JPH11509427A - 試料中の核酸分子の発現の同定方法および/または定量方法 - Google Patents

試料中の核酸分子の発現の同定方法および/または定量方法

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JPH11509427A JP9540517A JP54051797A JPH11509427A JP H11509427 A JPH11509427 A JP H11509427A JP 9540517 A JP9540517 A JP 9540517A JP 54051797 A JP54051797 A JP 54051797A JP H11509427 A JPH11509427 A JP H11509427A
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Abstract

(57)【要約】 試料中の核酸分子の発現を同定および/または定量するために、変更されたポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)等の変更された増幅系の使用による所望の核酸分子の分離方法および分離キット。

Description

【発明の詳細な説明】試料中の核酸分子の発現の同定方法および/または定量方法 本発明は、試料中の核酸分子の発現の同定方法および/または定量方法に関す る。具体的には、本発明は、変更されたポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)等 の変更された増幅系の使用に関する。 多くの生物学的系において、特定の遺伝子の発現の変化は、劇的な変化へ導く ことが可能であり、本当に導く。表現型的には、これらの変化は、発生の運命の 決定、細胞死および腫瘍形成を含む。よって、これらの遺伝子の同定は、明らか に非常に関心のあることである;しかしながら、発現のレベルが非常に低かった り、または発現の変化が非常に微妙であったりするため、かかる同定はしばしば 困難である。例えば、転写因子の代表である特定のmRNA分子は、10,00 0個のmRNA分子当たりただ1個のコピーとして存在する。 前述に関する問題および関心は、多くの方法論の発達へと導いてきた。これら の方法は、全て特定の利点を有しているが、また、それらは効率および適用性を 制限する欠点を示す。全ての方法の1つの主要な欠点は、それらの方法が対照と 比較して10倍以下だけ異なる少ない量の分子の簡便な同定方法を提供しないこ とである。 従来技術の方法論の第1のクラスは、「非選択的」系である。ディファレンシ ャルスクリーニングは、かかるアプローチの1つである。ディファレンシャルス クリーニングは、2つの異なるRNA集団由来の標識cDNAを用いて、2連で ライブラリーをスクリーニングする工程を伴う。プローブハイブリダイゼーショ ン後のプラークまたはコロニーの相対シグナル強度は、理論的に、プローブ集団 におけるcDNAの量の多さを示し、よって、シグナルの違いは、異なって発現 されたクローンを示すものである。 この系の問題は、多量のRNAでしか機能的でないことである。少量の種は、 ライブラリーおよびプローブ集団両方において不充分に示される。結果として、 多数のプラークまたはコロニーをスクリーニングする際に問題があり、有意なシ グナルを確保するために、長いインキュベーション時間で、極度に高い比活性の プローブを用いることを余儀なくさせる。 この型の第2の方法は、例えば、ライアン(Liang)ら、Science 257:967(1992) により記載されたディファレンシャル表示系である。この系においては、ランダ ムPCR産物は、ポリアクリルアミドゲル上での表示のために生産される。ゲル 間のパターンの簡易な視覚による比較は、量の多さの異なる種の同定を可能にす ると思われる。ディファレンシャル表示に伴う問題は、統計学的に有意な集団の 部分をカバーするために必要とされる多数のプライマー対およびシーケンシング ゲル泳動のため、極度に多大な労働力を要することである。