JPH1176711A

JPH1176711A - 加圧式濾過装置のフィルターエレメント

Info

Publication number: JPH1176711A
Application number: JP9243698A
Authority: JP
Inventors: Kanji Maekawa; 完二前川; Hitoshi Miyazaki; 仁宮崎; Riyouji Saitou; 良治齋籐; Masayuki Yamada; 正幸山田
Original assignee: SAITO KAKOKI SEIZO KK; Kawasaki Heavy Industries Ltd
Current assignee: SAITO KAKOKI SEIZO KK; Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date: 1997-09-09
Filing date: 1997-09-09
Publication date: 1999-03-23

Abstract

(57)【要約】【課題】簡単な構造をそなえて、しかも作業効率のよ
い濾過性能を持ち、かつ安定した洗浄効果が得られる加
圧式濾過装置のフィルターエレメントを提供する。【解決手段】内筒１と、その外側にあって濾布６を通
過した濾液を通す多数のスリット１０を設けた外筒２
と、これを挟んでタイロッド５で連結した上部ユニット
３ならびに下部ユニット４とをそなえ、その外周を濾布
６で包被し、濾布６の内面と外筒２の周面とで囲まれる
濾液流路１１の広さを確保するために外筒２から離れた
位置にタイロッド５が配置されていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、懸濁液などの加
圧式濾過装置のフィルターエレメントに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来からこの種の加圧式濾過装置に用い
られているフィルターエレメントの構造として、図４ま
たは図５に示すように、エレメントのコアとして中央に
管体を配し、その周囲に複数のスリーブ管や複数の支持
棒を配置して濾布を外装した構造のフィルターエレメン
ト、たとえば特公昭６０−４３７６３号（図４のもの）
または特公昭６１−１２７３４号（図５のもの），ある
いは成型品によるフィルターエレメントが、特公平４−
１１２４４号などに掲示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来技術である図４に
示されるフィルターエレメントは、中央の管体２１の周
囲に配された複数本のスリーブ管２２により、フィルタ
ー部材の洗浄の際、安定した洗浄効果が得られるが、濾
過工程時に濾布２３とスリーブ管２２とが密着して濾液
の流路２４が極端に狭められるために、効率のよい濾過
ができないという難点がある。

【０００４】また、図５に示されるフィルターエレメン
トは、管体２１の周りに配された支持棒２５により、濾
過工程時に管体２１と濾布２３との間に濾液の流路２６
が広く確保されて、その点では効率のよい濾過が行われ
るが、フィルター部材を逆洗する際に洗浄水がフィルタ
ーエレメント最上部に達する前に濾布面より流出するた
め、安定した洗浄効果が得られないという難点がある。

【０００５】さらに、濾過流路確保のための溝をそなえ
る成型品によるフィルターエレメントは、構造が複雑で
あるため、製作に際してコストアップを招くなどの不具
合点がある。

【０００６】この発明は、上記のような不具合点にかん
がみてなされたもので、簡単な構造をそなえてしかも作
業効率のよい濾過性能を持ち、かつ洗浄に際して安定し
た洗浄効果が得られるフィルターエレメントを提供する
ことを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の課題解決のため
に、この発明にかかる加圧式濾過装置のフィルターエレ
メントは、清澄濾液を集合排出するための内筒１と、そ
の外側に位置して濾布６を通して濾過された清澄濾液を
内部に流入させるための多数のスリット１０が、ほゞそ
の全長に亙って所定ピッチのもとに設けられた外筒２と
よりなる二重管構造をそなえ、その二重管構造を間に挟
んで上部ユニット３と下部ユニット４とを複数のタイロ
ッド５によって互いに連結し、その連結体の外周を濾布
６によって包被し、濾布６の外周面が濾過工程の加圧時
に外筒２に向かって求心方向の押付力を受けるとき、前
記複数のタイロッド５に支えられて濾布６の内面と外筒
２の周面との間に形成される濾液流路１１の広さを確保
するために外筒２の周面から離れた位置にタイロッド５
が配置されている。なお、濾布６とはフィルター部材を
表し、布製に限定されるものではなく、合成樹脂製、金
属製などがある。

