JPH1160644A - 刺激応答型生分解性樹脂複合体およびその製造方法 - Google Patents

刺激応答型生分解性樹脂複合体およびその製造方法

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JPH1160644A
JPH1160644A JP22468897A JP22468897A JPH1160644A JP H1160644 A JPH1160644 A JP H1160644A JP 22468897 A JP22468897 A JP 22468897A JP 22468897 A JP22468897 A JP 22468897A JP H1160644 A JPH1160644 A JP H1160644A
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polymer gel
stimulus
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JP22468897A
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English (en)
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Kazushirou Akashi
量磁郎 明石
Akimasa Komura
晃雅 小村
Takashi Uematsu
高志 植松
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】使用時の安定性が高く、使用後に廃棄されて水
および水中または土壌中の微生物と接触することによ
り、はじめて急速に分解される特性を示す刺激応答型生
分解性樹脂粒子およびその製造方法を提供する。 【解決手段】純水の吸収によって5倍以上の体積変化を
起こす生分解性高分子ゲルを非膨潤状態とし、その非膨
潤状態において前記生分解性高分子吸水ゲルの表面に高
分子化合物を化学結合させることによって刺激応答型生
分解性樹脂複合体を製造する。高分子化合物を化学結合
させるためには、重合性モノマーをグラフト重合させれ
ばよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な生分解性樹
脂複合体およびその製造方法に関するものである。より
詳しくは、本発明は、使用されている過程ではその生分
解性が極力抑制され、廃棄時において水等との接触によ
って構造が変化し、これによって優れた生分解性を示
す、いわゆる刺激応答型の生分解特性を有する樹脂複合
体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック等の廃棄物問題に端を発し
て、土壌中等で微生物によって分解する生分解性樹脂が
注目されている。生分解性樹脂については、脂肪族ポリ
エステル等の化学合成あるいは生物合成されたもの、澱
粉やセルロース等の天然高分子を利用したもの、ポリビ
ニルアルコールやポリエーテル等の化学合成高分子等が
知られている。これらの材料は土肥義治著「生分解性高
分子材料」(工業調査会)等の成書に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】生分解性樹脂の最近の
進歩は著しいものの、生分解性付与に伴う材料設計上の
制約から、樹脂に求められる諸特性のなかで、物理的ま
たは機械的な強度が不足したり、成形性に劣る等の問題
が未だ多く存在する。また、生分解性樹脂は、使用時に
は分解したり変性したりせず安定であり、廃棄時には急
速に分解される特性を有することが好ましいが、実際に
は、従来の生分解性樹脂は、使用中において変性した
り、さらには土壌中または水中に廃棄されても、分解に
数か月或いは数年という長期を要するという問題があっ
た。
【0004】本発明は、従来の技術における上記の実情
に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的
は、使用時の安定性が高く、使用後に廃棄されて水およ
び水中または土壌中の微生物と接触することにより、は
じめて急速に分解される特性を示す、つまり刺激応答型
