JPH1144640A - 検出素子、及び検出装置、並びに検出方法 - Google Patents

検出素子、及び検出装置、並びに検出方法

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JPH1144640A
JPH1144640A JP9201880A JP20188097A JPH1144640A JP H1144640 A JPH1144640 A JP H1144640A JP 9201880 A JP9201880 A JP 9201880A JP 20188097 A JP20188097 A JP 20188097A JP H1144640 A JPH1144640 A JP H1144640A
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light
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JP9201880A
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Shinzo Muto
真三 武藤
Masayuki Morisawa
正之 森澤
Hideaki Machida
英明 町田
Denshin Yana
傳信 梁
Naoto Noda
直人 野田
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TORI CHEM KENKYUSHO KK
Original Assignee
TORI CHEM KENKYUSHO KK
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/75Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated
    • G01N21/77Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated by observing the effect on a chemical indicator
    • G01N21/7703Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated by observing the effect on a chemical indicator using reagent-clad optical fibres or optical waveguides
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/02Optical fibres with cladding with or without a coating
    • G02B6/02033Core or cladding made from organic material, e.g. polymeric material

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学的種や生物学的種などの検出物質を高感
度で検出できる素子を提供することである。 【解決手段】 屈折率がncoのコアと、このコアの周囲
に設けられた屈折率がnclのクラッドとを具備してなる
検出素子であって、検出物質が存在しない雰囲気下にあ
っては、nco≦nclであり、検出物質が存在する雰囲気
下にあっては、検出物質により前記クラッドが影響を受
けてnco>nclとなる材料で前記コア及びクラッドを構
成した検出素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、例えばガソリン、
ケロシン、ジェット燃料、炭化水素類、アルコール類、
ケトン類、アミン類、ニトロ類、ハロゲン類、エーテル
類、エステル類など各種の天然或いは合成の有機化合
物、シラン類、その他各種の無機化合物、前記有機化合
物や無機化合物を含む水溶液、その他各種の化学的種や
生物学的種などを検出する検出技術に関する。
【0002】
【従来の技術、並びに発明が解決しようとする課題】化
学物質などを検出(定性、或いは定量分析の為の検出)
する為のセンサーは、産業部門だけでなく、大気汚染監
視、医療衛生などの多くの分野に応用されつつある。従
って、センサーは成長分野の一つである。従来、センサ
ーの開発は、先ず、適切な新しい原理の探索から開始
し、新素材の研究開発を経て、デバイス化の技術の確立
を必要とする。
【0003】ところで、センサーの多くは、電気駆動型
である為、安全面の問題がある。例えば、従来の浸水検
知センサーの多くは、電気方式のものであり、漏電など
の恐れがある。又、金属導体を用いた警報線は電磁誘導
のある区間では適用できない問題がある。一方、光ファ
イバーを用い、その伝送損失から浸水検知を行うものと
して、例えば実開昭62−25845号公報記載のもの
がある。しかし、この光ファイバーを用いた浸水センサ
ーは、光ファイバーに接触させて設けられた板を必要と
し、浸水検知部分が大きなものとなってしまい、融通性
に欠ける。又、デバイス工程も長く、コストが高いなど
の問題点がある。
【0004】特開平3−502610号公報の技術は、
光ファイバーによる化学成分の検出法について、従来の
方法と同じく、全内部反射に対する条件を変化させ、出
力強度の変化を利用するものである。米国特許第449
2121号、第4542987号明細書に記載のファイ
バーオプティックセンサーは、励起される信号と得られ
る応答信号が伝送されるファイバーの末端に、蛍光性の
物質が取り付けられている。
【0005】米国特許第4040749号明細書は、導
波管の光伝送能力を変化させる液晶材料をその表面に有
する導波路を示している。米国特許第4399099号
明細書は、液体中の分析物質の反応性種による定量分析
のファイバーシース素子を示してある。この装置は電磁
波エネルギーに伝送性であり、一つ以上の透過性或いは
半透過性シースを設けている。
【0006】上述のような光ファイバーを利用するセン
サーに共通する特徴は、全反射に対する条件を変えるこ
