としては、炭酸、燐酸、硫酸及び
ヒドロ硫酸等が挙げられる。有機酸としては、炭素数1
〜6のオルガノ−、モノ又はポリカルボン酸、有機酸の
塩としては、炭素数2〜30のアルキレンイミノポリカ
ルボン酸のモノ又はポリアルカリ金属塩、アルカリ土類
金属塩又はアミン塩等が挙げられる。塩基としては、ア
ンモニア、炭素数1〜30の有機塩基等が挙げられる。
本発明では、無機酸の塩を使用することが好ましく、具
体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、燐酸1、2又は3ナ
トリウム、燐酸1、2又は3カリウム、燐酸アンモニウ
ムナトリウム、硫酸1又は2ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム、酢酸カルシウ
ム、ぎ酸ナトリウム、硫化1又は2ナトリウム、アンモ
ニア、モノ、ジ又はトリエチルアミン、モノ、ジ又はト
リエタノールアミン、(エチレンジニトリロ)4酢酸ナ
トリウム塩(E.D.T.A.ナトリウム)、ピリジ
ン、アニリン及び珪酸ナトリウム等が挙げられる。これ
らは2種以上を併用することもできる。緩衝剤の配合割
合は、通常シラン系水性エマルションに添加されている
割合で良く、具体的には水性エマルション中に0.01
〜5重量%が好ましい。
【0024】◎製造方法 本発明のシラン系水性エマルションは、極めて容易に製
造することができる。例えば、加水分解性シラン化合
物、フミン酸塩、乳化剤及び水を撹拌混合して加水分解
性シラン化合物をエマルション化する方法、並びに加水
分解性シラン化合物、乳化剤及び水を撹拌混合して加水
分解性シラン化合物をエマルション化したものと、フミ
ン酸塩を撹拌下混合する方法等が挙げられる。この場
合、フミン酸塩の添加方法としては、そのまま配合する
ことも、フミン酸塩の水溶液として配合することもでき
る。得られた水性エマルションに更に水を加えて任意に
希釈することもできるが、前記した各必須成分の好まし
い割合の下限値を下回らない様注意する必要がある。
又、前記したその他の成分は、各成分に配合しておいて
も、各成分の配合時に配合することも又は各成分の配合
後に配合することもできる。
【0025】◎使用方法 本発明のシラン系水性エマルションは、種々のコンクリ
ート等の躯体に塗布又は添加することにより、これら躯
体に吸水防止性及び白華防止性を付与することができ
る。躯体としては、種々の材料並びに該材料からなる建
築物及び構造物に適用することができ、例えばモルタ
ル、コンクリート、ALC及び気泡コンクリート等のセ
メント系材料、スレート及びサイジングボード等のセメ
ントを結合剤とする材料、タイル、煉瓦及び瓦等のセラ
ミックス、硅酸カルシウム板、並びに石材等の無機質建
築材料が好ましく、その他木材、プラスチック等にも可
能である。本発明の水性エマルションを躯体に塗布して
使用する場合の塗布方法としては、常法に従えばよく、
例えばシラン系水性エマルションを、ハケ塗り法、ロー
ラー塗り法、エアースプレー法、エアレススプレー法、
含浸法又はカーテンロールコーター法等の常法に従い躯
体に塗布し、乾燥させる方法等が挙げられる。本発明の
水性エマルションの使用量は、固形分濃度、躯体の多孔
性及び表面処理方法によって変化するが、概ね0.05
〜2.0kg/m2 である。躯体製造時において、原料の混
練時に配合する場合も、常法に従えば良く、他の減水防
止剤や消泡剤等の一般の混和剤と同様に添加して練り混
ぜれば良い。この場合、本発明の水性エマルションの使
用量としては、セメント系材料の固形分濃度、躯体の多
孔性によって変化するが、該シラン系水性エマルション
を躯体の他の物性を阻害しない範囲内で配合すれば良
い。具体的には、混練中のスラリー100重量部に対し
て、水性エマルションが0.2〜1.0重量部であるこ
とが好ましい。モルタル混練時に配合する場合はセメン
トスラリー100重量部に対して本発明の水性エマルシ
ョンを0.2〜1.0重量部配合することが好ましく、
より好ましくは0.4〜0.6重量部である。この割合
が0.2重量部に満たない場合は所望の物性が得られ
ず、他方1.0重量部を越えると外観が暗変し物理強度
等他の物性を阻害する恐れがある。
【0026】
【作用】本発明のシラン系水性エマルションは、分離す
ることなく安定である上、躯体に塗布した場合、撥水性
及び吸水防止性を損なうことなく、躯体に白華防止性を
付与するとができる。又、コンクリート等の躯体製造時
において配合した場合も、フミン酸塩を含め従来の様々
な市販の白華防止剤を配合した場合、又はシラン系水性
エマルションのみを配合したときと比較して、撥水性及
び吸水防止性を損なうことなく、その表面に白華防止性
を付与することができる。本発明のシラン系水性エマル
ションがこの様な優れた性能を発現する理由としては、
次のことが考えられる。即ち、本発明の水性エマルショ
ンは、シラン化合物の硬化物に起因する撥水性及び吸水
防止性とフミン酸塩に起因するキレート効果を併せ持つ
ため、白華の原因であるセメント水和物中のCaイオン
が当該水和物中の水分と共に躯体表面に移行することを
阻止し、さらにフミン酸のフェノール性水酸基とカルボ
キシル基がCaイオンとキレートを形成し、これを捕捉
するという、二重の効果があるためであると考えられ
る。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。尚、各例における「部」は、「重量部」を意
味する。
【0028】○実施例1 ヘキシルトリエトキシシラン40部に、水50部、ノニ
オン系乳化剤のオクチルフェノールポリエチレンオキエ
タノール〔70部のUNION CARBIDE社TR
ITON(登録商標)X−100と30部のTRITO
N(登録商標)X−305からなる乳化剤〕混合物4部
及び重炭酸ナトリウム0.2部を加え高速撹拌して乳化
させ、有効成分40%のシランエマルションAを調製し
