JPH1175835A - 脱アミド化酵素及び当該酵素の測定法 - Google Patents
脱アミド化酵素及び当該酵素の測定法Info
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- JPH1175835A JPH1175835A JP24949797A JP24949797A JPH1175835A JP H1175835 A JPH1175835 A JP H1175835A JP 24949797 A JP24949797 A JP 24949797A JP 24949797 A JP24949797 A JP 24949797A JP H1175835 A JPH1175835 A JP H1175835A
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- deamidation
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Abstract
(57)【要約】
【目的】脱アミド化酵素及びその測定法を提供する。
【構成】蛋白質の脱アミド化反応を触媒し、分子量が約
36kDa又は約18kDaであり、SDSの存在下で安定であ
り、Caイオン及びSH試薬により実質的に影響を受けな
い新規な脱アミド化酵素及びグルテンを基質として、脱
アミド化酵素を作用させ、次いでα−ケトグルタレー
ト、NAD(P)H及びグルタメートデヒドロゲナーゼを作用
せしめることを特徴とする脱アミド化酵素の測定法に関
する。
36kDa又は約18kDaであり、SDSの存在下で安定であ
り、Caイオン及びSH試薬により実質的に影響を受けな
い新規な脱アミド化酵素及びグルテンを基質として、脱
アミド化酵素を作用させ、次いでα−ケトグルタレー
ト、NAD(P)H及びグルタメートデヒドロゲナーゼを作用
せしめることを特徴とする脱アミド化酵素の測定法に関
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な脱アミド化酵素
及び当該酵素の測定法に関する。詳細には本発明は、発
芽中の小麦種子から得られた脱アミド化酵素及びグルタ
ミン酸デヒドロゲナーゼを利用した新規な脱アミド化酵
素活性測定法に関する。
及び当該酵素の測定法に関する。詳細には本発明は、発
芽中の小麦種子から得られた脱アミド化酵素及びグルタ
ミン酸デヒドロゲナーゼを利用した新規な脱アミド化酵
素活性測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】発芽中の小麦種子にタンパク質脱アミド
化活性が存在していることはVaintraub等によって報告
されている[FEBS-Letter, 302巻, 169-171(1992)]。
トランスグルタミナーゼはグルタミン残基のアミド基を
リジン残基のε-アミノ基で置換するのを触媒するが、
これはまた、ε-アミノ基が不適切に含有されている状
態で反応中に脱アミド化も引き起こす。Vaintraubらに
よって報告された脱アミド化酵素はトランスグルタミナ
ーゼとは異なっていた。
化活性が存在していることはVaintraub等によって報告
されている[FEBS-Letter, 302巻, 169-171(1992)]。
トランスグルタミナーゼはグルタミン残基のアミド基を
リジン残基のε-アミノ基で置換するのを触媒するが、
これはまた、ε-アミノ基が不適切に含有されている状
態で反応中に脱アミド化も引き起こす。Vaintraubらに
よって報告された脱アミド化酵素はトランスグルタミナ
ーゼとは異なっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、タンパ
ク質脱アミド化酵素は、脱アミド活性の信頼できるアッ
セイが良好には確立されていないので、これまでのとこ
ろ同定や特徴化がなされておらず、そして発芽中の種子
の粗製抽出物中のタンパク質分解攻撃による不安定性の
ため、精製も困難であった。
ク質脱アミド化酵素は、脱アミド活性の信頼できるアッ
セイが良好には確立されていないので、これまでのとこ
ろ同定や特徴化がなされておらず、そして発芽中の種子
の粗製抽出物中のタンパク質分解攻撃による不安定性の
ため、精製も困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、小麦、豆
類の発芽種子中の酵素について鋭意検討を重ねた結果、
