JPH11510727A - 脚用人工装具のためのばね装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 脚用人工装具のためのばね装置は、一方端に底部（７）と他方の開放端とを備える外部スリーブ（５）および外部スリーブ内を軸方向に摺動可能な内部スリーブ（６）を有する管状ハウジングを含む。圧縮ばね（１２）が両スリーブの内部に両スリーブの間に配置される。スリーブは、伸張位置と圧縮位置との間を往復運動できる。圧縮ばね（１２）は、伸張位置においてさえも予め定められた元応力を有するよう、選択される。

Description

【発明の詳細な説明】 脚用人工装具のためのばね装置 この発明は、脚用人工装具のためのばね装置に関する。 脚用人工装具で歩行するとき、１歩ごとに臀部および背中部にかなりの衝撃が 加えられる。残存する肢と足部とにそれぞれ取付けられる２つの部材の間に減衰 手段を設けることによって、この衝撃を減衰することが既知である。このような 減衰手段は、互いに対して軸方向に可動な２つの介装スリーブと、２つのスリー ブの内部に配置されかつ樹脂材料で作られる圧縮リングとを含む。圧縮リングは 、通常位置においては伸張し、歩行時には衝撃を吸収するよう圧縮され、解放さ れるときは再び伸張する。 人工装具用のばねが、ＤＥ ２９５ １６ ４５５ Ｕ１およびＤＥ ９１１ ２ ００５ Ｕ１に開示される。 この発明の目的は、患者の歩行運動をよりよく支持しかつさらには患者に対し て個別の調整ができるばね装置を提供することである。 この目的は、請求項１に規定されるばね装置により達成される。このばね装置 は、踵を下ろしたとき減衰作用を与えるだけでなく、爪先を押す復元力を与える 。さらに、この装置は低価格で製造可能でありしたがって広範な応用に適してい る。 この発明のさらなる発展例が従属請求項に規定される。 この発明のさらなる特徴および利点は、図面を参照しての実施例の説明から明 らかとなるであろう。 図１は、ばね装置を備える人工装具の側面図である。 図２は、ばね装置の第１の実施例の断面図である。 図３は、１代表例の断面図である。 図４は、両実施例の側面図である。 図５は、図２の代表例に対応する図である。 図６は、図３の代表例に対応する図である。 図１に示すように、脚用人工装具は、足部部材１と、概略的に示される下脚部 または腿を受ける接続部材２と、足部部材と接続部材とを接続する管状部材３と を含む。 この発明による管状部材は、ばね装置として形成される。ばね装置は、外部ス リーブ５と外部スリーブに向けて突出する部分を有する内部スリーブ６とにより 形成される管状ハウジング４を含む。外部スリーブ５の内部は円筒状に形成され る。外部スリーブ５は、その一端に底部７および底部に対向する開放端を有する 。内部スリーブ６は、外部スリーブの底部７に面する側部に開放自由端８を、そ して自由端から予め定められた距離に中間底部９を有する。自由端８に対向する 、内部スリーブ６の第２の端１０は、通常の態様での足部部材１の連結部材との 接続に適合される。圧縮ばね１２は底部７と中間底部９との間に配置される。内 部スリーブ６は、内部スリーブの予め定められた部分が外部スリーブに挿入され かつその中に軸方向に往復運動するよう、外部スリーブ５の内部の形に対応する 円筒状外部表面を有する。 図２および図４に最もよく図示されているように、外部スリーブ５は、予め定 められた長さを軸方向に延びるスロット１３を含む。外部スリーブ５は、 中間底部の領域内で内部スリーブに径方向にねじ込まれるボルト１５により外 部スリーブに固定されるキー１４を含む。キーがスロットの下端縁１６に当たる 、図２および図４に示す伸張した位置と、キーがスロットの上端縁１７に当たる 圧縮された位置との間を２つのスリーブが往復運動できるように、スロット１３ の長さおよびキー１４の軸方向寸法が選択される。