【０００８】加圧式濾過装置のフィルターエレメントが
このように構成されると、内筒１および外筒２からなる
二重管構造と、その外側に配置される複数本のタイロッ
ド５とにより、濾過工程時にタイロッド５によって外筒
２と濾布６との間に十分な広さの濾液流路が確保され
る。そのため外筒２のほゞ全長に亙って所定ピッチのも
とに設けられた多数のスリット１０に対し、急速に、し
かも均等に濾液を供給できる濾液流路１１が確保された
ことになり、それによって濾液が濾布６→濾液流路１１
→スリット１０→鞘形通路１２と流れるときの移動が円
滑で無理のない経路を通って移動する。その結果、濾布
６上の濾液の通過箇所が濾布の全域に亙って均等にばら
まかれて発生し、目詰まり箇所が特定箇所に偏倚して発
生することが防止できて、効率のよい濾過を行うことが
できる。

【０００９】また、フィルター部材の洗浄を行うとき、
内筒１に満たされた洗浄水は、濾布６の内側から外側に
向かって流出するよりも前に、多数のスリット１０を設
けた外筒２の最上部にまで到達し、外筒２の上端から下
端に至る全周面から洗浄水を均等に吹き出すので、フィ
ルターエレメント全体の洗浄操作が万遍なく、確実に行
われる。

【００１０】さらに、フィルターエレメントは、二重管
構造と、上部ユニット３ならびに下部ユニット４、およ
びそれらを連結支持するタイロッド５とをそなえる簡単
な構造から構成されており、部品点数が少なく組立が簡
単なため、容易にしかも安価に製作できる。

【００１１】前記タイロッド５は、請求項２のように、
これを丸棒、または角材、または型材よりなるものとし
てもよい。タイロッド５を、このようにありふれた材質
もしくは形状の素材を用いて構成すると、製造が簡単容
易で、調達の即時性と価格の低廉化が実現される。

【００１２】また、内筒１、外筒２およびタイロッド５
のいずれか又は全部を、請求項３のように、金属または
プラスチックもしくは金属とプラスチックとの組み合わ
せよりなる構成とすることもできる。このようにする
と、請求項２の場合と同様の理由により、製造が簡単容
易で、調達の即時性と価格の低廉化が実現されるととも
に、サイズの多様化が実施可能となって、需要に対する
対応の幅を広げることが可能となる。

【００１３】

【発明の実施の形態】この発明にかかる加圧式濾過装置
のフィルターエレメントについて、実施の形態を図面に
基づいて以下に詳しく説明する。図１は、この発明にか
かる加圧式濾過装置のフィルターエレメントの一実施例
の縦断面図、図２はその横断面図である。内筒１はその
外側の外筒２とともに同心の二重管構造を構成し、その
上下を上部ユニット３および下部ユニット４によって挟
みつけている。上部ユニット３と下部ユニット４とは、
中間に二重管構造を挟んで６本のタイロッド５によって
筒形に連結され、その連結体の外周を濾布６によって包
被し、その両端部をホースバンド７によって上部ユニッ
ト３および下部ユニット４の各外周面上に対し隙間のな
い状態で締め付けている。上部ユニット３は、頂部に排
出口８をそなえている。排出口８は、濾過工程時には清
澄濾液の排出口として機能するが、逆洗工程時には洗浄
水の流入口として機能する。

【００１４】内筒１は上端を上部ユニット３に嵌合さ
れ、下端９は自由端として開放されている。外筒２は、
上端が上部ユニット３に嵌合され、下端が下部ユニット
４に嵌合されている。外筒２の表面には、濾布６を通し
て濾過された清澄濾液を外筒２の内部に流入させるため
の多数のスリット１０が、ほゞその全長に亙って所定ピ
ッチのもとに設けられている。スリット１０の加工は、
たとえば円板状の回転カッターを、回転させながら外筒
２の周面に直角方向に押し付けることにより、いわゆる
ミーリング方式の加工によって容易に削成することが可
能である。