グルテンを脱アミド化する酵素の存在を確認し精製する
ことに成功し本発明を完成した。
類の発芽種子中の酵素について鋭意検討を重ねた結果、
グルテンを脱アミド化する酵素の存在を確認し精製する
ことに成功し本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明は、以下のような酵素化学的
性質を有する新規な脱アミド化酵素である。
性質を有する新規な脱アミド化酵素である。
【0006】蛋白質の脱アミド化反応を触媒する。 分子量が約36kDa又は約18kDaである。 SDSの存在下で安定である。 Caイオン及びSH試薬により実質的に影響を受けな
い。 N末端アミノ酸配列がAla-Ala-Phe-Met-Gly-Gly-Glu-
Gluで表される。
い。 N末端アミノ酸配列がAla-Ala-Phe-Met-Gly-Gly-Glu-
Gluで表される。
【0007】更に又、本発明は、グルテンを基質とし
て、脱アミド化酵素を作用させ、次いで、α−ケトグル
タレート、NAD(P)H及びグルタメートデヒドロゲナーゼ
を作用せしめることを特徴とする脱アミド化酵素の測定
法を提供する。
て、脱アミド化酵素を作用させ、次いで、α−ケトグル
タレート、NAD(P)H及びグルタメートデヒドロゲナーゼ
を作用せしめることを特徴とする脱アミド化酵素の測定
法を提供する。
【0008】本発明の脱アミド化酵素は例えば発芽小麦
種子、大豆、ヒラマメ、インゲンマメ、カボチャ、レン
ズ豆等から塩析、DEAE−セルロースカラムクロマ
ト、ゲルろ過により精製することが出来る。更に、SD
Sに対して安定であることよりSDS-PAGEを用い
て酵素を更に精製することが出来る。精製された脱アミ
ド化酵素は上述したような性質を有している。
種子、大豆、ヒラマメ、インゲンマメ、カボチャ、レン
ズ豆等から塩析、DEAE−セルロースカラムクロマ
ト、ゲルろ過により精製することが出来る。更に、SD
Sに対して安定であることよりSDS-PAGEを用い
て酵素を更に精製することが出来る。精製された脱アミ
ド化酵素は上述したような性質を有している。
【0009】本発明の脱アミド化酵素の測定法は、基質
にグルテンを用い、酵素を作用させることにより生成す
るアンモニアをα−ケトグルタレート、NAD(P)H及びグ
ルタメートデヒドロゲナーゼを含む試薬を用いて測定す
ることを含む。
にグルテンを用い、酵素を作用させることにより生成す
るアンモニアをα−ケトグルタレート、NAD(P)H及びグ
ルタメートデヒドロゲナーゼを含む試薬を用いて測定す
ることを含む。
【0010】酵素活性はは340nmの吸光度を測定するこ
とにより行うこともできるが、自体公知の方法で発色系
に導くことも可能である。反応の条件は特に限定されな
いが、対象とする脱アミド化酵素の活性を阻害しない緩
衝液を用いることが望ましい。更に温度は、脱アミド化
酵素活性を測定するためには任意に選択することが出来
る。
とにより行うこともできるが、自体公知の方法で発色系
に導くことも可能である。反応の条件は特に限定されな
いが、対象とする脱アミド化酵素の活性を阻害しない緩
衝液を用いることが望ましい。更に温度は、脱アミド化
酵素活性を測定するためには任意に選択することが出来
る。
【0011】以下に、本発明を実施例を用いて更に詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0012】
【実施例】尚、実施例に用いた試薬・測定法などは、特
に断らない限り、以下に示す方法に従った。
に断らない限り、以下に示す方法に従った。
【0013】試薬 グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLDH)(オリエンタル
酵母工業社製) NADPH(オリエンタル酵母工業社製) α-ケトグルタル酸2ナトリウム塩(シグマ社製) プロナーゼE(シグマ社製) トリエタノールアミン塩酸塩(メルク社製) 他に記載しない限り、使用した試薬は全て分析等級
酵母工業社製) NADPH(オリエンタル酵母工業社製) α-ケトグルタル酸2ナトリウム塩(シグマ社製) プロナーゼE(シグマ社製) トリエタノールアミン塩酸塩(メルク社製) 他に記載しない限り、使用した試薬は全て分析等級
【0014】活性測定法 基質の調製 不溶性の小麦タンパク質コンプレックス、グルテンは、
洗浄液から可溶性タンパク質がなくなるまで小麦粉の塊
を洗浄して調製した。このようにして得たグルテンボー
