JPH1170468A - ウエハの研磨方法及び研磨パッドのドレッシング方法 - Google Patents

ウエハの研磨方法及び研磨パッドのドレッシング方法

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JPH1170468A
JPH1170468A JP16538498A JP16538498A JPH1170468A JP H1170468 A JPH1170468 A JP H1170468A JP 16538498 A JP16538498 A JP 16538498A JP 16538498 A JP16538498 A JP 16538498A JP H1170468 A JPH1170468 A JP H1170468A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエハの研磨方法において、研磨パッドの局
部的な研磨レートの劣化に起因するウエハ平坦度の均一
性の悪化を回避する。 【解決手段】 研磨パッドが貼り付けられたプラテン
(定盤)の回転速度をm(rpm)とし、ウエハを装着
したキャリアの回転速度をn(rpm)としたとき
(m,nは互いに素な自然数)、mnの最小公倍数をで
きるだけ大きくする。このとき、プラテンがm回転する
までは、ウエハ上の定点と接触する研磨パッド上の点の
描く軌跡が研磨開始当初の接触点に戻ることがなく、軌
跡が研磨パッド上に均一に分布する。したがって、ウエ
ハ上の各点が研磨パッド上の大半の領域と接し、ウエハ
上のある点が研磨パッド内の研磨レートの低い領域に高
い頻度で接する一方、ウエハ上の他の点は研磨レートの
低い領域とはあまり接しないことに起因するウエハの平
坦度の均一性の悪化を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケミカルメカニカ
ルポリッシング(CMP)によるウエハの研磨方法と、
このCMPに使用される研磨パッドのドレッシング方法
とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体集積回路が形成された
ウエハの表面をほぼ完全に平坦化するためのプロセスと
して、ウエハをプラテン(定盤)に取り付けられた研磨
パッド上で回転させながらコロイダルシリカを液中に分
散させたスラリー状の研磨液を両者間に供給し、ウエハ
の表面を研磨していくケミカルメカニカルポリッシング
いわゆるCMPが注目されている。
【0003】ウエハの層間絶縁膜等の上面を平坦化する
場合、有機溶剤に溶けたガラス溶液をウエハ上に回転塗
布するSOG法や、層間絶縁膜上にフォトレジスト膜を
堆積した後フォトレジスト膜と層間絶縁膜とを同時にエ
ッチングするエッチバック法に比べ、このCMP法は、
化学的研磨作用に機械的研磨作用が付加されているため
に、より完全にウエハを平坦化できる技術ではある。し
かし、ウエハ内の全ての部分で理想的な平坦度を得よう
とすると、まだ改善の余地があるのが現状である。そこ
で、ウエハ内における平坦度の均一性を高めるための多
くの提案がなされている。
【0004】たとえば、特開平8−339979号公報
に開示されるごとく、ウエハの裏面を流体で支持するこ
とによりウエハ内における平坦度の均一性を向上させる
ものがある。
【0005】また、特開平9−225812号公報に開
示されているごとく、CMPを行いながら研磨パッドの
平坦度を良好に保持する手段を講ずることにより、ウエ
ハの平坦度の均一性を向上させようとするものがある。
【0006】また、一般に、CMPにおける研磨レート
Rpoを算出するものとして、下記のPreston の式が知ら
れている。
【0007】Rpo=k*P*V ただし、k:Preston 係数 P:圧力 V:研磨パッドとウエハとの相対速度 従来、この式に基づいて、研磨レートの面内均一性を向
上させるためには、パッドとウエハの相対速度の時間積
分をウエハ上の任意の点で相等しくすることが指向され
ていた。すなわち、Preston の式によれば、研磨パッド
の回転速度とウエハの回転速度とが相等しい場合に、ウ
エハ上の任意の点において、ウエハとパッドとの相対速
度の時間積分が相等しくなり、面内レート均一性が最良
になると考えられていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、CMP
は、化学的研磨作用と機械的研磨作用とによるものであ
るために、実際のプロセスでは研磨状態の変化も複雑で
あり、研磨中に研磨パッドの状態を常に理想的な状態に
維持するのは困難である。そして、例えば、文献(VLSI
Multilevel Interconnection conference(1997)p.175-
179)に記載されているように、上述のPreston の式から
導かれる条件が必ずしも面内均一性を最良にするものと
は限らないことがしばしば見られた。最良の条件がこの
Preston の式に基づく条件からはずれる要因にはいくつ
か考えられるものの、上記文献においても、未だ面内均
一性を向上するための新たな指針は提案されていない。
【0009】たとえば、独立気泡型発砲ポリウレタン樹
脂からなる研磨パッドをプラテンに取り付けている場
合、発明者達の観察によると以下のメカニズムによって
研磨レートが変化する。
【0010】図10に示すように、独立気泡型発砲ポリ
ウレタン樹脂は、その表面で気泡が開口してなる径が5
0−100μm程度の多くの凹部を有しており、この凹
部内にスラリー状の研磨剤が蓄えられる。研磨中には、
凹部内のスラリー状の研磨剤が少しずつ研磨パッドとウ
エハ間に供給されて、研磨が行われる。しかし、研磨に
よってウエハや研磨パッドから除去された研磨屑が凹部
内に溜まったり、ウエハの荷重によって局所的に凹部が
閉塞されると、その部分では研磨が行われないことにな
る。これらの原因によって、研磨パッド内における研磨