生分解性樹脂粒子およびその製造方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、高分子
(樹脂)の構造と生分解性の関係に着目し、鋭意検討し
た結果、水を吸収して膨潤する生分解性高分子ゲルの表
面に、他の高分子化合物を化学結合させて得られる複合
材料が、高い安定性を持つと共に、水の吸収によって高
い生分解特性を示すことを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0006】すなわち、本発明の刺激応答型生分解性樹
脂複合体は、純水の吸収によって5倍以上の体積変化を
起こす生分解性高分子ゲルの表面に高分子化合物が化学
結合したことを特徴とする。
【0007】また、本発明の刺激応答型生分解性樹脂複
合体の製造方法は、純水の吸収によって5倍以上の体積
変化を起こす生分解性高分子ゲルを非膨潤状態とし、そ
の非膨潤状態において前記生分解性高分子吸水ゲルの表
面に高分子化合物を化学結合させることを特徴とする。
この場合、生分解性高分子ゲルの形状としては、粒子
状、繊維状、フィルム状、ブロック状、中空糸状など種
々の形態をとることが可能である。また、高分子化合物
の化学結合に際しては、重合性モノマーを表面グラフト
重合することが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の刺激応答型生分解性樹脂複
合体は、生分解性高分子ゲルの少なくとも表面に異種の
高分子化合物が化学結合した構造を持つものである。図
1は、本発明の刺激応答型生分解性樹脂複合体の一例の
構造を示す模式的断面図であって、生分解性高分子ゲル
1の粒子表面に、化学結合した高分子化合物2が存在し
ていることを示す。本発明において、化学結合された高
分子化合物は、理想的にはゲル複合体の表面に存在する
ことが好ましいが、ゲル複合体の内部に部分的に存在し
ても構わない。
【0009】本発明の刺激応答型生分解性樹脂複合体を
構成する生分解性高分子ゲルとしては、セルロースエス
テル等のセルロース誘導体、セルロースとイオン性高分
子とのグラフト共重合体、セルロースエステル等のセル
ロース誘導体とイオン性高分子とのグラフト共重合体、
デンプンおよびデンプンエステル等のデンプン誘導体、
デンプンとイオン性高分子とのグラフト共重合体、デン
プン誘導体とイオン性高分子とのグラフト共重合体、海
藻由来のアガロース、カラギーナンまたはアルギン酸、
甲殻類由来のキチンまたはキトサンおよびその誘導体、
植物由来のペクチンまたはコンニャクマンナン、微生物
由来のジュランガム、キサンタンガムおよびカードラ
ン、ヒアルロン酸等の天然多糖類、天然タンパクおよび
ポリ(γ−グルタミン酸)、ポリ(ε−リジン)等のポ
リペプチド化合物、ポリビニルアルコールおよびその誘
導体、ビニルアルコール−(メタ)アクリル酸共重合体
およびその塩等の高分子が使用できる。これらのうちで
も、天然多糖類は、安価であり、生分解性が高く、生物
に対して安全である等の特長を持つので好ましく使用さ
れる。
【0010】本発明においては、これらの生分解性高分
子ゲルが純水の吸収によって5倍以上の体積変化を起こ
すことが必要である。純水の吸収によって5倍以上の体
積変化を起こさせるためには、イオン性や適度な疎水性
が必要であり、カルボキシル基およびスルホン酸基等の
酸基およびそれらの金属塩、アルキル基が導入された高
分子材料を用いるのが好ましい。具体的には、カルボキ
シメチル化セルロース、カルボキシメチル化デンプン、
スルホン酸メチル化セルロース、スルホン酸メチル化デ
ンプン等の天然多糖類とアルキルカルボン酸またはアル
キルスルホン酸とのエーテル化物、セルロース、デンプ
ン、キチン等の天然多糖類とスルホン酸とのエステル化
物、およびこれらエーテル化またはエステル化された天
然多糖類の金属塩、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のアルキル
化またはヒドロキシアルキル化天然多糖類、セルロー
ス、デンプン、キチン等の天然多糖類またはその誘導体
とポリアクリル酸、ポリマレイン酸またはポリスルホン
酸ビニル等のイオン性合成高分子とのグラフト共重合体
等があげられる。
