JPH1163990A - 航空機搭載用撮影機器の姿勢変化測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 統計処理をせず、また、撮影の諸元を計測、
記録する機器を付加せずに、航空機搭載用撮影機器の撮
影位置の姿勢変化を得る。 【構成】 参照点抽出部は映像入力部からの映像中から
第１の物体の特徴点を表わす対応点に対応して表示され
ている参照点を指定し、参照点を含むその位置近傍のデ
ータを抽出する。参照点諸元対応部は、参照点が表示す
る各対応点の位置関係を得、参照点の座標値とともに対
応付け、その箇所の識別名称を付して出力する。変化量
処理部では、対応点間の位置関係情報と前記識別名称に
より姿勢変化情報部が備える対応点に対するデータベー
スを選択するとともに、参照点の座標値により撮影開始
点からの参照点の変化量を計算する。参照点の変化量で
データ・ベースを検索し、対応点の２次元の変化量に対
応する撮影位置の３次元位置変化を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、航空機に対し相対的に
移動する物体の姿勢変化を撮影映像から算出する際に、
観測側すなわち航空機に搭載した撮影機器側の姿勢変化
による撮影映像に対する影響を除去するために撮影機器
の姿勢変化を測定するための装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】航空機に対し相対的に移動する物体の姿
勢変化量を、物体になんらかの測定機器を付加すること
なく、また小数の撮影機材の映像から、算出するには、
次のような技術が考えられる。航空機に搭載した撮影機
器の撮影位置との配置関係が予め知られている基準の対
応点を定め、これが撮影映像中に存在するように撮影す
る。なお、実空間中の対応点と区別するため、対応点を
撮影した映像中の像を参照点と称する。撮影される物体
の姿勢変化は、前記参照点からの相対移動量を算出する
ことにより得られる。

【０００３】しかしながら、上記姿勢変化の算出におい
て、映像より物体の姿勢変化量を解析するには、対応点
及び撮影位置が不動であることが条件であった。

【０００４】したがって、撮影位置自体に姿勢の変化を
伴う場合において、参照点を利用した物体の姿勢変化量
を算出する方法において、撮影位置の変化による影響を
除去するのには解析の集計結果を統計処理するか、また
は、撮影位置の姿勢変化量を計測する機器を用意し映像
に対する影響を後処理するかが考えられる。このような
場合、前者では処理結果の精度が低くなり、また、後者
では、設備の追加が必要となる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するために、統計処理をせず従って統計処理時の
誤差を含めることなく、また、撮影の諸元を計測、記録
する機器を付加するという撮影条件に対する制限を設け
ずに、参照点と撮影位置の姿勢変化知識を活用した航空
機搭載用撮影機器の姿勢変化測定装置を提供することに
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係る航空機搭載
用撮影機器の姿勢変化測定装置は、撮影機器が搭載され
る航空機の一部を構成する複数の対応点と、前記航空機
に対し相対的に移動する物体とを撮影した映像を順次入
力する映像入力部と、前記映像入力部から入力した映像
を表示し、前記対応点を表示している位置を参照点とし
て指定し、その近傍の映像データを抽出する参照点抽出
部と、前記抽出された参照点に対応する対応点間の位置
関係情報と当該参照点の座標値と当該対応点の識別名称
とを出力する参照点諸元対応部と、前記撮影機器の撮影
位置の３次元位置変化に対し、対応点を撮影映像に座標
変換した２次元の変化量をデータ・ベースとして備える
姿勢変化情報部と、前記参照点諸元対応部からの前記対
応点間の位置関係情報と前記識別名称により当該対応点
に対する前記姿勢変化情報部のデータベースを選択する
とともに、参照点の座標値により撮影開始点からの参照
点の変化量を計算し、当該参照点の変化量を対応点の撮
影映像に座標変換した２次元の変化量とみなして当該参
照点の変化量でデータ・ベースを検索し、対応点の２次
元の変化量に対応する撮影位置の３次元位置変化を出力
して開始映像から順次変化量を求める変化量処理部と、
からなるものである。