レートが局部的に変化するとともに、全体としての研磨
レートの低下をもたらす。そこで、研磨パッドをある程
度の時間使用すると、ダイヤモンド砥粒を有するドレッ
シング砥石によって研磨パッドの表面を削ることが行わ
れており、これにより、研磨パッド全体が再び活性化さ
れ、表面には新たな凹部が生成される。しかし、ドレッ
シングと次のドレッシングとの間において目詰まりや平
坦性の悪化を完全に解消することは現在のところ困難で
ある。
【0011】ここで、本発明者達は、研磨パッド内にお
ける上述のような局部的な研磨レートのばらつきがウエ
ハの平坦度の均一性に悪影響を及ぼしているのではない
かということを示唆するものとして、以下のような注目
すべき事実に気がついた。
【0012】ダイヤモンド粒子などを含有するドレッシ
ングディスク(ドレッサー)によって研磨パッドをドレ
ッシングした後に、ダイヤモンド粒子がドレッサーから
脱落して研磨パッドに残留し、ウエハに肉眼で見えるよ
うな深い大きなスクラッチを生ぜしめることがある。こ
のスクラッチを観察すると、ダイヤモンド粒子の大きさ
に比べて深く大きいことがわかった。このような大きな
スクラッチが生じる原因は、研磨パッドの所定位置に食
い込んだダイヤモンド粒子が、研磨パッドとウエハとの
相対的回転運動に伴いウエハ上の特定の軌跡を何回も通
ることにより、当初のマイクロスクラッチが徐々に拡大
されたものと推測される。
【0013】すなわち、研磨パッドに上述のような研磨
レートの不均一性が存在する場合に、たとえば研磨パッ
ド上の局部的に研磨レートの小さい部分がウエハ上の同
じ領域を特に高い頻度で通過するならば、逆に考える
と、ウエハ上の定点が研磨パッド上の特定の領域のみを
高い頻度で通過するならば、研磨パッドの研磨レートの
ばらつきが次第にウエハ上で助長されてウエハの平坦度
の均一性を悪化させる原因となる。しかるに、従来のC
MPにおいては、研磨パッドの回転とウエハの回転との
関係はほとんど考慮されていない。
【0014】本発明は、このような知見に基づきなされ
たものであって、ウエハの研磨方法として、研磨パッド
の平坦性,ウエハ−研磨パッド間の平行度等の精度的な
問題とは別に、ウエハの各点に対する研磨パッドの接触
領域を研磨パッド上でできる限り均一に分布させること
により、研磨パッド内の研磨レートの不均一性の影響を
受けることなく、ウエハ内の平坦度の均一性を向上させ
る方法を確立することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、ウエハの研磨方法に関する手段と、研
磨パッドのドレッシングに関する手段とを講じている。
【0016】本発明のウエハの研磨方法は、定盤上に取
り付けられた研磨パッドを第1の回転速度で回転させ、
上記研磨パッドの表面上に研磨剤を供給し、ウエハを第
2の回転速度で回転させながら上記研磨パッドの表面に
押圧することにより上記ウエハを研磨するウエハの研磨
方法であって、上記第1の回転速度と上記第2の回転速
度との比は、上記ウエハ上の定点と接触する研磨パッド
上の点の描く軌跡が研磨パッド上で均一に分布するよう
に調整されている。
【0017】この方法により、研磨中にウエハ上の任意
の点ができる限り多くの研磨パッド上の点と接するの
で、研磨パッド内の局部的研磨レートのばらつきによる
悪影響を受けることがなく、研磨終了後におけるウエハ
の被研磨面の平坦度の均一性が向上する。
【0018】上記ウエハの研磨方法において、上記第1
の回転速度と上記第2の回転速度との比を、上記ウエハ
上の定点と接触する研磨パッド上の点が研磨中に実質的
に一定となる軌跡を描かないように調整することができ
る。
【0019】この方法により、研磨中にウエハ上のどの
点も研磨パッド上の多くの領域と接することになる。し
たがって、研磨パッド内の局部的研磨レートのばらつき
による悪影響を受けることがなく、研磨終了後における
ウエハの被研磨面の平坦度の均一性が向上する。
【0020】上記ウエハの研磨方法において、上記第1
の回転速度と上記第2の回転速度との比を、両者の比を
互いに素である自然数m,nの比で表したときに、上記
自然数m,nの最小公倍数が10以上であるように調整
することができる。
【0021】この方法により、定盤がm回転したときに
ウエハがmn/m回転つまりn回転して、ウエハ上の定
点が接触する研磨パッド上の点が最初の位置に戻り、そ
の後、一定軌跡上を移動する。しかし、m,nの最小公
倍数が大きいときにはこの一定軌跡の全長が長くなるの
で、その分、上記一定軌跡が研磨パッド上の多くの領域
を通ることになる。したがって、ウエハ上の任意の点が
他の点に比べて研磨パッド上の局部的に研磨レートの低
い領域に高い頻度で接するような事態は可及的に回避さ
れ、研磨後におけるウエハの被研磨面の平坦度の均一性
が向上する。
【0022】上記ウエハの研磨方法において、上記第1
の回転速度と上記第2の回転速度との比がほぼ無理数で
あるように調整することができる。
【0023】この方法により、定盤の回転速度とウエハ
の回転速度との比を近似的に整数の比で表したとして
も、両者の最小公倍数は極めて大きくなる。したがっ
て、ウエハ上の1点と接触する研磨パッド上の点が一定
軌跡内に入るまでには、その一定軌跡が研磨パッド上の
領域をまんべんなく通ることになる。また、現実に限ら
れている研磨時間内では、ウエハ上の1点と接触する研
磨パッド上の点が一定軌跡内に入ることはない。したが
って、上述の作用効果がより顕著に得られることにな
る。
【0024】上記ウエハの研磨方法において、上記研磨
パッドを独立気泡型発砲ポリウレタン樹脂により構成し
ておくことが好ましい。
【0025】この方法により、研磨パッド上で、気泡が
開口して形成される凹部への研磨屑の蓄積や凹部のつぶ
れによって局部的に研磨レートが低い部分が生じても、
上述の作用により、ウエハのある特定の点のみがその影
響を強く受けることがないので、上述の作用効果が確実