た。これとは別に、40℃温水200部にフミン酸ナト
リウム〔(株)テルナイト:CH−02〕を37.5部
添加し、4時間撹拌してフミン酸塩の15%水溶液を調
製した。前記シランエマルションAの75部に、水22
4.5部及び前記フミン酸塩の水溶液を0.5部を撹拌
下混合し、シラン系水性エマルションを得た。得られた
水性エマルションを用いて、材令4ヶ月の70mm×70
mm×20mm下地モルタル(JISR 5201)に30
0g/m2の割合で刷毛にて塗布した後、養生して評価用
の試験体とした。得られた試験体を使用して、下記の白
華評価及び吸水防止性能評価を行った。それらの結果を
表1に示す。実施例1の試験体では、吸水防止性能に優
れ、又白華も発生しなかった。
【0029】○白華評価 得られた試験体を屋外で3カ月放置した。次いで側面を
エポキシ系樹脂にてシールし、7℃、50%R.H.試
験環境下で供試体上面1cmが水面に出るように半水浸
漬し28日間放置して上面の白華状況を観察した。尚、
表1において、○及び×は以下の意味を示す。 ○:白華発生せず、×:白華発生
【0030】○吸水防止性評価 得られた試験体を、JISA1404に準じて7日間水
浸後の吸水比を求めた。尚、吸水比は下式により求め
た。
【0031】
【式1】
【0032】
【表1】
【0033】○比較例1 実施例1のシランエマルションAの75部(有効成分4
0%)に、水225部を撹拌下混合し、シラン系水性エ
マルションを得た。得られた水性エマルションを用い、
実施例1と同様に評価した。それらの結果を表1に示
す。フミン酸塩を配合しないシラン化合物のみからなる
水性エマルションを塗布した比較例1の試験体は、吸水
防止性能を有するものであったが、白華が発生してしま
った。
【0034】○実施例2 実施例1のシランエマルションAの100部に対し、フ
ミン酸塩が24部となるよう実施例1におけるフミン酸
塩の水溶液の160部を撹拌下混合し、シラン系水性エ
マルションを得た。普通ポルトランドセメント100
部、豊浦標準砂300部及び水75部を配合し、これに
当該エマルション2.6部(セメントスラリー100部
に対してシラン系水性エマルション0.54部)を加え
混練し、得られた水和混練物を使用してセメント板を成
形した。この成形物を養生して硬化させ評価用の試験体
とした。得られた試験体を使用して、実施例1と同様に
評価した。それらの結果を表2に示す。実施例2の試験
体では、吸水防止性能に優れ、又白華も発生しなかっ
た。
【0035】
【表2】
【0036】○比較例2 実施例1のシランエマルションAをそのまま用い、セメ
ントスラリー100部に対してシランエマルション0.
21部を加えた以外は実施例2と同様にしてセメント板
を作製し、評価用の試験体とした。得られた試験体を使
用して、実施例1と同様に評価した。それらの結果を表
2に示す。躯体製造時にシラン化合物のみを配合した比
較例2の試験体では、吸水防止性能に優れるものの、白
華が発生してしまった。
【0037】○比較例3 実施例1のフミン酸塩の水溶液をそのまま用い、セメン
トスラリー100部に対してフミン酸塩の水溶液0.3
3部を加えた以外は実施例2と同様にしてセメント板を
作製し、評価用の供試体とした。得られた試験体を使用
して、実施例1と同様に評価した。それらの結果を表2
に示す。躯体製造時にフミン酸塩のみを配合した比較例
3の試験体では、吸水防止性能にも劣り、又白華も発生
してしまった。
【0038】
【発明の効果】本発明のシラン系水性エマルションは、
躯体に対して塗布又は躯体製造時に配合することで、躯
体に対して優れた吸水防止性及び白華防止性を付与する
ことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加水分解性シラン化合物、フミン酸塩、乳
    化剤及び水からなるシラン系水性エマルション。
  2. 【請求項2】加水分解性シラン化合物が下記一般式
    (1)で表される化合物又はそのオリゴマーであること
    を特徴とする請求項1記載のシラン系水性エマルショ
    ン。 【化1】Rn Si(R1 4-n ・・・・(1) (式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基、置換アルキ
    ル基又はアリール基、R1 は炭素数1〜6のアルコキシ
    基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロシキル基又はカル
    ボキシル基であり、複数個のR又はR1 を持つ場合、そ
    れぞれは同一でも異なっていても良い。nは1又は2で
    ある)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100873480B1 (ko) 2007-07-03 2008-12-19 주식회사 케이알건설 액체 도포 방수제 및 그 제조방법
KR101144677B1 (ko) 2010-07-09 2012-05-24 주식회사 제이에스기술 액체 도포 방수제 및 그 제조방법
JP2015172172A (ja) * 2014-02-21 2015-10-01 清水建設株式会社 コンクリート着色剤、コンクリート着色方法、コンクリート及びコンクリートからなる構造物

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KR101144677B1 (ko) 2010-07-09 2012-05-24 주식회사 제이에스기술 액체 도포 방수제 및 그 제조방법
JP2015172172A (ja) * 2014-02-21 2015-10-01 清水建設株式会社 コンクリート着色剤、コンクリート着色方法、コンクリート及びコンクリートからなる構造物

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