【発明の詳細な説明】
コンピュータ断層撮影用条痕抑制フィルタ発明の分野
本発明は、一般的に、例えば人間の患者のCT画像を発生させるために医療技
術分野で使用されるコンピュータ断層撮影(CT)装置に関する。より詳細に言
えば、本発明は、CT画像の条痕(すじ等)を減少させるための改善された条痕
抑制フィルタに関する。発明の背景
第3世代型のコンピュータ断層撮影(CT)装置は、X線源と、環状のディス
クの直径方向に対向する側部にそれぞれ固定されたX線検知器システムとを備え
ている。上記ディスクは、ガントリーサポートの中に回転可能に取り付けられて
おり、これにより、上記ディスクは、スキャン(走査)操作の間に、回転軸線の
回りで連続的に回転し、その間に、X線が、上記X線源から上記ディスクの開口
の中に位置する対象物又は物体を通って上記検知器システムへ通過する。
上記検知器システムは、一般的に、「焦点」と呼ばれる点にその曲率中心を有
する円弧の形状をした単一の列として配置された複数の検知器から成るアレイす
なわち検知器アレイを備えている。上記焦点は、X線源から放射線が放出される
点である。上記X線源及び検知器アレイは、X線源と各々の検知器との間のX線
経路が総て上記ディスクの回転軸線に対して垂直な同一平面(以下において、「
スライス平面」又は「走査平面」と呼ぶ)に存在するように、位置決めされてい
る。上記X線経路は、実質的に点源である光源から出て、上記検知器に対して異
なる角度で伸長しているので、扇形に類似した形状を形成し、従って、任意の時
点における総てのX線経路を表すために、「扇形ビーム」という用語を頻繁に
使用する。スキャン操作の間のある測定瞬間に単一の検知器に入射するX線は、
一般に、「光線」と呼ばれ、各々の検知器は、その対応する光線の強度を表す出
力信号を発生する。各々の光線は、その経路にある総ての質量によって部分的に
減衰されるので、各々の検知器によって発生される出力信号は、その検知器とX
線源との間に設けられた総ての物質の密度(すなわち、その検知器の対応する光
線経路に存在する物質の密度)を表すことになる。
X線検知器によって発生された出力信号は、通常、CT装置の信号処理部分に
よって処理される。この信号処理部分は、一般的に、データ収集装置(DAS)
を備えており、このデータ収集装置は、X線検知器によって発生された出力信号
を濾波してこれら出力信号の信号対雑音比を改善する。DASによって発生され
る濾波された出力信号は、通常、「生データ信号」と呼ばれている。上記信号処
理部分は、通常、投影フィルタを備えており、この投影フィルタは、上記生デー
タ信号を対数的に処理して一組の投影データ信号を発生させ、これにより、各々
の投影データ信号は、対応する光線経路に存在する物質の密度を表すことになる
。ある測定瞬間又は測定インターバルにおいて総ての投影データ信号を収集する
作業は、通常、「投影」又は「観察」と呼ばれている。一回のスキャン操作の間
に、ディスクが回転するので、複数の投影(projections)が発生され、各々の
投影は、ディスクの異なる角度位置において発生される。特定の投影に対応する
ディスクの角度方向の向きは、「投影角」と呼ばれている。
ランダムアルゴリズムの如き周知のアルゴリズムを用いて、各々の投影角にお
いて収集された総ての投影データ信号からCT画像を発生させることができる。
CT画像は、走査されている対象物の走査平面に沿う二次元的な「スライス」の
密度を表す。投影データ信号からCT画像を発生させるプロセスは、通常、「濾
波された後方投影」又は「再構成」と呼ばれており、その理由は、CT画像は、
投影データから再構成されたものと考えられるからである。上記信号処理部分は
、通常、投影データ信号から再構成CT画像(再構成されたCT画像)を発生さ
せ
るためのバックプロジェクタ(back-projector)を備えている。
CT装置に伴う一つの問題点は、種々の雑音源及び誤差源が、再構成CT画像
に雑音又はアーティファクト(画像欠陥)を生じさせる可能性があるということ
である。従って、CT装置は、一般的に、信号処理技術のホストコンピュータを
採用して、信号対雑音比を改善し、再構成CT画像に存在するアーティファクト
を減少させている。
CT装置における一つの重要なタイプの雑音が、「条痕のような」アーティフ
ァクト(一般的に、条痕又はストリークとして知られている)の形態として再構
成CT画像に現れる。図1は、人間の頭部の代表的な再構成CT画像であって、
条痕に関連する問題点を表している。図1において、白い領域は骨を表しており
、また、灰色の領域は軟らかい組織を表している。当業者には分かるように、図
1の軟らかい組織の領域は、多くの条痕を含んでおり、これら条痕は、画像の判
定の邪魔をする。
条痕を生じさせる一つの重要なファクタは、検知器アレイの検知器の寸法が有
限であり(検知器の有限寸法)、また、そのような検知器が隔置されている(検
知器の間隔)により生ずるエイリアジングである。「骨/組織の境界面」と呼ば
れる患者の骨と軟らかい組織との間の境界面は、投影データ信号に高周波成分を
発生し、そのような高周波成分は、検知器の上記有限寸法及び間隔に起因して、
不十分にサンプリングされることが多い。そのような不十分なサンプリングは、
再構成CT画像に条痕を生じさせる。条痕は、例えば、スキャン操作の間の患者
又はガントリーの動きの如き他のファクタによって、あるいは、患者に金属イン
プラント又は他の高密度の人工装具が存在することによっても生ずることがある
。
図2A及び図2Bは、骨/組織の境界面が投影データに高周波成分を生じさせ
る理由を説明している。当業者には分かるように、図2A及び図2Bは、実スケ
ールで描かれてはおらず、単に説明のために示されたものである。図2Aは、患
者50の断面と、X線源42と、単一の投影角に関する検知器アレイ44の一部
との間の空間的な関係を示している。患者50の断面は、X線源42と検知器ア
レイ44との間に設けられていて、軟らかい組織の領域50:A、骨の領域50
:Bとを含んでいる。図示の検知器アレイ44は、7個の別個の検知器44:1
乃至44:7を備えており、X線源42は、扇形ビーム52を放出する。従って
、光線52:1が、検知器44:1に入射し、光線52:2が検知器44:2に
入射し、以下同様に各光線が対応する検知器に入射するようになっている。検知
器アレイ44によって発生された出力信号DETは、DAS45によって濾波さ
れ、このDASは、対応する生データ信号RDSを発生する。DAS45は、図
示のように、7個の別個のユニット45:1乃至45:7を備えており、各々の
ユニットは、一つの検知器に対応している。次に、DAS45によって発生され
た生データ信号は、複数の投影フィルタから成る列すなわち投影フィルタアレイ
47によって濾波される。上記投影フィルタは、投影データ信号PDSを発生す
る。上記アレイ47は、図示のように、7個の別個の投影フィルタ47:1乃至
47:7を備えており、各々の投影フィルタは、一つの検知器に対応している。
図2Bは、アレイ47によって発生された投影データ信号PDSの振幅のグラ
