JPH11334122A - イメ―ジセッタ―記録フィルムの露光方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望イメージの色校正刷りを作成する装置と
同じ装置を使用して、イメージセッター記録フィルム上
に所望イメージを露光する。 【解決手段】 イメージ処理装置１０のための、色校正
刷り作成装置におけるイメージセッター記録フィルムの
露光方法である。この方法は、染料収集担持体をイメー
ジ形成真空ドラム３００上に載置するステップと、第一
のイメージセッター記録フィルムのシートをその染料収
集担持体と整合した状態に載置するステップとを含む。
第一のイメージセッター記録フィルムのシートは、染料
付着側を下にして載置される。第一のイメージセッター
記録フィルムのシートから染料を除去し染料収集担持体
上に収集して、第一のイメージセッター記録フィルムの
シート上に所望イメージを作成する。イメージセッター
記録フィルムの追加のシートも、同様に処理される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一般的にイメージ
処理装置に関し、特に色校正刷り作成機（color-proofe
r）のイメージ形成真空ドラム上におけるイメージセッ
ター記録フィルム（imagesetter recording film）の露
光に関する。

【０００２】

【従来の技術】プリプレスカラープルーフィング（印刷
前色校正）とは、印刷業界において実施される、印刷物
の見本イメージを形成するための手順である。それによ
り、実際に印刷版を作成し高速で多量に印刷する印刷機
を設定すればかかってしまう多額の経費と時間をかけず
に、所望するイメージの見本を作成できる。所望イメー
ジの見本の作成工程においては、数々の修正が必要とな
り、顧客の満足が得られるまで数回作成を実施する必要
がある場合もある。もし各修正毎に印刷版を作成するな
らば、顧客側にかなり高額の費用を発生させる結果とな
る。

【０００３】市販のイメージ処理装置が、同一出願人に
よる米国特許第５，２６８，７０８号に記載されてい
る。このイメージ処理装置では、数枚のシート状の染料
ドナー材料を用い、一度に一枚のシートから染料を熱印
刷媒体シートに転写することによって、熱印刷媒体上に
所望イメージを作成する。染料ドナーシートにレーザを
用いて熱エネルギーを作用させ、所望イメージを生成す
る。

【０００４】所望イメージが顧客の要求を満たした時点
で、印刷版を露光する際に必要なイメージセッター記録
フィルムを作成する。このイメージセッター記録フィル
ムは、イメージセッターなどの別個の装置で作成し、さ
らに他の機器において印刷版を露光するために使用され
る。印刷版は、露光用のイメージセッターフィルムを使
用せずに別個の装置で作成することも可能である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来のイメージ処理装
置の性能は満足できるものではあるが、色校正刷りの作
成に使用する装置と同じ装置でイメージセッター記録フ
ィルムを露光することが要求されている。色校正刷りの
作成に使用する機器と同じ機器でイメージセッター記録
フィルムを作成することにより、別個の機器の必要がな
くなる。しかし、イメージセッター記録フィルムの作成
によって残存染料が生じるため、これを色校正作成機か
ら除去しなければ、残存染料が蓄積して色校正作成機の
性能が低下してしまうという問題がある。

【０００６】本発明は、所望イメージの色校正刷りを作
成する装置と同じ装置を使用して、イメージセッター記
録フィルム上に所望イメージを露光することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明によって、上述の
問題を解決することを意図する。一つの態様において本
発明は概略的には、イメージ処理装置のための、色校正
刷り作成装置におけるイメージセッター記録フィルムの
露光方法である。この方法は、染料収集担持体のシート
をイメージ形成真空ドラム上に載置するステップと、第
一のイメージセッター記録フィルムのシートをその染料
収集担持体と整合した状態に載置するステップとを含
む。第一のイメージセッター記録フィルムのシートは、
染料付着側を下にして載置される。第一のイメージセッ
ター記録フィルムのシートから染料を除去し染料収集担
持体上へ収集して、第一のイメージセッター記録フィル
ムのシート上に所望イメージを作成する。イメージセッ
ター記録フィルムの追加のシートおよび他の形態のもの
も、同様に処理される。さらなる実施形態においては、
イメージセッター記録フィルムの各シートが送出される
度に、染料収集担持体をイメージ形成真空ドラムから送
出して青図イメージ（blue line image）を供給する。

