JPH1167592A - 可変コンデンサ - Google Patents

可変コンデンサ

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JPH1167592A
JPH1167592A JP23538297A JP23538297A JPH1167592A JP H1167592 A JPH1167592 A JP H1167592A JP 23538297 A JP23538297 A JP 23538297A JP 23538297 A JP23538297 A JP 23538297A JP H1167592 A JPH1167592 A JP H1167592A
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electrodes
voltage
inductor
capacitance
variable capacitor
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Hiroshi Kawashima
寛 川嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電圧印加用電極への電源の確保を容易にする。
広範囲の温度条件で使用できる。強誘電体以外の誘電体
を用いて構成できる。 【解決手段】誘電体11と容量引出し用電極12,13
と電圧印加用電極14,15とを有する。容量引出し用
電極と電圧印加用電極とは、誘電体を挟んでそれぞれ平
行に離間して配置される。2つの容量引出し用電極の間
に2つの電圧印加用電極が配置される。電圧印加用電極
は、互いに離間して配置した複数本の線状導体16から
成る。2つの電圧印加用電極はインダクタを介して電気
的に接続される。容量引出し用電極はインダクタに直列
または並列に接続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流用の可変コン
デンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の可変コンデンサとしては、例え
ば、特公平5−19969号公報に示すようなものがあ
る。すなわち、1対の容量引出し電極の間にバイアス引
出し電極を挟み込み、各電極に外部電極を被着させて構
成され、キュリー点近傍でバイアス引出し電極に直流電
圧を印加することにより、容量を変化できるようになっ
ている。
【0003】また、従来の可変コンデンサとして、特開
平7−335490号公報に示すようなものがある。す
なわち、4つの電極を離間して配置し、各電極の間に誘
電体を挟んで成り、4つの電極は2つの容量引出し用電
極と2つの電圧印加用電極とから成り、4つの電極のう
ち少なくとも1つは、互いに離間して配置した複数本の
線状導体から成っており、2つの電圧印加用電極に電圧
を印加すると、2つの容量引出し用電極間の容量を線形
的に変化できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
5−19969号公報に示す従来の可変コンデンサで
は、容量を変化させるには、キュリー点近傍に温度を維
持しなければならず、使用条件が制限されるという問題
点があった。また、この従来の可変コンデンサでは、各
電極間の誘電体に強誘電体を使用しなければならないた
め、材料が制限されるという問題点があった。
【0005】特開平7−335490号公報に示す従来
の可変コンデンサでは、2つの容量引出し用電極間の容
量を変化させるには、2つの電圧印加用電極への印加電
圧を変化させる必要があり、その電源の確保が困難な場
合が考えられる。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、電圧印加用電極への電源の確保を
容易にして、広範囲の温度条件で使用することができ、
また、強誘電体以外の誘電体を用いて構成することがで
きる可変コンデンサを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る可変コンデンサは、4つの電極を離間
して配置し、各電極の間に誘電体を挟んで成る可変コン
デンサであって:前記4つの電極は、2つの容量引出し
用電極と2つの電圧印加用電極とから成り、前記2つの
容量引出し用電極の間に前記2つの電圧印加用電極が配
置されるかまたは前記2つの電圧印加用電極の間に前記
2つの容量引出し用電極が配置されており;前記4つの
電極のうち少なくとも1つは、互いに離間して配置した
複数本の線状導体から成り;前記2つの電圧印加用電極
はインダクタを介して電気的に接続され;前記2つの容
量引出し用電極への電圧源から前記インダクタに電圧を
印加する構成を有することを、特徴とする。
【0008】複数の線状導体から成る電極は、1つであ
っても、2つ、3つまたは4つすべてであってもよい。
線状導体から成る電極以外の電極は、通常の板状の電極
から成ってよい。複数の線状導体は、板状の誘電体に導
体箔を張り付けて成ってもよい。線状導体は、2本以
上、何本から成ってもよい。線状導体電極では、線状導
体を導線で接続してすべての線状導体に同一の電圧を印
加しても、線状導体の1本ごとまたは複数本ごとに異な
る電圧を印加してもよい。
【0009】各電極は、外側を誘電体で覆われ、各電極
に接続されたリード線を外部に突出させていることが好
ましい。4つの電極は、2つの容量引出し用電極が外側
で2つの電圧印加用電極が内側に配置されても、2つの
容量引出し用電極が内側で2つの電圧印加用電極が外側
に配置されてもよい。2つの電圧印加用電極のそれぞれ
の線状導体は、互いに対向するよう配置されても、千鳥
配置で配置されてもよい。誘電体は、強誘電体、常誘電
体、極性分子誘電体、その他、いかなる誘電体から成っ
てもよい。
【0010】4つの電極の面積および互いの間隔は、目
的に応じて、いかなる大きさであってもよい。4つの電
極は、誘電体を挟んで巻かれていても、平板状であって
もよい。インダクタは、固定式であっても可変式であっ
てもよい。
【0011】請求項1の本発明に係る可変コンデンサで
は、2つの容量引出し用電極に電圧を印加するとき、そ
の電圧源からインダクタに電圧が印加される。これによ
り、電圧印加用電極への電源の確保を容易にすることが
できる。インダクタは、加えた電圧の変化する方向とは
逆の方向に電圧を発生させ、その電圧は変化する速さに
応じた大きさになる。逆方向電圧をe、インダクタンス
をL、変化する電流をdi、変化する速さをdtで表す
とき、e=−L・di/dtの式が成立する。従って、
インダクタに交流電圧を加えたとき、その電圧の方向が
変化する瞬間に逆方向の電圧を発生させる。そして、そ
の周波数に応じて発生する逆方向電圧の大きさも変化す
る。インダクタから電圧印加用電極に印加される電圧の
大きさおよび極性は、インダクタに印加される交流電圧
の周波数に応じて変化する。
【0012】一方、コンデンサは、電圧を加えた瞬間に
その容量に応じた電流を流す。従って、交流電圧を加え
た場合、その方向の変化の瞬間に多くの電流を流すこと
になる。4つの電極を離間して配置し、各電極の間に誘
電体を挟んで成る可変コンデンサであって、4つの電極
のうち少なくとも1つが互いに離間して配置した複数本
の線状導体から成るものでは、2つの電圧印加用電極に
電圧を印加するとき、その電圧の大きさおよび極性に応
じて2つの容量引出し用電極間の静電容量を線形的に変
化させることができる。このため、2つの容量引出し用
電極およびインダクタに印加される交流電圧の周波数に
応じて、インダクタから電圧印加用電極に印加される電
圧の大きさおよび極性が変化し、容量引出し用電極間の
静電容量を変化させることができる。
【0013】このように、請求項1の本発明に係る可変
コンデンサは、2つの容量引出し用電極およびインダク
タに加える交流電圧の周波数の高低に応じて、コンデン
サの容量を増減させることができる静止形の自己制御形
可変コンデンサである。なお、請求項1の本発明に係る
可変コンデンサでは、インダクタの発生する逆方向電圧
の極性を考慮して、インダクタと電圧印加用電極との電
気的接続を行うことにより、容量引出し用電極間の容量
を増特性にも減特性にも変化させることができる。
【0014】請求項2の本発明に係る可変コンデンサ
は、請求項1の可変コンデンサにおいて、前記2つの容
量引出し用電極はそれぞれ板状であり、前記2つの電圧
印加用電極はそれぞれ平面上に並列に配置した前記複数
本の線状導体から成ってそれぞれの線状導体が互いに対
向するよう配置され、前記2つの容量引出し用電極の間
に前記2つの電圧印加用電極が配置され、各電極が平行
に配置されていることを、特徴とする。
【0015】請求項2の本発明に係る可変コンデンサで
は、複数本の線状導体から成る2つの電圧印加用電極に
電圧を印加すると、板状の2つの容量引出し用電極間の
静電容量を線形的に変化させることができる。この動作
原理は、線状導体の電極が、板状の電極間を遮らずに、
強電界を形成して板状の電極の容量に影響を与えるため
と考えられる。すなわち、線状導体から成る電圧印加用
電極に電圧を印加することにより、板状の容量引出し用
電極との接合面に集中している誘電体内の電荷を積極的
に分散させ、あるいはさらに集中させて、部分的に体積
電荷密度を小さくし、あるいは大きくし、また、誘電体
の外部電界に抗する内部反電界を助長し、あるいは打ち
消し、これらの結果、全体として誘電体の誘電率を小さ
くし、あるいは大きくすると考えられる。可変コンデン
サは、こうして、誘電体の誘電率を変化させることによ
り、容量を変化させると考えられる。
【0016】請求項3の本発明に係る可変コンデンサ
は、請求項1または2の可変コンデンサにおいて、前記
容量引出し用電極は前記インダクタに直列接続されてい
ることを特徴とする。
【0017】請求項4の本発明に係る可変コンデンサ
は、請求項1または2の可変コンデンサにおいて、前記
2つの容量引出し用電極は前記インダクタに並列に接続
されていることを特徴とする。
【0018】請求項5の本発明に係る可変コンデンサ
は、請求項1または2の可変コンデンサにおいて、前記
インダクタを2次側として誘導電圧を発生させるよう1
次側インダクタを配置し、前記容量引出し用電極は前記
1次側インダクタに直列接続されていることを特徴とす
る。請求項5の本発明に係る可変コンデンサでは、1次
側インダクタとインダクタとのコイルの巻数比の設定に
より、低周波数でも高電圧を発生させたり、逆に高周波
数でも低電圧を発生させたりすることができる。
【0019】請求項6の本発明に係る可変コンデンサ
は、請求項1または2の可変コンデンサにおいて、前記
インダクタを2次側として誘導電圧を発生させるよう1
次側インダクタを配置し、前記2つの容量引出し用電極
は前記1次側インダクタに並列に接続されていることを
特徴とする。請求項6の本発明に係る可変コンデンサで
は、1次側インダクタとインダクタとのコイルの巻数比
の設定により、低周波数でも高電圧を発生させたり、逆
に高周波数でも低電圧を発生させたりすることができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の第1
〜第8の実施の形態について説明する。図1および図2
(A)は、本発明の第1の実施の形態を示している。図
1(A),(B)に示すように、可変コンデンサ10
は、4つの電極と、誘電体11とを有している。4つの
電極は、2つの容量引出し用電極12,13と、2つの
電圧印加用電極14,15とから成っている。容量引出
し用電極12,13は、薄い板状であって、200mm
×300mmの長方形の樹脂膜の片面全体に張り付けた
アルミ箔から成る。誘電体11は、樹脂製である。
【0021】電圧印加用電極14,15は、それぞれ、
互いに離間して配置した複数本の線状導体16,16,
…から成っている。線状導体16,16,…は、太さ
0.2ミリ、長さが330ミリの鋼製の針金から成る。
電圧印加用電極14,15は、それぞれ、線状導体1
6,16,…を2.0ミリの間隔で平行に同一平面上に
配置し、各線状導体の一端を各線状導体に垂直の導線1
7で接続して構成される。
【0022】電圧印加用電極14,15は、それぞれの
線状導体16,16,…が2.0ミリの間隔をあけて互
いに対向している。電圧印加用電極14,15は、誘電
体11の中に埋め込まれている。誘電体11は容量引出
し用電極12,13の間に設けられ、容量引出し用電極
12,13と、容量引出し用電極12,13に挟まれる
電圧印加用電極14,15とは、層状をなし、誘電体1
1を挟んでそれぞれ平行に離間して配置される。容量引
出し用電極12,13の間隔は、2.5ミリである。容
量引出し用電極12,13および電圧印加用電極14,
15には、それぞれリード線18,21,19,20が
接続されている。
【0023】図2(A)に概略的に示すように、可変コ
ンデンサ10は、インダクタ22を有している。インダ
クタ22は、導線のコイルから成る。リード線19,2
0はインダクタ22の両端22a,22bに接続され、
2つの電圧印加用電極14,15はインダクタ22を介
して電気的に接続されている。リード線21はインダク
タ22の一端22bに接続され、容量引出し用電極1
2,13はインダクタ22に直列接続されている。イン
ダクタ22の一端22aには、リード線23が接続され
ている。リード線18およびリード線23には、外部向
け端子24,25が接続されている。外部向け端子2
4,25には、容量引出し用電極12,13およびイン
ダクタ22への電圧源(図示せず)が接続される。
【0024】次に、作用を説明する。可変コンデンサ1
0では、2つの容量引出し用電極12,13に外部向け
端子24,25から交流電圧を印加するとき、その電圧
源からインダクタ22に電圧が印加される。これによ
り、電圧印加用電極14,15への電源の確保を容易に
することができる。インダクタ22に交流電圧を加えた
とき、その電圧の方向が変化する瞬間に逆方向の電圧を
発生させる。図2(A)で、(+)、(−)で示す極性
は、外部向け端子24,25に〔+〕、〔−〕で示す極
性の電圧が印加されたときの、インダクタ22による逆
方向電圧の極性を表す。インダクタ22により電圧印加
用電極14に印加される電圧の極性は容量引出し用電極
12の極性と一致し、電圧印加用電極15に印加される
電圧の極性は容量引出し用電極13の極性と一致する。
このため、可変コンデンサ10では、容量引出し用電極
間12,13の容量を減特性に変化させることができ
る。そして、印加される交流電圧の周波数に応じて、発
生する逆方向電圧の大きさも変化する。インダクタ22
から電圧印加用電極14,15に印加される電圧の大き
さおよび極性は、インダクタ22に印加される交流電圧
の周波数に応じて変化する。
【0025】一方、コンデンサは、電圧を加えた瞬間に
その静電容量に応じた電流を流す。従って、交流電圧を
加えた場合、その方向の変化の瞬間に多くの電流を流す
ことになる。図1に示す4つの電極は、2つの電圧印加
用電極14,15に電圧を印加するとき、その電圧の大
きさおよび極性に応じて2つの容量引出し用電極12,
13の間の静電容量を線形的に変化させることができ
る。このため、2つの容量引出し用電極12,13およ
びインダクタ22に印加される交流電圧の周波数に応じ
て、インダクタ22から電圧印加用電極14,15に印
加される電圧の大きさおよび極性の変化に伴い、容量引
出し用電極12,13の間の静電容量を変化させること
ができる。
【0026】このように、可変コンデンサ10は、2つ
の容量引出し用電極12,13およびインダクタ22に
加える交流電圧の周波数の高低に応じて、コンデンサの
容量を増減させることができる静止形の自己制御形可変
コンデンサである。
【0027】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。図2(B)は、本発明の第2の実施の形態を
示している。図2(B)に概略的に示すように、可変コ
ンデンサ30では、第1の実施の形態の可変コンデンサ
10において、リード線19がインダクタ22の一端2
2bに接続され、リード線20が一端22aに接続され
ている点で異なっている。他の構成は、第1の実施の形
態の構成と同一のため、重複した説明を省略する。
【0028】次に、作用を説明する。可変コンデンサ3
0では、2つの容量引出し用電極12,13に外部向け
端子24,25から交流電圧を印加するとき、その電圧
源からインダクタ22に電圧が印加される。可変コンデ
ンサ30では、図2(B)に示すように、インダクタ2
2により電圧印加用電極14に印加される電圧の極性は
容量引出し用電極12の極性と反対で、電圧印加用電極
15に印加される電圧の極性は容量引出し用電極13の
極性と反対である。このため、可変コンデンサ10で
は、容量引出し用電極間12,13の容量を増特性に変
化させることができる。可変コンデンサ30は、可変コ
ンデンサ10と同様に、2つの容量引出し用電極12,
13およびインダクタ22に加える交流電圧の周波数の
高低に応じて、コンデンサの容量を増減させることがで
きる。
【0029】第1および第2の実施の形態の可変コンデ
ンサ10,30の特性をみるため、試験を行った。試験
は、可変コンデンサ10,30の外部向け端子24,2
5にそれぞれ発振器を接続し、各リード線18の中間に
電流計を接続して、発振器の交流電源の周波数を変化さ
せ、周波数ごとに電流計の値を測定して行った。なお、
容量引出し用電極12,13間の静電容量は511p
F、電圧印加用電極14,15間の静電容量は546p
F、容量引出し用電極12と電圧印加用電極14との間
の静電容量および容量引出し用電極13と電圧印加用電
極15との間の静電容量はともに4.4nF、インダク
タ22のインダクタンスは28mHであった。試験の結
果を図4に示す。
【0030】図4のグラフをみると、可変コンデンサ1
0の直列共振点は60kHz、可変コンデンサ30の直
列共振点は20kHzである。可変コンデンサ10,3
0は、ともにピークを過ぎると、急峻に電流が低下して
いる。これは、共存する並列共振点によるディップポイ
ントまでの低下と考えられるが、これを過ぎた周波数で
は再び、周波数が高くなるにつれて電流計の値は増加傾
向となっている。
【0031】可変コンデンサ10,30は、電圧印加用
電極14,15へのインダクタ22の接続極性が異なる
ほかは同様の構成を有しているが、直列共振点が大きく
異なっている。この違いから、可変コンデンサ10の容
量は小さく、可変コンデンサ30の容量は大きくなって
いると考えられる。また、理論的に、共振周波数fは、
インダクタンスL、容量Cに対し、f=1/(2π・
(L・C)1/2 )の関係にあることから、静電容量Cは
共振周波数の倍数の2乗の変化幅を有していると推察で
きる。すなわち、計算によれば、(可変コンデンサ10
の直列共振点60kHz)/(可変コンデンサ30の直
列共振点20kHz)=3であり、32 =9であること
から、可変コンデンサ30の静電容量は可変コンデンサ
10の静電容量の9倍となる。
【0032】次に、本発明の第3の実施の形態について
説明する。図2(C)は、本発明の第3の実施の形態を
示している。図2(C)に概略的に示すように、可変コ
ンデンサ40では、第1の実施の形態の可変コンデンサ
10において、1次側インダクタ41を有している点で
異なっている。1次側インダクタ41は、導線のコイル
から成る。1次側インダクタ41は、インダクタ22を
2次側として誘導電圧を発生させるようインダクタ22
と電磁的に結合されている。また、リード線21は、イ
ンダクタ22の一端22bに接続される代わりに、1次
側インダクタ41の一端41bに接続され、容量引出し
用電極12,13は1次側インダクタ41に直列接続さ
れている。リード線23は、インダクタ22の一端22
aに接続される代わりに、1次側インダクタ41の一端
41aに接続されている。2つの電圧印加用電極14,
15は、インダクタ22および1次側インダクタ41を
介して電気的に接続されている。他の構成は、第1の実
施の形態の構成と同一のため、重複した説明を省略す
る。
【0033】次に、作用を説明する。可変コンデンサ4
0では、2つの容量引出し用電極12,13に外部向け
端子24,25から交流電圧を印加するとき、その電圧
源から1次側インダクタ41に電圧が印加される。この
とき、1次側インダクタ41は、インダクタ22に誘導
電圧を発生させる。1次側インダクタ41とインダクタ
22とは変圧器の構成を有するため、インダクタ22に
は、1次側インダクタ41とインダクタ22とのコイル
の巻数比に応じて変圧された電圧が発生する。1次側イ
ンダクタ41とインダクタ22とのコイルの巻数比の設
定により、低周波数でも高電圧を発生させたり、逆に高
周波数でも低電圧を発生させたりすることができる。可
変コンデンサ40は、可変コンデンサ10と同様に、2
つの容量引出し用電極12,13および1次側インダク
タ41に加える交流電圧の周波数の高低に応じて、コン
デンサの容量を増減させることができる。可変コンデン
サ40では、容量引出し用電極間12,13の容量を減
特性に変化させることができる。
【0034】次に、本発明の第4の実施の形態について
説明する。図2(D)は、本発明の第4の実施の形態を
示している。図2(D)に概略的に示すように、可変コ
ンデンサ50では、第3の実施の形態の可変コンデンサ
40において、リード線19がインダクタ22の一端2
2bに接続され、リード線20が一端22aに接続され
ている点で異なっている。可変コンデンサ50では、容
量引出し用電極間12,13の容量を増特性に変化させ
ることができる。他の構成は、第3の実施の形態の構成
と同一のため、重複した説明を省略する。
【0035】次に、本発明の第5の実施の形態について
説明する。図3(A)は、本発明の第5の実施の形態を
示している。図3(A)に概略的に示すように、可変コ
ンデンサ60では、第1の実施の形態の可変コンデンサ
10において、リード線23がインダクタ22の一端2
2aに接続される代わりに、リード線21に接続されて
いる点で異なっている。また、リード線61がインダク
タ22の一端22aおよびリード線18に接続されてい
る点で異なっている。これにより、2つの容量引出し用
電極12,13はインダクタ22を介して電気的に接続
され、インダクタ22に並列接続される。可変コンデン
サ60では、容量引出し用電極間12,13の容量を増
特性に変化させることができる。他の構成は、第1の実
施の形態の構成と同一のため、重複した説明を省略す
る。
【0036】次に、本発明の第6の実施の形態について
説明する。図3(B)は、本発明の第6の実施の形態を
示している。図3(B)に概略的に示すように、可変コ
ンデンサ70では、第5の実施の形態の可変コンデンサ
60において、リード線19がインダクタ22の一端2
2bに接続され、リード線20が一端22aに接続され
ている点で異なっている。可変コンデンサ70では、容
量引出し用電極間12,13の容量を減特性に変化させ
ることができる。他の構成は、第5の実施の形態の構成
と同一のため、重複した説明を省略する。
【0037】次に、本発明の第7の実施の形態について
説明する。図3(C)は、本発明の第7の実施の形態を
示している。図3(C)に概略的に示すように、可変コ
ンデンサ80では、第3の実施の形態の可変コンデンサ
40において、リード線23が1次側インダクタ41の
一端41aに接続される代わりに、リード線21に接続
されている点で異なっている。また、リード線71が1
次側インダクタ41の一端41aおよびリード線18に
接続されている点で異なっている。これにより、2つの
容量引出し用電極12,13は1次側インダクタ41を
介して電気的に接続され、1次側インダクタ41に並列
接続される。可変コンデンサ80では、容量引出し用電
極間12,13の容量を増特性に変化させることができ
る。他の構成は、第3の実施の形態の構成と同一のた
め、重複した説明を省略する。
【0038】次に、本発明の第8の実施の形態について
説明する。図3(D)は、本発明の第8の実施の形態を
示している。図3(D)に概略的に示すように、可変コ
ンデンサ90では、第7の実施の形態の可変コンデンサ
80において、リード線19がインダクタ22の一端2
2bに接続され、リード線20が一端22aに接続され
ている点で異なっている。可変コンデンサ90では、容
量引出し用電極間12,13の容量を減特性に変化させ
ることができる。他の構成は、第7の実施の形態の構成
と同一のため、重複した説明を省略する。
【0039】可変コンデンサ10,30〜90は、特公
平5−19969号公報に示す従来の可変コンデンサと
は異なり、キュリー点近傍で強誘電体の物理的性質が変
化することを利用したものではないため、広範囲の温度
条件で使用することができ、また、強誘電体以外の誘電
体を用いて構成することができる。
【0040】可変コンデンサ10,30〜90は、バリ
コンと異なり、容量引出し用電極間の間隔や対向面積を
機械的に変化させるものではなく、容量引出し用電極お
よびインダクタに印加する交流電圧の周波数を変化させ
ることにより、容量を増減することができる。従って、
可変コンデンサ10,30〜90は、機械的に電極を駆
動する装置を設ける必要がなく、小容積にすることがで
きる。可変コンデンサ10,30〜90は、静止型のた
め、壊れにくい。
【0041】可変コンデンサ10,30〜90では、容
量引出し用電極間の距離、電圧印加用電極間の距離、容
量引出し用電極と電圧印加用電極との間の距離、または
電圧印加用電極の線状導体間の距離を変えたり、電極間
の誘電体の種類を強誘電体、常誘電体、極性分子誘電
体、その他の誘電体から適切に選定したりして製造する
ことにより、種々の特性の可変コンデンサを製造するこ
とができる。可変コンデンサ10,30〜90は、構造
が単純であり、大面積の製品や多積層の製品を製造する
ことができる。
【0042】可変コンデンサ10,30〜90では、適
切な固定容量コンデンサを並列に接続するか、あるいは
外部回路に直列に接続して、使用する周波数帯に応じ、
素子を付加して回路特性を調整して用いることができ
る。可変コンデンサ10,30〜90では、電圧印加用
電極に適切な容量補正用回路を接続して使用することに
より、残留分極または温度変化などによる静電容量の変
動分を補償し、容量安定度を向上させるようにしてもよ
い。
【0043】なお、可変コンデンサ10,30〜90
で、電圧印加用電極を互いに離間して配置した複数本の
線状導体から構成する代わりに、複数本の線状導体を網
目状に交差させて構成してもよい。この場合、網目の寸
法を変えることにより、電圧印加用電極への印加電圧の
単位電圧あたりの容量変化率の異なる可変コンデンサを
製造することができると考えられる。
【0044】可変コンデンサ10,30〜90は、電力
用力率改善コンデンサ、同調回路用コンデンサ、高調波
フィルター、交流スイッチ、メモリデバイスなど広範囲
の応用が可能である。また、可変コンデンサ10,30
〜90を用いて位相制御も可能である。可変コンデンサ
10,30〜90を用いることにより、応答性に優れた
電子機器を製造することが可能となる。
【0045】
【発明の効果】本発明に係る可変コンデンサによれば、
容量引出し用電極への電圧源からインダクタに電圧を印
加し、インダクタが発生する電圧を電圧印加用電極に印
