JPH1138168A - 核融合装置 - Google Patents

核融合装置

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JPH1138168A
JPH1138168A JP9195659A JP19565997A JPH1138168A JP H1138168 A JPH1138168 A JP H1138168A JP 9195659 A JP9195659 A JP 9195659A JP 19565997 A JP19565997 A JP 19565997A JP H1138168 A JPH1138168 A JP H1138168A
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discharge
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電開始時においてプラズマ電流と真空容器
を流れる電流をまとめて制御する事で安定な放電開始を
得る。 【解決手段】 電流を検出するロゴスキーコイル1a,
1bと、検出信号の演算器5と、演算出力と参照電流I
Prefの差を増幅する増幅器6と、その出力が指令信
号として供給される電源7と、電源7により電圧が加え
られる変流器コイル8との計測制御系を有し、プラズマ
電流IPと真空容器電流IVの合計ITまたは真空容器
電流IVを10−100eV相当のプラズマ一周抵抗Ω
Pと真空容器一周抵抗ΩVとの比で換算した電流IVΩ
V/ΩPとの合計IT’を一定に制御しながらプラズマ
を発生させる。これにより、放電開始時にプラズマの発
生を妨害する渦電流による磁場を一定の分布と強度に保
つことができ、ポロイダル磁場コイルの磁場を調整する
ことでプラズマ発生に適した磁場分布を保持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は核融合装置の制御装
置に係わり、プラズマの安定な制御、特にプラズマの放
電開始を安定にかつ再現性良く実行できる制御装置を備
えた核融合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】核融合装置では希薄水素ガスをド−ナツ
状の真空容器に入れ、そのガスに電流(プラズマ電流)
を流し水素ガスを高温のプラズマにする。このプラズマ
中で核融合反応を起こしエネルギーを発生させる。プラ
ズマは磁場により真空容器の壁からは隔離されている
が、時にプラズマが不安定となり直接真空容器壁に接す
る事もある。この場合、プラズマは不安定となり消滅す
る事もある。特に放電開始時には不安定となり易い。こ
れはプラズマ中を流れる電流(プラズマ電流)が小さ
く、僅かな磁場でプラズマが移動してしまう為である。
このため、一般的にはなるべく高い電圧を加えて、一気
にプラズマ電流を増加させる事が行われている。
【0003】図9には従来のプラズマ電流制御系を示
す。真空容器4の内部に置かれたロゴスキーコイル1で
プラズマ電流(IP)2を計測し、ドーナツ状真空容器
4の内周に設置した一周ループ3で一周電圧V1を計測
している。演算器5は、ここでは磁気センサ−からの信
号を積分し磁場デ−タを生成している。プラズマ放電開
始時に従来行われている制御法は次の数1,数2の2つ
である。
【0004】
【数1】
【0005】または、
【0006】
【数2】
【0007】ここで、VOHは変流器コイル電源電圧で
あり、IPrefとVOHrefはそれぞれ基準のプラ
ズマ電流値と変流器コイル電源電圧である。数1では計
測値IPとの差を増幅器6で利得G倍されて電源7より
核融合装置の変流器コイル8に負帰還制御される。数2
の場合には変流器電源は指令電圧をそのまま出力する。
【0008】図10に従来方法での放電開始時の変流器
コイル電源電圧VOHとその参照値VOHref,一周
電圧V1及びプラズマ電流IPとその参照値IPref
の典型的な例を示す。このような実験例は例えばJAE
RI−M 86−174,日本原子力研究所,(198
6)に示されている。放電を起こすためには一周電圧V
1として通常20V以上の電圧をパルス的に加える、ま
たその後プラズマ電流が増加してくるまで数1及び数2
