JPH1170166A - 2液混合型連続携帯式腹膜透析製剤 - Google Patents

2液混合型連続携帯式腹膜透析製剤

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JPH1170166A
JPH1170166A JP9247505A JP24750597A JPH1170166A JP H1170166 A JPH1170166 A JP H1170166A JP 9247505 A JP9247505 A JP 9247505A JP 24750597 A JP24750597 A JP 24750597A JP H1170166 A JPH1170166 A JP H1170166A
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bag
preparation
peritoneal dialysis
filled
capd
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JP9247505A
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Inventor
Yoshinori Minagawa
芳範 皆川
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SHIMIZU SEIYAKU KK
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SHIMIZU SEIYAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 腹膜を利用した透析治療、特に連続携帯式腹
膜透析(CAPD)に使用される2液混合型連続携帯式
腹膜透析製剤の提供。 【解決手段】 製剤用バッグおよび排液用バッグを有す
る、2バッグ式連続携帯式腹膜透析製剤において、充填
される内容薬剤を、製剤用バッグおよび排液用バッグの
両方のバッグ内に充填してなることを特徴とする2液混
合型連続携帯式腹膜透析製剤であり、製剤用バッグおよ
び排液用バッグの両者に充填される内容薬剤は同一の腹
膜透析剤であるか、またはいずれか一方のバッグにブド
ウ糖含有液またはカルシウム含有液等を充填し、他方の
バッグに緩衝剤含有液または重曹含有液等を充填したも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腹膜を利用した透
析治療、特に連続携帯式腹膜透析(CAPD:Continuo
us Ambulatory Peritoneal Dialysis、 以下CAPDと
略記する場合もある)に使用される2液混合型連続携帯
式腹膜透析製剤(2液混合型CAPD製剤)に関する。
【0002】
【従来の技術】連続携帯式腹膜透析療法、すなわちCA
PD療法は、腹膜を利用した人工透析法として知られて
おり、人工腎臓による透析法に比較して装置、器具等が
小型であって簡便であること、さらには患者が透析期間
中自由に行動でき、肉体的ないし精神的負担が少ないと
いう利点を有していることより、その優れた治療効果と
患者のQOL向上を同時に実現した在宅療法として大い
に注目を集めており、今日では広く実用化されてきてい
るものである。
【0003】このCAPD療法は、患者の腹腔内にカテ
ーテルチューブ(腹腔カテーテル)を留置しておき、こ
のカテーテルチューブの身体外側の末端にトランスファ
ーチューブを接続し、このトランスファーチューブにさ
らに透析液が充填された透析液収納用バッグの接続チュ
ーブが接続され、各チューブを通してバッグ内の透析液
が腹腔内に注入され、所定時間の腹膜透析を行った後
に、腹腔内の透析液を前記の各チューブを通して排液収
納用バッグ内に排出、回収し、その後再度新たな透析液
を腹腔内に注入し透析を繰り返すといった療法である。
【0004】初期のCAPD療法においては、腹膜透析
剤を充填した薬剤用バッグが排液用バッグをも兼ねる1
バッグシステムであったが、この1バッグシステムでは
新たな透析を行うに際して腹腔内の透析液を回収するた