さらに、相対的に多 量の非ディファレンシャルに発現される種に対しては、選択は用いられず、これ らの種は、目的のより少量の種の検出を不明確にするかもしれない。 前述のように議論された方法と対照的に、いわゆる選択的方法は、目的の分子 を分離するいくつかの能力を提供する。消去式ハイブリダィゼーションにおいて 、目的の集団(「テスター」集団」)由来の一本鎖cDNAまたはRNAは、過 剰量の、通常100〜1,000倍の対照集団(「ドライバー」集団」)由来の 相補的一本鎖cDNAまたはRNAとハイブリダイズされる。ドライバーとテス ター間で共有される種を示す二本鎖ハイブリッドは、混合された集団から「消去 」される。通常、これは、ハイドロキシアパタイトカラムクロマトグラフィーま たはcDNAをビオチンで標識し、次にストレプトアビジンでビオチン含有複合 体を分離すること(removal)を伴う。次に、いかなる残りのハイブリダイズしな い分子も、続く分析に用いる。この技術の概略については、ミルナー(Milner) ら、Nucleic Acid Res.23:176(1995)を参照。 しかしながら、この方法論は、限定された適用である。第一に、量の多さにお けるドライバー集団との差異が、混合された集団におけるテスターに対するドラ イバーの超過より少ないテスター集団における種は、消去の前に失われる。第2 に、ハイブリッド分子のカラムクロマトグラフィー/ビオチン抽出による「消去 」は、「負の」精製であり、所望の型よりもむしろ望まない分子の分離に依存す る。分離されないいかなる望まない分子も、続く実験を妨げるであろう。さらに 、ハイブリダイゼーションのキネティクスとして、アプローチは、しかし完了に 到達せず、ハイブリダイズしなかったいかなる望まない分子もテスター集団を汚 染するであろう。所望の種が量において少ないとき、少ない絶対量の汚染でさえ 、検出を不明確にする。 競合ハイブリダイゼーションは、消去式ハイブリダイゼーションとは対照的に 、2つのcDNAの変性集団間の競合を用いる。ドライバー/テスター鎖のヘテ ロハイブリッドまたはホモハイブリッドのいずれかが生ずる。これらのアッセイ を行うため、2つの二本鎖集団を混合し、複合体を変性し、再結合させられる。 ランダムな組合わせは、相対量に基づいた確率での再結合であると推定される。 よって、cDNA種がドライバー集団よりもテスター集団において高濃度で存在 するならば、テスターホモハイブリッドは、両集団において、等量存在するcD NA種のホモハイブリッドより多い割合のハイブリッドを作る。 いかなるテスターホモハイブリッドも分離され、選択された集団を示す。この ディファレンシャル増大は、続く競合ハイブリダイゼーションによる増大の基礎 である。 この方法論に伴う主要な問題は、効果的な増大のためのテスターホモハイブリ ッドの効果的な回収に依存することである。ドライバー:テスター比が高い場合 、テスターホモハイブリッドとして見られる分子の画分は非常に低く、精製工程 は非常に正確で、および/または頻繁に繰り返されなければならない。 競合ハイブリダイゼーション方法は、幅広い使用を見い出している。ウォン( Wang)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:11505(1991)により開示された1つ の方法は、ビオチン化されたドライバーcDNAを用い、ストレプトアビジン結 合および有機抽出により分離するものであった。ゼング(Zeng)ら、Nucleic Ac ids Res.22:7381(1994)は、テスター分子がチオール化されたヌクレオチドで 標識される方法を開示している。ホモハイブリッドのとき、これらの分子は、エ キソヌクレアーゼIIIおよびVIIによる消化に耐性である。また、オスベル(Ausub el)ら、編、Current Protocols in Molecular Biology(Wiley & Sons,N.Y.,1 995)、5.8.9〜5.8.15頁のクリックステイン(Klickstein)のさらなる方法は、 テスター分子のみに存在する適合性のある制限部位突出配列を用い、それによっ て、テスターホモハイブリッドのみのクローニングを可能にする。