に得られることになる。
【0026】また、上記ウエハの研磨方法において、上
記研磨パッドに、周期的に形成された溝又は穴を設けて
おくことができる。
【0027】この方法により、溝や穴を介してスラリー
状の研磨剤の供給,排泄が円滑に行なわれる。目詰まり
した溝や穴は実質的に研磨に寄与しない不活性領域と見
なしうるが、上述の使用により、ウエハのある特定の領
域のみがその影響を強く受けることがないので、上述の
作用効果が確実に得られることになる。
【0028】本発明の研磨パッドのドレッシング方法
は、回転する定盤上に取り付けられた研磨パッドを第1
の回転速度で回転させ、ドレッサーを第2の回転速度で
回転させながら上記研磨パッドの表面に押圧することに
より上記研磨パッドの表面を活性化させる研磨パッドの
ドレッシング方法であって、上記第1の回転速度と上記
第2の回転速度との比は、上記ドレッサー上の定点と接
触する研磨パッド上の点の描く軌跡が研磨パッド上で均
一に分布するように調整されている。
【0029】上記研磨パッドのドレッシング方法におい
て、上記第1の回転速度と上記第2の回転速度との比
を、上記ドレッサー上の定点と接触する研磨パッド上の
点が研磨中に実質的に一定となる軌跡を描かないように
調整することができる。
【0030】上記研磨パッドのドレッシング方法におい
て、上記第1の回転速度と上記第2の回転速度との比
を、両者の比を互いに素である自然数m,nの比で表し
たときに、上記自然数m,nの最小公倍数が10以上で
あるように調整することができる。
【0031】上記記載の研磨パッドのドレッシング方法
において、上記第1の回転速度と上記第2の回転速度と
の比がほぼ無理数であるように調整することができる。
【0032】これらの方法により、ウエハの研磨方法に
おける作用効果と同様に、微細なダイヤモンド等の砥粒
が埋設されたドレッサーを用いて研磨パッドをドレッシ
ングする際に、形状や大きさが一様でない砥粒が研磨パ
ッド上で一定軌跡を頻繁に通ることに起因するドレッシ
ングの均一性の悪化が抑制され、研磨パッドの活性化が
ほぼ一様になる。したがって、研磨パッド内における局
部的な研磨レートのばらつきが抑制される。
【0033】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
説明する。
【0034】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態に係るCMPに使用される研磨機の構造の例
を示す斜視図である。同図に示すように、本実施形態に
係るCMP研磨機は、たとえばスピードファム社製のも
のであって、中心軸の回りに回転する円盤状のプラテン
1(定盤)と、該プラテン1を中心部で支持するプラテ
ン軸2と、プラテン1上に貼り付けられた独立気泡型ポ
リウレタン樹脂や不織布等からなる研磨パッド3と、ウ
エハ6が装着された円板状のキャリア4と、該キャリア
4を中心部で支持するキャリア軸5と、コロイダルシリ
カを主成分とするスラリー状の研磨液8を供給するため
の研磨液供給装置7とを備えている。ここで、上記プラ
テン軸2及びキャリア軸5は、いずれもサーボモータ等
により強制的に回転され、かつその回転速度が互いに独
立に可変に制御されるものである。
【0035】図2は、このような研磨機における研磨パ
ッド3と、ウエハ6との位置関係を示す複素平面図であ
る。この複素平面図を参照しながら、研磨パッド3つま
りプラテン1の回転とウエハ6つまりキャリア4の回転
とにより生じる相対的な運動の形態について説明する。
【0036】図2に示すキャリアとプラテンとの回転運
動において、同図に示す各パラメータを下記 r:ウエハ中心P(ウエハの回転中心)−ウエハ上の点
Z間の距離 R:ウエハ中心P−研磨パッド中心O(研磨パッドの回
転中心)間の距離 w:ウエハの回転角速度 θ:ウエハの初期位相角 wp :プラテン回転角速度 のように設定する。キャリア4には複数のウエハが装着
されている場合もあり得るが、ここでは、便宜上キャリ
ア4には1枚のウエハ6のみが装着されており、かつウ
エハ中心とキャリア中心とは一致し、さらに研磨パッド
中心とプラテン中心とは一致しているものとして取り扱
う。
【0037】複素平面においてウエハ中心Pと研磨パッ
ド中心Oとがy軸(虚数軸)方向にオフセットされてい
る状態を初期状態とし、静止座標系におけるウエハ上の
点Zの初期位相角θと研磨時間tを変数とすると、時計
回り(CCW)の回転運動における点Zの位置は、下記
式(1)により表される(ただし、iは虚数単位であ
る)。
【0038】 Z(t,θ)=iR+rExp {i(−wt+θ)} (1) このウエハの運動を、同じく時計回り(CCW)に回転
する研磨パッド上で観察すると研磨パッド上で点Zが描
く軌跡が求まる。この軌跡を求めるには、上記式(1)
のCCW回転写像を求めればよい。つまり、下記式
(2)により表される。
【0039】 Z→Zp (t,θ) =Exp (iwp t)[iR+rExp {i(−wt+θ)}] =iRExp (iwp t)+rExp [i{(wp −w)t+θ}](2) 上記式(2)に基づいて、ウエハと研磨パッドとの角速
度w,wp の比によって研磨パッド上で点Zの描く軌跡
がどのように変化するかが求まる。たとえば研磨パッド
の角速度wp がウエハの角速度wの2倍である場合に
は、下記式(3)を式(2)に代入することにより、下
記式(4)が導かれる。
【0040】 wp =2w (3) Zp =iRExp (i2wt)+rExp {i(wt+θ)} (4) ここで、初期位相角が点Zの初期位相角θよりもpi
(180°)だけ進んでいるウエハ上の点Xの位置を式
(4)から求めると、下記式(5)で表されるものとな
る。
【0041】 Zp (t,θ+pi) =iRExp (i2wt)+rExp [{i(wt+θ+pi)}] (5) さらに、時間pi/wだけ経過したときの点Xの位置を