めの排液収納用バッグとなる空バッグが必要となるた
め、透析期間中にはそのための空バッグを常に携帯して
いなければならず、患者にとって煩わしいものであっ
た。
【0005】かかる点を改良したCAPD療法として、
腹膜透析剤が充填された薬剤用バッグと空の排液用バッ
グとがチューブ、コネクターを介して並列的に接続され
た2バッグシステム(いわゆる、Yセットシステム)が
提案され、このシステムでは透析期間中には薬剤用バッ
グおよび排液用バッグをトランスファーチューブから分
離して、これらのバッグの携帯を不用なものとした点で
患者にとって便利なものとなり、現在ではかかる2バッ
グシステムが主流を占めている。
【0006】ところで、CAPD療法用の透析液である
腹膜透析剤は、浸透圧物質としてのブドウ糖および緩衝
剤としての乳酸、酢酸、炭酸、クエン酸等またはそれら
のナトリウム塩、さらには各種の電解質成分を含有する
ものである。この浸透圧物質として使用されるブドウ糖
については、その溶液の安定なpHは酸性サイドの3〜
5といわれており、中性ないし塩基性条件下での加熱滅
菌に対してはブドウ糖のカルメラ化が進行し易いもので
ある。そのため、上記の2バッグシステムにおける薬剤
用バッグを2つの異なるパッケージ(ダブルバッグとし
てのパッケージ)を用い、一方のパッケージにブドウ糖
含有水溶液を充填し、他方のパッケージに緩衝剤成分の
水溶液を充填した後、使用時に両者を混合し、腹膜透析
剤とするCAPD製剤も提案されている。
【0007】このような2バッグシステムにおける製剤
は、基本的には腹膜透析剤を充填した製剤用バッグ(第
1のバッグ)と、排液用の空バッグ(第2のバッグ)の
両者を3方分岐コネクターにより接続してなるものであ
るが、これを高圧蒸気滅菌する場合には特に空バッグの
内面同士がブロッキングを起こしてくっついてしまい、
透析液の排液時に排液用バッグ内に排液がスムースに入
ってこないといった不都合が生じていた。そのため、高
圧蒸気滅菌時におけるブロッキングの防止のために、空
バッグの内面に意図的な凹凸構造であるエンボス加工を
施す等の対策が必要であり、必然的に空バッグの製造コ
ストが高いものとなっていた。
【0008】さらに、製剤用バッグをダブルバッグとし
て、例えばブドウ糖含有水溶液と緩衝剤水溶液の両者を
それぞれ別個のコンパートメントに収納し、使用時にお
いて両コンパートメントの隔壁部での連通を行い、両液
を混合して腹膜透析剤とする場合にあっても、混合後に
所定の容量(混合後容量)を有するコンパートメントと
しなくてはならない。そのため、ダブルバッグとしない
場合とその透析剤の容量は同じであるにもかかわらず、
ダブルバッグの方が大きなものとならざるを得ず、この
場合にあってもバッグ自体の製造コストは高いものであ
り、患者に与える負担はかなり大きなものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は上記の問題
点を解決するべく鋭意検討した結果、2バッグ式CAP
D製剤において、製剤用バッグと排液用バッグの両者に
腹膜透析剤である内容薬剤を充填しておき、腹膜透析剤
の使用時に一方のバッグに両バッグ内の透析剤を移行さ
せ、透析液充填用バッグとすれば、これにより空となっ
た他方のバッグを排液用バッグとすることができる点に
着目し、完成されたものであって、本発明はそのための
CAPD用腹膜透析製剤を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】したがって、かかる課題
を解決するための本発明は、その態様として、製剤用バ
ッグおよび排液用バッグを有する、2バッグ式CAPD
腹膜透析製剤において、充填される内容薬剤を、両方の
バッグ内に充填してなることを特徴とする2液混合型C
APD製剤を提供する。
【0011】すなわち、本発明は特に、薬剤用バッグ
(第1のバッグ)ならびに排液用バッグ(第2のバッ
グ)の両者を有する2バッグシステムであるCAPD製
剤において、第1のバッグと第2のバッグの両方のバッ
グ内に、内容薬剤である腹膜透析剤成分を充填してお
き、腹膜透析液の使用時に一方のバッグ内で両液を混合
