JPH11337727A - 光学素子 - Google Patents

光学素子

Info

Publication number
JPH11337727A
JPH11337727A JP14523998A JP14523998A JPH11337727A JP H11337727 A JPH11337727 A JP H11337727A JP 14523998 A JP14523998 A JP 14523998A JP 14523998 A JP14523998 A JP 14523998A JP H11337727 A JPH11337727 A JP H11337727A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
optical element
substrate
particle dispersion
ultrafine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP14523998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3751441B2 (ja
Inventor
Tadao Katsuragawa
忠雄 桂川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP14523998A priority Critical patent/JP3751441B2/ja
Publication of JPH11337727A publication Critical patent/JPH11337727A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3751441B2 publication Critical patent/JP3751441B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的弱い制御光を入射させて信号光の偏光面
を回転させることができるとともに高速で光をスイッチ
ングする。 【解決手段】透明基板5の一方の表面に光の波長オーダ
ーの寸法の連続した溝7を設け、溝7の表面に平均粒子
径2〜20nmの金属や半導体超微粒子を絶縁体中に分
散した超微粒子分散膜6を形成して光学素子1とし、超
微粒子分散膜6の反射光を利用して3次非線形特性を発
現させる。光学素子1の両面に光の強弱に対応して光を
遮断するように偏光軸を相互に回転させた偏光子2と検
光子3を設け、高速で光のスイッチングを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光で画像を形成
したり、画像を加工処理したり、光を用いて計算したり
する高速度光デバイスに用いる非線形の光学素子、特に
比較的弱い制御光を入射させて、信号光の偏光面を回転
させる光学素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報処理を電気回路に頼っていると、現
在最も高速なトランジスタでも、その開閉に要する時間
を10ピコ秒台以下にすることは困難であり、多量の情
報処理を高速度で実現するために非線形光学材料を使用
して光により光を制御する光スイッチが使用されてい
る。
【0003】非線形光学材料として、人工的な超格子構
造を有した半導体材料や特殊な有機材料が注目され、こ
のような材料を使うと、低いパワーレベルの光でも十分
な非線形相互作用が得られる。また、これを微小な光の
共振器と組み合わせた、光−光ゲートにより、光で光を
開閉することができる。例えばGaAsとAlGaAs
という2種類の半導体を10nm以下のピッチで積層し
たものでは、0.5ピコ秒という開閉時間が得られてい
る。また、光−光ゲートを組み合わせれば、いろいろな
光の論理素子やメモリを作ることができ、それによって
光コンピュータを造ることもできる。
【0004】上記光−光ゲートより高速な開閉を行う光
−光スイッチとして、文献「光アライアンス(199
7,4,26頁〜28頁)」に示されているように光カ
ースイッチがある。この光カースイッチは、これは制御
光によって特定の偏波方向の屈折率成分が変化し、偏光
面が回転する光カー効果を利用したものであり、図6に
示すように、互いに偏光軸が直交するように置かれた偏
光子12と検光子13との間に制御光を入射するハーフ
ミラー10とカー効果を示すカー媒質の超微粒子分散ガ
ラス14とレンズ15,16とフィルタ17が設けら
れ、超微粒子分散ガラス14には制御光と信号光が互い
に重なり合うようにして入射するようになっている。超
微粒子分散ガラス14としては半導体や金属の超微粒子
がガラス中に分散したものが使用されている。この超微
粒子分散ガラスの3次非線形特性は、信号光に対しては
小さく制御光に対しては大きいため、制御光を入射しな
いと偏光子12を通過した信号光の偏光面はカー媒質で
回転しないため検光子13を通過することができない。