とにより、反射角度や出力に起きる微妙な変化を測定す
るものである。しかし、その変化量が極めて小さいた
め、検出精度に限界がある。従って、感度が高く、広い
範囲に亘って使えるセンサーの開発が望まれている。
【0007】又、炭化水素類のような中性溶媒等は、そ
の反応性が低い為、特殊な分析法以外に簡単な検出手法
が無いのが現状である。又、アルシンやホスゲン等のよ
うな猛毒ガスを検出するには、試験紙反応以外に安全に
常時監視できるセンサーはない。尚、半導体基板の性能
は、生産工程において用いる化合物(ガス)の濃度に深
く関わっているが、その濃度を測定する方法がない為、
そのメカニズムなどを解明するには打つ手がない状態に
ある。
【0008】従って、このような未踏領域への応用が可
能なセンサーの設計原理や製作技術の確立が求められて
いる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の期待
に応える為、光ファイバー構造を利用した検出素子の開
発に努力を払った。周知のように、物質の屈折率はLo
rentz−Lorentz式で表すと、分極率と単位
体積当たりの分子数との間に下記の式(1)が成り立
つ。
【0010】
【数1】
【0011】但し、n;屈折率 N;単位体積当たりの分子数 α;分極率 明らかに、物質の密度及び/又は分極率が変化すれば、
その屈折率が変わる。例えば、膨潤性物質なら、液体ま
たは気体を吸収して、その体積が元の体積の数十倍まで
膨脹することも有り得る。この膨潤に伴って、単位体積
当たりの分子数は減少し、屈折率の変化が期待される。
【0012】又、物質の分極は、その立体構造の変化、
或いは置換効果や溶媒効果などのような物理的・化学的
な作用により大きく変わることがある。従って、物質の
密度及び/又は分極率と言う二つの要素の可変性を利用
することによって、すなわち検出すべき目的物質が存在
しない通常状態では、光漏れ構造(光ファイバーのよう
にコア・クラッド間で全反射が起きず、クラッドの周囲
から光が漏れる構造)を持つよう光ファイバーのクラッ
ドに屈折率が大きなものを選定すると共に、検出すべき
目的物質が存在する異常状態では、光ファイバーのクラ
ッドは変性して屈折率が小さなものとなり、前記光漏れ
構造から導波構造(光ファイバーのようにコア・クラッ
ド間で全反射が起きている構造)への変化が起きる材料
を選定すれば、目的とする化学的種や生物学的種などの
検出物質を高感度で検出できることを究明した。
【0013】このような観点に基づいて本発明が達成さ
れたものであり、前記の課題は、屈折率がncoのコア
と、このコアの周囲に設けられた屈折率がnclのクラッ
ドとを具備してなる検出素子であって、目的とする検出
物質(検出物質)が存在しない雰囲気下にあっては、n
co≦nclであり、検出物質が存在する雰囲気下にあって
は、検出物質により前記クラッドが影響を受けてnco>
nclとなる材料で前記コア及びクラッドを構成したこと
を特徴とする検出素子によって解決される。
【0014】すなわち、上記のように構成させた検出素
子は、光漏れ構造から導波構造への変化を利用できるか
ら、検出すべき目的とする化学的種や生物学的種を高感
度で検出できる。尚、クラッドは一層でも、二層以上の
複数のものが積層されたものでも良い。複数積層タイプ
の場合には、検出物質が存在しない雰囲気下にあって
は、コアの屈折率nco≦クラッドの屈折率nclを満たす
と共に、コアに近い下層側のクラッドの屈折率nclb ≦
コアから遠い上層側のクラッドの屈折率nclt を満た
し、検出物質が存在する雰囲気下にあっては、検出物質
により前記クラッドの少なくとも一つ、特にコアに接し
ているクラッドが影響を受け、そのクラッドの屈折率n
cl<コアの屈折率ncoとなる材料で前記コア及びクラッ
ドを構成したものとする必要がある。つまり、複数積層
タイプの場合には、クラッド同士の屈折率を上記のよう
に勘案することにより、光漏れ構造から導波構造への変
化を利用できる。
【0015】クラッドの材料は、屈折率が上記の関係を
満たすものであることが必要である。しかし、更に次の
ような特徴を有するものが好ましい。例えば、検出物質
により膨潤する。又、検出物質と反応する基を持つ。
又、検出物質により膨潤し、かつ、検出物質と反応する
基を持つものでも良い。上記膨潤性と反応性の材料を用
いて複数のクラッドを積層したタイプのものとする場
合、コア側にある下層クラッドを検出物質と反応する基
を持つ材料で構成し、コアより遠い側にある上層クラッ
ドを検出物質により膨潤する材料で構成するのが好まし
い。これによって、検出すべき目的とする化学的種や生
物学的種をより高感度で検出できる。
【0016】コアの軸方向に沿って異なる材質のクラッ
ドを複数設けることも出来る。このようにすれば、一つ
の素子で複数種類のものを検出できるようになる。又、
前記の課題は、上記いずれかの検出素子と、この検出素
子のコア一端側に設けられた発光手段と、前記検出素子
のコア他端側に設けられた受光手段とを具備することを
特徴とする検出装置によって解決される。
【0017】又、上記いずれかの検出素子を用いて検出
物質を検出する方法であって、前記検出素子のコア一端
側から所定量の光を入射する入射工程と、前記検出素子
のコア他端側から出て来る光量を測定する測定工程と、
前記測定工程で測定される光量が増加するのを検出する
検出工程とを具備することを特徴とする検出方法によっ
て解決される。
【0018】すなわち、光漏れ構造から導波構造への変
化が起きた場合、受光手段からの出力強度が大幅に大き
くなるので、この検出により検出すべき目的とする化学
的種や生物学的種をより高感度で検出できる。又、前記
の課題は、上記いずれかの検出素子と、この検出素子の
コア一端側に設けられた発光手段と、前記検出素子のク
ラッド周側面に対向して設けられた受光手段とを具備す
ることを特徴とする検出装置によって解決される。
【0019】又、上記いずれかの検出素子を用いて検出
物質を検出する方法であって、前記検出素子のコア一端
側から所定量の光を入射する入射工程と、前記検出素子
のクラッド周側面から出て来る光量を測定する測定工程