リジットシン (Lysitsyn)ら、Science 259:946(1993)は、PCRプライマーがテスター分子 に連結し、テスターホモハイブリッドのみが指数関数的に増幅される方法を教示 する。 ウォンおよびゼングの方法は陰性の増大であるため、両者は十分でない。99 %を超える反応効率でさえも、望まない種による汚染を妨げるのには十分でない 。クリックステインおよびリジットシンは、陽性の選択方法であるが、しかし多 大な労働力を要する。 競合ハイブリダイゼーションは、2つの追加の問題を被る。第1に、いわゆる 「コット(Cot)問題」は、二本鎖テスターホモハイブリッドのみがハイブリダイ ゼーション後に選択されるという事実に起因する。結果として、ハイブリダイゼ ーションが少量の種に十分なCot1/2値を超えて進まない場合、画分またはその大 部分は、選択中に失われる。さらに、後述で議論するように、「優先増幅」の問 題がある。 よって、試料中の核酸分子、特に少量(細胞当たり約100分子以下)で存在 するmRNA分子の改良された同定方法および/または定量方法の必要性が明ら かにある。これらの問題に取り組む本発明の方法の詳細を、以下に示す。図面の簡単な説明 図1は、本発明の態様を図で示す。 図2aは、増幅前のドライバーおよびテスター集団のオートラジオグラフを比 較する。 図2bは、4回の増幅および選択後の同一の試料を比較する。 図3は、本発明の方法を用いて同定された種が概日蓄積を示す、つまり、日中 の異なる時間に異なる濃度で存在する種が同定され得ることを示すデータを提供 する。 図4は、mRNAの定量後に得られた結果を示す。 本発明は、検出可能な結合パートナーの使用、および標的集団での切断可能ま たは分離可能配列の導入を伴う。より具体的には、標的集団を、当業者に認識さ れた技術を用いて、比較的短い二本鎖ヌクレオチド配列をその末端に付加して処 理する。これらの配列は、1つの鎖がエンドヌクレアーゼの認識部位および切断 部位であり、他の鎖がその相補鎖であるように選択される。 指示されたように試料の処理後、プライマーを添加する。プライマーは、エン ドヌクレアーゼの認識部位および切断部位を構成するヌクレオチド配列、または その5’末端で配列に付着した結合対の第1のメンバーを有するかかる配列の相 補鎖を含んでいてもよい。 次に、当業者に認識された技術を用いて、プラィマーを増幅し、 (結合パートナー)−5’切断部位(N)n−切断部位3’ 3’切断部位(N)n−切断部位5’−(結合パートナー) で示すことができる増幅された集団を作製する。 また、ドライバー集団は、その末端に付加された短い二本鎖ヌクレオチド配列 を有するように処理される。この配列は、具体的には、制限エンドヌクレアーゼ 切断部位でないように選択される。プライマーを添加するが、ドライバー試料中 のプライマー使用は、具体的には非標識である。増幅後、テスターおよびドライ バー試料を混合する。 形成するいかなるテスター:テスターハイブリッドも、ホモハイブリッド中に 結合パートナーおよび切断部位を有するであろう。かかる複合体は、第1結合パ ートナーに結合する第2結合パートナー(例えば、(ストレプト)アビジンビオ チン−抗原−抗体、アクテン−炭水化物等)等を有する固相の接触により分離さ れることができ、また、テスター集団の1つの分子を含むヘテロハイブリッドも 同様である。ドライバー集団由来のいかなるホモハイブリッドも分離されないで あろう。 ここで、固定された試料を、さらに精製する。ドライバー集団由来の分子は制 限エンドヌクレアーゼ認識部位および切断部位が存在するように処理されなかっ たため、ヘテロハイブリッドは、結合パートナーを含んでいるが、制限エンドヌ クレアーゼ認識部位および切断部位を含まないであろう。このように、所望のテ スター分子を、エンドヌクレアーゼ等でそれを切断することにより分離する。次 に、工程は、所望または必要に応じ何度も繰り返すことができる。 本発明の方法の詳細は、以下の実施例に述べる。実施例1 この実施例は、cDNA制限断片長多形のクローニング、または選択された対 立遺伝子に関連した「RFLP」を記載する。 「DBP」は、肝細胞で上昇したレベルで見られる転写因子である。