JPH11502317A - 時間ドメイン空間スペクトラルフィルタリングを介して光ビームの経路を定める装置及び方法 - Google Patents
時間ドメイン空間スペクトラルフィルタリングを介して光ビームの経路を定める装置及び方法Info
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Abstract
(57)【要約】
特定のアドレス時間波形及び付加的なデータを含む電磁放射の光パルス(データパルス)の空間的経路を定める装置及び方法を開示する。ルーティングは単体の能動物質(AM)を含み、この能動物質は、この物質に対してアドレス情報(すなわち、波形弁別)及び方向情報(すなわち、パルスルーティング)を与える電磁放射の1個又はそれ以上の入力ビーム又はパルスを用いてプログラミンムされる。プログラミング中、空間スペクトラル回折格子はデータパルスに属するアドレス情報及び方向情報を符号化する入力パルスの干渉入力形成される。アドレスパルスの時間波形とほぼ同様な時間波形を符号化するデータパルスが能動物質の回折格子と相互作用すると、能動物質が、プログラミング中に入射した方向情報に対応した方向に伝搬する出力パルス(KS)を発生する。
Description
【発明の詳細な説明】
時間ドメイン空間スペクトラルフィルタリングを介して
光ビームの経路を定める装置及び方法
謝辞
本発明は、空軍省科学研究所の許可F49620−92−J−0384及びF
49620−93−I−0513によって与えられた物資を利用して開発された
。従って、合衆国政府はこの発明についてある権利を有している。
発明の分野
本発明は、一時的に構成されたデータを含む光ビームの空間的な経路を定める
装置及び方法に関するものである。
発明の背景
例えば、ネットワークコンプュータと別のデータ処理装置との間で大量のデー
タを交換するレートの改良の必要性が生じている。データの相互交換能力を必要
とするノードの数の増大及び各ノードにより要求されるデータの複雑性により、
データ伝送及び処理は技術的限界に達している。従って、データ伝送の容量及び
効率の増大を実現できるネットワーク装置についての新たな技術アプローチが極
めて重要である。
光学的手段によるデータの伝送及び処理は、データの処理の速度及び効率を技
術的に突破する可能性を示している。光ファイバによるデータ伝送は一般的であ
る。空間スペクトラルホログラム装置を用いることは、通常の技術を用いて達成
される性能よりも大幅に高い性能レベルで動作する光ネットワークの扉を開くこ
とができる。光データ処理装置を用いる可能性のある特定の分野は、大きなデー
タブロック(10kバイト以上)を極めて高速で(1秒当たり10ギガビット又
はそれ以上)連続的に伝送及び処理する分野である。
上述したことに加えて、本質的な発達は光メモリで達成された。例えば、時間
ドメイン、周波数選択、光メモリの領域において、固有の周波数選択性を呈する
材料を用いて入射光ビームの時間的及び空間的特性の両方を記録できることを見
出した。
モスベルグ著「タイム−ドメイン フリーケンシーセレクティブ オプティカ
ル データ ストレージ」,Optics Lett 7:77−79(1982)。本発
明者のその後の研究は、同一の基本的相互作用を用いて、たたみ込み及びクロス
相関により個別に時間的に形成された光ビームを処理できることを示している。
バイ等著「リアル−タイム オプティカル ウェイブフォーム コンボルーバ/
クロス コレレータ」,Appl .Phys.Lett.45:714〜716(1984)
、及びバビット等著「ミックスド バイナリ マルチプリケーション オブ オ
プティカル シグナルズ バイ コンポルーション イン アン インホモジー
ニアスリ ブローデンド アブソーバ」,Appl .Optics 25:962〜965
(1986)。この研究において、基本となる機構は、きわめて高い帯域幅で動
作することに基づくと共に同時に比較的大きな時間−帯域幅の積を与えることを
見出した。(前述の文献は本発明の理解に最も関連しているので、これらの文献
は本明細書において参考として記載する。)
関連する実験及び理論的作業の内容は、これらの概念を種々の方向に拡張する
ことのように思われる。例えば、固有の周波数選択性を用いるデータの記憶及び
処理を開示する文献として、カーソリング等著「テンポラリ プログラムド フ
リーインダクション デケイ」,Phys .Eev.A 30:1572〜1574(う
984)、バビット等「コンポルーション,コレレーション,アンド ストレー
ジ オブ オプティカル データ イン インホモジーニアスリ ブローデンド
アブソージング アテリアル」,Proceodings of SPIE-Pptical Engineering,
Vol 639 Advances in Optical Information Procecsing II,PP.240〜2
47(1986)、スザボーの米国特許第3896420号(1975年7月2
2日)、カストロ等の米国特許第4101976(1978年7月18日)、モ
スベルグの米国特許第4459682号(1984年7月10日)、モスベルグ
等の米国特許第4670854号(1987年6月2日)、バビッド等の米国特
許第5239548号(1993年8月24日)、及びモスベルグの米国特許第
5276637号(1994年1月4日)が含まれる。(これらの文献は本発明
の理解に最も関連しているため、本明細書において参考として記載する。)
同様な光学的機能は、固有の周波数選択性を有しない分質中に周波数選択性空
間回折格子を用いることにより実現されている。マズレンコ著「インタフェアレ
ンス オブ スペクトリ ディスパーズド ライト」,Ppt .Sepetrosc.(US SR)56
:357(1989)、マズレンコ著「リコンストラクション オブ
ア ノンステーショナリ ウェイブ フィールド バイ ア 3−D ミディ
アム」,Opt .Spectrosc.(USSR)57:343〜344(1984)、マ
ズレンコ著「リコンストラクション オブ ア タイム−バリイング ウエィブ
フロント バイ マルチビーム インタフェアレンス」,Sov .Tech.Phy.Lett er
10:228〜229(1984)、マズレンコ著「ホログラフィ オブウ
エィブ パケット」、Appl .Phys.B 50101〜114(1990)、及び
ブラディ等著「ポリウム ホログラフィック パルス シェーピング」Optics L ett. 17
:610〜612(1992)。(これらの文献は本発明の理解に最
も関連しているため、本明細書において参考として記載する。
時間波形データの記憶及び/又は処理に対応する光学的プロセスはしばしば空
間時間情報の記憶に到達する。例えば、一連の画像を記憶し再生することができ
る。モスベルグの米国特許第5276637号。
上述した米国技術の開発にも係わらず、光データをルーティングできるデバイ
ス及び方法の必要性がある。特にデータを高速で受動的にルーティングできるデ
バイスの必要性がある。
図面の簡単な説明
図1は、順次投射した2個のプログラミングパルスk1及びk2(k1は「アド
レスパルス」、k2は「方向パルス」)を用いて周波数選択性能動物質をプログ
ラムし、プログラミングの後能動物質が「データパルス」k3を受光した際、ア
ドレスパルスの時間波形にほぼ同様な時間波形を有する「信号パルス」ksを発
生する一例を線図的に示す。
図2Aは、種々の空間方向に出力パルスを発生することができる本発明による
光ルータに用いる周波数選択性能動物質をプログラミングする代表的スキムを線
図的に示す。
図2Bは、プログラミング中に用いた対応するアドレスコードにほぼ整合する
時間波形の入力に応答し、図2Aに示すようにしてプログラムされた光ルータに
よる出力パルスの選択的な発生を線図的に示す。
図3は、3個の代表的な異なるアドレスコード、これら3個のアドレスコード
の各々に対応する波形を含むアドレスされたビット列を有する入力時間プロファ
イル、及び本発明による光ルータにより発生した対応する出力パルス(時間の関
数として)を示す。図4は、本発明による光ルータの別のプログラミングスキム
を線図的に示す。
図5は、本明細書で開示した変形例で用いた第1及び第2のプログラミングビ
ーム(k1及びk2)、データビーム(k3)及び出力ビームすなわち信号ビーム
(ks)の相対的な向きを線図的に示す。
図6Aは本発明による光ルータの代表的変形例の光学的形態を線図的に示し、
この光ルータはアドレスパルス、方向パルス及びデータ入力パルスの自由空間伝
播及び能動物質からの出力パルスの光ファイバ伝達に適した素子に光学的に結合
されている。
図6Bは光ファイバを用いて能動物質へ入力パルスを伝達する図6Aの変形例
を線図的に示す。
詳細な説明
1.用語
本明細書において以下の用語及び表現を用いる。
「光」とは、適当な電磁放射であり、電磁スペクトラムの可視域に限定されな
い。
「光学的ビーム」又は「光ビーム」とは、太陽からの太陽光のように放射源か