と、前記測定工程で測定される光量が減少するのを検出
する検出工程とを具備することを特徴とする検出方法に
よって解決される。
【0020】すなわち、光漏れ構造から導波構造への変
化が起きた場合、受光手段からの出力強度が零になるの
で、この検出により検出すべき目的とする化学的種や生
物学的種をより高感度で検出できる。又、前記の課題
は、上記いずれかの検出素子と、この検出素子のコア一
端側に設けられた発光手段と、前記検出素子のコア他端
側に設けられた第1の受光手段と、前記検出素子のクラ
ッド周側面に対向して設けられた第2の受光手段とを具
備することを特徴とする検出装置によって解決される。
【0021】又、上記いずれかの検出素子を用いて検出
物質を検出する方法であって、前記検出素子のコア一端
側から所定量の光を入射する入射工程と、前記検出素子
のコア他端側から出て来る光量を測定する第1測定工程
と、前記第1測定工程で測定される光量が増加するのを
検出する第1検出工程と、前記検出素子のクラッド周側
面から出て来る光量を測定する第2測定工程と、前記第
2測定工程で測定される光量が減少するのを検出する第
2検出工程とを具備することを特徴とする検出方法によ
って解決される。
【0022】すなわち、光漏れ構造から導波構造への変
化が起きた場合、第1の受光手段からの出力強度が大幅
に大きくなり、かつ、第2の受光手段からの出力強度が
零になるので、この検出により検出すべき目的とする化
学的種や生物学的種をより高感度で検出できる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の検出素子は、屈折率がn
coのコアと、このコアの周囲に設けられた屈折率がncl
のクラッドとを具備してなる検出素子であって、検出物
質が存在しない雰囲気下にあっては、nco≦nclであ
り、検出物質が存在する雰囲気下にあっては、検出物質
により前記クラッドが影響を受けてnco>nclとなる材
料で前記コア及びクラッドを構成したものである。クラ
ッドは一層でも、二層以上の複数のものが積層されたも
のでも良い。複数積層タイプの場合には、検出物質が存
在しない雰囲気下にあっては、コアの屈折率nco≦クラ
ッドの屈折率nclを満たすと共に、コアに近い下層側の
クラッドの屈折率nclb ≦コアから遠い上層側のクラッ
ドの屈折率nclt を満たし、検出物質が存在する雰囲気
下にあっては、検出物質により前記クラッドの少なくと
も一つ、特にコアに接しているクラッドが影響を受け、
そのクラッドの屈折率ncl<コアの屈折率ncoとなる材
料で前記コア及びクラッドを構成したものである。クラ
ッドの材料は、更に、検出物質により膨潤する、検
出物質と反応する基を持つ、検出物質により膨潤し、
かつ、検出物質と反応する基を持つものでも良い。膨潤
性と反応性の材料を用いて複数のクラッドを積層したタ
イプのものとする場合、コア側にある下層クラッドを検
出物質と反応する基を持つ材料で構成し、コアより遠い
側にある上層クラッドを検出物質により膨潤する材料で
構成するのが好ましい。又、コアの軸方向に沿って異な
る材質のクラッドを複数設けることも出来る。
【0024】本発明の検出装置は、上記の検出素子と、
この検出素子のコア一端側に設けられた発光手段と、前
記検出素子のコア他端側に設けられた受光手段とを具備
するものである。或いは、上記の検出素子と、この検出
素子のコア一端側に設けられた発光手段と、前記検出素
子のクラッド周側面に対向して設けられた受光手段とを
具備するものである。又は、上記の検出素子と、この検
出素子のコア一端側に設けられた発光手段と、前記検出
素子のコア他端側に設けられた第1の受光手段と、前記
検出素子のクラッド周側面に対向して設けられた第2の
受光手段とを具備するものである。
【0025】本発明の検出方法は、上記の検出素子を用
いて検出物質を検出する方法であって、前記検出素子の
コア一端側から所定量の光を入射する入射工程と、前記
検出素子のコア他端側から出て来る光量を測定する測定
工程と、前記測定工程で測定される光量が増加するのを
検出する検出工程とを具備するものである。或いは、上
記の検出素子を用いて検出物質を検出する方法であっ
て、前記検出素子のコア一端側から所定量の光を入射す
る入射工程と、前記検出素子のクラッド周側面から出て
来る光量を測定する測定工程と、前記測定工程で測定さ
れる光量が減少するのを検出する検出工程とを具備する
ものである。又は、上記の検出素子を用いて検出物質を
検出する方法であって、前記検出素子のコア一端側から
所定量の光を入射する入射工程と、前記検出素子のコア
他端側から出て来る光量を測定する第1測定工程と、前
記第1測定工程で測定される光量が増加するのを検出す
る第1検出工程と、前記検出素子のクラッド周側面から
出て来る光量を測定する第2測定工程と、前記第2測定
工程で測定される光量が減少するのを検出する第2検出
工程とを具備するものである。
【0026】以下、更に詳しく説明する。例えば、ポリ
イソプレンを膨潤させた時、その屈折率及び出力光強度
の変化を計算して、本発明の検出素子が実際に利用でき
るかを検証した。周知のように、物質Aに物質Bが浸透
すると、物質Aの屈折率は、下記の式(2)に従って変
化する。
【0027】
【数2】
【0028】但し、n ;物質Bが浸透中の物質Aの屈
折率 N ;物質A中の物質Bの濃度 n0 ;物質Bが未浸透(時間t=0)の物質Aの屈折率 n∞;物質Bが十分に浸透(時間t=∞)の物質Aの屈
折率 一方、時間tで物質Aの表面からx離れた点の物質Bの
濃度をN(x,t)とすると、その拡散方程式式(3)
は次のようになる(図1参照)。
【0029】
【数3】
【0030】但し、初期条件;N(x,0)=0 N(0,t)=N0 この式(3)の微分方程式の解は式(4)となる。
【0031】
【数4】
【0032】そして、式(4)を式(2)に代入する
と、式(5)となる。
【0033】
【数5】
【0034】次に、コアとクラッドとの境界での反射係
数をn,θの関数として計算し、光線追跡法で出力強度
