JPH11500902A - 植物細胞内ミリスチン酸エステルの産生 - Google Patents

植物細胞内ミリスチン酸エステルの産生

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JPH11500902A JP8523784A JP52378496A JPH11500902A JP H11500902 A JPH11500902 A JP H11500902A JP 8523784 A JP8523784 A JP 8523784A JP 52378496 A JP52378496 A JP 52378496A JP H11500902 A JPH11500902 A JP H11500902A
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Abstract

(57)【要約】 本発明によると、植物種子油中にC14脂肪酸を産生する方法が提供される。第1の態様では、本発明はクフェア・パルストリス、クスノキまたはニクズク由来であって特定のC14を好むアシル‐ACPチオエステラーゼ配列に関し、C14脂肪酸を産生するために宿主細胞内で上記チオエステラーゼを発現するためのDNA構築物に関する。本発明の他の態様は、植物細胞内にC14脂肪酸を産生するために他の植物の中鎖チオエステラーゼ、あるいは非植物由来の中鎖チオエステラーゼを使用する方法に関する。この点に関しては、クフェア・パルストリス、ニクズクおよびクスノキの中鎖アシル‐ACPチオエステラーゼからの発現の結果、植物細胞内におけるC14脂肪酸の産生がもたらされる。

Description

【発明の詳細な説明】 植物細胞内ミリスチン酸エステルの産生 本出願は1995年2月2日に提出したUSSN08/383,756の一部継続出願である。 技術分野 本発明は核酸配列および構築物と、それに関連する方法に関する。 緒言 背景 いくつかの科に属する植物は、分化した貯蔵組織内部に主に中鎖(C8〜C14 )の大量のトリグリセリドを合成し、その何種類かは収穫され、植物油を含む重 要な食用・工業用中鎖脂肪酸の生産に用いられている(F.D. Gunstone,「The Li pid Handbook」 Chapman & Hall,New York,(1986)pp.55-112)。ラウリン油( C12:0脂肪酸アシル基を含むもの)とその誘導体は広く使用され、特に石鹸、洗 剤、パーソナル・ケア産業において著しい。 石鹸、洗剤、パーソナル・ケア製品の差別化においては、過去数年間にわたり マイルドさがますます重要となってきた。なかでも、マイルドさが改善された条 件に適合した性能の開発はきわだっている。ミリスチン酸エステル(C14:0)を 主成分とする界面活性剤によると、洗浄とマイルドさの組合せは優れたものとな る。しかし、この界面活性剤は機能上優れているにも関わらず、ミリスチン酸エ ステルの供給に限りがあることがその界面活性剤の活発な使用の妨 げとなってきた。ミリスチン酸エステルはラウリン油分画の副産物として比較的 少量だけが利用できる。ココナツ油にはC12:0およそ48%とC14:0およそ17%が 含まれ、パームナッツ油にはC12:0およそ51%とC14:0およそ18%が含まれる。 しかし、市販の「ラウリン脂肪酸/メチルエステル」製品には主成分のラウリン 酸エステルの他にかなりの量のミリスチン酸エステルが含まれるため、これらの 油に存在するC14:0のうち、精製C14:0(ミリスチン酸エステル)として利用で きるのはほんの一部分だけである。現在パーソナル・ケア産業ではミリスチン酸 エステルを主成分とする誘導体はその生産に伴う高コストのために限られた用途 でしか使用されていない。 文献 Pollardら(「Arch.of Biochem.and Biophys.」(1991)284:1-7)は、カリ フォルニア・ゲッケイジュ、別名ウンベルラリア・カリフォルニカ(Umbellular ia californica)の油料種子の成長中に中鎖アシル‐ACPチオエステラーゼ活 性を確認した。その後、このカリフォルニア・ゲッケイジュのチオエステラーゼ はDaviesらによって精製され(Arch.Biochem.Biophys.(1991)290:37-45) 、それによって対応cDNAがクローン化され、植物のトリグリセリド組成の変 更に使用された(WO 91/16421およびWO 92/20236)。 クフェア・ホオケリアーナ(Cuphea hookeriana)とニレから得られたC8およ びC10の基質に活性を示した中鎖チオエステラーゼは WO 94/10228に記載されて いる。また、クラスII型チオエステラーゼ遺伝子の発現による形質転換植物中 でのC16脂肪酸の産生は WO 95/13390に記載されている。 図面の説明 第1図。クフェア・パルストリス(Cuphea palustris)のC14:0‐ ACPチオエステラーゼcDNAクローンMCT34(CpFatB2)の核酸 配列および翻訳されたアミノ酸配列を示す。 第2図。C14:0‐ACPに対する優先活性を有するニクズク〔ミリスチカ・フラ グランス(Myristica fragrans)〕種子クラスII型チオエステラーゼ、MYR F‐1(MfFatB2)の核酸配列および翻訳されたアミノ酸配列を示す。 第3図。C14:0‐ACPに対する優先活性を有するニクズク(ミリスチカ・フラ グランス)種子クラスII型チオエステラーゼ、MYRF‐2(MfFatB1 )の核酸配列および翻訳されたアミノ酸配列を示す。 第4図。クスノキのクラスIIアシル‐ACPチオエステラーゼの完全なタンパ ク質部分をコードする領域を含むPCR断片の核酸配列および翻訳されたアミノ 酸配列を示す。 第5図。ニレのアシル‐ACPチオエステラーゼ部分cDNAクローンの核酸配 列および翻訳されたアミノ酸配列を示す。 第6図。クフェア・ホオケリアーナのCUPH‐4チオエステラーゼcDNAク ローン、CMT13の核酸配列を示す。 第7図。オレオシン(oleosin)発現カセットの核酸配列を示す。 第8図。ニクズク種子FatBチオエステラーゼを発現するアブラナ属植物3854 -3および 3854-11の個々の種子から得たモル%脂肪酸組成データを示す。 第9図。クスノキのFatBチオエステラーゼを発現するアブラナ属植物5233-5 (第9A図)および5233-6(第9B図)の個々の種子から得たモル%脂肪酸組成 データを示す。 第10図。クフェア・パルストリスのFatBチオエステラーゼを発現するアブ ラナ属植物 3863-10、3863-7、3863-4、3863-8、3863-2および3863-5の個々の種 子から得たモル%脂肪酸組成データを示 す。 第11図。クフェア・パルストリス、クスノキおよびニクズクの種子C14チオエ ステラーゼで形質転換したブラシカ・ナプス(B.napus)植物種子のC16および C14脂肪酸組成のグラフを示す。 第12図。オレオシン/クフェア・パルストリスC14チオエステラーゼ(pCGN38 64)構築物およびオレオシン/ニクズク種子C14チオエステラーゼ(pCGN3857) 構築物で形質転換したブラシカ・ナプス植物のプールされた種子から得たモル% 脂肪酸組成データを示す。 発明の概要 本発明によると、C14:0‐ACP基質に作用してC14:0(ミリスチン酸エステ ル)を生成する能力を有し、アシル‐ACPチオエステラーゼをコードする植物 遺伝子が提供される。使用する特定のチオエステラーゼに応じて、ミリスチン酸 エステルの産生に伴うC16(パルミチン酸エステル)やC18(ステアリン酸エス テル)などのその他の飽和脂肪酸の産生率が高くなる。本発明には植物由来の生 理活性チオエステラーゼをコードする配列並びにプローブ、形質転換用のベクタ ー、あるいはクローニング中間生成物をコードする配列が含まれる。生物活性配 列は、種々の構築物中に見られる転写調節領域に関するセンス配向に優先的に見 られる。本発明はゲノム配列またはcDNA配列の全部もしくは一部と、それに よってコードされる、前駆物質または成熟植物タンパク質を含むチオエステラー ゼタンパク質に関する。 C14:0‐ACP基質の加水分解能を有し、チオエステラーゼをコードする種々 の植物遺伝子が本明細書中で例示され、例えばクフェア種、ニクズク、クスノキ から得られる。また、例示される植物チオエステラーゼ配列はその他の関連植物 チオエステラーゼ遺伝子を 得るためにも使用できる。 特に興味深いのは、開示したタンパク質配列の転写あるいは転写および翻訳( 発現)が可能な組換えDNA構築物である。特に、植物宿主細胞中で転写あるい は転写および翻訳(発現)を行う能力がある構築物が好ましい。このような構築 物には、植物種子組織中で優先的に発現される遺伝子から得られる転写開始領域 を含む種々の調節領域が含まれる。 第二の態様では、本発明は宿主細胞、特に植物宿主細胞中のこのような構築物 の存在に関し、宿主細胞またはその後代の内部で構築物を発現させることを通し て、その細胞内にC14アシル‐ACPチオエステラーゼ活性を有するタンパク質 を産生させる方法に関する。関連する態様では、本発明はC14アシル‐ACPチ オエステラーゼ活性を有する発現部位を内部に有する形質転換宿主細胞を提供す る。 別の実施形態では、本発明は細胞、特に植物細胞内部で産生される脂肪酸の比 を変更するためにC14:0アシル‐ACP基質の加水分解活性を有するタンパク質 をコードするDNA配列を使用する方法に関する。このような脂肪酸組成比が変 更された植物細胞も本明細書中で企図される。 特に興味深いのは、脂肪種子植物中の貯蔵トリグリセリドの脂肪酸組成のC14 :0脂肪酸アシル基比を増大させる変更であり、ある場合は炭素数が16や18のその 他の飽和脂肪酸アシル基を増大させる変更である。このように、新しい脂肪酸ア シル組成を有する油変更種子が作成される。このような新規の種子と油も本発明 によって企図される。 発明の詳細な説明 本発明で使用されるC14アシル‐ACP基質加水分解能を有する植物タンパク 質には、植物酵素反応条件下でC14:0‐ACP基質から遊離脂肪酸を産生する触 媒能力を表すアミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質のあらゆる配列が 含まれる。「酵素反応条件」とは、酵素が作用できる環境(すなわち温度、pH 、阻害物質がないことなどの因子)で必要ないかなる条件も利用できることであ る。C14加水分解活性を有するこのようなタンパク質は種々の植物材料から得ら れ、またパルミチン酸エステル(16:0)や、場合によってはステアリン酸エステ ル(18:0)などの飽和脂肪酸を含む様々な鎖長の脂肪酸アシル‐ACPの加水分 解活性をも表す。 