ら多くの又はあらゆる方向に進行する放射とは異なり、レーザビームのように放
射源から規定された単一の方向(k)に伝搬する電磁放射である。光ビームは波
動を示す電界を含む。
「光パルス」とは、光ビームの時間波形であり、この波形は開始部と終了部を
有する。光パルスは開始部と終了部との間で変調してデータを符号化することが
できる。
「光流」又は「光データ流」とは、開始部及び終了部が規定されていない波形
を有する光ビームの時間波形である。
光ビーム又はパルスの「伝搬方向」とは、ビームの波動ベクトル,すなわちビ
ーム又はパルスの空間的な向きである。
光ビーム又はパルスの「時間波形」又は「時間構造」とは、本発明によるデー
タ伝送及び処理で用いビーム又はパルスの電界成分の時間の関数としての波形で
ある。
「能動物質」とは、この物質と相互作用する特定の時間構造を有する光ビーム
又はパルスを本発明に基づいて受動的に偏向できる物質であり、この偏向はプロ
グラミングにより能動物質に形成された空間スペクトラル回折格子との光ビーム
又はパルスの相互作用の結果として生ずる。
「回折格子」とは、能動物質中の空間的に依存する吸収パターン又は空間的に
依存する屈折率変化である。回折格子は、当該技術分野で既知のように、ブラッ
グ散乱に適合する条件が存在する場合入射光ビームを反射する。
光ビームの「カラー」とは、ビームを構成する電磁放射の波長(λ)又は周波
数(ν)を示す。
電磁放射の「周期」(τ)とは、周波数の逆数(すなわち、τ=1/ν)であ
る。
「周波数選択性物質」とは、電磁放射の個別の波長つまり周波数に応答する構
造を固有のものとして有する本発明による能動物質である。一般的に、このよう
な物質は電磁放射に対して透過性であり、その厚さ内において放射とその構造体
とを相互作用させることができる。
「周波数非選択性物質」(空間的選択性物質とも称する)とは、周波数選択性
を固有のものとして有していないが、空間的に形成された回折格子を十分な解像
力で維持でき用いる電磁放射のビームにより発生した光干渉縞を記録でき、又は
光の入射又は時間積分された全光強度に比例する別の刺激に対して吸収率又は屈
折率が局部的に変化する本発明の能動物質である。
「等方性吸収帯域」又は「等方性吸収ライン幅」(Δνk)とは、周波数選択
性能動物質の個々の原子又は分子が電磁放射を吸収する周波数期間である。回折
格子の用語と関連して、等方性吸収帯域は回折格子が応答できる最小の周波数域
、
すなわち回折格子の周波数解像力である。
「非等方性吸収帯域」又は「非等方性吸収ライン幅」(Δνi)とは、周波数
選択性能動物質が全体として電磁放射を吸収する周波数期間である。回折格子の
用語と関連して、非等方性吸収帯域は回折格子が相互作用できる全周波数域であ
る。
「非等方性広域吸収器」(「IBA」と省略する)とは、より広域の典型的に
はこの物質の等方性吸収帯域よりも一層広い非等方性吸収ライン幅を呈する周波
数選択性能動物質である。時間的に符号化された光パルスがIBAに入射し、光
パルスとし符号化されたデータがΔνiの範囲内にあると、IBAのある原子又
は分子がそのエネルギーレベルの周波数依存性の変化を呈し、IBAのの吸収プ
ロファイルに変化が生ずる。従って、このIBAは光パルスの電力スペクトラム
をIBAの種々のスペクトラルチャネルに「記録」することができ、各チャネル
は特定のΔνhに対応する。パルスのフーリェ変換は2個の時間的に分離された
パルスのよりスペクトラル干渉を記録することによりIBAに記録することがで
きる。IBA物質は、プロシーディングス オブ SPIE−ザ ソサイアティ
フォー オプティカル エンジニアリンク 第639巻,アドバンシィズ イ
ン オプティカル インフォメーション プロセシング II(1986年4月
)第249〜247頁の文献「コンボリューション コレレーション アンド
ストレージ オブ オプティカル データ イン インホモジーニアスリ ブロ
ーデンド アブソーブィング マティリアル」 バビィト等著において検討され
ており、本明細書において参考とし記載する。IBAに関する別の関連する情報
は米国特許第5276637号から得られ、この特許明細書も参考として記載す
る。
「等方性位相解除時間」又は「等方性のライフタイム」(τh1=Δνh -1)と
は、個々の原子又は分子がコヒーレントに応答できる時間(例えば、その位相メ
モリのライフタイム)である。この時間は、IBA内の原子又は分子への特定の
周波数の電磁放射の入射により生じた励起状態からのこれら原子又は分子の減衰
時間の約2倍の時間よりも長くはない。
「プログラミング」とは、本発明の光ビーム又はパルスの波形制御された偏向
に必要な空間スペクトラル回折格子が生成されるように能動物質の吸収性又は屈
折性を制御しながら変更することである。
本発明による「光ルータ」とは、回折格子が対応するアドレスコードにほぼ整
合した時間波形を含む入射パルスを受光するときはいつでも、少なくとも1個の
所望の方向に出射パルスを発生する少なくとも空間スペクトラル回折格子である
。
本明細書で用いる他の用語は必要に応じて以下において規定する。
2.基本的概念
従来から知られているように、光は電界及び磁界により構成される。これらの
電界及び磁界は検出可能であり、帯電粒子、原子又は分子或いは一般的な物質に
対する効果により規定することができる。光及び物質を含む多くの相互作用は光
の電界成分が介在している。
最も簡単な構成を有する光ビームは平面波で構成されるビームである。平面波
の光ビームにおいて、電界成分は、ビームの伝搬方向と直交する幾何学的平面に
沿って一定の値を有している。光ビームが単色光すなわち単一のカラーの光の場
合、平面間の距離は一定である。単色の光ビームの場合、平面間の距離は波長λ
である。単色の平面波は時間的に一定であり時間的な構造を有していない。複雑
な時間構造を有する光ビームは種々のカラーの単色平面波の合成である。例えば
、時間的に構成された平面波光ビームは、種々の波長を有する単色平面波の集合
とみなすことができる。
異なる時間構造を有する各光ビーム又はパルスは、単色構成物質の対応する特
有の集合、すなわち特有のフーリェ変換を有している。フーリェ変換は、分解さ
れた個々の全ての単色平面波の振幅及び位相を与える周波数の関数である。位相
は、ある基準時間及び位置における平面波の一定の電界面の変位を示す。
単色平面波光ビームについてその伝搬方向は種々ょ方法により変化させること
ができる。当業者に知られているある方法は、回折格子を用いることである。回
折格子を想到することは、互いに重ね合わせた薄い平行な僅かに反射性のシート
の集合を考えることである。各シートは固定距離「a」だけ隣接するシートから
離れている。この回折格子に光ビームを入射させ、入射角θが以下の条件を満足
すると、反射ビームが発生する。
(2a)cosθ=mλ
ここで、λは入射したビームの波長であり、mは整数とする。上記の式はブラッ
グの法則と称されている。その結果として、ビームがある入射角θで回折格子に
入射した場合だけ回折格子は光ビームを反射する。このθの値の場合だけ、回折
格子の個々の反射層で散乱した光が干渉し合ってビームの強い全反射を発生する
。ブラッグの法則から理解されるように、反射が生ずる角度は入射する単色平面
波の波長λ及び層間隔aに依存する。
回折格子が特定のカラーの光についてだけ反射性の場合、この回折格子はその
特定の波長の光だけを偏向することができる。他方において、それぞれ異なるカ
ラーの光に応答する多数の回折格子が、反射率、面間隔、及び層の変位が個別に
制御できるように重ね合わされている場合、この複合回折格子に特定の角度θで
入射した多重カラーの光ビームは、個別のカラーについて特定されている回折格
子の種々の間隔及び他の特性が調整される場合反射してビームの全てのカラー光
が反射することができる。
3.能動物質のプログラミング
上述したように、特定の時間波形(すなわち、光の電気成分の時間の関数とし
ての変化)を有する平面波の光ビーム又はパルスは、単色平面波についての特有
のスペクトラル分解を有している。本発明によれば、能動物質のプログラミング
は、能動物質に特定の時間波形を構成する入射パルス又はデータビームが能動物
質に入射した後特定の時間構造の光パルスを集合的に能動物質により偏向させる
空間スペクトラル回折格子のアレイを能動物質中に形成することを含む。
周波数選択性能動物質は多数の空間スペクトラル座標(軌跡又はチャネルとみ
なすことができる)の合成として想到することができ、各軌跡は特定のカラーに
応答する(すなわち、各軌跡は特定のν)を有する。従って、各軌跡は特定のx
、y及びzの次元及び明瞭な周波数の次元を有しているので、プログラミングは
能動物質の4個の次元を有効に利用する。理論的には軌跡又はチャネルは能動物
質の1個程度のの原子又は分子により表すことができるが、各軌跡すなわちチャ
ネルは典型的には多数の原子で構成される。必要なことは、周波数選択性能動物
質が、用いる能動物質の全てのスペクトラル特性及び空間特性を表すのに十分な
数の空間スペクトラル軌跡を有することである。