ルを蒸留水で透析し、そしてその後、凍結乾燥したグル
テン2gを0.05Mトリス−HCl緩衝液(pH8.0)200ml中に
懸濁した。
洗浄液から可溶性タンパク質がなくなるまで小麦粉の塊
を洗浄して調製した。このようにして得たグルテンボー
ルを蒸留水で透析し、そしてその後、凍結乾燥したグル
テン2gを0.05Mトリス−HCl緩衝液(pH8.0)200ml中に
懸濁した。
【0015】プロナーゼE 20mgを加えてグルテンを可
溶化しそしてアジ化ナトリウム(0.02%)も混合物溶液
で加えた。この混合物を37℃で12時間インキュベートし
た。
溶化しそしてアジ化ナトリウム(0.02%)も混合物溶液
で加えた。この混合物を37℃で12時間インキュベートし
た。
【0016】インキュベーション後、プロナーゼEを10
0℃で3分間加熱して不活化した。プロナーゼ処理グル
テン(PTG)を脱イオン水で透析し、そしてその後凍
結乾燥した。
0℃で3分間加熱して不活化した。プロナーゼ処理グル
テン(PTG)を脱イオン水で透析し、そしてその後凍
結乾燥した。
【0017】操作法 PTG基質溶液[1mg/リン酸−クエン酸緩衝液(pH6.
8)1ml]0.5ml及び酵素溶液0.5mlからなる混合溶液を3
0℃で30分間インキュベートする。対照実験は酵素不含
緩衝溶液中で実施する。インキュベートした混合物から
発生したアンモニア量は、Kun及びKearneyの方法[Meth
od of Enzymatic Analysis, 4巻, 1802-1806(1974)]
に従ってグルタメートデヒドロゲナーゼを使用して測定
する。即ち、この反応混合物に、0.15Mトリエタノール
アミン、0.11mM α-ケトグルタレート(pH7.2)、0.2mM
NADPH及びグルタメートデヒドロゲナーゼ(5単
位)を含有するアッセイ溶液を加える。340nmで15分間
の吸光度の減少をUV-2001分光光度計(日立製)で自動
的に測定する。
8)1ml]0.5ml及び酵素溶液0.5mlからなる混合溶液を3
0℃で30分間インキュベートする。対照実験は酵素不含
緩衝溶液中で実施する。インキュベートした混合物から
発生したアンモニア量は、Kun及びKearneyの方法[Meth
od of Enzymatic Analysis, 4巻, 1802-1806(1974)]
に従ってグルタメートデヒドロゲナーゼを使用して測定
する。即ち、この反応混合物に、0.15Mトリエタノール
アミン、0.11mM α-ケトグルタレート(pH7.2)、0.2mM
NADPH及びグルタメートデヒドロゲナーゼ(5単
位)を含有するアッセイ溶液を加える。340nmで15分間
の吸光度の減少をUV-2001分光光度計(日立製)で自動
的に測定する。
【0018】アンモニアは、(1.4〜14μg/ml)NH4Cl
溶液から得られた標準線曲線を使用して概算した(μg
/ml)。酵素活性1単位は1分当たりに放出されたNH3
のnmolとして表わす。
溶液から得られた標準線曲線を使用して概算した(μg
/ml)。酵素活性1単位は1分当たりに放出されたNH3
のnmolとして表わす。
【0019】実施例1 酵素抽出 小麦種子を蒸留水に6時間浸漬し、25℃の暗所で貯蔵中
に発芽させ、そしてその後、冷蒸留水を3:5の重量比
(乾燥種子/水の容量)で用いて1分間ホモジネートし
た。6000rpmで15分間遠心した後、上清液を4℃で集め
た。
に発芽させ、そしてその後、冷蒸留水を3:5の重量比
(乾燥種子/水の容量)で用いて1分間ホモジネートし
た。6000rpmで15分間遠心した後、上清液を4℃で集め
た。
【0020】粗製の水抽出物(25ml)を、83:17のモル
比の乾燥NaH2PO4(13g)とK2HPO4(3g)の混合物
と穏やかに混合して3.7Mの濃度とした。遠心後、清明
な上清液を0.001%の2-メルカプトエタノールを含有す
る蒸留水を用いて冷室内で72時間透析し、そしてその後
凍結乾燥した。
比の乾燥NaH2PO4(13g)とK2HPO4(3g)の混合物
と穏やかに混合して3.7Mの濃度とした。遠心後、清明
な上清液を0.001%の2-メルカプトエタノールを含有す
る蒸留水を用いて冷室内で72時間透析し、そしてその後
凍結乾燥した。
【0021】濃縮した溶液(5〜10ml)を、10mMリン
酸緩衝液(pH6.8)で平衡化したDEAE-セルロースカ
ラム(3.2×25cm)に適用し、そしてその後酵素を同じ
緩衝液で溶出した。図1に小麦種子の粗製抽出物を塩析
