JPH1174220A - 堆積膜形成法 - Google Patents

堆積膜形成法

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JPH1174220A
JPH1174220A JP18198298A JP18198298A JPH1174220A JP H1174220 A JPH1174220 A JP H1174220A JP 18198298 A JP18198298 A JP 18198298A JP 18198298 A JP18198298 A JP 18198298A JP H1174220 A JPH1174220 A JP H1174220A
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film
gas
temperature
substrate
forming
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JP18198298A
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Nobuo Mikoshiba
宣夫 御子柴
Kazuo Tsubouchi
和夫 坪内
Kazuya Eki
一哉 益
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電体として良質なアルミニウム膜を制御性
良く形成する。 【解決手段】 堆積膜形成法は、(a)金属、合金、シ
リサイドのいずれかからなる表面を備えた基体を堆積膜
形成用の空間に配する工程、(b)ジメチルアルミニウ
ムハイドライドまたはモノメチルアルミニウムハイドラ
イドのガスと水素ガスとを堆積膜形成用の空間に導入す
る工程、および(c)ジメチルアルミニウムハイドライ
ドまたはモノメチルアルミニウムハイドライドの分解温
度以上でかつ450℃以下の範囲に表面の温度を維持
し、この表面にアルミニウム膜を形成する工程を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、堆積膜形成法に関
し、特に半導体集積回路装置等の配線に好ましく適用で
きる Al堆積膜の形成法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体を用いた電子デバイスや集
積回路において、電極や配線には主にアルミニウム(A
l) が用いられてきた。 Alは安価で電気伝導度が高
く、また表面に緻密な酸化膜が形成されるので、内部が
化学的に保護されて安定化する,Si等との密着性が良い
など、多くの利点を持っている。
【0003】上記 Alもしくは Al合金の電極や配線の
Al膜の形成方法としては、従来マグネトロンスパッタ
などのスパッタ法が使われてきた。ところが一般にスパ
ッタ法はターゲットからスパッタされた粒子の真空中で
の飛来を基礎とする物理的堆積法であるので、断差部や
絶縁膜側壁での膜厚が極端に薄くなり、ひどい場合には
断線してしまう。膜厚の不均一や断線はLSI の信頼性を
著しく低下させてしまうという欠点がある。
【0004】上記のような問題点を解決するため様々な
タイプのCVD(Chemical Vapor Deposition)法が提案され
ている。これらの方法では成膜過程で何らかの形で原料
ガスの化学反応を利用する。プラズマCVD や光CVD では
原料ガスの分解が気相中で起き、そこでできた活性種が
基板上でさらに反応して膜形成が起きる。
【0005】これらのCVD 法では気相中での反応がある
ので、基板表面の凹凸に対する表面被覆性はよいが、原
料ガス分子中に含まれる炭素原子が膜中に取り込まれ
る。また特にプラズマCVD ではスパッタ法の場合のよう
に荷電粒子による損傷(いわゆるプラズマダメージ)が
あるなどの問題点があった。
【0006】熱CVD 法は主に基体表面での表面反応によ
り膜が成長するために表面の段差部などの凹凸に対する
表面被覆性が良い。このため段差部での断線などを避け
ることができる。また、プラズマCVD やスパッタ法のよ
うな荷電粒子損傷もない。このため Al膜の形成法とし
て熱CVD 法が種々研究されている。一般的な熱CVD によ