平面波の光ビームの経路を順次定めるため、周波数選択性能動物質は、本発明
に基づき2個のプログラミングパルスを用いてプログラムすることができる。一
方のパルスは「アドレスパルス」と称され、能動物質が応答すべき特定の時間波
形を符号化する。すなわち、アトレスパルスは、能動物質が順次入射する全ての
情報からアドレスパルスにほぼ整合する時間波形を弁別できるようにする。他方
のパルスは「方向パルス」と称する。この方向パルスは、プログラミングの後に
能動物質への対応するアドレスコードの入射に応じて能動物質により発生したパ
ルスのこの能動物質からの伝搬方向を決定する入射方向に基づき能動物質と相互
作用する。
本明細書に開示されているように、光ビーム又はパルスを用いる別のプログラ
ミング方法も可能である。いかなる場合においても、アドレスパルスは典型てき
に変調され、適切な時間アドレス波形を形成する。方向パルスは「ブリーフ」パ
ルスと称され、その名称よりパルス期間が最短の時間特性となるパルスを意味す
る。好ましくは、本発明による特定の光ルータをプログラムするために用いる方
向パルスは、ルータに入射し又は入射する予定のいかなるデータ又はアドレスの
最短の時間特性よりも短い期間を有する。方向パルスは、典型的には論理「0−
1−0」のプロファイルを有し他のいかなる変調をも有しない。この方向パルス
の帯域幅は、通常パルス期間の逆数である。或いは、方向パルスは周波数チャプ
された2個のパルスで構成される。
アドレスパルスも有限の全期間を有する(この期間は、好ましくは能動物質の
等方性ライフタイム以下とする。)。さらに、アドレスパルス及び方向パルスは
それぞれ特有の時間構造を有し、各時間構造は1個又はそれ以上の単色平面波の
特有の組み合わせに分解することができる。これら2個のパルスの干渉は電力プ
ロファイル(各プログラミングビームのフーリェ変換の2乗である)を有し、こ
の電力プロファイルは山と谷の特有のプロファイルを呈し、そのプロファイルは
能動物質に空間的に分布した種々の個別の軌跡が勾配を形成するように応答する
。すなわち、能動物質中に空間的に分布する種々の軌跡が各ビームからの種々の
同一カラー単色平面波成分と選択的に相互作用する。等しくないカラーの単色平
面波間の干渉は回折格子に記録されない。
時間的に構成された光パルスの平面波分解はこのパルスの時間構造に関係する
。従って、2個のプログラミングパルスの干渉も特有のものであり、この干渉に
応答して能動物質に形成された複合回折格子の構成はこの特別な干渉に空間的及
びスペクトラル的に対応し、2個のプログラミングパルスの特定の時間構造に対
する鍵となる。
プログラミングの後、能動物質に形成された回折格子は、続くデータビーム中
に符号化された時間構造とほぼ同様な時間構造と選択的に相互作用し別の適当に
選択された時間構造とは相互作用しない。(別の時間構造とほとんど相互作用し
ないことは、回折格子が他の時間構造と相互作用しても相対的に低いノイズレベ
ルを発生するに過ぎないことを意味する。)アドレスパルス及び方向パルスは、
同時を含むいかなる順序で周波数選択性能動物質に入射することができる。この
ような物質を含む多くの用途において、アドレスパルスは方向パルスに先行する
。通常、アドレスパルスが方向パルスの後に入射する場合、アドレスパルスは、
アドレスパルスが方向パルスに先行する場合に比べて時間的に反転している。
1個以上のプログラミングパルスの組(各組は1個のアドレスパルスと1個の
方向パルスで構成される)を用い、特定の時間波形を所定の方向にデータルーテ
ィングするためのプログラミング効率を増強することができる。1個又はそれ以
上の付加的な組を用いて必要に応じて再プログラミング又はプログラム復帰する
ことができる。
従って、一般的には、2個のプログラミングパルス及びデータビームが集合し
て少なくとも2個のアドレス及び1組のデータを与える。どのビームがこれらの
要素のいずれの要素を含むかは、以下の位相整合条件が成立する限り一般に任意
である。
ks=k3+k2−k1
好ましくは、一方のアドレスを第1のプログラミングパルスにたたみ込むが、こ
れは必要ではない。第1のプログラミングパルスにアドレスがたたみ込まれてい
ない場合、既に知られているように、一方のアドレスを時間反転した形態で入力
する必要がある。
データ組はいかなるビーム(ks以外)にも乗せることができるが、好ましく
は第2のプログラミングビーム又はデータビームのいずれかに含ませる。データ
組が第1のプログラミングパルスに存在する場合、データは時間反転した態様で
物質中(ksパルス中に)に存在することになる。
周波数選択性の能動物質にプログラミングする際2個のプログラミングパルス
を順次入射させることが可能である。この理由は、この能動物質は第1のプログ
ラミングパルスに符号化された情報を光メモリに記憶するのと同様な方法により
記録するからである。(例えば、米国特許第5276637号、4158890
号、4670854号及び4459682号を参考にする)この記憶期間は特定
の物質及び物質の物理的環境に依存する。とにかく、必要な干渉を発生させるた
め、記憶された第1のプログラミングパルスからの情報が喪失する前に第2のプ
ログラミングパルスが能動物質と干渉しなければならない。一般的に、第1のプ
ログラミングパルスと第2のプログラミングパルスとの間の最長情報は、T2=
(Δνh)-1よりも長くしてはならない。第2のプログラミングパルスの第1のプ
ログラミングパルスに対する遅延が長くなればなる程出力パルスの発生効率が低
下する。
周波数非選択性物質をプログラミングする場合、典型的には両方のパルスが能
動物質と同時に干渉しなければならない。
光ビームを能動物質と干渉させることにより空間スペクトラル方法で変成され
うる種々の周波数選択性能動物質が存在する。周波数選択性能動物質は特有な等
方性帯域幅により特徴付けられる。上述したように規定される等方性帯域幅は能
動物質が検出できる最小の周波数増分を特定する。等方性帯域幅以上に周波数で
分離された光ビーム(すなわち、カラー)は能動物質中で独立して作用する。非
等方性帯域幅は、光ビーム又はパルスが能動物質に影響を与えることができる全
周波数域を表したものである。非等方性の非同相時間(Δνi)-1は、能動物質に
より分解される時間波形の最短の時間波形の期間を表す。
前述したように、プログラミングビームが介在する吸収の変化を含む種々の機
構により周波数選択性能動物質に回折格子を形成することができる。別のプログ
ラミング機構は、能動物質の屈折率の局在化した周波数依存性の変化を含む。回
折格子を生成する他の代表的な手段は、本明細書に開示され本明細書で参考とし
て記載した種々の文献に開示されている。
プログラミングパルスの入射により形成された回折格子を周波数選択性能動物
質が維持できる特有の方法は、「パーシステンス スペクトラル ホール バー
ニング」、簡略化して「PSHB」と称されている。例えば、パーシステンス スペクトラル ホール バーニング:サイエンス アンド アプリケーションズ
,スプリンジャ−ベルラッグ,ニューヨーク(1988)を参照することができ
、本明細書において参考として記載する。PSHBは、能動物質中に回折格子が
形成されるように能動物質の特性の選択的な変更を含んでいる。数個の条件が必
要である。第1に、この物質の吸収帯域を非等方性で広くする必要がある。これ
は、この物質の内部吸収が、それぞれ明確な等方性の吸収帯域を呈する狭いライ
ン幅の吸収ラインの広い周波数域についての全体としての調和に起因することを
意味する。この狭いライン幅の吸収ラインは「吸収器」と称される物質中の軌跡
又はチャネルから生まれる。各吸収器により発生する等方性吸収帯域幅は典型的
には極めて狭くなければならない。この能動物質の一層広い非等方性帯域幅は、
局在化した結晶場、物質中の応力及び他の巨視的環境因子による個々の吸収器の
共鳴のランダムな周波数シフトの結果である。
単一波長の光を用いて吸収器を光学的に励起する際、吸収器の等方性吸収帯域
幅が励起周波数と共鳴している場合吸収器は励起した電子状態に遷移する。その
後、吸収器はその基底状態に減衰する。或いは、及び好ましいことに、吸収器が
励起状態から減衰できる別の状態が存在する場合、励起した吸収器の一部は元の
励起状態に緩和するのではなく別の状態で終息する。(別の状態への緩和は励起
波長の放射ではなく異なる波長の放射の照射により行うことができる。当業者は
、このような緩和を「ゲートされた」と称する。より少ない数の吸収器が光を共
鳴的に吸収するので、別の状態へ緩和させる吸収器は、この物質による光の吸収
の低下に寄与する。このような回折格子は、例えば米国特許第5239548号
で検討されており、その内容は参考として記載する。
前述した吸収器が変化する波長における吸収の減少は、既に知られているよう
に、スペクトラル「ホール」と称され、このようにして吸収器が変化するプロセ
スは「スペクトラル ホール バーニング」と称される。能動物質中の吸収器軌
跡で消滅するホールの数は等方性帯域幅に対する非等方性帯域幅の比率によりお
おまかに表されるものと一般的に信じられている。PSHBに好適な能動物質に