本適用で特に興味深いのは、中鎖または長鎖アシル‐ACP基質を含む他のア シル‐ACPと比較して主にC14:0‐ACP基質の加水分解活性を有する植物ア シル‐ACPチオエステラーゼである。この点では、クフェア・パルストリスか ら得られる配列をコードするチオエステラーゼが本発明では特に興味深い。また 、C14:0‐ACP活性を有するその他の植物チオエステラーゼも、他の中鎖アシ ル‐ACP基質、すなわち炭素鎖長C8、C10、C12を有するものと比較してC 14:0‐ACP基質に対して優先的に加水分解活性を表す限り興味深い。従って、 より長鎖の基質と他の中鎖の基質に対していくらか活性を有するとともにC14:0 ‐ACP基質に対して実質的な活性を有するニクズクおよびクスノキ由来のアシ ル‐ACPチオエステラーゼも本発明によって企図される。従って、C14産生に 有用な植物アシル‐ACPチオエステラーゼも、C16やC18の炭素鎖長を有する ものなど、より長鎖のアシル‐ACP基質に対して加水分解活性を表すことが分 かる。 本明細書に例示した植物CI4:0‐ACPチオエステラーゼ配列に加えて、その 他の植物種由来のアシル‐ACPチオエステラーゼも 本発明の関心の対象である。植物C14:0‐ACPに対して活性を有するチオエス テラーゼをコードする遺伝子を分離するための標的植物種には、ミリスチカセア エ(Myristicaceae)、シマルバセアエ(Simarubaceae)、ボチシアセアエ(Vochy siaceae)、サルバドラセアエ(Salvadoraceae)など、かなりの濃度のC14脂肪酸 を蓄積することが報告されているもの、およびエリスマ(Erisma)、ピクラムニ ア(Picramnia)、ビロラ(Virola)の降雨林種が含まれる。14:0‐ACPチオエ ステラーゼ遺伝子を分離するため、本明細書に提供されるC14:0‐ACPチオエ ステラーゼ配列、あるいは既に記載された他の植物中鎖アシル‐ACPチオエス テラーゼ配列から核酸プローブを調製する。 中鎖植物チオエステラーゼを含む植物チオエステラーゼはWO 91/16421(PCT/US 91/02960)、WO 92/20236 (PCT/US92/04332)、WO 94/10288(PCT/US93/10814)およ びWO 95/13390(PCT/US94/13131)に記載され、その開示全体を参照により本明細 書に組み込む。幾つかの植物アシル‐ACPチオエステラーゼをコードする配列 と翻訳されたアミノ酸配列の分析から「クラスI」または「FatA」(fatty acyl transferase type Aの略)および「クラスII」(または「FatB」) と呼ばれる植物アシル‐ACPチオエステラーゼの進化クラスが二つ存在するこ とが示された。これらのクラスは単にチオエステラーゼをコードする配列が得ら れた種々の植物の系統発生的関係を反映したものではない。例えば、クフェア・ ホオケリアーナFatAクローン(WO 94/10288、第10図のクローンCLT7) はベニバナFatAクローン(WO 92/20236、第4図に提供される配列)と密接な 関係がある。対照的に、クフェア・ホオケリアーナFatBクローン(WO 94/102 88、第6図のCUPH‐1クローン)はクフェア・ホオケリアーナFatAクロ ーンおよびベニバナFat Aクローンから進化関係が等しく離れている。 クラスIチオエステラーゼは、マンゴー(第1図)、ベニバナ、ブラシカ・カ ンペストリス(Brassica campestris)およびクフェア・ホオケリアーナにあるこ とが知られ、その配列は1992年7月21日出願、現在審査中のUSSN07/949,102と、 WO 92/20236および WO 94/10288の中に提供されている。現在まで記載された植 物クラスI型チオエステラーゼは、より長鎖のアシル‐ACP基質、特に18:1‐ ACPに対して優先的な活性を有する。クラスIIチオエステラーゼは、例えば カリフォルニア・ゲッケイジュ、ニレ、クフェア・ホオケリアーナ、アラビドプ シス・サリアーナ(Arabidopsis thaliana)およびクスノキに発見されている。 本明細書に記載した植物C14:0アシル‐ACPチオエステラーゼもクラスII型 である。現在までに記載された中鎖を好むすべてのアシル‐ACPチオエステラ ーゼは、C14:0 に対して活性を有するものも含めてクラスII型である。従っ て、C14:0基質に対して活性を有するその他の植物アシル‐ACPチオエステラ ーゼは中鎖アシル‐ACPチオエステラーゼとの配列相同性を通して確認できる 。 例えば、本明細書に例示したクフェア・パルストリスC14アシル‐ACPチオ エステラーゼは、中鎖を好むアシル‐ACPチオエステラーゼの配列をコードす る遺伝子ライブラリーのスクリーニングによってクフェア・パルストリスから得 られた。クフェア・パルストリスの遺伝子配列がC8、C10、C16脂肪酸に対し 優先的な活性を有するチオエステラーゼをコードしているのにも関わらず、種々 のクフェア種でチオエステラーゼ遺伝子中の配列相同性がかなりあることから、 検出できる程度にクフェア・パルストリスC14クローンのクフェア・ホオケリア ーナ遺伝子プローブへのハイブリダイゼーションを行うことが可能であった。ク フェア種以外の植物由来の C14チオエステラーゼのハイブリダイゼーションを行うためには、厳密性が低い 条件下の直接ハイブリダイゼーション技術も成功する可能性がある。例えば、本 明細書に記載したニクズクC14:0‐ACPチオエステラーゼ・クローンは、カリ フォルニア・ゲッケイジュC12:0‐ACPチオエステラーゼ遺伝子フラグメント をプローブに使用した低厳密性ハイブリダイゼーション・スクリーニングによっ て得られた。従って、その他の植物種由来の中鎖アシル‐ACPチオエステラー ゼ遺伝子をC14アシル‐ACPチオエステラーゼ遺伝子の確認に使用できる。加 えて、種々の植物中鎖チオエステラーゼアミノ酸配列中に高度保存領域が確認さ れている。このような領域は、特にC14:0‐ACPに対して優先的な活性を有す るものを含むその他の中鎖チオエステラーゼ遺伝子の確認、例えばPCR増幅技 術による確認に使用される。 上記のように、その内部にC14:0脂肪酸がかなり存在する植物は、天然のC14 :0植物チオエステラーゼを得るには好ましい候補である。しかしながら、C14:0 脂肪酸がそれほど存在しないその他の植物材料をその他の酵素材料としてスクリ ーニングにかけることができることも認めるべきである。例えば、本明細書で論 じたように、クスノキの種子油の組成の分析によるとC12:0肪酸基はかなりの濃 度であるがC14脂肪酸基は低濃度しかないことが示されたのにも関わらず、クス ノキアシル‐ACPチオエステラーゼ遺伝子がC14:0‐ACP基質に対する優先 的な加水分解活性を有し、C12:0‐ACP基質に対しては少ししか活性がないこ とが分かった。従って、大腸菌中の中鎖アシル‐ACPチオエステラーゼの発現 は、形質転換植物中でC14:0脂肪酸を産生するのに使用できるアシル‐ACPチ オエステラーゼの確認に使用できる。 候補の植物アシル‐ACPチオエステラーゼ遺伝子のノーザン分 析もC14:0脂肪酸に対して活性を有するものの確認に有用であろう。クフェア・ ホオケリアーナでは、種々の植物組織中に低濃度で発現するクローン、CUPH ‐1が主に16:0アシル‐ACP基質に対して活性を有することが立証されている 。しかし、同類のクフェア・ホオケリアーナのチオエステラーゼのクローン、C UPH‐2は高濃度で発現し種子に特異的であることが立証された。このCUP H‐2は主に中鎖アシル‐ACP基質、すなわちC8とC10に対して加水分解活 性を有することが分かった。同様に、クフェア・ホオケリアーナCUPH‐4も 種子特異的に高濃度で発現し、本明細書中の実施例でさらに立証するが、形質転 換した宿主細胞の中でC14脂肪酸の産生を増やすのに使用できる。 抗体調製物、核酸プローブ(DNAとRNA)等は種々の植物材料から「相同 」あるいは「同類」のチオエステラーゼをスクリーニングして取り出すのに調製 ・使用できることに当業者なら容易に気づくであろう。免疫スクリーニング法に は、モノクローナルにせよポリクローナルにせよ、抗体調製物が使用される。そ の抗体を検出するため、放射能、もしくは市販の様々な第二抗体/酵素共役系の うち任意の一つを用いて標識する。利用できる抗体検出系のいくつかの例はOber filder(「Focus」(1989)、BRLライフテクノロジーズ社、11:1-5)によって 記載されている。 核酸スクリーニング法としては、関心のある候補の植物源から調製されたゲノ ム・ライブラリーもしくはcDNAライブラリーを植物チオエステラーゼから得 た保存配列をプローブとして調べ、相同的に同類の配列を確認する。相同配列は 、配列情報、核酸またはアミノ酸、を比較して、あるいは既知のチオエステラー ゼと候補の材料との間のハイブリダイゼーション反応を通して決定される配列の 同一性があるときに見出される。アミノ酸配列の相同性を決定する にはGlu/Asp、Val/Ile、Ser/Thr、Arg/Lys、Gl n/Asnなどの保存変化も考慮される。2個の完全な成熟タンパク質の間で少 なくとも25%の配列が同一であれば、アミノ酸配列は相同と考えられる。(一般 に Doolittle,R.F.、「URFS and ORFS」(University Science Books ,CA,1986)参照。) 通常、長い核酸配列は、存在する可能性があるがなお同類と考えられる欠失を すべて除き、標的配列と所与の関心のある植物チオエステラーゼとの間に少なく とも50〜60%の配列相同性を示し、より好ましくは最低約70%の配列同一性を示 す。大きいcDNAフラグメントなど、比較的長い核酸フラグメント(>100 bp) をプローブとして使用した場合、標的試料からシグナルを20〜50%の偏差で得る 、すなわち相同配列を得るためには、厳密性を低くして(例えばプローブの融点 から40〜50℃低い温度で)スクリーニングする。(Beltzら、「Methods in Enzym ology(酵素学の方法)」(1983)100:266-285参照。) 比較的短いプローブもチオエステラーゼ遺伝子分離技術に有用であり、特に複 製連鎖反応(PCR)で適用される。以下の実施例でさらに詳細に説明するが、 植物中鎖アシル‐ACPチオエステラーゼ・タンパク質配列中に高度に保存され る配列に対するプライマーを用いたPCRによって中鎖チオエステラーゼ遺伝子 フラグメントを得ることができる。 当業者に周知の方法を用いて、C14:0‐ACP基質の加水分解活性を有するタ ンパク質をコードするDNA配列を構築物中に挿入し、次いでこの構築物を形質 転換植物を作成するための植物細胞を含む、酵素を発現させるために選択した宿 主細胞の内部に導入することができる。