して得た上清液のDEAE-セルロースカラムクロマト
グラフィーの溶出パターンを示す。
酸緩衝液(pH6.8)で平衡化したDEAE-セルロースカ
ラム(3.2×25cm)に適用し、そしてその後酵素を同じ
緩衝液で溶出した。図1に小麦種子の粗製抽出物を塩析
して得た上清液のDEAE-セルロースカラムクロマト
グラフィーの溶出パターンを示す。
【0022】脱アミド活性は2つのピーク、フラクショ
ン番号20〜30及び32〜45で観察された。フラクション20
〜30を集め、10mMリン酸緩衝液(pH6.8)で透析し、そ
して5000rpm、2℃でミリポア管によって遠心して濃縮
した。濃縮した酵素溶液(4〜6ml)を、10mMリン酸
緩衝液で平衡化したセファデックスG-50カラム(2.5×
95cm)に適用し、そしてその後10mMリン酸緩衝液(pH
6.8)で溶出した。
ン番号20〜30及び32〜45で観察された。フラクション20
〜30を集め、10mMリン酸緩衝液(pH6.8)で透析し、そ
して5000rpm、2℃でミリポア管によって遠心して濃縮
した。濃縮した酵素溶液(4〜6ml)を、10mMリン酸
緩衝液で平衡化したセファデックスG-50カラム(2.5×
95cm)に適用し、そしてその後10mMリン酸緩衝液(pH
6.8)で溶出した。
【0023】図2は、活性フラクションのセファデック
スG-50カラムでのゲルろ過パターンを示す。酵素活性
を有するフラクションを一緒に合わせ、次いで透析しそ
してミリポア管で濃縮した。酵素は−20℃で貯蔵した。
スG-50カラムでのゲルろ過パターンを示す。酵素活性
を有するフラクションを一緒に合わせ、次いで透析しそ
してミリポア管で濃縮した。酵素は−20℃で貯蔵した。
【0024】タンパク質の測定 タンパク質はLowry等の方法[J. Biol. Chem. 193巻, 2
65-275(1951)]で標準品としてウシ血清アルブミンを用
いて分析した。
65-275(1951)]で標準品としてウシ血清アルブミンを用
いて分析した。
【0025】電気泳動 電気泳動は、Laemmliの方法[Nature, 227巻, 680-685
(1970)]によって、0.05%のSDSを含有するトリス−
グリシン(pH8.8)中12.5%のアクリルアミド分離用ゲ
ル及び3%の積層ゲルを使用して冷室中5mAの一定電
流で8〜10時間実施した。
(1970)]によって、0.05%のSDSを含有するトリス−
グリシン(pH8.8)中12.5%のアクリルアミド分離用ゲ
ル及び3%の積層ゲルを使用して冷室中5mAの一定電
流で8〜10時間実施した。
【0026】この試料は溶液100μl及び2-メルカプト
エタノール20μlを加熱しないで一夜混合して調製し
た。電気泳動後、アクリルアミドゲルを0.25%クーマシ
ーブリリアントブルーR250:酢酸:メタノール(容量で
5:1:5)で染色した。
エタノール20μlを加熱しないで一夜混合して調製し
た。電気泳動後、アクリルアミドゲルを0.25%クーマシ
ーブリリアントブルーR250:酢酸:メタノール(容量で
5:1:5)で染色した。
【0027】SDSゲル切断 酵素を精製するためにゲル切断法を実施した。SDSが
活性に影響を与えないことを確認するために予備試験を
実施した。
活性に影響を与えないことを確認するために予備試験を
実施した。
【0028】
【表1】
【0029】表1は、脱アミド化活性がSDS除去後に
回復したことを示している。脱アミド化酵素はSDSに
対して安定であるか又は透析してSDSを除去すること
によって可逆的に折り畳まれると思われ、一方大部分の
タンパク質はSDSの存在下で変性する。それ故、SD
S-PAGE中のタンパク質バンドを切断しそしてその
後ゲルから抽出するゲル切断法でSDSスラブ上の脱ア
ミド化酵素バンドを集めることができる。
回復したことを示している。脱アミド化酵素はSDSに
対して安定であるか又は透析してSDSを除去すること
によって可逆的に折り畳まれると思われ、一方大部分の
タンパク質はSDSの存在下で変性する。それ故、SD
S-PAGE中のタンパク質バンドを切断しそしてその
後ゲルから抽出するゲル切断法でSDSスラブ上の脱ア
ミド化酵素バンドを集めることができる。
【0030】1つのレーンだけを染色してタンパク質バ
ンドの位置を決定した。染色しなかった他のゲルは、染
色した標準ゲルを使用して垂直に切断してタンパク質を
集めた。次に、切断したゲル(対応するタンパク質バン