おいて、非等方性帯域幅は典型的には1GHzから数テラHzの範囲にあり、等
方性帯域幅は1kHzから数GHzの範囲にある。これら2個の量の比は、液体
ヘリウム温度のある物質では107まで大きくなる。
プログラミングに用いる光パルスの強度は、実際には十分に大きくして能動物
質のルーチィング能力を顕著に達成できるようにする必要がある。すなわち、こ
の強度は、偏向された信号(すなわち、出力)パルスに満足できるS/N比が得
られるように十分なものとする必要がある。最適なものとして、一方向にだけ信
号パルスを発生するようにプログラムされたデバイスを用いる場合、プログラミ
ングパルスは十分な強度を有し、能動物質中の励起できる原子全体の約半分の原
子を励起させることができるだけの最高の強度を有するフーリェ成分を発生する
。前述したものは物質中で励起できる原子の数に上限があるので、能動物質を多
重方向に信号パルスを発生できるようにすることはより強度の低いプログラミン
グパルスを用いる必要がある。これにより、後段の装置の検出感度に応じて、出
力パルスが1個の能動物質から出射する3次元空間の異なる方向の最大数に限界
がある。
一旦周波数選択性能動物質がプログラムされると、前述したように、この物質
は、このプログラムが消失する前に光データの方向を定めるように用いる必要が
ある。喪失した場合、この物質が同様なルーチィングを行う前にこの物質のプロ
グラムを復帰させる必要がある。この物質のプログラムの期間は全回折格子ライ
フタイムの関数であり、通常は励起状態のライフタイムとは異なる。
前述したように、能動物質中に周波数選択性回折格子を形成するのとは異なり
、体積ホログラムを用いてプログラムされた周波数非選択性能動物質を用いるこ
とができる。このホログラムの原理は、例えば
マズレンコ著「インタフェアンス オブ スペクトロラリ ディスパージド
ライト」、Opt.Spectrosc.56:357(1984)、マズレンコ著「リコン
ストラクション オブ ア タイム−ばリング ウェイブフロント バイ マル
チビーム インタフェアレンス」,Sou,Tech.Phys.Left.1
0:228−229、マズレンコ著「リコン ストラクション オブ ア ノン
ステーシナリ ウェイブ フィールド バイ ホログラフィー イン 3−Dメ
ディア」,Opt.Spectrosc.(USSR)57:343−344(1984)、
及びブラディ等著「ボリューム ホログラフィック パルス シェーピング」、
Opt.Lett.17:610−612(1992)に見い出すことができる。
体積ホログラムを用いることは光屈折性材料の内部での2個の光の電界の干渉を
含む(すなわち、能動物質はこの材料に入射した電磁放射の強度に比例する電荷
を発生し、この物質中に周波数に依存する周期構造を形成する)。
周波数選択性空間構造と古典的なホログラフィ技術とを結合して多くの周波数
選択昨日を実現することができる。マズレンコ著「ホログラフィー オブ ウェ
イブ パケッツ」Appl.Phys.B 50:101−114(1990)。光ビー
ムの空間ルーテングを含まない領域におけるこの性能の実証が報告されている。
シェーナ等著「フェムト セコンド スペクトラル ホログラフィ」J.Quant El
ectronics 28.2251〜2261(1992)。(前述した文献は本発明の
理解に最も関連しているから、これらの文献は本明細書において参考として記載
しておく)。
周波数選択性能動物質中に形成された複合勾配と同一の昨日をおこなう驟雨は
数非選択性能動物質に種々の空間勾配のアレイを形成することもできる。
能動物質に画像を書き込んで順次のデータビーム中に符号化された画像をルー
チングすることもできる。最も簡単な画像は2個の平面波により限定される。一
般的に、画像は多数の平面波により構成される。平面ビームに適合される本発明
の原理は平面波ビームの組み合わせに直接適用することができる。(また、従来
技術において、画像を記録し、その物質から再生するが既知である。例えば、米
国特許第5256637号参照。)基本的に、このプログラミングは能動物質と
入射ビームの画像符号組(簡単な平面波入射ビームではなく)との相互作用を含
む。
能動物質に適当な回折格子を形成する別の取りえる方法は、電子ビームを用い
るような物理的手段によることであるが電子ビームは、例えば周波数非選択性能
動物質に表面勾配を形成するのに特に好適である。表面勾配を形成するためには
、光ビームに比べて電子ビームを用いることにより一層高い空間解像力が得られ
るので、光ビームよりも電子ビームを用いることが好ましい。勾配が電子ビーム
を用いて形成される場合、通常能動物質を周波数選択性材料とする必要はない。
さらに電子ビームを用いる勾配の形成は室温で行なうことができ、これにより能
動物質を低温に維持する必要性が除去される。これにもかかわらず、電子ビーム
を用いて形成された勾配は周波数選択性とする必要がある。
表面勾配からの光の散乱は、上述したブラッグ散乱と同様な関係に基づく。
一般的に、表面勾配の周波数選択性は、3次元(3−D)空間スペクトラル勾
配の周波数選択性ほど効率的ではないことが判明している。これにもかかわらず
、表面勾配の周波数選択性は体積ホログラムの周波数選択性と同様のように思わ
れる。
能動物質を層毎に構成することにより電子ビームを用いて能動物質中に特に周
波数選択性能動物質中に3−D回折格子を形成することができ、この場合順次の
層が形成される前に各層が電子ビームにより形成したほぼ2次元の(2−D)の
回折格子う有する。各2−D回折格子の形成を適切に行い、全ての能動物質層の
形成が完了した後、上述したように全ての2−D回折格子は光学的に形成した空
間スペクトラム回折格子と同様な方法で入射データビームと協働的に相互に作用
する。
周波数選択性又は周波数非選択性の能動物質にプログラミングする別の候補と
する試みにおょては、制御可能な振幅および位相を有する2個の単色光ビームを
用いる。プログラミング中、ビームは注目する周波数域に亘って掃引するように
連続的に同調する。周波数選択性能動物質を用いる場合、この試みは、それぞれ
2個のビームと干渉する能動物質の各周波数チャネルに到達する。いかなるパル
スも必要ではない。この試みの掃引期間は、好ましくは能動物質の全体として回
折格子ライフタイム以下とする。
いかなる場合においても、周波数選択性又は周波数非選択性かを問わず能動物
質に形成された回折格子は周波数選択性素子及び方向選択性素子を含む。すなわ
ち、本発明による回折格子は周波数選択性及び空間選択性の両方である。勾配は
、時間的に形成された光パルス(プログラミングのために用いるアドレスパルス
に対応する)を光パルスの時間プロファイルに依存する特定の目標方向に偏向で
きる必要がある。すなわち、プログラミングにより、データビーム中の各アドレ
ス波形のフーリエ(すなわち、スペクトラル)成分の組と別々に相互作用する複
合回折格子を各所望の出力方向に能動物質に形成し、データビーム中の対応する
アドレス時間プロファイルが能動物質に対して存在する場合にはいつでも所望の
方向の複合回折格子の全ての出力の全体が所望の出力時間プロファイルを発生す
る。能動物質が異なる方向のそれぞれに多重信号パルスを発生することを望む場
合、少なくとも異なる方向パルスをそれぞれ含む個別のプログラミングを行なう
ことが好ましい。
4.基本的イネーブリング関係
以下の関係は光メモリに見い出される時間的及び空間的な処理能力を大幅に拡
大し、はじめに共通の方向に伝播する時間的に構成された光信号を各信号に符号
化された正確な時間刷波形に基づいて異なる個別の出射方向に伝播させる。
A.周波数選択性能動物質
はじめに、周波数選択性能動物質を用いるための各イネーブリング関係につい
て考える。能動物質のスペクトラル分解能は、Δνk(等方性吸収帯域幅)及び
その全帯幅(すなわち、非等方性吸収帯域幅)Δνiにより表される。すなわち
、周波数選択性能動物質は非等方性吸収ラインを拡大するように作用する。回折
格子の吸収度は、この能動物質に入射するエネルギーの単位体積及び単位周波数
当たりの全エネルギー変量に比例して変化する。能動物質の吸収の変化は、上述
したように、例えば永続的なスペクトラルホールの消滅に関連する種々の機構に
より発生する。モーナ著「パーシステント スペクトラル ホール−バーニング
:」Science and Application,スプリンシャーベルグ,ニューヨーク(1988
)、デカロ等によるAppl.Optics 30:2890(1990)も参照されたい
。
プログラミングする場合、好ましくは能動物質に有限の期間を有する2個の光
プログラミングパルスを入射させる。一方のプログラミングパルスは「アドレス
パルス」EIa(r,t)と称され、どのデータ(その後続くビームに符号化され
ている)を能動物質から特定の方向に出射させるかに関する情報を与える。他方
らの経路が定められるデータ(その後続くビームに符号化されアドレスパルスに
より与えられる情報に対応する)の方向に関する情報を与える。簡単化するため