の式に従って電源電圧を変流器コイル8に加える。小電
圧で放電開始できる装置でもこの間は少なくとも一周電
圧V1換算で2.5V程度以上加える必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記のように放電開始
時に加える電圧のために真空容器には渦電流がながれ、
放電開始を妨害する磁場を発生する。このため、従来の
装置ではなるべく渦電流が流れないように抵抗の大きな
真空容器を設計・製作していた。
【0010】しかし、真空容器の抵抗を大きくする事
は、薄肉構造とかセラミック等の絶縁物を使う事にな
り、厚肉ステンレス鋼で全体を製作する場合に比べて構
造強度は弱くなる。一方、核融合装置にはディスラプシ
ョンと呼ばれるプラズマ電流が瞬断する現象がある。こ
のときには高抵抗構造の場合でも渦電流が流れ、ポロイ
ダル磁場やトロイダル磁場との相互作用で大きな電磁力
が働く。高抵抗の場合、構造的に弱い部分が電磁力に耐
えられずに装置が破壊される恐れがある。
【0011】これを防止するためには、高抵抗部を排除
した設計が望ましいが、この場合には真空容器全体が低
抵抗となり、放電開始時に渦電流が多く発生し、その過
電流による磁場が放電開始を妨害し易い。この点を改善
し、低抵抗の真空容器でも安定に放電開始できる磁場制
御技術を開発する必要がある。
【0012】また従来のプラズマ放電開始法ではプラズ
マの生成時には変流器コイルの電源電圧を一定値(VO
Href)に制御し、プラズマ発生後しばらくしてプラ
ズマ電流をIPrefの基準値に制御する方法を採用し
ている。ここで問題となる事は制御方法の不連続な切り
替え時にプラズマ位置が不安定になることである。つま
り、変流器コイル電源は切り替え直前には数2でVOH
refを出力しているが、それが数1での制御に切り替
わるとVOHrefとは異なる電圧を出力することにな
る。この様子は図10の制御法切り替え(I)9に示さ
れている。この結果、渦電流の分布と強度が変わると共
にポロイダル磁場分布も変化し、プラズマを不安定にす
る事がある。
【0013】一方、IPrefを基準として制御する方
法に移行した後でも、IPrefを一定にした制御から
IPrefを時間的に増大させていく制御に切り替わる
制御法の切り替え(II)10もある。この時点でも制御
法の切り替え(I)9と同じ問題が発生する。このよう
な制御法の不連続な切り替えは強固な核融合装置をつく
るために一周抵抗の小さい真空容器を採用した場合に特
に大きな問題となり、低抵抗真空容器の実現に対して最
大の問題となっている。
【0014】低抵抗真空容器の実現には前記の問題点が
有ることを説明したが、ここでは日立トカマクHT−2
でのデータを用いて具体的に問題点を説明する。図2に
は渦電流により発生するポロイダル磁場BPe(a)と
これを打ち消すポロイダル磁場コイル(PFC)による
磁場BPc(b)および合計の磁場BP(c)をポロイ
ダル磁場強度BPの分布図を等高線で示す。図中の数値
は磁場強度で1/1000T単位である。また、図3に
は渦電流によるポロイダル磁束ψe(a)、PFCによ
るポロイダル磁束ψc(b)、および合計の磁束ψ
(c)をポロイダル断面内での分布図として示す。図4
にはこれらのデ−タを得た放電の波形を、プラズマ電流
IP,一周電圧V1,真空容器電流IVおよびプラズマ
をつくる水素ガスからの発光強度Hβの時間変化として
示す。
【0015】図2と図3の分布は放電開始直前(図4で
時刻6.4ms)の分布である。放電開始についてはた
とえば文献(B.Lloyd,G.L.Jackso
n,T.S.Taylor,E.A.Lazarus,
T.C.Luce,R.Prater,"Low vol
tage Ohmic and electron cyc
lotron heating assisted st
artup in DIII−D",Nucl.Fusio
n,31(1991)2031.)に記述されているよ
うに微少なポロイダル磁場(0.001T以下)が放電
開始に影響を与える。
【0016】図2から解るように渦電流による磁場は、
図4のようにV1=2.5Vという非常に低い電圧で放
電を開始しても0.001−0.003Tの磁場を作り
放電開始を妨害する。しかし、図2(b)のようにPF