従って、宿主細胞の可能性のある細胞に は原核細胞と 真核細胞の両者が含まれる。宿主細胞は、使用目的によって単細胞か多細胞分化 型か未分化型の生物体とする。本発明の細胞は、その中に存在する野生型細胞に は異質のC14:0アシル‐ACP基質の加水分解活性のあるタンパク質を有するこ と、例えばその中に植物チオエステラーゼをコードする組換え核酸構築物を有す ることなどによって見分けられる。 また、宿主細胞により、ウイルス、プラスミドまたは染色体の遺伝子等由来の 領域を含む調節領域は異なる。原核微生物または真核微生物、特に単細胞宿主内 での発現に対して、多種多様な構成プロモーターまたは調節可能プロモーターが 使用できる。記載された転写開始領域のなかには、β‐ガラクトシダーゼ、T7 ポリメラーゼ、トリプトファンE等の遺伝子を含む、大腸菌、枯草菌、サッカロ ミセス・セルビシエなどの細菌と酵母の宿主由来の領域がある。 植物宿主細胞中での発現が望まれる場合、構築物にはたいていは植物中で機能 する調節領域(プロモーターおよび集結領域)が含まれる。C14:0‐ACP基質 の加水分解活性を有するタンパク質をコードするオープンリーディングフレーム をその5’末端で植物チオエステラーゼ構造遺伝子の5’上流に天然に見られる 野生型配列などの転写開始調節領域と接合させる。植物に使用されるその他の非 常に多くの転写開始領域が利用でき、多種多様の構造性の、あるいは調節可能な 、例えば誘発可能な構造遺伝子機能の転写に対応する。植物に使用される転写開 始領域のなかには、CaMV35S、ノパリン、マンノパイン・シンターゼなどの構造 遺伝子やナピン、ACPプロモーター等を伴った領域がある。このような構造遺 伝子に対応する転写/翻訳開始領域は、それぞれの開始コドンの5’すぐ上流に 見られる。関心のある植物宿主本来のプロモーターや修飾したプロモーター、す なわち関心のある植物チオエステラーゼをコードする 配列を含み、一つの遺伝子材料由来の転写開始領域と異なった遺伝子材料由来の 転写開始領域を有するプロモーターや、二重35S CaMVプロモーターなど、特定の プロモーターを望む場合、標準の技術を使用して配列を接合する。植物体内でC 14:0‐ACPチオエステラーゼの発現を望むほとんどの適用で種子特異的なプロ モーターの使用が好ましい。 ある適用には、C14:0‐ACPチオエステラーゼの発現とともに他のタンパク 質の発現が望まれる。例えば、以下の実施例でさらに詳細に説明するが、C14:0 ‐ACPチオエステラーゼが発現すると40モル%に達するC14濃度が得られ、ト リグリセリドのsn‐1、2、3部位の分析によってC14のsn‐2への取込が 限られていることが示される。中鎖を好むリゾホスファチジン酸アシルトランス フェラーゼ(LPAAT)がC14:0‐ACPチオエステラーゼと共に発現すると C14のsn‐2への取込が増大する。植物中鎖を好むLPAATは国際特許出願 第PCT/95/03997号(第WO 95/27791号公報)に記載され、その開示全体を本明細 書に組み込む。 本発明のタンパク質の発現が植物細胞内で望まれる場合、関心のある種々の植 物には菜種〔低リノール酸系統と高エルカ酸変種を含むカノーラ(Canola)変種 〕、ヒマワリ、ベニバナ、ワタ、クフェア、ダイズ、ラッカセイ、ココヤシおよ びアブラヤシ、トウモロコシが含まれるが、これらに限定されない。宿主細胞に 組換え構築物を導入する方法によっては、その他のDNA配列が必要となる可能 性がある。本発明が双子葉植物種にも単子葉植物種にも同様に適用でき、新規の 、あるいは改良された形質転換・調節技術に容易に適用できることが重要である 。 少なくともこの転写方法は本発明にとって決定的ではなく、現在、植物形質転 換の種々の方法が利用できる。もっと新しい方法が作 物に利用できれば、それを直接本明細書の下記で適用できる。例えばアグロバク テリウム属感染に対して天然に感受性がある多くの植物種は、アグロバクテリウ ム属を媒体とする転写の三分節系ベクター法またはバイナリーベクター法を介し て形質転換できる。加えてマイクロインジェクション、DNA粒子ボンバード、 エレクトロポレーションの諸技術が開発され、それによって種々の単子葉、双子 葉植物種の形質転換が可能となっている。 本発明の形質転換宿主細胞内部で産生されるC14脂肪酸は、種々の工業的応用 において有用であり、例えば洗剤工業で格別の用途を見い出すであろう。様々な 量のC14およびC16脂肪酸を主にsn‐1およびsn‐3位に含む油はショート ニングなどの食品用途に使用される。 以下の例は限定的なものではなく、例示的なものとして提供する。 例例1 .アシル‐ACPチオエステラーゼ配列 A. クフェア・ホオケリアーナ WO 92/20236 に記載の植物チオエステラーゼ保存領域由来のペプチド・フラグ メントから設計された縮重オリゴヌクレオチドを用いたPCRによってクフェア ・チオエステラーゼのペプチド領域に対応するDNA配列が得られる。正プライ マーであるTECU9は、カリフォルニア・ゲッケイジュおよびクスノキのチオ エステラーゼ・タンパク質のアミノ酸 176〜181 に対する可能なすべてのコード 配列に対応するヌクレオチドを17個含む。逆プライマーであるTECU3Aは、 カリフォルニア・ゲッケイジュおよびクスノキのチオエステラーゼ・タンパク質 のアミノ酸 283〜288 に対する可能なすべてのコード配列に対応するヌクレオチ ドを18個含む。加えて、正 プライマーと逆プライマーはそれぞれBamHIまたはXhoI制限部位を5’ 末端に含み、逆プライマーはイノシン・ヌクレオチドを3’末端に含む。ベニバ ナ、カリフォルニア・ゲッケイジュ、クスノキの配列は正プライマー領域内の2 ヶ所のアミノ酸部位と、逆プライマー領域内の1個のアミノ酸残基に分かれてい る。オリゴヌクレオチドの縮重はベニバナ、カリフォルニア・ゲッケイジュ、ク スノキの配列をコードできるほどである。 テンプレートとして逆転写クフェア・ホオケリアーナRNAを、またオリゴヌ クレオチド・プライマー各1μMを用いてポリメラーゼ連鎖反応試料(100μl) を調製する。アガロース・ゲル電気泳動法によってPCR反応生成物を分析し、 チオエステラーゼ・ペプチド配列から予測したサイズの、およそ 300bpのDNA フラグメントが観察される。C93A(クフェア)と呼ばれるこのDNAフラグ メントを単離し、PCR挿入BamHIおよびXhoI制限消化部位を用いて慣 用のプラスミド・ベクター中にクローン化する。代表的なクローンのDNA配列 が得られる。これらの配列を分析すると、別の最低2個の相同クフェア・ホオケ リアーナcDNAが増幅されたことが示される。 cDNAライブラリー構築のためのクフェアRNA全体がWebbとKnapp(「Plan t Mol.Biol.Reporter」(1990))のDNA単離法を変更することによって成長中 のクフェア・ホオケリアーナ胚から単離できる。緩衝液には以下のものが含まれ る。 REC:50mMトリス塩酸 pH9、0.7M NaCl、10mM EDTA pH8、0.5% CTAB。 REC+ :使用直前にB‐メルカプトエタノールを加えて1%とする。 RECP:50mMトリス塩酸 pH9、10mMEDTA pH8、0.5% CT AB。 RECP+ :使用直前にB‐メルカプトエタノールを加えて1%とする。 組織1gを抽出するため、液体窒素中で破砕した組織にREC+ 10mLとPVP P 0.5gを加えてホモジナイズする。ホモジナイズした材料を 1200rpmで10分間 遠心分離する。上清をミラクロス(miracloth)を通して冷クロロホルム 3mLに注 ぎ入れ、再びホモジナイズする。12,000RPMで10分間遠心分離後、上相を取り、 その体積を量る。等量のRECP+ を加え、混合物を室温で20分間静置する。こ の材料を 10,000rpmで20分間2回遠心分離し、各回転後に上清を捨てる。ペレッ トを 1M NaCl(DEPC)0.4mLに溶解し、等量のフェノール/クロロホル ムで抽出する。エタノール沈殿後、ペレットをDEPC水 1mLに溶解する。Mani atisら(「Molecular Cloning:実験室マニュアル」(1982)ニューヨーク、Cold Spring Harbor社)により、この総RNAからポリ(A)RNAを単離できる。 市販のプラスミドまたはファージ・ベクター中にcDNAライブラリーを構築で きる。 上記のようにPCRによって得られたチオエステラーゼをコードするフラグメ ントを標識し、クフェアcDNAライブラリーをスクリーニングしてチオエステ ラーゼcDNAを単離するのに使用する。クフェアcDNAクローンTAA34 2の予備DNA配列を第X図に示す。推定された成熟N末端(カリフォルニア・ ゲッケイジュのチオエステラーゼとの相同性に基づいて)から翻訳されたクフェ ア・クローンのアミノ酸配列が示されている。 この配列は予備的であり、単一のオープンリーディングフレームをクローンの 5’領域に現さない。成熟タンパク質の配列を表すと思われるオープンリーディ ングフレームは対応するDNA配列の下 に示される。カリフォルニア・ゲッケイジュのチオエステラーゼタンパク質に対 する相同性に基づいてN末端アミノ酸を選択した。 Uni‐ZAP(ストラタジーン社)ファージ・ライブラリー・クローニング ・システムを用いて調製したcDNAライブラリーをスクリーニングすることに よって、他のクフェア・ホオケリアーナcDNAが得られた。このライブラリー を放射標識TAA342DNAを用いてスクリーニングした。このライブラリー について30%ホルミアミドを用いて42℃でハイブリダイゼーションを行い、低厳 密性(室温で1×SSC、0.1 %SDS使用)で洗浄を行った。非常に多数のチ オエステラーゼ・クローンを同定し、DNA配列を決定した。3クラスのクフェ アcDNAクローン3を同定した。上で論じた元のTAA342クローンは、そ の他の植物中鎖を好むアシル‐ACPチオエステラーゼと相同の広範な領域を有 するCUPH‐1型クローンの代表である。CUPH‐1型クローンであるCM T9の核酸配列は WO 94/10288の第6図に示されている。成熟タンパク質はアミ ノ酸位置88のロイシンまたはその近傍、あるいはアミノ酸位置 112のロイシンで 開始すると思われる。種々のクフェア・ホオケリアーナから単離したRNAのノ ーザン分析によると、CUPH‐1遺伝子は調べたクフェア・ホオケリアーナ植 物組織のすべてにおいて低濃度で発現することが示される。 クフェア・チオエステラーゼcDNAの二番目のクラスはCUPH‐2と同定 される。これらのcDNAは他の植物中鎖アシル‐ACPチオエステラーゼとも 広範な相同性を示す。代表的なクローンであるCMT7の大腸菌中での発現から 、CUPH‐2クローンがC8およびC10アシル‐ACP基質に対して優先的な 活性を有する中鎖を好むアシル‐ACPチオエステラーゼ・タンパク質をコード することが立証された。