、プログラミングパルスは各方向k1及びk2に伝搬する平面波とみなす。(添字
はパルスの時間順序を示す。現在の一般的な原理の便宜上、アドレスパルスは方
向パルスに先行するものとして表示する。一方、プログラミングに関する前述し
た検討に基づき、プログラミングパルスは同時を含む互いにいかなる順序とする
ことができるものと理解されるべきである。)
一般的に、代表的なプログラミングパルスは以下のように表示することができ
る。
ーリェ変換である。。能動物質により空間及びスペクトラルの位置の関数として
見られ全光エネルギー変量は以下の式に比例する。
(2)式の右側の干 2個のプログラミングビームの電界のスペクトラル及び
空間挙動に関する詳細な情報を含んでいる。この平面波プログラミングビームを
含む状態において、干渉項は周波数空間に電位的に複雑な態様で分布する比較的
簡単な空間回折格子で構成される。この干渉情報は、|Etot(r,ν)|2に比
例する吸収器(又は屈折率)の変化を介して能動物質に伝達される。
プログラミング後の能動物質へのビーム照射について考える。ビーム照射は単
データを用いて時間的に符号化されて能動物質により経路が定められる。データ
ビーム中の符号化されたデータの一部は先のアドレスパルスに符号化された情報
に対応する。プログラミング中に能動物質に形成された空間スペクトラル回折格
子により、能動物質は空間スペクトラルフィルタとして作用し「信号パルス」す
ルスは能動物質から方向パルスと平行な方向に伝搬する。信号パルスの情報内容
はアドレスパルスにより決定する。
2個のプログラミングパルスが占める全時間期間は好ましくはΔνh -1よりも
大幅に短くする。また、プログラミングパルスのスペクトラル帯域幅は好ましく
はΔνi以下とする。従って、信号パルスの時間及びスペクトラル構造は以下の
式により規定される。
ここで、Eε(ν)はデータビームのヘーリピンェ変換である((1)式参照)
。(3)式において、プログラミングパルス及び信号パルスの強度は、能動物質
が放射に対して線形に応答する強度よりも十分に低い。信号パルスの時間的エン
ベロープは、アドレスパルスとデータビームとのクロス相関を有する方向パルス
のたたみこみとして表すことができる。方向パルスが先に規定した「ブリーフ」
の場合、アドレスパルス及び入力パルスが時間的に一致しているときは信号パル
スは大きくなる。このような場合、信号場は共通のアドレスパルス及び入力パル
スの時間波形の中央にピークが形成された自動相関関数により与えられる。
周波数選択性能動物質からの光データの空間ルーティングは以下のようにして
行うことができる。始めに、能動物質を前述したようにプログラムする。前述し
たプログラミング方法において、アドレスパルス及び方向パルスの個別の対の数
は所望の種々のデータルーティング方向の数に対応する。(多重時間波形を同一
の方向にルーティングするように能動物質をプログラムすることもできる。)各
アドレスパルスは能動物質に対して同一の方向に伝搬し、能動物質により識別さ
れる他の全てのアドレスパルスとは異なる時間波形を有する。i番目の方向パル
スは他の方向パルスの伝搬方向とは異なる方向に伝搬し、対応するi番目の方向
パルスに符号化された時間特性よりも時間的に短い。このようなプログラミング
の効果は能動物質に多重空間スペクトラルホログラム形成することであり、各ホ
ログラムは特定のプログラミングパルス対により能動物質に符号化される。能動
物質のi番目のホログラムは、k3に沿って入射しi番目のアドレスパルスとほ
ぼ同一の時間波形を有する全ての入射信号を対応する方向に偏向するように作用
する。信号(すなわち、「出力」)パルスは式(3)に基づいて時間的に再成形
され、単一の強度自動相関スパイクで構成される形状とすることができる。
図1に示すあるスキムによれば、データビームk3のデータ流は方向k3=k1
に沿って能動物質AMに入射する。データビームの時間セグメント(すなわち、
i番目のセグメント)が対応するi番目のアドレスパルスの対応する時間プロフ
ァイルを再生する場合はいつでも、信号すなわち出力パルスksはk2 (i)に平行
な方向に偏向される。
周波数選択性能動物質を用いる代表的なプログラミング及びルーティング処理
を図2A〜2Bに線図的に示す。図2Aにおいて、時間的に重なり合っていない
プログラミングパルスk1及びk2の一連のn個の対は周波数選択性能動物質AM
に順次入射し能動物質に光データルーティングに必要な空間スペクトラル回折格
子を形成する。各方向パルス(k2 (a),k2 (b),k2 (n)---能動物質AMに対し
て異なる方向を有する。各アドレスパルスは同一の方向を有するが、特定のアド
レス(A(a),A(b),A(c))を有する。
図2Bにおいて、一連の異なる時間アドレス(A(a),A(b)及びA(c
))を有するデータビームのデータ流を図面の中央に時間ドメインプロファイル
として示す。光ビームに変調されたデータ流(「データビーム」)は、アドレス
(A(a),A(b)及びA(c))を有するアドレスパルス及び対応する方向
パルスを用いて以前ちプログラミングされた能動物質AMを通過する(共通のア
ータ流中のアドレスされたビットが時間的に重なっていない状態を示す。)ここ
で、i=(a),(b)又は(c)とした場合に、データ流がアドレスA(i)を
含む場合、光の出力パルス(すなわち、信号パルス)は対応する方向パルスによ
て異なる方向を有する。
生ずるおそれのある低レベルクロストーク信号を示していない。クロストークノ
イズの強度は用いたアドレスコードのクロス相関のもとでの直交性に依存する。
すなわち、アドレスA(a)とアドレスA(b)又はA(c)とのクロス相関に
より「ノイズ」が生ずる。逆に、プログラムされた能動物質によるアドレスA(
a)自身のクロス相関はノイズから識別され対応する方向に偏向された出力を発
生する。(類似のバックグランドノイズの分析は、サレイ等による文献,J.L ightwave TEch.8.
478(1990)のパルス分割通信方式と
の関連で既に説明されているが、光データの空間再方向付けにおいては説明され
ていない。以前に説明した分析は特定の時間プロファイルを有する光パルスをイ
ンラインでだけ通過させるスペクトラルフィルタ、すなわちマルチプレクサとし
てだけ機能するフィルタを用いている。)
適合できるノイズに対する信号の最小量は、どの程度のノイズが適合するか(
すなわち、ノイズに対する信号のコントラストの最小量)に依存する。これは、
検出器感度、出力チャネルの数、検出の同期等のような本発明の光「ルータ」の
後段に位置する光データ処理装置の感度及び能力の関数である(前述したように
)。例えば、出力チャネルの数に関して、本発明の光ルータの各出力チャネルは
典型的にはある量のノイズを発生する。ルータの全ノイズ量は全ての出力につい
て累積する傾向がある。従って、下流側の素子は蓄積したノイズに対して各出力
部の信号を解像できる必要がある。
図3に示す軌跡は、3個の異なるアドレスコードを用いて決定した光ルータに
より図2Bに示す方向と同様な3個の異なる出力方向に偏向した光強度プロファ
イルを時間の関数として発生させるために式(3)を用いて発生したものである
。アドレスコードは図面の上側に個別に表示され、それぞれアドレス(a)、ア
ドレス(b)及びアドレス(c)として表示した。明らかなように、各アドレス
は異なる時間の関数である(すなわち、異なる時間構造を有する)。データビー
ムのデータ流は図面の中間の部分に表示され、「アドレスされたビット列」とし
表示されている。対応する出力パルスの信号強度は時間の関数として図面の下側
に示し、それぞれ「出力(a)」、「出力(b)」及び「出力(c)」として示
す。用いたアドレスは、任意に発生した16ビット長の二進位相コードである。
図面から明らかなように、種々の出力(a)、(b)及び(c)中のクロストー
クは微小である。
図3は対応するアドレスについてたたみこみ解除した各出力も示す。この場合
、各出力は、対応するアドレスの複雑な時間構造に対してスパイクパルスとなる
。
図3は時間的に相対的なアドレスも示す。しかしながら、アドレスは時間的に
順序を定める必要はない。「アドレスされたビット列」により表示したデータビ
ームにおいて、例えばアドレス(a)に対応する全ての情報は出力(a)が発生
する前に能動物質と相互作用する必要がある。(同様に、アドレス(b)及び(
c)についてもそれぞれ出力(b)及び(c)の前に。)通常、出力パルスの発
生は、データビーム中の対応するアドレス全体が能動物質と相互作用した後直ち
に生ずる。一方、ほぼ能動物質の等方性ライフタイムまでに遅延を挿入すること
もできる。
種々のアドレススキムの変形例も可能である。これらの変形は、光ビームの振
幅変調、位相変調、及び/又は周波数変調の形態とすることができる。さらに、
図2A〜2B及び図3に示すアドレス符号化されたビットは順次しているが(す
なわち、時間的に互いに分離されている)、コードが十分に直交して種々の出力
間で所望の最小クロストークが維持できる限りビッドを時間的にオーバラップさ