る Al膜の形成方法としては有機アルミニウムをキャリ
アガスに分散して加熱基板上へ輸送し、基板上でガス分
子を熱分解して膜形成するという方法が使われる。例え
ばJournal of Electrochemical Society第131 巻第2175
頁(1984年)に見られる例では有機アルミニウムガスと
してトリイソブチルアルミニウム{(i-C4H9)3 Al}(TIB
A) を用い、成膜温度 260℃,反応管圧力0.5Torr で成
膜し、3.4μΩ・cm の膜を形成している。
【0007】TIBAを用いる場合は、成膜前に TiCl4
流し、基板表面を活性化し、核を形成するなどの前処理
をしないと連続な膜が得られない。また、 TiCl4 を用
いた場合も含め、一般にTIBAを用いた場合には表面平坦
性が悪いという欠点がある。特開昭63-33569号には TiC
4 を用いず、その代りに有機アルミニウムを基板近傍
において加熱することにより膜形成する方法が記載され
ている。この場合には基板表面の自然酸化膜を除去する
工程が必要であると明記されている。TIBAは単独で使用
することが可能なのでTIBA以外のキャリアガスを使う必
要はないがArガスをキャリアガスとして用いてもよいと
記載されている。しかしTIBAと他のガス(例えばH2) と
の反応は全く想定しておらず、水素をキャリアガスとし
て使うという記載もない。またTIBA以外にトリメチルア
ルミニウム(TMA) をあげているが、それ以外のガスの具
体的記載はない。これは一般に有機金属の化学的性質は
金属元素に付いている有機置換基が少し変化すると大き
く変るので、どのような有機金属を使用すべきかは個々
に検討する必要があるからである。
【0008】Electrochemical Society 日本支部第2回
シンポジウム(1989年 7月 7日) 予稿集第75ページには
ダブルウォールCVD 法による Alの成膜に関する記載が
ある。この方法ではTIBAを使用しガス温度を基板温度よ
りも高くなるように装置を設計する。この方法ではガス
温度と基体表面温度との差を制御するのが困難であるだ
けでなく、ボンベと配管を加熱しなければならないとい
う欠点がある。しかもこの方法では膜をある程度厚くし
ないと均一な連続膜にならない,膜の平坦性が悪い,選
択性が長時間維持できないなどの問題点がある。
【0009】このように、従来の Al膜形成法はいずれ
も十分に平坦ではないし、抵抗が低く、高純度の良質な
Al膜を制御性良く成膜するには全く不完全で問題が多
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、近年よ
り高集積化が望まれている半導体の技術分野において、
高集積化され、かつ高性能化された半導体装置を廉価に
提供するためには、改善すべき余地が多く存在してい
た。
【0011】本発明は、上述した技術的課題に鑑みてな
されたものであり、導電体として良質な Al膜を制御性
良く形成し得る堆積膜形成法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明による堆積膜形成法は、(a)金属、合
金、シリサイドのいずれかからなる表面を備えた基体を
堆積膜形成用の空間に配する工程、(b)ジメチルアル
ミニウムハイドライドまたはモノメチルアルミニウムハ
イドライドのガスと水素ガスとを前記堆積膜形成用の空
間に導入する工程、および(c)前記ジメチルアルミニ
ウムハイドライドまたはモノメチルアルミニウムハイド
ライドの分解温度以上でかつ450℃以下の範囲に前記
表面の温度を維持し、該表面にアルミニウム膜を形成す
る工程を有することを特徴とする。
【0013】ここで、好ましくは、前記表面はタングス
テン、モリブデン、タンタル、チタン、アルミニウム、
チタンアルミニウム、チタンナイトライド、銅、アルミ
ニウムパラジウムから選択される材料または該材料のシ
リサイドからなる。
【0014】さらに好ましくは、前記表面の温度を16
0〜450℃に維持し、最も好ましくは、前記表面の温
度を200〜400℃に維持する。
【0015】ここで、前記基体を配する工程の前に、前
記堆積膜形成用の空間を少なくとも1×10-8Torr
