JPH1147513A - 網目式の濾過フィルターを用いた濾過装置および濾過方法 - Google Patents

網目式の濾過フィルターを用いた濾過装置および濾過方法

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JPH1147513A
JPH1147513A JP9219933A JP21993397A JPH1147513A JP H1147513 A JPH1147513 A JP H1147513A JP 9219933 A JP9219933 A JP 9219933A JP 21993397 A JP21993397 A JP 21993397A JP H1147513 A JPH1147513 A JP H1147513A
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filter
filtration
liquid
mesh
filtered
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JP9219933A
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Shigeyuki Nakamura
重行 中村
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NANATOMI KK
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NANATOMI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 網目式の濾過フィルターの目詰まりを良好に
回避して、濾過すべき液体中に含まれるごみを安定的に
捕捉することのできる濾過装置。 【解決手段】 第1の開口部(1a)および第2の開口
部(1b)を有する容器(1)と、該容器内において第
1の開口部から導入され第2の開口部から排出される液
体中に実質的に浸漬されるように配置された網目式濾過
フィルター(5)とを備えている。そして、液体中に実
質的に浸漬された網目式濾過フィルター(5)を介して
第1の開口部(1a)から導入された濾過処理すべき液
体を濾過処理し、濾過処理された液体を第2の開口部
(1b)から排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は網目式フィルターを
用いた濾過装置および濾過方法に関し、特に網目式濾過
フィルターの目詰まり防止に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、網目式の濾過フィルターを用
いた濾過方式が知られている。この種の濾過方式では、
濾過処理すべき水(以下、単に「処理水」という)の中
に含まれる浮遊物質や沈殿物質等(以下、「ごみ」とい
う)を網目式の濾過フィルターによって捕捉する。な
お、濾過フィルターの網目(以下、「フィルター空隙」
という)の大きさは、捕捉すべきごみの大きさに応じて
選択される。濾過フィルターに捕捉されたごみは、所定
の容積に達すると取り出されて処分される。この濾過方
式は、構成的に簡便なため、排水処理をはじめとするあ
らゆる分野の水処理に広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】なお、網目式の濾過フ
ィルターを用いた濾過方式では、ごみの組成がほぼ一定
であり且つその固形分粒子の大きさがほぼ均一である等
の条件が揃ったときに濾過フィルターが良好に機能す
る。しかしながら、排水処理をはじめとする一般的な水
処理の場合、ごみの組成およびその固形分粒子の大きさ
は不均一であることが多い。この場合、濾過フィルター
の目詰り(すなわち濾過フィルターの閉塞状態)が起こ
る。従来技術では、網目式の濾過フィルターの目詰り防
止に関する研究はほとんどなされることなく、また一般
の関心もあまり向けられていないのが現状である。
【0004】網目式の濾過フィルターの目詰り防止が図
られていない理由として、網目式の濾過フィルター自体