一方、制御光を入射すると、カー媒質内に屈折率の異方
性が生じ、信号光の偏光面が回転することにより検光子
13を通過することができる。このように制御光を入射
するかしないかにより信号光の透過率を制御することが
できる。この光カースイッチの場合、光の強度によって
回転した偏光面の角度△φは、△φ=(nωχ/2c)
・(εE2L)で表される。ここではnは屈折率、ωは
入射光の角振動数、cは光速度、χは3次非線形感受
率、εは誘電率、Eは制御光電界強度、Lは相互作用長
である。
【0005】この光カースイッチの超微粒子分散ガラス
14は、約10nmの粒径の半導体や金属の超微粒子が
ガラス中に分散しているものであり、半導体としてはC
dS、CdSe、CdTe、CuCl、CuBr等があ
り、金属としては、Au、Cu、Agなどがある。そし
て半導体微粒子を分散した場合、光吸収により生成され
る電子と正孔が独立にあるいは励起子として、微粒子内
に閉じ込められる量子閉じ込め効果によって非常に大き
い3次非線形光学特性を示す。また、金属超微粒子を分
散した場合、誘電的な閉じ込めによる局所電場効果によ
り非常に大きい3次非線形光学特性を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記超微
粒子分散ガラスで高い3次非線形光学特性を示すために
光による励起子の生成が関与しているため、3次非線形
光学特性が増大するのは励起子共鳴波長においてであ
り、このため光吸収が大きくなるという短所があった。
【0007】この発明はかかる短所を改善し、少ない光
の吸収で大きいカー効果を得ることにより、比較的弱い
制御光を入射させて信号光の偏光面を回転させることが
できるとともに高速で光をスイッチングすることができ
る光学素子を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る光学素子
は、可視光に透明な基板の一方の表面に、0.2〜2.
0μmの等しい間隔で、深さ0.4〜5μmの平行な複
数の直線状の溝を設け、溝表面に平均粒子径2nm〜2
0nmの金属又は半導体の超微粒子を絶縁体中に分散し
た超微粒子分散膜を10〜100nmの厚さで均一に形
成したことを特徴とする。
【0009】この発明に係る他の光学素子は、可視光に
透明な基板の一方の表面に、0.2〜2.0μmの等し
い間隔で、深さ0.4〜5μmの平行な複数の直線状の
溝を設け、溝表面に平均粒子径2nm〜20nmの金属
又は半導体の超微粒子を絶縁体中に分散した超微粒子分
散膜を10〜100nmの厚さで均一に形成し、基板の
表と裏の両面にレーザー光の強弱に対応して光を遮断す
るように偏光軸を相互に回転させ固定した偏光子と検光
子を設けたことを特徴とする。
【0010】上記超微粒子分散膜を形成する超微粒子を
分散している絶縁体は可視光に透明であることが望まし
い。
【0011】また、上記基板の溝表面に設けた超微粒子
分散膜の基板表面と平行な超微粒子分散膜を除去し、基
板表面と平行でない超微粒子分散膜だけを設けたり、超
微粒子を分散している絶縁体を基板の溝間に充填した
り、基板の溝間に基板と異なる屈折率の透明材料を充填
しても良い。
【0012】また、上記直線状で平行な溝は、寸法の異
なる複数の多角形を多重に重ねた平面形状に構成すると
良い。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の光学素子は、偏光面回
転素子と、偏光面回転素子を挟んで設けられた偏光子と
検光子を有する。偏光面回転素子は透明基板と超微粒子
分散膜を有する。透明基板5、一方の面に幅が0.2μ
m〜2.0μmで深さが0.4μm〜5μmの平行な複
数の直線状の溝が等間隔で形成されている。超微粒子分
散膜は平均粒子径2nm〜20nmの金属又は半導体の
超微粒子を透明絶縁体中に分散したものであり、透明基
板の溝を有する表面に厚さ10nm〜100nmで均一
な厚さに形成されている。
【0014】この光学素子の偏光面回転素子に光が入射
すると、入射した光は溝と溝間を通り出射する。この偏
光面回転素子を光が通るときに、深さがすくなくとも可
視光の波長より少し大きい溝の側面に設けた超微粒子分
散膜の透明絶縁体に入り、絶縁体に分散した金属又は半
導体の超微粒子で複数回反射して3次非線形特性を発現
する。そして偏光面回転素子の溝と溝の間を通過し光と
溝を通過して超微粒子分散膜により反射された光が位相
が揃った場合に回折現象を起こす。この偏光面回転素子
に直線偏光を入射すると偏光面が回転し、この偏光面の
回転角は入射する光の強度に応じて異なり、入射する光
の強度が強い場合に大きくなり、光の吸収が小さく大き
な偏光面回転角を得ることができる。また、偏光面を回
転させる溝の深さが0.4μm〜5μmであるから、こ
の溝を光が通過する時間は数10フェムト秒と非常に短
時間である。
【0015】そこで、偏光面回転素子の両側に設けた偏
光子と検光子を、偏光面回転素子を通って偏光面が大き
く回転した光は通過でき、偏光面の回転角が小さい光は