フである。検知器44:1、44:2、44:6及び44:7は、それぞれの光
線経路に位置する一つの軟らかい組織(及び空気)だけを有しているので、対応
する投影フィルタ47:1、47:2、47:6及び47:7によって発生され
る投影データ信号の振幅は、比較的小さい。検知器44:3、44:4及び44
:5は、それぞれの光線経路に位置する幾分かの骨を有しており、また、骨は軟
らかい組織よりもかなり密度が高いので、対応する投影フィルタ47:3、47
:4及び47:5によって発生される投影データ信号の振幅は、比較的大きい。
従って、軟らかい組織から骨への遷移領域(すなわち、骨/組織の境界面)は、
シャープな「エッジ」又は不連続部として投影データに示される。上記エッジは
、振幅が急激に変化する箇所に位置している(上記エッジは、図2Bにおいて、
検知器44:2と44:3との間の遷移領域と、検知器44:5と44:6との
間
の遷移領域とに位置している)。そのようなシャープなエッジは、投影データの
高周波成分を表している。
図2Aに示すように、検知器44:3は(検知器44:5と同様に)、骨/組
織の境界面に跨っており、これは、その境界面に近い骨の一部、並びに、上記境
界面に近い軟らかい組織の一部が光線経路52:3の中に位置していることを意
味している。この位置において、検知器44:3に入射する光線52:3の強度
は、骨の密度及び組織の密度の平均値を表している。従って、検知器44:3は
、骨/組織の境界面を跨ぐことによって、その境界面の位置を「ぼやけ」させ、
不十分なサンプリングを行う。一つの検知器は、一般的に、一回のスキャン操作
の間に、ディスクが新しい検知器を境界面の下に置くように十分に回転するまで
に、幾つかの投影角に関して骨/組織の境界面を跨ぐことになる。その新しい検
知器は、より多くの幾つかの投影角に関して上記境界面を跨ぐことになる。この
ように、検知器を幾つかの投影角に関して一つの境界面を跨ぐようにすることに
より、スキャナがその境界面を正確に特定することが困難になり、再構成CT画
像に条痕を生じさせる。
条痕を減少させる従来技術の一つの方法は、検知器の寸法を小さくし、検知器
を互いにより接近した状態で詰め込むようにする方法である。この方法は、簡単
で有効であるが、より多くの検知器を必要とするので、装置のコストを増大させ
、また、そのような小型の検知器を製造するための要件が、現在の技術の限度を
超える可能性がある。
条痕を減少させる他の方法は、線形の低域通過フィルタを投影データに応用し
、これにより、後に条痕を生じさせる高周波成分を除去する方法である。そのよ
うな低域通過フィルタは、通常は投影データ信号をこれら信号がバックプロジェ
クタに与えられる前に既知のコンボルーションマスクすなわち畳込みマスクで畳
込むコンボルーションフィルタすなわち畳込みフィルタに組み込まれることが多
い。上記コンボルーションフィルタは、上記バックプロジェクタの一部であると
考え
ることができる。上記低域通過フィルタは、上記検知器とX線源との間に設けら
れてデータを平均化する又はぼかす物理的な前置フィルタを用いて構成されるこ
ともある。そのような物理的な前置フィルタを確立する一般的で実際的な一つの
方法は、X線の焦点を拡大又は揺動させる方法である。そのような方法は、実際
に条痕を減少させるが、豊富な情報を有する高周波成分を除去し、従って、発生
するCT画像の品質を低下させるという欠点も有している。一般的に、そのよう
な線形フィルタは、CT画像の品質を低下させるという望ましくない効果を生じ
させることなく、データを十分に濾波して条痕を減少させることができない。
従って、CT画像の条痕を減少させるための改善された方法及び装置が必要と
されている。発明の目的
本発明の目的は、上に特定した従来技術の間題を十分に低減する又は解消する
ことである。
本発明の別の目的は、改善された条痕抑制フィルタを提供することである。
本発明の他の目的は、CT画像の条痕を減少させるための改善された非線形条
痕抑制フィルタを提供することである。
本発明の更に別の目的は、入力信号の高い振幅を有する高周波成分を抑制する
ための改善された条痕抑制フィルタを提供することである。
本発明の別の目的は、高域通過フィルタと、該高域通過フィルタによって発生
される出力信号を濾波するための非線形フィルタとを備える、改善された条痕抑
制フィルタを提供することである。
本発明の更に別の目的は、高域通過フィルタと、該高域通過フィルタの出力の
クリッピング(切り落とし)を行う閾値装置とを備える、改善された条痕抑制フ
ィルタを提供することである。発明の概要
上述の及び他の目的は、CT装置と共に使用される改善された条痕抑制フィル
タによって達成される。CT装置は、複数の投影データ信号を発生し、これら投
影データ信号は各々、対象物又は物体の一部の密度を表す。CT装置は、複数の
投影信号から対象物の画像を生成するための画像生成装置を備えている。本条痕
抑制フィルタは、空間周波数フィルタを備えている。この空間周波数フィルタは
、投影データ信号を受信し、該投影データ信号から、複数の低周波信号及び複数
の高周波信号を発生させる。条痕抑制フィルタは、更に、上記高周波信号を濾波
して複数の濾波信号(濾波された信号)を発生させる非線形フィルタと、対応す
る低周波信号及び濾波信号を結合させて複数の条痕補正信号(条痕が補正された
信号)を発生させる装置とを備えている。本条痕抑制フィルタは、その後、上記
条痕補正信号を上記画像生成装置に与える。この画像生成装置は、上記条痕補正
信号から、条痕が減少した対象物のCT画像を発生させる。
一つの特徴において、本条痕抑制フィルタは、投影データ信号を低域通過濾波
することによって低周波信号を形成し、また、それぞれの対応する投影データ信
号から上記低周波信号を取り除くことによって高周波信号を形成する。
別の特徴において、上記非線形フィルタは、上記高周波信号がある閾値よりも
大きい場合に、そのような高周波信号のクリッピング(切り落とし)を行うこと
によって濾波信号を発生させるための閾値装置を備えている。
本発明の更に別の目的及び利点は、本発明の最善の態様を単に例示するために
幾つかの実施例を示して説明する以下の詳細な記載から、当業者は容易に理解す
ることができよう。後に分かるように、本発明は、他の及び異なる実施例とする
ことができ、その幾つかの細部は、本発明から逸脱することなく、種々の点にお
いて変更することができる。従って、図面及び本明細書の記載は、本質的に例示
的なものと見なすべきであって、限定的又は制限的な意味はなく、本発明の範囲
は、請求の範囲に示されている。図面の簡単な説明
本発明の性質及び目的の十分な理解を図るために、添付の図面を参照して以下
の詳細な説明を参考されたい。図面においては、同じ参照符号を用いて同じ又は
同様な部分を示している。
図1は、人間の頭部のCT画像であって、条痕に関係する問題を示しており、
図2Aは、X線源とCTスキャナの一群の検知器との間の光線経路を示してお
り、
図2Bは、図2Aに示すCTスキャナによって形成されたX線吸収量を表す投