CMT7のDNA配列と翻訳されたアミノ 酸配列は WO 94/10288の第7図に示されている。 他のクフェア・ホオケリアーナのクローンであるCMT13の5’末端からの 予備DNA配列を本明細書の第6図に示す。CMT13はCMT7と広範な配列 同一性を示すが、DNA配列を一直線にすると数個のギャップがあることが明ら かにされ、合わせると合計およそ48個のヌクレオチドとなり、CMT13クロー ンにはCMT7クローンに存在する配列が欠落している。CMT13はCUPH ‐4クローンとも呼ばれる。種々のクフェア・ホオケリアーナ植物組織から単離 したRNAのノーザン分析によると、CUPH‐2遺伝子とCUPH‐4遺伝子 が成長中の種子組織で高濃度で発現していることが示される。葉など、その他の クフェア・ホオケリアーナ組織中でのCUPH‐2クローンとCUPH‐4クロ ーンの発現は検出されなかった。 他のクローンであるCMT10のDNA配列は WO 94/10288の第9図に示され ている。他のCUPH‐1型クローン由来のフラグメントで言及すると、CMT 10はCMT9と90%を超えるがおよそ99%より低い配列同一性を有する。CM T10はCUPH‐5型クローンとも呼ばれる。 B. クフェア・パルストリス クフェア・ホオケリアーナについて先に記載したのと同様にクフェア・パルス トリスの成長中の種子から総RNAを単離する。およそ6×106 pfu を含むラ ムダZipLox(BRL社、メリーランド州ゲーサーズバーグ)cDNAライブラリ ーを総RNAから構築する。クフェア・ホオケリアーナ由来のチオエステラーゼ をコードする領域CUPH‐1(CMT‐9)、CUPH‐2(CMT‐7)お よびCUPH‐5(CMT‐10)を含む混合プローブを使用して、未増幅ライ ブラリーからのおよそ 500,000個のプラークをスクリー ニングした。(これらのクローンのDNA配列は WO 94/10288中に提供されてい る。)。低厳密性ハイブリダイゼーション条件を使用する。すなわち、ホルムア ミド30%と2×SSC(1×SSC=0.15M NaCl、0.015M クエン酸ナ トリウム)の溶液中で室温でハイブリダイゼーションを行う。82個の推定陽性の クローンを同定し、そのうち30個をプラーク精製した。 MCT34と呼ばれるクローンの核酸配列と翻訳したアミノ酸配列を第1図に 示す。このクローンの翻訳したアミノ酸配列はクフェア・ホオケリアーナCUP H‐4クローン(WO 94/10288 第8図のMT‐13)とおよそ80%同一である。 C. ニクズク(ミリスチカ・フラグランス) クフェア種について先に記載したのと同様に、ニクズクの成長中の種子から総 RNAを単離する。およそ6×106 pfuを含むラムダ Zap(ストラタジーン社、 カリフォルニア州ラ・ジョラ)cDNAライブラリーを総RNAから構築する。 カリフォルニア・ゲッケイジュのチオエステラーゼのC12を好むアシル‐ACP チオエステラーゼをコードする配列(WO 94/10288の第1図)のおよそ 900bpを含 むpCGN3822のBamI/PstIフラグメントを放射標識し、以下のハ イブリダイゼーション条件下でニクズクcDNAライブラリーのプローブとして 使用する:50%ホルムアミド、2×SSC、5%硫酸デキストラン中で30℃で終 夜ハイブリダイゼーション。ハイブリダイゼーションを行ったフィルターを30℃ で 0.1%SSC、0.1%SDS中で洗浄し、オートラジオグラフを行う。推定陽 性のクローン5個が同定され、そのうち3個に第3図に示した配列が含まれ、こ れをMYRF‐2またはMfFatB1の記号で表し、そのうち1個に第2図に 示した配列が含まれ、これをMYRF‐1またはMfFatB2の記号で表す。 その他の推定陽性のクロー ンの配列によると、アシル‐ACPチオエステラーゼをコードしていないことが 示された。 MYRF‐1クローンとMYRF‐2クローンの配列解析によると、MYRF ‐1は実質上MYRF‐2の切断型であり、MYRF‐1の最初のプロリン残基 がMYRF‐2配列の97番目のアミノ酸に対応することが示される。これらのク ローンのもう一つの主な相違はチオエステラーゼをコードする領域の3’末端に 見られる。MYRF‐1クローンにはMYRF‐2配列の1624〜1626番目のヌク レオチドにあるTAG停止コドンが欠損し、従って翻訳されたMYRF‐1のア ミノ酸配列は、次に利用できる枠内停止コドンに達するまでMYRF‐2の3’ 非翻訳領域内に伸びる(MYRF‐1の1087〜1089番目のヌクレオチドのTGA )。 D. クスノキ〔シナモマム・カンフォーラ(Cinnamomum camphora)〕 PCRによって生成するクラスIIクスノキ・チオエステラーゼをコードする 領域のDNA配列と翻訳されたアミノ酸配列は WO 92/20236の第5B図に示され ている。クスノキのクローンの成熟タンパク質領域を含むDNAフラグメントは PCRによって成長中のクスノキの胚由来のRNAを用いて調製した逆転写cD NAから得られる。CLONEAMP(商標)システム(GIBCO BRL社、メリーランド州 ゲーサーズバーグ)を用いてクローン化に有用な配列を含む正(センス)PCR プライマーおよび逆(アンチセンス)である #4164および #4165を調製する。オ リゴヌクレオチド4164にはWO 92/20236第5B図の配列の 119〜138 番目のヌク レオチドをコードするクスノキ・チオエステラーゼに対応する20個のヌクレオチ ド領域が含まれる。オリゴヌクレオチド4165には、WO 92/20236 第5B図の1391 〜1410番目のヌクレオチドで表されるクスノキ・チオエステラーゼ 3’非翻訳配列と相補的な20個のヌクレオチド領域が含まれる。4164と4165の配 列は以下のとおりである: PCRによって4164と4165について得られるクスノキPCRフラグメントのD NA配列および翻訳されたアミノ酸配列を第4図に示す。配列はクスノキ・チオ エステラーゼの成熟タンパク質をコードする領域の開始部分にあるXbaI部分で開 始する。例2 −大腸菌中のC14:0アシル‐ACPチオエステラーゼの発現 A. クフェア・パルストリス クフェア・パルストリスのアシル‐ACPチオエステラーゼをコードする配列 を発現するための大腸菌中の構築物を調製する。cDNAクローンMCT34を ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)用のテンプレートとして用いてStuI部位5 ’を第1図に示す配列の 108番目のアミノ酸にあると推定される成熟タンパク質 開始部分に挿入する。PCR用の正プライマーであるMCT34F1には第1図 に示すクフェア・パルストリスの配列の437〜454番目のヌクレオチドに対応する DNA配列並びにSphIおよびStuI制限消化部位を挿入するための配列が 含まれる。「M13正」と呼ばれるM13配列プライマーは逆反応、すなわちア ンチセンス反応を開始させるために使用する。PCRプライマーの配列は以下の とおりである: その結果得られるPCR生成物をStuI/XbaIフラグメントとしてpU C118中にクローン化し、その結果、クローンMCT34LZが得られ、これ によって大腸菌中でクフェア・パルストリス・チオエステラーゼがlacZ融合 タンパク質として発現され る。 クフェア・パルストリス・チオエステラーゼを発現するための他の構築物とし て、キアゲン(チャッツワース社、カリフォルニア)pQEベクターを用いて大 腸菌中のcDNAクローンMCT34を調製するが、これはヒスチジン・タグを 通して高濃度の発現とタンパク質精製能を提供する。上記のMCT34F1正プ ライマーおよびM13正プライマーを用いてPCAから得られるDNA生成物を SphIおよびSnaBIで消化し、SphIおよびSmaIで消化したpQE 30(キアゲン)中でクローン化してMCT34HTが得られる。 脂質組成を分析するため、MCT34LZを大腸菌fadDおよび中鎖特異性 アシル‐CoAシンターゼ欠損大腸菌変異腫(Overath ら、「Eur.J.Biochem 」(1969)7:559-574)中で形質転換する。チオエステラーゼ構築物を含む細胞 と、対照細胞の同様の培養を30℃でOD600が約 0.5となるまで培養する。チオ エステラーゼ発現の誘発は、IPTGを 0.2〜0.4 mMとなるように加えた後、 さらに30〜120 分間培養することによって達成できる。増殖が遅い培養に対して は、IPTG添加後に比較的長い培養期間が要求される。大腸菌細胞の試料 4.5 mLをテフロン・コーティング・キャップのついた15mLのガラスバイアルに移 す。1:1クロロホルム/メタノール中のC11:0遊離脂肪酸、C15:0遊離脂肪酸 およびC17:0TAG各1mg/mlを含む1mg/mlの標準溶液 100μlを試 料に加えた後、氷酢酸 200μlおよび1:1クロロホルム/メタノール10mlを 添加する。この試料をボルテックス・ミキサーで撹拌して完全に混合し、完全に 相分離するため 1000rpmで5分間遠心分離した。下相(クロロホルム)を注意深 く取り除き、ロータリー・エバポレータ(Rotovap)で使用するのに適した清浄な フラスコに移す 。この試料がほぼ乾燥するまで溶媒を留去する。溶媒が除去された後、中鎖脂肪 酸が優先的に蒸発するらしいので、バイアルを室温に保つのに丁度よい量の熱を 用い、クロロホルムを完全には除去しないことが重要である。残液を測定し、テ フロンキャップの付いた2mlのガラスバイアルに移す。ロータリー・エバポレ ータで使用したバイアルをクロロホルム/メタノールで洗浄し、クロロホルム/ メタノール試料を残液と合わせる(全体積 600μl)。 総脂肪酸を分析するため、試料のアリコート 100μlに5%硫酸メタノール溶 液1mlを加え、この試料を5mlバイアルに移し、その試料を90℃の水浴中で 2時間インキュベートすることによってメタノール溶媒分解する。試料を放冷し た後、0.9%NaCl 1mlとヘキサン 300μlを加える。試料をボルテック ス・ミキサーで撹拌して完全に混合し、1000rpmで5分間遠心分離する。上層( ヘキサン)を注意深く取り除き、ガラス製のコーン・インサートの付いたプラス チック製のオートサンプラー用バイアルの中に入れた後、クリンプシールでバイ アルに蓋をする。 遊離脂肪酸を分析するため、上記のメタノール溶媒分解に先立ち、リン脂質か ら遊離脂肪酸を分離するため以下の薄層クロマトグラフィー(Choと Cronan(19 94)「J.Bacteriol.」1793-1795)を適用する。ロータリー・エバポレータ残 渣のアリコート 100μlと上記の洗浄液をシリカ‐G薄層板の2展開路(50μl /展開路)に塗布する。