【0011】本発明における生分解性高分子ゲルを調製
するためには、上記した高分子材料に架橋剤を添加して
化学反応によって後架橋させる方法、上記の高分子に電
子線または紫外線等のエネルギー等を照射して物理的手
法により架橋する方法、高分子を重合する段階で架橋性
モノマーを添加して重合と同時に架橋する方法等によっ
て作製することができる。これらの技術は、荻野一善等
著「ゲル」産業図書等に記載されている。架橋剤として
は、多官能カルボン酸、多官能エポキシ化合物、エピク
ロルヒドリン、多官能アルデヒド化合物、多官能イソシ
アネート化合物、メラミン化合物、多官能ハロゲン化合
物、多官能アジリジン化合物、多官能アルコール化合
物、ハロゲン化アルコール化合物、カルシウム、マグネ
シウム、鉄、銅、バリウム、ニッケル、コバルト、ルテ
ニウム等の多価金属イオン系化合物、具体的には、Zn
Cl2 、MgCl2 、MgCO3 、CaCO3 、Ca
(OH)2 等が使用可能である。また、架橋性モノマー
としては、ジビニルベンゼン等のジビニル化合物、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)
アクリレート化合物、トリ(メタ)アクリレート化合
物、テトラ(メタ)アクリレート化合物、メチレンビス
(メタ)アクリルアミド等のジ(メタ)アクリルアミド
化合物等が使用可能である。
【0012】ゲル中に添加される架橋剤または架橋性モ
ノマーの量は、0.01重量%から50重量%の範囲が
好ましく、より好ましくは0.05重量%から20重量
%の範囲である。この範囲以外では良好な物理強度をも
つ生分解性高分子ゲルが得られなかったり、目的とする
体積変化を生じる吸水量の生分解性高分子ゲルが得られ
ない。
【0013】なお、後述するように生分解性高分子ゲル
の吸水による体積変化が高いほど、より優れた生分解性
を示す。本発明における生分解性高分子ゲルの体積変化
量は5倍以上であり、好ましくは10倍以上であり、さ
らに好ましくは20倍以上である。体積変化量が5倍未
満であると、表面構造の変化が小さく、高い生分解性を
得ることが困難となる。
【0014】本発明において、生分解性高分子ゲルの形
状は、特に制限はないが、前記の如く粒子状、繊維状、
フィルム状、ブロック状、中空糸状等種々の形態をとる
ことができる。これら種々の形状を有する生分解性高分
子ゲルの作製方法としては、種々の方法を適用すること
ができる。例えば、あらかじめ架橋して調製した生分解
性高分子ゲルを形状加工する方法、および前記高分子材
料を形状加工した後に架橋する方法があげられる。ここ
で粒子形状の場合を例示すれば、高分子材料を粒子化す
る方法として、物理的または化学的に粉砕する方法また
は粒子化重合法が適用可能である。物理的に粉砕する方
法においては、マイクロナイザー、アトマイザー、遊星
ミル等の乾式粉砕機またはコロイドミル等の湿式粉砕機
を用いて生分解性高分子ゲルを粒子化すればよい。化学
的に粉砕する方法においては、高分子溶液を貧溶剤中に
混合し、撹拌して粒子状に分散させ、粒子化すればよ
い。この場合には、粒子化する過程において、または粒
子化した後に架橋することが好ましく、架橋は前記した
架橋剤を添加する方法またはエネルギー照射によって行
うことができる。一方、粒子化重合法としては、乳化重
合法、懸濁重合法、シード乳化重合法および沈殿重合法
等があげられ、高分子材料の前駆体モノマーと架橋性モ
ノマーを混合し、重合させるものである。
【0015】粒子以外の形状、例えばフィルム状、繊維
状、ブロック状等の場合、それらの形状に加工するため
には、生分解性高分子ゲルを機械的に加工する方法、架
橋前の高分子材料を鋳型を用いて形状加工したり、その
他の機械的加工手段を施した後に架橋する方法等が適用
可能である。また、生分解性高分子ゲルには、有機や無
機の各種充填材、有機顔料、無機顔料、染料または顔料
等の色材、安定剤等、各種添加剤を含有させることも可
能である。
【0016】次に、生分解性高分子ゲルの表面に高分子
化合物を化学結合させる方法について説明する。高分子
化合物を化学結合させるに際しては、複数の方法が採用
可能である。すなわち、予め反応性高分子化合物を調製
し、これを生分解性高分子ゲルと反応させる方法、生分
解性高分子ゲルに重合性モノマーのグラフト重合によっ