ド)を冷蒸留水と共に粉砕しそして冷室内で一夜透析し
てSDSを除去した。ろ過後、脱アミド活性を測定し
た。18kDa周囲の少量のバンドも脱アミド化活性を示し
たが、脱アミド化活性の殆どは36kDa周囲のバンド中に
見い出された。
ンドの位置を決定した。染色しなかった他のゲルは、染
色した標準ゲルを使用して垂直に切断してタンパク質を
集めた。次に、切断したゲル(対応するタンパク質バン
ド)を冷蒸留水と共に粉砕しそして冷室内で一夜透析し
てSDSを除去した。ろ過後、脱アミド活性を測定し
た。18kDa周囲の少量のバンドも脱アミド化活性を示し
たが、脱アミド化活性の殆どは36kDa周囲のバンド中に
見い出された。
【0031】アミノ酸の配列決定 アミノ酸配列分析は気相タンパク質シークエンサーモデ
ルPSQ2(島津製)中でEdman分解を用いて、高活性
のバンド(36kDa)をアミノ酸シークエンサーに適用し
た。その結果、N末端アミノ酸配列はAla-Ala-Phe-Met-
Gly-Gly-Glu-Gluであることが決定された。
ルPSQ2(島津製)中でEdman分解を用いて、高活性
のバンド(36kDa)をアミノ酸シークエンサーに適用し
た。その結果、N末端アミノ酸配列はAla-Ala-Phe-Met-
Gly-Gly-Glu-Gluであることが決定された。
【0032】発芽中の小麦種子から得られたタンパク質
デアミダーゼの精製工程は表2に要約する。
デアミダーゼの精製工程は表2に要約する。
【0033】
【表2】
【0034】得られた脱アミド化酵素は、トランスグル
タミナーゼが形成できるグルテン基質間の交差結合を示
さなかった。加えて、Ca2+及びSH試薬はその活性に顕
著な影響を全く有していない。それ故、この酵素は脱ア
ミド化酵素であってトランスグルタミナーゼではないこ
とが明らかとなった。
タミナーゼが形成できるグルテン基質間の交差結合を示
さなかった。加えて、Ca2+及びSH試薬はその活性に顕
著な影響を全く有していない。それ故、この酵素は脱ア
ミド化酵素であってトランスグルタミナーゼではないこ
とが明らかとなった。
【0035】
【発明の効果】本発明により新規な脱アミド化酵素及び
その測定法が提供される。脱アミド化酵素は蛋白質の機
能改変のために有用な酵素となる可能性がある。
その測定法が提供される。脱アミド化酵素は蛋白質の機
能改変のために有用な酵素となる可能性がある。
【図1】小麦種子の粗製抽出物を塩析して得た上清液の
DEAE-セルロースカラムクロマトグラフィーの溶出
パターンを示す図である。
DEAE-セルロースカラムクロマトグラフィーの溶出
パターンを示す図である。
【図2】活性フラクションのセファデックスG-50カラ
ムでのゲルろ過パターンを示す図である。
ムでのゲルろ過パターンを示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】蛋白質の脱アミド化反応を触媒し、分子量
が約36kDa又は約18kDaであり、SDSの存在下で安定で
あり、Caイオン及びSH試薬により実質的に影響を受け
ない新規な脱アミド化酵素。 - 【請求項2】N末端アミノ酸配列がAla-Ala-Phe-Met-Gl
y-Gly-Glu-Gluで表される、請求項1記載の新規な脱ア
ミド化酵素。 - 【請求項3】小麦種子より得られる請求項1又は2記載
の新規な脱アミド化酵素。 - 【請求項4】グルテンを基質として、脱アミド化酵素を
作用させ、次いでα−ケトグルタレート、NAD(P)H及び
グルタメートデヒドロゲナーゼを作用せしめることを特
徴とする脱アミド化酵素の測定法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24949797A JPH1175835A (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 脱アミド化酵素及び当該酵素の測定法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24949797A JPH1175835A (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 脱アミド化酵素及び当該酵素の測定法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1175835A true JPH1175835A (ja) | 1999-03-23 |
