JPH11335687A - 食品機械用固形潤滑剤および食品機械用転がり軸受 - Google Patents

食品機械用固形潤滑剤および食品機械用転がり軸受

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JPH11335687A
JPH11335687A JP14752198A JP14752198A JPH11335687A JP H11335687 A JPH11335687 A JP H11335687A JP 14752198 A JP14752198 A JP 14752198A JP 14752198 A JP14752198 A JP 14752198A JP H11335687 A JPH11335687 A JP H11335687A
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JP
Japan
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oil
food
powder
rolling bearing
solid lubricant
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JP14752198A
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Mitsunari Aso
光成 麻生
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NTN Corp
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水で流失しない固形状の食品機械用固形潤滑
剤であって、高温での使用、特に150℃以上の連続使
用に耐える食品機械用固形潤滑剤とし、しかも食塩水に
触れる条件でも摺動面に錆を発生させにくい食品機械用
転がり軸受とすることである。 【解決手段】 流動パラフィン、ポリαオレフィン油、
フッ素油、植物油および動物油から選ばれる一種以上の
油またはこの油を基油とするグリース5〜95重量%
と、ポリアミド粉末、ポリアセタール粉末またはフッ素
樹脂粉末95〜5重量%との混合物を、前記粉末樹脂の
ゲル化点以上の温度に加熱して成形した食品機械用固形
潤滑剤とする。または、前記の食品機械用固形潤滑剤
を、ステンレス鋼製の転がり軸受内部に封入してなる食
品機械用転がり軸受とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、食品機械用固形
潤滑剤およびこれを封入した食品機械用転がり軸受に関
する。
【0002】
【従来の技術】食品機械は、食品用材料を選別、切断、
粉砕、熱処理、濃縮、濾過、分離、混合、混練、加熱、
乾燥、冷却、充填、成形、包装、貯蔵、保存等する際に
用いられる機械類であり、食品原料や製品(または半製
品)と直接または間接的に接触し、特に水や食塩に接触
する機会もある機械類である。
【0003】このような食品機械には、他の機械類と同
様に回転や摺動する部分に軸受その他の摺動部品が装着
されているが、摺動部品には潤滑剤その他の化学物質が
塗布、充填、混合等される場合がある。そして、このよ
うな食品機械の摺動部品から人体に有毒な成分が流出し
て食品中に混入することを防止する必要があるので、法
律上定められた衛生基準に従って使用可能な潤滑剤の成
分が規定されている。
【0004】潤滑グリースについての衛生基準として
は、FDA(米国食品医薬品)、またはUSDA(米国
農商務省)の認可基準がよく知られており、一般工業用
グリースとは別に食品機械用グリースが知られている。
【0005】ところで、本願の発明者等は、軸受外に流
出しない一般工業用の固形潤滑剤として、超高分子量の
ポリエチレンと、このポリエチレンの融解温度より高い
滴点を有する潤滑グリースを配合し、これを前記融解温
度以上に加熱して軸受内に充填して固形化した潤滑剤を
特公昭63−23239号に開示した。
【0006】また、米国特許第3547819号公報に
は、潤滑性のある炭化水素油と、平均分子量1.5×1
6 〜5×106 の超高分子量ポリエチレンを用いて固