せることもできる。すなわち、アドレスはその時間変調に基づいて互いに識別で
きる必要がある。例えば、各アドレスと別のアドレスとのクロス相関は、各アド
レスがそれ自身とクロス相関する場合よりも小さくする必要がある。
B.周波数非選択性能動物質
周波数選択性能動物質を用いる光データルーティングに戻ることにする。以下
の解析において、能動物質は以下の特性を有する。
(a)能動物質は光の入射により吸収率又は屈折率の変化を受ける。この能動
物質中の特定の位置に誘起された変化は、この特定の位置における全光強度の時
間積分(又は光の勾配)に比例する。能動物質は光学的又は化学的に変化するこ
とができ、これらの変化の前に誘起された変化は維持され、一方この物質は同時
にさらに光学的に誘起された変化に対して不感知となる。(ある既知のホログラ
ム材料はこの特性を有している。)
(b)この能動物質は十分な空間解像度を有し、後述するように光照射により
発生する光学的な干渉縞を記録することができる。
能動物質のプログラミングは以下のように一般的に図面4に示すように行うこ
とができる。能動物質AMに同時に入射するように時間が規定された2個の光ビ
入射する。アドレスビームが能動物質を通過する際、方向ビームはアドレスビー
ムの各一部分と物理的にオーバラップする。すなわち、能動物質は以下の関係を
満足する寸法Lを有する。
ここで、nは能動物質の屈折率であり、cは真空中での光速であり、τaはアド
レスビームの期間である。方向ビームは、好ましくはアドレスビームの最短のア
ドレス構成よりも短い期間を有する。付加的な方向及び関連する時間アドレスは
周波数選択生能動物質の場合に説明したと同様な方法で符号化する、すなわちア
ドレスビーム及び方向ビームの付加的な対を用い、アドレスビームは同一の方向
を有するが、別の時間アドレス及び方向ビームは異なる方向であるが上記簡潔な
条件を満足する時間波形を有する。ルーティングは、データが符号化されたデー
タビームをアドレスビームと同一の方向に能動物質に入射させることにより行う
。データビームの波形が以前にプログラムされたアドレス波形と整合する場合、
信号パルスは対応する出力方向に発生する。
前述した説明において、アドレス波形の最長期間は好ましくは極めて短くする
。例えば、L=1cmで、n=1.5の場合、τa=約100p秒(1×10-10
秒)となる。
本発明の光ルータを周波数選択性能動物質又は周波数非選択性能動物質と共に
用いるか否かを問わず、プログラミングの結果としてこの物質に周波数選択性が
与えられる(時間的にアドレスされたデータに必要なプログラミング期間中にこ
の物質をイネーブルして周波数−ドメイン情報を記録するため、プログラミング
後に周波数選択性が存在する必要がある)。
例えば表面回折格子及び体積ホログラムを用いて周波数弁別する場合のような
周波数非選択性物質の場合、cmスケール系の分解能帯域幅は大きい。この結果
として、マルチビット時間アドレスを含む用途(その前期間は利用できる反転分
解能帯域幅以下とする必要がある)は、光ビームにサブp秒の時間分解能が得ら
れる場合に実現できる。
周波数選択性物質の場合、特に低温においてkHzのスケールの分解能帯域幅
が得られる。温度が上昇するにしたがって、分解能帯域幅は低下する。これにも
かかわらず、室温の周波数選択性物質により得られる分解能帯域幅は周波数非選
択性能動物質を用いるcmスケール系で得られる分解能帯域幅に匹敵している。
5.電磁放射源
本発明による光データルーティングはレーザのような適切な電磁放射源を必要
とする。可視の周波数域の電磁放射を発生するレーザを用いることができるが、
用いる能動物質の形式及びサイズに応じて別の帯域の電磁スペクトラムを用いる
こともできる。適切なレーザの例として、半導体レーザ、他の固体レーザ、ガス
レーザ及びダイレーザが含まれるが、これらのレーザに限定されるものではない
。
特に周波数選択性能動物質の場合、電磁放射の周波数は能動物質の吸収特性と
相関し能動物質の種々のスペクトラルチャネルと共鳴する波長を含む必要がある
。電磁放射はプログラミングにより能動物質に形成された空間スペクトラル回折
格子と相互作用できなければならない。
本発明で利用できる電磁スペクトラルの周波数域は実際には広いものである。
能動物質のユニットのような物理的デバイスの場合に光を入射させるためには、
このデバイスは光の波長よりも大きくなければならない。従って、光ルータとし
て用いられる能動物質のユニットの大きさは周波数域の設定により決められる。
例えば、能動物質のサイズDを約1cmに維持することを希望する場合、波長は
一般的に約0.1cm又はそれ以下の波長を有する必要がある。最も好ましい場
合、λは約D×10-4である。(出射光は約λ/Dの角度で回折する。例えば、
Dがλに等しい場合、この光はDを満たし角度選択性を有しない。従って、λ/
Dは1以下、実際的には0.1又はそれ以下とする。)
光ビームの変調は、情報を含む電磁放射ビームの振幅変調、周波数変調又は位
相変調のような当該分野で既知の種々の方法で行うことができる。最も簡単な変
調スキムは単にオン又はオフすることであり、オンは二進1を表しオフは二進0
を表す。この変調形式は種々のレーザシャッタを用いて行うことができる。変調
は音響光学手段、電気光学手段又はこれらに類似した手段とすることができる。
音響光学変調器(AOM)は透明材料に高周波数の音波を導入することにより構
成される。音波が存在している間に音波の密度変化によりレーザビームの進行方
向が変化する。このデバイスは、実際にはビームをオンとオフとの間で切り換え
るのではなく、ビームを偏向する。電気光学変調器(EOM)は電気的に介在す
るある結晶の偏光特性の片変化を利用する。EOMは、例えば2個の交叉した直
線偏光子間に配置した電気的に駆動される結晶体を用いる。結晶体に電圧を印加
しない場合、電磁放射は通過しない。電圧パルスを印加すると、放射は通過する
ことができる。他の種々の変調器デバイスが既知であり、レーザ光を直接変調す
ることができる。
6.能動物質
一般的に上述したように規定した能動物質は、空間的に依存する吸収率の変化
又は屈折率の変化を形成し又は与えることができる必要がある。能動物質は、こ
の物質に光学的に情報がプログラム(書き込む)されるか否かに応じて光学的に
プログラミムすることができる。しかし、必ずしもプログラミム可能である必要
はない。さらに、適切な物質は周波数選択性又は周波数非選択性とすることがで
きる。
通常、適切な能動物質は剛固である。従って、この物質は典型的には液体又は
気体ではない。さらに、液体及び気体は典型的に多くの用途に対して狭すぎる帯
域幅を有する。それにもかかわらず、液体又は気体の物質は、使用可能な時間長
にわたって勾配を維持できこの物質の光学的帯域幅が適切に狭い場合、使用する
ことができる。
光学的にプログラミム可能な周波数選択性物質に関して、非等方的に拡大され
た物質にする方法は、後述するように、適切な結晶性母材材料又はガラス質の母
材材料に低い濃度の吸収器原子又は分子を添加することである。一方、適切な材
料ガラス質(すなわち、アモルファス)材料に限定されず、結晶性材料を用いる
ことができる。
好ましくは、周波数選択性能動物質は、用いる電磁放射る少なくとも1個の吸
収長において吸収力を有している。この物質の等方的な位相解除時間(Δνh)-1
は、好ましくはアドレスビームの時間波形よりも長くする。さらに、非等方的な
位相解除時間(Δνi)-1)は、好ましくはアドレスビームの波形の最短時間構成
よりも短くする。
適切なΔνi及びΔνk特性を有する能動物質は、4°Kにおいて10HzのΔ
νi値及び1kHzのΔνk値を有するE3+添加Y2O3を含む。ただし、これらの
物質に限定されるものではない。他の有用な能動物質には、種々の希土類添加L
aF3(Eu3+添加L3F3及びPr3+添加LaF3等)、希土類添加YAG(Pr3+
添加YAG及びTm3+添加YAG等)、及び希土類添加YAlO3(Eu3+添
加YALO3等)が含まれる。希土類の添加に好適な母材ガラス質材料の例は文
献「レーザ スペクトロスコピー オブ ソリッズ」、Topics in Applied Phys ics,
第49巻き、スプリンジャーベルラッグ,ニューヨークに記載されており、
SiO2,GeO2,B2O3及びP2O5が含まれる。ただし、これらの材料に限定
されるものではない。適当な希土類添加ガラス質材料の例として、Eu添加シリ
ケートガラス、リンガラス、ボーレイトガラス及びフロロフォスフェートガラス
が含まれ、及びPr3+添加フロロベリレートガラスも含まれる。有機ガラスはこ
の分野において既知である。
他の適切な材料は、例えば米国特許第4670854及び445968号、並
びに文献「フォトン−エコー メジャメンツ オン ザ トリバレント トリウ
ム イオン」,Optics Letter.18:1958〜1960(1993)、ウィ
ンナッカ等著「フォトン−ゲイテッド ホール バーニング:ア ニュー メカ
ニズム ユージング ツゥステップ フォトイオナイゼーション」,Optics L etter.