に排気することができ、前記アルミニウム膜の形成時の
圧力を0.1Torr〜0.8Torrとすることがで
き、前記堆積膜形成用の空間はゲートバルブを介して搬
送室に接続されていることができ、前記搬送室を少なく
とも1×10-6Torrに排気することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】まず、有機金属を用いた堆積膜形
成方法について概説する。
【0017】有機金属の分解反応、ひいては薄膜堆積反
応は、金属原子の種類,金属原子に結合しているアルキ
ルの種類,分解反応を生ぜしめる手段,雰囲気ガス等の
条件により大きく変化する。
【0018】例えば、M-R3(M:III族金属,R:アルキ
ル基)の場合において、トリメチルガリウム
【0019】
【化1】
【0020】は、熱分解ではGa-CH3結合の切断されるラ
ジカル解裂であるが、トリエチルガリウム
【0021】
【化2】
【0022】は、熱分解ではβ離脱により
【0023】
【化3】
【0024】とC2H4とに分解する。また、同じエチル基
のついたトリエチルアルミニウム
【0025】
【化4】
【0026】は、熱分解では Al−C2H5結合の切断され
るラジカル分解である。しかしiC4H9の結合したイソト
リブチルアルミニウム
【0027】
【化5】
【0028】はβ離脱する。
【0029】CH3 基と Alとからなるトリメチルアルミ
ニウム(TMA) は、室温で二量体構造
【0030】
【化6】
【0031】を有しており、熱分解は Al−CH3 基の切
断されるラジカル分解であり、 150℃以下の低温では雰
囲気H2と反応してCH4 を生じ、最終的に Alを生成す
る。しかし略々 300℃以上の高温では、雰囲気にH2が存
在してもCH3 基がTMA 分子からHを引抜き、最終的に A
l-C化合物が生ずる。
【0032】また、TMA の場合、光もしくはH2雰囲気高
周波(略々13.56MHz) プラズマにおいて電力のある制限
された領域においては、2つの Al間の橋掛CH3 のカッ
プリングによりC2H6が生ずる。
【0033】要は、最も単純なアルキル基であるCH3
基,C2H5基またはiC4H9 基と AlまたはGaから成る有機
金属ですら、反応形態はアルキル基の種類や金属原子の
種類,励起分解手段により異なるので、有機金属から金
属原子を所望の基体上に堆積させるためには、分解反応
を非常に厳密に制御しなければならない。例えば、トリ
イソブチルアルミニウム
【0034】
【化7】
【0035】から Alを堆積させる場合、従来の熱反応
を主とする減圧CVD 法では、表面にμm オーダの凹凸が
生じ、表面モルフォロジーが劣っている。また、熱処理
によるヒロック発生、 AlとSiとの界面でのSi拡散によ
るSi表面荒れが生じ、かつマイグレーション耐性も劣っ
ており、超LSI プロセスに用いることが難しい。
【0036】そのため、ガス温度と基板温度とを精密に
制御する方法が試みられている。しかし装置が複雑であ
り、1回の堆積プロセスで1枚のウェハにしか堆積を行
うことのできない枚葉処理型である。しかも堆積速度が
高々 500Å/分であるので、量産化に必要なスループッ
トを実現することができない。
【0037】同様にTMA を用いた場合は、プラズマや光
を用いることによる Al堆積が試みられているが、やは
りプラズマや光を用いるため装置が複雑となり、かつ枚
葉型装置であるため、スループットを十分向上させるに
はまだ改善すべき余地がある。
【0038】本発明におけるジメチルアルミニウムハイ
ドライドDMAHは、アルキル金属として公知の物質である
が、どのような反応形態によりどのような Al薄膜が堆
積するかは、あらゆる条件下で堆積膜を形成してみなく
ては予想だにできないものであった。例えばDMAHを光CV
D により Alを堆積させる例では、表面モルフォロジー
に劣り、抵抗値も数μΩ〜10μΩ・cm とバルク値(2.7μ
Ω・cm)より大きく、膜厚に劣るものであった。
【0039】以下、図面を参照しながら本発明の好適な
実施態様について説明する。
【0040】本発明においては、導電性堆積膜として良
質の Al膜を基体上に選択的に堆積させるためにCVD 法
を用いるものである。
【0041】すなわち、堆積膜の構成要素となる原子を
少なくとも1つ含む原料ガスとして有機金属であるジメ
チルアルミニウムハイドライド(DMAH)
【0042】
【化8】
【0043】またはモノメチルアルミニウムハイドライ
ド(MMAH
【0044】
【化9】
【0045】と、反応ガスとしてH2を使用し、これらの
混合ガスによる気相成長により基体上に Al膜を形成す
る。
【0046】本発明の適用可能な基体は、電子供与性を
有する材料を用いる。
【0047】この電子供与性について以下詳細に説明す
る。
【0048】電子供与性材料とは、基体中に自由電子が
存在しているか、もしくは自由電子を意図的に生成せし
めたかしたもので、例えば基体表面上に付着した原料ガ
ス分子との電子授受により化学反応が促進される表面を
有する材料をいう。例えば、一般に金属や半導体がこれ
に相当する。金属もしくは半導体表面に薄い酸化膜が存
在しているものも含まれる。それは基体と付着原料分子
間で電子授受により化学反応が生ずるからである。
【0049】具体的には、タングステン,モリブデン,
タンタル,アルミニウム,アルミニウムシリコン,チタ
ンアルミニウム,チタンナイトライド,銅,アルミニウ
ムパラジウム,チタン等の金属,合金およびそれらのシ
リサイド、例えば、タングステンシリサイド,チタンシ
リサイド,アルミニウムシリサイド,アルミニウム銅シ
リサイド,モリブデンシリサイド,タンタルシリサイド
等を含む。
【0050】このような構成の基体に対して、 Alは原
料ガスとH2との反応系において単純な熱反応のみで堆積
する。例えばDMAHとH2との反応系における熱反応は基本
的に
【0051】
【化10】
【0052】と考えられる。DMAHは室温で二量体構造を
とっている。MMAH2 によっても下記実施例に示すよう
に、熱反応により高品質 Alが堆積可能であった。
【0053】MMAH2 は蒸気圧が室温で0.01〜0.1Torr と
低いために多量の原料輸送が難しく、堆積速度は数百Å
/分が本発明における上限値であり、好ましくは室温で
蒸気圧が1Torr であるDMAHを使用することが最も望まし
い。
【0054】図1は本発明を適用可能な堆積膜形成装置
を示す模式図である。
【0055】ここで、1は Al膜を形成するための基体
である。基体1は、周囲に対して実質的に閉じられた堆
積膜形成用の空間を形成するための反応管2の内部に設
けられた基体ホルダ3上に載置される。反応管2を構成
する材料としては石英が好ましいが、金属製であっても
よい。この場合には反応管を冷却することが望ましい。
また、基体ホルダ3は金属製であり、載置される基体を
加熱できるようにヒータ4が設けられている。そしてヒ
ータ4の発熱温度を制御して基体温度を制御することが
できるよう構成されている。
【0056】ガスの供給系は以下のように構成されてい
る。
【0057】5はガスの混合器であり、原料ガスと反応
ガスとを混合させて反応管2内に供給する。6は原料ガ
スとして有機金属を気化させるために設けられた原料ガ
ス気化器である。
【0058】本発明において用いる有機金属は室温で液
体状であるので、気化器6内でキャリアガスを有機金属
の液体中を通して飽和蒸気となし、混合器5へ導入す
る。
【0059】排気系は以下のように構成される。
【0060】7はゲートバルブであり、堆積膜形成前に
反応管2内部を排気する時など大容量の排気を行う際に
開かれる。8はスローリークバルブであり、堆積膜形成
時の反応管2内部の圧力を調整する時など小容量の排気
を行う際に用いられる。9は排気ユニットであり、ター
ボ分子ポンプ等の排気用のポンプ等で構成される。
【0061】基体1の搬送系は以下のように構成され
る。
【0062】10は堆積膜形成前および堆積膜形成後の基
体を収容可能な基体搬送室であり、バルブ11を開いて排
気される。12は搬送室を排気する排気ユニットであり、
ターボ分子ポンプ等の排気用ポンプで構成される。
【0063】バルブ13は基体1を反応室と搬送空間で移
送する時のみ開かれる。
【0064】図1に示すように、原料ガスを生成するた
めのガス生成室6においては、室温に保持されている液
体状のDMAHに対しキャリアガスとしてのH2もしくはAr
(もしくは他の不活性ガス)でバブリングを行い、気体
状DMAHを生成し、これを混合器5に輸送する。反応ガス
としてのH2は別経路から混合器5に輸送される。ガスは
それぞれその分圧が所望の値となるように流量が調整さ
れている。
【0065】原料ガスとしては、MMAH2 でもよいが、蒸
気圧が室温で1Torr となるのに十分なDMAHが最も好まし
い。また、DMAHとMMAH2 を混合させて用いてもよい。
【0066】このような原料ガスおよび反応ガスを用
い、基体温度 160℃〜 450℃で形成された堆積膜の抵抗
率は、膜厚 400Åでは室温で2.7 〜3.0 μΩ・cm と Al
バルクの抵抗率とほぼ等しく、連続かつ平坦な膜とな
る。このとき成膜時圧力は10-3Torr〜760Torr の範囲で
選ぶことができる。また、膜厚1μm であっても、その
抵抗率はやはり室温で略々2.7 〜3.0 μΩ・cm となり、
厚膜でも十分に緻密な膜が形成される。可視光波長領域
における反射率も略々80%であり、表面平坦性にすぐれ
た薄膜を堆積させることができる。
【0067】基体温度としては、 Alを含む原料ガスの
分解温度以上、かつ 450℃以下が望ましいことは前述し
た通りであるが、具体的には基体温度 200〜 450℃が望
ましく、この条件で堆積を行った場合、DMAH分圧が10-4
〜10-3Torrのとき堆積速度は100Å/分〜 800Å/分と
非常に大きく、超LSI 用 Al堆積技術として十分大きい
堆積速度が得られる。
【0068】さらに好ましくは基体温度 270℃〜 350℃
であり、この条件で堆積した Al膜は配向性も強く、か
つ 450℃,1hour の熱処理を行ってもSi単結晶もしくは
Si多結晶基体上の Al膜にはヒロック,スパイクの発生
もない良質の Al膜となる。また、このような Al膜は
エレクトロマイグレーション耐性に優れている。
【0069】図1に示した装置では、1回の堆積におい
て1枚の基体にしか Alを堆積することができない。略
々 800Å/分の堆積速度は得られるが、多数枚の堆積を
短時間で行うためには不十分である。
【0070】この点を改善する堆積膜形成装置として
は、多数枚のウェハを同時に装填してAlを堆積するこ
とのできる減圧CVD 装置がある。本発明による Al堆積
は加熱された電子供与性基体表面での表面反応を用いて
いるため、基体のみが加熱されるホットウォール型減圧
CVD 法であればDMAHとH2とを用いることにより、 Alを
堆積させることができる。
【0071】反応管圧力は0.05〜760Torr,望ましくは0.
1 〜0.8Torr 、基体温度は 160℃〜450℃,望ましくは
200℃〜 400℃、DMAH分圧は反応管内圧力の1×10-5
〜1.3 ×10-3倍であり、 Alが電子供与性基体上に堆積
する。
【0072】図2はかかる本発明を適用可能な堆積膜形
成装置を示す模式図である。
【0073】57は Al膜を形成するための基体である。
50は周囲に対して実質的に閉じられた堆積膜形成用の空
間を形成する石英製の外側反応管、51は外側反応管50内
のガスの流れを分離するために設置される石英製の内側
反応管、54は外側反応管50の開口部を開閉するための金
属製のフランジであり、基体57は内側反応管51内部に設
けられた基体保持具56内に設置される。なお、基体保持
具56は石英製とするのが望ましい。
【0074】また、本装置はヒータ部59により基体温度
を制御することができる。反応管50内部の圧力は、ガス
排気口53を介して結合された排気系によって制御できる
ように構成されている。
【0075】また、原料ガスは図1に示す装置と同様
に、第1のガス系,第2のガス系および混合器を有し
(いずれも図示せず)、原料ガスは原料ガス導入口52よ
り反応管50内部に導入される。原料ガスは、図2中矢印
58で示すように、内側反応管51内部を通過する際、基体
57の表面において反応し、 Alを基体表面に堆積する。
反応後のガスは、内側反応管51と外側反応管50とによっ
て形成される間隙部を通り、ガス排気口53から排気され
る。
【0076】基体の出し入れに際しては、金属製フラン
ジ54をエレベータ(図示せず)により基体保持具56,基
体57とともに降下させ、所定の位置へ移動させて基体の