【０００８】同じラスタイメージプロセッサ（ＲＩＰ）
から同じ電子回路を通じて同じプリントヘッドへ供給さ
れる同じイメージファイルを用いて、イメージセッター
フィルムを露光して染料収集担持体材料上に染料を転写
し、それにより印刷版の作成に必要な所望イメージをイ
メージセッター記録フィルム上に形成する。染料または
除去可能な層が、ドラム上の染料収集担持体材料側に向
けられているため、プリントヘッドの領域から染料を吸
い取る吸引システムは必要ない。すなわち、イメージセ
ッターフィルムをプリントヘッドで露光し、染料収集担
持体材料上にそのフィルムの青図イメージを生成した際
に、イメージセッターフィルムから染料を吸い取る必要
がない。

【０００９】本発明の利点は、四色校正刷りの作成に使
用する装置と同じ装置でイメージセッター記録フィルム
を露光できる点である。

【００１０】また、以下のような点を必要に応じ可能と
できることにある。

【００１１】四色校正刷りの作成時と同じラスタイメー
ジプロセッサ（ＲＩＰ）を用いてイメージセッター記録
フィルムを作成できる点、また、四色校正刷りの作成時
と同じ印刷用電子回路を用いてイメージセッター記録フ
ィルムを作成できる点、さらに、四色校正刷りの作成時
と同じプリントヘッドを用いてイメージセッター記録フ
ィルムを作成できる点、イメージセッター記録フィルム
から除去される染料が、四色校正刷りの作成時と同じ真
空ドラムを用いて染料収集担持体材料へ転写できる点が
挙げられる。

【００１２】さらに、イメージセッター記録フィルムの
露光と同時に染料収集担持体材料上に青図イメージが生
成できる点、イメージセッター記録フィルムから除去さ
れた染料を吸い取るための別個の染料収集担持吸引シス
テムが不要とできる点、が挙げられる。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１に、本発明によるイメージ処
理装置１０を示す。イメージ処理装置１０は、保護カバ
ーであるイメージプロセッサハウジング１２を有する。
イメージプロセッサハウジング１２の前部には、蝶番で
取り付けられ開閉可能なプロセッサドア１４が設けられ
ている。そこを通じて、イメージプロセッサハウジング
１２内部に配置され熱印刷媒体３２を支持する二つのシ
ート材料トレーである、下部シート材料トレー５０ａお
よび上部シート材料トレー５０ｂへアクセスすることが
できる。一方のシート材料トレー５０のみから熱印刷媒
体３２が供給され、その熱印刷媒体３２上に所望イメー
ジが形成される。他方のシート材料トレー５０は、他の
種類の熱印刷媒体３２を保管するか、または予備シート
材料トレーとして機能する。上記作動に関連して、下部
シート材料トレー５０ａは、下部シート材料トレー５０
ａを持ち上げることにより熱印刷媒体３２を持ち上げる
下部媒体リフトカム５２ａを含む。それにより、熱印刷
媒体３２は上方に、回転式下部媒体ローラ５４ａおよび
第二の回転式上部媒体ローラ５４ｂへ送られる。それら
の二つのローラが回転することにより、熱印刷媒体３２
は媒体ガイド５６へと、さらに上方に引き上げられる。
上部シート材料トレー５０ｂは、上部シート材料トレー
５０ｂを持ち上げることにより熱印刷媒体３２を持ち上
げる上部媒体リフトカム５２ｂを含む。それにより、熱
印刷媒体３２は上部媒体ローラ５４ｂへ持ち上げられ、
その上部媒体ローラ５４ｂによって媒体ガイド５６へ移
送される。