式(5)から求めると、下記式(6)になり、この式
(6)と式(4)とは完全に一致する。
【0042】 Zp (t+pi/w,θ+pi)=iRExp {i(2wt+2pi) +rExp [i{w(t+pi/w)+θ+pi)}] =iRExp (i2wt)+rExp [{i(wt+θ+pi)}] =Zp (t,θ) (6) つまり、w/wp =1/2のときには、ウエハ中心に対
して互いに対称な(つまり位相差が180°の)2つの
点Z,Xの運動がw/piの時間差(wの半周期)があ
るのみで、両者の研磨パッドとの接触点が研磨パッド上
で描く軌跡は全く一致することになる。
【0043】したがって、従来しばしば用いられてきた
w=30rpm,wp =60rpmという条件では、ウ
エハ上の任意の点と、ウエハ中心に対してこの点とは反
対側の点が実に1分間に30回という頻度で同じ軌跡を
回り続けることになる。
【0044】もし、ウエハ上の2つの点が同じ軌跡で運
動する研磨パッド上に局所的な研磨レートを変動させる
要因が存在したならば、そのミクロな要因が次第にウエ
ハ上で助長されて、ウエハの平坦度の均一性を悪化させ
るというマクロな現象に影響が及ぶことになる。たとえ
ば、ノッチが何らかの影響で研磨パッド表面に不均一な
変化を及ぼして特異な研磨レートの異常を生ぜしめる
と、同じ軌跡を回る反ノッチ側にも過度に研磨パッドを
圧縮するなどの変化の影響が及ぶことになる。当然、そ
の逆もあることになる。
【0045】同様にして、一般に、研磨パッドの角速度
wp がウエハの角速度wの2n倍(nは整数)の場合、
ウエハ回転の位相差がpi/n同士であるウエハ上の各
点は、研磨パッド上で同じ軌跡に沿って運動することに
なる。
【0046】たとえばwp :w=4:1の場合、ウエハ
上の任意の点と、その点に対してウエハ中心回りにその
点から90°,180°,270°だけ回転した3点と
の合計4点の軌跡が一致することになる。このような事
態は、本来、CMPレシピ作成上絶対に避けなければな
らないことである。しかるに、従来、プラテンの回転速
度とキャリアの回転速度のとの関係はほとんど考慮され
ていない。
【0047】また、プラテンとキャリアとの回転速度の
比が簡単な整数:1の形でなくても、両者の簡単な整数
比で表されている場合にも不具合が生じる。たとえば、
研磨パッドの角速度とウエハの角速度との比がm:n
(ただし、m,nは互いに素でありかつ1でない正の整
数)のときについて考える。図3は、研磨パッドの回転
状態とウエハの回転状態とを、研磨パッドの1回転ごと
に示す図である。同図に示すように、初期の状態では、
ウエハ上の点Zと研磨パッド上の点S(一定軌跡の出発
点)とが接触していたとする。その状態からプラテンが
1回転したときにはキャリアがn/m回転するが、m,
nが互いに素であることからn/mが整数になることは
なく、ウエハ上の点Zに接する研磨パッド上の点S’が
点Sに一致することはない。そして、プラテンがm回転
したときにキャリアがmn/m(=n)回転するので、
ウエハ上の点Zに接する研磨パッド上の点S’が当初の
接触点Sに初めて一致する。つまり、ウエハ上の点Zに
接触する研磨パッド上の点が一定軌跡の出発点Sに到達
する。その後は、研磨パッドとウエハとが同じ相対運動
を繰り返すので、ウエハ上の点Zは研磨パッド上の一定
軌跡に沿って運動することになる。
【0048】したがって、互いに素である整数m,nの
最小公倍数mnが大きいときには、一定軌跡の長さが長
くなるので、ウエハ上の点Zは研磨パッド上の特定の点
だけではなく多くの点とまんべんなく接触することにな
る。しかし、上記最小公倍数mnが小さいときには、ウ
エハ上の点Zがすぐに研磨パッド上の一定軌跡の出発点
Sに戻ってその後同じ軌跡上を運動するので、点Zが研
磨パッド上の限られた領域だけと接触することになる。
したがって、ウエハ上のある点は研磨パッド上の局所的
に研磨レートの低い領域と高い頻度で接し、ウエハ上の
他の点は研磨パッド上の局所的に研磨レートが低い領域
とはほとんど接しないという事態が生じる可能性があ
る。
【0049】以上の考察により、以下の結論が得られ
る。
【0050】1.プラテンの回転速度とキャリアの回転
速度とを互いに素である2つの自然数m,nの比で表し
たときに、m,nの最小公倍数mnが大きいほど好まし
い。特に、後述の実験例などで得られる結果からみて、
最小公倍数mnが10以上であることが好ましい。
【0051】2.特に、プラテンの回転速度とキャリア
の回転速度との比(両者の角速度の比)が自然数m/n
(有理数)の形で表せない無理数にほぼ一致(近似)す
ることがより好ましい。現実に両者の比を無理数そのも
のにするのは困難であるが、両者の比が近似的に無理数
であれば、限られた研磨時間の間においては、ウエハ上
の点Zが研磨パッド上の一定軌跡上を移動することはな
く、研磨パッド上のほとんど全ての点と接することにな
るからである。なお、このような無理数に近い回転速度
比の設定は、キャリア軸5及びプラテン軸2を回転させ
るモータの回転速度の設定により容易に実現できる。
【0052】3.また、現実に限られた研磨時間から考
えると、研磨中に一定軌跡内に入らない(つまり、研磨
パッド及びウエハが整数回回転した状態でウエハ上の点
Zと接触する研磨パッド上の点が一定軌跡の出発点Sに
一致しない)ように両者の回転速度の比が設定されてい
ればよい。
【0053】4.一方、上記軌跡の状態から考えると、
ウエハ上の点Zと接触する研磨パッド上の点の描く軌跡
によって研磨パッド上の領域が部分領域に区画されるが
(図5参照)、この区画される部分領域が同心のリング
状領域内(研磨パッドの中心Oを中心とする同一半径を
有するリング状領域内)ではできるだけ均一な大きさ,
かつできるだけ微細であることが好ましい。言い換える
と、上記軌跡が研磨パッド上で均一に分布し、軌跡によ
って形成される網目模様が高密度であることが好まし