形化した軸受用潤滑組成物が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の軸受用固形潤滑剤は、食品機械に使用可能な衛生基準
を満たす潤滑成分を含有せず、工業用防錆剤を添加する
ことはできないので、防錆性能の点でも満足できるもの
ではなく、防錆性が良好で食品機械用固形潤滑剤として
使用できる固形潤滑剤およびこれを封入した食品機械用
転がり軸受として満足できるものがなかった。
【0008】また、前記した従来の食品機械用固形潤滑
剤は、耐熱性の点でも満足できるものがなく、超高分子
量ポリオレフィンの融点(例えば136℃)または高密
度ポリエチレンの融点の関係から110℃以上で使用で
きず、特に120℃以上の高温で連続使用できる耐熱性
を有するものがない。
【0009】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して水で流失しない固形状の食品機械用固形潤
滑剤であって、高温での使用、特に120℃以上の連続
使用に耐えて変形等せず、しかも鉄鋼等の金属製摺動面
を潤滑する場合に食塩水に触れる条件でも錆を発生させ
にくい食品機械用固形潤滑剤を提供することである。
【0010】また、120℃以上の高温で連続使用でき
る固形潤滑剤を充填した耐水性の転がり軸受であって、
食塩を含む水に接触するような使用条件でも摺動面に錆
を発生させにくい食品機械用転がり軸受とすることであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明では、流動パラフィン、ポリαオレフィ
ン油、フッ素油、植物油および動物油から選ばれる一種
以上の油またはこの油を基油とするグリース5〜95重
量%と、ポリアミド粉末95〜5重量%との混合物を、
前記ポリアミド粉末のゲル化点以上の温度に加熱して成
形した食品機械用固形潤滑剤としたのである。
【0012】上記の食品機械用固形潤滑剤において、ポ
リアミド粉末に代えてポリアセタール粉末を用いた食品
機械用固形潤滑剤であっても前記課題を解決できる。
【0013】または、前記課題を解決するため、フッ素
油またはフッ素油を基油とするフッ素系グリース5〜9
5重量%と、フッ素樹脂粉末95〜5重量%との混合物
を、前記フッ素樹脂粉末のゲル化点以上の温度に加熱し
て成形した食品機械用固形潤滑剤としたのである。
【0014】また、上記した食品機械用固形潤滑剤をス
テンレス鋼製の転がり軸受内部に封入した食品機械用転
がり軸受とすることにより、前記課題を解決したのであ
る。
【0015】この発明の食品機械用固形潤滑剤に用いる
油は、流動パラフィン、ポリαオレフィン油、フッ素
油、植物油および動物油から選ばれるものであって、こ
れらは人体に無害な物質としてUSDA H−1規格
(直接食品に接触させてもヒトに対して全く無害である
という評価基準)、FDA規格にも合格したものであ
る。また、ポリアミド、ポリアセタール、フッ素樹脂
は、食品衛生法(厚生省)またはFDA規格によって食
品に接触し混入した場合にも安全であることが確認され
た物質である。
【0016】また、この発明に使用するポリアミド(融
点179〜265℃、線膨張係数8〜10×10-5cm
/cm/℃)、ポリアセタール(融点175〜181
℃、線膨張係数8.5〜10×10-5cm/cm/
℃)、フッ素樹脂(融点270〜330℃、線膨張係数
5.9〜10×10-5cm/cm/℃)は、いずれもそ
の融点が超高分子量ポリオレフィンの融点より高く、線
膨張係数も小さいことから、150℃であっても変形せ
ず使用できる材料である。
【0017】この発明の食品機械用固形潤滑剤は、上述
のようなポリアミド、ポリアセタール、フッ素樹脂とい
う所要物性を有する樹脂を採用し、これらに食品衛生上
無害の潤滑油を分散保持させた固形状のものであるか
ら、軸受内部に侵入した水などで流出することはなく、
150℃の高温でも連続使用できる耐熱性を有する。
【0018】また、この発明の食品機械用固形潤滑剤
は、潤滑油またはグリースの基油が適当な速度で滲み出
すことによって潤滑特性を長期間維持すると共に、転が
り軸受内部に充填・封入して使用された際に、潤滑油が
軸受の内・外輪転走面、転動体または鉄板リテナーなど
の軸受内部に防錆性の被膜を形成するので、錆を発生さ
せず、安定して長期間の使用に耐える転がり軸受にな
