JPH1146103A - 非放射性誘電体線路 - Google Patents
非放射性誘電体線路Info
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- JPH1146103A JPH1146103A JP9199930A JP19993097A JPH1146103A JP H1146103 A JPH1146103 A JP H1146103A JP 9199930 A JP9199930 A JP 9199930A JP 19993097 A JP19993097 A JP 19993097A JP H1146103 A JPH1146103 A JP H1146103A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 誘電体線路の金属平板への固定や複数の誘電
体線路の配置が容易な非放射性誘電体線路を提供する。 【解決手段】 平行な金属平板1,2の一方の金属平板
2の内側に設けられた誘電体板7と他方の金属平板1と
で誘電体線路3が挟まれる構造のため、接着剤を用いる
等することにより誘電体線路3と誘電体板7とを固定す
ることが容易になる。また、誘電体板7と金属平板2と
が接触する面積が、誘電体線路3と金属平板2とが接触
する面積より大きいので、凸部5と穴6とを形成して嵌
め込む等することにより誘電体板7と金属平板2との固
定が容易になる。
体線路の配置が容易な非放射性誘電体線路を提供する。 【解決手段】 平行な金属平板1,2の一方の金属平板
2の内側に設けられた誘電体板7と他方の金属平板1と
で誘電体線路3が挟まれる構造のため、接着剤を用いる
等することにより誘電体線路3と誘電体板7とを固定す
ることが容易になる。また、誘電体板7と金属平板2と
が接触する面積が、誘電体線路3と金属平板2とが接触
する面積より大きいので、凸部5と穴6とを形成して嵌
め込む等することにより誘電体板7と金属平板2との固
定が容易になる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミリ波帯の集積回
路に用いられる誘電体線路に関し、特に非放射性誘電体
線路に関する。
路に用いられる誘電体線路に関し、特に非放射性誘電体
線路に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ミリ波帯の電磁波用の集積回路
では、金属線路としてマイクロストリップ線路が用いら
れ、誘電体線路としてイメージ線路が用いられている。
では、金属線路としてマイクロストリップ線路が用いら
れ、誘電体線路としてイメージ線路が用いられている。
【0003】しかし、金属線路はミリ波帯で導体損失が
非常に大きいという欠点があり、誘電体線路は直線部分
での伝送損失は小さいが、曲がりや不連続部分において
放射が起こり、損失の異常な増加のみならず、近接線路
への漏話が生じるという欠点がある。
非常に大きいという欠点があり、誘電体線路は直線部分
での伝送損失は小さいが、曲がりや不連続部分において
放射が起こり、損失の異常な増加のみならず、近接線路
への漏話が生じるという欠点がある。
【0004】そこで、曲がりや不連続部分での放射がな
く、しかも、伝搬波が基本モード単一となる非放射性の
誘電体線路が考案されている。
く、しかも、伝搬波が基本モード単一となる非放射性の
誘電体線路が考案されている。
【0005】この誘電体線路は、2枚の金属平板を間隔
aで平行配置し、金属平板間に存在する外部誘電体媒質
(誘電率ε1 )よりも大きな誘電率ε2 を有する幅tの
誘電体ストリップを2枚の金属平板間に挿入してなり、
誘電体媒質内の電磁波の伝搬波長をλ0 、誘電体線路に
沿って伝搬する電磁波の基本波TM0 モード及び第1高
次波TM1 モードの伝搬波長をそれぞれλg0,λg1とし
たとき、(εr −1)1/2 (t/λ0 )<0.5ではλ
0 /2>a>λg0/2を、(εr −1)1/2 (t/
λ0 )>0.5ではλg1/2>a>λg0/2をそれぞれ
満足するものである(但しεr =ε2 /ε1 )。
aで平行配置し、金属平板間に存在する外部誘電体媒質
(誘電率ε1 )よりも大きな誘電率ε2 を有する幅tの