自由端８から中間底部９まで の距離は、図２に示す伸張した位置において底部７と中間底部９との間に配置さ れる圧縮ばね１２の予め定められた元応力を提供するよう選択される。 図２に示すように、外部スリーブは、底部７に対向するその自由端の近くに帯 状滑り軸受１８を含む。外部スリーブ５はさらに、内部スリーブ６の自由端８の 近くかつ伸張した位置においては自由端に隣接する位置に第２の帯状滑り軸受１ ９を含む。滑り軸受１８および１９は各々テフロンまたはそれに匹敵する特性を 有する材料で作られる。さらに、ばね装置内に埃などが侵入するのを防ぐため外 部スリーブ５の自由端にＯリングシール２０が配置される。 ２つの滑り軸受１８および１９は、既知の減衰部材のばねの伸張時および圧縮 時に観察されるスティック移動現象（滑らかでないひっかかったような移動現象 ）を回避する。 図２および図４に示すばね装置は、足部部材１に取付けられる第２の端１０と 、この第２の端に対向して、接続部材２に取付けるためのフランジ２１とを有す る。動作においては、ばね１２は歩行により発生した衝撃または影響を減衰する 。ばねの元応力は単に減衰作用をもたらすだけでなく、ばねの力により伸張位置 へのばね部材の復元をもたらす。キー１４は、足部と残存する肢との間に回転が 全く生じないよう、スロット１３に沿って案内される。傾きは、第１のスリーブ 内の第２のスリーブの摺動運動により妨げられる。このように、構造的には単純 なばね装置によって脚用人工装具の使用が極めて快適になる。 図３に示すばね装置の修正された実施例は、圧縮ばね１２に加え減衰部材２２ が設けられている点においてのみ上述の実施例と異なる。このばね装置の残りの 特徴はすべて上述の第１の実施例に相当する。 減衰部材２２は、中間底部９に面する底部７の表面と、図３に示す伸張位置に おいて底部７に面する中間底部９の表面との間の距離に対応する長さを有する円 筒として形成される。円筒の直径は、圧縮ばねの中に円筒が支持されるよう、実 質的に圧縮ばね１２の内径に対応する。減衰部材２２は、ポリウレタンまたはそ れに匹敵する減衰特性を有する材料で作られることが好ましい。 動作においては、減衰部材２２は、歩行による衝撃を減衰するのを助け、一方 、ばね１２は減衰作用に貢献するとともに上述の態様で示された伸張位置にばね 部材を復元する効果に貢献する。減衰部材とばね部材との組合せによりさらに、 ばねの特性を、人工装具を装着する人の所望の歩行要件に適合させることができ る。 図５に示す実施例は、図２に示す実施例の特徴をすべて有する。加えて、ばね １２の元応力をもたらすため調整ねじ２３が設けられる。調整ねじ２３はスリー ブ５および６と同軸に延びる。ねじは、シール２６により密閉される中間底部９ 内のボアを通り、かつ、そのヘッド２４およびワッシャ２５は中間底部９の外側 部と当接する。ねじの自由端は底部７内の同様の同軸ボアを通って延び、かつ、 底部７の外側部に当接するナット２７と係合する。 図６に示す実施例は、図３の実施例の特徴をすべて有する。それに加えて、い かなる点においても図５に示す実施例に対応し、ヘッドおよびナットを備え、減 衰部材２２内の同軸ボアを通じて延びる調整ねじ２３を有する。 動作においては、ばね１２または、１２および２２それぞれの元応力が、患者 の体重および活動程度に依存して、調整ねじ２３を使用して調整される。