18:829〜831(1993)に開示されている。(これらの文献の
各々は本発明の理解に強く関連しているので、各文献は本明細書において参考と
して記載する。)
3−D光回折格子は、例えば吸収性回折格子又は能動物質による屈折率の変化
に基づく回折格子とすることができる。屈折率回折格子は勾配による実際の光の
吸収に依存しない。能動物質に適切な吸収性回折格子を形成するためには、能動
物質が用いる電磁放射に対して約50%(特には1/e)の吸収率を呈すること
が好ましい。
表面回折格子を形成するのに適当な材料は、表面に形成される周波数選択性勾
配を支持できる種々の材料とすることができる。この材料は本質的に周波数選択
性である必要はないので、広い範囲の材料を用いることができる。一般的に、こ
れらの材料は剛固であり、用いる波長光に対して反射性の表面を有している。固
有の反射性を利用でき、又は銀を付着することにより反射性とすることもできる
。)或いは、表面回折格子は表面において屈折率が変化する形態のものとするこ
とができる。特に、この分野において表面ホログラムを作成するのに既知の種々
の材料を用いることができる。
7.代表的な用途
本発明によれば、時間的に符号化された光信号をプログラムされた能動物質に
より時間的に処理し空間的に経路を定める装置及び方法が開示されている。固有
の周波数選択性能動物質屁のプログラミングの応答により又は周波数非選択性能
動物質を含む空間干渉により必要なスペクトラル記憶能力を形成することができ
る。使用できる位相符号化アドレス、振幅符号化アドレス、及び周波数符号化ア
ドレスに対する光ルータの応用性により、種々の手段を選択することができる。
光ルータの高い帯域幅能力により(すなわち、数10〜数1000GHz)、光
ファイバの全帯幅にわたって使用することができる。
以下の特有の用途を開示する。ただし、これらの用途に限定されるものではな
い。
(a)例えば、時間アドレスコードを用いてそれぞれ符号化された入力ビード
が目的方向に受動的に伝播し同時に伝播し同時にその時間符号パターンが取り除
かれる光データルータ。
(b)光ファイバ技術により伝播する情報の種々のスイッチング用途が直ちに
明らかになる。例えば、光ルータは単一光源の光ファイバからの情報を受入れ、
例えば電話伝送情報のスイッチングにおいて、この情報の選択された部分を必要
に応じて予め選択された種々の方向に経路を定めることができる。
(c)光ルータは光ファイバデータ伝送と共に用いる場合に限定されない。こ
の光ルータは自由空間で情報を受入れ伝播方向を定めることができる。
(d)光ルータはデータビームを介して入力する情報を受入れ、この情報を下
流側の装置で認識できる形態に変換することができる。
(e)光ルータは、通常下流側の装置では処理できない極めて高い帯域幅を有
する情報を含む入力信号を受信し、下流側の電子装置により処理することができ
る変更された時間プロファイルを有する出力信号を発生する。例えば、光ルータ
により管理不能な量のデータを含む入力流をより狭い帯域幅の部分に変換し、各
部分が(単なる単一ビットではない)を供給する。
8.代表的な変形例
上述した他の例の変形例に加えて以下の変形例を提示する。尚、これらの変形
例だけに限定されるものではない。
レーザの直接変調により又はレーザから発生した光ビームを外部変調すること
により時間変調されたビームを形成することができるが、後述する実施例におい
ては外部変調を用いる。
以下の実施例に適用できる単位ベクトルを図5に示し、k1−k3は能動物質A
Mに入力(プログラミング及び/又はデータ)を与え、ksは出力パルスを表す
。図5から明らかなように、k2及びk3は反対プログラミングであり、これによ
り第1のプログラミングパルスk1とは反対方向の出力パルスk2が生ずる。(或
いは、k1及びk3を共働プログラミングとすることができ、この場合ksはk2と
平行になる。)
第1の代表的な変形例を図6A及び6Bに示し、本例は能動物質IBA(非等
方的に広げられた吸収器)を含み、このIBAに第1のパルスOB1、第2のパ
ルスOB2及び第3のパルスOB3が入射する。(OB1,OB2及びOB3は
図5のk3−k1に対応する。)
能動物質は、低温保持装置のような冷却手段Cを用いて低温に維持する。
図6A〜6Bの実施例において、所望のデータハーティングの目的地は、IB
AUにデータが到達する前に予め決定する。OB1パルスは必要な方向パルスを
構成する。パルスOB1を含む光は光源S1から発生し光度変調器OM1を用い
て変調する。次に、パルスOB1はレンズL1、−y変向器D及びレンズL4を
通過する。パルスOB1はミラーM2で反射し、ビームスプリッタBS2で反射
し、レンズL3を経てIBAに入射するx−y変向器Dは音響光学デバイス、電
気光学デバイス、又は時間波形を光ビームに伝達するこの分野で既知の同様なデ
バイスとすることができる。アドレスデコーダADは所望のルーティングアドレ
スを発生し、必要な対応するx及びy方向の角度偏向を決定する。x及びy座標
は、x−y偏向器Dに作動的に結合されている偏向器ドライバDDに供給する。
x−y偏向器からの無用な出力光はビーム阻止器BBに入射する。
ビームOB2は、アドレス波形と共にIBAにデータ入力を供給する。IBA
に入射する際、ビームOB2に符号化された情報は、IBAが「センド」パルス
を受光するまで記憶される。ビームOB2を構成する光は光源S2から発生し、
図6Aに示すように自由空間を伝播する。ビームOB2は、光変調器OM2を用
いて変調する。図6Aについてさらに説明するに、ビームOB2はミラーM1に
より反射し、次にビームスプリンタBS1で反射し、レンズL3を経てIBAに
入射する。
データを含むビームOB2は遠隔的に発生させることができ、図6Aに示すよ
うに自由空間光学系を用いるのではなく、光ファイバ(図示せず)を介してIB
Aに伝播させることができる。第3の「入力」パルスOB3は、「センド」パル
ス(アドレス波形を構成する)を供給する。パルスOB3は光源S3から発生し
、光変調器OM3を用いて変調する。入力パルスOB3はレンズL2を経てアド
レスパルスOB2の入射方向とは反対の方向からの能動物質IBAに入射する。
「センド」パルスの受信に際し、IBAは対応する信号パルスOBSを開放す
る。信号パルスOBSはレンスL3及びビームスプリッタBS2を通過する。信
号パルスOBSがIBAから出射すると、その伝播方向は、IBAにルーティン
グ情報供給したパルスOB1の方向とは反対となる。信号パルスOBSは、入力
パルスOB1とビームOB2のデータのスタートとの間の遅延にほぼ等しい時間
遅延の後、センドパルスOB3に続く。
図6Aに示すように、信号パルスOBSは、下流側の装置(図示せず)に伝播
させるためのファイバアレイの光ファイバOF1〜OFnに入射することができ
る。対応するレンズレートアレイLAを設けてファイバへの光路を形成する。
入力パルスOB1のIBAにおける最小スポットサイズの強度は、好ましくは
IBAの周波数期間内での共鳴光遷移を飽和させないようにする。入力パルスO
B1が極めて微弱な場合は例外とし、この場合入力パルスOB1がπ/2パルス
を発生する強度の場合最も効率のよい信号パルスが得られる。
パルスOB1及びOB2の期間は、好ましくは能動物質の等方的なライフタイ
ム以外とする。パルスOB1〜OB3の帯域幅は、好ましくはIBAの非等方性
帯域幅以下としてパルスOB2がIBAに記憶されると共にパルスOB1及びO
B1のために用いた直交時間コーディングを直角に維持する。
パルスOB2JOB3との間の許容できる遅延はIBAに生ずるスペクトラル
回折格子のライフタイムに依存する。信号パルスOBSの信号強度はIBAの回
折格子の振幅の2乗に比例する。この遅延が回折格子のライフタイムに等しいか
又はそれ以上の場合、信号パルスOBSは減衰してしまう。
本例において、パルスOB1及びOB3の時間構成は、好ましくはパルスOB
2に符号化されているデータの最短の時間構成よりも短い幅の鮮明な自動相関ピ
ークをそれぞれ有する。パルスOB1及びOB3については微弱なパルスも有効
である。より複雑なパルスを用いることもできる。ぱるすOB1K 時間形状が
時間的に符号化されたパルスの直交する組の一方のパルスの場合、パルスOB1
及びOB3が同一であればIBAは所望のルーティング方向に信号パルスを発生
するだけである。これを利用して、多重データパルスをIBAに順次記憶するこ
とができると共に、このIBAから要求に応じて読み出すことができる。データ
が他のデータの電送により妨げられる場合又は別の妨げにより遅延させる必要が
ある場合、このような特性を多用してIBAからのデータの伝送を遅延させるこ
とができる。
第2の代表的実施例を図6Aに示す。この実施例において、アドレスコードは
データの時間刷毛一方にたたみ込まれている。データが入力する前にプログラム
された能動物質IBAは、受動光ルータとして作用する。
能動物質IBAのプログラミングは以下のようにして行なう。はじめに、時間
的に符号化されたアドレスコードを含む入力パルスOB1をIBAに入射させる
。パルスOB1は光変調器OM1を用いてレーザ光源S1の出力を変調すること
により発生させる。パルスOB1は、アドレスコードと関連する予め定めたx及
びy座標に基づくx−y偏向器により角度的に偏向される。方向パルスOB1は
ミラーM2及びビームスプリッタBS2で反射し、所望の信号出射方向と反対の
方向からIBAに入射する。すなわち、入力パルス及び信号パルスOBSは互い
に反対方向に伝播する。
パルスOB1の期間はIBAの等方性緩和時間以下とする。パルスOB1の単
縁の後、IBAには、光変調器OM2を用いて光源S2の出力を変調することに
より発生した微弱な基準パルスOB2が入射する。これにより、1個のアドレス
コードについて能動物質のプログラミングが終了する。
上述したプログラミングプロセスを繰り返すことにより異なるルーティング方
向に対応する別のアドレスコードをIBAにプログラムすることができる。例え
ば、第2のアドレスコードをプログラムするため、光変調器OM1は第2のアド
レスコードをパルスOB1に時間的に符号化する。アドレスデコーダADは第2
のアドレスコードの適当なx−y角度を決定して第2のルーティング方向にデー
タのルーティングを行なう。偏向器Dは、新たにコード化させたパルスOB1を
第2のアドレスパルスと対応する方向(第1のアドレスコードに符号化された方
向とは異なる)でIBAに対応して入射させる。
前述したように、各取り得るルーティング方向は関連するアドレスコードを有
する。多重アドレスコードは同一の又は異なるルーティング方向を含むことがで
きる。例えば、ある用途においては、多重データの目的地が共通の中間経路を有
する必要がある場合がある。或いは、多重ルーティング方向が同一のアドレスコ
ードを有し、これによりデータの多重放出を行なうことができる。