を求める。 Pr=RPi (6) 但し、Pr;反射波の強度f(θ,n) Pi;入射波の強度 R ;反射率f(n(x,t)) 出力部における強度はθ,N0 をパラメータとして Ptotal =P1 (t)+P2 (t)+P3 (t)+…… (7) で算出することが出来る(図2参照)。理論的な解釈と
して、tだけ経過してn clが小さくなり、Rが増大する
為、Ptotal が大きくなる。従って、光漏れ構造から導
波構造に変わる。
【0035】一例として、アセトン・ポリイソプレン系
を用いたシュミレート結果を図3に示す。理論値から、
膨潤に対するポリイソプレンの応答特性が優れているこ
とが判る。従って、本発明は理論からも支持されている
ことが判る。つまり、ファイバーの光漏れ構造(非全反
射)から導波構造(全反射)への変化に伴い、そこを通
る光学特性の反転現象から標的物質の検出が可能であ
る。
【0036】以下、本発明の検出素子の具体的構造を示
しながら本発明を更に詳しく説明する。先ず、本発明で
提案した検出素子Sの構成は、図4に示す如く、屈折率
がncoのコア1と、コア1の周囲を覆うように設けた屈
折率がnclのクラッド2とで構成される。
【0037】ここで、目的とする検出物質が存在しない
通常の雰囲気下にあっては、nco≦nclであるよう、コ
ア1とクラッド2との材料を選定している。従って、検
出素子Sのコア1の一端側からコア1の他端側に向けて
一定波長の光を伝送すると、コア1とクラッド2との関
係は検出素子Sが光ファイバー構造(光ファイバーで
は、全反射により光がクラッドの外周面から漏れない)
になっていないから、すなわちnco≦nclであるようコ
ア1とクラッド2との材料を選定しているから、光がク
ラッド2の周囲から漏れ、検出素子Sの他端側における
出力は小さい(図5参照)。しかし、目的とする検出物
質、例えば検出しようとする化学的種あるいは生物学的
種(標的種)が存在する場合、この標的種がクラッド2
との間で(物理的及び/又は化学的)相互作用を起こ
し、例えばクラッド2が膨潤し、その体積は増大、及び
/又は分極の減少が引き起こされ、その屈折率はLor
entz−Lorentz式に従って減少する。この
時、標的種によりクラッド2が影響を受けてnco>ncl
となるようコア1及びクラッド2の材料を選定している
と、コア1に伝送されている光の漏れがなくなり、検出
素子Sの他端側における出力は大に反転する(図6参
照)。
【0038】従って、出力変化(光量変化)を調べるこ
とによって、標的種に関する定性的及び定量的な分析が
可能になる。上記図4に示した第1実施形態の検出素子
Sは、屈折率がncoのコア1と屈折率がnclのクラッド
2とで構成し、検出物質が存在しない雰囲気下にあって
は、nco≦nclであり、検出物質が存在する雰囲気下に
あっては、検出物質によりクラッド2が影響を受けてn
co>nclとなるようコア1とクラッド2との材料を選定
したに過ぎないものであった。
【0039】しかし、クラッド2が、反応性に富む基
(例えば、フリーラジカル、官能基など)を持つ材料、
例えば反応性に富む基を主鎖及び/又は側鎖に持つポリ
マーで構成され、この材料が前記特徴の屈折率を持つも
のであれば、この検出素子Sは一層好ましいものであ
る。すなわち、この第2実施形態の検出素子Sは、クラ
ッド2が標的種(検出しようとする化学的種あるいは生
物学的種、検出物質)との間に良好な反応性を有する
為、検出しようとする標的種が存在する際に、起こるべ
き反応が迅速に起き、立体構造の変化や電子分極率の変
化を迅速にもたらす為、nco≦nclからnco>nclへの
変化が迅速に起き、すなわち光漏れ構造から導波構造へ
の変化が迅速に起き、標的種の検出がスムーズなものに
なる。
【0040】上記においては、クラッド2が一層の場合
で説明した。しかし、クラッド2が二層あるいは三層以
上の積層タイプであっても良い。例えば、図7に示す如
く、コア1の周囲に、第2実施形態で説明した標的種と
の間に良好な反応性を持つ基を有する材料(例えば、ポ
リマー)で第1クラッド2aを設け、この第1クラッド
2aの周囲に標的種により膨潤する材料からなる第2ク
ラッド2bを設けた検出素子Sは、一層好ましいもので
ある。
【0041】すなわち、この第3実施形態の検出素子S
は、クラッド2aは標的種との間に良好な反応性を持
ち、標的種とは反応を起こし易く、クラッド2aの外側
にあるクラッド2bは標的種により膨潤し易い。ここ
で、標的種が存在すると、クラッド2bが膨潤し、クラ
ッド2aと反応可能な標的種がクラッド2b内に入り込
み、クラッド2aと反応し、クラッド2aの屈折率ncl
はコア1の屈折率ncoより大きなものから小さなものに
変化し、すなわち光漏れ構造から導波構造への変化が迅
速に起き、標的種の検出がスムーズなものになる。
【0042】そして、クラッド2,2aにおける標的種
との間に良好な反応性を持つ基として、紫外線あるいは
可視光のような特定波長の光が照射されると逆反応が起
きる基を選んでおけば、繰り返しての使用が可能にな
る。上記実施形態の検出素子Sは、コア1の一端側から
他端側まで一つのクラッドが設けられていたものであ
る。しかし、同じ材料のクラッドをコア1の一端側から
他端側まで設けなくても良い。例えば、図8に示す如
く、コア1の周囲に、一端側から他端側に向けて、順
に、クラッド2c,2d,2e,……を設けるようにす
ることが考えられる。勿論、クラッド2c、クラッド2
d、クラッド2e、……は、いずれも標的種との間で膨
潤性が違ったり、反応性が違ったりする材料で構成され
ている。尚、nco≦nclからnco>nclへの変化が標的
種の存在により起きる材料で構成されていることは当然
である。このように構成させていると、コアの軸方向
(長さ方向)に沿って、クラッド2c,2d,2e,…
…の膨潤或いは反応に伴った分子構造や電子分極の変化
の起こった部位が変わる為、光漏れ構造から導波構造へ
の変化も順次に変わり、一つの検出素子Sで濃度若しく
は化学組成の相違の検出が可能である。
【0043】又、上記した実施形態のものを適宜組み合
わせた複合タイプのものでも良いことは当然である。上
記した本発明の検出素子Sは、従来の全反射原理を用い
た光ファイバー素子型のものではなく、光漏れ・導波構
造反転、つまり非光ファイバー型から光ファイバー型に
変化することを利用するものである為、この構造反転現