い。
【0054】ここで、実質的に、CMP装置の回転数の
設定はm(rpm)(ただし、mは整数)となっている
ので、ウエハ上の点Zと接触する研磨パッド上の点の描
く軌跡は1分程度の研磨時間ごとに同じ軌跡を描くよう
になる。ところが研磨時間は長くても4分程度であるの
で、研磨中に4回以上一定軌跡を描かないことが好まし
い。
【0055】なお、上記解析ではキャリア(ウエハ)を
回転させる運動のみを行わせているが、この回転運動に
加えて、プラテンの回転方向に垂直な方向もしくは一致
する方向あるいは斜めに交差する方向に往復させる(並
進運動)ようにしてもよい。また、このような並進運動
の範囲を十分大きくしてその単位時間当たりの往復回数
を上記キャリアの単位時間当たりの回転数に置き換える
ことにより、場合によってはキャリアを回転させなくて
も上記と同じ効果を発揮することができる。
【0056】また、上記実施形態では、キャリアに1枚
のウエハが装着されている場合について説明している
が、本発明は、1枚のキャリアに複数枚のウエハが装着
されている場合にも適用できる。その場合にも、ウエハ
上の各点はキャリア中心の回りに回転するので、キャリ
ア中心からあるウエハの点Zまでの距離をrとし、研磨
パッド中心Oからキャリア中心までの距離をオフセット
距離Rとすれば、上記式(1)〜(6)の解析がそのま
ま適用できるからである。
【0057】以下、スピードファム社製の研磨機を用い
て行った研磨パッド(プラテン)上の軌跡分析に関する
実験例及び比較例(従来条件)について説明する。ただ
し、下記の各実験例及び各比較例において、初期の位相
角θは45°、ウエハの径rは100(mm)、研磨パ
ッド中心−ウエハ中心間のオフセット距離Rは162.
5(mm)、研磨時間は60(sec)である。また、
被研磨面はウエハ上のp型TEOS膜又はBPSG膜で
ある。
【0058】−実験例1− 図4は、実験例1におけるウエハ上の1点(定点)が研
磨パッド上に描く軌跡を示す図である。本実験例におけ
る研磨条件は、BPSG膜を平坦化するためのCMPに
おける条件であってプラテンの回転速度wp を23rp
mとしキャリアの回転速度wを17rpmとしている。
つまり、プラテンとキャリアの回転速度の比が互いに素
である2つの数23,17で表され、かつその最小公倍
数が23×17(=391)と大きい。したがって、同
図に示されるように、この研磨時間(60sec)より
も短い時間内においては、研磨パッド上の軌跡が一定と
なっておらず、ウエハ上のある点が研磨パッド上の一定
軌跡上を運動することはない。ちょうど60sec研磨
を行うと、プラテンが23回転したときにウエハ上の定
点が研磨パッド上の当初の接触点に戻るが(つまり、ウ
エハ上の定点と接触する研磨パッド上の点が一定軌跡内
に入らないが)、その場合にも、ウエハ上の定点が比較
的まんべんなく研磨パッド上の多くの領域と接するの
で、局部的な研磨レートのばらつきによる悪影響を回避
することができる。
【0059】−実験例2− 図5は、実験例2におけるウエハ上の定点が研磨パッド
上に描く軌跡を示す図である。本実験例における研磨条
件は、p型TEOS膜を平坦化するためのCMPにおけ
る条件であってプラテンの回転速度wp を61rpmと
しキャリアの回転速度wを43rpmとしている。つま
り、プラテンとウエハの回転速度の比が互いに素である
2つの数61,43で表され、かつその最小公倍数が6
1×43(=2643)と極めて大きい。したがって、
同図に示されるように、この研磨時間(60sec)よ
りも短い時間内においては、ウエハ上の定点と接触する
研磨パッド上の点が一定軌跡内に入っていない。ちょう
ど60secの間研磨を行うと、プラテンが61回転し
たときにウエハ上のある点が研磨パッド上の当初の接触
点に戻るが、その場合にも、ウエハ上のある点が研磨パ
ッド上の各領域とまんべんなく接するので、局部的な研
磨レートのばらつきによる悪影響を回避することができ
る。
【0060】−比較例1− 図6は、比較例1におけるウエハ上の1点が研磨パッド
上に描く軌跡を示す図である。比較例1における研磨条
件は、従来BPSG膜を平坦化するためのCMPの際に
採用されていた条件であってプラテン及びキャリアの回
転速度wp ,wをいずれも同じ20rpmとしている。
同図に示されるように、研磨パッド上にはほぼ完全な円
形の一定軌跡が形成される共鳴状態が生じており、ウエ
ハ上のある点が極めて高い頻度で研磨パッド上の限られ
た領域とのみ接することを示している。
【0061】−比較例2− 図7は、比較例2におけるウエハ上の1点が研磨パッド
上に描く軌跡を示す図である。比較例2における研磨条
件は、従来p型TEOS膜を平坦化するためのCMPの
際に採用されていた条件であってプラテンの回転速度w
p を60rpmとしキャリアの回転速度wを30rpm
としている。つまり、プラテンとウエハの回転速度の比
が互いに素である2つの数2,1で表され、かつその最
小公倍数が2×1(=2)と小さい。同図に示されるよ
うに、ウエハ上の定点と接触する研磨パッド上の点がプ
ラテンの2回転ごとに一定軌跡の出発点に戻り、その後
この一定軌跡上を運動する共鳴状態となる。したがっ
て、比較例1よりは頻度が低いものの、ウエハ上のある
点が高い頻度で研磨パッド上の限られた領域とのみ接す
ることになる。
【0062】−比較例3− 図8は、比較例3におけるウエハ上の定点が研磨パッド
上に描く軌跡を示す図である。比較例3における研磨条
件は、従来のCMPの際に採用されていた条件であって
プラテンの回転速度wp を60rpmとしキャリアの回
転速度wを40rpmとしている。つまり、プラテンと
ウエハの回転速度の比が互いに素である2つの数3,2
で表され、かつその最小公倍数が3×2(=6)と小さ
い。同図に示されるように、ウエハ上の定点と接触する
研磨パッド上の点がプラテンの3回転ごとに一定軌跡の
