JPH11502550A - オイルスピルからの原油回収方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 オイルスピルの塊から原油を回収する方法である。初めにスピルの塊に低圧で噴霧がなされ、次いで少なくとも１００ｐｓｉの比較的高い圧力で同じ処理が行われる。数時間かけて分散剤がスピルの本体に浸透可能となった後、５００〜７００ｐｓｉの範囲で動作する空気コンプレッサを用いることによりスピルの本体の物理的攪拌を誘導し、原油が分散して表面に出てくるようにする。次いで、スキマー及び真空吸込み手段を用いてスピルから原油が抽出され、更に処理がなされる。

Description

【発明の詳細な説明】 １．名称：オイルスピルからの原油回収方法 ２．技術分野 本発明は、こぼれ落ちた原油であるオイルスピル（spill）からの原油回収方 法に関し、特に現場の生体環境に悪影響を与えることなくオイルスピルを浄化す る方法に関する。 ３．背景技術 原油スピルを浄化するための多くの方法が過去に使用されてきており、それら は様々なレベルの成功を収めた。しかし、これらの方法は原油スピルを回収する ものではなく、更に多くの例においては、環境に悪影響を与えるものであった。 今日用いられている方法の多くでは、原油と混合された固体物質とを一体に包ん でしまい、残りの土や沈降物が汚染されないようにしている。 ４．発明の要約 本発明の主たる目的の１つは、環境に悪影響を与えることなくスピルに含まれ た原油を浄化し回収する方法を提供することである。 本発明の別の目的は、原油スピルを浄化し、原油を回収する方法であって、装 置が必要とする最小量の原油をたやすく供給できる方法を提供することである。 本発明の更に別の目的は、比較的コストのかさまない原油スピルの浄化方法を 提供することである。 本発明の更に別の目的は、本発明の内容を詳細に説明する（ただし発明を限定 するものではない）ための、以下の好適実施例の説明において明らかとなろう。 ５．好適実施例の詳細な説明 典型的なオイルスピルは、原油と懸濁された固体物質とを含む。本発明の方法 は、強制的に原油を表面に出し、かつ固体物質を沈殿させようとするものである 。この目的を達成すべく、本発明は、特定のオイル分散剤の希釈溶液を利用した 逆エマルジョンプロセスを利用する。この分散剤は、１９７６年１０月２６日Ｄ ｕｔｃｈ Ｐｒｉｄｅ Ｐｒｏｄｕｃｔｓに付与されたカナダ国特許第９９８， ９１０号明細書に記載されており、以下に述べる物理的条件の下で供給される多 数の生分解性物質を含んでいる。基本的な成分は、モノエタノアミン(monoethan oamine)、トリエタノール・アンモニウム・硫酸ラウリル（triethanol ammonium laurylsulphate）、エトキシル化プロポキシル化脂肪酸アルコール（ethoxylat ed,propoxylated fatty acld alcohol）Ｐｌｕｒａｆａｃ Ｄ−２５（Ｗｙａｎ ｄｏｔｔｅ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｄｉｖｉｓｉｏｎ ｏｆ ＢＡＳＦ社製のもの で米国特許第３，３８２，２８５号明細書に記載されている）、ココナツ脂肪ベ タイン（coconut fatty betaine）、及びココナツ・アルキロールアミド（cocon ut alkylolamide）である。これによって好ましい現場の浄化が達成でき、それ がなければ、現場の浄化を行うのに著しく長い時間がかかり、また原油の回収に も長時間かかることになる。 この方法を使用する前に、オイルスピルのサンプルは、ＡＰＩ（アメリカ石油 協会）の定めた等級の何れかに決定すべく分析される必要がある。 本発明の目的のために、本出願人は、スピルに含まれる原油のクラス分けを、 ＡＰＩ等級に従ってタイプＡ、Ｂ、Ｃ、及びＤの４つに分ける形で行った。以下 の図を参照されたい。例えばアスファルトの場合のようにＡＰＩ等級が低い場合 の溶液中の活性物質の濃度は、パラフィンオ イルのようにＡＰＩ等級が高い場合よりも高いものである必要がある。 