影データの振幅を示すグラフであり、
図3は、本発明に従って構成された条痕抑制フィルタを含むCTスキャナの軸
方向の図であり、
図4は、本発明に従って構成された条痕抑制フィルタのブロック図であり、
図5は、図4に示す条痕抑制フィルタのブロック図であって、空間周波数フィ
ルタの一実施例を詳細に示しており、
図6は、図1に示す画像を再構成するために使用されたのと同じ生データを用
い、また、本発明の条痕抑制フィルタを用いることによって再構成された人間の
頭部のCT画像であり、
図7A乃至図7Eは、図4及び図5に示す閾値装置が使用することのできる伝
達関数の例を示すグラフであり、
図8は、本発明に従って構成された好ましいCTスキャナの信号処理部分のブ
ロック図であり、
図9Aは、平行ではない一組の光線によって形成された一つの投影の一部を示
しており、
図9Bは、一組の平行な光線によって形成された一つの変更された投影の一部
を示しており、
図10A及び図10Bは、一組の平行な光線によって生成される投影を形成す
る一つの方法を示しており、
図11A及び図11Bは、X線源と、患者と、本発明に従って構成されたCT
スキャナの検知器アレイとの間の空間的な関係を0°及び180°の投影角に関
してそれぞれ示しており、
図12は、検知器アレイとこれに関連する光線との間の空間的な関係を0°及
び180°の投影角に関してそれぞれ示している。発明の詳細な説明
図3は、本発明の原理を具体化した代表的なCT装置又はCTスキャナ40を
示している。スキャナ40は、X線源42と、検知器アセンブリ44とを備えて
おり、この検知器アセンブリは、ディスク46に取り付けられた複数の検知器か
ら成るアレイすなわち検知器アレイを含んでいる。X線源42及び検知器アセン
ブリ44は、回転軸線48(図3の紙面に対して直角に伸長している)の回りで
回転し、従って、CTスキャン操作の間に、ディスク46の中央開口を通って伸
長している対象物すなわち物体50の回りを回転するようになされている。対象
物50は、生きている人間の患者の一部とすることができ、例えば、人間の頭部
又は胴部とすることができる。X線源42は、走査平面(回転軸線48に対して
直角な)の中にX線の連続的な扇形ビーム52を放出する。X線は、対象物50
を通過した後に、アセンブリ44の検知器によって感知される。アンチスキャタ
(anti-scatter)プレート54を対象物50とアセンブリ44の検知器との間に
設けて、散乱光線が検知器によって感知されるのを実質的に阻止するのが好まし
い。好ましい実施例においては、検知器の数は384個であって48°の円弧を
カバーするが、そのような数及び角度は変えることができる。アルミニウムの如
き軽量材料から効果的に形成することのできるディスク46は、軸線48の回り
で急速に且つ円滑に回転される。ディスク46は、開放型のフレーム構造であっ
て、これにより、対象物50をディスクの開口を通して位置決めすることができ
る。対象物50は、例えば、テーブル56の上に支持することができ、このテー
ブルは、実施可能な範囲でX線に対して透明であるすなわち透過性を有するのが
好ましい。
検知器アセンブリ44によって発生された出力信号は、DAS45(ブロック
図の形態で示されている)に与えられ、このDASは、上記出力信号から生デー
タ信号を発生する。これら生データ信号は、投影データ信号を発生する複数の投
影フィルタから成るアレイ47に与えられる。ディスク46が回転する際に、投
影データ信号を用いて多くの投影角から投影(projections)を生成する。上記
投影データ信号は、条痕抑制フィルタ70に与えられ、この条痕抑制フィルタは
、再構成CT画像の条痕を減少させるように、本発明に従って投影データ信号を
濾波する。条痕抑制フィルタ70によって発生された出力信号(「条痕が補正さ
れた投影データ信号(条痕補正投影データ信号)、あるいは、単に「条痕が補正
された信号(条痕補正信号)」と呼ばれる)は、次に、バックプロジェクタ(ba
ck-projector)に与えられ、このバックプロジェクタは、上記条痕補正信号から
CT画像を生成する。バックプロジェクタ72は、コンボルーションフィルタ(
畳込みフィルタ)を入力側に備えていて、バックプロジェクション(back proje
ction)を行うためにデータを畳込む。
後に更に議論するように、条痕抑制フィルタ70は、非線形フィルタであるの
が好ましく、スキャナ40は、投影フィルタ47によって発生された投影データ
信号ではなく、条痕抑制フィルタ70によって発生された条痕補正信号を用いて
、条痕が少なく明瞭度が改善された良好な品質の改善されたCT画像を生成する
ことができる。
図4は、CTスキャナ40の信号処理部分のブロック図であって、条痕抑制フ
ィルタ70を詳細に示している。スキャナ40は、Nチャンネルの装置であり、
検知器アレイ44は、N個の検知器44:1乃至44:Nを備えている。上述の
ように、好ましい実施例においては、アレイ44には384個の検知器が設けら
れており、従って、好ましい実施例におけるNは384であるが、他の数のチャ
ンネルも勿論可能である。アレイ44のN個の検知器は、各々の投影角において
N個の検知器出力信号DET:1乃至DET:Nを発生し、これら検知器出力信
号は、DAS45に与えられる。DAS45は、上記検知器出力信号を濾波して
、N個の対応する生データ信号RDS:1乃至RDS:Nを発生する。上記N個
の生データ信号は、投影フィルタ47に与えられ、この投影フィルタは、各々の
投影角における対応する投影データ信号PDS:1乃至PDS:Nを発生する。
これらN個の投影データ信号は、条痕抑制フィルタ70に与えられ、この条痕抑
制フィルタは、各々の投影角に関してN個の条痕補正信号SCS:1乃至SCS
:Nを発生する。総ての投影角からの上記N個の条痕補正信号は、バックプロジ
ェクタ72に与えられ、このバックプロジェクタは、再構成CT画像を生成する
。
条痕抑制フィルタ70は、各々の投影角において収集されたデータに関して実
質的に同じ機能を果たすので、一つの投影角において収集されたデータに関する
処理だけを一般的に説明する。条痕抑制フィルタ70は、空間周波数フィルタ1
10と、N個一組の閾値装置120:1乃至120:Nと、対応するN個一組の
加算器130:1乃至130:Nとを備えている。投影フィルタ47によって発
生された上記N個の投影データ信号PDS:1乃至PDS:Nは、空間周波数フ
ィルタ110に与えられ、これに応じて、空間周波数フィルタ110は、N個の
高周波信号PDSHF:1乃至PDSHF:Nと、N個の低周波信号PDSLF
:1乃至PDSLF:Nとを発生する。上記N個の高周波信号PDSHF:1乃
至PDSHF:Nは、N個の閾値装置120:1乃至120:Nに与えられ、こ
れら閾値装置は、上記高周波信号から、「濾波された信号(濾波信号)」又は「
クリッピングされた(切り落とされた)信号(クリッピング信号)」と呼ばれる
N個一組の信号を発生する。各々のクリッピング信号及びその対応する低周波信
号は、加算器130:1乃至130Nの中の一つの加算器の入力側に与えられ、