遺伝子置 換技術を用いて、この遺伝子の破壊された対立遺伝子のホモ接合性であったマウ ス株を、公知の技術を用いて作製した。この破壊の目的は、DBPの破壊が他の 遺伝子の発現を変更させるかどうかを決定することであった。 初めに、ポリ(A)mRNAを、前記参照の「ノックアウト」マウスの肝細胞 および対照マウスの肝細胞から単離した。これらの対照マウスは、ノックアウト マウスを作製するために用いられた同じ交配(C57/Black 6×OLA 29)由来の非同系マウスであった。cDNAライブラリーを両方のmRNAの セットから作製し、次に制限エンドヌクレアーゼSau3AI(/GATC)で 消化した。4ヌクレオチド塩基の配列を認識し、そこで切断するRsaI(GT /AC)等の他の制限エンドヌクレアーゼを用いることができる。 DBP変更が遺伝子発現の増加または減少に導くかどうか−それが全くいかな る効果を有すると仮定するかは知られていなかった。従って、2つのセットの実 験を行った。1つにおいては、ノックアウトマウスライブラリーは、ドライバー として働く対照ライブラリーを有するテスター集団で、第2のセットの実験に対 しては役割は逆であった。各セットの実験はドライバー/ドライバーハイブリダ イゼーションを用いて、優先増幅を制御した。 ライブラリーの調製後、再びPCRを用いて集団を別々に標識した。テスター プライマーは5’配列としてCACACAを有し、5’末端付近に位置したEc oRI認識部位および切断部位GAATTCを有していた。別法として、Sau 3AIをcDNAライブラリーを消化するために用いたときはBamHI認識部 位および切断部位(G/GATCC)を用い、またはRsaIによりライブラリ ーを消化したときはAsp718I認識部位および切断部位(G/GTACC) を用いる。 ドライバープライマーは、ビオチン化されず、配列をGATATCに変化させ ることによりEcoRI認識部位および切断部位が排除されたことを除き、配列 プライマーにおいてテスターと同一であった。 Taqポリメラーゼまたは混合物またはDNAポリメラーゼのいずれかを用い て、PCRを介して増幅を行なった。かかる技術は、当該分野において十分公知 である。遊離ヌクレオチドをイソプロパノール沈殿を介して分離する〔α−32P 〕dATPとの反応のトレース標識により、またはPCR産物をアガロースゲル 上で計量することにより、収量を定量した。PCRを介して、測定可能なグルー プが取り込まれたとき、アガロースゲルまたはニトロセルロース等のその複写物 上でPCR産物を計量する際にフォトメーターを用いることができる。 次に、集団を混合した。1回目のハイブリダイゼーションを、20:1〜50 :1のドライバー:テスター比で行なった。続く回を20〜50:1の比で行な った。 本実験において、二本鎖cDNAを、脱塩ホルムアミド中で、合計5分間、7 5℃で加熱することにより変性させた。氷上での急冷後、次に試料を短時間の遠 心分離期間を介して集めた。 集められた変性。DNAを、IM NaCl、10mM Tris/HCl( pH8.5)、1mM EDTAおよび50%ホルムアミドと組み合わせて、最 終濃度5mg/mlにした。このハイブリダイゼーション混合物を、密封したガ ラスキャピラリーに写し、40℃で72時間ハイブリダイズさせた。 ハイブリダイゼーション反応後、混合物を200μlの2×マングビーンヌク レアーゼ緩衝液中で集めた。30℃で30分間、200μlの1×マングビーン ヌクレアーゼ緩衝液の最終反応中で、DNA 1μgあたり0.3ユニットのマ ングビーンヌクレアーゼ緩衝液でハイブリダイゼーション混合物の1/2を消化 することにより、遊離プライマーおよびハイブリダイズしない一本鎖種を排除し た。 反応をSDSおよびEDTAで停止し、フェノール/クロロホルムで抽出し、 次にエタノールで沈殿させた。 別の方法において、二本鎖DNAを、6μlのPERT緩衝液(15M Na SCN、120mM Tris/HCl、pH8.5、10mM EDTA、8 %フェノール)中に溶解させた。溶液を、10分間98℃に加熱することにより 変性させた。ハイブリダイゼーション後、前述のように、200μlのマングビ ーンヌクレアーゼ緩衝液および4Uのマングビーンヌクレアーゼを添加し、30 ℃で30分間インキュベートした。 前述のいずれかの方法論を用いて、次に、約1/2のヌクレーゼ処理試料を、 1mMヘパリンサルフェートの存在下で、ストレプトアビジンが結合している常 磁性ビーズに結合させた。ビーズおよび試料を、結合能が試料により限度を越え ないことを確認するのに十分なビーズを用いて、0.4μlの結合緩衝液中で混 合した。 ストレプトアビジンビオチン結合を促進する2時間の穏やかな回転後、ビーズ を緩衝液(50mM NaCl、10mM Tris/HCl、pH8.5、0 .1mM EDTA、0.1% Triton)中で、60℃で10分間、2度 洗浄し、30μlのEcoRI制限消化緩衝液に再懸濁した。エンドヌクレアー ゼ(EcoRI、BamHIまたはAsp718I)を、反応(体積:30μl )中1mgのテスターあたり32Uで添加し、5分毎に穏やかに混合して懸濁を 維持しながら、37℃で60分間のインキュベーションにより、消化を促進した 。この消化/インキュベーション期間後、体積を200μlに増加させ、ビーズ を磁気分離を用いて分離した(2度繰り返す)。次に、選択した上清をフェノー ル クロロホルム、クロロホルムおよびエーテルで抽出した(各2度の分離)。 選択を繰り返し行なうため、10μlの選択産物をPCR増幅に用いた。プロ トコールは、5’の配列がテスタープライマー(EcoRI,BamHIまたは Asp718I)切断部位と異なっていたことを除き、前記と同じであった。こ の変化は、選択を通じて行なわれるいかなる汚染分子の有利な増幅をも妨げる。 選択ラウンドが繰り返されるとき、プライマーを変更した。 図2aおよび2bは、結果のいくつかを示す。図2aにおいて、増幅プロトコ ール前の、放射線標識種のポリアクリルアミドゲル分離が提示されている。1つ の種は、他に比較して増幅されたようにみえる。1回の増幅後(図2b)、違い は、はるかに明白である。 3回の増幅後、1つの特定の種が、十分に増大され、ゲルから単離され、クロ ーニングされ、シーケンスできた。分析により、これらのデータが存在していな いにもかかわらず、配列がフェリチン軽鎖遺伝子の多型対立遺伝子であることが 示された。多型は、試料にしたマウス集団の他の対立遺伝子に存在しない、対立 遺伝子中の追加のSau3AI部位の作製という結果になった。フェリチン軽鎖 遺伝子は、ヒトにおいてDBP遺伝子近辺に連結していることが知られている; したがって、ノックアウト株の作製中の変異DBP遺伝子の選択は、おそらく、 DBPノックアウト対立遺伝子に関連して、フェリチン軽鎖遺伝子のSau3A I多型対立遺伝子について選択したと思われる。ノックアウトプール中の各動物 は、RFLPを有するであろう。 対照的に、対立遺伝子は、非同系対照内では選択されず、対照プールの画分の みにおける発現という結果になる。このように、本発明の方法は、ディフェレン シャルを増幅できた。実施例2 本明細書に記載された技術力は、朝よりも(that)夜に高いレベルで発現され るmRNAパターンを検出するように計画された1組の実験で示された。 実施例1と同じプロトコールを用いて、Sau3AI cDNAライブラリー を、朝(AM)8:00時にマウス肝臓から単離したmRNAおよび夜(PM) 8:00時に同じ細胞から取った試料を用いて調製した。 朝(AM)8:00時ライブラリーをドライバー集団として用い、夜(PM) 8:00時ライブラリーをテスター集団として用いた。開始テスター(8:00 PM)およびドライバー(8:00 AM)集団を図2aに示すが、大部分の 種濃度が2つの集団において類似していることが示される。 2回の選択後、種は選択された集団中で増大されたようにみえたが、しかし対 照においてはみえなかった。第4のラウンドまで、種は全集団において主要な種 を示した。これは図2bに図示されている。アステリスクは、試料において異な る種を示す。 シーケンス分析後、この種を、ネズミテストステロン15α−ヒドロキシラー ゼ(「TH」)に対応するcDNAのSau3AI断片として同定した。実施例3 実施例2の結果の後、日中の肝臓におけるTH mRNAの発現を定量した。 全RNAを、1日にわたり様々な時点でネズミ肝細胞から抽出した。時間間隔 は図3に示され、後述で議論する。 異なる時点で2つの試料から得た全RNAの10μgを用いた。これらの試料 は、前述したように、15α−ヒドロラーゼcDNA Sau3AI断片のα−32 P標識アンチセンスT3 RNA転写産物をプローブとして用いるRNアーゼ 保護アッセイにおいて用いられた。このプローブは、タイプII TH cDNA について351塩基保護RNA断片を、タイプI TH cDNAについて27 2塩基保護RNA断片を生成する。これに並行して、RNアーゼ保護アッセイを 、TH cDNA Sau3AI断片に対応する非放射線標識センス鎖偽mRN A(Ψ−mRNA)を、他の試料に用いたプローブと共に用いて行なった。Ψ− mRNAは、Sau3AIプローブにハイブリダイズしたとき、366塩基の断 片を保護した。公知のモル量(これらの実験では、3fmole〜30amol e)のΨ−mRNAを反応に添加したとき、得られたシグナルを用いて、全RN A試料中のmRNAのモル量を見積もるための標準曲線を作製した。 10μgの全RNAが約2×105個の肝細胞を表わすことが知られている( 例えば、シュミット(Schmidt)ら、J.Cell Biol.128: 467(1995)参照)。T H mRNAの蓄積は、朝(AM)10:00時に細胞あたり約50〜60コピ ー、夜(PM)10:00時に細胞あたり300コピーであると見積もられた( それぞれ、図の「10」および「22」)。このように、この方法論は、テスタ ーおよびドライバー集団間の大きくない(5〜6倍)濃度の違いを有する非常に 少量のmRNAを示す種の正確な定量を可能にした。 少ないコピー数の種を測定するために本明細書に記載された本発明の有用性に 加えて、本発明は、おそらく最も時間および労働力を要する消去式クローニング の段階のもの、すなわち選択の増大された産物の同定および特徴付けに取り組む のにも有用である。この段階において、真の陽性種は、選択工程それ自体により 単に人工産物として生じた誤った陽性種から区別される。PCR増幅試料に基づ いた選択方法において、誤った陽性の発生は、PCR増幅が複雑な試料集団にお ける各種に対して同等に効果的ではないという事実に大きく依存する。このこと は、PCR増幅を経験するいかなる複雑な試料の構成も劇的に変更できる。本発 明の場合、PCR等の方法を用いて、工程の終わりに、少量の選択された試料を 増幅する。また、他の選択方法にわたる本発明の1つの優れた利点は、複数回の 選択を支持し、こうして複数回の増幅を要する際の容易さである。それゆえ、構 成におけるほんのわずかの差異を検出するために2つの試料を比較するときに、 テスター集団中のランダムPCR誘導変化は、真の選択から得られる種の増大を 追い越すことができる。これは、特に図2bにおいて明白であり、4回選択され た試料の全体のサイズ分配が出発集団の全体のサイズ分配(図2a)より有意に 大きいことを立証している。 PCR人工産物の修正の基礎は以下の通りである:テスターおよびドライバー の各ハイブリダイゼーションに対しては、用いたドライバー試料は、「オリジナ ルドライバー」試料よりもむしろ、テスターと同数の選択および増幅工程を経て いるものである。このことは、「オリジナルドライバー」試料が複数回の選択お よびPCRを経ておらず、従って実験操作自体によりテスター試料中に導入され た特定の種の濃度の増加を含まないためである。テスター試料におけるこれらの 人工的変化の修正のために、ビオチン化EcoRI部位含有テスターDNAおよ び非ビオチン化EcoRI部位変異ドライバーDNAハイブリダイゼーションに 加え、並行ハイブリダイゼーションを常に行う。この並行ハイブリダイゼーショ ンにおいて、ビオチン化EcoRI部位含有プライマー(通常「テスタープライ マー」)を用いるドライバー試料から増幅されたDNAを用いて、非ビオチン化 EcoRI部位変異「ドライバープライマー」と共に、前記のようにドライバー 試料から増幅されたDNAと混合して、ドライバーDNAはそれ自体にハイブリ ダイズする。この対照「オートハイブリダイゼーション」において、「テスター 」および「ドライバー」は、両方とも同じドライバー核酸から由来する。そこで 、これらの試料は理論的に同一なので、ビオチンへの結合およびEcoRIでの 切断によるこのハイブリダイゼーション由来の「テスター」ホモハイブリッドの 選択は、出発ドライバー集団と同一である試料を得るべきである。しかしながら 、実験操作(PCR増幅等)による選択された試料の構成における変化がある場 合、これらは選択された「オートハイブリダイゼーション」試料中に示されるで あろう。また、これらの人工的変化は、テスター−ドライバーハイブリダイゼー ション選択から得られたテスター試料中に発生しているに違いない。それゆえ、 次回の「選択されたテスター」とのハイブリダイゼーションのためのドライバー として「オリジナルドライバー」よりもむしろ「選択されたドライバー」を用い る場合、「選択されたテスター」試料中に見られる人工的変化は、「選択された ドライバー」ハイブリダイゼーションパートナー中にも見られ、こうして選択工 程中に修正されるであろう。 本明細書中に記載される方法がかかるPCR人工産物修正を提供する最初の系 であると信じられる。EDS(ゼングら、Nucl.AcidsRes.22: 4381)等の他の系 は、PCR人工産物修正を持たず、多くの誤った陽性種が生じた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 下記工程を含む、試料からの所望の核酸分子の分離(removing)方法: (i) 試料を、制限エンドヌクレアーゼ認識部位および切断部位を有する2本 鎖核酸分子と接触させる工程、 (ii) 該2本鎖核酸分子を、該試料中の核酸分子に付着させる工程、 (iii) 該試料を、 (a) 該2本鎖核酸分子の1つの鎖に相補的な1本鎖核酸分子、およ び (b) 該1本鎖核酸分子の5’末端に付着した結合対の第1のメンバ ー からなるプライマー分子と接触させる工程、 (iv) 該プライマーを用いて、該試料を増幅させる工程 (v) 該試料を核酸分子の第2試料と混合させる工程、ここで、該第2試料中 の核酸分子の少なくとも一部は、該第1試料中の核酸分子にハイブリダイズ可能 であり、該第2試料中の核酸分子は、工程(ii)において付着した2本鎖核酸分 子とは異なる2本鎖核酸分子が付着しており、 (vi) 混合した試料を処理して、その間でハイブリダイゼーションを起こさせ る工程、 (vii) 該混合した試料を、結合対の該第1メンバーに結合する結合対の第2メ ンバーと接触させる工程、 (viii)結合した結合対の該第1および第2メンバーを含むいかなる分子をも分 離する工程、 (ix) 工程(viii)で分離された分子を、工程(ii)の2本鎖核酸分子を含む いかなる核酸分子をも認識し、切断する制限エンドヌクレアーゼと接触させる工 程、ならびに (x) いかなる切断された分子をもそこから分離する工程。 2. 結合対の該第1メンバーがビオチンである請求項1記載の方法。 3. 該結合対の該第2メンバーがアビジンまたはストレプトアビジンである請 求項2記載の方法。 4. 結合対の該第2メンバーが固相に結合している請求項1記載の方法。 5. 該固相が磁性粒子である請求項4記載の方法。 6. 請求項1記載の分離された核酸分子を増幅させる工程を含む、目的の核酸 分子の同定方法。 7. 第2試料中の該核酸分子に付着した2本鎖核酸分子が、工程(ii)の2本 鎖核酸分子の制限エンドヌクレアーゼ部位とは異なる制限エンドヌクレアーゼ部 位を有する、請求項1記載の方法。 8. 分離された切断分子を用いて、さらに該工程(i)〜(x)を繰り返す工 程を含む、請求項1記載の方法。 9. 下記 (i) 制限エンドヌクレアーゼ認識部位および切断部位を含む2本鎖核酸分子 、 (ii) 該2本鎖核酸分子の1本鎖に相補的な1本鎖核酸分子からなり、その5 ’末端に結合対の第1メンバーが付着しているプライマー、 (iii) 増幅試薬、および (iv) 結合対の該第1メンバーに特異的に結合する結合対の第2メンバー のそれぞれを別々に含有してなる、目的の核酸分子の単離に有用なキット。
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