誘電体ストリップを2枚の金属平板間に挿入してなり、
誘電体媒質内の電磁波の伝搬波長をλ0 、誘電体線路に
沿って伝搬する電磁波の基本波TM0 モード及び第1高
次波TM1 モードの伝搬波長をそれぞれλg0,λg1とし
たとき、(εr −1)1/2 (t/λ0 )<0.5ではλ
0 /2>a>λg0/2を、(εr −1)1/2 (t/
λ0 )>0.5ではλg1/2>a>λg0/2をそれぞれ
満足するものである(但しεr =ε2 /ε1 )。
【0006】以下に、従来の非放射性誘電体線路を添付
図面を参照しながら説明する。
図面を参照しながら説明する。
【0007】図6は従来の非放射性誘電体線路の説明図
である。
である。
【0008】非放射性誘電体線路は、上側金属平板1
と、下側金属平板2aとを間隔aで平行配置し、両金属
平板1,2a間に幅t、誘電率ε2 なる誘電体ストリッ
プとしての誘電体線路3を挿入すると共に外部誘電体媒
質(誘電率ε1 <ε2 )4で満たした構造となってい
る。
と、下側金属平板2aとを間隔aで平行配置し、両金属
平板1,2a間に幅t、誘電率ε2 なる誘電体ストリッ
プとしての誘電体線路3を挿入すると共に外部誘電体媒
質(誘電率ε1 <ε2 )4で満たした構造となってい
る。
【0009】上側金属平板1と下側金属平板2aとの間
の間隔aを外部誘電体媒質4内を伝搬する電磁波の伝搬
波長の1/2以下にすれば、上側金属平板1及び下側金
属平板2aに平行に偏波した電磁波は遮断されて伝搬し
ない。
の間隔aを外部誘電体媒質4内を伝搬する電磁波の伝搬
波長の1/2以下にすれば、上側金属平板1及び下側金
属平板2aに平行に偏波した電磁波は遮断されて伝搬し
ない。
【0010】ところが、誘電体線路3中では伝搬波長が
短縮されるため、遮断状態が解消され、誘電体線路3に
沿って電磁波が伝搬する。この場合、誘電体線路3が曲
がっていても、金属平板1,2aの遮断効果により放射
波は伝搬せず、伝搬エネルギーはほとんど誘電体線路3
に閉じ込められて放射損失はもとより、周囲への影響が
生じない。通常、外部誘電体媒質4には空気が用いられ
ている。
短縮されるため、遮断状態が解消され、誘電体線路3に
沿って電磁波が伝搬する。この場合、誘電体線路3が曲
がっていても、金属平板1,2aの遮断効果により放射
波は伝搬せず、伝搬エネルギーはほとんど誘電体線路3
に閉じ込められて放射損失はもとより、周囲への影響が
生じない。通常、外部誘電体媒質4には空気が用いられ
ている。
【0011】誘電体線路3を伝搬する電磁波の電界は金
属平板1,2aと平行であり、電界の強さは誘電体線路
3の中心に近付くほど大きくなり、金属平板1,2aに
近付くほど小さくなる。誘電体線路3に沿って伝搬する
電磁波の伝搬モードは、誘電体線路3の幅tが小さいと
きは基本モードのみでこのモードが存在する条件が上側
金属平板1及び下側金属平板2aの間隔aの下限を定め
る。誘電体線路3の幅tが大きくなると、高次の伝搬モ
ードが発生する。集積回路では、誘電体線路3の曲がり
や不連続が避けられないので、高次モードの発生は望ま
しくない。
属平板1,2aと平行であり、電界の強さは誘電体線路
3の中心に近付くほど大きくなり、金属平板1,2aに
近付くほど小さくなる。誘電体線路3に沿って伝搬する
電磁波の伝搬モードは、誘電体線路3の幅tが小さいと
きは基本モードのみでこのモードが存在する条件が上側
金属平板1及び下側金属平板2aの間隔aの下限を定め
る。誘電体線路3の幅tが大きくなると、高次の伝搬モ
ードが発生する。集積回路では、誘電体線路3の曲がり
や不連続が避けられないので、高次モードの発生は望ま
しくない。
【0012】以上において非放射性誘電体線路を用い
て、発振器、ミキサ、サーキュレータ、方向性結合器及
び無反射終端等の回路素子やこれらの回路素子を集積化
したミリ波の送受信器やレーダが試作されている。
て、発振器、ミキサ、サーキュレータ、方向性結合器及
び無反射終端等の回路素子やこれらの回路素子を集積化
したミリ波の送受信器やレーダが試作されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
非放射性誘電体線路には次のような問題があった。
非放射性誘電体線路には次のような問題があった。
【0014】非放射性誘電体線路は、その構造上誘電体
線路を金属平板に取付ける必要があるが、誘電体と金属
とを接着する有効な方法が無い。
線路を金属平板に取付ける必要があるが、誘電体と金属
とを接着する有効な方法が無い。
【0015】従来、接着剤により両者を固定している
が、接着剤では高温や振動の大きい環境下において誘電
体線路の固定に関する信頼性に欠ける。誘電体をプラズ
マ処理して金属平板に接着する方法もあるが、この場合
高価格になるという問題がある。また、方向性結合器や
サーキュレータ等のように2本以上の誘電体線路を用い
る回路素子を形成する場合、互いの線路の間隔や角度に
精度が必要となり、金属平板上に誘電体線路を配置する
のに手間がかかるという問題があった。
が、接着剤では高温や振動の大きい環境下において誘電
体線路の固定に関する信頼性に欠ける。誘電体をプラズ
マ処理して金属平板に接着する方法もあるが、この場合
高価格になるという問題がある。また、方向性結合器や
サーキュレータ等のように2本以上の誘電体線路を用い
る回路素子を形成する場合、互いの線路の間隔や角度に
精度が必要となり、金属平板上に誘電体線路を配置する
のに手間がかかるという問題があった。
【0016】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、誘電体線路の金属平板への固定や複数の誘電体線路
の配置が容易な非放射性誘電体線路を提供することにあ
る。
し、誘電体線路の金属平板への固定や複数の誘電体線路
の配置が容易な非放射性誘電体線路を提供することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、一定の間隔aで平行配置された2枚の金属
平板と、金属平板間に存在する誘電率ε1 の外部誘電体
媒質と、金属平板に挿入され誘電率ε1 よりも大きい誘
電率ε2 を有する幅tの誘電体ストリップとを備え、外
部誘電体媒質内の電磁波の伝搬波長をλ0 とし、誘電体
ストリップに沿って伝搬する電磁波の基本波TM0 モー
ド及び第1高次波TM1 モードの電磁波の波長をそれぞ
れλg0,λg1としたとき、(εr −1)1/2 (t/
λ0 )<0.5ではλ0 /2>a>λg0/2を、(εr
−1)1/2 (t/λ0 )>0.5ではλg1/2>a>λ
g0/2をそれぞれ満足する誘電体線路(但しεr =ε2
/ε1 )において、一方の金属平板の内側に、間隔aよ
り薄く、かつ、電磁波の波長の10分の1以下の厚さの
誘電体板を設けたものである。
に本発明は、一定の間隔aで平行配置された2枚の金属
平板と、金属平板間に存在する誘電率ε1 の外部誘電体
媒質と、金属平板に挿入され誘電率ε1 よりも大きい誘
電率ε2 を有する幅tの誘電体ストリップとを備え、外
部誘電体媒質内の電磁波の伝搬波長をλ0 とし、誘電体
ストリップに沿って伝搬する電磁波の基本波TM0 モー
ド及び第1高次波TM1 モードの電磁波の波長をそれぞ
れλg0,λg1としたとき、(εr −1)1/2 (t/
λ0 )<0.5ではλ0 /2>a>λg0/2を、(εr
−1)1/2 (t/λ0 )>0.5ではλg1/2>a>λ
g0/2をそれぞれ満足する誘電体線路(但しεr =ε2
/ε1 )において、一方の金属平板の内側に、間隔aよ
り薄く、かつ、電磁波の波長の10分の1以下の厚さの
誘電体板を設けたものである。
【0018】上記構成に加え本発明は、誘電体板の少な
くとも一か所に固定用の穴を形成してもよい。
くとも一か所に固定用の穴を形成してもよい。
【0019】上記構成に加え本発明は、金属平板の固定
用の穴の位置に凸部を形成し、凸部を固定用の穴にはめ
込んで誘電体板を金属平板に固定してもよい。
用の穴の位置に凸部を形成し、凸部を固定用の穴にはめ
込んで誘電体板を金属平板に固定してもよい。
【0020】上記構成に加え本発明は、少なくとも2本
の誘電体ストリップを電磁波の波長の10分の1以下の
厚さの誘電体板と共に一体形成してもよい。
の誘電体ストリップを電磁波の波長の10分の1以下の
厚さの誘電体板と共に一体形成してもよい。
【0021】本発明によれば、平行な金属平板の一方の
金属平板の内側に設けられた誘電体板と他方の金属平板
とで誘電体ストリップが挟まれる構造のため、接着剤を
用いる等することにより誘電体ストリップと誘電体板と
を固定することが容易になる。また、誘電体板と金属平
板とが接触する面積が、誘電体ストリップと金属平板と
が接触する面積より大きいので、穴と凸部とを形成して
嵌め込む等することにより誘電体板と金属平板との固定
が容易になる。少なくとも2本の誘電体ストリップを電
磁波の波長の10分の1以下の厚さの誘電体板と共に一
体形成することにより、方向性結合器やサーキュレータ
等のように2本以上の誘電体線路を用いる回路素子を形
成する場合、最初に誘電体ストリップの間隔を決定して
おけば、後工程で互いの線路の間隔や角度の精度を考慮
する必要がなく製造が容易となる。
金属平板の内側に設けられた誘電体板と他方の金属平板
とで誘電体ストリップが挟まれる構造のため、接着剤を
用いる等することにより誘電体ストリップと誘電体板と
を固定することが容易になる。また、誘電体板と金属平
板とが接触する面積が、誘電体ストリップと金属平板と
が接触する面積より大きいので、穴と凸部とを形成して
嵌め込む等することにより誘電体板と金属平板との固定
が容易になる。少なくとも2本の誘電体ストリップを電
磁波の波長の10分の1以下の厚さの誘電体板と共に一
体形成することにより、方向性結合器やサーキュレータ
等のように2本以上の誘電体線路を用いる回路素子を形
成する場合、最初に誘電体ストリップの間隔を決定して
おけば、後工程で互いの線路の間隔や角度の精度を考慮
する必要がなく製造が容易となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳述する。
図面に基づいて詳述する。
【0023】図1は本発明の非放射性誘電体線路の一実
施の形態を示す概観斜視図である。尚、図6に示した従
来例と同様の部材には共通の符号を用いた。
施の形態を示す概観斜視図である。尚、図6に示した従
来例と同様の部材には共通の符号を用いた。
【0024】2は凸部5が形成された下側金属平板であ
る。下側金属平板2の上には、凸部5の位置に固定用の
穴6が形成された誘電体板7が嵌め込まれている。誘電
体板7の上には、幅t、誘電率ε2 の誘電体ストリップ
としての誘電体線路3が設けられている。誘電体線路3
の上には、下側金属平板2と平行、かつ間隔aを隔てた
上側金属平板1が設けられている。凸部5の厚さhは間
隔aと等しいか、それ以下の高さになっている。上側金
属平板1と誘電体板7との間には誘電率ε2 より小さい
誘電率ε1 の外部誘電体媒質(例えば空気)4が存在し
ている。誘電体板7の厚さbは、間隔aより薄く、か
つ、誘電体線路3に沿って伝搬する電磁波の波長の10
分の1以下に設定されている。誘電体線路3及び誘電体
板7は射出成型或いは削り出しにより一体的に形成され
ている。
る。下側金属平板2の上には、凸部5の位置に固定用の
穴6が形成された誘電体板7が嵌め込まれている。誘電
体板7の上には、幅t、誘電率ε2 の誘電体ストリップ
としての誘電体線路3が設けられている。誘電体線路3
の上には、下側金属平板2と平行、かつ間隔aを隔てた
上側金属平板1が設けられている。凸部5の厚さhは間
隔aと等しいか、それ以下の高さになっている。上側金
属平板1と誘電体板7との間には誘電率ε2 より小さい
誘電率ε1 の外部誘電体媒質(例えば空気)4が存在し
ている。誘電体板7の厚さbは、間隔aより薄く、か
つ、誘電体線路3に沿って伝搬する電磁波の波長の10
分の1以下に設定されている。誘電体線路3及び誘電体
板7は射出成型或いは削り出しにより一体的に形成され
ている。
【0025】図1に示す非放射性誘電体線路10は、外
部誘電体媒質4内の電磁波の伝搬波長をλ0 とし、誘電
体線路3に沿って伝搬する電磁波の基本波TM0 モード
及び第1高次波TM1 モードの電磁波の波長をそれぞれ
λg0,λg1としたとき、(εr −1)1/2 (t/λ0 )
<0.5ではλ0 /2>a>λg0/2を、(εr −1)
1/2 (t/λ0 )>0.5ではλg1/2>a>λg0/2
をそれぞれ満足する(但しεr =ε2 /ε1 )ようにな
っている。
部誘電体媒質4内の電磁波の伝搬波長をλ0 とし、誘電
体線路3に沿って伝搬する電磁波の基本波TM0 モード
及び第1高次波TM1 モードの電磁波の波長をそれぞれ
λg0,λg1としたとき、(εr −1)1/2 (t/λ0 )
<0.5ではλ0 /2>a>λg0/2を、(εr −1)
1/2 (t/λ0 )>0.5ではλg1/2>a>λg0/2
をそれぞれ満足する(但しεr =ε2 /ε1 )ようにな
っている。
【0026】この非放射性誘電体線路10は、誘電体板
7の厚さbが金属平板1,2の間隔aと比較してごく薄
く、かつ、誘電体線路3に沿って伝搬する電磁波の強さ
が小さい位置にあるため、誘電体線路3から誘電体板7
に漏話する電磁波はわずかであり、誘電体線路3を伝搬
する電磁波にはほとんど影響ない。そのため、本発明の
非放射性誘電体線路10は従来の非放射性誘電体線路と
同様の特徴を有しており、誘電体線路3に沿って電磁波
が伝搬する。この場合、誘電体線路3が曲がっていて
も、2枚の金属平板1,2の遮断効果により放射波は伝
搬せず、伝搬エネルギーはほとんど誘電体線路3内に閉
じ込められて放射損失はもとより、周囲への影響を生じ
ない。誘電体線路3に沿う伝搬モードは、誘電体線路3
の幅tが小さいときは基本モードのみでこのモードの存
在する条件が上側金属平板1と下側金属平板2との間の
間隔aの下限を定める。誘電体線路3の幅tが大きくな
ると、高次の伝搬モードが発生する。集積回路等では誘
電体線路3の曲がりや不連続が避けられないので、高次
モードの発生は望ましくない。
7の厚さbが金属平板1,2の間隔aと比較してごく薄
く、かつ、誘電体線路3に沿って伝搬する電磁波の強さ
が小さい位置にあるため、誘電体線路3から誘電体板7
に漏話する電磁波はわずかであり、誘電体線路3を伝搬
する電磁波にはほとんど影響ない。そのため、本発明の
非放射性誘電体線路10は従来の非放射性誘電体線路と
同様の特徴を有しており、誘電体線路3に沿って電磁波
が伝搬する。この場合、誘電体線路3が曲がっていて
も、2枚の金属平板1,2の遮断効果により放射波は伝
搬せず、伝搬エネルギーはほとんど誘電体線路3内に閉
じ込められて放射損失はもとより、周囲への影響を生じ
ない。誘電体線路3に沿う伝搬モードは、誘電体線路3
の幅tが小さいときは基本モードのみでこのモードの存
在する条件が上側金属平板1と下側金属平板2との間の
間隔aの下限を定める。誘電体線路3の幅tが大きくな
ると、高次の伝搬モードが発生する。集積回路等では誘
電体線路3の曲がりや不連続が避けられないので、高次
モードの発生は望ましくない。
【0027】次に、本発明の非放射性誘電体線路の誘電
体と金属との固定方法について述べる。
体と金属との固定方法について述べる。
【0028】図2は誘電体線路が形成された誘電体板の
平面図であり、図3は上側金属板を取付ける前の非放射
性誘電体線路を示す概観斜視図である。尚、図3におい
て外部誘電体媒質は空気として図示されていない。
平面図であり、図3は上側金属板を取付ける前の非放射
性誘電体線路を示す概観斜視図である。尚、図3におい
て外部誘電体媒質は空気として図示されていない。
【0029】図2に示す誘電体板7には誘電体線路3か
ら伝搬波長に比べて十分離れた位置に矩形状の穴6が形
成されている(図では穴の数が1個であり、形状が矩形
となっているが限定されない)。
ら伝搬波長に比べて十分離れた位置に矩形状の穴6が形
成されている(図では穴の数が1個であり、形状が矩形
となっているが限定されない)。
【0030】図3に示す下側金属平板2において、誘電
体板7の穴6に対応する位置に凸部5が形成されてお
り、凸部5に誘電体板7の穴6を嵌め込むことで簡単に
固定することができる。このとき、下側金属平板2の凸
部5が誘電体線路3を伝搬する電磁波の伝搬波長から十
分離れているため、誘電体線路3に沿って伝搬する電磁
波と凸部5との間での干渉は生じない。誘電体板7の穴
6は、誘電体線路3と同様に射出成型或いは削り出しに
より一体形成が可能であるため、製造が非常に容易とな
る。また、誘電体板7に穴6を形成せず、誘電体線路3
から伝搬波長に比べて十分に離れた位置において、上側
金属平板1(図1参照)の少なくとも一か所に凸部を形
成して誘電体板7を挟んで固定するようにしてもよい。
体板7の穴6に対応する位置に凸部5が形成されてお
り、凸部5に誘電体板7の穴6を嵌め込むことで簡単に
固定することができる。このとき、下側金属平板2の凸
部5が誘電体線路3を伝搬する電磁波の伝搬波長から十
分離れているため、誘電体線路3に沿って伝搬する電磁
波と凸部5との間での干渉は生じない。誘電体板7の穴
6は、誘電体線路3と同様に射出成型或いは削り出しに
より一体形成が可能であるため、製造が非常に容易とな
る。また、誘電体板7に穴6を形成せず、誘電体線路3
から伝搬波長に比べて十分に離れた位置において、上側
金属平板1(図1参照)の少なくとも一か所に凸部を形
成して誘電体板7を挟んで固定するようにしてもよい。
【0031】尚、誘電体線路3の両側全体を誘電体板7
として説明したが、図4に示すように誘電体線路3の一
部のみを誘電体板7aと共に一体形成しても同様の効果
が得られる。図4は、本発明の非放射性誘電体線路の変
形例を示す平面図である。
として説明したが、図4に示すように誘電体線路3の一
部のみを誘電体板7aと共に一体形成しても同様の効果
が得られる。図4は、本発明の非放射性誘電体線路の変
形例を示す平面図である。
【0032】また、本発明の非放射性誘電体線路は、方
向性結合器又はサーキュレータなどの複数の線路を用い
る回路素子や送受信器を構成する場合でも誘電体線路の
金属平板への固定が容易となる。
向性結合器又はサーキュレータなどの複数の線路を用い
る回路素子や送受信器を構成する場合でも誘電体線路の
金属平板への固定が容易となる。
【0033】図5は本発明の非放射性誘電体線路の他の
実施の形態を示す平面図である。尚、上側金属平板は省
略してある。
実施の形態を示す平面図である。尚、上側金属平板は省
略してある。
【0034】誘電体板7の上に誘電体線路3とベンド
(曲がり誘電体線路)8とが所定の間隔で配置されると
共に、誘電体板7と一体形成されている。このような誘
電体板7を用いた非放射性誘電体線路は、2本の誘電体
線路3,8を誘電体板7上に一体的に形成しているた
め、最初に誘電体線路3とベンド8との間隔を決定して
おけば、後工程で配置の精度を考慮する必要がない。ま
た、振動等により2本の誘電体線路3,8の間隔や配置
がずれることがないため、特性が安定である。
(曲がり誘電体線路)8とが所定の間隔で配置されると
共に、誘電体板7と一体形成されている。このような誘
電体板7を用いた非放射性誘電体線路は、2本の誘電体
線路3,8を誘電体板7上に一体的に形成しているた
め、最初に誘電体線路3とベンド8との間隔を決定して
おけば、後工程で配置の精度を考慮する必要がない。ま
た、振動等により2本の誘電体線路3,8の間隔や配置
がずれることがないため、特性が安定である。
【0035】以上において本発明の非放射性誘電体線路
は、従来の非放射性誘電体線路の曲がりや不連続部での
放射を抑制すると共に、誘電体線路と金属平板との固定
や複数の誘電体線路の配置が容易に行うことができる。
本発明の非放射性誘電体線路を用いることにより、発振
器、方向性結合器、サーキュレータ等の回路素子の製作
が可能である。
は、従来の非放射性誘電体線路の曲がりや不連続部での
放射を抑制すると共に、誘電体線路と金属平板との固定
や複数の誘電体線路の配置が容易に行うことができる。
本発明の非放射性誘電体線路を用いることにより、発振
器、方向性結合器、サーキュレータ等の回路素子の製作
が可能である。
【0036】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
な優れた効果を発揮する。
【0037】平行金属平板間に設けられた誘電体線路に
おいて、一方の金属平板の内側に、金属平板の間隔より
薄く、かつ、誘電体線路を伝搬する電磁波の波長の10
分の1以下の厚さの誘電体板を設けることにより、誘電
体線路の金属平板への固定や複数の誘電体線路の配置が
容易な非放射性誘電体線路の提供を実現することができ
る。
おいて、一方の金属平板の内側に、金属平板の間隔より
薄く、かつ、誘電体線路を伝搬する電磁波の波長の10
分の1以下の厚さの誘電体板を設けることにより、誘電
体線路の金属平板への固定や複数の誘電体線路の配置が
容易な非放射性誘電体線路の提供を実現することができ
る。
【図1】本発明の非放射性誘電体線路の一実施の形態を
示す概観斜視図である。