て高分子化合物を結合させる方法等が採用可能である。
【0017】反応性高分子化合物としては、ヒドロキシ
基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、チオー
ル基、エポキシ基、アルデヒド基、イソシアネート基、
複素環基等の反応性官能基を有するものが好ましく、こ
れらの官能基と生分解性高分子ゲル複合体に存在する同
様な反応性基とを組み合せて化学結合させることができ
る。反応性高分子化合物を例示すれば、ポリ(メタ)ア
クリル酸、(メタ)アクリル酸の共重合体、(メタ)ア
クリレート系共重合体、ポリエチレングルコール、ポリ
ビニルアルコール、ビニルアルコールの共重合体、ポリ
アリールアミン、ポリスルホン酸ビニル、スルホン酸ビ
ニルの共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミド、(メ
タ)アクリルアミドの共重合体、ポリマレイン酸、マレ
イン酸の共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
ピロリドンの共重合体、グリシジル(メタ)アクリレー
トの共重合体、ポリアミド、ポリエステル、スチレンの
共重合体、多糖類、タンパク質等のポリペプチド化合物
等が好ましく使用できる。
【0018】化学結合に際しては、種々触媒またはカッ
プリング剤を添加することも好ましい。反応性高分子化
合物の分子量は、特に限定されないが、一般に1000
から200万の範囲から適宜選択され、特に1万〜50
万の範囲が好ましい。
【0019】グラフト重合による方法としては、公知の
各種グラフト重合法を適用することができ、これらの技
術はJ.Appl.Polym.Sci.,Vol.1
9,p1257(1975年)等に記載されている。例
示すれば、セリウム塩系、フェントン試薬系、マンガン
系等のレドックス系、またはScott−xantha
tion法等のラジカルグラフト法、エネルギー照射ラ
ジカルグラフト重合法、アニオングラフト重合法、カチ
オングラフト重合法、グラフトする基体にアゾ基やパー
オキシド基等のラジカル開始点を導入したものを用いる
方法、基体にビニル基またはエポキシ基等の重合性基を
導入して重合する方法等があげられる。グラフト重合す
る重合性モノマーとしては、(メタ)アクリレート類、
(メタ)アクリル酸、スルホン酸ビニル、(メタ)アク
リルアミド、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、スチレン
およびその置換誘導体、エチレン、ブタジエン、イソプ
レン、プロピレン、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、エチレンオキシド、プロピレン
オキシド、エチレンイミン、カプロラクタム化合物、カ
プロラクトン化合物等のモノマー、ジビニルベンゼン等
のジビニル化合物、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート等のジ(メタ)アクリレート化合物、トリ(メ
タ)アクリレート化合物、テトラ(メタ)アクリレート
化合物、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等のジ
(メタ)アクリルアミド化合物、多官能エポキシド等の
架橋モノマーがあげられ、これらの1種または複数種か
ら選択される。
【0020】生分解性高分子ゲルに化学結合させる高分
子化合物の量は、生分解性高分子ゲル100重量部に対
して1から500重量部の範囲が好ましく、より好まし
くは10から200重量部の範囲である。1重量部より
も少ない場合は樹脂としての物理強度や機能が低下し、
500重量部よりも多い場合は生分解性が低下する恐れ
がある。また、化学結合される高分子化合物は、非分岐
鎖であっても分岐鎖(架橋鎖)であっても構わない。
【0021】本発明の生分解性樹脂複合体は、作製され
たままの形で使用可能であるが、集合体(成形体)とし
て使用することも可能である。集合体(成形体)とする
場合の好ましい例としては、1次形態として粒子状の樹
脂複合体を調製し、これを熱や溶剤を用いて接着する
か、或いは他の樹脂を接着剤として用いて接着したり、