【００１４】可動媒体ガイド５６は熱印刷媒体３２を、
一対の媒体ガイドローラ５８へ案内する。媒体ガイドロ
ーラ５８は、熱印刷媒体３２を押さえて上部媒体ローラ
５４ｂを補助し、それにより熱印刷媒体３２は媒体配置
トレー６０上へ移送される。媒体ガイド５６は、一方の
端部が旋盤ベッド走査フレーム（lathe bed scanningfr
ame）２０２（図２参照）に蝶番によって取り付けられ
ている。他方の端部は固定されておらず、それにより媒
体ガイド５６は複数位置への配置が可能になっている。
続いて媒体ガイド５６の未固定端部を図示するように下
方へ旋回させ、さらに上部媒体ローラ５４ｂの回転方向
を逆にする。それにより、媒体配置トレー６０上の熱印
刷媒体である受けシート材料３２を、媒体ガイドローラ
５８の下および入口経路２０４を通じて上方へ、そして
回転式イメージ形成真空ドラム３００の周囲へと移送す
る。

【００１５】染料ドナー材料のロール３４が、イメージ
プロセッサハウジング１２の下部に位置する媒体カルー
セル（回転式円形デバイス）（media carousel）１００
に配置されている。四つのロール３４を使用するが、明
確な図示のためここには一つのみを示す。各ロール３４
は、典型的には黒、黄、マジェンタ、およびシアンであ
る異なる色の染料ドナー材料を含む。これらの染料ドナ
ー材料は最終的には、裁断されて染料ドナーシート材料
３６（図６）にされ、イメージ形成真空ドラム３００へ
移送される。そして、染料ドナーシート材料３６は内部
に染料が埋設された媒体となり、そこからイメージ形成
真空ドラム３００上の熱印刷媒体３２へ染料が転写され
る。以上の工程を、以下に詳述する。染料ドナー材料の
各ロール３４には、媒体駆動機構１１０が取り付けられ
ている。媒体駆動機構１１０は三つの媒体駆動ローラ１
１２を含み、それによって必要な染料ドナー材料を媒体
ナイフアセンブリ１２０内へ調節供給する。染料ドナー
材料が所定の位置に配置された後、媒体駆動ローラ１１
２は染料ドナー材料の駆動を停止し、媒体ナイフアセン
ブリ１２０の下部に設置された二つの媒体ナイフブレー
ド１２２が、染料ドナー材料を染料ドナーシート材料３
６に裁断する。続いて、媒体ガイド５６と共に下部媒体
ローラ５４ａおよび上部媒体ローラ５４ｂが、染料ドナ
ーシート材料３６を媒体配置トレー６０上に移送する。
最終的には、上述の熱印刷媒体３２を移送した手順と同
じ手順を用いて、染料ドナーシート材料３６をイメージ
形成真空ドラム３００へ熱印刷媒体３２と整合するよう
移送する。その完了時点で、染料ドナーシート材料３６
は熱印刷媒体３２上に配置されており、ドナーシート材
料３６と熱印刷媒体３２との間には、熱印刷媒体３２の
表面に埋設されたマイクロビーズによってわずかな間隙
が設けられている。

【００１６】レーザアセンブリ４００は、内部に一定数
量のレーザダイオード４０２を含む。レーザ４０２は、
光ファイバケーブル４０４を通じて分配ブロック４０６
と、さらにはプリントヘッド５００とに接続されてい
る。プリントヘッド５００は、レーザダイオード４０２
から受けた熱エネルギーを用いて、所望の色の染料を染
料ドナーシート材料３６から、上記間隙を通過させ熱印
刷媒体３２へ転写させる。プリントヘッド５００は、図
２に示すように親ねじ駆動ナット２５４および駆動カプ
リングによって親ねじ２５０に固定されている。それに
よりプリントヘッド５００は、イメージ形成真空ドラム
３００の長手方向軸に沿って可動であり、データを転写
して熱印刷媒体３２上に所望イメージを形成することが
できる。