薄層板を石油エーテル/エーテル/酢酸(70/30/2、V /V)でおよそ15〜20分間展開する。リン脂質は原線に残り、中性脂肪は溶媒先端 付近まで移動する。脂質はヨウ素でほんの短い間染色され、印を付け、印を付け た範囲のシリカをテフロンキャップの付いた2mlの試験管に移す。2本のレー ンの範囲を合わせ、試料を上記のようにメタノール溶媒分解する。 炭素数10以下の成分の分離を良くするため昇温プログラムを用いてガス液クロ マトグラフィー(GC)で試料を分析する。使用する昇温プログラムは、140℃ で3分間停止後、5℃/分で 230℃まで昇温し、230℃を11分間維持する。試料 はヒューレット・パッカード5890(カリフォルニア、パロアルト)ガスクロマト グラフで分析する。脂肪酸分の計算は内部標準に基づいて行う。結果を下の表1 に示す。 上の結果より、クフェア・パルストリスMCT34LZクローンで形質転換し た細胞中で14:0および14:1脂肪酸の産生がかなり増大していることが立証される 。 B. クフェア・ホオケリアーナ CUPH‐4 大腸菌中でクフェア・ホオケリアーナCUPH‐4チオエステラーゼをlac Zとして発現するための構築物もクフェア・パルストリス構築物のために上に記 載したものなどのPCRおよびクローニング技術を用いて調製される。 C. ニクズク 大腸菌中で二種類のニクズク(ミリスチカ・フラグランス)クラスII型チオ エステラーゼ、MYRF‐1(MfFatB2)およびMYRF‐2(MfFa tB1)をlacZ融合タンパク質として発現するための構築物を調製する。M fFatB1およびMfFatB2をSalIおよびXhoIで消化してMfF atB1配列の131 番目のアミノ酸(第3図)もしくはMfFatB2配列の35 番目のアミノ酸(第2図)からチオエステラーゼをコードする配列を含むクロー ン・フラグメントをcDNAクローンの3’末端を通して切り取る。切り取った チオエステラーゼをコードするフラグメントをSalI消化pUC8中に挿入し 、その結果pCGN3856(MfFatB1)およびpCGN3855(Mf FatB2)が生成する。これらの構築物はほぼ熟成したチオエステラーゼ・タ ンパク質の配列のlacZ融合をコードする(カリフォルニア・ゲッケイジュの チオエステラーゼ・タンパク質との相同性によってMfFatB1タンパク質の 130 番目のアミノ酸を成熟タンパク質N末端として選択した)。 この融合タンパク質を大腸菌K12のfad+およびfadD株中で発現させ る。総30℃で終夜培養後のMYRF‐1およびMYRF‐2形質転換K27(f adD)の液体培養中の脂肪酸の分析を下の表2に提供する。 D. クスノキ 上記のクスノキのPCRフラグメントをpAMPベクター中でクローン化して 得たクスノキ・チオエステラーゼ・フラグメントをXbaIおよびSalIで消 化したpBCSK+ (ストラタジーン社)中でクローン化し、pCGN522 0を得る。上記のように脂質組成を分析するため、pCGN5220を用いて大 腸菌fadDを形質転換する。この分析結果を下の表2に提供する。 対照と比較すると、14:0脂肪酸および16:1脂肪酸はニクズク、クスノキ、クフ ェア・ホオケリアーナの各クローンに対して劇的に上昇している。12:0および14 :1での増大もニクズク、クスノキのクローンで観察され、また16:0および18:1で の増大もクフェア・ホオケリアーナCUPH‐4クローンについて見られる。 E. チオエステラーゼ活性の測定 チオエステラーゼ活性を測定するため、アシル‐ACPチオエステラーゼ構築 物を含む大腸菌の細胞と、対照細胞の同様の培養を30℃でOD600が約 0.5とな るまで培養する。lacZ融合構築物中でのチオエステラーゼ発現の誘発は、I PTGを 0.4mMとなるように加えた後、さらに1〜2時間培養することによっ て達成できる。成長が遅い培養に対しては、IPTG添加後に比較的長い培養期 間が要求される。 各培養の10mlのアリコート(細胞+培養液を含む)の種々の炭素鎖長アシル ‐ACP基質を以下のように測定する。細胞を遠心分離によって収集し、0.5m lの測定緩衝液で再懸濁し、超音波処理によって溶菌する。細胞細片は、さらに 遠心分離を行うことによって除去できる。次いでこの上清を Pollardら、「Arch .Biochem & Biophys.」(1991)281:306-312によるチオエステラーゼ活性測定 に 使用する。8:0、10:0、12:0、14:0、16:0、18:0および18:1アシル‐ACP基質 を用いたクフェア、ニクズクおよびクスノキのチオエステラーゼ・クローンにつ いてのチオエステラーゼ活性の測定結果を下の表3に提供する。結果は対照細胞 と比較したチオエステラーゼ発現細胞の比活性として提供する。 14:0および16:0に対して、対照細胞と比較した加水分解活性のかなりの上昇が クフェア・パルストリスMCT34HT形質転換細胞で観察される。ニクズクM YRF‐1クローンおよびMYRF‐2クローンによって形質転換された細胞も 14:0および16:0に対する活性にかなりの上昇と、それほどではないが18:0と18:1 で上昇が示される。クスノキCINC‐1クローンの発現によって、主に14:0に 対する活性が上昇し、16:0加水分解活性も上昇するが、それよりは小さい。例3 −植物形質転換用の構築物 A. ナピン発現カセット ナピン発現カセットであるpCGN1808は同時係属の米国特許出願第 07/ 742,834 号に記載され、その開示を参照により本明細書に組み込む。pCGN1 808を変更してフランキング制限部位を含ませることにより、発現配列だけの 運動を可能とし、バイナリーベクターの抗生物質耐性マーカーは可能としない。 KpnI、N otIおよびHindIII制限部位を含む合成オリゴヌクレオチドについてH indIII部位が1ヶ所だけ回復するようにpCGN1808の独特のHin dIII部分でアニーリングおよび連結反応を行う。その結果得られるプラスミ ドのpCGN3200には、配列解析によって確認されるように唯一のHind III、NotIおよびKpnI制限部位がナピン3’‐調節配列の3’末端に 含まれる。 HindIIIおよびSacIによる消化とHindIIIおよびSacIで 消化したpIC19R(Marshら(1984)「Gene」32:481-485)連結反応ナピン 発現カセットの大部分をpCGN3200からサブクローニングしてpCGN3 212を作成する。ナピン・プロモーター領域の極度な5’配列をpCGN32 00をテンプレートとして使用し、またSacI部分と、ナピン5’‐プロモー ターおよびpCGN3200のpUCバックボーンとの接合部をフランキングす る2個のプライマーを使用してPCRによってpCGN1808構築物から再構 築する。正プライマーにはClaI、HindIII、NotI、およびKpn I制限部位並びにナピン5’‐配列(EcoRV部分由来)の 408〜423 のヌク レオチドが含まれ、逆プライマーには5’‐プロモーター中の唯一のSacI部 分を含む 718から 739番目のナピン配列の相補体が含まれる。製造者の仕様書に 従ってパーキンエルマー/シータス社のサーモサイクラーを用いてPCRを行っ た。このPCRフラグメントをHincIIで消化したpUC8中で平滑断端フ ラグメントとしてサブクローニングしてpCGN3217を作成する(Vieiraと Messing(1982)「Gene」19:259-268)。ナピン挿入物を横切るpCGN321 7の配列決定によると、PCRによって不適当なヌクレオチドが導入されなかっ たことが検証される。ClaIおよびSacIによる消化 とClaIおよびSacIで消化したpCGN3212との結合によって、pC GN3217中のナピン5‐配列をナピン発現カセットの残りと結合させる。そ の結果得られる発現カセットpCGN3221をHindIIIで消化し、ナピ ン発現配列をゲルで精製し、HindIIIで消化したpIC20Hと結合させ る(Marsn、前出)。最終の発現カセットはpCGN3223であり、それには アンピシリン耐性の背景にpCGN1808で見られるのとほぼ等しい 1.725ナ ピン5’および 1.265の3’調節配列が含まれる。調節領域はHindIII、 NotIおよびKpnI制限部位と側面を接し、唯一のSalI、BglII、 PstI、およびXhoIクローン化部位が5’および3’非クローン化領域の 間に位置する。 B. オレオシン発現カセット オレオシン遺伝子由来の5’および3’領域の調節下での転写用の配列のクロ ーン化のためのカセットを調製する。ブラシカ・ナプスのオレオシン遺伝子の配 列は LeeとHuang(「Plant Phys.」(1991)96:1395-1397)によって提供されて いる。出版された配列のプライマーはPCR反応中で使用され、ブラシカ・ナプ ス栽培変種ウェスター由来のオレオシン遺伝子の5’および3’調節領域が得ら れる。二種類のPCR反応が行われ、そのうち一つはオレオシン遺伝子のATG 開始コドンのすぐ上流にあるおよそ 950 のヌクレオチドを増幅するため、もう 一つはオレオシン遺伝子のTAA停止コドンを含みその下流にあるおよそ 600bp をPCR増幅するためであった。このPCR生成物を製造者プロトコルに従って プラスミド・ベクターpAMP1(BRL社)中でクローン化してオレオシン5 ’フランキング領域を含むプラスミドpCGN7629と3’領域を含むpCG N7630を生成した。これらのPCRプライマーには5’および3’フランキ ング領域を共に発現カセット中でクローン 化するのに便利な制限部位が含まれる。pCGN7629由来の5’フランキン グ領域を含むPstIフラグメントをPstI消化pCGN7630中でクロー ン化してプラスミドpCGN7634を生成した。オレオシン発現カセット全体 を含むpCGN7634由来のBssHII(ニューイングランド・バイオラブ ズ社)フラグメントをBssHII消化pBCSK+(ストラタジーン社)中で クローン化してオレオシン・カセットをプラスミドpCGN7636中に提供し た。pCGN7636中のオレオシン・カセットの配列を第7図に提供する。こ のオレオシン・カセットはBssHII、KpnIおよびXbaIの各制限部位 と両側を接し、ワックス・シンターゼ、レダクダーゼ、あるいは他の関心のある DNA配列を5’および3’オレオシン領域の間に挿入するためのSalI、B amHIおよびPstIの各部位を含む。 C. クフェア・パルストリスアシル‐ACPチオエステラーゼ発現構築物 植物種子中でナピンおよびオレオシン調節領域の調節制御下でクフェア・パル ストリスのチオエステラーゼcDNAクローンMCT34を発現するための構築 物は以下のように調製する。