る。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明に用いる流動パラフィン
は、比較的軽質の潤滑油留分を硫酸洗浄によって高度に
精製した周知の炭化水素油であり、主としてアルキルナ
フテン類からなり、「食品添加物公定書」または「日本
薬局方」に薬用流動パラフィンとして記載されたもので
ある。また、このものは、アメリカ、イギリス、ドイツ
の食添流動パラフィン、局方流動パラフィンにも相当す
る。
【0020】また、この発明に用いるポリαオレフィン
油は、前記したようにUSDA H−1規格により、直
接食品に接触させてもヒトに対して全く無害であるとい
う評価基準を得ているものであり、芳香族炭化水素や硫
化化合物などの不純物を含まない合成炭化水素油であ
る。
【0021】この発明に用いるフッ素油は、前記したU
SDA H−1に合格し、炭素、フッ素、酸素の3原子
からなるものであり、例えば下記の化1の(1)、
(2)に示す分子構造のものである。
【0022】
【化1】
【0023】この発明に用いる植物油は、人体に無害の
周知の天然油であり、例えばツバキ油、オリーブ油、落
花生油、ヒマシ油、菜種油などを使用することができ
る。
【0024】また、この発明に用いる動物油は、人体に
無害の周知の天然油であり、例えばサナギ油、牛脚油、
ラード(豚脂)など、またはイワシ油、ニシン油等の水
産動物油等であってもよい。
【0025】この発明において、流動パラフィン、ポリ
αオレフィン油、フッ素油、植物油および動物油から選
ばれる一種以上の油を基油とするグリースは、これらの
基油に増稠剤として、アルミニウム複合石けん、カルシ
ウムハイドロステアレート、ポリウレア、クレー、フッ
素樹脂などを配合して増稠させたグリースである。調製
された市販のグリースとして、FDA、USDA規格に
合格したグリースを採用することもできる。
【0026】この発明に用いるポリアミド粉末は、脂肪
族や芳香族の炭素分子鎖の間にアミド基(−CONH
−)をもつ熱可塑性合成樹脂の粉末であり、粉末の材料
としてポリアミド基を有する樹脂を特に限定することな
く採用できる。通常、このようなポリアミドの融点は、
179〜265℃、線膨張係数8×10-5〜10×10
-5cm/cm/℃である。
【0027】ポリアミドの具体例(括弧内に通称名を示
す。)としては、ポリアミド11(11ナイロン)、ポ
リアミド12(12ナイロン)、ポリアミド46(46
ナイロン)、ポリアミド6(ナイロン6)、ポリアミド
6−6(66ナイロン)、ポリアミド6−66(6/6
6ナイロン)、ポリアミド6−10(610ナイロ
ン)、ポリアミド6−12(6/12ナイロン)、ポリ
アミド12−12(1212ナイロン)、ポリアミドM
XD6(MXD−6ナイロン)などが挙げられる。
【0028】また、この発明に用いるポリアセタールの
粉末は、分子主鎖がメチレン基と酸素原子の繰り返しか
らなり、下記の化2のポリエーテル構造をもつ結晶性の
熱可塑性樹脂である。このようなポリアセタールの融点
は、175〜181℃、線膨張係数8.5×10-5
8.5×10-5cm/cm/℃である。
【0029】
【化2】
【0030】また、この発明に用いるフッ素樹脂は、ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオ
ロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FE
P)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体(PFA)など周知のフッ素樹
脂または共重合体からなるフッ素樹脂を採用できる。フ
ッ素樹脂のうち、摺動特性および耐熱性からみればPT
FEが最も好ましいものである。
【0031】以上述べたようなポリアミド、ポリアセタ
ールまたはフッ素樹脂は、粉末状樹脂として、その平均
粒径は、250μm以下、好ましくは10〜250μm
のものを採用できる。なぜなら、10μm未満の樹脂粉
末を製造しても効果はそれ以上のものとあまり変わら
ず、またコスト面から実用性が低く、所定粒径を越える
大粒径の樹脂粉末では製造した固形潤滑剤の強度を弱め
るからである。また、所定粒径を越える大粒径の樹脂粉
末は、軸受に固形潤滑剤を封入する際に注入用チューブ
先端(ノズル)に目詰まりするので好ましくない。