通過できないように偏光子の偏光軸に対して検光子の偏
光軸をあらかじめ回転して設定しておくことにより、信
号光と光の強度が変化する光パルスの制御光を入射し
て、光を高速でオン,オフさせることができる。
【0016】
【実施例】図1はこの発明の一実施例の構成図である。
図に示すように、光学素子1は偏光面回転素子2と、偏
光面回転素子2を挟んで設けられた偏光子3と検光子4
を有する。偏光面回転素子2は、図2の断面図に示すよ
うに、透明基板5と超微粒子分散膜6を有する。透明基
板5は、一方の面に幅Wが0.2μm〜2.0μmで深
さHが0.4μm〜5μmの平行な複数の直線状の溝7
が等間隔で形成されている。超微粒子分散膜6は平均粒
子径2nm〜20nmの金属又は半導体の超微粒子を透
明絶縁体中に分散したものであり、透明基板5の溝7を
有する表面に厚さtが10nm〜100nmで均一な厚
さに形成されている。
【0017】この透明基板5は、例えば石英ガラス、サ
ファイア、結晶化透明ガラス、パイレックスガラス、A
23、MgO、BeO、ZrO2、Y23、ThO2
CaO、GGG(ガドリニウム・ガリウム・ガーネッ
ト)などの無機透明材料や、MMA、PMMA、ポリカ
ーボネート、ポリプロピレン、アクリル系樹脂、スチレ
ン樹脂、ABS樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォ
ン、ポリエーテルサルフォン、エポキシ樹脂、ポリ−4
−メチルペンテン−1、フッ素化ポリイミド、フッソ樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ナイロン
樹脂等の透明プラスチックフィルム等の可視光に透明な
材料からなり、溝7が主としてはフォトリソグラフィ法
や機械的な加工法によって形成されている。なお、透明
基板5として透明プラスチックフィルムを用いると、軽
くて曲げやすい等の利点を有する。
【0018】超微粒子分散膜6の絶縁体は透明基板5と
同じ材料や例えばSiO2、SiO、Al23、Ti
2、MgO、In23、SnO2等が用いられ、この超
微粒子分散膜6は、一般的なスバッタ、真空蒸着、MB
EなどのPVD法やCVD法、メッキ法等で透明基板5
に形成される。そして平均粒子径や超微粒子の含有率な
どは、これら製膜条件を制御することによって制御する
ことができる。
【0019】偏光子3と検光子4は偏光フィルムや、ビ
ームスプリッタを用いた高透過率偏光板などが用いられ
る。偏光フィルムは大別して多ハロゲン偏光フィルム、
染料偏光フィルム、金属偏光フィルムなどがある。多ハ
ロゲン偏光フィルムは2色性物質にヨウ素を用いている
ために、可視領域全般にフラットな特性を有するが、湿
度や高温等に弱い。また、染料偏光フィルムは偏光性能
は多ハロゲン偏光フィルムより劣るが、熱や光や湿度に
対して耐性が大きいという特徴を有している。これらの
偏光フイルムの露出面には傷が付きやすいので保護膜を
設けることが望ましい。
【0020】上記のように構成された光学素子1の偏光
面回転素子2に、図2に示すように、光が入射すると、
入射した光は溝7と溝7間を通り出射する。この溝7と
溝7間を光が通るときに、深さHが0.4μm〜5μm
と、すくなくとも可視光の波長より少し大きい溝7の側
面に設けた超微粒子分散膜6の透明絶縁体に入り、絶縁
体に分散した金属又は半導体の超微粒子で複数回反射し
て3次非線形特性を発現する。そして偏光面回転素子2
には溝7が一定間隔で周期的に設けられているから、溝
7と溝7間を通過して超微粒子分散膜6により反射され
た光は位相が揃った場合に回折現象を起こす。この偏光
面回転素子2に直線偏光を入射すると偏光面が回転し、
この偏光面の回転角は入射する光の強度に応じて異な
り、入射する光の強度が強い場合に大きくなり、光の吸
収が小さく大きな偏光面回転角を得ることができる。ま
た、偏光面を回転させる溝7の深さが0.4μm〜5μ
mであるから、この溝7を光が通過する時間は数10フ
ェムト秒と非常に短時間である。この偏光面回転素子2
の両側に設けた偏光子3と検光子4は、偏光面回転素子
2を通って偏光面が大きく回転した光は通過でき、偏光
面の回転角が小さい光は通過できないように偏光子3の
偏光軸に対して検光子4の偏光軸をあらかじめ回転して
設定しておく。
【0021】この光学素子1に、図3に示すように、ハ
ーフミラー10を介して光強度が小さい信号光と光強度
が大きい制御光とを入射し、光学素子1を通過した光を
光検出器11で検出すると、光学素子1に信号光と制御
光が入射しているときは、偏光面回転素子2を通過した
光の偏光面は大きく回転し、検光子4を通過して光検出
器11に入射する。また、ハーフミラー10に入射して
いる制御光が遮断され光学素子1に信号光だけが入射し
たときは、偏光面回転素子2を通過した光の偏光面は小
さく回転して検光子4を通過せず、光検出器11に入射
している光が遮断される。そこで制御光として光の強度
が変化する光パルスを用いると、光検出器11に入射す