が安価であること、および網目式の濾過フィルターが軽
量であまりにも簡素な構造を有するため水の高度処理に
は適していないという先入観をもって使用されているこ
とが挙げられる。今日、あらゆる産業における排水の種
類および量がともに飛躍的に増加しており、これらの排
水を高度処理しなければ環境の維持が困難なところまで
きている。そして、水の高度処理の前段としての前処理
において網目式の濾過フィルターを用いるには、様々な
ごみを含んだ水に対して濾過フィルターが安定した濾過
機能を発揮することが求められる。
【0005】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、網目式の濾過フィルターの目詰まりを良好に
回避して、濾過すべき液体中に含まれるごみを安定的に
捕捉することのできる濾過装置および濾過方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明においては、第1の開口部および第2の開口
部を有する容器と、該容器内において前記第1の開口部
から導入され前記第2の開口部から排出される液体中に
実質的に浸漬されるように配置された網目式濾過フィル
ターとを備え、液体中に実質的に浸漬された前記網目式
濾過フィルターを介して前記第1の開口部から導入され
た濾過処理すべき液体を濾過処理し、濾過処理された液
体を前記第2の開口部から排出することを特徴とする濾
過装置を提供する。
【0007】本発明の好ましい態様によれば、前記濾過
処理すべき液体が前記網目式濾過フィルターを通過する
方向と対向する方向に沿って所定の液体または所定の空
気混合液体を前記網目式濾過フィルターに向かって噴射
するための噴射手段を備えている。具体的には、前記噴
射手段は、たとえば循環ポンプと、該循環ポンプの吸込
み口に一端が接続され他端が前記容器の所定位置に接続
された第1の配管と、前記循環ポンプの吐出し口に一端
が接続され他端が前記容器内において前記網目式濾過フ
ィルターに向けられた第2の配管とを有し、前記第1の
配管の他端を介して吸引した前記濾過処理された液体を
前記網目式濾過フィルターに向かって噴射する。
【0008】また、本発明の別の局面によれば、液体中
に網目式濾過フィルターを実質的に浸漬させた状態にお
いて、濾過処理すべき液体に前記網目式濾過フィルター
を通過させ、前記濾過処理すべき液体を前記網目式濾過
フィルターを介して濾過処理することを特徴とする濾過
方法を提供する。この場合、前記濾過処理すべき液体が
前記網目式濾過フィルターを通過する方向と対向する方
向に沿って所定の液体または所定の空気混合液体を前記
網目式濾過フィルターに向かって噴射することが好まし
い。
【0009】
【発明の実施の形態】網目式の濾過フィルターを用いた
従来の濾過方式では、濾過フィルターの濾過面(処理水
が通過する領域)に対して処理水を直線的に且つ直接的
に接触させて通過させている。したがって、濾過フィル
ターがたとえば底部を有する筒状(有底筒状)の容器状
に形成され、このフィルター容器の底面および側面が網
目状に形成されている場合、濾過面は初期的にはフィル
ター容器の底面のみということになる。そして、フィル
ター容器の底面の濾過面が目詰まりするにつれて、濾過
面はフィルター容器の側面へ移動し、側面の濾過面が目
詰まりするにつれて濾過面は側面に沿って次第に上昇す
る。通常、最大の濾過面積を有するのは底面の濾過面で
あり、濾過面が側面に沿って上昇するにつれて濾過面積
は減少し、逆に水の通過圧力(すなわち濾過面の内側と
外側との圧力差)は増大する。後述するように、水の通
過圧力が増大すると、濾過フィルターの目詰まりが急激
に進む。
【0010】処理水が濾過フィルターを通過するとき、
初期的には、処理水に含まれるごみを構成する固形分粒
子のうちフィルター空隙よりも小さな粒子は水とともに
フィルター空隙を通過する。一方、フィルター空隙より
も大きな粒子は、フィルター空隙の通過が阻止され、濾
過フィルターの濾過面上において次第に堆積する。この
ように、濾過フィルターの濾過面上に堆積する粒子の容