Cにより適切な磁場を加えると、図2(c)のように真
空容器内部でポロイダル磁場強度BPが弱い磁場分布を
つくる事ができる。また図3のポロイダル磁束分布から
明らかなように、PFCによる磁束ψcは渦電流による
磁束ψeとあわせた全ポロイダル磁束ψとは全く異なっ
た分布であり、渦電流による磁場を無視して放電を開始
する事は不可能である事が解る。
【0017】図2および図3のように渦電流による磁場
を含めたポロイダル磁場分布を高精度に制御できれば安
定に放電を開始できる。しかし、問題点は渦電流が外部
から直接に制御できる量ではない点である。変流器コイ
ルも含めたPFCが発生する磁場により渦電流が発生す
る。変流器コイルとして独立したコイルを持たない核融
合装置も存在する。議論を一般化するためにこの様な装
置を念頭にして議論を進める。
【0018】この場合、PFCがつくる磁場は例えばH
T−2で6本のPFCコイルを単独に電流制御する場
合、図5のような磁場モードに分解して制御する。この
うち変流器モードが特に渦電流を発生する。またこの
モードはプラズマ電流を制御するために用いる。他の磁
場モードはプラズマの平衡磁場つまりポロイダル磁場強
度BP分布やプラズマ位置断面形状を制御する。プラズ
マ領域に単位電流あたり発生する磁束の大きさ(基準モ
ードを1.0とした相対値)を各磁束分布図の下側の括
弧内に示している。
【0019】変流器モードは単位電流当たりの磁束が大
きく、小さい電流で大きな磁束をつくる。電流は小さく
て良いのでプラズマ領域につくるBPは小さい。放電開
始時にプラズマ電流IPを増加させるためにはこの変流
器モードを増加させる。つまり数1および数2の出力に
応じてこの変流器モードを変化させる。PFCによる変
流器モードはプラズマ周囲のポロイダル磁場BPに影響
を与えないように磁場モードを構成する事はできる。し
かし、変流器モードによって発生させられた渦電流であ
ってもBP分布に影響を与える。つまり、変流器モード
以外の垂直磁場や四重極磁場,のような正味のB
Pを発生し放電開始を妨害する磁場を発生する。しか
し、渦電流による磁場は制御不能であり、変流器モード
以外の磁場を発生しないように渦電流を制御する事はで
きない。従って、渦電流で発生したBPを打ち消すよう
にPFCによりポロイダル磁場を積極的に制御する必要
がある(図2,図3参照)。
【0020】一方、プラズマ発生後、プラズマ電流IP
を増加させるためにはIPrefまたはVOHrefを
時間の関数で増加させる必要がある。このため、渦電流
が時間と共に変化する事になる。しかし、これは時間と
共に渦電流によってつくられるBPの分布や強度も変化
する事を意味する。放電開始時でIPが小さい時刻にこ
のようにプラズマ発生領域でBPが変化したのでは安定
に再現性良くプラズマ電流を立ち上げることは難しい。
【0021】本発明の目的は、このような点の改善のた
めには、放電開始時において変流器モードの強度を時間
的に緩やかに変化させ、渦電流による磁場がプラズマの
生成を妨害しないで安定な放電開始を得ることができる
よう制御することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の制
御手段によって達成される。即ち、核融合装置の放電開
始は一周電圧V1印加後、(1)電子雪崩による電子数
の増倍、(2)プラズマの発生、(3)安定なプラズマ
状態となる電流値までのプラズマ電流の増加、の3段階
に分かれて進展する。実際の運転ではさらに(4)大プ
ラズマ電流値までIP上昇過程がある。渦電流による磁
場が変化して放電開始を妨害する段階は(1)(2)お
よび(3)の段階である。従って本発明はこの2つの段
階で渦電流によるBPが変化しない事が課題を解決する
ための基本となる。
【0023】つまり、(1)と(2)の段階では渦電流
による磁場を変化させる主な原因となる一周電圧V1の
変化が少ない方法をとり、かつプラズマが発生しても不
連続な制御法の切り替え無しで(3)の段階に入りプラ
ズマ電流が安定に放電を維持できる程度まで増加する制
御を実行する。このような制御手段は、ポロイダル磁場
の負帰還制御に加えて、IPやVOHを直接に制御する
のでなく、プラズマ電流IPと真空容器電流IVの合計
電流値ITを制御する事で実現できる。すなわち、IT