し腹膜透析剤が充填された透析液充填用バッグとするこ
とにより、他方のバッグを空バッグとしての排液用バッ
グとする点に特徴がある。
【0012】その結果、上記のように構成される本発明
のCAPD製剤は、両バッグ内には内容薬剤が充填され
ていることより、高圧蒸気滅菌にあたって空バッグ内
部のブロキングの発生によるバッグ内同士のくっつきを
防止するための特別のエンボス加工は必要のないこと、
さらに製剤用バッグをダブルバッグとする場合に比較
して大きなものとする必要がないこと、また、特別の
ダブルバッグ構造を必要としないこと等により、CAP
D製剤のコスト低減につながること等の利点を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】この場合の本発明のCAPD製剤
における第1のバッグならびに第2のバッグの両者(す
なわち、両バッグ内の充填液を混合した後は、いずれか
一方が薬剤用バッグとなり、他方が排液用空バッグとな
る両者)に充填される内容薬剤としては、同一の腹膜透
析剤であっても、また、いずれか一方のバッグにブドウ
糖含有液を充填し、他方のバッグに緩衝剤含有液を充填
し、2液を混合することにより腹膜透析剤となるように
したものであってもよい。さらに、いずれか一方にバッ
グにカルシウム含有液を充填し、他方のバッグに重曹含
有液を充填し、2液を混合することにより生理的pHに
近い中性の透析製剤となる重曹タイプ2液混合型CAP
D製剤となるようにしたものであってもよい。
【0014】特に、一方のバッグにブドウ糖含有液を充
填し、他方のバッグに緩衝剤含有液を充填して、両者を
混合することにより腹膜透析剤とする本発明の考え方
は、従来の薬剤用バッグが2コンパートメントのダブル
バッグとされている製剤を、CAPD用の2バッグシス
テムで行おうとするものであり、本発明者が新規に見い
だした全く独自のものである。
【0015】すなわち、これまでのCAPD製剤におけ
る2バッグシステムにおいてもそれぞれ異なる溶液を別
個に収納させる方法は提案されてはいたが、その方法
は、排液用の空バッグは空バッグとして独立しており、
腹膜透析剤充填バッグの方を2コンパートメントのダブ
ルバッグし、これらの透析剤成分溶液を個別に収納させ
るものであって、あくまで薬剤用バッグをダブルバッグ
とし、そのダブルバッグの隔壁部にある連通部の破壊に
よる透析製剤の調製の技術でしかなかった。これに対し
て本発明の2液混合型のCAPD製剤は、例えば従来か
らのYセットシステムでの2バッグを、透析剤用のダブ
ルバッグに代替えするだけであることより、容易に製剤
化し得る利点を有し、したがって、一方のバッグを特別
なダブルバッグとして製造しなくても良いものである。
【0016】かかる本発明のCAPD製剤を、添付図面
に基づいて具体的に説明すると、図1に本発明の一実施
例であるYセットシステムによる2液混合型CAPD製
剤の概略図を示した。すなわち、本発明の2液混合型C
APD製剤は、3方分岐コネクターであるY字型のコ
ネクター4に、接続チューブ5および6を介して製剤用
バッグ2ならびに排液用バッグ3が繋がれており、また
コネクター4には腹腔カテーテル(図示せず)に接続さ
れる送液用チューブ7が繋がれている2バッグ式連続携
帯式腹膜透析製剤において、製剤用バッグ2および排液
用バッグ3の両方のバッグ内に、腹膜透析剤となる内容
薬剤8および9が充填されているものである。なお、図
中10は腹膜透析剤に必要な薬剤を添加するための薬剤
混注口であり、11は本発明のCAPD製剤における送
液用チューブの保護キャップ付コネクターであり、12
および13はクランプである。
【0017】かかる構成を有する本発明の2液混合型C
APD製剤にあっては、その使用時において、製剤用バ
ッグ2と排液用バッグ3の両者に充填されている腹膜透
析剤である内容薬剤8、9は、クランプ12および13
を解放することにより一方のバッグである製剤用バッグ
2内に移行され、このバッグ2が透析液充填用バッグと
なり、内容薬剤が移行した後の空となった他方のバッグ
3は排液用バッグとして機能することとなる。
【0018】さらに本発明は別の実施態様として、上記