【００１７】印刷の際には、イメージ形成真空ドラム３
００は一定の速さで回転する。そしてプリントヘッド５
００は、熱印刷媒体３２の一方の端部から始めて長手方
向全体に渡って横断して、熱印刷媒体３２上に配置され
た特定の染料ドナーシート材料３６の転写工程を完了す
る。プリントヘッド５００が熱印刷媒体３２上に配置さ
れた特定の染料ドナーシート材料３６の転写工程を完了
した後、その染料ドナーシート材料３６はイメージ形成
真空ドラム３００から除去され、排出スライドまたはシ
ュート１６を通じてイメージプロセッサハウジング１２
から排出される。染料ドナーシート材料３６はゴミ入れ
１８に入れられて、最終的にユーザによって除去され
る。続いて上述の工程を、染料ドナー材料の他の三つの
ロール３４に対して繰り返す。

【００１８】四枚の全ての染料ドナーシート材料３６か
ら色染料を転写し染料ドナーシート材料３６をイメージ
形成真空ドラム３００から除去した後、熱印刷媒体３２
をイメージ形成真空ドラム３００から送出し、移送機構
８０によって色定着アセンブリ１８０へ移送する。色定
着アセンブリ１８０の入口ドア１８２を開け、熱印刷媒
体３２を色定着アセンブリ１８０に入れる。熱印刷媒体
３２が色定着アセンブリ１８０内に配置されると、入口
ドア１８２を閉める。色定着アセンブリ１８０は、熱印
刷媒体３２に転写された色染料を定着させ、さらにその
上にマイクロビーズを固着させるよう、熱印刷媒体３２
を処理する。色定着工程終了後、媒体送出ドア１８４を
開ける。所望イメージが形成された熱印刷媒体３２は、
色定着アセンブリ１８０およびイメージプロセッサハウ
ジング１２から送出され、媒体ストッパ２０に接触して
止まる。

【００１９】図２に、イメージ処理装置１０の旋盤ベッ
ド走査サブシステム（lathe bed scanning subsystem）
２００の斜視図を示す。旋盤ベッド走査サブシステム２
００は、旋盤ベッド走査フレーム２０２に組み込まれた
イメージ形成真空ドラム３００、プリントヘッド５０
０、および親ねじ２５０を含む。イメージ形成真空ドラ
ム３００は、旋盤ベッド走査フレーム２０２内の軸線Ｘ
を軸に回転するよう設置されている。プリントヘッド５
００は、イメージ形成真空ドラム３００に対して可動で
あり、染料ドナーシート材料３６に光線を照射するよう
配置されている。プリントヘッド５００から照射される
各レーザダイオード４０２（図２には図示しない）の光
線は、イメージ処理装置１０からの変調電子信号によっ
て個別に変調されており、その電子信号は元のイメージ
の形状および色を表す。よって染料ドナーシート材料３
６の色染料は、熱印刷媒体３２上でその色の存在が必要
な領域のみにて揮発するよう加熱され、元イメージの形
状および色を復元する。

【００２０】プリントヘッド５００は可動の並進台状部
材２２０上に設置され、その並進台状部材２２０は並進
支持ロッド（translation bearing rods）２０６および
２０８上を低摩擦にてスライドできるよう支持されてい
る。並進支持ロッド２０６および２０８は、取付部分の
間にて歪んだり撓んだりしないよう十分に剛性がある。
並進支持ロッド２０６および２０８は、イメージ形成真
空ドラム３００の軸線Ｘに対して可能な限り平行になる
よう、そしてプリントヘッド５００の軸がイメージ形成
真空ドラム３００の軸線Ｘに直交するように設置され
る。前部並進支持ロッド２０８は並進台状部材２２０
の、イメージ形成真空ドラム３００の軸線Ｘに対して縦
方向および横方向の配置を管理する。後部並進支持ロッ
ド２０６は、前部並進支持ロッド２０８を軸とした並進
台状部材２２０の回転動作のみに関連して、並進台状部
材２２０の配置を管理し、並進台状部材２２０が束縛さ
れたりチャタリングしたり、もしくは何らかの方法で所
望イメージ生成時にプリントヘッド５００にて有害な振
動またはジターを発生するような、並進台状部材２２０
に過剰に無理のかかる状態を防止する。