=IP+IVを一定に制御する。(1)と(2)ではI
P≒0であり、IT≒IVである。つまり(1)と
(2)の段階ではITを一定に制御すればIV(従って
渦電流)を一定に制御できる事になる。一方、一周電圧
はV1=IV×ΩVであるのでV1も一定値に制御でき
る。このように制御すれば(1)と(2)では過電流分
布の変化は小さくBP分布を安定に制御できる。
【0024】一方、(3)の段階ではIPが増加する必
要があが、これにはプラズマ一周抵抗が電子温度の上昇
と共に低下し、プラズマに電流が流れやすくなる事を利
用する。一般にプラズマが発生した後にはプラズマの電
子温度Teは徐々に高くなる。プラズマの一周抵抗ΩP
はTeの−3/2乗に比例して電子温度の上昇とともに
低下する。従って、ITを一定に制御するとIP/IV
=ΩV/ΩPであるので、電子温度の上昇とともにIP
が増加しIVが低下することになる。つまり、真空容器
に流れていたトロイダル方向の電流IVはプラズマ電流
IPに転流する。
【0025】このような制御法をとればプラズマが発生
するまではプラズマ発生領域のBPを一定に制御でき、
プラズマ発生後は自動的に不連続な制御法の切り替え無
しでプラズマ電流IPを増加させる事ができる。この結
果、再現性よく安定な放電開始を核融合装置で得る事が
でき、一定値に制御しているIT値程度(少なくとも数
分の1から半分程度)までIPを立ちあげる事ができ
る。IPが大きくなった後ではプラズマは安定であるの
で、IPrefを変化させてもプラズマが不安定にはな
り難い。このためIPが例えばITの半分程度まで大き
くなった後にIPrefを通常の運転に必要な大きな値
まで変化させていく。図10でのプラズマ電流増加{制
御法の切り替え(II)}はプラズマ電流がまだ小さくプ
ラズマが不安定な時期に行うが、本発明であれば安定な
プラズマが得られるIPまでは不連続な制御を避けて放
電を開始できる。
【0026】以上の制御手段を式として記述すると数3
のようになる。
【0027】
【数3】
【0028】δIOHcomは変流器モードの強さの負
帰還制御による調整分の指令値である。この制御を実行
すると、数4となる。
【0029】
【数4】
【0030】ただし、この制御方程式で安定な放電がで
きるのは数5
【0031】
【数5】
【0032】の場合である。この場合、プラズマ生成時
には抵抗ΩP(10eV)より真空容器抵抗ΩVは小さ
いのでIPが小さくIVが大きい。このため放電初期に
はITを制御する事はIVを制御する事になる。また、
プラズマ電流IPが増加してくるとプラズマ電子温度T
eが上昇し、ΩV>ΩPでIV<IPとなり、ITを制
御する事はIPを制御する事になる。この結果、放電開
始の進展に伴いIV制御からIP制御へと自動的に切り
替わる事になる。
【0033】数5の制限のない一般化された制御式は数
6の式となる。
【0034】
【数6】
【0035】ここでΩP(Te0)は電子温度Te0で
のプラズマ一周抵抗である。Te0はプラズマ生成時の
電子温度(10eV程度)より大きく、フラットトップ
より十分小さい電子温度であり、例えば、 Te0=3
0eV程度と考えると良い。また、数3との相違点は合
計電流IT=IP+IVの代わりとしてIT’=IP+
IV ΩV/ΩP(Te0)を用いた事で、この制御を
実行すると数7
【0036】
【数7】
【0037】のようになる。電子温度が小(Te<Te
0)であればIVΩV/ΩP(Te0) ≒ IPref
であり、Te>Te0ではIP≒IPrefとなる。
【0038】例えば、ΩP(leV)=ΩVの様な場
合、放電開始に必要な一周電圧を加えてもIVは小さ
い。数3の制御を行っているとプラズマ発生時にIT一
定値制御ではIPは大きくならない事になる。従ってI
Pが小さくプラズマが不安定な時に図10の制御法切り
替え(II)を実行する事になる。しかし、数6ではΩP
(leV)=ΩVの様な場合でもなめらかにIV制御か
らIP制御に切り替わる。そして、IPが大きくなった
時点からIPrefを必要なプラズマ電流値まで立ちあ
げていく。数6および数7でIVΩVは一周電圧V1に
等しい。従ってこの部分を一周電圧V1の計測値で置き
換える事も可能である。
【0039】上記したプラズマ電流IPと真空容器電流
IV(または換算した電流値IVΩV/ΩP(Te