量は次第に増大し、堆積したこれらの粒子の間には小さ
な隙間(以下、「粒子空隙」という)が形成される。こ
の状態において、処理水が粒子空隙を通過するとき、処
理水に含まれるごみを構成する固形分粒子のうち粒子空
隙よりも大きな粒子は通過を阻止される。粒子空隙の通
過が阻止された粒子は、さらに小さな粒子空隙を新たに
形成し、さらに小さな粒子の通過を阻止する。この繰り
返しにより、粒子空隙の大きさは次第に小さくなり、濾
過フィルターを通過することのできる粒子の大きさも次
第に小さくなる。そして、最終的には、濾過フィルター
が完全に目詰まりし、水の通過も阻止される。これが、
粒子空隙の閉塞に起因する濾過フィルターの目詰まりで
ある。
【0011】上述したように、処理水に含まれるごみの
固形分粒子のうち、フィルター空隙よりも小さな粒子は
フィルター空隙を通過し、フィルター空隙よりも大きな
粒子はフィルター空隙の通過が阻止される。ただし、ご
みには様々な形状の固形分粒子が混在するので、フィル
ター空隙を完全に通過する粒子とフィルター空隙の通過
が完全に阻止される粒子とに二分される訳ではなく、粒
子の一部がフィルター空隙を通過し且つ残部がフィルタ
ー空隙の通過を阻止される粒子も存在する。これが、フ
ィルター空隙の閉塞であり、このフィルター空隙の閉塞
に起因して濾過フィルターの目詰まりが起こる。
【0012】フィルター空隙の閉塞は、1つの固形分粒
子の形状に依存して起きる場合もあるが、複数の固形分
粒子がほぼ同時に1つのフィルター空隙を通過しようと
するときに起きることが多い。複数の固形分粒子がほぼ
同時に1つのフィルター空隙を通過しようとする現象
は、濾過フィルターを通過する水の圧力が高くなるほど
起こり易い。従来技術では、濾過フィルターの目詰まり
を遅延させるために処理水の通過圧力を高くする技法が
取られているが、期待するほどの効果が得られないのは
上述の現象に起因してフィルター空隙の閉塞が起こるた
めである。
【0013】濾過フィルターの目詰まりは、粒子空隙の
閉塞が単独原因となって起こる場合やフィルター空隙の
閉塞が単独原因となって起こる場合もあるが、粒子空隙
の閉塞とフィルター空隙の閉塞とが連鎖的に発生する複
合閉塞が原因となって起こることが多い。これは、網目
式の濾過フィルターを用いた濾過方式が水の高度処理の
前段としての前処理に用いられることが多く、残渣的な
固形分粒子やスラリー状またはヘドロ状の固形分粒子な
ど、大きさおよび形状がともに大きく異なる広範囲の粒
子が処理水中に混在するためである。また、油成分のよ
うにごみの固形分粒子が粘性を伴う場合、フィルター空
隙の閉塞が起こり易く、このフィルター空隙の閉塞が連
鎖的に粒子空隙の閉塞を起こし易くなる。
【0014】濾過フィルターの目詰まりは、濾過フィル
ターに捕捉されるごみの量が所定量に達しない前に起こ
ることが多い。特に、ごみが粘性のある固形分粒子を含
む場合には、捕捉されたごみが濾過フィルターの濾過面
上において薄く積層しただけで、濾過フィルターが完全
な目詰まり状態になることが多い。濾過フィルターの目
詰まりが起こり易いと、濾過処理能力が低下するととも
に、濾過フィルターからのごみの取り出しが頻繁になり
管理が煩雑になる。また、濾過フィルターよりも上流側
の水が抜けなくなるため、濾過フィルターからのごみの
取り出し作業が重労働となってしまう。さらに、交換式
の濾過フィルターの場合は、フィルターの交換回数が増
えてランニングコストが上昇する。また、ポンプ等によ
り水に圧力を作用させて濾過フィルターを通過させる場
合には、ポンプ等に過度の負荷が加わることになり、重
大な事故につながる可能性がある。
【0015】網目式の濾過フィルターの目詰まりを有効
に防止する方法は、未だ見い出されていない。従来技術
では、網目式濾過フィルターの目詰まりをできるだけ遅
延させる方法として、たとえば次の手法が用いられてい
る。 濾過フィルターを通過する処理水の濾過(通過)面
積ができるだけ大きくなるように構成する。 濾過フィルターを通過する処理水の圧力が大きくな
るように構成する。 大量の水を濾過処理する場合は、必要に応じて高分
子凝集剤を用い、ごみの固形分粒子を大きく成長させた