象に伴った出力には大きな変化が現れ、検出が容易なも
のになる。
【0044】従って、この原理を用いて作ったセンサー
の用途は広い。又、デバイス化の簡単さ、更に電気駆動
型ではない為、あらゆる分野に応用可能である。かつ、
後の実施例でも立証されるように、感度の高いセンサー
を設計することが出来る。本発明の検出素子Sは次のよ
うにして製作される。一般的に、クラッドの変化(膨
潤、反応)速度は、用いるクラッド材質と標的種との親
和性や、クラッド材料の重合度などによる。クラッド材
料の分子量が低ければ、変化の応答時間は短いものの、
スポンジの如く膨潤できず、ゲル或いは溶ける為、耐久
性が劣る。従って、クラッドとして好ましい材料は、ポ
リマー、低分子をドーピング或いはブレンドすることに
よって、内部及び/又は表面(好ましくは、少なくとも
内部)に存在させたポリマーである。
【0045】上述のような条件を重視して本発明に使わ
れるクラッド材料としては次のようなものが挙げられ
る。炭化水素類を検出する為のクラッドに使われる材料
としては、例えば架橋天然ゴム、ポリプロピレン、ポリ
イソブテン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリエ
チルビニルエーテル、ポリスチレン、ポリメチルスチレ
ン、ポリエチレン、ノボラック樹脂などのポリマーが挙
げられる。
【0046】水、アルコール類を検出する為のクラッド
に使われる材料としては、例えばポリビニルアルコー
ル、アセチル化度が12%以下の鹸化ポリビニルアルコ
ール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレ
ンオキシド、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリル
アミドなどのような、−OH,−COOH,−NHR
(Rはアルキル基、又はアリル基)を有するポリマーが
挙げられる。
【0047】ケトン類を検出する為のクラッドに使われ
る材料としては、例えばポリブタジエン、ポリジアリル
フタレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリエ
チルビニルエーテル、ポリメチルビニルケトン、ポリメ
タクリル酸メチル、ノボラック樹脂、ポリエチレン、ポ
リアセタール、ポリサルホン等のポリマーが挙げられ
る。
【0048】ハロゲン類や酸類を検出する為のクラッド
には、膨潤性ポリマーと反応性ポリマーとが併用され
る。反応性ポリマーは、次のような色素を主鎖および/
または側鎖に持つポリマーである。良く使われる色素と
して、インジゴ系、フルギド系、ベンゾキノン系、ナフ
トキノン系、アントラキノン系、対称型シアニン系、非
対称型シアニン系、スクアリリウム系、クロコニウム
系、フタロシアニン系、スチルベン系、フルオラン系、
スビロビラン系色素などがある。
【0049】原理は、これらの色素の持つ特殊な官能基
(例えば、OH基、CO基、NO2基、NO基、NH
基、NH2 基)の反応性にある。例えば、フェノールフ
タレインの−OCO−は容易に酸加水分解して−COO
Hに変わるが、この−COOHは可視光によって、再び
−OCO−に戻る為、その吸収スペクトルは深色・浅色
領域内で互変する。従って、クラッドの屈折率がコアよ
り大きく、或いは小さくなるように互変するから、その
結果として光漏れ構造・導波構造の変化が繰り返して起
こることになる。
【0050】金属イオンを検出する為のクラッドには、
金属イオンと親和性のあるイオノフォアー(環状或いは
非環状エーテル)を有する色素が用いられる。この場
合、対象となる金属のサイズ及び親和性によって、エー
テルのサイズ及び色素の種類を選択する必要がある。色
素として、例えばキノンイミン系、フルオラン系、アゾ
系、アントラキノン系、フタロシアニン系色素などがあ
る。これらの色素をポリマーの側鎖或いは主鎖に固定し
て使っても良く、ポリマーにドーピングして使っても良
い。場合によって、色素の反応選択性を保証する為、こ
れらの色素・色素ポリマーを第1クラッド材として使用
し、その外側に膨潤性ポリマーを付けることもあり得
る。
【0051】上記のようなクラッドの材料を選定した
後、クラッドの屈折率を基準として、適当な屈折率を有
するコア材料を選定する。例えば、未膨潤ポリイソプレ
ンの屈折率は1.52であるが、炭化水素系溶媒或いは
ガスによって膨潤すると、その屈折率は1.46まで下
がることから、検出物質が炭化水素系のものであれば、
コア材料としてはその屈折率が1.52と1.46との
間にあるものなら良い。勿論、差が小さいほど、光学特
性の反転(nco≦nclからnco>ncl)を起こす応答時
間が短い。
【0052】屈折率の他に、コア材は、 良好な力学
的特性、 良好な化学的安定性、 良好な物理的安
定性をも考慮するのが好ましい。このような観点から、
コア材料としては、ガラス系材料、ノルボルナジエン系
のポリマー、カーボネート系樹脂、メタクリレート或い
はアクリレート系樹脂などが挙げられる。尚、前記した
クラッドに供するポリマーも目的に応じてコア材料とし
ても使える。
【0053】上記した本発明の検出素子は、デバイス化
が簡単、かつ、低コストである。本発明の検出素子は、
普通のガラス又はプラスチック光ファイバーコアを、ク
ラッド材料の溶液に浸漬して乾燥することにより作製で
きる。又、スピンコートにより製作したクラッドをコア
に貼り付けても良い。基本的に素子本体の長さは数十m
m、例えば20〜30mm程度で済む。これに、図9に
示す如く、必要に応じて設けた光ファイバー3やコネク
タ4を介してLED等の発光手段5やフォトディテクタ
等の受光手段6を繋ぐことによって、デバイス(検出装
置)は得られる。
【0054】用途によっては、作製した検出素子本体を
アレイ状にして使っても良い。例えば、ある化学成分の
濃度により異なる膨潤性を示す材料を各々異なる位置の
コアにコーティングしてから、アレイにすれば濃度セン
サーになる。又、異なる化学成分に対して膨潤性を示す
材質で作製したファイバーによりアレイしたものでは、
化学成分の同定や大気汚染の監視に使われる。従って、