0))の合計電流ITを制御する手段によると、プラズ
マ生成まではIPがほぼ零であるのでIVを制御でき、
ITを一定にすれば渦電流の強さと分布が一定となり、
真空容器内に発生する磁場も一定の分布となる。この結
果、再現性よく安定にプラズマを生成できる。プラズマ
生成後は、電子温度の上昇とともにプラズマ一周抵抗Ω
Pが小さくなる。プラズマと真空容器は並列回路であ
り、抵抗の小さい方に主に電流が流れるので電子温度が
上昇してくるとΩPが小さくなり主にプラズマに電流が
流れるようになる。この結果、IVは小さくなるのでI
Tを制御する事はIPを制御する事と等価となってく
る。従って、ITを一定値に制御すれば、プラズマの発
生まではIV(従って一周電圧V1)を一定に制御する
事になり渦電流による磁場分布BPを一定にできる。プ
ラズマ発生後はΩPの低下に伴ってIVが減少しIPが
増加して自動的にプラズマ電流をたちあげる事ができ、
IP制御に移行できる。プラズマ電流のフラットトップ
を目指して本格的にIPを増加させる制御への切り替え
を安定に放電ができるIP値になった後で実行できるの
で、放電開始時にプラズマが不安定になることが無い。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
によって説明する。図1は本発明の一実施形態の構成図
で、数6による電流制御を行っている。2つのロゴスキ
ーコイル1a,1bを用いており、真空容器4の内側の
ロゴスキーコイル1aでプラズマ電流(IP)2を計測
し、真空容器外側に置いたロゴスキーコイル1bでプラ
ズマ電流2と真空容器電流11の合計電流ITを計測し
ている。
【0041】演算器5はロゴスキーコイル1a,1bか
らの信号を積分回路を通してそれぞれITとIPに比例
する信号にすると共に、数5に関して{IP+IVΩV
/ΩP(Te0)}の演算を行う。参照信号IPref
12は通常放電開始前に実験条件に合わせて設定され
る。この設定値IPrefと演算回路5からの信号{I
P+IVΩV/ΩP(Te0)}との差をとり、増幅器
6で利得G倍し変流器コイル電源7に指令IOHcom
として送られる。
【0042】変流器コイル電源7はこの指令に従って変
流器コイル8に電圧を加え電流を流し、IT’={IP
+IVΩV/ΩP(Te0)}を制御する。このような
制御系を持った計測制御系において放電開始時に数7ま
たは数7のIPrefを一定値に制御する。
【0043】真空容器の一周抵抗ΩVがTe0で計算し
たプラズマ一周抵抗ΩP(Te0)と同程度の大きさで
あればIT'を用いなくても、ITをそのまま用いる事
で十分である。この場合にもITを放電開始時に一定に
制御する。ITまたはIT'を一定値にしておく期間
は、一周電圧を加えた時点からプラズマ電流がIVに比
べて大きくなった時点までである。その後はITを大き
くする事でプラズマ電流IPを増加させる。IPが大き
くなるとプラズマのジュール加熱も大きくなりプラズマ
は加熱される。この結果、ΩPは低下し、IPの上昇と
ともにV1=ΩP×IPが低下する事になり、フラット
トップではIVが低下してITを制御するとIPを制御
する事になる。
【0044】図6にITを一定にしてプラズマ電流IP
をたちあげた場合をHT−2での実験結果として示す。
HT−2のプラズマ主半径は42cm,小半径は10c
mで、ΩV=0.3mΩである。これはΩP(35e
V)に相当する。この条件は数5を満たすのでIT(=
IP+IV)を制御している。図中、最上部にプラズマ
電流IP,中央の枠に真空容器電流IVとIT=IP+
IV,最下部に主半径内側の真空容器内外で計測したポ
ロイダル磁場強度BPの時間変化を示す。この実験はI
Tを一定値に制御してもIPのたちあげが可能である事
を示すための実験である。通常の実験ではプラズマ生成
後(図6の実験では12msから20ms頃の間)にI
Tを増加させる指令をIPrefを通じて電源に入力
し、IPを増加させる。しかし、この実験ではITを一
定値に制御していてもIPを立ちあげる事ができる事を
示す実験であり、ITを一定制御の後にたちあげる指令
はIPrefに入力してない。
【0045】実際の核融合装置の運転ではIPを増加さ
せていく必要がある。このためプラズマ発生後にはIT