【００１５】タイロッド５と外筒２との関係位置は、タ
イロッド５の配設位置が外筒２の周面から離れた位置に
選ばれた関係となっている。両者をこのような関係に配
置することによって、濾布６の外周面が濾過工程の加圧
時に外筒２に向かって求心方向の押付力を受けるとき、
複数のタイロッド５に支えられて濾布６の内面と外筒２
の周面との間に形成される濾液流路１１の広さを確保す
ることができる。すなわち、このような関係位置とする
ことによって、図２に示されるように、タイロッド５を
頂点とし、外筒２の周面の一部を底辺とする二等辺三角
形に類似の断面形をそなえる濾液流路１１が、外筒２の
周囲に６箇所形成される。内筒１と外筒２との間には鞘
形通路１２が形成される。

【００１６】フィルターエレメントを構成する部品のう
ち、内筒１、外筒２およびタイロッド５は、いずれもき
わめて単純な形状よりなる部品であり、普通には金属製
品が使用され、ときには内筒１をプラスチックにより製
造される。また、タイロッド５は丸棒材の使用がネジ加
工などの点で便利である。

【００１７】以上のように構成される加圧式濾過装置の
フィルターエレメントによって、懸濁液の濾過を行う作
用について説明する。濾過工程の加圧によって、内筒１
および外筒２からなる二重管構造と、その外側に配置さ
れる複数本のタイロッド５とにより、外筒２と濾布６と
の間に形成される濾液流路１１の広さが確保される。そ
のため、外筒２のほゞ全長に亙って所定ピッチのもとに
設けられた多数のスリット１０に対し、急速に、しかも
均等に濾液を供給できる濾液の流通路が確保されたこと
になり、それによって濾液が濾布６→濾液流路１１→ス
リット１０→鞘形通路１２と流れるときの移動が、円滑
で無理のない経路を通って移動する。その結果、濾布６
上の濾液の通過箇所が濾布の表面上の全域に亙って均等
にばらまかれて発生し、目詰まり箇所が特定箇所に偏倚
して発生することが防止できて、効率のよい濾過を行う
ことができる。そのあとスリット１０を経て鞘形通路１
２に流入した清澄濾液は、下方に集合して下端９から内
筒１の内部を上昇し、排出口８から外部に取り出され
る。

【００１８】つぎに、逆洗操作によって濾布６の洗浄を
行う作用について説明する。排出口８から下向きに内筒
１に送り込まれた洗浄水は、下端９を経て鞘形通路１２
内に誘導される。そして鞘形通路１２に導かれた洗浄水
は、図中の破線で表示される形状に膨らんでいる濾布６
から外部に向かって流出を開始する以前に外筒２の最上
部にまで達しているため、すべてのスリット１０を通過
した洗浄水は外筒２の外に流出して濾布６の内面に向け
て遠心方向に万遍なく流れ、この状態で濾布６を内側か
ら外側に通過して洗浄を行うので、濾布６の洗浄は、そ
の全面に亙って均等に、満遍なく確実に行われ、高効率
の洗浄作業が実施できる。

【００１９】フィルターエレメントの濾布を通して行わ
れた懸濁液の濾過作業に関する性能曲線の一例が、図３
に示される。図中の実線の曲線は、この発明にかかる装
置によるものを示し、破線は従来装置について行われた
試験の結果を示す。図３によれば、同一時間について比
較した場合、両者間の濾過速度には夥しい差のあること
がはっきり示されている。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
この発明にかかる加圧式濾過装置のフィルターエレメン
トには、つぎのようなすぐれた効果がある。