出発点に戻り、その後この一定軌跡上を運動する共鳴状
態となる。したがって、比較例1や比較例2よりは頻度
が低いものの、ウエハ上のある点が高い頻度で研磨パッ
ド上の限られた領域とのみ接することには変わりがな
い。
【0063】次に、上記実験例と比較例との研磨条件に
よるウエハの平坦度の均一性の相違について説明する。
【0064】図9は、このような基準により、実験例2
の条件、つまりプラテンの回転速度wp を61rpm、
キャリアの回転速度wを43rpmとしたときのウエハ
の平均的な研磨レートSSR(nm/min)(黒四
角)とウエハ面内における各部の研磨レートのばらつき
WIWNU(%)(白四角)とを、比較例3の条件であ
るプラテンの回転速度wp を60rpm、キャリアの回
転速度wを40rpmとしたときの研磨レート(黒丸)
及びそのばらつき(白丸)と比較する図である。ただ
し、キャリアに印加する荷重は140KgGであり、ウ
エハの研磨レートはウエハの外周から5mm以内の領域
を除く数カ所で測定している。また、研磨レートのばら
つきは、同一ウエハ内の数箇所における測定値のうち最
大値と最小値の差を平均値で除した値である。同図に示
されるように、平均的な研磨レートについては比較例3
と実験例2との間で差はないが、実験例2の条件でCM
Pを行った場合は、比較例3に比べてウエハ内における
研磨レートのばらつきが低減されている。すなわち、ウ
エハの平坦度の均一性が向上していることがわかる。
【0065】そして、以上の実験例や比較例のデータか
ら見て、プラテンの回転速度wp とウエハの回転速度w
との比が互いに素である2つの自然数m,nで表される
ときには、m,nの最小公倍数が10以上であることが
好ましい。
【0066】その場合、たとえばm=5,n=2のよう
に、m,nいずれもが1でない自然数の方がより好まし
いが、必ずしもそうである必要はない。たとえばm=1
0,n=1の場合には、プラテンが10回転したときに
キャリアが1回転し、そのときにウエハ上の定点との接
触点が研磨パッド上の一定軌跡の出発点に戻り、研磨パ
ッド上には、5周で外形部から内径部に到達する渦巻と
5周で内周部から外周部に到達する逆回りの渦巻とから
なる一定軌跡が形成される。また、m=1でn=10の
場合には、プラテンが1回転したときにキャリアが10
回転し、そのときにウエハ上の定点との接触点が一定軌
跡の出発点に戻り、研磨パッド上には10回転する小コ
イル状の軌跡が形成される。しかし、いずれの場合に
も、m,nの最小公倍数が10以上であれば、一定軌跡
が研磨パッド上の多くの領域を通過するように形成され
るので、ウエハ上のある点が他の点に比べて研磨パッド
上の研磨レートの低い領域と接する確率がめだって高く
なるような事態は回避される。
【0067】(第2の実施形態)なお、本発明は、ダイ
ヤモンド・ドレッサーによる研磨パッドのドレッシング
を行って、研磨パッドの活性化(研磨レートの回復)を
行うプロセス(ドレッシング工程)にも適用できる。す
なわち、ダイヤモンド・ドレッサーの表面には微細なダ
イヤモンド粒子が埋設されているが、この粒子の形状や
大きさは一様ではない。したがって、ダイヤモンド・ド
レッサーを回転させながら、回転している研磨パッドを
ドレッシングする際にも、研磨の場合と同様に、各ダイ
ヤモンド粒子が同じ軌跡を頻繁に描くようになると、ド
レッシングの均一性が得られない。その結果、研磨パッ
ドの活性化も一様にならず、研磨パッド内における局部
的な研磨レートのばらつきを引き起こす。したがって、
ドレッシングを均一に行うためにも、上記第1の実施形
態がそのまま利用できる。
【0068】以下、上記第1の実施形態を研磨パッドの
ドレッシング方法に適用した第2の実施形態について説
明する。
【0069】図11は、本発明の第2の実施形態に係る
研磨パッドのドレッシング時における研磨機の斜視図で
ある。本実施形態に係るCMP研磨機は、上記第1の実
施形態で説明したとおりのものであって、中心軸の回り
に回転する円盤状のプラテン1(定盤)と、該プラテン
1を中心部で支持するプラテン軸2と、プラテン1上に
貼り付けられた独立気泡型ポリウレタン樹脂や不織布等
からなる研磨パッド3とを備えている。一方、ドレッサ
ー装置は、円板状のドレッサー11と、該ドレッサー1
1を中心部で支持するドレッサー軸12とを備えてい
る。ここで、上記プラテン軸2及びドレッサー軸12
は、いずれもサーボモータ等により強制的に回転され、
かつその回転速度が互いに独立に可変に制御されるもの
である。
【0070】図12は、このような研磨機における研磨
パッド3とドレッサー11との位置関係を示す複素平面
図である。この複素平面図に示すように、本実施形態に
おいても、プラテン1の回転とドレッサー11の回転と
の相対的な運動の形態は、基本的に、上記第1の実施形
態におけるプラテン1の回転とキャリア4の回転との間
の相対的な運動の形態と同じである。
【0071】したがって、図12に示す研磨パッドとド
レッサーとの回転運動において、同図に示す各パラメー
タを、以下のように、上記図2におけるパラメータと同
じ符号で表す。
【0072】 r:ドレッサー中心P−ドレッサー上の点Z間の距離 R:ドレッサー中心P−研磨パッド中心O間の距離 w:ドレッサーの回転角速度 θ:ドレッサーの初期位相角 wp :プラテン回転角速度 のように設定する。
【0073】このように設定することにより、本実施形
態においても、上記第1の実施形態における式(1)〜
(6)がそのまま適用できる。
【0074】すなわち、例えばw/wp =1/2などの
条件の場合には、ドレッサー中心に対して互いに対称な
(つまり位相差が180°の)2つの点Z,Xの運動が
w/piの時間差(wの半周期)があるのみで、両者の
研磨パッドとの接触点が研磨パッド上で描く軌跡は全く
一致することになる。
【0075】そして、プラテンとドレッサーとの回転速
度の比が簡単な整数:1の形の場合や、両者の簡単な整