例えば、ヘキサメチレンジカルボン酸塩化物等の酸塩化
物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン
化合物等を添加、反応させて粒子状の樹脂複合体同士を
化学結合させて接合することも好ましい。このとき、無
機材料等のフィラー、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、着
色剤、等を混合してもよい。
【0022】本発明の上記樹脂複合体の製造において、
特に刺激応答性を付与する為に必要なことは、生分解性
高分子ゲルの表面に高分子化合物を化学結合する際に、
その生分解性高分子ゲルを非膨潤状態にして化学結合を
行うことにある。このためには、非水系溶剤を用いて反
応を行うことが好ましい。使用可能な非水系溶剤として
は、ケトン類、エーテル類、エステル類、芳香族類、炭
化水素類、アルコール類、ハロゲン化炭化水素類、それ
らの混合物が好ましい。具体例として、アセトン、メチ
ルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢
酸ブチル、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキ
サン、メタノール、エタノール、ブタノール、塩化メチ
レン、トリクロロエタン等があげられる。
【0023】製造時に生分解性高分子ゲルを大きく膨潤
させる溶剤を用いると、生分解性高分子ゲルと化学結合
される高分子化合物が均一に混合した樹脂組成物とな
り、後述するような刺激応答型の生分解性機構が発現し
なくなってしまう。それゆえ、本願発明においては、純
水の吸収によって5倍以上の体積変化する生分解性高分
子ゲルの層と高分子化合物の層が分離された構造を形成
することが必要である。
【0024】(作用)本発明の刺激応答型生分解性樹脂
複合体の生分解作用について図を用いて説明する。生分
解には、微生物(酵素)、水が必須であり、一般的な生
分解性樹脂はいずれも親水性材料であることが知られて
いる。本発明の生分解性樹脂複合体では、図2に示すよ
うに生分解性高分子ゲル1の表面に異種の高分子化合物
が結合して形成された被覆層2′を有する複合構造をも
つ。この場合、化学結合した高分子化合物が非生分解性
である場合、生分解性が期待できず、言いかえれば、こ
の樹脂複合体は一般的な使用環境において、大量の水と
微生物とに同時に接触しない限り優れた生物学的安定性
が付与される。本発明の生分解性樹脂複合体は、図2に
示すように、廃棄時において大量の水と接触することに
よって樹脂複合体の外部から水が浸透し、樹脂複合体を
構成する生分解性高分子ゲルが吸水、膨潤し、体積が5
倍以上に膨らむ特性をもっているため、生分解性高分子
ゲルの大きさが変化することにより表面積も変化する。
この体積変化(刺激応答)によって、その樹脂複合体の
高分子化合物よりなる被覆層(表面層)2′に亀裂や空
間が生じ、生分解性高分子ゲルが露出する。その結果、
初めて多量の微生物(酵素)と接触し、反応することが
可能となり、生分解性高分子ゲルが生分解されるととも
に、樹脂を構成する高分子化合物が微小な片や粒子とし
て分解され、樹脂複合体は崩壊する。このような亀裂や
空間は、分解酵素分子の大きさより大きいことが望まし
く、一般に5nm以上の開口径をもつことが望ましい。
また、前述のように、使用される生分解性高分子ゲルの
吸水性は高い程、体積変化がより大きくなり、酵素が侵
入可能な空間が広がることから、より高い生分解性が期
待できる。
【0025】以上のように本発明の刺激応答型生分解性
樹脂複合体は、水との接触という刺激によって吸水によ
り膨潤し、これによって生分解や崩壊する応答特性を示
すものである。
【0026】
【実施例】
実施例1 (生分解性高分子ゲルの調製)多糖類系高分子として、
カルボキシメチルセルロース(BS−H:第一工業製薬
社製)100g、蒸留水1000ml、水酸化ナトリウ
ム20g、架橋剤としてエピクロヒドリン20gを混合
し、得られた粘稠溶液を60℃で6時間加熱してゲルを
調製した。得られたゲルを蒸留水とメチルアルコールで
洗浄し、乾燥した後、ミキサーとボールミルを用いて粉
砕し、その後分級することにより、粒度100μm〜5