用途に応じるセンサーの製作は自由自在であり、コスト
が低く、量産に適する。
【0055】図10は、100%のアセトンにポリイソ
プレンを浸けた際の屈折率の変化を示すグラフである。
この図10によれば、最初、屈折率はほぼ直線的に減少
し、50秒ほど経過したところで、屈折率は0.04ほ
ど減少していることが判る。図11は、50%のアセト
ン水溶液からアセトン成分を検出する為に、応答に必要
な理論的時間及び実測値を示したグラフである。僅か1
分の経過で出力光強度の変化が始まって、2分間経過し
てほぼ一定値に達した。しかも、理論値と実測値とは良
く一致している。そして、これらの結果から判る通り、
検出を迅速に行える。
【0056】図12は、アセトン水溶液のアセトン濃度
を変化させた時における出力強度の変化を示すグラフで
ある。これによれば、出力強度はアセトンの濃度に比例
して増加することが判る。本発明の検出素子は、クラッ
ドが同一材料で形成されていても、標的種による応答時
間が異なる応答時間特性を利用して同一組成のものでも
他種類の化学種を検出することが可能である。
【0057】又、標的種を検出した後、この標的種がな
くなった場合、例えばアセトンを検出した後、これが空
気中に戻されると、元の状態に復原する。又、復原が可
逆的でない場合、例えばハロゲン化合物や毒ガスなどの
検出において、標的種とクラッドとの間での不可逆的な
化学反応が起こった場合でも、紫外線あるいは可視光な
どを照射することによって、解離反応を起こさせること
も出来、このような場合には繰り返して使用することが
可能となる。
【0058】以下、具体的な実施例を挙げて説明する。
【0059】
【実施例1】 〔アルカンの検出〕コア材料として、通常の状態下では
屈折率が1.51のアトーン(富士通化成製のプラスチ
ック系光ファイバーコア)を用いた。クラッド材料とし
て、通常の状態下では屈折率が1.52で、分子量が4
10000のポリイソプレンを用いた。
【0060】そして、厚さが4μm,6μm,8μmの
膜を各々前記ポリイソプレンの溶液からスピンコート法
で作製し、この膜を直径1mm、長さ20mmのアトー
ン製コア1に貼り付けてクラッド2とし、図4に示すタ
イプの検出素子Sを作製した。そして、この検出素子S
を用いて図9に示す検出装置を用意し、アルカンの検出
に用いた。その結果を、図16〜図18に示す。
【0061】これによれば、検出素子Sがアルカン雰囲
気下に置かれると、クラッド2が影響を受けて変性し、
屈折率が低下し、nco≦nclからnco>nclに変化する
ことから、すなわち光漏れ構造から導波構造への変化が
起きることから、フォトディテクタ等の受光手段6の出
力強度が著しく増加していることが判る。これによっ
て、アルカンの検出が可能なことが判る。
【0062】尚、クラッドの厚さによって応答時間が異
なることも判る。フォトディテクタ等の受光手段6をク
ラッド2の周側面に対向して設けたならば、検出素子S
がアルカン雰囲気下に置かれると、クラッド2が影響を
受けて変性し、屈折率が低下し、nco≦nclからnco>
nclに変化することから、すなわち光漏れ構造から導波
構造への変化が起きることから、出力強度が零になるこ
とを検出でき、これによってアルカンの検出が可能にな
る。
【0063】
【実施例2】 〔H2 Oの検出〕10%のポリビニルアルコール(PV
A)水溶液を用意し、この水溶液を屈折率1.51のア
トーン製コア1にコーティングし、乾燥後、5%のグル
タルアルデヒドを含む1M塩酸溶液中に30℃にて10
分間浸漬してPVAを架橋させて厚さ5μmのクラッド
2とし、図4に示すタイプの検出素子Sを作製した。そ
して、この検出素子Sを用いて図9に示す検出装置を用
意し、検出に用いた。その結果を、図19に示す。
【0064】これによれば、検出素子SがH2 O雰囲気
下に置かれると、クラッド2が影響を受けて変性し、屈
折率が低下し、nco≦nclからnco>nclに変化するこ
とから、すなわち光漏れ構造から導波構造への変化が起
きることから、フォトディテクタ等の受光手段6の出力
強度は著しく増加していることが判る。これによって、
2 Oの検出が可能なことが判る。
【0065】
【実施例3】 〔ジエチルエーテルの検出〕クラッド材料としてのノボ
ラック樹脂を次のようにして合成した。500mlの四
口セパラブルフラスコに精製したフェノール50g、3
7%のホルムアルデヒド水溶液37ml、触媒として3
5%のHClを0.03ml加えた。オイルバスで攪拌
しながら加熱し続ける。そして、内温を90℃にキープ
して約2時間環流させた。この後、反応物を蒸発皿に移
し氷水で沈殿させた。
【0066】このノボラック樹脂を屈折率が1.51の
アトーン製コア1にコーティングして厚さ5μmのクラ
ッド2とし、図4に示すタイプの検出素子Sを作製し
た。そして、この検出素子Sを用いて図9に示す検出装
置を用意し、ジエチルエーテルの検出に用いた。その結
果を、図20に示す。これによれば、検出素子Sがジエ
チルエーテル雰囲気下に置かれると、クラッド2が影響
を受けて変性し、屈折率が低下し、nco≦nclからnco
>nclに変化することから、すなわち光漏れ構造から導
波構造への変化が起きることから、フォトディテクタ等
の受光手段6の出力強度は著しく増加していることが判
る。これによって、ジエチルエーテルの検出が可能なこ
とが判る。
【0067】
【実施例4】 〔HClガスの検出〕クラッド材料としてフェノールフ
タレインを側鎖に持つポリメタクリレートを次のように
して合成した。蒸留したメタクリル酸50g、開始剤と
してAIBNを0.3g重合管に入れた。窒素で置換し
てから注入管を熔封した後、液体窒素で凍らせて脱気操
作を行った。次に、重合管を40℃にキープしているオ
イルバスに入れて24時間かけて重合した。出来たポリ
マーを取り出し、再沈で精製した。
【0068】窒素の雰囲気中にて、500mlの四口フ
ラスコに脱水したテトラヒドロフラン(THF)を50
ml、ポリメタクリル酸を8.2g入れて、氷で冷やし
ておく。次に、滴下ロートにより、二塩化オキザリルを
12.2g(96.1mmol)ゆっくり添加して、室
温で24時間攪拌し続けた。この後、9.1g(28.