した従来の2バッグの連結を3方分岐コネクターである
Y字型のコネクター(Yセットシステム)で行っていた
ものに代え、4方の連結部を有する4方分岐コネクター
とし、その4方の連結部を有するコネクターのうちの製
剤用バッグ、排液用バッグ、および送液用チューブを繋
いだ3方以外の残りの1方の連結部に薬剤の混注口を設
けてやれば、腹膜透析剤を充填した両バッグには、なん
ら特別の薬剤混注口を設ける必要のないこと、したがっ
て、両バッグは実質的に同一のシンプルなバッグを使用
することができることに基づく、4方分岐コネクターを
使用した2液混合型CAPD製剤を提供する。
【0019】すなわち、本発明が提供する2液混合型の
CAPD製剤としての最も好ましい実施態様とし、2バ
ッグ式連続携帯式腹膜透析用バッグ連結体における分岐
コネクターを4方の連結部を有する4方分岐コネクター
とし、そのうちの1方の連結部に薬剤の混注口を設け、
4方分岐コネクターの他の連結部に繋がれた製剤用バッ
グおよび排液用バッグの両方のバッグ内に内容薬剤を充
填した2液混合型連続携帯式腹膜透析製剤を提供する。
【0020】なお、この最も好ましい態様におけるCA
PD製剤にあっても、製剤用バッグおよび排液用バッグ
の両者に充填される内容薬剤としては、同一の腹膜透析
剤であってもよく、さらにそのいずれか一方のバッグに
ブドウ糖含有液を充填し、他方のバッグに緩衝剤含有液
を充填するか、あるいはまた、いずれか一方のバッグに
カルシウム含有液を充填し、他方のバッグに重曹含有液
を充填したものであってもよい。
【0021】かかる本発明の最も好ましい実施態様にお
けるCAPD製剤を、添付図面に基づいて具体的に説明
すると、図2にその4方分岐コネクターシステムによる
2液混合型CAPD製剤の概略図を示した。すなわち、
本発明の別の態様における2液混合型CAPD製剤21
は、4方分岐コネクターである例えばH型のコネクター
24には、接続チューブ25および26を介して製剤用
バッグ22ならびに排液用バッグ23が繋がれており、
また4方分岐コネクター24には腹腔カテーテル(図示
せず)に接続される送液用チューブ27が繋がれてお
り、さらに腹膜透析剤に必要な薬剤を添加するための薬
剤混注口30を独立して設けた2バッグ式連続携帯式腹
膜透析製剤において、製剤用バッグ22および排液用バ
ッグ23の両方のバッグ内に、腹膜透析剤となる内容薬
剤28および29が充填されているものである。なお、
図中において31は本発明のCAPD製剤における送液
用チューブの保護キャップ付コネクターであり、32お
よび33はクランプである。
【0022】この場合の4方分岐コネクター24は、例
えばH型の構成である4方連結部を有する分岐構造とさ
れたものであるが、その形状はかかるものに限定され
ず、4方の連結部を有するものであれば、例えば分岐構
造が直交ないし斜交したX型、十字型のもの、対向した
H型のもの、さらにはこれ以外の分岐を確保する例えば
K型のもの、あるいはこれらに類する分岐構造を有する
ものであってもよい。
【0023】この別の実施例に基づく本発明の2液混合
型CAPD製剤にあっても、その使用時においては、前
記したYセットシステムと同様に、製剤用バッグ22と
排液用バッグ23の両者に充填されている腹膜透析剤で
ある内容薬剤28、29は、クランプ32および33を
解放することにより一方のバッグである製剤用バッグ2
2内に移行され、このバッグ22が透析液充填用バッグ
となり、内容薬剤が移行した後の空となった他方のバッ
グ23は排液用バッグとして機能することとなる。
【0024】特に、この実施例に基づく本発明の2バッ
グ式2液混合型CAPD製剤にあっては、従来の3方分
岐コネクターによるYセットシステムでは、製剤用バッ
グに特別の薬剤混注口を設けなくてはならなかったもの
を、4方分岐コネクターのひとつの連結部に独立して薬
剤混注口を設けたことより、両バッグは実質的に同一の
シンプルなバッグを使用することができること、さらに
は、薬剤内容物が製剤用バッグと排液用バッグの両者に
充填されていることより、バッグ内部に特別なエンボス
加工を施す必要がない等の利点を有するものである。