本発明の方法では、第３レベルのＡＰＩ等級の原油スピルを回収することが可能 であった。 次いで、この現場には分散剤溶液を噴霧されるが、噴霧される溶液の量はスピ ル内の原油の推定容量によって決定される。噴霧の前に、原油分散剤または乳化 剤は塩水に溶解される。噴霧処理は初めに低圧で行われ、後に高圧（典型的には ２００ｐｓｉ、かつ少なくとも１００ｐｓｉ以上）で行われる。こうして、この 溶液が長時間かけてスピル全体に浸透することが可能となるが、これにかかる時 間は処理される原油の塊の深さに応じて決まる。溶液が原油の塊の最も深い層に 浸透した後、５００〜７００ｐｓｉで動作する空気コンプレッサを用いて物理的 撹拌が誘導される。この処理される原油の塊の撹拌の度合は、この原油が受ける 物理的な遠心力に応じて変化する。例えば、浅いスラッシュ溜め（sludgepit） の場合には、原油を撹拌するのにかかる時間が、深いプールより短くなる。この 撹拌時間だけかけて原油は分散され、その粘度は著しく低下し、それによって使 用者が物理的手段を用いて原油を回収することが可能となる。原油粒子は表面に 進み、固体は底部に沈んでゆく。典型的には、真空トラック及びスキマー（skim mer）を用いて、表面に浮かんできた原油を抽出する。最後に、抽出された原油 がリザーバに格納されて、次いで通例の、異なる石油製品を得るための処理が行 われる。原油分散剤の配合は以下のようなものである。配合 ここで、原油のタイプは以下のように定義される。 Ａ：軽質原油 Ｂ：１８ＡＰＩ〜２４ＡＰＩ Ｃ：１２ＡＰＩ〜１８ＡＰＩ Ｄ：１２ＡＰＩ未満 塩水（純水より重い）を用いることで、より良い結果が得られることが分かっ た。これは、塩水の重い比重が固体の浮力を高めるためである。 上述の記述は、本発明の目的及び利点を説明するためのものである。 本発明の進歩性を実現した他の実施例も可能である。ここに開示した全ての事項 は、単なる説明のための例示であり、本発明をこれに限定するものでないという ことを理解されたい。 ６．産業的応用性 実際にスピルから原油を回収するのに用いる場合において、上述の方法を適宜 改変することが必要であるということは、上の記述から明らかであろう。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．固体物質と原油の混合したオイルスピルの塊から原油を回収する方法であっ て、 Ａ）低圧で原油分散剤または乳化剤を前記オイルスピルの存在する現場に噴霧す る過程と、 Ｂ）少なくとも１００ｐｓｉの比較的高圧で、前記原油分散剤を前記オイルスピ ルの存在する現場に噴霧する過程と、 Ｃ）噴霧された前記原油分散剤が、前記オイルスピルの塊に浸透し、前記原油分 散剤が前記オイルスピルの最も深い部分に接触できるようにする過程と、 Ｄ）５００乃至７００ｐｓｉの範囲で動作する空気コンプレッサを用いて空気を 注入することにより、前記オイルスピルの塊の物理的攪拌を誘導し、前記原油が 分散して表面に集まるようにして、原油粒子の逆エマルジョンが生成されて、表 面に出てくる前記原油粒子と底部に沈む前記固体物質とが分離されるようにする 過程と、 Ｅ）吸引手段またはスキマー手段を用いて前記オイルスピルから前記原油を抽出 する過程とを有することを特徴とするオイルスピルの塊からの原油回収方法。 ２．前記原油分散剤または乳化剤が、モノエタノアミン（monoethanoamine）、 トリエタノール・アンモニウム・硫酸ラウリル（triethanol ammonium laurylsu lphate）、エトキシル化プロポキシル化脂肪酸アルコール（ethoxylated,propox ylated fatty acid alcohol）、ココナツ脂肪ベタイン（coconut fatty betaine ）、及びココナツ・アルキロールアミド（coconut alkylolamide）なる活性成分 を含む溶液であることを特徴とする請求項１に記載の方法。 ３．前記原油分散剤または乳化剤が、噴霧を行う前記Ａ過程及び前記Ｂ 過程の前に、塩水に溶解されることを特徴とする請求項１に記載の方法。