後に濾過フィルターを通過させる。
【0016】の方法は濾過フィルターの濾過面積を増
やすことによりフィルター空隙の数を増やす手法として
よく用いられる。しかしながら、捕捉したごみを簡単に
取り出すことができるように有底筒状の容器状に濾過フ
ィルターを形成する場合、前述したように濾過面が底面
から側面へ移動するので、フィルター容器の高さや幅
(底面の直径)等を大きくしても濾過面積がそれに比例
して大きくならないという難点がある。
【0017】また、の方法は濾過処理の初期段階から
処理水に強い圧力を作用させて粒子空隙およびフィルタ
ー空隙を通過させようとする手法である。しかしなが
ら、この手法では、処理水に強い圧力を作用させるため
の動力エネルギの消費が増えるばかりではなく、濾過処
理の初期段階においてごみに含まれる比較的大きな粒子
も濾過フィルターを通過させてしまうという難点があ
る。およびの手法では、網目式の濾過フィルターの
目詰まりを防止する効果がほとんど得られない。さら
に、の方法は、大容量処理設備または特殊処理設備に
限定された手法であり、操作および設備がともに複雑に
なるという難点がある。
【0018】以上の考察に基づいて、本発明では、液体
中に網目式の濾過フィルターを実質的に浸漬させた状態
において、濾過処理すべき液体に網目式濾過フィルター
を通過させる。この場合、濾過フィルターの全面が有効
な濾過面として作用するので、ごみの固形分粒子が濾過
フィルターの濾過面の全体に亘ってほぼ均等に捕捉され
る。すなわち、比重のほぼ等しい固形分粒子が均等に捕
捉されるので、粒子空隙の閉塞を大幅に改善することが
できる。また、濾過処理すべき液体が濾過フィルターの
フィルター空隙を通過する圧力が非常に小さいので、フ
ィルター空隙の閉塞を大幅に改善することができる。そ
の結果、濾過フィルターが目詰まりを起こすことなく、
濾過フィルターに所定量のごみが捕捉されるまで安定し
た濾過処理を行うことができる。
【0019】なお、本発明においては、濾過処理すべき
液体が網目式濾過フィルターを通過する方向と対向する
方向に沿って所定の液体または所定の空気混合液体を網
目式濾過フィルターに向かって噴射することが好まし
い。この場合、噴射される液体または空気混合液体の作
用により、フィルター空隙の閉塞および粒子空隙の閉塞
の起こらない領域を確保することができるので、濾過フ
ィルターに所定量のごみが捕捉されるまで、濾過フィル
ターの目詰りをさらに確実に防止することができる。
【0020】本発明の実施例を、添付図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の第1実施例にかかる濾過装置
の構成を概略的に示す図である。図1の濾過装置は、た
とえば有底筒状に形成された容器1と、容器1の上端開
口部を塞ぐための蓋2とを備えている。容器1の側壁上
部には開口部1aが形成され、この開口部1aを介して
導入配管3の一部が容器1の内部に突出している。ま
た、容器1の側壁上部において開口部1aよりも低い位
置には開口部1bが形成され、この開口部1bに排出配
管4が接続されている。さらに、容器1内において、開
口部1aから導入され開口部1bから排出される水中に
実質的に浸漬されるように網目式濾過フィルター5が配
置されている。具体的には、網目式濾過フィルター5は
容器1と同様に有底筒状に形成され、網目式濾過フィル
ター5の底部5aと容器1の底部1cとが対向するよう
に容器1の内部において開口部1bよりも少し高い位置
に形成された突起部6に懸架されている。
【0021】第1実施例では、濾過処理の開始に先立っ
て、たとえば導入配管3を介して容器1内に清浄な水を
導入し、開口部1bの高さ(厳密には開口部1bの最下
点の高さ)とほぼ一致する水位7を有する滞留水を容器
1内に形成する。したがって、濾過処理の開始に先立っ
て、網目式濾過フィルター5の濾過面の大部分は、容器
1内の滞留水中に浸漬される。この状態において、導入
配管3を介して処理水を容器1の内部に導入する。導入
配管3を介した後に容器1の内部へ流れ込んだ処理水の
エネルギ(落下によるエネルギ+導入配管3内を圧送さ