【００２１】図２および図３に、ねじ切られた細長いシ
ャフト２５２を含む親ねじ２５０を示す。シャフト２５
２は、直線駆動モータ２５８の駆動端に取り付けられ、
さらにラジアル軸受２７２によって旋盤ベッド走査フレ
ーム２０２に固定されている。親ねじ駆動ナット２５４
は、くり貫かれた中心部２７０に溝を有する。その溝が
ねじ切りシャフト２５２のねじ切り部とかみ合い、それ
により、ねじ切りシャフト２５２が直線駆動モータ２５
８によって回転されると、親ねじ駆動ナット２５４はね
じ切りシャフト２５２の軸に沿って移動する。親ねじ駆
動ナット２５４は、親ねじカプリングと並進台状部材２
２０を通じて、プリントヘッド５００の周縁部に一体的
に取り付けられている。よって、ねじ切りシャフト２５
２が直線駆動モータ２５８によって回転されて親ねじ駆
動ナット２５４がねじ切りシャフト２５２の軸に沿って
移動すると、親ねじ駆動ナット２５４の移動に伴い、並
進台状部材２２０とさらにはプリントヘッド５００と
が、イメージ形成真空ドラム３００の軸に沿って移動す
る。

【００２２】図３に最も明確に示すとおり、環状のアキ
シアル（軸方向）荷重磁石２６０ａが、ねじ切りシャフ
ト２５２の駆動端に一体的に取り付けられており、旋盤
ベッド走査フレーム２０２に固定された他の環状アキシ
アル荷重磁石２６０ｂから間隔を空けて配置されてい
る。環状アキシアル荷重磁石２６０ａおよび２６０ｂ
は、ネオジム−鉄−ホウ素化合物などの希土類材料から
成ることが好ましい。ねじ切りシャフト２５２の略円形
ボス２６２部分は、環状アキシアル荷重磁石２６０ａの
中空部分内に配置され、玉軸受２６４を受ける略Ｖ字形
表面を一端に有する。他方の環状アキシアル荷重磁石２
６０ｂの中空部分には、円形挿入物２６６が配置され
る。その円形挿入物２６６は一方の端部に、玉軸受２６
４を受ける精密成形された表面を含み、他方の端部には
エンドキャップ２６８を受ける平坦な表面を含む。エン
ドキャップ２６８は、環状アキシアル荷重磁石２６０ｂ
を覆うよう配置され、旋盤ベッド走査フレーム２０２に
固定されている。それにより、環状アキシアル荷重磁石
２６０ｂの保護カバーとなり、親ねじ２５０の軸方向の
ストッパとなる。円形挿入物２６６は、どちらとも当業
界で周知であるRulon J（商標）またはDelrin AF（商
標）などの材料から成ることが好ましい。

【００２３】親ねじ２５０は、以下のように動作する。
直線駆動モータ２５８を作動させて、矢印で示す方向へ
親ねじ２５０を回転させると、親ねじ駆動ナット２５４
がねじ切りシャフト２５２上を軸に沿って移動する。環
状アキシアル荷重磁石２６０ａおよび２６０ｂは磁性に
よって互いに引きつけられるので、親ねじ２５０の軸方
向の移動は阻止されるが、玉軸受２６４によって親ねじ
２５０は回転可能である。回転の際、環状アキシアル荷
重磁石２６０ａ，２６０ｂ同士の相対的位置は維持され
る。すなわち、若干の間隔をあけた状態に保たれ、それ
により互いの間の機械的摩擦が回避され、親ねじ２５０
の回転が可能になるわけである。