00μmの高分子ゲル粒子約90gを得た。得られた高
分子ゲル粒子の純水吸水量を測定した結果、約180g
/g(高分子ゲル1gあたり180gの水を吸収する)
であり、体積変化量は約180倍であった。
【0027】(高分子ゲル粒子へのアクリル酸のグラフ
ト重合)窒素下において容器内に高分子ゲル粒子20g
を加え、さらに溶媒として非膨潤溶媒であるメチルエチ
ルケトン:150mlを加えて分散し、重合性モノマー
としてアクリル酸40gおよび架橋剤としてメチレンビ
スアクリルアミド0.2gを添加した後、重合開始剤と
して硝酸セリウム(IV)アンモニウム0.9g、2N硝
酸水4mlの混合液を添加して、25℃で6時間反応さ
せて、高分子ゲル粒子にアクリル酸をグラフト重合させ
て、表面にグラフト共重合体を形成した。重合終了後、
得られた試料を蒸留水で数回洗浄した。試料の乾燥重量
の増加量から、グラフト率(高分子ゲルの重量に対する
アクリル酸共重合体の重量%)は約80%であることが
認められた。また、吸湿剤としての評価を行うために、
上記の試料を5%水酸化ナトリウム水溶液に投入し、ポ
リアクリル酸部を中和処理した後、洗浄、乾燥させて乾
燥試料を調製した。
【0028】(機能評価)得られた乾燥試料の吸湿剤と
しての評価を行った。湿度約60%の空気の入った10
00mlの密閉容器に、乾燥試料の粒子10gを乗せた
シャーレーを挿入し、1時間後の湿度を測定した結果、
湿度は約40%となり優れた吸湿効果を持つことが分か
った。また、乾燥試料の粒子を室内環境下(湿度40〜
60%)で放置した際の重量の増加から、乾燥試料は自
重の約30%までの空気中の湿気(水分)を吸収するこ
とが分かった。さらに、試料の安定性を探る目的で室内
環境下で1か月間放置したが、全く変性することはな
く、安定であることが確認できた。
【0029】(生分解性の評価)試料の生分解性は、酵
素分解の代用実験によって定量評価した。試料1.0g
(乾燥重量)をpH6.0に調製したリン酸バッファー
水溶液100mlに混合し、セルロース分解酵素:セル
ラーゼ(和光純薬社製)100mgを添加し、40℃で
72時間反応させた。反応後、試料の形態はくずれて微
小な浮遊物が残存していた。分解物を濾過し、その乾燥
重量を測定したところ、約0.18gであり、この結果
から酵素分解率は82%であって、優れていることが分
かった。また、上記試料を土壌中に埋設して生分解性を
評価した結果、1か月程度でほぼ完全に消失し、従来の
生分解性樹脂に比べて高い生分解性をもつことも確認で
きた。
【0030】実施例2 (高分子ゲル粒子へのアクリル酸のグラフト重合)窒素
下において、容器内に実施例1で作製した高分子ゲル粒
子20gを加え、さらに非膨潤溶媒であるメチルエチル
ケトン:150mlに添加して分散した。重合性モノマ
ーとしてアクリル酸40gおよび架橋剤としてメチレン
ビスアクリルアミド0.028gを添加した後、重合開
始剤として硝酸セリウム(IV)アンモニウム0.9g、
2N硝酸水4mlの混合液を添加して25℃、6時間反
応させて、高分子ゲル粒子にアクリル酸をグラフト重合
させてグラフト共重合体を形成させた。これによって実
施例1の試料に比べてグラフト体の架橋剤濃度の異なる
試料を調製した。重合終了後、得られた試料を蒸留水で
数回洗浄した。試料の乾燥重量の増加量から、グラフト
率(高分子ゲルの重量に対するアクリル酸共重合体の重
量%)は約60%であることが分かった。また、吸水材
として評価するために、上記の試料を5%水酸化ナトリ
ウム水溶液に投入し、ポリアクリル酸部分を中和処理し
た後、洗浄、乾燥させた試料を調製した。
【0031】(機能評価)得られた試料について、吸水
材としての評価を行った。評価は試料0.5gを純水5
00mlに添加し、その飽和吸水量を求めた結果、吸水
重量は約280gであり、吸水量は約550g/gであ
って、グラフト前の高分子ゲルに比べて3倍程度高い吸
水性を示すことが分かり、吸水性樹脂として優れた特性
をもっていることが分かった。また乾燥状態の試料の安
定性を探る目的で室内環境下で1か月間放置したとこ
ろ、全く変性することはなく、安定であることが確認で
きた。
【0032】(生分解性の評価)試料の生分解性を実施
例1と同様にして酵素分解反応によって評価した。反応
