JPH11723A - プリント基板打抜き用金型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント基板打抜き用金型において、金型部
品に使われる厚板状材料は全て金属材料であり、金型加
工の作業効率が悪く、金型全体の重量も重く、取り扱い
が困難となっていた。 【解決手段】 本発明においては、金型の軽量化，金型
製作の加工性の簡易化，作業効率の向上および金型価格
のコストダウンを目的として、金型部品の材料として、
プラスチック樹脂やモールド樹脂などの非金属材料を刃
型部品とならない厚板状の金型部品の材料として使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板打抜
き用金型に使用する金属材料にに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】プリント基板を打抜き加工する金型につ
いて、図３のプリント基板打抜き用金型の断面図に基づ
いて金型の構成を説明する。まず、プリント基板打抜き
用金型は上金型３０と下金型５０とに大別でき、下金型
５０をプレス加工機のボルスター部に取り付けて固定
し、プレス加工機のスライド機構部に取り付けた上金型
３０が上下運動をして、下金型５０にある穴抜きポンチ
５６の上面に設置したプリント基板の穴あけ加工をす
る。

【０００３】上金型３０としては、プリント基板と接す
るシェダー１、このシェダー１の外周部分を位置決め案
内する抜きダイ２、穴抜きするためのポンチ矢２１を位
置決め固定するポンチプレート３，ポンチ矢の上方向の
抜けを防止し打抜き圧力を加えるバッキングプレート
６，シェダー１の上下移動を伝達するノックピン１７と
ノックアウトプレート８を納め案内するスペーサー７，
上金型の全体を支えるパンチホルダー９，その他に上金
型固定ボルト１８，シェダー１を支える吊りボルト１
５，ポンチプレート３とバッキングプレート６を一体化
して固定する締め付けボルト１６，打抜き加工時に金型
の打抜き力をプレス加工機の油圧パットに伝達する油圧
ノックピン１９などから構成されている。

【０００４】下金型５０は、上金型３０と穴抜きをする
穴抜きポンチ５６、この穴抜きポンチ５６の外周部分と
嵌合状態を保ちながら上下運動をしプリント基板の外形
を打抜くストリッパープレート５７，前記穴抜きポンチ
５６とストリッパープレート５７を支える敷板５８，下
金型５０の全体を支えるダイホルダー５９から構成され
ている。

【０００５】前述したプリント基板打抜き用金型の主な
部品において、プリント基板の穴抜き、外形抜きに直接
関係する部分であるシェダー１，抜きダイ２，穴抜きポ
ンチ５６，ストリッパープレート５７は刃材と呼ばれ、
金属材料の内でも焼入れ処理を施し硬度を硬くする合金
工具鋼か高速度工具鋼、あるいはすでに熱処理が施され
ているプリハードン鋼が使用されている。また、刃型と
ならないポンチプレート３，バッキングプレート６，ス
ペーサ７，ノックアウトプレート８，パンチホルダー
９，下金型５０の敷板５８，ダイホルダー５９は、一般
的に金属材料の中でも切削加工性，耐振強度，柔軟性に
優れた炭素鋼，炭素工具鋼あるいは合金工具鋼が使用さ
れている。いずれにしても、プリント基板打抜き用金型
の全ての部品は、金属材料で構成されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来
のプリント基板打抜き用金型の主な部品に使われる材料
は全て金属材料が使用されており、金型製作の際使われ
る板状の金型素材は、材料の縦横寸法が大きく、重量が
重いため取り扱いが大変であり、また板厚の厚い金属材
料の製作加工は切断，切削，研磨，孔あけ，ねじり切り
などの加工技術が難しく加工性や作業効率も悪くなって
いる。また、完成した金型全体の重量も重く、保管時，
運搬時，段取り作業時などの危険性が大きく、安全靴の
着用や重量物の取り扱いに関する安全法規，安全基準の
遵守の義務付けがされている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前述のプリント基板打抜
き用金型の材料として要求されることを大別すると、刃
材として使用される材料は耐摩耗性，耐圧性および靱性
に富んでいることが条件となるため金属材料が最適とな
っている。しかし、この刃型部品とならない厚板状の金
型部品は、金属材料に限定しなくても、要求される耐圧
耐振強度，柔軟性，切削加工性，長期耐用性などの優れ
た特性の材料から選定すればよい。本発明においては、
金型の軽量化，金型製作の加工性の簡易化，作業効率の
向上および金型価格のコストダウンを目的として、非金
属材料であるプラスチック樹脂やモールド樹脂などの絶
縁性樹脂を主成分とする材料を選定し、刃型部品となら
ない厚板状の金型部品の材料に適用する。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図１に基づ
いて説明する。まず、プリント基板打抜き用金型におい
て、刃型部品とならない厚板状の金型部品として従来の
金属材料から、本発明の要点となる非金属材料に置き換
えられる部分は、ポンチプレート３，バッキングプレー
ト６，スペーサ７，ノックアウトプレート８，パンチホ
ルダー９，その他に下金型５０の構成部品である敷板５
８，ダイホルダー５９の全部または、いずれかの金型部
品である。非金属材料の内でも、厚板状材料として一般
的に安価で短納期で、かつ板厚が要求される種類で備え
られているプラスチック樹脂を主成分とした材料が最も
よく、要求される耐圧耐振強度，柔軟性，切削加工性，
長期耐用性に合格する材料である。但し、プラスチック
樹脂を主成分とした材料は金属材料に比べ軟らかく、温
度膨張率が大きいため切削加工条件、特に切削工具や刃
先角度はプラスチック樹脂加工に適切なようにする。プ
ラスチック樹脂としてもフェノール樹脂，エポキシ樹
脂，メラミン樹脂，テフロン樹脂，アクリル樹脂，塩化
ビニール樹脂の他にプリント基板の材料でもあるガラス
基材，紙基材で補強した樹脂材料が強度的に強く良好で
ある。