を一定値制御から増加させる制御に移行する必要があ
る。どの程度の時間ITを一定に保つ必要があるかを検
討しておく。一周電圧印加後、図6の実験ではTV=約
1.5ms後にIV=9kAに達し、その後一定値に保
っている。プラズマが生成された時刻は9msである。
この間の7.5msはタウンゼントの第1電離係数を基
に計算できる電子雪崩による電子増倍に必要な時間TB
と矛盾はない。従って、電子雪崩モデルから電子増倍に
必要な時間を求め、これにIVが定常状態に達する時間
を加えるとプラズマが生成される時間を推定できる。プ
ラズマ生成後に真空容器電流IVがプラズマに移る時定
数は回路モデルより求められる。例えば、簡略化して式
を表すと、数8となる。
【0046】
【数8】
【0047】ここで、LPはプラズマのインダクタン
ス,MPVはプラズマと真空容器の相互インダクタンス
である。時定数は(LP−MPV)/ΩP(Te0)で
求められる。したがって、プラズマ生成後にこの時定数
程度の時間TCの後にITの指令値を上昇させる。この
TCは時定数(LP−MPV)/ΩP(Te0)程度で
あるが、厳密なものではなく、例えば1/10から2倍
ていどの時間でも良い。このような手順であらかじめI
Tを一定に保つ時間の長さを推定できる。最終的には、
実験結果を再検討して最適な時間を決める必要がある
が、このようにして決めた時間程度以上の時間でITを
一定値にしておく事になる。
【0048】図7は本発明の他の実施形態で、一周電圧
Vlを用いて実施した場合を示す。IV+IPを計測し
ていた外側のロゴスキーコイルの代わりとして、Vlを
一周ループ3を用いて計測している。一般に、数9
【0049】
【数9】
【0050】であるので一周電圧計測値から真空容器電
流IVを求める事ができる。これにより、図7の制御系
でも図1や図6での真空容器電流を一周電圧から求めた
電流値に置き換える事で同じ制御方法が可能となる。
【0051】図8はより一般的な計測系とポロイダル磁
場コイルPFC13での制御システムに本発明を適用し
た場合の実施形態である。一般的に磁気センサ−として
磁気プローブ12があり、必ずしも図1のように2つの
種類のロゴスキーコイルがあるわけではない。しかし、
磁気プローブ12とロゴスキーコイル1および磁束ルー
プ16のデ−タを組み合わせる事で真空容器電流とプラ
ズマ電流は分離して計測できる。この点は例えば M.
Abe et al.,J.of Plasmaand F
usion Res.Vol.70 P.671(199
4)に記述されている。
【0052】ただし、図8では一周ループ3を持ってお
り、図7の場合と同じ本発明の適用が可能である。図8
では磁場デ−タを用いて磁場解析を行い放電開始時の磁
場制御を行っている。この例では磁場解析器17で計測
磁場デ−タをもとに磁場解析法によって真空容器内での
磁束分布と磁場強度を再構成している。またプラズマ対
向壁14は流入してくる荷電粒子を受け、その流入量の
分布から磁束分布の参考デ−タとする。つまり、荷電粒
子は磁気面に沿って移動するので荷電粒子の流入分布は
磁気面構造を反映する。このため、その分布は磁束分布
や磁場強度分布を把握する時の参考となる。
【0053】評価回路18は各対向壁への粒子流入量・
種別と磁場解析結果を評価する。つまり、磁力線がプラ
ズマ対向壁に向いている所と対向壁からプラズマ領域側
を向いている所とでは対向壁に流入してくる粒子が電子
が主かまたはイオンが主かの差がある。この傾向と比較
して誤差が大きい場合には磁場解析結果を補正する。図
8では磁場解析結果と比較することで、磁場解析デ−タ
の妥当性を検証する。
【0054】演算器5はプラズマ電流IPと一周電圧V
lから図7の場合と同じ演算を行うとともに、磁場解析
結果によるプラズマ位置断面形状に関するデ−タから変
流器磁場モード以外の磁場モード強度に関する指令値を
演算する。この指令値はコイル電流値ではなく、磁場モ
ードに関するものなので非干渉回路15で各PFC電流
に換算する。
【0055】電源7は各PFC13にこの電流指令値に
従って電流を提供する。この制御法によって、放電開始
時には渦電流が放電開始妨害する事はなく安定にプラズ
マを発生でき、プラズマ発生後はプラズマの位置断面形