後、試料の形態はほとんど消失した。分解物をろ過し、
その乾燥重量を測定したところ、約0.04gであり、
酵素分解率は96%であって、優れていることが分かっ
た。また、上記試料を土壌中に埋設して生分解性を評価
した結果、1か月程度でほぼ完全に消失し、従来の生分
解性樹脂に比べて高い生分解性をもつことも確認でき
た。
【0033】比較例1 この比較例は、水によって膨潤し、体積変化する高分子
ゲルを用いた場合の効果を確認するための比較実験例で
あって、水に殆ど膨潤しないセルロース粒子を用いた場
合に生分解性を示さないことを確認するものである。
【0034】(セルロース粒子へのアクリル酸のグラフ
ト重合)窒素下において、容器内にセルロース粒子(P
−Cellulose:和光純薬社製、粒度50〜20
0μm:粒子は吸水によって殆ど体積変化しないことを
確認)10gを加え、さらに溶媒としてメチルエチルケ
トン75mlを加えて分散させた。アクリル酸20gお
よび架橋剤としてメチレンビスアクリルアミド0.1g
を添加した後、重合開始剤として硝酸セリウム(IV)ア
ンモニウム0.45gと2N硝酸水2mlとの混合液を
添加して25℃で6時間反応させて、高分子ゲルの粒子
にアクリル酸をグラフト重合させた。重合終了後、試料
を蒸留水で数回洗浄した。試料の乾燥重量の増加量か
ら、グラフト率(高分子ゲルの重量に対するアクリル酸
重合体の重量%)は約50%であった。また、上記の試
料を5%水酸化ナトリウム水溶液に投入し、ポリアクリ
ル酸部分を中和処理した後、洗浄、乾燥させて試料を調
製した。
【0035】(生分解性の評価)試料の生分解性を実施
例1と同様にして酵素分解反応によって評価した。酵素
分解の結果は、処理後の試料の形態は酵素反応前と殆ど
変化が認められなかった。さらに試料をろ過し、その乾
燥重量を測定したところ、約0.96gであり、酵素分
解率は4%であって、殆ど分解しないことが分かった。
また、上記試料を土壌中に埋設して生分解性を評価した
結果、1か月後においても形態を保持し、実施例に比べ
て生分解性が低いことが分かった。この結果は、水によ
ってほぼ体積変化しないセルロース粒子を用いて実施例
1と同様にしてアクリル酸をグラフト重合させた試料で
は、実施例1および2のような生分解性を示さないこと
が確認された。
【0036】比較例2 この比較例は、高分子ゲルに高分子化合物を化学結合さ
せるプロセスに際して、高分子ゲルを膨潤させない溶媒
を用いた場合の効果を確認するための比較実験例であっ
て、高分子ゲルを膨潤させる水を用いた場合を示す。
【0037】(高分子ゲル粒子への水溶媒系におけるア
クリル酸のグラフト重合)窒素下において容器内に実施
例1で作製した高分子ゲル粒子10gを加え、さらに蒸
留水500mlを添加、分散し、アクリル酸20gおよ
び架橋剤としてメチレンビスアクリルアミド0.1gを
添加した。このとき内容物の高分子ゲルが水を吸収、膨
潤するために粘度の高いゼリー状を呈した。内容物をゆ
っくり低速回転で撹拌し、重合開始剤として硝酸セリウ
ム(IV)アンモニウム0.45gと2N硝酸水2mlと
の混合液を添加して25℃で6時間反応させて、アクリ
ル酸をグラフト共重合させた。重合終了後、試料を蒸留
水で数回洗浄した。試料の乾燥重量の増加量から、グラ
フト率(高分子ゲルの重量に対するアクリル酸共重合体
の重量%)は約90%であることが確認された。また、
上記の試料を5%水酸化ナトリウム水溶液に投入し、ポ
リアクリル酸部分を中和処理した後、洗浄、乾燥させた
試料を調製した。
【0038】(生分解性の評価)得られた試料の生分解
性を実施例1と同様にして酵素分解反応によって評価し
た。酵素分解の結果として、処理後の試料の形態は酵素
反応前と殆ど変化が認められなかった。さらに試料をろ
過し、その乾燥重量を測定すると約0.92gであり、
酵素分解率は8%と分解性が低いことが分かった。ま
た、上記樹脂を土壌中に埋設して生分解性を評価した結
果、1か月後においても形態を保持し、実施例に比べて
生分解性が低いことが分かった。
【0039】したがって、実施例1との比較から、高分
子化合物を結合させるプロセスでは高分子ゲルを膨潤さ
せない溶媒を使用することにより、高い生分解性を付与
できることが確認できた。この理由は、比較例2の試料