る光を可動部なしで高速度でオン,オフすることができ
る。この光パルスはモードロッカとして光変調器を使
い、これに外部から変調を加えたモード同期という方法
や、光パルス圧縮という方法で得ることができる。そし
て、光パルス圧縮によれば数フェムト秒程度の短い光パ
ルスを得ることができ、フェムト秒の単位の高速度で光
をオン,オフすることができる。
【0022】上記実施例は偏光面回転素子2の透明基板
5の溝7側の表面全体に超微粒子分散膜6を設けた場合
について説明したが、透明基板5の溝7の側面にだけ超
微粒子分散膜6を設けても、上記実施例と同様な作用を
奏することができる。また、透明基板5の溝7の側面に
だけ超微粒子分散膜6を設けることにより、光の透過率
を向上することができ、より強度が小さい制御光で光を
オン,オフすることができる。
【0023】また、上記実施例は透明基板5の溝7の部
分に他の材料を充填しない場合について説明したが、基
本的には屈折率の異なる部位を通過した光が干渉するこ
とによって非線形光学効果が生じ、同時に入射光強度に
応じて偏光面回転角が変化するので、溝7と溝間の屈折
率が異なれば良いから、溝7中に透明基板5とは異なる
屈折率を有する透明材料を充填しても良い。このように
溝7中に透明基板5とは異なる屈折率を有する透明材料
を充填することにより、超微粒子分散膜6を保護するこ
とができる。
【0024】さらに、基本的には屈折率の異なる部位を
通過した光が干渉することによって非線形光学効果が生
じることから、図4に示すように、透明基板5の溝7内
に、透明絶縁体に金属や半導体の超微粒子を分散した超
微粒子分散材料61を充填しても良い。この場合は、超
微粒子分散材料61に入って金属や半導体の超微粒子に
より複数回反射して透過した光と透明基板5の溝7間を
透過した光が特定波長で干渉し回折して非線形光学効果
を増大することができる。但し、この場合、光は超微粒
子分散材料61を透過するので、少し透過率は低下する
が、偏光面回転素子2をより簡単に作成することができ
る。
【0025】また、上記各実施例は、透明基板5に断面
が矩形の溝7を平行に設けた場合について説明したが、
波形や三角形状の溝を設けても良い。また、この溝構造
は可視光が干渉して回折できれば良く、したがって直線
状溝構造はストライプ状でなくても、大小の複数の多角
形を重ねたような平面構造であっても、透過光が干渉し
て回折を生ずる構造であれば良い。
【0026】〔具体例1〕 厚さ1mmの石英基板の片
面に、Cr23層とCr層の2層を厚さが合計で120
nmとなるように設け、この上にポジ型レジストを設け
た。このレジスト上にフォトマスクを配置し、UV光を
用いて、図2に示すように幅W=1.0μm間隔となる
ように露光してからウェットエッチング手法を用いてレ
ジスト層をエッチングし、さらにフッ素系ガスを用いて
石英表面をエッチングして、深さH=0.65μmとな
るように加工して溝7を形成した後、レジスト層を剥離
して、溝7を有する透明基板5を形成した。この透明基
板5の溝7側の表面にスパッタ法を用いて、透明基板5
を加熱せずにCu微粒子膜6を形成して偏光面回転素子
2を作成した。Cu微粒子膜6の透明絶縁材料にはSi
2を使用し、SiO2ターゲット上に10×10×1m
mのCuチップを、SiO2ターゲットの面積の40%
を覆うようにして配置した。そしてスパッタ用のArガ
ス中に20%の酸素ガスを導入し、300Wの投入電力
を使用してCu超微粒子膜6を形成した。形成したCu
超微粒子膜6の膜厚tは90nmであった。また、Cu
超微粒子膜6に区組まれるCu微粒子の平均粒子径を透
過電子顕微鏡で測定した結果6nmであった。さらに、
Cu超微粒子膜6の組成はCuが53%であり、他は酸
素と微量な炭素と窒素であった。
【0027】この偏光面回転素子2の両側に、図3に示
すように偏光子3と検光子4を配置し、波長約630n
mのレーザ光の信号光と制御光をハーフミラー10を用
いて光軸が同一になるようにして、偏光面回転素子2を
光軸とほぼ垂直に配置した。この偏光面回転素子2に入
射するレーザ光の強度を強くすると、Cu超微粒子膜6
を設けた偏光面回転素子2を通過後の0次光は、偏光面
が回転することがわかった。そこで偏光子3と検光子4
の偏光軸を、制御光を加えたときに信号光と制御光が検
光子を通過するように回転して固定した。そして3μW
の信号光だけをを入射させたが、光検出器11では検出
できなかった。次に、信号光と10μWの制御光を同時
に入射させたところ光検出器11でレーザ光は検出する
ことができた。この制御光として10ピコ秒のパルス幅
を有する光パルスとしたが、信号光をオン,オフして検
出することができた。
【0028】〔具体例2〕 上記具体例1と同様に、石
英基板上の加工表面にCu超微粒子膜6を作製した後、
ECRエッチング装置を用いて溝7側面のCu超微粒子
膜6だけを残し、溝7間の表面と溝7底面のCu超微粒
子膜を剥離して偏光面回転素子2を形成した。ECRエ
ッチング装置にはArガスを36ccmの流量で流し、