状を安定に制御できる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、渦電流による磁場を一
周電圧印加からプラズマ生成までは一定の分布と強度に
できるので、安定なプラズマ生成ができる。またプラズ
マ生成後は自動的にプラズマ電流を増加できるので安定
で再現性の良い放電開始が核融合装置で可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の制御系のブロック図。
【図2】真空容器を流れる電流が作る磁場分布を示す
図。
【図3】真空容器を流れる電流が作るポロイダル磁束分
布を示す図。
【図4】低一周電圧での放電開始時の放電波形を示す
図。
【図5】ポロイダル磁場コイルがつくる磁束分布を示す
図。
【図6】本発明を実施した放電開始の説明図。
【図7】本発明の他の実施形態の制御系のブロック図。
【図8】本発明の実施形態の一般的な核融合装置の制御
系のブロック図。
【図9】従来の制御系を表すブロック図。
【図10】従来方法での代表的な放電開始波形の模式
図。
【符号の説明】
1a,1b…ロゴスキーコイル、2…プラズマ電流、3
…一周ループ、4…真空容器、5…演算器、6…増幅
器、7…電源、8…変流器コイル、11…真空容器電
流、12…磁気プローブ、13…ポロイダル磁場コイル
(PFC)、14…プラズマ対向壁、15…非干渉回
路、16…磁束ループ、17…磁場解析器、18…評価
回路、20…プラズマ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ中に電流を流す核融合装置にお
    いて、放電開始時に、真空容器を流れる電流とプラズマ
    を流れる電流との2つの電流の合計電流値を一定値に保
    ちながらプラズマを発生させるプラズマ制御系を備えた
    ことを特徴とする核融合装置。
  2. 【請求項2】 プラズマ中に電流を流す核融合装置にお
    いて、放電開始時に、真空容器を流れる電流を放電初期
    のプラズマ一周抵抗と真空容器一周抵抗の比で換算した
    電流とプラズマ電流との2つの電流の合計電流値を一定
    値に保ちながらプラズマを発生させるプラズマ制御系を
    備えたことを特徴とする核融合装置
  3. 【請求項3】 上記プラズマ制御系は、放電開始時に、
    少なくとも電子雪崩でプラズマが発生するために必要な
    時間以上の間上記合計電流値を一定値に保つ制御を行な
    うものであることを特徴とする請求項1または2記載の
    核融合装置。
  4. 【請求項4】 上記プラズマ制御系は、計測した一周電
    圧から真空容器電流に換算した電流を真空容器電流とす
    ることを特徴とする請求項1または2記載の核融合装
    置。
  5. 【請求項5】 上記プラズマ制御系は、各種磁場デ−タ
    からポロイダル磁場分布全体を再構成する磁場解析器を
    用いて真空容器電流およびポロイダル磁場配位を解析
    し、該解析結果により上記合計電流値を一定に保つよう
    上記ポロイダル磁場分布を制御するものであることを特
    徴とする請求項1または2記載の核融合装置。
  6. 【請求項6】 真空容器一周抵抗が放電開始時のプラズ
    マ一周抵抗より小さくフラットトップ時のプラズマ一周
    抵抗より大きな核融合装置において、放電開始時に、プ
    ラズマ電流と真空容器電流または真空容器電流を放電初
    期のプラズマ一周抵抗と真空容器一周抵抗で換算した電
    流との2つの電流の合計電流値を一定値に保ちながらプ
    ラズマを発生させるプラズマ制御系を備えたことを特徴
    とする核融合装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011022101A (ja) * 2009-07-21 2011-02-03 Hioki Ee Corp 電流センサおよび電流センサの製造方法
KR20180017010A (ko) * 2015-05-12 2018-02-20 트라이 알파 에너지, 인크. 원하지 않는 맴돌이 전류를 감소시키는 시스템 및 방법

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