この一つの加算器は、上記クリッピング信号及びその対応する低周波信号から、
対
応する条痕補正信号を発生し、これにより、N個の加算器130:1乃至130
Nは、N個の条痕補正信号SCS:1乃至SCS:Nを発生することになる。
各々のチャンネルのデータは、一つの検知器出力信号と、一つの生データ信号
と、一つの投影データ信号と、一つの高周波信号と、一つの低周波信号と、一つ
の条痕補正信号とを含んでいる。従って、例えば第3のチャンネルのデータは、
第3のチャンネルの検知器44:3によって発生される第3のチャンネルの検知
器出力信号DET:3と、第3のチャンネルの生データ信号RDS:3と、第3
のチャンネルの投影データ信号PDS:3と、第3のチャンネルの高周波及び低
周波の信号PDSHF:3、PDSLF:3と、第3のチャンネルの条痕補正信
号SCS:3とを含んでいる。
上記高周波信号及び低周波信号を発生させるために、スキャナ40の各々のチ
ャンネルは、近傍のチャンネルと関連づけられるのが好ましい。空間周波数フィ
ルタ110は、各々のチャンネルの近傍の投影データ信号に対して空間周波数高
域通過濾波操作を実行することによって、各々のチャンネルの高周波信号を発生
させるのが好ましく、また、同様に、空間周波数フィルタ110は、各々のチャ
ンネルの近傍の投影データ信号に対して空間周波数低域通過濾波操作を実行する
ことによって、各々のチャンネルの低周波信号を発生させるのが好ましい。各々
の近傍は、一群の隣接するチャンネルを含むのが好ましく、好ましい近傍のサイ
ズは3であり、これは、各々の近傍は、中央のチャンネルと、この中央のチャン
ネルの両側に位置する2つのチャンネルとを一つにグループとすることによって
、形成されることを意味している。例えば、第3のチャンネルは、第2のチャン
ネル及び第4のチャンネルと共に一つのグループとされて、3つのチャンネルか
ら成る近傍を形成する。これにより、空間周波数フィルタ110は、高域通過濾
波操作を行う適正なコンボルーションマスクを用いて、第2、第3及び第4のチ
ャンネルの投影データ信号PDS:2、PDS:3、PDS:4を結合すること
により、第3のチャンネルに高周波信号PDSHF:3を発生させる。同様に、
空
間周波数フィルタ110は、低域通過濾波操作を行う適正なコンボルーションマ
スクを用いて、第2、第3及び第4のチャンネルの投影データ信号PDS:2、
PDS:3、PDS:4を結合することにより、第3のチャンネルに低周波信号
PDSLF:3を発生させる。他の好ましい近傍のサイズは、5であり、当業者
には分かるように、他の近傍のサイズも本発明と共に十分に機能する。また、空
間周波数フィルタ110によって実行される低域通過濾波操作及び高域通過濾波
操作は、各々の投影データ信号のエネルギを総て対応する低周波信号又は対応す
る高周波信号に導入し、これにより、対応する高周波信号及び低周波信号のその
後の結合により、元々のすなわちオリジナルの投影データ信号が正確に再現され
るようにするのが好ましい。
N個の閾値装置120:1乃至120:Nは各々、その入力信号にクリッピン
グ操作を行って、すなわち、各々の閾値装置は、その高周波入力信号をある閾値
と比較して、クリッピング信号を発生する。このクリッピング信号は、上記高周
波信号の大きさが上記閾値よりも小さい場合には、上記高周波信号に等しく、ま
た、上記高周波信号が上記閾値よりも大きい場合には、該閾値に等しく、更に、
上記高周波信号が上記閾値の負の一倍よりも小さい場合には、上記閾値の負の一
倍に等しい。後に詳細に説明するように、別の実施例においては、各々の閾値装
置は、上記高周波信号が上記閾値よりも大きい場合に、上記閾値に等しくない予
め選択された値に等しいクリッピング信号を発生し、また、上記高周波信号が上
記閾値の負の一倍よりも小さい場合には、上記予め選択された値の負の一倍に等
しいクリッピング信号を発生することができる。上記閾値の値及び上記予め選択
された値は、上記閾値装置に永続的にプログラムするか、あるいは、オペレータ
が選択できるようにすることができる。次に、N個の加算器130:1乃至13
0Nは各々、そのチャンネルのクリッピング信号及び低周波信号を合計して、そ
のチャンネルの条痕補正信号を発生する。
図5は、条痕抑制フィルタ70の好ましい実施例を示しており、この実施例に
おいては、空間周波数フィルタ110は、N個一組の3点式空間周波数低域通過
フィルタ210:1乃至210:Nと、対応するN個一組の減算器220:1乃
至220:Nとを用いて構成されている。各々のチャンネルにおいて、空間周波
数低域通過フィルタは、そのチャンネルの近傍から投影データ信号を受け取るよ
うに接続された3つの入力端を有していて、上記投影データ信号からそのチャン
ネルの低周波信号を発生する。各々のチャンネルの低周波信号は、そのチャンネ
ルの減算器の負の入力端に与えられ、そのチャンネルの投影データ信号は、その
チャンネルの減算器の負の入力端に与えられる。各々のチャンネルにおいて、上
記減算器は、そのチャンネルの投影データ信号からそのチャンネルの低周波信号
を減じ、これにより、そのチャンネルの高周波信号を発生する。この高周波信号
は、そのチャンネルの閾値装置に与えられる。例えば、低域通過フィルタ210
:3によって発生された第3のチャンネルの低周波信号PDSLF:3は、第3
のチャンネルの減算器220:3の負の入力端に与えられ、第3のチャンネルの
投影データ信号PDS:3は、第3のチャンネルの減算器220:3の負の入力
端に与えられる。減算器220:3は、その正の入力端の信号からその負の入力
端の信号を減じて第3のチャンネルの高周波信号PDSHF:3を発生し、この
信号を第3のチャンネルの閾値装置120:3に与える。各々のチャンネルの高
周波信号は、そのチャンネルの投影データ信号からそのチャンネルの低周波信号
を単に減じることによって発生されるので、その後に立つのチャンネルの低周波
信号及び高周波信号を加算することにより、そのチャンネルの元々の投影データ
信号が正確に再現されることになる。これは、好ましいことであり、高周波信号
が上記閾値よりも低い場合には、条痕補正信号が元々の投影データ信号に正確に
等しく、総ての高周波情報は、CT画像の再構成を行うのに使用するように保存
される。この実施例においては、各々の条痕補正信号は、高周波信号の振幅が上
記閾値よりも小さい場合には、その対応する元々の投影データ信号に等しい。し
かしながら、高周波信号の振幅が上記閾値を超えた場合には、上記条痕補正信号
は、
その対応する元々の投影データ信号から高周波エネルギの一部を除去することに
よって、実質的に発生させることができる。
好ましい実施例においては、上記空間周波数低域通過フィルタは、下式(1)
に従って低周波信号を発生する。
PDSLF・x=0.25PDS:(x−1)+0.50PDS・x+0.25PDS:(x+1)
(1)
上式において、xは、2から(N−1)までの整数である。特定の実施例として
、第4のチャンネルの空間周波数低域通過フィルタ210:4が、第3のチャン