圧力を1mmトールとし、マイクロ波は650Wを投入
した。エッチング後試料の断面を観察すると、溝7側面
のCu超微粒子膜6だけが残っていた。この偏光面回転
素子2の光透過率を分光光度計で測定し、具体例1の場
合と比較した結果、光透過率は具体例1の約2倍となっ
た。そして具体例1と同様に信号光と制御光を入射して
レーザ光のスイッチングを行った結果、偏光面回転素子
2の光透過率が向上したため、制御光は具体例1より小
さい強度である約7μWでも光のスイッチングを行うこ
とが確認できた。
【0029】〔具体例3〕 石英基板上の表面に幅W=
0.5μm、深さH=0.6μmの溝7をステッパを用
いたフォトリソグラフィー法で形成し、絶縁材料をSi
2 としたCu微粒子材料を溝7内に充填し、機械的研
磨法によって表面を平坦になるように研磨して偏光面回
転素子2を作成した。そして具体例1と同様に信号光と
制御光を入射してレーザ光のスイッチングを行った結
果、具体例1と同様の光干渉効果による回折が生じ、偏
光子3と検光子4の偏光軸を調整することにより光のス
イッチングを行うことができた。この場合、偏光面回転
素子2の光透過率は具体例1より低く、制御光は具体例
1より強い約16μW必要であった。
【0030】〔具体例4〕 具体例1と同様にフォトリ
ソグラフィー法により石英基板表面に、幅W=1.0μ
m、深さH=0.65μmの溝7を、図5に示すよう
に、3重の矩形が間隔D=4μmで並行に並ぶように形
成し、この表面にCu超微粒子膜6を形成して偏光面回
転素子2を作成した。そして信号光と制御光を入射して
偏光子3と検光子4の偏光軸を調整してレーザ光のスイ
ッチングを行った結果、偏光面回転素子2の光透過率は
具体例1より若干向上し、約8.4μWの制御光で光の
スイッチングを行うことができた。
【0031】〔具体例5〕 具体例1と同様にして石英
基板の表面に溝7を加工してCu超微粒子膜6を形成し
た後、溝7内をスパッタ法を用いて屈折率が約2.3の
TiO2で埋め、機械的研磨法によって表面を平坦にな
るように研磨して偏光面回転素子2を作成した。そし
て、信号光と制御光を入射して偏光子3と検光子4の偏
光軸を調整してレーザ光のスイッチングを行った結果、
具体例1と同じ強度の制御光で光のスイッチングを行う
ことができた。
【0032】〔比較例1〕 石英基板の表面に溝7を形
成せずに膜厚90nmのCu超微粒子膜6を作製した。
この光学素子を使用して具体例1と同様に信号光と制御
光を入射したがCu超微粒子膜6による回転角が微小過
ぎるため、制御光の強度を強くしても光のスイッチング
を行うことはできなかった。
【0033】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、透明基
板の一方の表面に光の波長オーダーの寸法の連続した溝
構造を設け、この溝表面に平均粒子径2〜20nmの金
属や半導体超微粒子を絶縁体中に分散した超微粒子分散
膜を形成して光学素子とし、超微粒子分散膜の反射光を
利用して3次非線形特性を発現するようにしたから、光
学素子を通過するときの光の吸収を大幅に低減すること
ができる。
【0034】また、上記光学素子の両面に光の強弱に対
応して光を遮断するように偏光軸を相互に回転させた偏
光子と検光子を設けることにより、機械的又は電気的な
シャッタと比べて高速で光のスイッチングを行うことが
できる。
【0035】さらに、金属や半導体の超微粒子を分散す
る絶縁体として可視光に透明な材料を用いることにより
光の透過率を向上させることができ、強度が小さな制御
光で光をスイッチングすることができる。
【0036】また、透明基板の溝側面にだけ超微粒子分
散膜を形成することにより、光の透過率をより向上する
ことができ、強度がより小さな制御光で光をスイッチン
グすることができる。
【0037】さらに、透明基板の溝内を金属や半導体の
超微粒子を絶縁体中に分散した透明材料で充填すること
により、光を高速でスイッチングする光学素子を簡単に
作成することができる。
【0038】また、透明基板に設けた直線状で平行な溝
を、寸法の異なる複数の多角形を多重に重ねた平面形状
で構成することにより、光を高速でスイッチングする光
学素子を容易に製作することができる。
【0039】さらに、透明基板に設けた内に透明基板と
は異なる屈折率の透明材料で埋めることにより、超微粒
子分散膜を保護して安定した光学素子を形成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の光学素子の構成図である。
【図2】偏光面回転素子の構成を示す断面図である。
【図3】上記実施例の光学素子を使用した光スイッチの
構成図である。
【図4】偏光面回転素子の他の構成を示す断面図であ
る。
【図5】透明基板に設けた他の溝を示す配置図である。
【図6】従来の光カースイッチの構成図である。
【符号の説明】
1 光学素子 2 偏光面回転素子 3 偏光子 4 検光子 5 透明基板 6 超微粒子分散膜 7 溝