着脱を行う。
【0077】かかる装置を用い、前述した条件で堆積膜
を形成することにより、装置内の総てのウェハにおいて
良質な Al膜を同時に形成することができる。
【0078】上述したように本発明にもとづく Al成膜
方法によって得られた膜は緻密であり炭素等の不純物含
有量がきわめて少なく抵抗率もバルク並であり且つ表面
平滑度の高い特性を有するため以下に述べる顕著な効果
が得られる。
【0079】 ヒロックの減少 ヒロックは成膜時の内部応力が熱処理工程で解放される
際に Alが部分的なマイグレーションをおこし、 Al表
面に凸部を生じるものである。また通電による極部的な
マイグレーションによっても同様の現象が生ずる。本発
明によって形成された Al膜は内部応力がほとんどなく
且つ単結晶に近い状態である。そのため450 ℃1Hr の熱
処理で従来の Al膜において104 〜106 個/cm2 のヒロ
ックが生ずるのに対して本発明によるとヒロック数は0
〜10個/cm2と大幅に達成できた。このように Al表面凸
部がほとんどないためレジスト膜厚および層間絶縁膜を
薄膜化することができ微細化,平坦化に有利である。
【0080】 耐エレクトロマイグレーション性の向
上 エレクトロマイグレーションは高密度の電流が流れるこ
とにより配線原子が移動する現象である。この現象によ
り粒界に沿ってボイドが発生・成長しそのための断面積
減少に伴ない配線が発熱・断線してしまう。
【0081】耐マイグレーション性は平均配線寿命で評
価することが一般的である。
【0082】上記従来法による配線は250 ℃, 1×106
A/cm2 の通電試験条件下で、(配線断面積1μm2の場
合)1×102 〜103 時間の平均配線寿命が得られてい
る。これに対して本発明に基づく Al成膜法により得ら
れた Al膜は、上記試験により、断面積1μm2の配線で
103 〜104 時間の平均配線寿命が得られた。
【0083】よって本発明によると、たとえば配線幅0.
8 μm のとき0.3 μm の配線層厚さで充分実用に耐え得
る。つまり配線層厚さを薄くすることができるので配線
を設置した後の半導体表面の凹凸を最小減に抑えること
ができ、且つ通常の電流を流す上で高信頼性が得られ
た。また、非常に単純なプロセスで可能である。
【0084】 表面平滑性の向上(配線のパターニン
グ性向上) 従来、金属薄膜の表面の粗さは配線のパターニング工程
においてマスクと基体用のアライメント工程およびエッ
チング工程において不都合を及ばしていた。
【0085】つまり従来の Al-CVD膜の表面には数μm
に及ぶ凹凸があり表面モルフォロジーが悪く、そのため 1)アライメント信号が表面で乱反射を生じ、そのため雑
音レベルが高くなり本来のアライメント信号を識別でき
ない。
【0086】2)大きな表面凹凸をカバーするため、レジ
スト膜厚を大きくとらねばならず微細化に反する。
【0087】3)表面モルフォロジーが悪いとレジスト内
部反射によるハレーションが極部的に生じ、レジスト残
りが生ずる。
【0088】4)表面モルフォロジーが悪いとその凹凸に
準じて配線エッチング工程で側壁がギザギザになってし
まう等の欠点をもっていた。
【0089】本発明によると形成された Al膜の表面モ
ルフォロジーが画期的に改善され、上述の欠点は全て改
善される。
【0090】 コンタクトホール,スルーホール内の
抵抗およびコンタクト抵抗の向上。
【0091】コンタクトホールの大きさが1μm ×1μ
m 以下と微細になると、配線工程の熱処理中に配線中の
Siがコンタクトホールの基体上に析出してこれを覆い、
配線と素子との間の抵抗が著しく大きくなる。
【0092】本発明によると表面反応によって緻密な膜
が形成されるので Alは2.7 〜3.3μΩcmの抵抗率を有
することが確認された。また、コンタクト抵抗は0.6 μ
m ×0.6 μm の面積においてSi部が1020cm-3の不純物を
有する場合1×10-6Ω・cm2が達成できる。
【0093】つまり本発明によると基体と良好なコンタ
クトが得られる。
【0094】つまり、パターニング工程において露光機
の解像性能限界の線幅においてアライメント精度3σ=
0.15μm が達成できハレーションを起こさず、なめらか