数比で表されている場合には不具合が生じる。たとえ
ば、研磨パッドの角速度とドレッサーの角速度との比が
m:n(ただし、m,nは互いに素でありかつ1でない
正の整数)のときについて考える。図13は、研磨パッ
ドの回転状態とドレッサーの回転状態とを、研磨パッド
の1回転ごとに示す図である。同図に示すように、初期
の状態では、ドレッサー上の点Zと研磨パッド上の点S
(一定軌跡の出発点)とが接触していたとする。その状
態からプラテンが1回転したときにはドレッサーがn/
m回転するが、m,nが互いに素であることからn/m
が整数になることはなく、ドレッサー上の点Zに接する
研磨パッド上の点S’が点Sに一致することはない。そ
して、プラテンがm回転したときにドレッサーがmn/
m(=n)回転するので、ドレッサー上の点Zに接する
研磨パッド上の点S’が当初の接触点Sに初めて一致す
る。つまり、ドレッサー上の点Zに接触する研磨パッド
上の点が一定軌跡の出発点Sに到達する。その後は、研
磨パッドとドレッサーとが同じ相対運動を繰り返すの
で、ドレッサー上の点Zは研磨パッド上の一定軌跡に沿
って運動することになる。
【0076】したがって、互いに素である整数m,nの
最小公倍数mnが大きいときには、一定軌跡の長さが長
くなるので、ドレッサー上の点Zは研磨パッド上の特定
の点だけではなく多くの点とまんべんなく接触すること
になる。しかし、上記最小公倍数mnが小さいときに
は、ドレッサー上の点Zがすぐに研磨パッド上の一定軌
跡の出発点Sに戻ってその後同じ軌跡上を運動するの
で、点Zが研磨パッド上の限られた領域だけと接触する
ことになる。したがって、ドレッサー上のある点は研磨
パッド上の局所的に研磨レートの低い領域と高い頻度で
接し、ドレッサー上の他の点は研磨パッド上の局所的に
研磨レートが低い領域とはほとんど接しないという事態
が生じる可能性がある。
【0077】そして、本実施形態におけるプラテン1と
ドレッサー11との角速度の比を種々変えると、上記第
1の実施形態と同様に、図4〜図8に示す軌跡とよく似
た研磨パッド上の軌跡が得られる。
【0078】以上の考察により、上記第1の実施形態と
同様に、以下の結論が得られる。
【0079】1.プラテンの回転速度とドレッサーの回
転速度とを互いに素である2つの自然数m,nの比で表
したときに、m,nの最小公倍数mnが大きいほど好ま
しい。特に、最小公倍数mnが10以上であることが好
ましい。
【0080】2.特に、プラテンの回転速度とドレッサ
ーの回転速度との比(両者の角速度の比)が自然数m/
n(有理数)の形で表せない無理数にほぼ一致(近似)
することがより好ましい。
【0081】3.また、研磨中に一定軌跡内に入らない
(つまり、研磨パッド及びドレッサーが整数回回転した
状態でドレッサー上の点Zと接触する研磨パッド上の点
が一定軌跡の出発点Sに一致しない)ように両者の回転
速度の比が設定されていればよい。
【0082】4.一方、ドレッサー上の点Zと接触する
研磨パッド上の点の描く軌跡によって研磨パッド上の領
域が部分領域に区画されるが(第1の実施形態における
図5参照)、この区画される部分領域が同心のリング状
領域内(研磨パッドの中心Oを中心とする同一半径を有
するリング状領域内)ではできるだけ均一な大きさ,か
つできるだけ微細であることが好ましい。言い換える
と、上記軌跡が研磨パッド上で均一に分布し、軌跡によ
って形成される網目模様が高密度であることが好まし
い。
【0083】なお、ドレッシング工程は、本来の半導体
装置の製造工程(ドレッサー表面の平坦化工程)ではな
いので、できるだけ短い時間で研磨レートの活性化を終
了させたいという実工程上の要請があり、短時間に研磨
パッド表面の活性化を実現するためには、本発明は特に
有用である。
【0084】(その他の実施形態)また、上記各実施形
態では、プラテンとキャリア(ドレッサー)の回転方向
を同じとしているが、本発明はかかる実施形態に限定さ
れるものではない。両者の回転方向を互いに逆方向にし
た場合でも、両者の回転速度の比を互いに素な自然数と
したときの最小公倍数を10以上にするなど、本発明を
適用することで、上記実施形態と同じ効果を得ることが
できる。
【0085】さらに、研磨パッドとしては、上記実施形
態に示す構造のもののほか、独立発砲ポリウレタン等か
ら構成される研磨パッドの表面に、周期的に加工された
溝や穴(たとえば、ピッチ5〜10mm程度で、寸法が
1mm程度)を有するものであってもよい。かかる溝や
穴はスラリーの供給,排泄を円滑に行わせるために設け
られたもので、このような溝や穴が局部的に目詰まりを
生じた場合にはこれらの領域は実質的に研磨に寄与しな
い不活性領域と見なしうるが、かかる場合にも、本発明
を適用することによって、ウエハ内の平坦度の均一性の
向上を図ることができる。
【0086】
【発明の効果】本発明のウエハの研磨方法によれば、C
MPによるウエハの研磨方法として、定盤の回転速度と
ウエハの回転速度との比を、ウエハ上の定点と接触する
研磨パッド上の点の描く軌跡が研磨パッド上で均一に分
布するように調整したので、研磨パッド内の局部的研磨
レートのばらつきによる悪影響を回避することができ、
よって、研磨終了後におけるウエハの被研磨面の平坦度
の均一性の向上を図ることができる。
【0087】本発明の研磨パッドのドレッシング方法に
よれば、研磨パッドの表面を活性化するドレッシングを
行う際に、定盤の回転速度とドレッサーの回転速度との
比を、ドレッサー上の定点と接触する研磨パッド上の点
の描く軌跡が研磨パッド上で均一に分布するように調整
したので、ドレッサー内の特定の砥粒が研磨パッド上の
一定軌跡を頻繁に通るのを可及的に回避することがで
き、よって、研磨パッドの表面を一様に活性化すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るCMP研磨機に