6mmol)のフェノールフタレインをTHFに溶かし
て室温にて滴下した後、24時間攪拌した。反応終了
後、氷水に導入して沈殿させた。得た白い綿状ポリマー
を水で再沈殿した。
【0069】この色素ポリマーは多くの極性溶媒に膨潤
するため、そのままで極性の溶媒の検出にも使えるし、
又、その酸性加水分解特性を利用してHX(Xはハロゲ
ン)の検出にも使える。この色素ポリマー(屈折率が
1.54)をアートン(屈折率が1.51)製コア1に
厚さ4μmコーティングして、図4に示すタイプのハロ
ゲン系ガス検出素子Sを作製した。そして、この検出素
子Sを用いて図9に示す検出装置を用意し、ハロゲン系
ガスの検出に用いた。その結果を、図21に示す。
【0070】これによれば、検出素子SがHCl雰囲気
下に置かれると、クラッド2が影響を受けて変性し、屈
折率が低下し、nco≦nclからnco>nclに変化するこ
とから、すなわち光漏れ構造から導波構造への変化が起
きることから、フォトディテクタ等の受光手段6の出力
強度が著しく増加していることが判る。これによって、
HClの検出が可能なことが判る。
【0071】
【実施例5】 〔金属イオンの検出〕500mlの四口フラスコに9.
96g(40mmol)の水酸化ナトリウムと50ml
のDMSOとを入れ、70℃に加熱しながら攪拌する。
溶液が透明になってから、4.85g(40mmol)
のベンズアルドキシムを30mlのジメチルスルホキシ
ド(DMSO)に溶解した溶液を加え、更に1時間70
℃に維持する。次に、6.7g(20mmol)の4’
−ニトロベンゾ−15−クロウン−5を50mlのDM
SOに溶解した溶液を加え、室温で48時間反応させ
た。反応系を氷水に注ぎ、塩酸で酸性にしてからエーテ
ルで抽出する。抽出液を5%の水酸化ナトリウムで逆抽
出して再び塩酸で酸性にする。有機層を分離し、濃縮し
てカラム(シリカゲル/展開溶媒トルエン)で精製し
た。
【0072】次に、50mlのジクロロエタン、1.8
g(17.6mmol)のトリエチルアミン、5g(1
7.6mmol)の4’−ヒドロキシベンゾ−15−ク
ロウン−5を500mlの四口フラスコに窒素の雰囲気
下で仕込んでから、塩/氷で0℃にキープしながら攪拌
する。この後、メタクリロイルクロライド1.94g
(18.5mmol)のジクロロエタン溶液を滴下ロー
トでゆっくり滴下した。この後、室温に戻して更に24
時間攪拌を続けた後、50mlの純水を滴下し、有機層
を分離して濃縮した。
【0073】このメタクリレートを2g(5.7mmo
l)、イソプレンを0.9g(13.3mmol)、重
合開始剤AIBNを0.005g重合管に入れ、3回脱
気し、50℃のオイルバスにて12時間重合させた。こ
のポリマーをトルエンに溶かし、屈折率1.49のPM
MA材質のコア1に厚さ6μmコーティングし、図4に
示すタイプの金属イオンの検出素子Sを作製した。そし
て、この検出素子Sを用いて図9に示す検出装置を用意
し、金属イオンの検出に用いた。その結果を、図22に
示す。これによれば、銅イオン、マグネシウムイオンに
対して良好な応答が得られていることが判る。
【0074】
【発明の効果】光漏れ構造から導波構造への変化に伴
い、そこを通る光学特性の反転から標的物質の検出を行
うようにしたので、検出精度が高い。そして、ガソリン
タンクの漏れセンサー、河川及び地下水中の各種有機溶
媒の調査監視センサー、家庭のプロパンガスセンサー、
クリーンルームの精密空調センサー、動・植物生育室内
の温度制御や監視センサー、食品乾燥工程の湿度管理セ
ンサー、半導体工場や電気・光通信ケーブルなどの内部
浸水を嫌う場所の監視センサー、大気汚染監視センサ
ー、アルシンやシランなどのような毒ガスセンサー、そ
の他にも高圧ガスボンベのような各種ガス、液体の貯蔵
缶(タンクなど)レベルセンサー、又、CVD(Che
mical Vapor Deposition)工程
におけるガス濃度センサーに応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】任意点(x,t)におけるオイル系溶液の濃度
【図2】Ray tracing methodによって出力光を求める為
の説明図
【図3】アセトン・ポリイソプレン系を用いたシュミレ
ート結果
【図4】検出素子の説明図
【図5】検出素子の説明図
【図6】検出素子の説明図
【図7】検出素子の説明図
【図8】検出素子の説明図
【図9】検出装置の説明図
【図10】アセトンにポリイソプレンを浸けた際の屈折
率の変化を示すグラフ
【図11】アセトン水溶液からアセトンを検出する応答
に必要な理論的時間及び実測値を示したグラフ
【図12】出力強度のアセトン濃度依存性のグラフ
【図13】出力強度のヘプタンガス濃度依存性のグラフ
【図14】アセトン水溶液の繰り返し応答特性のグラフ
【図15】センサーを空気中に戻す時の屈折率変化のグ
ラフ
【図16】屈折率の膜厚依存性のグラフ
【図17】ヘキサンの繰り返し応答特性のグラフ
【図18】ヘキサンガスの応答特性のグラフ
【図19】水の繰り返し応答特性のグラフ
【図20】ジエチルエーテルの繰り返し応答特性のグラ
【図21】HClの繰り返し応答特性のグラフ
【図22】2価Cuイオンの繰り返し応答特性のグラフ
【符号の説明】