【０００７】

【作用】本発明に係る航空機搭載用撮影機器の姿勢変化
測定装置は以下のように作用する。映像入力部は解析す
る移動物体が撮影された映像を順次入力する。映像は、
撮影機器が搭載される航空機上の基準点としての対応点
と、前記航空機に対し相対的に移動する物体とを撮影し
たものである。参照点抽出部は前記映像入力部から入力
した映像を表示し、操作者は、参照点抽出部を操作し
て、その映像中から航空機の特徴点を表わす対応点に対
応して表示されている参照点を指定する。参照点が指定
されると参照点を含むその位置近傍のデータを抽出す
る。抽出された参照点のデータについて、参照点諸元対
応部は、当該参照点が表示する各対応点がどのような位
置関係にあるかを得、参照点の座標値とともに対応付
け、さらにその箇所を区別する識別名称を付して出力す
る。変化量処理部では、参照点諸元対応部からの前記対
応点間の位置関係情報と前記識別名称により姿勢変化情
報部が備える当該対応点に対するデータベースを選択す
るとともに、参照点の座標値により撮影開始点からの参
照点の変化量を計算する。このとき、当該参照点の変化
量を対応点の撮影映像に座標変換した２次元の変化量と
みなして当該参照点の変化量でデータ・ベースを検索
し、対応点の２次元の変化量に対応する撮影位置の３次
元位置変化を出力する。順次入力する映像について処理
して、撮影位置の開始映像からの時系列的な変化量を求
める。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例について図により説明
する。図１は本発明に係る航空機搭載用撮影機器の姿勢
変化測定装置の構成を示す機能ブロック図である。

【０００９】１０１は、撮影機器が搭載される航空機の
一部を構成する対応点と、前記航空機に対し相対的に移
動する物体とを撮影した映像を順次入力する映像入力
部、

【００１０】１０２は、前記映像入力部１０１から入力
した映像を表示し、前記対応点を表示している位置を参
照点として指定し、その近傍の映像データを抽出する参
照点抽出部、

【００１１】１０３は、前記抽出された参照点に対応す
る対応点間の位置関係情報と当該参照点の座標値と当該
対応点の識別名称とを出力する参照点諸元対応部、

【００１２】１０４は、前記撮影機器の撮影位置の３次
元位置変化に対し、対応点を撮影映像に座標変換した２
次元の変化量をデータ・ベースとして備える姿勢変化情
報部、

【００１３】１０５は、前記参照点諸元対応部１０３か
らの対応点間の位置関係情報と前記識別名称により当該
対応点に対する前記姿勢変化情報部１０４のデータベー
スを選択するとともに、参照点の座標値により撮影開始
点からの参照点の変化量を計算し、当該参照点の変化量
を対応点の撮影映像に座標変換した２次元の変化量とみ
なして当該参照点の変化量でデータ・ベースを検索し、
対応点の２次元の変化量に対応する撮影位置の３次元位
置変化を出力して開始映像から順次変化量を求める変化
量処理部である。

【００１４】図２は航空機から物体を投下する際の姿勢
変化を観測する装置の構成を示す図であり、図３は物体
投下時の姿勢変化を観測して撮影される映像を示す図で
ある。図２において２０１は航空機、２０２は物体とし
ての投下物体、２０３は航空の所定の場所に搭載される
撮影機器としての撮影カメラ、ａ，ｂは航空機の一部を
構成する対応点である。図３において、２０２は投下物
体、ａ’，ｂ’は前記対応点ａ，ｂの撮影画像である参
照点である。

【００１５】映像入力部１０１には、図３に示されるよ
うな映像がディジタル映像として取り込まれる。参照点
抽出部１０２は、操作者が取り込まれた映像中から参照
点ａ’，ｂ’を例えばマウスで指定すると、指定した座
標値付近の情報を特徴点として抽出処理する。

【００１６】参照点諸元対応部１０３では抽出された参
照点ａ’，ｂ’に対して撮影諸元モデル上の図２の対応
点ａ，ｂに関連属性を設定する。すなわち、参照点諸元
対応部１０３には、撮影カメラと複数の対応点との相対
位置情報（例えば、ｘ，ｙ，ｚ方向の座標）を予め格納
し、参照可能な３次元データベースのモデルデータ・ベ
ース１０３ａ（すなわち撮影諸元モデル）を備えてお
り、このモデルデータ・ベース１０３ａを前記抽出した
参照点ａ’，ｂ’の特徴点の情報で参照して、対応する
対応点ａ，ｂの相対位置情報を検索することができる。
検索した対応点ａ，ｂの相対位置情報は、前記のように
操作者にマウスで指定され対応点ａ，ｂに対応する参照
点ａ’，ｂ’の撮影映像画面上の座標値及び対応点が区
別できる識別名称が付されて、すなわち対応点ａ，ｂの
位置情報、参照点ａ’，ｂ’の座標値及び対応点の識別
名称の関連属性が設定されて出力する。識別名称には、
配列名が用いられる。