ネルPDS:3からの投影データ信号の0.25倍、第4のチャンネルPDS:
4からの投影データ信号の0.50倍、及び、第5のチャンネルPDS:5から
の投影データ信号の0.25倍を合計することによって、第4のチャンネルに関
する低周波信号PDSLF:4を発生する。当業者には分かるように、上の式(
1)は、投影データ信号に3点のコンボルーションマスク{0.25, 0.5
0, 0.25}でコンボルーション(畳込み)を実行することと等価である。
この実施例においては、低域通過フィルタは、3点フィルタであり、3個の検知
器から成る近傍を使用している。別の好ましい実施例においては、低域通過フィ
ルタは、5点フィルタであり、5個の検知器から成る近傍を使用すると共に、マ
スク{0.10, 0.25, 0.30, 0.25, 0.10}を使用す
る。上記マスクは、「平均化する」又は「ぼかす」マスクであって、例として示
すものである。他の平均化マスク及び他の近傍のサイズも本発明と共に十分に機
能する。更に、空間周波数低域通過フィルタは、他の有限インパルス応答(FI
R)フィルタ、無限インパルス応答(IIR)フィルタ、再帰型又は非再帰型フ
ィルタを用い、また、例えばフーリエ変換法を用いる周波数領域フィルタによっ
て構成することができる。
空間周波数低域通過フィルタ210:1は、チャンネルアレイ(チャンネルの
アレイ)の一端部に位置する第1のチャンネルに関して、低周波信号PDSLF
:1を計算する。このチャンネルは、その両側に隣接するチャンネルをもたない
ので、フィルタ210:1は、式(1)に従ってその低周波出力信号を発生する
ことが不可能であり、フィルタ210:1は、図5に示すように、2つの投影デ
ータ信号を受信するように接続されているだけである。アレイの端部付近の近傍
型の処理を計算するこの問題は、画像処理技術の分野では良く理解されており、
フィルタ210:1は、任意の数の周知の方法を使用して、その低周波出力信号
PDSLF:1を計算することができる。例えば、空間周波数低域通過フィルタ
210:1は、その第3の入力端(図5においては接続されていない状態で示さ
れている)を基準電位(例えば、アース)に接続して、上記第3の入力端を常に
ゼロとして判定することができるようにし、次に、上記3つの入力を他のフィル
タが使用するコンボルーションマスクのスケールアップされたバージョンで畳込
みすなわちコンボルーションを行う。別の実施例においては、フィルタ210:
1は、第2の入力端及び第3の入力端を共に第2のチャンネルの投影データ信号
PDS:2に接続することができる。あるいは、フィルタ210:1は、他のフ
ィルタとは異なるコンボルーションマスクを使用することができる。同様な選択
は、アレイの他端部に位置するフィルタ210:Nに関しても勿論採用可能であ
る。
条痕抑制フィルタ70を、低域通過フィルタのアレイを含むものとして図5を
参照して上に説明した。当業者には分かるように、条痕抑制フィルタ70は、低
域通過フィルタではなく、一組の高域通過フィルタを用いて構成することもでき
る。この実施例においては、高周波信号は、高域通過フィルタによって発生され
、低周波信号は、高周波信号を対応する投影データ信号から減じることによって
発生される。また、条痕抑制フィルタ70は、高周波信号及び低周波信号をそれ
ぞれ発生する一組の高域通過フィルタ及び一組の低域通過フィルタを用いて構成
することができる。
再構成CT画像の条痕は、投影データ信号の高振幅で高周波数の成分によって
、
本質的に生ずる。従って、条痕抑制フィルタ70によって発生された条痕補正信
号から再構成されたCT画像(高振幅且つ高周波数の成分が減少している)の条
痕の数は少ない。また、そのようなCT画像に残っている条痕の振幅は減少され
ている。従って、条痕抑制フィルタ70は、利用性の高い明瞭なCT画像の再構
成を行うことができる。
上記閾値の振幅は、上記閾値装置が再構成CT画像に条痕を発生させる恐れの
ある高周波信号の部分だけを除去するように、設定されるのが好ましい。上記閾
値が過度に低く設定され、これにより、上記閾値装置が過剰の高周波信号を除去
する場合には、条痕補正信号は、実質的に、低周波情報だけしか含まないことに
なる。そのような信号から再構成されたCT画像は、条痕を含まないかも知れな
いが、高分解能の撮像を可能にする高周波情報がそのような条痕補正信号から除
去されているので、品質が劣ることになる。反対に、上記閾値が過度に高く設定
された場合には、その結果生ずる再構成CT画像の品質が条痕によって低下する
ことがある。CT画像の問題とする領域は、通常、軟らかい組織の領域であって
骨を含む領域ではないので、上記閾値は、軟らかい組織の領域に関係する画像情
報の完全性を維持するに十分なように高く設定され、また、骨/組織の境界面に
よって発生される高振幅で高周波数の成分を除去するに十分なように低く設定さ
れるのが好ましい。閾値をこのように設定すると、結果的に生ずる骨/組織の境
界面付近の領域のCT画像の分解能を低下させることがあるが、そのような領域
が問題となることは稀であるので、そのような領域の分解能を幾分犠牲にして、
領域の条痕のない又は条痕が減少した軟らかい組織の高分解能の画像を得ること
が許容される。従って、上記閾値は、骨/組織の境界面以外の領域から発生され
る代表的な高周波信号の振幅よりも高く、且つ、骨/組織の境界面によって発生
される代表的な高周波信号の振幅よりも若干低くなるように、設定されるのが好
ましい。
条痕抑制フィルタ70を調整する一つの方法は、最初に、上記閾値をゼロに設
定し、何等かの再構成CT画像を発生させることである。これらの画像は、低周
波信号からだけ誘導され、従って、品質が劣ることになる。オペレータは、その
ような画像を観察することによって、低周波信号を発生させる際に使用する適正
な低域通過濾波機能(すなわち、コンボルーションマスク)を選択することがで
きる。低域通過濾波機能は、所望量の条痕抑制を行うために必要な最小限の生デ
ータの濾波(ぼかし)を行うように選択されるのが好ましい。低域通過濾波機能
を選択した後に、オペレータは、条痕が再構成された画像に現れるまで、上記閾
値をゼロからゆっくりと増加させる。軟らかい組織の領域は、高周波成分を含ん
でいるので、閾値を過度に低く設定すると、軟らかい組織の領域の情報にロスが
生ずることになる。従って、上記閾値は、所望の程度の条痕抑制を維持しながら
、可能な限り高く設定すべきである。条痕抑制フィルタ70は、最適に調整され
た場合でも、小さな強度誤差を再構成CT画像に導入することがある。しかしな
がら、そのような誤差は、条痕よりもかなり小さく、従って、人間の目に見える
ことは殆ど無い。フィルタ70によって行われる条痕抑制は、そのような誤差の
許容値を正当化する。
図6は、図1に示すCT画像を再構成するために使用したのと同じデータを用
いて再構成されたCT画像である。しかしながら、図6においては、投影データ
信号は、最初に、条痕抑制フィルタ70を用いて処理されている。この画像を生
成するために、条痕抑制フィルタ70は、低周波信号を発生させるための{0.
10, 0.25, 0.30, 0.25, 0.10}のマスクと、0.0
06の閾値を用いており、最大投影データ信号は、約4.8であった。図6に示
す画像は、図1に示す画像よりもはるかに少ない条痕を有しており、明瞭度が高
くなっている。
条痕抑制フィルタ70は、閾値装置120(図4及び図5に示す)を用いて高
周波信号の高振幅部分をクリッピングすなわち切り落とすことに関連して上に説
明した。図7Aは、閾値装置120の伝達関数のグラフである。閾値装置120
によって発生される出力信号は、入力信号の大きさが閾値の大きさよりも小さい
場合には、閾値装置に与えられる入力信号に等しく、また、上記出力信号は、入
力信号の大きさが上記閾値の大きさよりも大きい場合には、上記閾値に限定され
る。閾値装置120は、その入力信号、第1の閾値及び第2の閾値の関数である
出力信号を発生するものと理解することができ、従って、上記出力信号は、入力
信号が上記第1の閾値よりも小さい場合には、上記第1の閾値に等しく、また、
上記出力信号は、入力信号が上記第1の閾値及び上記第2の閾値よりも大きい場
合には、入力信号に等しく、更に、上記出力信号は、入力信号が上記第2の閾値
よりも大きい場合には、上記第2の閾値に等しい。図7Aに示す伝達関数におい
て、上記第1及び第2の閾値は、その大きさが等しくその極性が反対であるが、
他の実施例においては、上記第1及び第2の閾値をそのように関連づける必要は
ないことは、当業者には理解されよう。
更に別の実施例においては、閾値装置120は、図7Aに示す伝達関数とは異
なる伝達関数を有するフィルタを用いて構成することもできる。図7B乃至図7
Eは、本発明と共に機能することのできる他の伝達関数の例である。好ましい伝
達関数が図7Bに示されており、閾値装置120がこの伝達関数を使用した場合
には、上記閾値装置は、その入力信号、正の閾値、負の閾値、予め選択された正
の値PRESET及び予め選択された負の値PRESETの関数としての出力信
号を発生する。これにより、上記出力信号は、入力信号が上記負の閾値よりも小
さい場合には、上記予め選択された負の値に等しくなり、また、上記出力信号は
、入力信号が上記負の閾値よりも大きく且つ上記正の閾値よりも小さい場合には
、上記入力信号に等しくなり、更に、上記出力信号は、入力信号が上記正の閾値
よりも大きい場合には、上記予め選択された値PRESETに等しくなる。上記
予め選択された値は、上記閾値の大きさよりも小さい大きさを有するのが好まし
く、上記定数PRESETは、ゼロに等しいのがより好ましい。図7Cに示す伝
達関数を用いて上記装置120が出力信号を発生した場合は、その出力信号は、
入力
信号の大きさが上記閾値の大きさよりも小さい場合には、上記装置120に与え
られる入力信号に等しくなり、また、上記出力信号は、入力信号の大きさが上記
閾値の大きさよりも大きい場合には、入力信号の線形圧縮されたバージョンに等
しい。同様に、図7Dに示す伝達関数を用いた場合には、装置120によって発
生される出力信号は、入力信号の大きさが上記閾値の大きさよりも大きい場合に
は、入力信号の線形圧縮されたバージョンに等しい。図7Eに示す伝達関数を用
いた場合には、装置120は、入力信号の大きさが上記閾値の大きさよりも小さ
い場合には、入力信号に何等かの増幅を与え、また、入力信号の大きさが上記閾
値の大きさよりも大きい場合には、入力信号に何等かの圧縮を与える。当業者に
は分かるように、図7A乃至図7Eに示す伝達関数は、単なる例示であって、本
発明は、投影データ信号の条痕を形成する高振幅の高周波成分を圧縮すると共に
上記投影データ信号の条痕を形成しない低振幅の高周波成分を殆ど又は全く濾波
しない任意の装置120を用いて、十分に機能する。入力信号のある部分(すな
わち、高振幅の高周波成分)に対して比較的大きな濾波作用を選択的に与えると
共に入力信号の他の部分(すなわち、低振幅の高周波成分)に対して比較的小さ
な濾波作用を選択的に与える上述のフィルタは、一般的に非線形であり、従って
、条痕抑制フィルタ70は、非線形フィルタとして構成されるのが好ましい。
本発明は、例えば高周波信号に対して濾波作用を与える閾値装置120として
フィルタを応用することに関しても上に説明した。当業者には分かるように、別
の形態においては、上記フィルタは、低周波信号及び高周波信号に対してではな
く、投影データ信号に対して等価の態様で直接作用して、条痕補正信号を発生さ
せることもできる。また、条痕抑制フィルタ70は、高周波信号及び低周波信号
を発生し、これにより、高周波信号が閾値よりも小さい場合に、一つのチャンネ
ルの高周波信号及び低周波信号を加えることにより、そのチャンネルの投影デー
タ信号を正確に再現することに関しても、上に説明した。このように高周波信号
及び低周波信号を発生することが好ましいが、本発明は、高周波信号及び低周波
信号がそのように発生されない場合でも、十分に機能することは、当業者には理
解されよう。
条痕抑制フィルタ70をCT装置と共に使用して、投影フィルタ47から供給
された投影データ信号から条痕補正信号を発生させることに関して、上に説明し
た。しかしながら、本発明に従って構成されたCT装置は、CT画像を再構成す
る前に投影データ信号を濾波する他のタイプにも応用することができる。図8は
、本発明に従って構成された好ましいCT装置900の信号処理部分のブロック
図である。この装置900は、条痕抑制フィルタ70に加えて、平行ビームコン
バータ910と、補間フィルタ920とを備えている。この装置900において
は、投影フィルタ47によって発生された投影データ信号は、平行ビームコンバ
ータ910に与えられ、この平行ビームコンバータは、上記投影データ信号から
一組の平行ビーム信号を発生する。これら平行ビーム信号は、条痕抑制フィルタ
70に与えられ、この条痕抑制フィルタは、上記平行ビーム信号から条痕補正信
号を発生する。これら条痕補正信号は、次に、補間フィルタ920に与えられ、
この補間フィルタの出力は、上記条痕補正信号から再構成CT画像を生成するバ
ックプロジェクタ72に与えられる。
平行ビームコンバータ910は、再整理コンバータ916と、介在コンバータ
918とを備えている。再整理コンバータ916は、投影フィルタ47から投影
データ信号を受信し、これら投影データ信号から一組の再整理された信号(再整
理信号)を発生する。これら再整理信号は、介在コンバータ918に与えられ、
この介在コンバータは上記再整理信号から平行ビーム信号を発生する。投影フィ
ルタ47によって発生された投影(projections)は、「扇形ビーム」と考える
ことができ、その理由は、総ての投影は、扇形ビーム52(図3に示す)を用い
て発生されるからである。平行ビームコンバータ910は、上記投影を再編成し
て、平行ビーム投影を形成する。
投影フィルタ47によって発生されて一回のスキャン操作(すなわち、ディス
クの一回転)の間に収集される投影データの測定値は、下式(2)に示すように
マトリックスPDSとして編成することができる。
上記PDSマトリックスの各々の要素PDS(i,θ)は、投影角がθに等しい
場合のi番目のチャンネルの投影データ信号の測定値を表している。式(2)に
おいて、Nは、スキャナ40のチャンネルの数を表している。上述のように、好
ましい実施例においては、アレイ44には384個の検知器が設けられており、
従って、好ましい実施例においては、スキャナ40には384個のチャンネルが
設けられていて、Nは384である。Δθは、一連の投影の間のディスク46の
回転量(すなわち、一連の投影の間の投影角の角度増分)である。好ましい実施
例においては、ディスク46は、各々の投影の間に8分の1°回転し、スキャナ
40は、一回のスキャン操作の間に2,880個(すなわち、360°に関して
1°当たり8個の投影)の投影を発生し、従って、好ましい実施例においては、
Δθは、0.125°である。PDSマトリックスの各々の行は、単一の投影角
において収集された投影データ信号の総ての測定値を表している。好ましい実施
例においては、PDSマトリックスは、2,880の行を有している。PDSマ
トリックスの各々の列は、一回のスキャン操作の間に収集された一つのチャンネ
ルの投影データ信号の総ての測定値を表しており、好ましい実施例においては、
PDSマトリックスは384の列を有している。PDSマトリックスは、周期的
な又は反復的な性質を有しており、第1の行は、最後の行の続きであり、PDS
(i,0)=PDS(i,360)である。
図9Aは、患者50の断面の単一の扇形ビーム投影図の一つの部分を形成する
一組の光線1010を示している。各々の光線は、実質的に点源であるX線源4
2から出るので、いずれの光線1010も平行であり、その結果生ずる投影は、
扇形ビーム投影である。PDSマトリックスの各々の行は、単一の扇形ビーム投
影に対応している。再整理コンバータ916は、投影データ信号を再編成し、こ
れにより、各々の再編成された投影は、図9Bに示す光線1020の如き一組の
平行光線によって形成される。
図10A及び図10Bは、上述の再編成された投影を生成するために再整理コ
ンバータ916が使用することのできる好ましい方法を示している。図10A及
び図10Bは、2つの連続的な投影図を生成する間のX線源42及び検知器アレ
イ44の位置を示している。スキャン操作の間に、X線源42及び検知器アレイ
44は、円1120の中心1110の回りで反時計方向に回転する。図10Aに
示す最初の投影の間に、光線1130が、検知器44:4(すなわち、アレイ4
4の4番目のチャンネルの検知器)に入射する。図10Bに示す次の投影の間に
、光線1132が、検知器44:3(すなわち、アレイ44の3番目のチャンネ
ルの検知器)に入射する。好ましい実施例においては、各検知器の間の間隔は、
一連の投影を生成する間の回転量に合致しており、従って、光線1130は、光
線1132に対して平行に若干離れている。好ましい実施例においては、上述の
基本的な関係は、総ての検知器に関して当てはまり、従って、一連の投影の間に
隣接する検知器に入射する任意の2つの光線は、互いに平行な関係で若干離れて
いる。上述のように、好ましい実施例においては、Δθは、0.125°であり
、従って、好ましい実施例においては、アレイ44の各々の検知器は、その隣接
する検知器から0.125°だけ離れている。再整理コンバータ916は、上記
基
本的な関係を用いて、上記データを再整理して、再編成された投影を生成する。
再整理コンバータ916は、上記PDSマトリックスを再編成して、再整理信
号のマトリックスREを形成するのが好ましく、これにより、上記REマトリッ
クスは、平行ビームによって形成された投影と等価になる。再整理コンバータ9
16は、上記REマトリックスの各々の要素RE(i,θ)が下式(3)に示す
公式に従って選択されるように、REマトリックスを生成するのが好ましい。
RE(i,θ)=PDS(i,[i−j][Δθ]+θ) (3)
上式において、j番目のチャンネルは、検知器アレイの幾何学的中心に最も近い
チャンネルである。REマトリックスの各々の要素RE(i,θ)は、平行ビー
ムの投影角θに関するi番目のチャンネルの再整理信号の測定値を表す。再整理
コンバータ916は、低域通過フィルタを用いて、各々のチャンネルに関する隣
接する角度の投影を平均化することもできる。平均化された又は処理された再整
理マトリックスREは、大きな角度間隔Δθにおいて、より少ない数の行を有す
ることになる。REマトリックスをそのように処理することにより、その後の操
作を行う計算が減少する。
介在コンバータ918(図8に示す)は、上述の再整理信号を受信し、該これ
ら再整理信号から平行ビーム信号を発生する。介在コンバータ918は、180
°だけ離れた対をなす平行ビーム投影を結合して、より密度の高い投影を形成す
る。図11A及び図11Bは、X線源42と、患者50の断面と、検知器アレイ
44との空間的な関係を0°及び180°のそれぞれの投影角に関して示してい
る。図11A及び図11Bには、検知器アレイ44が、7個の検知器を含み、ま
た、4番目のチャンネル44:4の検知器がアレイ44の中央の検知器である状
態が示されている。上述のように、好ましい実施例においては、検知器アレイ4
4は、384個の検知器を有しているが、ここでは便宜上、上記7個の検知器の
実施例を説明することにする。好ましい実施例においては、検知器アレイ44は
、ディ
スク46の中心1210から若干離れており、従って、X線源42の焦点と中心
1210とを結ぶ線1234は、中央の検知器44:4の中心とは交わっていな
い。そのような検知器システムの構成は、本件出願人に譲渡されている米国特許
出願No.08/191,428(発明の名称:“X-RAY TOMOGRAPHY SYSTEM OF
A SCANNED IMAGE”、出願日:1994年2月3日)により完全に開示されてお
り、この米国特許出願は、参考として本明細書に組み込まれている。
図12は、0°及び180°の投影角にある検知器アレイ44とこれら検知器
の中の3個の検知器に入射する光線1310、1312、1314との間の空間
的な関係を示している。アレイ44とディスク46の中心1210との間のずれ
によって、0°の投影角にある検知器アレイ44は、180°の投影角にある検
知器アレイ44から若干離れているすなわち片寄っている。その結果、投影角1
80°に関して6番目のチャンネルの検知器44:6に入射する光線1310は
、0°の投影角に関して検知器44:2、44:3にそれぞれ入射する光線13
12、1314の間にある。この例においては、検知器44:6を「中央」の検
知器と考えることができ、また、検知器44:2、44:3を「両側の隣接する
」検知器と考えることができる。各々の投影角において、各々の検知器は、患者
の一部の密度を測定し、一般的には、両側の隣接する検知器によって測定される
部分は、他の検知器によって測定される部分よりも、中央の検知器によって測定
される部分に接近している(例えば、0°の投影角において検知器44:2、4
4:3によって測定される部分は、180°の投影角において検知器44:5、
44:7によって測定される部分よりも、180°の投影角において検知器44
:6によって測定される部分に接近している)。180°だけ離れている任意の
2つの投影を、中央の検知器と両側の隣接する検知器との間の上記関係を用いて
介在(交錯)させて、単一の密度の高い投影を形成することができる。例えば、
図12に示す構成に関するそのような交錯された投影は、量[RE(1,0),
RE
(7,180),RE(2,0),RE(6,180),RE(3,0),RE
(5,180),RE(4,0),RE(4,180),RE(5,0),RE
(3,180),RE(6,0),RE(2,180),RE(7,0),RE
(1,180)]から構成されており、RE(i,θ)は、θの投影角において
i番目のチャンネルの検知器から発生された再整理信号である。介在コンバータ
918は、上述の態様で上記再整理信号を介在(交錯)させて密度の高い投影を
形成する。
介在コンバータ918は、平行ビーム信号の測定値から成るマトリックスPA
Rを発生するのが好ましく、このPARマトリックスの各々の要素PAR(i,
θ)は、θに等しい平行ビームの投影角に関するi番目のチャンネルの平行ビー
ム信号の測定値である。上記PARマトリックスの構造は、下式(4)で示され
る。
式(4)に示すように、PARマトリックスは、PDSマトリックスの2倍の列
及び半分の行を有している。従って、PARマトリックスの各々の行は、PDS
マトリックスの行の2倍のデータを含む平行ビーム投影を表す。また、各々の平
行ビーム投影は、扇形ビーム投影の2倍のチャンネルを有すると考えることがで
きる。PARマトリックスは、PDSマトリックスとは若干異なる反復性を有し
ており、最後の行は、最初の行に逆の順序で続く。すなわち、PAR(0,18
0)=PAR(2N−1,0);PAR(1,180)=PAR(2N−2,0
)等となる。好ましい実施例においては、介在コンバータ918は、下式(5)
に従ってPARマトリックスの要素を発生するのが好ましい。
PAR(2i,θ)=RE(i,θ)
PAR(2i+1,θ)=RE(N−1−i,θ+180) (5)
(0≦i<N)
周知のように、扇形ビームデータを平行ビームデータに変換するコンバータ9
10(図8に示す)の如き平行ビームコンバータは、通常、フィルタ920の如
き補間フィルタを含む。しかしながら、この補間フィルタは、通常、介在コンバ
ータ918の直ぐ後に設けられる。検知器は一般的に隔置されていて、隣接する
検知器の間のX線源に対する角度偏差は総ての検知器に関して等しいので、検知
器は、直線方向に等間隔で隔置されていない。従って、PARマトリックスの各
々の行(すなわち、各々の平行ビーム投影)は、等間隔で隔置されていないデー
タ点を含んでいる。各々の投影の中央に近い要素は、各々の投影の端の付近の要
素よりも、より大きく隔置されている。上記補間フィルタは、上記データを補間
して、平行ビームデータの新しいマトリックスを生成し、各々の投影の総ての要
素を等間隔で隔置する。装置900の好ましい実施例においては、補間フィルタ
920は、周知の技法を用いて上記データを補間して、等間隔で隔置された要素
を含む投影を生成するが、フィルタ920は、介在コンバータ918の直ぐ後に
ではなく、条痕抑制フィルタ70の後に配置されるのが好ましい。しかしながら
、本発明は、従来技術で通常行われるように、補間フィルタ920を介在コンバ
ータ918の直ぐ後に配置した場合でも、十分に機能する。
また、周知のように、扇形ビームデータの平行ビームデータへの変換は、一般
的に、若干の回転を生じ、従って、0°の平行ビームの投影角は、0°の扇形ビ
ームの投影角に厳密に一致しない。上記回転は、補正しなければ、水平から若干
回転した再構成画像を生成することになる。上記回転は、一般的に生ずるもので
あって、その理由は、式(3)で用いた中央の検知器”j”は、一般的に、検知
器アレイの中心に正確に位置しないからである。上記回転の量は、一般に、Δθ
/2よりも小さく、補間フィルタ920又はバックプロジェクタ72によって周
知の技法を用いて補正することができ、あるいは、単純に無視することができる
。
条痕抑制フィルタ70は、投影フィルタ47によって発生された投影データ信
号に直接作用することができるが、投影データ信号ではなく平行ビームコンバー
タ910によって発生された平行ビーム信号を条痕抑制フィルタ70に与えた場
合に、情報フィルタ70の性能を改善することができる。
条痕抑制フィルタ70が、投影フィルタ47によって発生された扇形ビーム投
影データに作用する場合に、条痕抑制フィルタ70はPDSマトリックスの一つ
の行に同時に作用することは、当業者には理解されよう。例えば、条痕抑制フィ
ルタ70が、PDSマトリックスの最初の行(すなわち、θが0°に等しい場合
の行)に作用してフィルタ70の処理を理解している時に、行PDS(0,0)
は、以前に示した信号PDS:1と置換されると考えることができ、また、行P
DS(1,0)の二番目の要素は、以前に示した信号PDS:2と置換されると
考えることができる(以下同様)。同様に、条痕抑制フィルタ70が、平行ビー
ムコンバータ910によって発生された平行ビーム信号に作用する場合には、フ
ィルタ70は、PARマトリックスの一つの行に同時に作用する。例えば、条痕
抑制フィルタ70がPARマトリックスの最初の行に作用している場合には、行
PAR(0,0)の最初の要素が、以前に示したPDS:1と置換されると考え
ることができ、また、PARマトリックスの二番目の要素PAR(1,0)は、
以前に示した信号PDS:2と置換されると考えることができる(以下同様)。
PARマトリックスの各々の行は、PDSマトリックスの一行の要素の2倍の要
素を有しているので、フィルタ70は、平行ビーム信号に作用する場合のチャン
ネルの2倍のチャンネル(すなわち、2N個のチャンネル)を有するのが好まし
い。
骨/軟らかい組織の境界面の不十分なサンプリングにより生ずる条痕を抑制す
るという意味において、本発明を上に説明した。しかしながら、当業者には分か
るように、条痕抑制フィルタ70を用いて高振幅の高周波信号の任意のタイプの
不規則性又は不完全性によって生ずる条痕を抑制することができる。従って、条
痕抑制フィルタ70は、スキャン操作の間の患者の動き及びガントリーの望まし
くない運動又は振動により生ずる条痕、並びに、患者に高密度の充填物又はイン
プラントが存在することにより生ずる条痕を効果的に低減することができる。
低域通過フィルタ、加算器及び減算器の如き構成要素から成る群から構成され
るものとしても、条痕抑制フィルタ70を上に説明した。当業者には分かるよう
に、条痕抑制フィルタを構成するために使用される構成要素の数は、多重化機構
を用いることによって、減少させることができる。例えば、図5を参照すると、
条痕抑制フィルタ70は、図示のようにN個の各々の構成要素を用いるのではな
く、一つの低域通過フィルタ、一つの減算器、一つの閾値装置、一つの加算器、
及び、二つの1:Nマルチプレクサを用いて構成することができる。また、条痕
抑制フィルタ70は、ディジタルコンピュータにより実行されるソフトウエアプ
ログラムの如き他の手段によって構成することもできる。
本発明の範囲から逸脱することなく、上述の装置にある種の変更を加えること
ができるので、上の記載に含まれる又は添付の図面に示される総ての事項は、例
示又は代表例であると考えるべきであって、限定的な意味で理解してはならない
。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
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,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,
CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G
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L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK
,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN
【要約の続き】
波信号(PDSHF:1乃至PDSHF:N)を形成す
る。SSF(70)は、高周波信号(PDSHF:1乃
至PDSHF:N)を閾値で処理する(120:1乃至
120:N)ことによって、濾波信号(SCS:1乃至
SCS:N)を形成する。