【０００９】また、特別な板厚の場合や取り付け穴、ノ
ックピン穴、抜かすの逃げ穴を切削加工せず、モールド
金型にモールド樹脂を充填させて前記の刃型部品となら
ない厚板状の金型部品を作ることもできる。

【００１０】なお、刃型部品とならない厚板状の金型部
品でも、プリント基板打抜き加工時の衝撃がポンチ矢２
１から伝達されるバッキングプレート６の下面，ノック
ピン１７の衝撃が伝達されるノックアウトプレート８の
下面，油圧ノックピン１９が当たるノックアウトプレー
ト８の上面は、繰り返し衝撃を受け摩耗が激しいため図
２に示すように板厚が１０〜２５mmの非金属材料Ｎの片
面あるいは両面に、板厚が２〜３mmの金属材料Ｍを接合
した複合金型材料１０として、金型部品の軽量化，金型
製作加工性の効率向上を図った。

【００１１】

【発明の効果】本発明の効果として次のことがあげられ
る。 １．プリント基板打抜き用金型の全体の重量が、従来の
全て金属材料でできている金型の６０％〜７５％の重量
に軽量化できる。 ２．非金属材料であるプラスチック樹脂やモールド樹脂
を金型材料として使用することにより、切削速度が速く
なり作業効率が２５％〜４０％向上する。 ３．全体の金型重量が３０kg未満となる比率が約２５％
増加し、運搬時，段取り作業時の取り扱いが改善され
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を説明するプリント基板打
抜き用金型の断面図。

【図２】本発明に使用される一実施例の金型部品の断面
図。

【図３】プリント基板打抜き用金型の構成を説明する断
面図。

【符号の説明】

１…シェダー ２…抜きダイ ３…ポンチプレート ６
…バッキングプレート ７…スペーサ ８…ノックアウトプレート ９…パンチ
ホルダー １０…複合金型材料 １５…吊りボルト １６…締め付
けボルト １７…ノックピン １８…上金型固定ボルト １９…油
圧ノックピン ２１…ポンチ矢 ３０…上金型 ５０…下金型 ５６…
穴抜きポンチ ５７…ストリッパープレート ５８…敷板 ５９…ダイ
ホルダー Ｍ…金属材料 Ｎ…非金属材料

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プリント基板を打抜き加工する金型にお
   いて、金型の軽量化、製作加工性の簡易化を目的とし、
   ポンチプレート（３），バッキングプレート（６），ス
   ペーサ（７），ノックアウトプレート（８），パンチホ
   ルダー（９），敷板（５８），ダイホルダー（５９）の
   いずれかの材料が非金属であることを特徴とするプリン
   ト基板打抜き用金型。
2. 【請求項２】 請求項１において、非金属の材料が、プ
   ラスチック樹脂やモールド樹脂を主成分とした絶縁性樹
   脂であることを特徴とするプリント基板打抜き用金型。
3. 【請求項３】 プリント基板を打抜き加工する金型にお
   いて、金型の軽量化，製作加工性の効率向上を目的と
   し、バッキングプレート（６），ノックアウトプレート
   （８）のいずれかが金属材料と非金属材料を接合した複
   合金型材料から成ることを特徴とするプリント基板打抜
   き用金型。