【００１７】変化量処理部１０５では、関連属性の参照
点ａ’，ｂ’の座標値により撮影開始点の初期位置から
の変化量（２次元座標値）を算出する。撮影開始点の初
期位置は、予め撮影カメラ２０３と対応点ａ，ｂとが基
準状態で撮影された参照点ａ’，ｂ’の既知の位置であ
る。また、前記参照点諸元対応部１０３からの対応点
ａ，ｂの相対位置情報と対応点の識別名称とが、姿勢変
化情報部１０４に送られ対応点ａ，ｂに関するデータ・
ベースを選択する。姿勢変化情報部１０４には、図２中
の撮影カメラ２０３の撮影位置の上下、左右及び回転な
どの姿勢を変化させた状態で対応点ａ，ｂの撮影映像上
に座標変換した２次元の変化量を予め力学的に計算して
おいた結果を対応点毎のデータ・ベースとして所有す
る。そこで、前記のように計算した参照点ａ’，ｂ’の
変化量を対応点ａ，ｂの撮影映像に座標変換した２次元
の変化量とみなして当該参照点ａ’，ｂ’の変化量でデ
ータ・ベースの対応点ａ，ｂとマッチングをとることに
より検索する。この検索により、対応点ａ，ｂの２次元
の変化量に対応する撮影位置の３次元位置変化の候補を
得る。このとき、複数の候補がある場合は、撮影開始点
からの変化の経緯（１こま前の撮影映像から極端な姿勢
の変化は生じないこと、姿勢変化情報部１０４のデータ
・ベースの計算誤差などの条件）を考慮し、候補を決定
する。決定した候補に対する撮影位置の姿勢変化をデー
タ・ベースから得る。

【００１８】以下同様にして、順次入力する映像につい
て処理して、変化量処理部１０５から撮影位置の開始映
像からの時系列的な変化量を得ることができる。

【００１９】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば観測側の
姿勢変化量を姿勢変化情報としてデータ・ベースで処理
するように構成したので、各映像上で物体の姿勢を計測
する際に事前に影響の除去、解析の集計結果の統計処理
及び撮影時の諸元を計測する装置を付加することなく安
価にでき、また、処理時間の短縮及び統計処理に伴う誤
差を含めることなく精度の高いものが得られる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る航空機搭載用撮影機器の姿勢変化
測定装置の構成を示す機能ブロック図である。

【図２】航空機から物体を投下する際の姿勢変化を観測
する装置の構成を示す図である。

【図３】物体投下時の姿勢変化を観測して撮影される映
像を示す図である。

【符号の説明】

１０１…映像入力部、１０２…参照点抽出部、１０３…
参照点諸元対応部、１０３ａ…モデルデータ・ベース、
１０４…姿勢変化情報部、１０５…変化量処理部、２０
１…航空機、２０２…投下物体（物体）、２０３…撮影
カメラ（撮影機器）、ａ，ｂ…対応点、ａ’，ｂ’…参
照点。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 舩木 達哉 神奈川県鎌倉市上町屋345番地 三菱プレ シジョン株式会社内 (72)発明者 寺嶋 正勝 神奈川県鎌倉市上町屋345番地 三菱プレ シジョン株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 撮影機器が搭載される航空機の一部を構
   成する複数の対応点と、前記航空機に対し相対的に移動
   する物体とを撮影した映像を順次入力する映像入力部
   と、 前記映像入力部から入力した映像を表示し、前記対応点
   を表示している位置を参照点として指定し、その近傍の
   映像データを抽出する参照点抽出部と、 前記抽出された参照点に対応する対応点間の位置関係情
   報と当該参照点の座標値と当該対応点の識別名称とを出
   力する参照点諸元対応部と、 前記撮影機器の撮影位置の３次元位置変化に対し、対応
   点を撮影映像に座標変換した２次元の変化量をデータ・
   ベースとして備える姿勢変化情報部と、 前記参照点諸元対応部からの前記対応点間の位置関係情
   報と前記識別名称により当該対応点に対する前記姿勢変
   化情報部のデータベースを選択するとともに、参照点の
   座標値により撮影開始点からの参照点の変化量を計算
   し、当該参照点の変化量を対応点の撮影映像に座標変換
   した２次元の変化量とみなして当該参照点の変化量でデ
   ータ・ベースを検索し、対応点の２次元の変化量に対応
   する撮影位置の３次元位置変化を出力して開始映像から
   順次変化量を求める変化量処理部と、からなることを特
   徴とする航空機搭載用撮影機器の姿勢変化測定装置。