1 コア 2 クラッド S 検出素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梁 傳信 山梨県北都留郡上野原町上野原8154−217 株式会社トリケミカル研究所内 (72)発明者 野田 直人 山梨県北都留郡上野原町上野原8154−217 株式会社トリケミカル研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率がncoのコアと、このコアの周囲
    に設けられた屈折率がnclのクラッドとを具備してなる
    検出素子であって、 検出物質が存在しない雰囲気下にあっては、nco≦ncl
    であり、検出物質が存在する雰囲気下にあっては、検出
    物質により前記クラッドが影響を受けてnco>nclとな
    る材料で前記コア及びクラッドを構成したことを特徴と
    する検出素子。
  2. 【請求項2】 クラッドは一層であることを特徴とする
    請求項1の検出素子。
  3. 【請求項3】 クラッドは複数積層されたものであり、
    検出物質が存在しない雰囲気下にあっては、コアの屈折
    率nco≦クラッドの屈折率nclを満たすと共に、コアに
    近い下層側のクラッドの屈折率nclb ≦コアから遠い上
    層側のクラッドの屈折率nclt を満たし、検出物質が存
    在する雰囲気下にあっては、検出物質により前記クラッ
    ドの少なくとも一つが影響を受け、そのクラッドの屈折
    率ncl<コアの屈折率ncoとなる材料で前記コア及びク
    ラッドを構成したことを特徴とする請求項1の検出素
    子。
  4. 【請求項4】 検出物質により膨潤する材料でクラッド
    を構成したことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれ
    かの検出素子。
  5. 【請求項5】 検出物質と反応する基を持つ材料でクラ
    ッドを構成したことを特徴とする請求項1〜請求項4い
    ずれかの検出素子。
  6. 【請求項6】 クラッドは複数積層されたものであり、
    コア側にある下層クラッドは検出物質と反応する基を持
    つ材料で構成され、コアより遠い側にある上層クラッド
    は検出物質により膨潤する材料で構成されてなることを
    特徴とする請求項1又は請求項3の検出素子。
  7. 【請求項7】 異なる材質のクラッドがコアの軸方向に
    沿って複数設けられてなることを特徴とする請求項1〜
    請求項6いずれかの検出素子。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7いずれかの検出素子
    と、この検出素子のコア一端側に設けられた発光手段
    と、前記検出素子のコア他端側に設けられた受光手段と
    を具備することを特徴とする検出装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項7いずれかの検出素子
    と、この検出素子のコア一端側に設けられた発光手段
    と、前記検出素子のクラッド周側面に対向して設けられ
    た受光手段とを具備することを特徴とする検出装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項7いずれかの検出素
    子と、この検出素子のコア一端側に設けられた発光手段
    と、前記検出素子のコア他端側に設けられた第1の受光
    手段と、前記検出素子のクラッド周側面に対向して設け
    られた第2の受光手段とを具備することを特徴とする検
    出装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜請求項7いずれかの検出素
    子を用いて検出物質を検出する方法であって、 前記検出素子のコア一端側から所定量の光を入射する入
    射工程と、 前記検出素子のコア他端側から出て来る光量を測定する
    測定工程と、 前記測定工程で測定される光量が増加するのを検出する
    検出工程とを具備することを特徴とする検出方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜請求項7いずれかの検出素
    子を用いて検出物質を検出する方法であって、 前記検出素子のコア一端側から所定量の光を入射する入
    射工程と、 前記検出素子のクラッド周側面から出て来る光量を測定
    する測定工程と、 前記測定工程で測定される光量が減少するのを検出する
    検出工程とを具備することを特徴とする検出方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜請求項7いずれかの検出素
    子を用いて検出物質を検出する方法であって、 前記検出素子のコア一端側から所定量の光を入射する入
    射工程と、 前記検出素子のコア他端側から出て来る光量を測定する
    第1測定工程と、 前記第1測定工程で測定される光量が増加するのを検出
    する第1検出工程と、 前記検出素子のクラッド周側面から出て来る光量を測定
    する第2測定工程と、 前記第2測定工程で測定される光量が減少するのを検出
    する第2検出工程とを具備することを特徴とする検出方
    法。
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