を分析するとカルボキシメチルセルロースゲルとアクリ
ル酸共重合体の2成分のポリマーが分子レベルで均一に
混合した構造をもち、これによって酵素分解性が低下し
たものと考える。一方、実施例1の試料では2成分が各
層として分離して形成されているため、本発明の目的と
する効果が現れ、高い分解性を示したものと考える。
【0040】実施例および比較例における酵素分解率を
まとめて表1に示す。
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明の生分解性樹脂複合体は、上記の
構成を有し、生分解性高分子ゲル1の表面に異種の高分
子化合物が結合して形成された被覆層2′を有する複合
構造をもつから、一般的な使用環境において、大量の水
と微生物とに同時に接触しない限り優れた生物学的安定
性が付与され、また、水との接触という刺激によって吸
水して膨潤し、その結果、化学結合した高分子化合物よ
りなる被覆層に亀裂が生じて生分解性高分子ゲルが露出
し、容易に生分解や崩壊を引き起こす。したがって、本
発明の生分解性樹脂複合体は、吸水材料、吸湿材料、医
療材料、吸着材料、構造材料、包装材料、その他機能性
材料として広く応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の刺激応答型生分解性樹脂複合体の一
例の構造を示す模式的断面図である。
【図2】 本発明の刺激応答型生分解性樹脂複合体が水
との接触により刺激応答体積変化を示す状態を説明する
説明図である。
【符号の説明】
1…生分解性高分子ゲル、2…化学結合した高分子化合
物、2′…被覆層。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純水の吸収によって5倍以上の体積変化
    を起こす生分解性高分子ゲルの表面に高分子化合物が化
    学結合したことを特徴とする刺激応答型生分解性樹脂複
    合体。
  2. 【請求項2】 高分子化合物が重合性モノマーのグラフ
    ト重合により形成されたものであることを特徴とする請
    求項1記載の刺激応答型生分解性樹脂複合体。
  3. 【請求項3】 純水の吸収によって5倍以上の体積変化
    を起こす生分解性高分子ゲルを非膨潤状態とし、該非膨
    潤状態において前記生分解性高分子吸水ゲルの表面に高
    分子化合物を化学結合させることを特徴とする刺激応答
    型生分解性樹脂複合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 重合性モノマーをグラフト重合すること
    により高分子化合物を化学結合させることを特徴とする
    請求項3記載の刺激応答型生分解性樹脂複合体粒子の製
    造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006225427A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Japan Atomic Energy Agency 生分解性を低下又は喪失した生分解性ポリマーの生分解性を回復させる方法
JP2006524742A (ja) * 2003-04-25 2006-11-02 ケイオウエス ライフ サイエンスイズ,インコーポレイテッド 丈夫な超多孔性ヒドロゲルの形成技術
JP2009013204A (ja) * 2007-06-29 2009-01-22 Nhv Corporation 粒子状セルロース系吸着材及びその製造方法
JP2009161768A (ja) * 2003-08-27 2009-07-23 Nippon Shokubai Co Ltd 表面処理された粒子状吸水性樹脂の製造方法
JP2016500721A (ja) * 2012-10-12 2016-01-14 カウンスィル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチCouncil Of Scientific & Industrial Research 生物分解可能な疎水性合成材料、およびこの製造プロセス

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