【００２１】（１）請求項１では、濾過工程時に、タイ
ロッド５によって外筒２と濾布６との間に形成される濾
液流路の広さが確保されるので、濾布の目を経て流入し
た濾液が、さらに外筒２のスリット１０を通過して鞘形
通路１２に流入するために必要な大量の濾液の移動が、
広げられた濾液流路１１の存在によってきわめて自由に
円滑に行われ、そのため外筒２の全長に亙って設けられ
ているスリット１０のすべてが有効に働いて、スリット
１０から鞘形通路１２に向かって流れ込む濾液の流量の
均等化が行われる。しかもそれによって、濾布６ａの目
からスリット１０に達するまでの濾液の流れの方向を、
軸芯の長手方向に直交する方向に近づけることが容易に
なって、濾布６ａの表面上における目詰まりの発生し易
い箇所の分布が均等に万遍なく分散して行われることに
なり、効率のよい濾過作業を行うことができる。

【００２２】また、フィルター部材の洗浄を行う時に、
内筒１に導入された逆洗用の洗浄水は、濾布の目から外
部に向かって流出する以前に、多数のスリットを設けた
外筒２の最上部に洗浄水が達しているので、フィルター
エレメントの全面に亙る洗浄が万遍なく確実に行われ
る。

【００２３】さらに、フィルターエレメントの構成が、
二重管構造と、上部ユニット３ならびに下部ユニット
４、およびそれらを連結支持するタイロッド５とよりな
るきわめて簡単な構成からなっており、部品点数が少な
く且つ組立が簡単なため、容易にしかも安価に製作する
ことが可能となる。

【００２４】（２）請求項２では、タイロッド５をあり
ふれた材質もしくはありふれた形状の素材を用いて構成
することにより、製造が簡単容易に行われて、調達の即
時性と価格の低廉化が実現される。

【００２５】（３）請求項３では、フィルターエレメン
トの要部をこのように構成することによって、請求項２
の場合と同様に、製造が簡単容易で、調達の即時性と価
格の低廉化を実現することができる。また、それととも
に、サイズの多様化が実施可能となって、需要に対する
対応の幅を広げることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明装置の一実施例の縦断面図である。

【図２】図１の実施例のII−II線における断面図であ
る。

【図３】この発明装置と従来装置との性能を比較して示
す性能曲線図である。

【図４】従来装置の一例の断面図である。

【図５】従来装置の他の例の断面図である。

【符号の説明】

１内筒２外筒３上部ユニット４下部ユニット５タイロッド６，６ａ濾布８排出口９下端１０スリット１１濾液流路１２鞘形通路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者齋籐良治大阪府大阪市東成区深江北３丁目17番３号齋籐化工機製造株式会社内 (72)発明者山田正幸大阪府大阪市東成区深江北３丁目17番３号齋籐化工機製造株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】加圧式濾過装置のフィルターエレメント
において、清澄濾液を集合排出するための内筒(１)と、その外側に
位置して濾布(６)を通して濾過された清澄濾液を内部に
流入させるための多数のスリット(１０)が、ほゞその全
長に亙って所定ピッチのもとに設けられた外筒(２)とよ
りなる二重管構造をそなえ、その二重管構造を間に挟んで上部ユニット(３)と下部ユ
ニット(４)とを複数のタイロッド(５)によって互いに連
結し、その連結体の外周を濾布(６)によって包被し、濾布(６)の外周面が濾過工程の加圧時に外筒(２)に向か
って求心方向の押付力を受けるとき、前記複数のタイロ
ッド(５)に支えられて濾布(６)の内面と外筒(２)の周面
との間に形成される濾液流路(１１)の広さを確保するた
めに外筒(２)の周面から離れた位置にタイロッド(５)が
配置されることを特徴とする加圧式濾過装置のフィルタ
ーエレメント。
【請求項２】前記タイロッド(５)が丸棒、または角
材、または型材よりなる請求項１記載の加圧式濾過装置
のフィルターエレメント。
【請求項３】前記内筒(１)、外筒(２)およびタイロッ
ド(５)のいずれか又は全部が金属またはプラスチックも
しくは金属とプラスチックとの組み合わせよりなる請求
項１または２記載の加圧式濾過装置のフィルターエレメ
ント。