示す概観斜視図である。
【図2】誘電体線路が形成された誘電体板の平面図であ
る。
る。
【図3】上側金属板を取付ける前の非放射性誘電体線路
を示す概観斜視図である。
を示す概観斜視図である。
【図4】本発明の非放射性誘電体線路の変形例を示す平
面図である。
面図である。
【図5】本発明の非放射性誘電体線路の他の実施の形態
を示す平面図である。
を示す平面図である。
【図6】従来の非放射性誘電体線路の説明図である。
1,2 金属平板 3 誘電体ストリップ(誘電体線路) 4 外部誘電体媒質(空気) 5 凸部 6 穴 7 誘電体板
Claims (4)
- 【請求項1】 一定の間隔aで平行配置された2枚の金
属平板と、該金属平板間に存在する誘電率ε1 の外部誘
電体媒質と、上記金属平板に挿入され誘電率ε1 よりも
大きい誘電率ε2 を有する幅tの誘電体ストリップとを
備え、上記外部誘電体媒質内の電磁波の伝搬波長をλ0
とし、上記誘電体ストリップに沿って伝搬する電磁波の
基本波TM0 モード及び第1高次波TM1 モードの電磁
波の波長をそれぞれλg0,λg1としたとき、(εr −
1)1/2 (t/λ0 )<0.5ではλ0 /2>a>λg0
/2を、(εr −1)1/2 (t/λ0 )>0.5ではλ
g1/2>a>λg0/2をそれぞれ満足する誘電体線路
(但しεr =ε2 /ε1 )において、一方の金属平板の
内側に、上記間隔aより薄く、かつ、上記電磁波の波長
の10分の1以下の厚さの誘電体板を設けたことを特徴
とする非放射性誘電体線路。 - 【請求項2】 上記誘電体板の少なくとも一か所に固定
用の穴を形成した請求項1に記載の非放射性誘電体線
路。 - 【請求項3】 上記金属平板の固定用の穴の位置に凸部
を形成し、該凸部を上記固定用の穴にはめ込んで上記誘
電体板を上記金属平板に固定した請求項2に記載の非放
射性誘電体線路。 - 【請求項4】 少なくとも2本の誘電体ストリップを電
磁波の波長の10分の1以下の厚さの誘電体板と共に一
体形成した請求項1に記載の非放射性誘電体線路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9199930A JPH1146103A (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 非放射性誘電体線路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9199930A JPH1146103A (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 非放射性誘電体線路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1146103A true JPH1146103A (ja) | 1999-02-16 |
Family
ID=16415969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9199930A Pending JPH1146103A (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 非放射性誘電体線路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1146103A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0583989A3 (en) * | 1992-08-19 | 1995-08-09 | Komag Inc | Magnetic head slider. |
-
1997
- 1997-07-25 JP JP9199930A patent/JPH1146103A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0583989A3 (en) * | 1992-08-19 | 1995-08-09 | Komag Inc | Magnetic head slider. |
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