【００２４】プリントヘッド５００は、イメージ形成真
空ドラム３００の回転に同期し印刷列（図示せず）の幅
に比例した速度にて、イメージ形成真空ドラム３００に
沿った経路上を移動する。プリントヘッド５００がイメ
ージ形成真空ドラム３００に沿って熱印刷媒体３２上に
転写するパターンは、螺旋である。

【００２５】図４に、イメージ形成真空ドラム３００の
分解図を示す。イメージ形成真空ドラム３００は、中空
の内部３０４と複数の吸引溝３３２および吸引孔３０６
とを含む円筒形の真空ドラムハウジング３０２を有す
る。吸引溝３３２および吸引孔３０６は、真空ドラムハ
ウジング３０２を貫通している。それにより、イメージ
形成真空ドラム３００の回転時に、イメージ形成真空ド
ラム３００の中空内部３０４から減圧状態を作用させ
て、熱印刷媒体３２および染料ドナーシート材料３６を
支持しその配置を維持することが可能である。

【００２６】イメージ形成真空ドラム３００の両端部
は、真空端板３０８および駆動端板３１０によって閉鎖
されている。駆動端板３１０には、中心に配置されそこ
から支持軸受を通って外側へ伸張する駆動スピンドル３
１２が設けられる。真空端板３０８には、中心に配置さ
れそこから他の支持軸受を通って外側へ伸張する真空ス
ピンドル３１８が設けられる。

【００２７】駆動スピンドル３１２は、支持軸受を通っ
て伸張し、駆動ナットによって取り付けられるＤＣ駆動
モータ電機子（図示せず）の駆動を受けるよう連結（st
epped down）されている。ＤＣモータ固定子は、旋盤ベ
ッド走査フレーム部材２０２に取り付けられ固定されて
おり、ＤＣ駆動モータ電機子を囲む。それにより、イメ
ージ形成真空ドラム３００のための、可逆の可変ＤＣ駆
動モータを形成する。駆動スピンドル３１２の端部に
は、イメージ処理装置１０にタイミング信号を供給する
ドラム符号器が設置されている。

【００２８】真空スピンドル３１８には、中央真空開口
３２０が設けられている。その中央真空開口３２０は、
旋盤ベッド走査フレーム２０２にしっかりと固定されて
いる外部フランジを有する真空フィッティングと整列す
る。真空フィッティングは伸張部を有する。その伸張部
は、真空スピンドル３１８内へ伸張するが真空スピンド
ル３１８との間に若干の間隔を保ち、細い隙間を形成す
る。この構成によって、真空フィッティングの外径と真
空スピンドル３１８の中央真空開口３２０の内径との間
において、減圧状態にわずかな逃げが設けられる。この
状態によって、真空フィッティングとイメージ形成真空
ドラム３００とは互いに接触しないことが確実にされ、
そのような接触によって回転時にイメージ形成真空ドラ
ム３００にて生じる可能性がある不均一な動作またはジ
ターを防止する。

【００２９】真空フィッティングの反対側の端部は、高
体積の真空ポンプに接続されている。この真空ポンプ
は、空気流量２８〜３３リットル／秒にて９３〜１１２
ｍｍＨｇの減圧状態を発生させることができる。そし
て、イメージ形成真空ドラム３００にその減圧状態を作
用させ、熱印刷媒体３２および染料ドナーシート材料３
６の配置時、走査時、並びに送出時に必要とされる多様
なレベルの減圧状態を、イメージ形成真空ドラム３００
の内部において維持する。イメージ形成真空ドラム３０
０上にいずれの媒体も配置されていない場合、イメージ
形成真空ドラム３００の内部減圧レベルは約１８〜２８
ｍｍＨｇである。熱印刷媒体３２のみがイメージ形成真
空ドラム３００上に配置されている場合、イメージ形成
真空ドラム３００の内部減圧レベルは約３７〜４６ｍｍ
Ｈｇである。このレベルは、染料ドナーシート材料３６
を除去する時、熱印刷媒体３２を動かさず色整合を保つ
のに必要なレベルである。本構成において、熱印刷媒体
３２と染料ドナーシート材料３６との両方が完全にイメ
ージ形成真空ドラム３００上に配置されている場合、イ
メージ形成真空ドラム３００の内部減圧レベルは約９３
〜１１２ｍｍＨｇである。