な側面を有する配線が可能となる。
【0095】 配線工程中の熱処理の低温化あるいは
廃止が可能である。
【0096】以上詳細に説明したように本発明を半導体
集積回路の配線形成方法に適用することにより、従来の
Al配線に比べて格段に、歩止まりを向上させ、低コス
ト化を促進することが可能となる。
【0097】
【実施例】
(実施例1)まず Al成膜の手順は次の通りである。図
1に示した装置を用い、排気設備9により、反応管2内
を略々1×10-8Torrに排気する。ただし反応管2内の真
空度は1×10-8Torrより悪くても Alは成膜する。
【0098】前述した電子供与性の表面を有するSiウェ
ハを洗浄後、搬送室10を大気圧に解放しSiウェハを搬送
室に装填する。搬送室を略々1×10-6Torrに排気し、そ
の後ゲートバルブ13を開けウェハをウェハホルダ3に装
着する。
【0099】ウェハをウェハホルダ3に装着した後、ゲ
ートバルブ13を閉じ、反応室2の真空度が略々1×10-8
Torrになるまで排気する。
【0100】本実施例では第1のガスラインからDMAHを
供給する。DMAHラインのキャリアガスはH2を用いた。第
2のガスラインはH2用とする。
【0101】第2ガスラインからH2を流し、スローリー
クバルブ8の開度を調整して反応管2内の圧力を所定の
値にする。本実施例における典型的圧力は略々1.5Torr
とする。その後ヒータ4に通電しウェハを加熱する。ウ
ェハ温度が所定の温度に到達した後、DMAHラインよりDM
AHを反応管内へ導入する。全圧は略々1.5 Torrであり、
DMAH分圧を略々1.5 ×10-4Torrとする。DMAHを反応管2
に導入すると Alが堆積する。所定の堆積時間が経過し
た後、DMAHの供給を停止する。次にヒータ4の加熱を停
止し、ウェハを冷却する。H2ガスの供給を止め反応管内
を排気した後、ウェハを搬送室に移送し、搬送室のみを
大気圧にした後ウェハを取り出す。以上が Al成膜手順
の概略である。
【0102】次に本実施例における試料作製を説明す
る。
【0103】Si基体(N型1〜2Ωcm) の試料を130 枚用
意し、基体温度を13とおり設定し、各基体温度でそれぞ
れ10枚の試料に対して前述した手順に従って 全圧 1.5 Torr DMAH分圧 1.5 ×10-4Torr なる条件で Al膜を堆積した。
【0104】基体温度を13水準に変化して堆積した Al
膜を各種の評価方法を用いて評価した。その結果を表1
に示す。
【0105】
【表1】
【0106】つまり160 ℃〜450 ℃、特に 200℃〜 400
℃の温度範囲において、きわめて良質な Al膜が得られ
た。
【0107】(実施例2)まず Al成膜の手順は次の通
りである。排気設備9により、反応管2内を略々1×10
-8Torrに排気する。反応管2内の真空度が1×10-8Torr
より悪くても Alは成膜する。
【0108】前述した電子供与性の表面を有するSiウェ
ハを洗浄後、搬送室10を大気圧に解放してSiウェハを搬
送室に装填する。搬送室を略々1×10-6Torrに排気して
その後ゲートバルブ13を開けウェハをウェハホルダ3に
装着する。
【0109】ウェハをウェハホルダ3に装着した後、ゲ
ートバルブ13を閉じ反応室2の真空度が略々1×10-8To
rrになるまで排気する。
【0110】本実施例では第1のガスラインをDMAH用と
する。DMAHラインのキャリアガスはArを用いた。第2ガ
スラインはH2用である。
【0111】第2ガスラインからH2を流し、スローリー
クバルブ8の開度を調整して反応管2内の圧力を所望の
値にする。本実施例における典型的圧力は略々1.5Torr
とする。その後ヒータ4に通電しウェハを加熱する。ウ
ェハ温度が所望の温度に到達した後、DMAHラインよりDM
AHを反応管内へ導入する。全圧は略々1.5Torr であり、
DMAH分圧を略々1.5 ×10-4Torrとする。DMAHを反応管2
に導入すると Alが堆積する。所望の堆積時間が経過し
た後DMAHの供給を停止する。次にヒータ4の加熱を停止
し、ウェハを冷却する。H2ガスの供給を止め反応管内を
排気した後ウェハを搬送室に移送し搬送室のみを大気圧
にした後ウェハを取り出す。以上が Al成膜の概略であ