【0025】以上の如く本発明が提案する2液混合型C
APD製剤においては、上記したようにその一態様とし
ては、製剤用バッグ(第1のバッグ)ならびに排液用バ
ッグ(第2のバッグ)の両者に、同一の腹膜透析剤が充
填される。そのような腹膜透析剤としては、例えば一液
型腹膜潅流液製剤があり、具体的には、浸透圧物質とし
てのブドウ糖濃度が1〜10%であり、電解質濃度とし
てナトリウムイオン濃度が10〜160mEq/L、カ
ルシウムイオン濃度が0〜5mEq/L、マグネシウム
イオン濃度が0〜5mEq/L、塩素イオン濃度が10
〜160mEq/L、カリウムイオン濃度が0〜20m
Eq/Lさらに緩衝剤としての乳酸、酢酸、炭酸、クエ
ン酸、グルコン酸ならびにその塩であるアルカリ化剤の
濃度が10〜60mEq/Lに調製され、輸液製剤のp
Hが6〜8である透析製剤である。
【0026】そのような透析製剤としてのより具体的な
ものは、例えば、ペリソリタ(商品名/清水製薬製)、
ダイアニール(商品名/バクスター製)、ダイアニール
PD(商品名/バクスター製)、ペリセート(商品名/
日本メディカルサプライ製)、ペリトリック(商品名/
テルモ製)のような各種のCAPD製剤と同様のものを
挙げることができる。
【0027】一方、本発明が提案する2液混合型CAP
D製剤の別の態様においては、第1のバッグならびに第
2のバッグのいずれか一方にブドウ糖含有液が充填さ
れ、他方に緩衝剤含有液が充填され、使用時に両者が混
合されるいわゆる二液型(すなわち、用時調製型)腹膜
透析液製剤がある。この種の二液型腹膜透析剤として
は、特にブドウ糖含有液と、乳酸または乳酸ナトリウム
である緩衝剤溶液とを個別に収納し、両者を混合した場
合に上記したブドウ糖濃度を確保し、かつ電解質濃度な
らびに緩衝剤濃度となるように調製された腹膜潅流液と
しての透析剤を挙げることができる。
【0028】そのような二液型腹膜透析剤のより具体的
な例としては、例えば特開平3−195561号公報、
特開平7−500992号公報あるいは特開平8−13
1542号公報に開示される腹膜透析製剤が挙げられ
る。さらに、本出願人により全く新たに提案される、例
えば、第1液であるブドウ糖含有液としてはブドウ糖を
5〜50%含有し、かつ乳酸緩衝液によりそのpHが3
〜5に調製された溶液であり、第2液であるアルカリ化
剤含有溶液としての乳酸、酢酸、炭酸、重炭酸、クエン
酸、ピルビン酸の塩を含有し、第1液のブドウ糖含有溶
液に対するpH調整液としてpHが8〜13の値を有
し、両者が混合された場合に得られる製剤溶液中のブド
ウ糖濃度が1〜10%となり、かつそのpHが6〜8の
範囲になるよう調整された腹膜透析液である二液型腹膜
透析液製剤であってもよい。
【0029】更にまた、本発明が提案する2液混合型C
APD用製剤の別の態様においては、第1のバッグなら
びに第2のバッグのいずれか一方にカルシウム含有溶液
が充填され、他方に重曹含有液が充填され、使用時に両
者が混合される中性の重曹タイプの二液製剤(例えば、
特公平7−41071号公報)であってもよい。
【0030】上記した腹膜透析剤が2バッグシステムの
第1のバッグならびに第2のバッグの両者に充填された
本発明の2液混合型CAPD製剤は、高圧蒸気滅菌され
た後、腹膜透析液としての使用時において、一方のバッ
グが透析液充填用バッグとなるように腹膜透析剤が混合
され、これにより他方のバッグが空バッグとしての排液
用のバッグとなる構成を有する製剤である。
【0031】以下に本発明が提供する2液混合型CAP
D製剤の具体的製剤例を示す。 製剤例1 市販されているCAPD用の、いわゆる排液バッグ(Y
セットシステム)を利用して2バッグシステムを作成し
た。腹膜透析剤としては、一液型腹膜潅流液であるペリ
ソリタG(商品名/清水製薬製)とほぼ同様の処方とな
る溶液2,000mlを使用した。各バッグへの充填量
は以下のとおりとした。 (1)第1のバッグ:1,000ml充填 (2)第2のバッグ:1,000ml充填 各バッグへの充填をした後、高圧蒸気滅菌をし、2液混
合型CAPD製剤を得た。
【0032】製剤例2 製剤例1と同様に市販されているCAPD用の、いわゆ
る排液バッグ(Yセットシステム)を利用して2バッグ
システムを作成した。腹膜透析液としては、二液型腹膜
透析剤として以下の溶液をそれぞれのバッグ中に充填し
た。 (1)第1のバッグ:ブドウ糖含有液 ブドウ糖を10%含有し、更にそこに塩化カルシウム
1.028gを添加し、乳酸および乳酸ナトリウムにて
pHを3.7に調整した溶液500ml。 (2)第2のバッグ:アルカリ化剤含有液 乳酸ナトリウム11.95g、塩化マグネシウム0.6
8g、塩化ナトリウム7.17gを添加し、更にそのp
Hを9.8となるように炭酸水素ナトリウムで調整した
溶液1,500ml。各バッグへの充填をした後、高圧
蒸気滅菌をし、2液混合型CAPD製剤を得た。
【0033】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明はCAP
D製剤としての2バッグシステムにおいて、製剤用バッ
グと排液用バッグの両者に腹膜透析剤である内容薬剤を
充填しておき、腹膜透析剤の使用時に一方のバッグに両
バッグ内の透析剤を移行させ、透析液充填用バッグとす
るものである。
【0034】したがって、かくすることにより得られる
本発明のCAPD製剤は、高圧蒸気滅菌にあたって空
バッグ内部のブロキングを防止するための特別のエンボ
ス加工は必要のないこと、さらに透析液充填用バッグ
をダブルバッグとする場合に比較して大きなものとする
必要がないこと、また、特別のダブルバッグ構造を必
要としないこと等により、CAPD用製剤のコスト低減
につながること等の利点を有するものである。
【0035】さらに、製剤用バッグと排液用バッグの両
者を、薬剤の混注口を設けた4方分岐コネクターで繋ぐ
ことにより、両バッグには特別の薬剤の混注口を必要と
しない、まったく同一の単純なバッグを使用することで
足り、したがってCAPD製剤のコスト低下につなが
り、医療上の貢献度は多大なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2液混合型CAPD製剤の一実施例を
示す該略図である。
【図2】本発明の2液混合型CAPD製剤の別の実施例
を示す該略図である。
【符号の説明】
1 本発明の2液混合型CAPD製剤 2 製剤用バッグ 3 排液用バッグ 8 内容薬剤(透析製剤) 9 内容薬剤(透析製剤) 10 薬剤混注口 21 本発明の2液混合型CAPD製剤 22 製剤用バッグ 23 排液用バッグ 28 内容薬剤(透析製剤) 29 内容薬剤(透析製剤) 30 薬剤混注口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製剤用バッグおよび排液用バッグを有す
    る、2バッグ式連続携帯式腹膜透析製剤において、充填
    される内容薬剤を、製剤用バッグおよび排液用バッグの
    両方のバッグ内に充填してなることを特徴とする2液混
    合型連続携帯式腹膜透析製剤。
  2. 【請求項2】 製剤用バッグおよび排液用バッグの両者
    に充填される内容薬剤が、同一の腹膜透析剤である請求
    項1記載の2液混合型連続携帯式腹膜透析製剤。
  3. 【請求項3】 製剤用バッグならびに排液用バッグのい
    ずれか一方にブドウ糖含有液を充填し、他方に緩衝剤含
    有液を充填した請求項1記載の2液混合型連続携帯式腹
    膜透析製剤。
  4. 【請求項4】 製剤用バッグならびに排液用バッグのい
    ずれか一方にカルシウム含有液を充填し、他方に重曹含
    有液を充填した請求項1記載の2液混合型連続携帯式腹
    膜透析製剤。
  5. 【請求項5】 2バッグ式連続携帯式腹膜透析用バッグ
    の分岐コネクターを4方の連結部を有する4方分岐コネ
    クターとし、そのうちの1方の連結部に薬剤の混注口を
    設け、4方分岐コネクターの他の連結部に繋がれた製剤
    用バッグおよび排液用バッグの両方のバッグ内に内容薬
    剤を充填した、請求項1ないし4項のいずれか1項に記
    載の2液混合型連続携帯式腹膜透析製剤。
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