【００３０】イメージ形成真空ドラム３００の外部表面
上には、図５に示すように、イメージ形成真空ドラム３
００の円周の約８°に渡って、軸方向に伸張する平面３
２２が備えられる。イメージ形成真空ドラム３００には
さらに、円周凹部３２６を形成する（二つの）ドナー支
持リング３２４が設けられる。円周凹部３２６は、軸方
向に伸張する平面３２２の一方の側から、イメージ形成
真空ドラム３００の円周を一周し、軸方向に伸張する平
面３２２の他方の側へ伸張する。そして長手方向には、
イメージ形成真空ドラム３００の一方の端部から約２５
ｍｍの箇所から、イメージ形成真空ドラム３００の他方
の端部から約２５ｍｍの箇所まで伸張する。

【００３１】熱印刷媒体３２は、イメージ形成真空ドラ
ム３００上へ移送されると、図６（ａ）〜６（ｃ）に示
すように円周凹部３２６内に配置される。ドナー支持リ
ング３２４は、互いの間に配置された熱印刷媒体３２と
実質的に同じ厚さである約０．１ｍｍの厚さを有する。
イメージ形成真空ドラム３００表面上の円周凹部３２６
の役割は、ドナーシート材料３６を染料熱印刷媒体３２
上に配置する際にしわがよらないようにすることであ
る。円周凹部３２６によって、染料ドナーシート材料３
６における折り目やしわの発生を防止でき、それによ
り、折り目やしわがイメージ領域に及んだ場合に所望イ
メージに与える悪影響を回避できる。円周凹部３２６は
また、イメージ形成真空ドラム３００表面の吸引孔３０
６によって確実に除去することが難しい、熱印刷媒体３
２の縁に沿って溜まった空気を実質的に排除する。熱印
刷媒体３２と染料ドナーシート材料３６との間に空気が
残存すると、所望イメージに悪影響が及ぶ。

【００３２】図７において、直接デジタル色校正刷り作
成機をイメージセッターとして使用する場合、染料収集
担持体材料ロール４４およびイメージセッターフィルム
４０を、イメージプロセッサハウジング１２の下部に位
置する媒体カルーセル１００内に設置する。ロール３４
は６個まで配置できる。それぞれのロール３４には、典
型的には黒、黄、マジェンタ、およびシアンである異な
る色の染料ドナー材料、染料収集担持体材料ロール４
４、およびイメージセッターフィルムロール４０を含
む。シート状の染料収集担持体シート４５を、予備の媒
体トレー５０ａから供給することもできる。

【００３３】染料収集担持体材料４４およびイメージセ
ッターフィルム４０は最終的には、染料収集担持体シー
ト４５およびイメージセッターフィルムシート４２（図
８）に裁断される。そして、イメージ形成真空ドラム３
００へ移送されて、埋設された染料が除去される。以上
の工程を、以下に詳述する。媒体駆動機構１１０が、染
料収集担持体４４のロール３４に取り付けられている。
媒体駆動機構１１０は三つの媒体駆動ロール１１２を含
み、それらを通じて染料収集担持体４４は上方の媒体ナ
イフアセンブリ１２０へ調節供給される。染料収集担持
体４４が所定の位置に配置されると、媒体駆動ロール１
１２は染料収集担持体４４の駆動を停止する。そして、
媒体ナイフアセンブリ１２０の下部に位置する二つの媒
体ナイフブレード１２２が、染料収集担持体４４を染料
収集担持体シート４５に裁断する。続いて、媒体ガイド
５６と共に下部媒体ローラ５４ａおよび上部媒体ローラ
５４ｂが、染料収集担持体シート４５を媒体配置トレー
６０上に移送する。最終的には、上述の熱印刷媒体３２
をイメージ形成真空ドラム３００上へ移送した手順と同
じ手順を用いて、染料収集担持体シート４５をイメージ
形成真空ドラム３００へ移送する。