SalI部位5’をATG開始コドンに、またNs iI部位をMCT34翻訳停止コドンの3’近傍に挿入するのにオリゴヌクレオ チドを用いたPCR増幅によってMCT34由来のチオエステラーゼをコードす る領域が得られる。PCR用のオリゴヌクレオチド・プライマーにはSalI部 位(CpMet‐1正プライマー)とNsiI部位(CpStop‐1逆プライ マー)が含まれていた。加えて、これらのプライマーにはCLONEAMP(商標)シ ステムを用いてクローン化するための「CAU」(正プライマー)と「CUA」 (逆プライマー)反復配列が含まれる。これらのPCRプライマーの配列は以下 のとおりである: その結果得られたPCR生成物をpAMP中でクローン化し、DNA配列を決定 してPCR生成物を検証する。 クフェア・パルストリスのチオエステラーゼpAMPクローン(pCGN38 60)をSalIおよびNsiIで消化し、チオエステラーゼをコードするフラ グメントを単離し、SalI/PstIで消化したpCGN3223(ナピン発 現カセット)またはpCGN7636(オレオシン発現カセット)中でクローン 化すると、それぞれpCGN3861とpCGN3862が得られる。 クフェア・パルストリス発現構築物によって植物を形質転換するためのバイナ リーベクターをAsp718でpCGN3861およびpCGN3862を消化 し、得られるフラグメントをAsp718で消化したpCGN1578(McBrid eら、(1990)「Plant Mol.Biol.」14:269-276)に挿入することによって調製 すると、それぞれpCGN3863とpCGN3864が得られる。 D. ニクズクのアシル‐ACPチオエステラーゼ発現構築物 植物種子中でナピンおよびオレオシン調節領域の調節制御下でニクズク・チオ エステラーゼcDNAクローンであるMfFatB1(pCGN3856または MYRF‐2)を発現するための構築物は以下のように調製する。MfFatB 1由来のチオエステラーゼをコードする領域は、BamHI部位5’をATG開 始コドンに、またXhoI部位3’をMfFatB1翻訳停止コドンに挿入する のにオリゴヌクレオチドを用いたPCR増幅によって得られる。PCR用のオリ ゴヌクレオチド・プライマーにはBamHI部位(正プライマーまたはセンス・ プライマー)とXhoI部位(逆プライ マーまたはアンチセンス・プライマー)が含まれていた。加えて、これらのプラ イマーにはCLONEAMP(商標)システムを用いてクローン化するための「CAU 」(正プライマー)と「CUA」(逆プライマー)反復配列が含まれる。これら のPCRプライマーの配列は以下のとおりである: その結果得られたPCR生成物をpAMP中でクローン化し、DNA配列を決定 してPCR生成物を検証する。 ニクズクのチオエステラーゼpAMPクローン(TA431)をXhoIで消 化し、BamHIで部分消化する。チオエステラーゼをコードするフラグメント を単離し(1.3 kbバンド)、BglII/Xhoで消化したpCGN3223( ナピン発現カセット)中でクローン化すると、pCGN3868が得られる。ニ クズク発現構築物によって植物を形質転換するためのバイナリーベクターをAs p718でpCGN3868を消化し、得られるナピン5’/ニクズクTE/ナ ピン3’フラグメント(4.2kb)をAsp718部位でpCGN1578PASS に挿入することによって調製する。{pCGNI578PASSはpCGN15 78(McBrideら、前出)からpCGN1578ポリリンカー領域を以下の制限 部位を含むpCGN1578ポリリンカー領域で置換することによって調製する 。Asp718、Asc、Pac、Swa、SseおよびHindIII。}そ の結果得られる構築物であるpCGN3854はC14脂肪酸を産生するため植物 の形質転換に使用する。 オレオシン・プロモーターの調節制御下でニクズクのチオエステラーゼを発現 するための構築物は以下のように調製する。pCGN3868(上記のナピン5 ’/ニクズクTE/ナピン3’発現構築 物)をSalIおよびEcoRVで消化し、その結果得られる、5’から3’に 配向してナピン3’調節領域に接合した、ニクズクのチオエステラーゼをコード する領域を含むフラグメントをSalIおよびEcoRVで消化したpCGN7 636(上記のオレオシン・カセット)に挿入する。その結果得られる構築物の pCGN3858をAsp718で消化し、BamHIで部分消化してオレオシ ン5’、ニクズク・チオエステラーゼをコードする領域、およびナピン3’調節 領域の約 320のヌクレオチドを含む約2.6 kbのフラグメントを生成する。この 2 .6kbのフラグメントをAsp718/BamHId消化したpCGN1578中 でクローン化して、植物の形質転換とニクズクのチオエステラーゼ発現のための バイナリーベクターであるpCGN3857が得られる。 E. クスノキのアシル‐ACPチオエステラーゼ発現構築物 ナピン・プロモーターの調節制御下でクスノキ・チオエステラーゼを発現する 構築物を説明する。pCGN3826(WO 92/20236に記載のカリフォルニア・ ゲッケイジュのC12を好むアシル‐ACPチオエステラーゼ・クローン)をXb aIおよびSalIによって消化してプラスミド・ベクターのバックボーンとを 有するDNAフラグメントを生成することによってカリフォルニア・ゲッケイジ ュのチオエステラーゼをコードする輸送ペプチドが得られる。pCGN5220 (実施例2D)をBamHIおよびSalIで消化して得られるカリフォルニア ・ゲッケイジュ輸送::クスノキ成熟コード化フラグメントをBglII/Xh oIで消化したpCGN3223(ナピン発現カセット)に挿入すると、pCG N5232が生成する。pCGN5232をNotIで消化し、また平滑末端を 生じさせるためにクレノウで消化して生成するナピン5’/カリフォルニア・ゲ ッケイジュ輸送::クスノキ成熟/ナピン3’フラグメ ントをHindIIIで消化しクレノウで平滑断端化したpCGN1578に挿 入する。その結果得られる構築物のpCGN5233は、植物の形質転換とクス ノキ・チオエステラーゼ発現のためのバイナリーベクターである。例4 植物の形質転換 A. アブラナ属の形質転換 アブラナ属は、Radkeら(「Plant Cell Reports」(1992)11:499-505、Theor .Appl.Genet.(1988)75:685-694)によって報告されているように、あるいは 下記で詳細に説明するように形質転換できる。 ブラシカ・ナプスの種子を95%エタノールに2分間浸漬し、ツイーン20 1滴 を含む 1.0%水酸化ナトリウム溶液中で45分間表面滅菌し、滅菌蒸留水中で3回 すすぐ。次いで種子をピリドキシン(50μg/l)、ニコチン酸(50μg/l) 、グリシン(200μg/l)、0.6%フィトアガール(ギブコ)pH5.8 を加えた 1/10濃度のムラシゲ最小有機培地(ギブコ、ニューヨーク州グランドアイランド )を入れたマゼンタ・ボックスに入れる。種子を強度およそ65μアインシュタイ ン/平方メートル/秒(μEm2-1)の低温蛍光および赤色光を光周期16時間 とした22℃のパーシヴァル・チャンバ内で発芽させる。 5〜7日を経た種子から胚軸を摘出し、長さおよそ 4mmに細切し、フィーダー ・プレート上に敷く(Horschら、「Science」(1985) 227:1229-1231)。MS 塩基(カリフォルニア・バイオロジカル、ノースカロライナ州バーリントン)約 30ml、100mg/1イノシトール、1.3mg/1塩酸チアミン、3%ショ糖、2 ,4‐D(1.0mg/l)、0.6% w/vフィトアガールを含むKH2PO4 200m gを圧熱滅菌前にpHを 5.8に調整したもの(MS 0/1/0培地)を含 むタバコ懸濁培養 1.0mlをペトリ皿(100×25mm)に敷くことによって使用1 日前にフィーダー・プレートを調製する。使用前にフィーダー層の頂上に無菌ろ 紙ディスク(ワットマン 3mm)を置く。タバコ懸濁培養を2,4‐D(0.2mg /l)、キネチン(0.1mg/l)を入れたフィーダー・プレートについて記載され ているように培養液10mlを新鮮MS培地 100mlに移すことによって毎週継代 培養を行う。フィーダー細胞を使用しない実験では、胚軸外植片を切断し、MS 0/1/0培地頂上のろ紙上に置く。すべての胚軸外植片を強度30μEM-2-1ない し65μEM2-1の連続光をあて、フィーダー・プレート上で22℃、24時間予備 培養する。 バイナリープラスミドを含むアグロバクテリウム・ツメファシエンスEHA10 1 株の単一コロニーをMG/Lブロス5mlに移し、30℃で終夜培養する。胚軸 外植片を1×108個/mlの細菌を入れたMG/Lブロス7〜12mlに浸漬し、10 〜25分後、フィーダー・プレート上に置く。MG/Lブロス1リットル中にはマ ンニトール5g、L‐グルタミン酸1gまたはグルタミン酸ナトリウム 1.5g、 KH2PO40.25g、NaCl 0.10g、MgSO4・7H2O 0.10g、ビオチン 1mg、トリプトン5g、および酵母エキス2.5gが含まれ、このブロスをpH 7.0 に調整する。アグロバクテリウムと48時間共存培養後、胚軸外植片をフィル ターで滅菌したカルベニシリン(500mg/l、圧熱滅菌後に添加)および硫酸カ ナマイシン(ベーリンガー・マンハイム、インディアナ州インディアナポリス) を各25mg/l含むB5 0/1/0カルス・インキュベーション培地に移す。 65μEM-2-1の連続光で3〜7日間培養後、カルス組織が切断面上に見える ようになると、胚軸外植片を苗条誘発培地B5BZ(3mg/1ベンジルアミノ プリン、1mg/1セラチン、1%ショ 糖、0.6%フィトアガールを加えpHを 5.8に調整したB5塩とビタミン)に移 す。また、この培地にはカルベニシリン(500mg/l)および硫酸カナマイシン (25mg/l)も含まれる。胚軸外植片を2週間毎に新鮮苗条誘発培地に継代培 養する。 苗条は1から3ヶ月後に胚軸カルスから再生する。少なくとも高さ1cmの緑 色苗条をカルスから摘出し、B5塩およびビタミン、1%ショ糖、カルベニシリ ン(300mg/l)、硫酸カナマイシン(50mg/l)および 0.6%w/vフィトアガ ールを含む培地上に置く。2〜4週間後、緑色のままの苗条を基部から切断し、 発根誘発培地(B5塩およびビタミン、1%ショ糖、2mg/1インドール酪酸 、50mg/l硫酸カナマイシンおよび 0.6%w/vフィトアガール)を含むマゼン タ・ボックスに移す。緑色の発根した苗条をチオエステラーゼ活性について試験 する。 B. シロイスナズナの形質転換 Valverkensら(「Proc.Nat.Acad.Sci.」(1988)85:5536-5540)によって記 載されたアグロバクテリウムを媒介とする形質転換によって形質転換シロイスナ ズナ植物が得られる。