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視光に透明な基板の一方の表面に、
    0.2〜2.0μmの等しい間隔で、深さ0.4〜5μ
    mの平行な複数の直線状の溝を設け、溝表面に平均粒子
    径2nm〜20nmの金属又は半導体の超微粒子を絶縁
    体中に分散した超微粒子分散膜を10〜100nmの厚
    さで均一に形成したことを特徴とする光学素子。
  2. 【請求項2】 可視光に透明な基板の一方の表面に、
    0.2〜2.0μmの等しい間隔で、深さ0.4〜5μ
    mの平行な複数の直線状の溝を設け、溝表面に平均粒子
    径2nm〜20nmの金属又は半導体の超微粒子を絶縁
    体中に分散した超微粒子分散膜を10〜100nmの厚
    さで均一に形成し、基板の表と裏の両面にレーザ光の強
    弱に対応して光を遮断するように偏光軸を相互に回転さ
    せ固定した偏光子と検光子を設けたことを特徴とする光
    学素子。
  3. 【請求項3】 上記超微粒子分散膜を形成する超微粒子
    を分散している絶縁体は可視光に透明である請求項1又
    は2の光学素子。
  4. 【請求項4】 上記基板の溝表面に設けた超微粒子分散
    膜の基板表面と平行な超微粒子分散膜を除去し、基板表
    面と平行でない超微粒子分散膜だけを設けた請求項1又
    は2記載の光学素子。
  5. 【請求項5】 上記超微粒子を分散している絶縁体を基
    板の溝間に充填した請求項1又は2記載の光学素子。
  6. 【請求項6】 上記直線状で平行な溝は、寸法の異なる
    複数の多角形を多重に重ねた平面形状に構成された請求
    項1又は2記載の光学素子。
  7. 【請求項7】 基板の溝間に基板と異なる屈折率の透明
    材料を充填した請求項1,2,3,4又は6記載の光学
    素子。
JP14523998A 1998-05-27 1998-05-27 光学素子 Expired - Fee Related JP3751441B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14523998A JP3751441B2 (ja) 1998-05-27 1998-05-27 光学素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14523998A JP3751441B2 (ja) 1998-05-27 1998-05-27 光学素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11337727A true JPH11337727A (ja) 1999-12-10
JP3751441B2 JP3751441B2 (ja) 2006-03-01