【0032】このような粉末状樹脂の配合割合は、混合
物全体の5〜95重量%であり、その範囲内で固形潤滑
剤の用途に合わせて所要の離油度、粘り強さおよび硬さ
になるように調整する。なお、粉末状樹脂の配合割合を
高くすればするほど、固形潤滑剤は硬くなる。
【0033】以上述べたような油やグリースと、ポリア
ミド粉末、ポリアセタールおよびフッ素樹脂粉末から選
ばれる一種以上の粉末を混合し分散保持させるには、材
料を混合後、粉末状樹脂がゲル化する温度以上に加熱
し、その後、常温程度にまで冷却して固形化させ、油性
面すなわち油が滲み出る面のある固形潤滑剤とする。
【0034】また、粉末状樹脂に混合する潤滑剤が、常
温で液状の油ではなく常温で半固体状の潤滑グリースで
ある場合は、混合物の加熱温度として、粉末状油脂のゲ
ル化点以上でありかつグリースの滴点以下の温度を採用
することが潤滑性組成物の均質性すなわち材料の均一分
散のために好ましい。
【0035】
【実施例】実施例および比較例に用いた原材料を以下に
一括して挙げる。原材料の配合割合は、表1または表2
に示すように全て重量%で示した。 (1)11ナイロン(日本リルサン社製:リルサンパウ
ダーESナチュラル)、(2)12ナイロン(ダイセル
・ヒュルス社製:ダイアミド微粒子パウダー L164
0P)、(3)12ナイロン(ダイセル・ヒュルス社
製:ダイアミド微粒子パウダー WS250P)、
(4)ポリアセタール(ポリプラスチックス社製:ジュ
ラコンM25−44)、(5)超高分子量ポリエチレン
(三井石油化学工業社製:ミペロン)、(6)植物油
(オリーブ油)、(7)動物油(ラード)、(8)ポリ
αオレフィン油、(9)食品機械用グリースI(流動パ
ラフィンを基油としてアルミニウム複合石けんで増稠し
たもの)、(10)食品機械用グリースII(流動パラフ
ィンを基油としてポリウレアで増稠したもの)(11)
食品機械用グリースIII (ポリαオレフィン油を基油と
してポリウレアで増稠したもの)、(12)フッ素樹脂
(喜多村社製:PTFE)、(13)フッ素油(アウジ
モント社製:フォンブリン)、(14)フッ素グリース
(アウジモント社製:フォンブリングリース)。
【0036】〔実施例1〜17〕原材料を表1〜3に示
す配合割合(重量%)で混合し、混合物を鉄製の円柱状
容器(内径φ10mm、高さ8mm)に注入し、その
際、容器の上下に鉄板を敷いて200℃の恒温槽中に3
0分間保持した。これを室温まで冷却した後、容器から
取り出したものを試験片とし、以下のように(a)硬さ
試験、(b)熱変形性試験、(c)発錆試験および
(d)耐久試験を行ない、これらの結果を表1〜3中に
併記した。
【0037】(a)硬さ試験 JIS S6050規定の2スプリング硬さ試験機を用
いてHs(スプリング硬さ)を測定した。
【0038】(b)熱変形性試験 円柱状試験片(直径φ10mm、高さ8mm)につい
て、150℃の雰囲気中での肉眼による変形の有無を観
察し、変形なし(良好)、変形あり(不良)の2段階に
評価した。
【0039】(c)発錆試験 ASTM D 1743の錆試験法をさらに激しくした
方法を採用した。すなわち、軸受6204にラジアル荷
重98Nを負荷し、毎分1800回転で1分間慣らし運
転し、次に3%食塩水を0.5ミリリットル軸受内部に
注入した後、再度ラジアル荷重98Nを負荷し、この状
態で毎分1800回転で3分間回転させた。その後、こ
の軸受をデシケータに入れて40℃で100時間放置
し、軸受内側の発錆状況を調べた。発錆状況の評価は、
内輪レースを周方向に23等分し、外輪レースを周方向
に31等分して錆のあった区間数とし、試験回数n=2
回の平均区間数を錆評点とした。
【0040】(d)耐久試験 転がり軸受に、ラジアル荷重およびアキシャル荷重をそ
れぞれ6.8kgf負荷し、120℃の雰囲気で毎分5
000回転の速度で内輪を回転駆動して軸受の耐久時間
数を調べた。耐久限度の評価は、固形潤滑剤が軸受内か
ら外部に飛散するなどして軸受内輪を駆動する電動機の
入力電流が制限電流(正常値の2倍)を超過した時点を
その軸受の寿命(耐久限度)とし、その時間数(h)を
表1〜3中に併記した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】〔比較例1〕超高分子量ポリオレフィン、
食品機械用グリースIを原材料として表2に示す配合割
合で混合し、これをステンレス鋼(SUS440C)製
の軸受6204に約1.8g封入してゴム製シールをし
た。そして、この軸受を150〜180℃の恒温槽内で
30分間加熱して、前記の混合物を固形状化した。
【0045】得られた固形潤滑剤について前記の(a)
硬さ試験、(b)熱変形性試験、(c)錆試験および
(d)耐久試験を行い、これらの結果を表2中に併記し
た。
【0046】〔比較例2〕食品加工用グリースIを軸受
6204(SUJ2)に約1.8g封入した。得られた
固形潤滑剤についての特性を調べるため、前記の(a)
硬さ試験、(b)熱変形試験および(c)錆試験を行
い、この結果を表2中に併記した。
【0047】表1〜3の試験結果からも明らかなよう
に、超高分子量ポリオレフィンとグリースを分散保持し
た比較例1の固体潤滑剤は、150℃雰囲気中で変形
し、また、120℃での耐久試験では1時間で寿命に達
し、そのような高温で使用する軸受内では所期した潤滑
性能を発揮できないことが判明した。
【0048】また、グリースを固形状化せずにそのまま
封入した比較例2は、150℃雰囲気中で変形し、錆防
止性についても不満足な結果であった。
【0049】これに対して、実施例1〜17は、グリー
スの漏れがなく、しかも食塩水が軸受内部に侵入するよ
うな過酷な条件において、錆が発生し難く、防錆性およ
び潤滑耐久性が極めて優れ、しかも150℃の雰囲気中
で変形がなく、特に、実施例6と10のものは、120
℃で1000時間を越える耐久性があった。
【0050】
【発明の効果】この発明の潤滑剤は、以上説明したよう
に、人体に対して安全で無害である所定の成分からなる
固型潤滑剤であり、特にポリアミド、ポリアセタールま
たはフッ素樹脂の粉末を配合した食品機械用固形潤滑剤
としたので、水で流失しない固形状の食品機械用固形潤
滑剤となることに加えて、高温での使用、特に150℃
以上の連続使用に耐え、しかも鉄鋼等の金属製摺動面を
潤滑する場合に食塩水に触れる条件でも錆を発生させに
くいものとなる利点がある。
【0051】また、この発明の転がり軸受は、前記所定
の成分からなる固形潤滑剤を封入したものであるから、
食塩を含む水に接触するような使用条件でも摺動面に錆
を発生させにくく、しかも120℃以上の高温での連続
使用できるほど耐久性に優れた食品機械用転がり軸受で
あるという利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16C 33/66 F16C 33/66 Z // C10N 20:00 30:00 40:02 50:08 50:10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動パラフィン、ポリαオレフィン油、
    フッ素油、植物油および動物油から選ばれる一種以上の
    油またはこの油を基油とするグリースを5〜95重量%
    と、ポリアミド粉末95〜5重量%との混合物を、前記
    ポリアミド粉末のゲル化点以上の温度に加熱して成形し
    てなる食品機械用固形潤滑剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の食品機械用固形潤滑剤
    において、ポリアミド粉末に代えてポリアセタール粉末
    を用いたことを特徴とする食品機械用固形潤滑剤。
  3. 【請求項3】 フッ素油またはフッ素油を基油とするフ
    ッ素系グリース5〜95重量%と、フッ素樹脂粉末95
    〜5重量%との混合物を、前記フッ素樹脂粉末のゲル化
    点以上の温度に加熱して成形してなる食品機械用固形潤
    滑剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の食
    品機械用固形潤滑剤を、ステンレス鋼製の転がり軸受内
    部に封入してなる食品機械用転がり軸受。
JP14752198A 1998-05-28 1998-05-28 食品機械用固形潤滑剤および食品機械用転がり軸受 Pending JPH11335687A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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