る。
【0112】このようにして形成された堆積膜は抵抗
率,炭素含有率,平均配線寿命,堆積速度,ヒロック密
度,スパイクの発生および反射率に関しては実施例1と
同様の結果を得た。
【0113】(実施例3)原料ガスにMMAH2 を用いて、 全圧力 1.5 Torr MMAH2 分圧 5×10-4Torr と設定し、実施例1と同様の手順で堆積を行なったとこ
ろ、基体温度160 ℃から400 ℃の温度範囲において、実
施例1と同様に炭素不純物を含まない平坦性,緻密性に
優れた Al薄膜が堆積した。
【0114】(実施例4)前述した電子供与性の表面を
有するシリコン基板を図2に示した減圧CVD 装置に入
れ、同一バッヂ内で Al膜を成膜した。成膜条件は反応
管圧力0.3Torr 、DMAH分圧3.0 ×10-5Torr、基体温度 3
00℃、成膜時間10分である。
【0115】このような条件で成膜した結果、7000Åの
Al膜が堆積した。 Al膜の膜質は実施例1で示した基
体温度 300℃のものと同一の性質を示し非常に良好であ
った。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低抵抗,緻密,かつ平坦な Al膜を基体上に堆積させる
ことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能な堆積膜形成装置の一例を示
す模式図である。
【図2】本発明を適用可能な堆積膜形成装置の他の例を
示す模式図である。
【符号の説明】
1 基体 2 反応管 3 基体ホルダ 4 ヒータ 5 混合器 6 気化器 7 ゲートバルブ 8 スローリークバルブ 9 排気ユニット 10 搬送室 11 バルブ 12 排気ユニット 50 石英製外側反応管 51 石英製内側反応管 52 原料ガス導入口 53 ガス排気口 54 金属製フランジ 56 基体保持具 57 基体 58 ガスの流れ 59 ヒータ部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)金属、合金、シリサイドのいずれ
    かからなる表面を備えた基体を堆積膜形成用の空間に配
    する工程、 (b)ジメチルアルミニウムハイドライドまたはモノメ
    チルアルミニウムハイドライドのガスと水素ガスとを前
    記堆積膜形成用の空間に導入する工程、および (c)前記ジメチルアルミニウムハイドライドまたはモ
    ノメチルアルミニウムハイドライドの分解温度以上でか
    つ450℃以下の範囲に前記表面の温度を維持し、該表
    面にアルミニウム膜を形成する工程を有することを特徴
    とする堆積膜形成法。
  2. 【請求項2】 前記表面はタングステン、モリブデン、
    タンタル、チタン、アルミニウム、チタンアルミニウ
    ム、チタンナイトライド、銅、アルミニウムパラジウム
    から選択される材料または該材料のシリサイドからなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の堆積膜形成法。
  3. 【請求項3】 前記表面の温度を160〜450℃に維
    持することを特徴とする請求項1に記載の堆積膜形成
    法。
  4. 【請求項4】 前記表面の温度を200〜400℃に維
    持することを特徴とする請求項1に記載の堆積膜形成
    法。
  5. 【請求項5】 前記基体を配する工程の前に、前記堆積
    膜形成用の空間を少なくとも1×10-8Torrに排気
    することを特徴とする請求項1に記載の堆積膜形成法。
  6. 【請求項6】 前記アルミニウム膜の形成時の圧力を
    0.1Torr〜0.8Torrとすることを特徴とす
    る請求項1に記載の堆積膜形成法。
  7. 【請求項7】 前記堆積膜形成用の空間はゲートバルブ
    を介して搬送室に接続されていることを特徴とする請求
    項1に記載の堆積膜形成法。
  8. 【請求項8】 前記搬送室を少なくとも1×10-6To
    rrに排気することを特徴とする請求項1に記載の堆積
    膜形成法。
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