れる場合には圧送エネルギ)は、滞留水によって分散さ
れ、網目式濾過フィルター5の底面および側面の全体に
亘ってほぼ均等に伝えられる。こうして、網目式濾過フ
ィルター5の底面および側面の全体に亘ってほぼ均等な
小さな圧力で処理水が通過し、濾過処理された水が排出
配管4を介して排出される。このとき、処理水に含まれ
る固形分粒子のうち所定の大きさを有する粒子からなる
ごみ8が網目式濾過フィルター5によって通過が阻止さ
れ捕捉される。
【0022】なお、網目式濾過フィルターを水中に浸漬
させることなく濾過処理を行う従来の濾過方式では、濾
過フィルターの底面のみが有効な濾過面となっている。
しかしながら、網目式濾過フィルターを水中に浸漬させ
た状態で濾過処理を行う第1実施例の濾過方式では、処
理水の通過圧力が濾過フィルターの全面においてほぼ均
等になるので、濾過フィルターの底面のみならず側面も
有効な濾過面として利用することができる。したがっ
て、第1実施例では、濾過フィルターの寸法および形状
を変えることなく、従来の濾過方式における濾過面積よ
りもかなり大きな濾過面積を確保することができる。ま
た、濾過フィルターの内側(処理水の側)と外側(濾過
処理された水の側)とで水の位置エネルギがほぼ等しい
ので、処理水が従来と同じ圧力で容器内へ流入したとし
ても、フィルター空隙を通過する水の圧力は従来の濾過
方式と比較して非常に小さい。
【0023】以上のように、第1実施例では、濾過フィ
ルターの底面のみならず側面も有効な濾過面として作用
するので、ごみの固形分粒子が濾過フィルターの濾過面
の全体に亘ってほぼ均等に捕捉される。このとき、比重
の比較的大きい固形分粒子は下部の濾過面(たとえば底
面および下部側面)に、比重の比較的小さな固形分粒子
は上部濾過面(たとえば上部側面)に捕捉される。すな
わち、比重のほぼ等しい固形分粒子が均等に捕捉される
ので、粒子空隙の閉塞を大幅に改善することができる。
また、フィルター空隙を通過する水の圧力が非常に小さ
いので、フィルター空隙の閉塞を大幅に改善することが
できるとともに、従来よりも小さい固形分粒子を捕捉す
ることができる。その結果、濾過フィルターが目詰まり
を起こすことなく、濾過フィルターの内側において所定
量のごみが捕捉されるまで安定した濾過処理を行うこと
ができる。
【0024】図2は、本発明の第2実施例にかかる濾過
装置の構成を概略的に示す図である。第2実施例は第1
実施例と類似の構成を有するが、網目式濾過フィルター
に向かって水を噴射するための噴射手段が付設されてい
る点だけが第1実施例と相違している。したがって、図
2では、第1実施例の構成要素と同様の機能を有する要
素に図1と同じ参照符号を付している。以下、第1実施
例との相違点に着目して第2実施例を説明する。
【0025】図2の濾過装置は、循環ポンプ11を備え
ている。循環ポンプ11の吸込み口には配管12の一端
が接続され、配管12の他端は容器1の底部に接続され
ている。また、循環ポンプ11の吐出し口には配管13
の一端が接続され、配管13の他端は容器1内において
網目式濾過フィルター5の底面と対向して上方に向けら
れている。したがって、循環ポンプ11を作動させる
と、濾過処理された水が吸込み側配管12を介して吸引
され、吐出し側配管13を介して吐き出される。配管1
3から吐き出された水は、網目式濾過フィルター5の底
面に向かって上方に噴射される。すなわち、配管13か
ら吐き出された水は、処理水が網目式濾過フィルター5
の底面を通過する方向と対向する方向に沿って連続的に
噴射される。
【0026】循環ポンプ11の作用により噴射された水
(以下、「噴射水」という)は、濾過フィルター5の底
面を通過し、濾過フィルター5の内側の処理水中に突入
する。このとき、突入した噴射水に誘引され、図示のよ
うに処理水の渦流が発生する。この渦流は、噴射水に沿
って上昇した後に、弧を描きながら反転して濾過フィル
ター5の底面に接触する。濾過フィルターの底面に接触
した渦流の一部はフィルター空隙を通過して濾過フィル
ター5の外側へ流れ出し、残部は噴射水に誘引されて再
び渦流運動を続ける。こうして、渦流運動を続ける処理