Family

ID=15380556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14523998A Expired - Fee Related JP3751441B2 (ja) 1998-05-27 1998-05-27 光学素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3751441B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007240617A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 Ricoh Co Ltd 光制御素子、表示装置及び応力測定装置
KR100926169B1 (ko) 2007-10-24 2009-11-10 연세대학교 산학협력단 집광장치 및 그를 포함하는 정보 저장장치
CN102981205A (zh) * 2012-12-26 2013-03-20 苏州大学 亚波长矩形环阵列四分之一波片及其制作方法
CN103389537A (zh) * 2013-08-08 2013-11-13 苏州大学 宽带反射型亚波长矩形环阵列四分之一波片及其制作方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007240617A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 Ricoh Co Ltd 光制御素子、表示装置及び応力測定装置
KR100926169B1 (ko) 2007-10-24 2009-11-10 연세대학교 산학협력단 집광장치 및 그를 포함하는 정보 저장장치
CN102981205A (zh) * 2012-12-26 2013-03-20 苏州大学 亚波长矩形环阵列四分之一波片及其制作方法
CN103389537A (zh) * 2013-08-08 2013-11-13 苏州大学 宽带反射型亚波长矩形环阵列四分之一波片及其制作方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3751441B2 (ja) 2006-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Benea-Chelmus et al. Gigahertz free-space electro-optic modulators based on Mie resonances
Dicken et al. Electrooptic modulation in thin film barium titanate plasmonic interferometers
Lee et al. Tunable metasurfaces for visible and SWIR applications
Sun et al. A photonic switch based on a hybrid combination of metallic nanoholes and phase-change vanadium dioxide
KR20050046460A (ko) 거대 3차 비선형 광학 재료를 이용한 도파로형 광소자 및그 작동 방법
Kharratian et al. RGB magnetophotonic crystals for high-contrast magnetooptical spatial light modulators
Razi et al. Tunable photonic crystal wavelength sampler with response in terahertz frequency range
Inoue et al. Magnetophotonic crystals: Experimental realization and applications
WO2020137632A1 (ja) 光変調器
John et al. Tunable optical anisotropy in epitaxial phase-change VO2 thin films
JP3751441B2 (ja) 光学素子
US6124964A (en) Organic/inorganic composite superlattice type optical modulator
EP2487525B1 (en) Optical body
JP3781553B2 (ja) 光シャッター
Savotchenko Surface waves in composite waveguide structure with linear core in the crystal characterized by an abruptly changing defocusing Kerr type nonlinearity
Maleki et al. A compact low-loss 2-to-4 plasmonic decoder based on suspended graphene for surface plasmon polariton transmission
Chen et al. Efficient all-optical molecule-plasmon modulation based on T-shape single slit
Hsu et al. Comparison of the χ (3) values of crystalline and amorphous thin films of 4‐butoxy‐carbonyl‐methyl‐urethane polydiacetylene at 1.06 and 1.3 μm
Saha et al. Engineering the temporal dynamics with fast and slow materials for all-optical switching
Pianelli et al. Si-CMOS compatible epsilon-near-zero metamaterial for two-color ultrafast all-optical switching
JPH09274169A (ja) 液晶微粒子分散媒体を用いた導波路型光制御方法および導波路型光制御用液晶光学素子
Saha Engineering the Optical Properties and Temporal Responses of Conducting Oxides and Nitrides for Optically Switchable Metasurfaces
Hu et al. Electrically controlled and directional-dependent Goos-Hänchen shift in a non-Hermitian multilayered structure with Dirac semimetal
Sun et al. Nanoscale Materials and Devices for Future Communication Networks
JP4634102B2 (ja) 光制御素子

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040913

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20041019

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20051206

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051207

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081216

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091216

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101216

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101216

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111216

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111216

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121216

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131216

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees