JPH1162625A - ガスタービンエンジン - Google Patents

ガスタービンエンジン

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JPH1162625A
JPH1162625A JP24625997A JP24625997A JPH1162625A JP H1162625 A JPH1162625 A JP H1162625A JP 24625997 A JP24625997 A JP 24625997A JP 24625997 A JP24625997 A JP 24625997A JP H1162625 A JPH1162625 A JP H1162625A
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JP
Japan
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back plate
turbine
rotor
annular groove
turbine engine
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JP24625997A
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Inventor
Hirohiko Maekawa
裕彦 前川
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】タービン段からコンプレッサ段への断熱性に優
れたガスタービンエンジンを提供する。 【解決手段】ラジアルコンプレッサインペラ12と、ロ
ータ外径が背板外径より大きいラジアルタービンロータ
11とが背板合わせの状態でシャフト13に設けられ、
これらタービンロータ11とコンプレッサインペラ12
との間にバックプレート43が設けられたガスタービン
エンジン1であり、バックプレート43のタービン側で
あって、タービンロータの背板外径縁11bとロータ外
径縁11aとの間の位置に、バックプレート43のター
ビン側の表面と背板の背面縁との間隙47に対して同等
以上の深さを有する環状溝46が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンエン
ジンに関し、特にタービン段からコンプレッサ段への断
熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のガスタービンエンジンとしては、
例えば特開平2−238,132号公報に開示されたも
のが知られている。図7はこのガスタービンエンジンの
主要縦断面図、図8は燃焼器3とレキュペレータ(回収
熱交換器)5とのプレナムチャンバ27への取付構造を
示す分解斜視図である。
【0003】この種のガスタービンエンジン1は、コン
プレッサ2、燃焼器3、タービン4およびレキュペレー
タ5の基本コンポーネントから成り立っている。
【0004】概略を説明すると、まず燃焼器3の端部に
取り付けられたキャップ35には、燃料噴射弁6と点火
栓7とが取り付けられており、後述するコンプレッサ2
からの圧縮空気と燃料噴射弁6から噴射された燃料との
混合気を点火栓7で燃焼させる。この燃焼器3から流出
した燃焼ガスは、図中矢印で示されるように、プレナム
チャンバ27と断熱材33とで画成された流路28を通
り、さらにタービンハウジング外周壁34との間で渦巻
き状に画成された流路29を通ってタービンロータ11
に導かれる。そして、このタービンロータ11で膨張
し、当該タービンロータ11に回転力を付与する。な
お、断熱材33は、フランジ22側に接合して設けられ
ており、タービンロータ11に導かれる燃焼ガスを断熱
する。
【0005】一方、トランスミッションなどの負荷に連
結されるシャフト13(連結端を14で示す。)は、一
対の軸受15で支持されており、このシャフト13に
は、燃焼器3からの高温ガスによって駆動される上記タ
ービンロータ11と、吸入空気を加圧して燃焼器3へ圧
送する遠心式コンプレッサインペラ12とが、背板合わ
せの状態で連結されている。
【0006】また、図8にも示すようにレキュペレータ
5は燃焼器3に対して並列に配置されており、プレナム
チャンバ27に形成された接合フランジ27Aにディフ
ューザ25の接合フランジ25Aが接合され、当該ディ
フューザ25の他方の接合フランジ25Bにレキュペレ
ータ5が接合されている。これにより、これら燃焼器3
とレキュペレータ5とを共に覆うチャンバ21が形成さ
れ、コンプレッサ2から吐出した低温圧縮空気は、図中
矢印で示されるように、フランジ22に形成された環状
流路23を通ってチャンバ21内に流入し、さらにこの
チャンバ21内を通ってレキュペレータ5に導かれるこ
とになる。
【0007】上述したタービン4から排出された高温排
気ガスは、タービンハウジング26からディフューザ2
5を介してレキュペレータ5に流入する。このレキュペ
レータ5は、タービン4から排出される排気ガスの流れ
方向に沿って配置され、当該レキュペレータ5には、タ
ービン4から送られる高温排気ガスを通過させるための
流路(図示せず)がシャフト13の回転方向に形成され
ている。また、レキュペレータ5には、上述したコンプ
レッサ2から送られる低温圧縮空気を通過させる流路
が、排気ガス流路に対して伝熱壁を介して平行に対向す
るように形成されており、コンプレッサ2からの低温圧
縮空気に排気ガスの熱を吸収し、高温となった圧縮空気
を燃焼器3に送り込むことで、燃料消費率を減らすよう
になっている。
【0008】レキュペレータ5には、チャンバ21内に
開口する流入口5Aが形成されており、この流入口5A
からレキュペレータ5内に流入した低温圧縮空気は、こ
こで高温の排気ガスから熱を吸収する。このようにして
レキュペレータ5を通って加熱された圧縮空気は、ヘッ
ダ5Cで曲げられたのち接合フランジ5Bを介して燃焼
器3に流入する。
【0009】なお、ガスタービンエンジンに用いられる
レキュペレータ5としては、本例で示した対向式レキュ
ペレータの他、排気ガスと低温圧縮空気とが互いに直交
して交差する直交流式レキュペレータなどが知られてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のガスタービンエンジンにあっては、タービン
段の燃焼ガスの熱の一部が、背板合わせとなっているコ
ンプレッサ段に伝わり、これがコンプレッサ段における
圧縮行程にある吸入空気に伝わって当該コンプレッサの
圧縮効率を低下させるという問題があった。
【0011】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、タービン段からコンプレッ
サ段への断熱性に優れたガスタービンエンジンを提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載のガスタービンエンジンは、ラジアル
コンプレッサインペラと、ロータ外径が背板外径より大
きいラジアルタービンロータとが背板合わせの状態でシ
ャフトに設けられ、これらタービンロータとコンプレッ
サインペラとの間にバックプレートが設けられたガスタ
ービンエンジンにおいて、前記バックプレートのタービ
ン側であって前記タービンロータの背板外径縁とロータ
外径縁との間の位置に、前記バックプレートのタービン
側の表面と前記背板の背面縁との間隙に対して同等以上
の深さを有する環状溝が形成されていることを特徴とす
る。
【0013】バックプレートのタービン側の表面と前記
背板の背面縁との間隙に存在する燃焼ガスは、シャフト
に近いほど周方向速度が遅く、背板外径縁より外周では
タービンロータの回転速度に近い周方向速度を有する。
したがって、背板外径縁より外周においては、当該間隙
内の燃焼ガスからバックプレートへの局所熱伝導率が、
内周に比べて格段に大きくなる。
【0014】ここで、バックプレートとタービン背板と
の間隙寸法を大きくすれば、当該間隙内に存在する燃焼
ガスの回転速度は小さくなるものの、こうするとコンプ
レッサインペラの出口部とタービンロータの入口部との
圧力差によって、コンプレッサインペラとバックプレー
トとの間隙と、タービンロータとバックプレートとの間
隙との間にガス漏れが発生し易くなり、ガスタービンの
性能が悪化する。
【0015】そこで、請求項1記載のガスタービンエン
ジンでは、バックプレートのタービン側であってタービ
ンロータの背板外径縁とロータ外径縁との間の位置に矩
形断面の環状溝を形成することにより、換言すれば、バ
ックプレートとタービン背板との間隙に存在する燃焼ガ
スの周方向速度が最も速く、局所熱伝導率が高くなる領
域のみ、その間隙を広げることにより、その領域の燃焼
ガスの周方向速度を遅くし、これによりタービン段から
バックプレートを介してコンプレッサ段へ流入する熱量
を低減することができる。
【0016】また、請求項1記載のガスタービンエンジ
ンでは、環状溝の深さをバックプレートのタービン側の
表面と背板の背面縁との間隙に対して同等以上の深さと
しているので、環状溝内の燃焼ガスがタービンロータ側
の燃焼ガスに連れ廻りしようとしても、環状溝内の燃焼
ガスの周方向速度は環状溝外の速度よりも十分遅くな
り、その結果、燃焼ガスからバックプレートへの熱伝達
率が減少する。
【0017】また、請求項1記載のガスタービンエンジ
ンでは、バックプレートに環状溝が形成されているの
で、当該環状溝によって燃焼ガスの熱が通過する面積が
必然的に減少することになり、これによってもバックプ
レートからコンプレッサディフューザプレートへ流入す
る熱量をさらに低減することもできる。
【0018】請求項2記載のガスタービンエンジンは、
前記環状溝は閉じられた環状の溝であって、断面形状が
矩形であることを特徴とする。
【0019】これに対して、請求項3記載のガスタービ
ンエンジンは、前記環状溝は開かれた環状の溝であっ
て、当該溝のない部分が、ロータ回転軸を中心として燃
焼器からの流入方向を0°とし、ロータの回転方向を正
方向としたときの、180°〜360°の間にあること
を特徴とする。
【0020】この請求項3記載のガスタービンエンジン
では、環状溝が開かれた溝であるため、溝内の燃焼ガス
の大部分は周方向に回転することができない。したがっ
て、燃焼ガスからバックプレートへの熱伝達率をさらに
小さくすることができる。また、燃焼器からロータ回転
方向へ0°〜180°の間、すなわち燃焼ガスが高温お
よび高速である領域を避け、180°〜360°の間に
溝のない部分が形成されているので、溝のない部分から
バックプレートへ流入する熱量を最小限に抑えることが
できる。
【0021】請求項4記載のガスタービンエンジンは、
前記環状溝の断面形状が、外周でロータ背板とバックプ
レートタービン側との間隙と同等以上の深さとなり、内
周で0となる三角形であることを特徴とする。
【0022】環状溝の断面形状を矩形とすると、タービ
ンノズルからタービンロータへ流入する燃焼ガスの一部
がバックプレートとタービン背板との間隙に漏れやすく
なるが、請求項4記載のガスタービンエンジンでは断面
形状を三角形としているので、その漏れ量を最小限に抑
えることができる。また、断面形状を三角形とする際
に、外周側を深くしているので、高温となる外周側の断
熱効果を大きく設定することができる。
【0023】請求項5記載のガスタービンエンジンは、
前記環状溝が、前記バックプレートの半径方向に複数設
けられていることを特徴とする。
【0024】環状溝の断面形状を矩形とすると、タービ
ンノズルからタービンロータへ流入する燃焼ガスの一部
がバックプレートとタービン背板との間隙に漏れやすく
なるが、請求項5記載のガスタービンエンジンでは複数
の環状溝を半径方向に設けているので、ラビリンス効果
によりその漏れ量を最小限に抑えることができる。
【0025】請求項6記載のガスタービンエンジンは、
前記環状溝に断熱材が埋設されていることを特徴とす
る。
【0026】環状溝の断面形状を矩形とすると、タービ
ンノズルからタービンロータへ流入する燃焼ガスの一部
がバックプレートとタービン背板との間隙に漏れやすく
なるが、請求項6記載のガスタービンエンジンでは環状
溝に断熱材が埋設されているので、溝がない場合と同じ
漏れ量となる。また、最も高温となる領域にのみ高価な
断熱材を設けることで、コストダウンも図ることができ
る。
【0027】
【発明の効果】請求項1および2記載のガスタービンエ
ンジンによれば、局所熱伝導率が高くなる領域のみその
間隙を広げ、その領域の燃焼ガスの周方向速度を遅くす
るので、燃焼ガスの漏れ量が増加することなく、タービ
ン段からバックプレートを介してコンプレッサ段へ流入
する熱量を低減することができる。また、環状溝内の燃
焼ガスの周方向速度は環状溝外の速度よりも十分遅くな
り、しかも環状溝によって燃焼ガスの熱が通過する面積
が必然的に減少することになるので、これによっても燃
焼ガスからバックプレートへの熱伝達率が減少する。
【0028】請求項3記載のガスタービンエンジンによ
れば、溝内の燃焼ガスの大部分は周方向に回転できない
ので、燃焼ガスからバックプレートへの熱伝達率をさら
に小さくすることができる。また、燃焼ガスが高温およ
び高速である領域を避けた位置に溝のない部分が形成さ
れているので、溝のない部分からバックプレートへ流入
する熱量を最小限に抑えることができる。
【0029】請求項4〜6記載のガスタービンエンジン
によれば、バックプレートとタービン背板との間隙への
燃焼ガスの漏れ量を最小限に抑えることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。第1実施形態 図1は本発明のガスタービンエンジンの第1実施形態を
示す、図7のX部に相当する要部断面図である。以下の
実施形態において、図1〜図6を参照して説明する部分
以外の主要コンポーネント等の構成については、便宜的
に図7および図8を参照して説明する。
【0031】本実施形態のガスタービンエンジン1は、
図7に示すようにコンプレッサ2、燃焼器3、タービン
4およびレキュペレータ5の基本コンポーネントから成
り立っており、コンプレッサ2からの圧縮空気と燃料噴
射弁6から噴射された燃料との混合気を点火栓7で燃焼
させ、この燃焼ガスをタービン4に送り込んでタービン
ロータ11を回転させ、これをシャフト13から外部へ
出力する。なお、レキュペレータ5は、燃焼ガスの廃熱
を利用して圧縮吸入空気を加熱し、燃焼器3における燃
焼効率を高めるためのコンポーネントである。
【0032】図1にも示されるように、タービン4のラ
ジアルタービンロータ11とコンプレッサ2のコンプレ
ッサインペラ12とは、これら背板合わせとした状態で
シャフト13に装着されている。タービンロータ11は
タービン背板111とロータ112とからなり、コンプ
レッサインペラ12はコンプレッサ背板121とインペ
ラ122とからなる。
【0033】また、タービン4を構成するタービンノズ
ルプレート40が、タービンロータ11の背面側に設け
られており、図2のA−A断面である図3にも示される
ように、当該タービンノズルプレート40にはタービン
4の静翼を構成する複数の翼40aが形成されている。
この複数の翼40aの間が燃焼ガスの流路40bとな
り、これによりタービンロータ11に回転力が付与され
る。
【0034】一方、コンプレッサ2を構成するコンプレ
ッサディフューザプレート41が、コンプレッサインペ
ラ12の背面に設けられており、図示は省略するが、当
該コンプレッサディフューザプレート41にはコンプレ
ッサ2の静翼を構成する複数の翼が形成されている。こ
の複数の翼の間が増速及び圧縮後の吸入空気の流路とな
り、コンプレッサインペラ12の回転により増速及び圧
縮された空気は当該コンプレッサディフューザプレート
41で運動エネルギーが圧力に変換される。
【0035】さらに本実施形態では、上述したタービン
ノズルプレート40とコンプレッサディフューザプレー
ト41との間に断熱構造部材42が介装され、図示しな
いボルトで締結されている。
【0036】タービンロータ11とコンプレッサインペ
ラ12との間には、バックプレート43が設けられてお
り、本実施形態ではコンプレッサディフューザプレート
41に一体化されている。これにより、このバックプレ
ート43とタービン背板111との間に空間44が形成
され、バックプレート43とコンプレッサ背板121と
の間に空間45が形成される。
【0037】特に本実施形態では、バックプレート43
のタービンロータ11側の面に、矩形の断面形状を持つ
環状溝46が全周にわたって設けられている。この環状
溝46は、その半径方向の位置が、ロータ112の外径
縁11aからタービン背板111の外径縁11bの間と
され、深さ49は、空間44の軸方向長さ47より大き
くされている。
【0038】次に作用を説明する。このような背板合わ
せのガスタービンエンジン1においては、タービン4の
熱がコンプレッサ2へ流入し易く、吸入空気が圧縮行程
の途中で加熱され、コンプレッサ2の性能が低下すると
いった問題がある。
【0039】しかしながら、本実施形態では、バックプ
レート43のタービンロータ11側の面に、環状溝46
が全周にわたって設けられており、当該環状溝46の半
径方向位置は、ロータ112の外径縁11aからタービ
ン背板111の外径縁11bの間とされている。
【0040】ここで、燃焼器3からタービンノズルプレ
ート40に導かれた燃焼ガスの一部が空間44内へ流入
するが、この燃焼ガスは、バックプレート内径縁48か
らタービン背板111の外径縁11bまでの間では、タ
ービンロータ11の回転速度の約1/2の周方向速度を
有するのに対し、タービン背板111の外径縁11bよ
り外周では、タービンロータ11の回転速度に近い周方
向速度を有することになる。したがって、タービン背板
111の外径縁11bより外周では、空間44内の燃焼
ガスからバックプレート43へ伝わる局所熱伝達率が、
内周よりも2倍以上高くなる。
【0041】尤も、空間44の軸方向長さ47をバック
プレート内径縁48から外径縁までわたって大きくする
と、空間44の燃焼ガスの回転速度は小さくなるが、こ
うするとコンプレッサインペラ12の出口50とタービ
ンロータ11の入口51との圧力差に応じた方向に、空
間44と45とを結ぶ漏れ流れが発生し易くなり、ガス
タービン4の性能が悪化する。
【0042】そこで本実施形態では、環状溝46を形成
することにより、ロータ111の外径縁11aからター
ビン背板112の外径縁11bの間の流路部分のみ、そ
の間隙を広げ、最も周速が速く高温ガスの流れと直接対
向する部位でバックプレート43へ流入する熱量を低減
する。
【0043】この場合、環状溝46内の燃焼ガスもター
ビンロータ11側の燃焼ガスに引きずられて回転する
が、環状溝46の深さ49を空間44の軸方向長さ47
より大きくとることにより、環状溝46内の周方向速度
は溝46の外の速度の半分程度となる。よって、環状溝
46がない場合に比較し、空間44の燃焼ガスからバッ
クプレート43への熱伝達率が減少し、バックプレート
44の温度を下げることができる。その結果、空間45
を介して、コンプレッサインペラ12に流入する熱量が
低減され、コンプレッサインペラ12の温度を下げるこ
とにより、コンプレッサインペラ12を通過中の空気6
3への加熱量が低減され、コンプレッサ効率が向上する
ことになる。
【0044】さらに、コンプレッサインペラ12の温度
を下げることは、材料の強度を上げることにもなり、イ
ンペラの設計自由度を広げることができる。
【0045】また、環状溝46を形成することによっ
て、熱通過面積が減少することにもなるので、バックプ
レート43からコンプレッサディフューザプレート41
へ流入する熱量がさらに低減され、圧縮中の空気64へ
の加熱量が低減されることにより、コンプレッサ効率が
向上する。
【0046】第2実施形態 図2は本発明のガスタービンエンジンの第2実施形態を
示す要部断面図、図3は図2のA−A線に沿う断面図で
ある。
【0047】本実施形態では、バックプレート43上の
環状溝46が、全周ではなく、開いた状態となってお
り、かつ図3に示すように環状溝46がない部分461
の周方向位置が、ロータ回転軸を中心として燃焼器3か
らの流入方向を0°とし、ロータの回転方向を正方向と
したときに、180°〜360°の間にある。
【0048】環状溝46の周方向範囲を全周としないこ
とにより、環状溝46内の燃焼ガスの大部分は周方向に
回転することができなくなり、これにより燃焼ガスから
バックプレート43への熱伝達率をさらに下げることが
できる。
【0049】また、空間44の燃焼ガスにひきずられて
環状溝46内の燃焼ガスの一部も回転するが、環状溝4
6の深さをロータ背板111とバックプレート43との
間隙以上とすることにより、バックプレート43近傍の
ガス層は回転しなくなる。
【0050】また、ノズル出口部51の燃焼ガスの温度
分布、速度分布は、燃焼器3からの流入方向を0°と
し、タービンロータ11の回転方向を正方向としたと
き、ノズル翼間40bの流れ方向とプレナム内流れ方向
が比較的近くなり、ノズル翼間40bに流入し易い0°
〜180°の範囲で、燃焼ガス温度が高く、燃焼ガス速
度が速くなる。しかしながら、本実施形態では、環状溝
46のない部分461を、0°〜180°の範囲を避け
て180°〜360°の範囲に設定しているので、環状
溝46のない部分461からバックプレート43に流入
する熱量が最小限に抑えられ、バックプレート43の温
度を下げることができる。
【0051】第3実施形態 図4は本発明のガスタービンエンジンの第3実施形態を
示す要部断面図であり、本実施形態では、同図に示すよ
うに環状溝46の断面形状を、溝の外径側56でロータ
背板111とバックプレート43との間隙と同等以上の
深さ、溝の内径側57の深さを0とする三角形とされて
いる。この場合の環状溝46の円周方向については、上
述した第1実施形態のように閉じた状態でも、第2実施
形態のように開いた状態の何れでも良い。
【0052】第1および第2実施形態のように断面矩形
の環状溝46を設けると、ノズル66からロータ112
へ流入する燃焼ガスの一部が空間44へ流入し易くな
り、タービン性能にとってわずかなマイナスとなるが、
環状溝46を矩形断面から三角形断面とすることによ
り、その量を減少することができる。
【0053】また、外径側56は内径側57よりも空間
44の燃焼ガスの周速度および温度が高いので、三角形
断面とする場合には、外径側を深くした溝の方が断熱効
果が大きい。
【0054】第4実施形態 図5は本発明のガスタービンエンジンの第4実施形態を
示す要部断面図であり、本実施形態では、上述した環状
溝46が、バックプレート43の半径方向に複数設けら
れた環状溝46a,46bからなる。この場合の環状溝
46の円周方向については、上述した第1実施形態のよ
うに閉じた状態でも、第2実施形態のように開いた状態
の何れでも良い。また、環状溝46の断面形状は矩形で
も三角形でも良い。
【0055】既述したように、第1および第2実施形態
のように断面矩形の環状溝46を設けると、ノズル66
からロータ112へ流入する燃焼ガスの一部が空間44
へ流入し易くなり、タービン性能にとってわずかなマイ
ナスとなるが、環状溝を複数段46a,46bとするこ
とにより、ラビリンス効果が生じ、その漏れ量を減少さ
せることができる。
【0056】また、環状溝46a,46bの1つ1つの
半径方向の幅が小さくなるため、それぞれの環状溝46
a,46bの中の半径方向の2次流れを抑制することが
でき、これにより熱伝達率を低減することができる。
【0057】第5実施形態 図6は本発明のガスタービンエンジンの第5実施形態を
示す要部断面図であり、第1実施形態と同様の環状溝4
6に断熱材61が挿入され埋設されている。
【0058】第1および第2実施形態のように断面矩形
の環状溝46を設けると、ノズル66からロータ112
へ流入する燃焼ガスの一部が空間44へ流入し易くな
り、タービン性能にとってわずかなマイナスとなるが、
環状溝46に断熱材61を設けることにより、その漏れ
量が環状溝46がない場合と同等になる。
【0059】しかも、高価な断熱材61をバックプレー
ト43上で最も効果的な位置に限定して使用することに
なり、結果的にコストダウンを図ることができる。
【0060】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスタービンエンジンの第1実施形態
を示す要部断面図(図7のX部相当図)である。
【図2】本発明のガスタービンエンジンの第2実施形態
を示す要部断面図(図7のX部相当図)である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】本発明のガスタービンエンジンの第3実施形態
を示す要部断面図(図7のX部相当図)である。
【図5】本発明のガスタービンエンジンの第4実施形態
を示す要部断面図(図7のX部相当図)である。
【図6】本発明のガスタービンエンジンの第5実施形態
を示す要部断面図(図7のX部相当図)である。
【図7】従来のガスタービンエンジンを示す断面図であ
る。
【図8】従来のガスタービンエンジンを示す分解斜視図
である。
【符号の説明】
1…ガスタービンエンジン 2…コンプレッサ 3…燃焼器 4…タービン 5…レキュペレータ 6…燃料噴射弁 7…点火栓 11…タービンロータ 11a…ロータ外径縁 11b…背板外径縁 111…タービン背板 112…ロータ 12…コンプレッサインペラ 121…コンプレッサ背板 122…インペラ 13…シャフト 40…タービンノズルプレート 40a…翼 40b…流路 41…コンプレッサディフューザプレート 42…断熱構造部材 43…バックプレート 44…空間(間隙) 45…空間(間隙) 46,46a,46b…環状溝 61…断熱材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラジアルコンプレッサインペラと、ロータ
    外径が背板外径より大きいラジアルタービンロータとが
    背板合わせの状態でシャフトに設けられ、これらタービ
    ンロータとコンプレッサインペラとの間にバックプレー
    トが設けられたガスタービンエンジンにおいて、 前記バックプレートのタービン側であって前記タービン
    ロータの背板外径縁とロータ外径縁との間の位置に、前
    記バックプレートのタービン側の表面と前記背板の背面
    縁との間隙に対して同等以上の深さを有する環状溝が形
    成されていることを特徴とするガスタービンエンジン。
  2. 【請求項2】前記環状溝は閉じられた環状の溝であっ
    て、断面形状が矩形であることを特徴とする請求項1記
    載のガスタービンエンジン。
  3. 【請求項3】前記環状溝は開かれた環状の溝であって、
    当該溝のない部分が、ロータ回転軸を中心として燃焼器
    からの流入方向を0°とし、ロータの回転方向を正方向
    としたときの、180°〜360°の間にあることを特
    徴とする請求項1に記載のガスタービンエンジン。
  4. 【請求項4】前記環状溝の断面形状が、外周でロータ背
    板とバックプレートタービン側との間隙と同等以上の深
    さとなり、内周で0となる三角形であることを特徴とす
    る請求項1または3記載のガスタービンエンジン。
  5. 【請求項5】前記環状溝が、前記バックプレートの半径
    方向に複数設けられていることを特徴とする請求項1〜
    4の何れかに記載のガスタービンエンジン。
  6. 【請求項6】前記環状溝に断熱材が埋設されていること
    を特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のガスタービ
    ンエンジン。
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