水に含まれるごみの固形分粒子も渦流運動を続けるた
め、噴射水の通過面および渦流の接触面ではフィルター
空隙の閉塞が極めて起こり難くなる。
【0027】濾過処理の初期段階において、噴射水の渦
流運動の中心部分に引き込まれるのは、比重が小さくて
形がほぼ均一な固形分粒子である。この渦流運動の中心
から外側へ行くにしたがって、引き込まれる固形分粒子
の比重が大きくなり、弧を描く反転速度も鈍くなる。そ
して、濾過フィルター5の底面において反転速度がほぼ
零になる接触点付近から固形分粒子の堆積が始まる。堆
積する固形分粒子と渦流運動をする固形分粒子とが接触
する面では、粒子空隙の閉塞が起こりにくい状態が生ま
れる。なお、固形分粒子の堆積が大きく成長してくる
と、堆積した固形分粒子に押されて渦流運動の範囲も次
第に小さくなるが、ある段階に達すると渦流運動の縮小
は停止する。こうして、濾過フィルター5の内側におい
て所定量のごみが捕捉されるまで、フィルター空隙の閉
塞および粒子空隙の閉塞の起こらない領域が確保され
る。
【0028】前述したように、網目式濾過フィルターの
目詰りは、フィルター空隙の閉塞から始まり、粒子空隙
の閉塞および複合閉塞が連鎖的に進むことによって起こ
ることが多い。第2実施例では、循環ポンプ11を介し
て形成される噴射水の作用により、フィルター空隙の閉
塞および粒子空隙の閉塞の起こらない領域を確保するこ
とができるので、濾過フィルター5の内側において所定
量のごみが捕捉されるまで、濾過フィルター5の目詰り
を第1実施例よりもさらに確実に防止することができ
る。
【0029】図3は、本発明の第3実施例にかかる濾過
装置の構成を概略的に示す図である。第3実施例は第2
実施例と類似の構成を有するが、循環ポンプ11の吐出
し側配管13の経路中にエゼクタ14が付設されている
点だけが第2実施例と相違している。したがって、図3
では、第2実施例の構成要素と同様の機能を有する要素
に図2と同じ参照符号を付している。以下、第2実施例
との相違点に着目して第3実施例を説明する。
【0030】図3の濾過装置では、循環ポンプ11の吐
出し側配管13の経路中にエゼクタ14が設けられてい
る。したがって、循環ポンプ11を作動させると、濾過
処理された水が吸込み側配管12を介して吸引され、循
環ポンプ11に達する。循環ポンプ11から吐き出され
た水は、吐出し側配管13を介してエゼクタ14へ流れ
込む。ここで、水がエゼクタ14の入口から出口へ通過
するとき、エゼクタ14の内部に吸引エネルギが発生
し、大気中の空気がエゼクタ14の吸引口を介してエゼ
クタ14の内部に吸引される。
【0031】吸引口を介してエゼクタ14の内部へ吸引
された空気は、エゼクタ14の入口から出口へ通過する
水と混合される。こうして、エゼクタ14の出口からは
水と空気との混合体である空気混合水が形成され、吐出
し側配管13を介して吐き出される。配管13から吐き
出された空気混合水は、処理水が網目式濾過フィルター
5の底面を通過する方向と対向する方向に沿ってすなわ
ち上方へ連続的に噴射される。循環ポンプ11の作用に
より噴射された空気混合水(以下、「噴射混合水」とい
う)は、濾過フィルター5の底面を通過し、濾過フィル
ター5の内側の処理水中に突入する。突入した噴射混合
水のうちの水部分は、第2実施例の噴射水と同様に動作
する。一方、突入した噴射混合水のうちの空気部分は、
噴射力に加えて浮力を受けて処理水中において上昇運動
する。この空気の上昇運動と処理水の渦流運動との衝突
が、濾過フィルター5の内側の処理水に波動となって伝
達される。
【0032】濾過フィルター5の内側の処理水に伝達さ
れた波動は、弧を描くような処理水の渦流運動を脈動さ
せる。この渦流運動の弧部分に伝達された脈動により、
噴射混合水の通過面および渦流の接触面におけるフィル
ター空隙の閉塞を第2実施例よりもさらに確実に防止す
ることができる。なお、渦流の弧部分に伝達された脈動
は、その周囲に堆積するごみの固形分粒子にも伝達され
る。このため、空気混合水が噴射されている限り、渦流
の弧部分の周辺に堆積しようとする固形分粒子は脈動の
影響を受け続け、渦流運動の弧部分の周囲において粒子
空隙の閉塞は起こりにくい。また、渦流の弧部分を上昇
通過する空気が堆積している固形分粒子の粒子空隙を大
きくする方向に作用するので、この部分においては粒子
空隙の閉塞が全く起こらない。
【0033】さらに、濾過フィルター5の内側の処理水
に伝達された波動は、噴射混合水の通過面以外の濾過面
に堆積しているごみにも伝達される。その結果、第3実
施例では、フィルター空隙の閉塞および粒子空隙の閉塞
が濾過フィルター5の濾過面のほぼ全体に亘って良好に
防止される。したがって、空気混合水を噴射する第3実
施例の濾過方式は、油成分のように粘性を伴う固形分粒
子を含む水や、ヘドロ状またはスラリー状の小さな固形
分粒子を含む水などのように、フィルター空隙の閉塞お
よび粒子空隙の閉塞の起こり易い水の濾過処理に対して
特に有利である。
【0034】なお、噴射混合水を形成する方法として、
圧縮機(コンプレッサー)を使用して循環ポンプの配管
回路の圧力側(吐出し側)に空気を圧入し、圧入した空
気と水とを混合する方法がある。しかしながら、この方
法では、循環ポンプから吐き出される水の圧力と圧入す
る空気の圧力とを調整する必要がある。また、水の配管
回路と圧入空気の配管回路とが接続されるため、各機構
の保護のために停止バルブ、逆止弁、安全弁等を付設す
る必要がある。さらに、循環ポンプ以外に別の動力源と
して圧縮機を使用するので、装置の構成が複雑化すると
ともに大型化し、装置の製造コストおよびランニングコ
ストがともに大きくなってしまう。
【0035】第3実施例では、循環ポンプ11の吐出し
側配管13の経路中にエゼクタ14を設け、このエゼク
タ14の作用により空気と水とを混合している。エゼク
タは、諸条件に応じて決定された噴射の使用水量および
使用圧力に基づいて設計される比較的安価な部材であ
る。また、配管に接続されるバルブ類よりもコンパクト
にエゼクタを製作することが可能であり、装置の構成が
複雑化したり大型化することがない。さらに、エゼクタ
を用いた第3実施例の構成では、循環ポンプ以外の別の
動力源を用いることなく、空気混合水の噴射が可能とな
る。また、操作や調節を一切必要としないため、循環ポ
ンプが稼働している限り、安価で且つ安定した空気混合
水を簡単に形成することができる。
【0036】なお、上述の各実施例では、濾過処理すべ
き液体として水を例にとって本発明を説明しているが、
水以外の他の液体に対しても本発明を適用することがで
きる。また、上述の第2実施例では循環ポンプを使用し
て噴射水を形成し、第3実施例では循環ポンプとエゼク
タとを使用して噴射混合水を形成しているが、噴射水ま
たは噴射混合水の形成方法はこれに限定されることがな
い。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の濾過装置
および濾過方法では、液体中に網目式の濾過フィルター
を実質的に浸漬させた状態において濾過処理すべき液体
に網目式濾過フィルターを通過させるので、濾過フィル
ターの全面を有効な濾過面として作用させることができ
るとともに、粒子空隙の閉塞およびフィルター空隙の閉
塞を大幅に改善することができる。その結果、濾過フィ
ルターが目詰まりを起こすことなく、濾過フィルターに
所定量のごみが捕捉されるまで安定した濾過処理を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる濾過装置の構成を
概略的に示す図である。
【図2】本発明の第2実施例にかかる濾過装置の構成を
概略的に示す図である。
【図3】本発明の第3実施例にかかる濾過装置の構成を
概略的に示す図である。
【符号の説明】
1 容器 2 蓋 3 導入配管 4 排出配管 5 網目式濾過フィルター 6 突起部 7 水位 8 ごみ 11 循環ポンプ 12 吸込み側配管 13 吐出し側配管 14 エゼクタ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の開口部および第2の開口部を有す
    る容器と、該容器内において前記第1の開口部から導入
    され前記第2の開口部から排出される液体中に実質的に