【手続補正書】 【提出日】１９９８年１１月６日 【補正内容】 請求の範囲 １．残存する肢用接続部材と足部部材との間に介挿される脚用人工装具のための ばね装置であって、 一方端の閉じた底部と、開放他端と、前記残存する肢用接続部材および前記足 部部材の一方への取付のための前記一方端の連結手段とを有する外部スリーブ、 前記外部スリーブ内をその軸方向に摺動するように形成される部分と、前記外 部スリーブの前記閉じた底部に面する開放端と、前記残存する肢用接続部材およ び前記足部部材の他方への取付のための他端の連結手段と、前記自由端と前記他 端との間のその内部にある当接手段とを有する内部スリーブ、 前記外部スリーブの前記閉じた底部と前記内部スリーブの前記内部当接手段と の間に配置される圧縮ばね、および 前記内部スリーブと前記外部スリーブとの間に、それらの前記開放端近くに設 けられる滑り軸受手段を含む、ばね装置。 ２．前記内部スリーブの前記外部スリーブに対する回転を防止するための案内手 段を含む、請求項１に記載のばね装置。 ３．前記案内手段は、前記スリーブの一方の中に設けられかつその軸方向に延び るスロットと、前記スリーブの他方に設けられかつ前記スロットに係合する案内 部材とを含む、請求項２に記載のばね装置。 ４．前記滑り軸受手段は、環状案内帯手段として形成される、請求項１に記載の ばね装置。 ５．第１の相対位置と第２の相対位置との間でのスリーブの摺動運動を制限する ための止め手段を含む、請求項１に記載のばね装置。 ６．前記第１の位置は、前記案内部材と前記スロットの一方端との係合により規 定され、かつ、前記第２の位置は、前記案内部材と前記スロットの他方端との係 合により規定される、請求項３および５に記載のばね装置。 ７．前記圧縮ばねの元応力をもたらしかつ調整するための調整手段を含む、請求 項１に記載のばね装置。 ８．前記調整手段は、前記第１のスリーブおよび前記第２のスリーブ内に同軸に 延びる調整ねじを含む、請求項７に記載のばね装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．脚用人工装具のためのばね装置であって、一方端の底部（７）と他方の開放 端とを備える外部スリーブ（５）を有する管状ハウジングと、 少なくとも一部分が外部スリーブ（５）内に配置されかつ外部スリーブ（５） に対し内部スリーブ（６）の軸方向摺動運動を可能にするよう寸法付けられる内 部スリーブ（６）とを含み、 前記内部スリーブは、底部（７）に面する自由開放端（８）と、自由端（８） からある距離において圧縮ばねのための当接部とを有し、前記ばね装置はさらに 、 元応力の掛けられた状態で底部（７）と当接部（９）との間に配置される圧縮 ばね（１２）を含み、 外部スリーブ（５）の底部端（７）と自由端（８）に対向する内部スリーブ（ ５）の端とは、それぞれ残存する肢接続部材（２）と足部部材（１１、１）とへ の取付のため対応する部材（１０、２１）を備える、ばね装置。 ２．２つのスリーブ（５、６）は回転運動を防止するよう互いに対し案内される ことを特徴とする、請求項１に記載のばね装置。 ３．スリーブ（５）の一方は、軸方向に延びるスロット（１３）を有し、他方の スリーブ（６）はスロット（１３）に係合する案内部材（１４）を含むことを特 徴とする、請求項２に記載のばね装置。 ４．スリーブ（５、６）は両方とも、それらのそれぞれの自由端の領域内に設け られる案内または滑り軸受（１８、１９）を含むことを特徴とする、請求項１か ら３のいずれかに記載のばね装置。 ５．滑り軸受（１８、１９）の少なくとも一方は環状案内帯として形成されるこ とを特徴とする、請求項４に記載のばね装置。 ６．第１の位置と第２の位置との間での両スリーブ（５、６）の相対運動の範囲 を定めるため、止め部（１６、１７）が設けられることを特徴とする、請求項１ から５のいずれかに記載のばね装置。 ７．スロット（１３）および案内部材（１４）の長さは、止め部（１６、１７） がそれぞれ第１の位置および第２の位置に対応するよう、寸法付けられることを 特徴とする、請求項３から６のいずれかに記載のばね装置。 ８．元応力をもたらしかつ調整するため、調整部材（２３）が設けられることを 特徴とする、請求項１から７のいずれかに記載のばね装置。 ９．調整部材は調整ねじ（２３）として形成されることを特徴とする、請求項８ に記載のばね装置。