Family
ID=17193856
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24949797A Pending JPH1175835A (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 脱アミド化酵素及び当該酵素の測定法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1175835A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0976829A3 (en) * | 1998-06-04 | 2000-02-16 | Amano Pharmaceutical Co., Ltd. | Protein-deamidating enzyme, gene encoding the same, production process therefor, and use thereof |
EP1106696A1 (en) * | 1999-12-03 | 2001-06-13 | Amano Enzyme Inc. | Protein-deamidating enzyme, microorganism producing the same, gene encoding the same, production process therefor, and use thereof |
US6756221B1 (en) | 1999-06-03 | 2004-06-29 | Amano Enzyme Inc. | Protein-deamidating enzyme, microorganism producing the same, gene encoding the same, production process therefor, and use thereof |
-
1997
- 1997-08-29 JP JP24949797A patent/JPH1175835A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US6251651B1 (en) | 1998-06-04 | 2001-06-26 | Amano Pharmaceutical Co., Ltd. | Protein-deamidating enzyme, gene encoding the same, production process therefor, and use thereof |
US7279298B2 (en) | 1998-06-04 | 2007-10-09 | Amano Pharmaceutical Co., Ltd. | Protein-deamidating enzyme, gene encoding the same, production process therefor, and use thereof |
US7462477B2 (en) | 1998-06-04 | 2008-12-09 | Amano Enzyme Inc. | Protein-deamidating enzyme, microorganism producing the same, gene encoding the same, production process therefor, and use thereof |
US7569378B2 (en) | 1998-06-04 | 2009-08-04 | Amano Enzyme Inc. | Protein-deamidating enzyme, microorganism producing the same, gene encoding the same, production process therefor, and use thereof |
US7786281B2 (en) * | 1998-06-04 | 2010-08-31 | Amano Enzyme Inc. | Protein-deamidating enzyme, microorganism producing the same, gene encoding the same, production process therefor, and use thereof |
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