よるウエハの研磨状態を概略的に示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態における研磨パッドとウエハの
相対的な運動を説明するための複素平面図である。
【図3】第1の実施形態における研磨パッドの整数回回
転ごとにおけるウエハ上の定点の位置と研磨パッドとの
接触位置を示す平面図である。
【図4】実験例1における研磨パッド上の軌跡を示す平
面図である。
【図5】実験例2における研磨パッド上の軌跡を示す平
面図である。
【図6】比較例1における研磨パッド上の軌跡を示す平
面図である。
【図7】比較例2における研磨パッド上の軌跡を示す平
面図である。
【図8】比較例3における研磨パッド上の軌跡を示す平
面図である。
【図9】実験例2と比較例3との条件でCMPを行った
結果得られるウエハの平均的な研磨レート及び平均的な
研磨レートのばらつきを示す図である。
【図10】CMPによる研磨中の研磨パッドの表面状態
を示す断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る研磨パッドの
ドレッシング方法を概略的に示す斜視図である。
【図12】第2の実施形態における研磨パッドとドレッ
サーとの相対的な運動を説明するための複素平面図であ
る。
【図13】第2の実施形態における研磨パッドの整数回
回転ごとにおけるドレッサー上の定点の位置と研磨パッ
ドとの接触位置を示す平面図である。
【符号の説明】
1 プラテン(定盤) 2 プラテン軸 3 研磨パッド 4 キャリア 5 キャリア軸 6 ウエハ(ウエハ) 7 研磨液供給装置 8 研磨液 11 ドレッサー 12 ドレッサー軸

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定盤上に取り付けられた研磨パッドを第
    1の回転速度で回転させ、上記研磨パッドの表面上に研
    磨剤を供給し、ウエハを第2の回転速度で回転させなが
    ら上記研磨パッドの表面に押圧することにより上記ウエ
    ハを研磨するウエハの研磨方法であって、 上記第1の回転速度と上記第2の回転速度との比は、上
    記ウエハ上の定点と接触する研磨パッド上の点の描く軌
    跡が研磨パッド上で均一に分布するように調整されてい
    ることを特徴とするウエハの研磨方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のウエハの研磨方法におい
    て、 上記第1の回転速度と上記第2の回転速度との比は、上
    記ウエハ上の定点と接触する研磨パッド上の点が研磨中
    に実質的に一定となる軌跡を描かないように調整されて
    いることを特徴とするウエハの研磨方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のウエハの研磨方法におい
    て、 上記第1の回転速度と上記第2の回転速度との比は、両
    者の比を互いに素である自然数m,nの比で表したとき
    に、上記自然数m,nの最小公倍数が10以上であるよ
    うに調整されていることを特徴とするウエハの研磨方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のウエハの研磨方法におい
    て、 上記第1の回転速度と上記第2の回転速度との比がほぼ
    無理数であるように調整されていることを特徴とするウ
    エハの研磨方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のうちいずれか1つに記載
    のウエハの研磨方法において、 上記研磨パッドは独立気泡型発砲ポリウレタン樹脂によ
    り構成されていることを特徴とするウエハの研磨方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載
    のウエハの研磨方法において、 上記研磨パッドは、周期的に形成された溝又は穴を有す
    ることを特徴とするウエハの研磨方法。
  7. 【請求項7】 回転する定盤上に取り付けられた研磨パ
    ッドを第1の回転速度で回転させ、ドレッサーを第2の
    回転速度で回転させながら上記研磨パッドの表面に押圧
    することにより上記研磨パッドの表面を活性化させる研
    磨パッドのドレッシング方法であって、 上記第1の回転速度と上記第2の回転速度との比は、上
    記ドレッサー上の定点と接触する研磨パッド上の点の描
    く軌跡が研磨パッド上で均一に分布するように調整され
    ていることを特徴とする研磨パッドのドレッシング方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の研磨パッドのドレッシン
    グ方法において、 上記第1の回転速度と上記第2の回転速度との比は、上
    記ドレッサー上の定点と接触する研磨パッド上の点が研
    磨中に実質的に一定となる軌跡を描かないように調整さ
    れていることを特徴とする研磨パッドのドレッシング方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の研磨パッドのドレッシン
    グ方法において、 上記第1の回転速度と上記第2の回転速度との比は、両
    者の比を互いに素である自然数m,nの比で表したとき
    に、上記自然数m,nの最小公倍数が10以上であるよ
    うに調整されていることを特徴とする研磨パッドのドレ
    ッシング方法。
  10. 【請求項10】 請求項7記載の研磨パッドのドレッシ
    ング方法において、 上記第1の回転速度と上記第2の回転速度との比がほぼ
    無理数であるように調整されていることを特徴とする研
    磨パッドのドレッシング方法。
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