構築物をEHA101 株(Hoodら、「J.Bacteriol」(1986 )168:1291-1301)などのアグロバクテリウムの細胞中でHolstersらの方法(「M ol.Gen.Genet.」(1978)163:181-187)によって形質転換する。 C. ラッカセイの形質転換 1988年7月27日出願された欧州特許出願第 332 855号および同時出願中の USS N 07/225,332に記載されるように、関心のあるDNA配列を粒子ボンバードを介 して少なくともプロモーター領域、関心のある遺伝子、および終結領域を備える 発現カセットとして植物ゲノムに導入できる。 簡単に述べると、大きさが 0.5〜3μmの範囲のタングステン粒 子または金粒子を発現カセットのDNAで被覆する。このDNAは水性混合物や 乾燥DNA/粒子沈殿物の形態とすることができる。 ボンバードの標的に使用する組織は子葉外植片、根の成長点、未成熟の小葉、 葯などから得られる。 バイオリスティクス(商標)粒子銃(デュポン、デラウェア州ウィルミントン )を用いてDNA被覆粒子による組織のボンバードを行う。円筒開口部からの距 離が1cmから4cmの範囲で可変の円筒部に粒子を入れる。ボンバードする組 織を停止プレートの下に配置し、20cmまでの距離でこの組織について試験を行 う。発射の瞬間、組織はナイロン網、あるいはメッシュが10μmから 300μmの 範囲のナイロン網の組合せによって保護される。 ボンバード後、Atreyaら(「Plant Science Letters」(1984)4:379-383)の 方法に従って植物を再生する。簡単に述べると、胚軸組織または子葉分節をMS 培地(Murashigeと Skoog、「Physio.Plant.」(1962)15:473)(子葉分節に対 してはMS+2.0 mg/lの6‐ベンジルアデニン(BA))上に置き、暗中で 25±2℃、1週間インキュベートした後、連続低温白色蛍光(6.8W/m2)に移す 。培養10日目、小植物を無菌土壌を入れた植木鉢に移し、3〜5日間日陰に置き 、最後に温室へ移動する。 形質転換していると推定される苗条を根付かせる。外来性DNAの植物ゲノム への組込みは、当業者に公知の種々の方法によって確認できる。例5 −形質転換植物の分析 A. ニクズク(MYRF‐2)発現構築物 ナピン・プロモーターの調節制御下でニクズク・チオエステラーゼ・クローン MYRF‐2を発現させるための構築物であるpCGN3854を含む形質転換 ブラシカ・ナプス植物(QL01由来の低 リノレン酸変種)から成熟した種子を収穫し、モル%脂肪酸組成を決定するため 分析を行った。結果を下の表4に示す。 分析したすべての形質転換植物にC14脂肪族アシル基が存在し、C14の濃度は 13.5から 21.73モル%の範囲である。C16の濃度には、さらに大きい上昇が見ら れ、C16脂肪酸のC14脂肪酸に対する比はおよそ2:1までの範囲である。一般 に、C16/C14比はC14含有量の増加につれて減少し、およそ1.3:1の低い 比が観察される。これらの形質転換植物種子中のC14とC16の濃度のグラフを第 11図に示す。非形質転換の対照植物中のバックグラウンド濃度はおよそ 0.1モ ル%である。QL01の非形質転換種子中のC16濃度はおよそ4モル%である。形 質転換体3854-3由来の個々の種子を切開して半種子脂質分析にかけた。この分析 結果を下の表5に示す。 3854-3および 3854-11由来の他の単一種子の脂肪酸組成データ(モル%脂肪酸) を第8図に示す。これらのデータによると、ニクズク・チオエステラーゼによっ て23%に達するC14濃度と38%に達するC16濃度が得られることが示される。加 えて、18:0脂肪酸濃度の比較的小さい上昇が観察され、濃度がQL01の非形質転 換種子中の1モル%から形質転換種子中の9モル%まで上昇している。形質転換 種子中の総飽和脂肪酸濃度はおよそ55から60モル%の範囲である。 B. クスノキ発現構築物 ナピン・プロモーターの調節制御下でクスノキ・チオエステラーゼのクローン CINC‐1を発現するための構築物であるpCGN5233を含む形質転換し たブラシカ・ナプス植物から成熟した種子を収穫し、モル%脂肪酸組成を決定す るため分析を行った。結果を下の表6に示す。 一種類を除いて、分析したすべての形質転換植物中で、対照植物のバックグラ ウンド濃度より上昇したC14脂肪族アシル基の百分率が見られる。C14の濃度は およそ 2.0モル%から11.5モル%の範囲である。 形質転換体5233-5および5233-6から得た単一種子データを第9図に示す。これ らのデータによると、クスノキFatBチオエステラーゼを発現する種子中に20 %を超えるC14濃度が得られることが示される。C16:0濃度が非形質転換対照植 物由来の種子中の6モル%から15モル%まで上昇している。程度は劣るが、12:0 脂肪族アシル基の上昇も見られる。 比較的低いC14濃度では、C16濃度がC14濃度の2〜3倍に達する可能性があ る。比較的高いC14濃度では、C16濃度はC14濃度以下である。これらの形質転 換植物種子中のC14とC16の濃度のグラ フを第11図に示す。これらの種子中で40モル%に達する総飽和脂肪酸含量が検 出される。 C. クフェア・パルストリス発現構築物 3863‐形質転換体から得たプール種子によると、およそ37モル%に達するC14 濃度が現れる。形質転換体3863-10、3863-7、3863-4、3863-8、3863-2および386 3-5由来の他の個々の種子の脂肪酸組成の分析データを第10図に示す。これら のデータによると、クフェア・パルストリスFatB2チオエステラーゼ・クロ ーンの発現によって40%を超えるC14濃度が得られることが示される。ほとんど の3863形質転換体種子中でC14濃度はC16濃度をおよそ2:1の比で上回る。し かし、C14濃度が低い場合(およそ15%未満)、通常C16濃度はC14濃度より も高い。ニクズク、クフェア・パルストリスおよびクスノキTE形質転換植物種 子中のC14とC16の濃度のグラフを第11図に示す。 D. オレオシン・プロモーター/C14チオエステラーゼ構築物 クフェア・パルストリス(3864)もしくはニクズク(3857)C14チオエステラ ーゼを発現するブラシカ・ナプス形質転換植物由来のプール種子試料の分析(モ ル%脂肪酸)を第12図に示す。ナピン・プロモーター構築物のように、ニクズ ク・チオエステラーゼが発現すると、およそ2:1のC14/C16脂肪酸の比率で C14脂肪酸およびC16脂肪酸の産生量が増える。クフェア・パルストリスC14チ オエステラーゼが発現すると、ナピン/クフェア・パルストリスC14構築物で見 られたように、通常C14はC16よりも多量に産生される。一般に、オレオシン・ プロモーターの調節制御下でチオエステラーゼを発現させることによって得られ るC14脂肪酸およびC16脂肪酸の濃度は、ナピン・プロモーターを用いて得られ る濃度よりも低い。 E. C14チオエステラーゼおよび中鎖LPAATを発現する植物 種子がおよそ20モル%の14:0と13モル%の16:0からなるナピン/クフェア・パ ルストリス形質転換体3863-6をココヤシの中鎖を好むLPAAT発現構築物であ るpCGN5511を含むブラシカ・ナプス形質転換体と交雑させる。(WO 95/2 7791参照。)その結果得られるF1植物由来の分離プール種子の脂肪族アシル組 成分析から、平均濃度10モル%の14:0および7モル%の16:0が明らかにされる。 3863-6植物および5511×3863-6交雑の結果得られるF1植物由来のプール分離種 子試料についてsn‐2位置の脂肪族アシル組成を決定する。 sn‐2を分析するため、成熟種子から蒸留した油をアシル移動を最小限に抑 えるために Brockerhoffら(「Meth.Enzymol.」(1975)35:315-325)から変更 したリパーゼ消化プロトコルに供する。これによると、sn‐2とsn−1+3 結合位置のアシル組成が識別される。この変更を簡単に述べると次の通りである 。すなわち、pHを中性に下げ、反応時間を短縮し、その後試料を酸性のpHに 保ち、消化生成物をホウ酸塩含浸薄層板上でクロマトグラフィーを行う。次いで クロマトグラフィーによる分離生成物を溶出し、前記のように脂肪酸のメチルエ ステルとして分析する。このように、中鎖のC12脂肪酸やC14脂肪酸あるいはC 22:1脂肪酸などの長鎖脂肪酸などのsn‐2位置の脂肪酸の百分率を決定する。 この変法は、立体化学で定義された構造のTAGを用いて検証し、以下のように 実施する。 油と有機溶媒は負排除量ピペッターによっては正しく送出できないため、一般 にリパーゼ法では、正排除量ピペッターだけを使用する。そのうえ、試料をあか らさまに乾燥する場合は注意しなくてはならない。C10以下の長さのアシル基が 存在する場合、完全に乾燥 することは避ける。脂肪酸混入の一因となるプラスチック容器や調理用ガラス器 具は避けるべきである。必要なら、ガラス器具をクロロホルム/メタノール 2 /1 (v/v)で予備リンスする。 15mlのスクリュー・キャップ(テフロン・コーティング)付きバイアル中で 、0.1Mトリス塩酸(pH7)2ml、2.2% w/v CaCl2 0.2ml、0.05% w/v胆汁酸塩(シグマ) 0.5ml、油もしくはTAG試料10μl(個体の場合は 10μg)を化合させる。超音波槽中で短時間音波破砕して少なくとも油のいくら かを分散させる。数分後、懸濁液は濁った外観を呈する。 リゾプス・アルヒザスのリパーゼ(シグマ、L4384)などの活性のあるリパーゼ 懸濁液を用いてリパーゼを調製し、氷上(4℃)に保持する。(懸濁液は凍結す ると失活する。)不飽和脂肪酸を含む油を用い、消化度をヨウ素染色によるシス テム1TLC(下記参照)によって視覚化して、全手順を通して様々な水希釈の 懸濁液を試すことにより酵素バッチを検査する。希釈が正しければ、TAGのお よそ50%が消化される筈である。(それ以上の消化はMAG生成物への攻撃が増 大する危険がある。)典型的な場合では、シグマ・リゾプス・アルヒザス・リパ ーゼ懸濁液を水で約 600,000単位/mlに希釈すると、適切な濃度が得られる。 各反応を個別に行う。100μlの水希釈リパーゼを添加して反応を開始させ、 バイアルに蓋をし、直ちにボルテックス・ミキサーによる連続混合を開始し、こ れを 1.5分間行う。層形成を避けるため、混合操作中に撹拌を数回断続する。1. 5分間の「インキュベーション」中に白色沈殿が形成される。沈殿には溶出した 脂肪酸のカルシウム塩が含まれ、また沈殿は反応が進行していることを示す。 1.5分間の混合インキュベーションの終わりに、6MHCl 0.5mlを加えて短 時間混合することによって反応を停止させる。