図6Aに示すように、所望のアドレスコードが書き込まれているデータを含む
入力ビームOB3は遠隔的に発生させることができ(光源S3と変調器OM3を
有する光デーダビーム源ODBSにより)、自由空間光学系によりIBAまで伝
播させることができる。ビームOB3はミラーM1及びビームスプリッタBS1
で反射し、IBAに入射する。
図6Bは、入力パルスOB3が自由空間光学系ではなく光ファイバIFを用い
てIBAに入射する構成を示す。光ファイバIFは、信号パルスOBSを伝播さ
せるファイバOF1〜OFnを含む光ファイバアレイFAの一部とすることがで
きる。
データがコード化された入力ビームOB3の期間は、IBAの等方性帯域幅に
より制限されない。信号(出力)パルスOBSは、データビームOB3にたたみ
込まれているアドレスコードがパルスOB1に含まれているアドレスコードと整
合している限り、IBAから出射する。ルートが定められた信号ビームOBSは
、入力ビームOB3に対してコード化されたパルスOB1の中心と基準パルスO
B2の中心との間の時間にほぼ等しい時間期間だけ遅延する。
図6A及び6Bの実施例は、例えばブリーフパルス中に含まれる単一のアドレ
スコードを用いて動作するように構成することができる。この構成において、一
度に1個のルーティング方向だけがプログラムされる(データの多重出射の場合
を除き)。この構成は、再プログラムされない限り、当データの無差別ルータと
して動作する。
図6A及びBの実施例は種々の機能的な組み合せとして用いることができる。
例えば、光データの方向性ルータとして単に動作するだけでなく、光アドレスコ
ードを入力として受信し本発明による第2の(すなわち、下流側の)光ルータに
向けて伝播する光パルスを出力として発生し、データについて適切に経路を定め
る「ルッタアップテーブル」として用いることもできる。この構成は、経路が定
められる対応するデータに対して方向性アドレスが先行する光データネットワー
クに適用することができ、第1の光ルータはアドレスを解読して第2のルータに
入射させてデータを適切な方向に伝播させる必要がある。
光ルータを用い入力アドレスコードに応答して単一の出力(信号)パルスを発
生する代りに、本発明による光ルータを用いて光フィックとして用いられる下流
側の1個又はそれ以上の光ルータを「セット」するために用いられる選択した出
力ビームの組を発生することもできる。或は、上流側の光ルータの出力を用いて
、多数の制御入力部を有する光ルータを制御可能に設定することができる(例え
ば、二進入力により制御するように)。上流側の光ルータは基本的にシリアルヘ
ッダを受け、適切な並列制御設定信号を含む出力パルスを発生する。
別の変形例において、光ルータの出力パルスは方向コードに加えて時間コード
を有することができる。例えば、図6に示す光ルータの実施例において、上記の
態様は、方向情報を与える特定のパルスOB1と関連する所望の時間出力波形で
変調されたコード化した基準パルスを用いて基準パルスOB2を置き換えること
により達成される。パルスOB1に整合するデータビームOB3のアドレスヘッ
ダが光ルータに入射すると、基準パルスOB2と同一の時間形状を有する出力パ
ルスOBSが能動物質IBAから発生する。出力パルスOBSの時間情報を用い
て光スイッチとして用いられる下流側の光ルータを「設定」することができる。
これにより、ルータの各出力が多重アドレスコードを処理することができる。
本発明を多数の実施例との関連において説明したが、本発明はこれらの実施例
に限定されないものと理解すべきである。一方、請求の範囲により現定される本
発明の精神及び範囲内において種々の変形や変更が可能である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.周波数選択性回折格子であって、この回折格子に符号化されるアドレス時間 波形にほぼ整合する時間波形を含む電磁放射の入力光パルスに応答して電磁放射 の出力パルスを特定の目標方向に発生するように動作できる周波数選択性回折格 子。 2.電磁放射の入力光パルスに応答して電磁放射の出力パルスを特定の目標方向 に発生するように動作できる周波数選択性光回折格子を具え、前記入力光パルス が前記回折格子に符号化されるアドレス時間波形にほぼ整合する時間波形を含む 光データルータ。 3.請求項2に記載の光データルータにおいて、前記回折格子を空間回折格子と した光データルータ。 4.請求項2に記載の光データルータにおいて、前記回折格子を空間スペクトラ ル回折格子とした光データルータ。 5.電磁放射の入力光パルスに応答して電磁放射の出力パルスを特定の目標方向 に発生するように動作できる複合周波数選択性光回折格子を構成する能動物質を 具え、前記入力光パルスが前記回折格子に符号化されるアドレス時間波形にほぼ 整合する時間波形を含む光データルータ。 6.請求項5に記載の光データルータにおいて、前記能動物質を電磁放射に対し て透過性とした光データルータ。 7.請求項6に記載の光データルータにおいて、前記能動物質が厚さ寸法を有し 、前記回折格子が前記厚さ寸法の能動物質により規定されている光データルータ 。 8.請求項7に記載の光データルータにおいて、前記能動物質を周波数選択性物 質とした光データルータ。 9.請求項8に記載の光データルータにおいて、前記能動物質を非等方的に広げ られた吸収器物質とした光データルータ。 10.請求項5に記載の光データルータにおいて、前記能動物質を周波数非選択 性物質とした光データルータ。 11.請求項10に記載の光データルータにおいて、前記回折格子を能動物質上 の表面回折格子とした光データルータ。 12.請求項5に記載の光データルータにおいて、前記回折格子を屈折率回折格 子とした光データルータ。 13.請求項5に記載の光データルータにおいて、前記回折格子を体積ホログラ ムとした光データルータ。 14.(a)能動物質と、 (b)前記能動物質に形成された周波数選択性複合光回折格子とを具え、前 記回折格子が、電磁放射の入力光パルスに応答して電磁放射の出力パルスを特定 の目標方向に発生するように動作でき、前記入力光パルスが前記回折格子に符号 化されるアドレス時間波形にほぼ整合する時間波形を含む光データルータ。 15.請求項14に記載の光データルータにおいて、前記能動物質を非等方的に 広げられた吸収器物質とした光データルータ。 16.請求項15に記載の光データルータにおいて、前記能動物質を希土類添加 化合物とし、この化合物を、Y2O2.,YAG,LaF3,YAlO3,SiO2, GeO2,B2O3,及びP2O5から成るグループから選択した化合物とした光デ ータルータ。 17.(a)能動物質と、 (b)前記能動物質に形成された周波数選択性複合光回折格子と、 (c)電磁放射の光データビームの発生源であって、前記能動物質が前記発 生源に対して光データビームが能動物質に入射して前記回折格子と相互作用する ように配置され、前記光データビームが時間波形を含む電磁放射の光データビー ムの発生源とを具え、 (d)前記回折格子を、方向パルス及び電磁放射のアドレス時間波形と光干 渉を形成する空間スペクトラル構造を有し、前記アドレス時間波形が光データビ ームの時間波形とほぼ同様なものとし、前記回折格子が、前記光データビームの 時間波形と前記回折格子との相互作用に応答して電磁放射の出力パルスを特定の 目標方向に発生するように動作できる光データルータ。 18.請求項17に記載の光データルータにおいて、前記能動物質を、厚さ寸法 を有する非等方的に広げられた吸収器物質とし、前記回折格子を能動物質の厚さ 寸法にわたって形成した光データルータ。 19.請求項17に記載の光データルータにおいて、前記能動物質を周波数非選 択性とした光データルータ。 20.請求項19に記載の光データルータにおいて、前記回折格子を能動物質の 表面に形成した光データルータ。 21.電磁放射に応答する複合周波数性光回折格子としてプログラムされる能動 物質を具え、前記回折格子が電磁放射の方向パルスとアドレスパルスの光干渉を 符号化するように構成され、前記アドレスパルスが特定の時間波形を符号化し、 前記回折格子が入射する電磁放射の入力光パルスに応答して前記方向パルスによ り決定される目標方向に電磁放射の出力パルスを発生するように動作でき、前記 入力パルスが前記アドレスパルスの時間波形とほぼ整合する時間波形を有する光 データルータ。 22.周波数選択性の空間スペクトラル回折格子の使用であって、特定の時間波 形を有し、第1の方向から回折格子に入射する光ビームを前記第1の方向とは異 なる予め定めた第2の方向に出射させる周波数選択性の空間スペクトラル回折格 子の使用。 23.電磁放射の光データパルスの経路を定めるに際し、 (a)アドレス時間波形と電磁放射の方向パルスとの光干渉を符号化する空 間スペクトラル構造を有する周波数選択性回折格子を用意する工程と、 (b)前記回折格子に、前記アドレス時間波形とほぼ同様な時間波形を有す る電磁放射の光データビームを入射させ、前記回折格子が、データビームの時間 波形との相互作用に応じて、前記方向パルスにより規定される方向に伝搬する光 出力パルスを発生する工程とを具える電磁放射の光データパルスの経路を定める 方法。 24.電磁放射の光データパルスの経路を定めるに際し、 (a)電磁放射の光干渉回折格子を形成できる能動物質を用意する工程と、 (b)前記能動物質の回折格子にプログラミングし、前記回折格子が、電磁 放射の第1及び第2のパルスの干渉に対応する空間スペクトラル構造を形成し、 第1の光パルスが時間アドレス波形を有し、第2の光パルスが第1の光パルス対 して特定された空間方向を有する工程と、 (c)前記回折格子に、前記アドレス時間波形とほぼ同様な時間波形を含む 符号化されたデータを有する光ビームを入射させ、前記回折格子が、前記光ビー ムの時間波形との相互作用に応じて、前記第2の光パルスにより規定される方向 に伝搬する光出力パルスを発生する工程とを具える電磁放射の光データパルスの 経路を定める方法。 25.請求項24に記載の方法において、前記光ビームが、前記アドレス時間波 形がたたみこまれているコード化された光データ流を含む方法。 26.非等方的に広げられた吸収器物質をプログラミングし、この物質が、この 物質に対して透過性の電磁放射のデータを含む光ビームの経路を定めるに当たり 、 (a)所望のアドレスコードに対応した電磁放射の第1の時間波形を前記物 質に入射させる工程と、 (b)目的方向を規定する電磁放射の第2の時間波形を前記物質に入射させ る工程とを具え、前記第1及び第2の時間波形が前記物質と相互作用して、入射 する電磁放射る入力光パルスに応じて、目的方向に電磁放射の出力パルスう発生 するように動作する複合空間スペクトラル干渉回折格子を形成し、前記入力光パ ルスが前記アドレス時間波形とほぼ同一の時間波形を有する光ビームの経路を定 める方法。
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