加するので、電圧印加用電極への電源の確保を容易に
し、インダクタの物理的特性を利用してインダクタに印
加される交流電圧の周波数を変化させることにより静電
容量を変化させることができる。本発明に係る可変コン
デンサによれば、広範囲の温度条件で使用することがで
き、また、強誘電体以外の誘電体を用いて構成すること
ができる。
【0046】特に、請求項2の本発明に係る可変コンデ
ンサでは、容量の変化率を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の可変コンデンサの
4つの電極を示す斜視図、(B)一部拡大断面図であ
る。
【図2】概略的に示す(A)第1の実施の形態の可変コ
ンデンサの回路図、(B)第2の実施の形態の可変コン
デンサの回路図、(C)第3の実施の形態の可変コンデ
ンサの回路図、(D)第4の実施の形態の可変コンデン
サの回路図である。
【図3】概略的に示す(A)第5の実施の形態の可変コ
ンデンサの回路図、(B)第6の実施の形態の可変コン
デンサの回路図、(C)第7の実施の形態の可変コンデ
ンサの回路図、(D)第8の実施の形態の可変コンデン
サの回路図である。
【図4】本発明の第1および第2の実施の形態の可変コ
ンデンサの特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10,30〜90 可変コンデンサ 12,13 容量引出し用電極 14,15 電圧印加用電極 16 線状導体 22 インダクタ 24,25 外部向け端子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4つの電極を離間して配置し、各電極の間
    に誘電体を挟んで成る可変コンデンサであって、 前記4つの電極は、2つの容量引出し用電極と2つの電
    圧印加用電極とから成り、前記2つの容量引出し用電極
    の間に前記2つの電圧印加用電極が配置されるかまたは
    前記2つの電圧印加用電極の間に前記2つの容量引出し
    用電極が配置されており、 前記4つの電極のうち少なくとも1つは、互いに離間し
    て配置した複数本の線状導体から成り、 前記2つの電圧印加用電極はインダクタを介して電気的
    に接続され、 前記2つの容量引出し用電極への電圧源から前記インダ
    クタに電圧を印加する構成を有することを、 特徴とする可変コンデンサ。
  2. 【請求項2】前記2つの容量引出し用電極はそれぞれ板
    状であり、前記2つの電圧印加用電極はそれぞれ平面上
    に並列に配置した前記複数本の線状導体から成ってそれ
    ぞれの線状導体が互いに対向するよう配置され、前記2
    つの容量引出し用電極の間に前記2つの電圧印加用電極
    が配置され、各電極が平行に配置されていることを、特
    徴とする請求項1記載の可変コンデンサ。
  3. 【請求項3】前記容量引出し用電極は前記インダクタに
    直列接続されていることを特徴とする請求項1または2
    記載の可変コンデンサ。
  4. 【請求項4】前記2つの容量引出し用電極は前記インダ
    クタに並列に接続されていることを特徴とする請求項1
    または2記載の可変コンデンサ。
  5. 【請求項5】前記インダクタを2次側として誘導電圧を
    発生させるよう1次側インダクタを配置し、前記容量引
    出し用電極は前記1次側インダクタに直列接続されてい
    ることを特徴とする請求項1または2記載の可変コンデ
    ンサ。
  6. 【請求項6】前記インダクタを2次側として誘導電圧を
    発生させるよう1次側インダクタを配置し、前記2つの
    容量引出し用電極は前記1次側インダクタに並列に接続
    されていることを特徴とする請求項1または2記載の可
    変コンデンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017535048A (ja) * 2014-09-04 2017-11-24 コメット アクツィエンゲゼルシャフト Rf電力アプリケーションのための可変電力用コンデンサ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017535048A (ja) * 2014-09-04 2017-11-24 コメット アクツィエンゲゼルシャフト Rf電力アプリケーションのための可変電力用コンデンサ
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