クロ ロホルム/メタノール 2/1 v/v 2.6mlを直ちに加え、十分に振盪し、その 他のリパーゼ消化を行う間、氷中に入れる。このとき、白色沈殿がすでに完全に 再溶解されていることに注意する。 氷中からすべてのバイアルを取り出し、もう一度よく混合し、層をくっきりさ せるため短時間回転させる。消化生成物は下層にある。パスツール・ピペットを 用いて下層を新しい15mlバイアルに取り出す。元の消化混合物を 1.6mlの純 粋なクロロホルムで再抽出し、よく混ぜ、回転をさせ、この下層を先に取り出し た下層と合わせる。合わせた下油層を窒素気流中で丁度十分な熱をかけてほぼ乾 燥させ、試料が冷えすぎるのを避ける。 アシル移動用の薄層板は、ホウ酸を予備負荷し蛍光指示薬を含まない 500μm 分取用Sil‐Gである。予備負荷は、5% w/vホウ酸の1/1 v/vアセトニト リル/メタノール溶液を少なくとも90分間展開することによって行う。この薄層 板を乾燥し、使用時まで室温で保存する。湿気の多い気候では、加熱「活性化」 が必要となろう。 二溶媒系が適しているが、溶媒の極度の揮発性のため、長時間展開すると分解 能が低下するので、溶媒が薄層板の上端に達していなくても正確に1時間展開す る。 系1−n‐ヘキサン/ジエチルエーテル/酢酸、70/30/1v/v 系2−ジエチルエーテル/酢酸、100/1 v/v 系1はTAG、DAG、脂肪酸、MAGを回収できるので、リパーゼの反応を評 価、監視するのに使用する。系2は通常の用途に用い、sn‐2決定においてM AG生成物の純度が最高となる。 薄層板に試料を負荷する前に、2試料を(左右に)塗布できるように鉛筆で中 央に画線を入れる。(試料のクロマトグラフィーはホ ウ酸負荷と同じ方向に行う。)また、周辺効果を排除するため、両側から層を 0 .5cmずつ取り除き、負荷の目印に下端から2cm上に線を引く。各乾燥試料を クロロホルム/メタノール2/1(v/v) 100μlに再溶解し、薄層板半分の負 荷線に沿って塗布する。その都度クロロホルム/メタノール2/1(v/v)100μ lで2回リンスし、試料の上に負荷する。負荷領域を風乾し、溶媒をセットする 。薄層板をフード中で乾燥させる。 生成物の分析に必要な最小限のアシル転位を確保するため、この操作をリパー ゼ反応開始から中断しないで行う。 ローダミン噴霧(約1% w/vローダミン6Gアセトン溶液)により薄層板を発 色させる。薄層板が全体的に中桃色になるまで噴霧し、数分間乾燥させ、紫外線 下で目視する。脂質は橙色の背景上に黄色の蛍光を発する。望む帯の輪郭を鉛筆 でなぞる。系2を使用する場合、MAGの帯は普通薄層板の50〜70%上の距離に あり、残りの生成物は上端にある。MAG領域は何らかの鎖長分解能のために複 数の帯状となるが、切り出すためには帯全体を一つの輪郭とすべきである。 帯を清浄な紙の上に掻き取り、スクリューキャップ(テフロン・コーティング )付きの大型試験管に移す。クロロホルム/メタノール2/1(v/v) 10ml を加えて振盪し、最低1時間静置する。ワットマンろ紙でろ過し、直接ロータリ ー・エバポレーター用のフラスコに入れる。試験管をその都度クロロホルム/メ タノール2/1(v/v) 5mlで2回ずつすすぐ。(ローダミン染料は、残さ れた場合、脂質と共に溶出し、最終の脂肪酸メチルエステル(FAMES)のヘ キサン抽出まで全操作を通して脂質と共に移行する。)室温もしくは30℃までの 温度でロータリー・エバポレーターで溶媒を留去して体積が約 100μlとなるま で濃縮する。15ml容のスクリ ューキャップ付きバイアルに入れ、フラスコをクロロホルム/メタノール2/1 (v/v)100μlで2回すすいだ液を合わせ、N2気流中でほぼ乾燥させる。 ほぼ乾燥した試料に新たに調製した5%(w/v)硫酸のメタノール溶液2mlを 添加する。余り吸湿していない比較的新しいメタノールを使用すべきである。ま た、0.5mg/mlTAG(例えばトリ‐17:0等)の所望の内部標準を含むトル エン1mlも試料に加える。90℃で2時間インキュベートし、その間、最初の2 分後にキャップを堅く締め、約15分後に再び締める。バイアルが冷却した後、0. 9% w/v NaCl 2mlおよびn‐ヘキサン 0.5mlを加える。完全に混合 し、数分間静置して層を分離させ、上層から試料を採取してGCバイアルに入れ る。Browseら(「Anal.Biochem.」(1986)152:141-145)によって記載された 脂肪酸のメチルエステル(FAME)の分析法によって脂肪酸組成を決定する。 MAG帯の組成を原物質である油またはTAG試料のsn‐2における組成と する。各アシル基の%に関する式(3TAG‐MAG)/2を用いて主な(sn ‐1およびsn‐3)位置における平均組成を計算する。 3863-6から得られたT2種子のsn‐2分析によると、14:0濃度はおよそ3モ ル%であることが分かる。sn‐2位置の16:0濃度は1モル%未満であった。55 11×3863-6植物由来のF1種子中のsn‐2脂肪酸アシル基の分析によると、14 :0濃度はおよそ9モル%であることが示される。3863-6植物については、sn‐ 2位置の16:0濃度は1モル%未満であった。 これらのデータから、植物C14チオエステラーゼの発現と同時に発生するココ ヤシ中鎖LPAATの発現によってミリスチン酸エステルのsn‐2位置への組 込みが増大し、14:0の分布を効果的に無 作為化する一方で、sn‐2位置の16:0は影響を受けないことが分かる。従って 、形質転換植物種子油中のC14脂肪酸量を全体的に上昇させるためにはLPAA TとC14チオエステラーゼの組合せが特に望ましい。 上記の結果はチオエステラーゼ活性をコードするDNA配列を得る能力を示し 、その配列は種子脂肪酸組成を操作するための植物種子細胞中で発現することが できる。このように、かなりの濃度のC14脂肪酸C14の産生が得られる。こうし て産生される新規の種子油は全油として工業的用途があり、あるいは業界で周知 の方法を用いて精留し、その油に含まれるC14脂肪酸の原材料を提供することが できる。 本明細書で言及したすべての公刊文書および出願特許は、本発明が関係する当 業者の技術水準を示す。すべての公刊文書および出願特許は、個々の公刊文書ま たは出願特許が参照により具体的かつ個別に組み込まれることが示されるのと同 様に、これを参照により本明細書に組み込む。 上記の発明を明確に理解する目的で図面および実施例によってある程度詳細に 述べたが、添付の請求の範囲内で、ある程度の変更および修正を実施できること は自明であろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C12R 1:91 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),CA,JP,US (72)発明者 ホーキンス,デボラー アメリカ合衆国,カリフォルニア 95616, デイビス,グランド アベニュ 230

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 植物種子トリグリセリド中でC14脂肪酸を産生する方法において、 ゲノム内部にDNA構築物を組込んだ植物を栽培させることを含み、前記構築 物が5’から3’の転写方向に植物種子細胞内で機能するプロモーターと、他の 中鎖アシル‐ACP基質と比較してC14:0アシル‐ACP基質に優先的な加水分 解活性を有するタンパク質をコードするDNA配列と、植物細胞内で機能する転 写終結領域と を含んで成る前記方法。 2. 前記植物が油種子作物である請求項1記載の方法。 3. 前記油種子作物がアブラナ属植物である請求項2記載の方法。 4. 前記タンパク質が植物アシル‐ACPチオエステラーゼである請求項1 記載の方法。 5. 植物チオエステラーゼをコードする前記配列がクフェア、ニクズクまた はクスノキ由来である請求項4記載の方法。 6. 前記植物アシル‐ACPチオエステラーゼがC14アシル‐ACP基質に 優先的な加水分解活性を有する請求項4記載の方法。 7. 前記植物チオエステラーゼをコードする配列がクフェア・パルストリス 由来である請求項6記載の方法。 8. 前記プロモーターが植物種子組織中で優先的に発現する遺伝子由来であ る請求項1記載の方法。 9. 前記植物種子トリグリセリドが少なくとも5モル%のC14脂肪族アシル 基を含むものである請求項1記載の方法。 10. 前記植物種子トリグリセリドが少なくとも20モル%のC14脂肪族アシ ル基を含むものである請求項1記載の方法。 11. 前記植物種子トリグリセリドが少なくとも40モル%のC14脂肪族アシ ル基を含むものである請求項1記載の方法。 12. 請前記植物種子トリグリセリドが増量したC16脂肪族アシル含量をさ らに含むものである請求項1記載の方法。 13. 14:0脂肪族アシル基の濃度が16:0脂肪族アシル基の濃度よりも高いも のである請求項12記載の方法。 14. 14:0脂肪族アシル基の濃度が16:0脂肪族アシル基の濃度よりも低いも のである請求項12記載の方法。 15. 総脂肪酸中に最低 5.0モル%のミリスチン酸エステルを含む植物種子 において、前記ミリスチン酸エステルがトリグリセリド分子の少なくとも1部分 に組込まれ、前記植物の野生型種子が脂肪酸中に 1.0モル%未満のラウリン酸エ ステルを含む植物種子。 16. 脂肪酸中に最低約20モル%のミリスチン酸エステルを含む請求項15 記載の植物種子。 17. 脂肪酸中に最低約40モル%のミリスチン酸エステルを含む請求項15 記載の植物種子。 18. 植物種子油において、前記油のアシル基の最低 5.0モル%がミリスチ ン酸アシル基であり、前記油が請求項15記載の種子由来である植物種子油。 19. 総脂肪酸中に最低 5.0モル%のミリスチン酸エステルを含むアブラナ 属の種子。 20. 植物種子油において、前記油のアシル基の最低 5.0モル%がミリスチ ン酸アシル基であり、前記油が請求項19記載のアブラナ属の種子由来である植 物種子油。 21. 他の中鎖アシル‐ACP基質と比較してC14アシル‐ACP基質に優 先的な活性を有する植物アシル‐ACPチオエステラーゼをコードする配列を含 むDNA構築物。 22. 前記植物がクフェア種である請求項21記載による構築物。 23. 前記種がクフェア・パルストリスである請求項22記載の構築物。 24. 前記チオエステラーゼが第1図に示すアミノ酸配列を含むものである 請求項23記載の構築物。 25. 前記植物がニクズクである請求項22記載の構築物。 26. 前記チオエステラーゼが第2図または第3図に示すアミノ酸配列を含 むものである請求項25記載の構築物。
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