    浸漬されるように配置された網目式濾過フィルターとを
    備え、 液体中に実質的に浸漬された前記網目式濾過フィルター
    を介して前記第1の開口部から導入された濾過処理すべ
    き液体を濾過処理し、濾過処理された液体を前記第2の
    開口部から排出することを特徴とする濾過装置。
  2. 【請求項2】 前記濾過処理すべき液体が前記網目式濾
    過フィルターを通過する方向と対向する方向に沿って所
    定の液体を前記網目式濾過フィルターに向かって噴射す
    るための噴射手段を備えていることを特徴とする請求項
    1に記載の濾過装置。
  3. 【請求項3】 前記噴射手段は、循環ポンプと、該循環
    ポンプの吸込み口に一端が接続され他端が前記容器の所
    定位置に接続された第1の配管と、前記循環ポンプの吐
    出し口に一端が接続され他端が前記容器内において前記
    網目式濾過フィルターに向けられた第2の配管とを有
    し、前記第1の配管の他端を介して吸引した前記濾過処
    理された液体を前記網目式濾過フィルターに向かって噴
    射することを特徴とする請求項2に記載の濾過装置。
  4. 【請求項4】 前記濾過処理すべき液体が前記網目式濾
    過フィルターを通過する方向と対向する方向に沿って所
    定の空気混合液体を前記網目式濾過フィルターに向かっ
    て噴射するための噴射手段を備えていることを特徴とす
    る請求項1に記載の濾過装置。
  5. 【請求項5】 前記噴射手段は、循環ポンプと、該循環
    ポンプの吸込み口に一端が接続され他端が前記容器の所
    定位置に接続された第1の配管と、前記循環ポンプの吐
    出し口に一端が接続され他端が前記容器内において前記
    網目式濾過フィルターに向けられた第2の配管と、前記
    第2の配管の経路中に設けられたエゼクタとを有し、前
    記第1の配管の他端を介して吸引した前記濾過処理され
    た液体と前記エゼクタの吸引口を介して吸引した空気と
    の混合体である空気混合液体を前記網目式濾過フィルタ
    ーに向かって噴射することを特徴とする請求項4に記載
    の濾過装置。
  6. 【請求項6】 前記網目式濾過フィルターは有底筒状に
    形成され、前記噴射手段は、前記網目式濾過フィルター
    の底面に向かって上方へ前記所定の液体または前記所定
    の空気混合液体を噴射することを特徴とする請求項2乃
    至5のいずれか1項に記載の濾過装置。
  7. 【請求項7】 液体中に網目式濾過フィルターを実質的
    に浸漬させた状態において、濾過処理すべき液体に前記
    網目式濾過フィルターを通過させ、前記濾過処理すべき
    液体を前記網目式濾過フィルターを介して濾過処理する
    ことを特徴とする濾過方法。
  8. 【請求項8】 前記濾過処理すべき液体が前記網目式濾
    過フィルターを通過する方向と対向する方向に沿って所
    定の液体を前記網目式濾過フィルターに向かって噴射す
    ることを特徴とする請求項7に記載の濾過方法。
  9. 【請求項9】 前記濾過処理すべき液体が前記網目式濾
    過フィルターを通過する方向と対向する方向に沿って所
    定の空気混合液体を前記網目式濾過フィルターに向かっ
    て噴射することを特徴とする請求項7に記載の濾過方
    法。
JP9219933A 1997-07-31 1997-07-31 網目式の濾過フィルターを用いた濾過装置および濾過方法 Pending JPH1147513A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2016092589A1 (ja) * 2014-12-09 2017-09-14 株式会社ロキテクノ 脱着式フィルタ容器およびそれを用いた濾過装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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