【００３４】イメージセッターフィルム４０のロール３
４に取り付けられた媒体駆動機構１１０は、三つの媒体
駆動ロール１１２を含み、それらを通じてイメージセッ
ターフィルム４０は上方の媒体ナイフアセンブリ１２０
へ調節供給される。イメージセッターフィルム４０が所
定の位置に配置されると、媒体駆動ロール１１２はイメ
ージセッターフィルム４０の駆動を停止する。そして、
媒体ナイフアセンブリ１２０の下部に位置する二つの媒
体ナイフブレード１２２が、イメージセッターフィルム
４０をイメージセッターフィルムシート４２に裁断す
る。続いて、媒体ガイド５６と共に下部媒体ローラ５４
ａおよび上部媒体ローラ５４ｂが、イメージセッターフ
ィルムシート４２を媒体配置トレー６０上に移送する。
最終的には、上述の熱印刷媒体３２をイメージ形成真空
ドラム３００上へ移送した手順と同じ手順を用いて、イ
メージセッターフィルムシート４２をイメージ形成真空
ドラム３００へ移送する。

【００３５】プリントヘッド５００は、レーザダイオー
ド４０２から受けた熱エネルギーを用いて、イメージセ
ッターフィルムシート４２上の染料を移動させる。その
染料は、イメージセッターフィルムシート４２から染料
収集担持体シート４５へ転写される。プリントヘッド５
００は、親ねじ駆動ナット２５４および駆動カプリング
によって親ねじ２５０に取り付けられている。それによ
り、プリントヘッド５００はイメージ形成真空ドラム３
００の長手方向軸に沿って可動であり、データを転写し
てイメージセッターフィルムシート４２上に所望イメー
ジを形成することができる。

【００３６】イメージセッターフィルムシート４２にお
ける所望イメージの形成は、校正刷り作成時と同じ工程
を用いて実施される。この工程ではさらに、染料収集担
持体シート４５上にポジティブイメージが形成される。
これは、青図イメージとして使用できる。

【００３７】第一のイメージセッターフィルムシート４
２が完成すると、そのイメージセッターフィルムシート
４２はイメージ形成真空ドラム３００から除去され、移
送機構８０によって色定着アセンブリ１８０へ移送され
る。色定着アセンブリ１８０の入口ドア１８２を開け
て、イメージセッターフィルムシート４２を色定着アセ
ンブリ１８０に入れる。この時点で、イメージセッター
フィルムシート４２上にイメージを安定させるよう、後
焼き付けを実施（post-baked）してもよい。その後媒体
送出ドア１８４を開け、所望イメージが形成されたイメ
ージセッターフィルムシート４２は色定着アセンブリ１
８０およびイメージプロセッサハウジング１２から送出
され、媒体ストッパ２０に接触して止まる。続いて第二
のシートを染料収集担持体シート４５上に配置してイメ
ージ形成を実施するか、もしくは染料収集担持体シート
４５を排出スライドまたはシュート１６を通じてイメー
ジプロセッサハウジング１２から排出する。染料収集担
持体シート４５は最終的に、ゴミ入れ１８に入れられて
ユーザによって除去される。染料収集担持体シート４５
を青図イメージとして使用する場合は、各イメージセッ
ターフィルムシート４２におけるイメージ形成後に、染
料収集担持体シート４５を送出する。

【００３８】染料収集担持体シート４５は、イメージ形
成真空ドラム３００上へ移送されると、図９（ａ）〜９
（ｃ）に示すように円周凹部３２６内に配置される。ド
ナー支持リング３２４は、互いの間に配置された染料収
集担持体シート４５と実質的に同じ厚さである、約０．
１ｍｍの厚さを有する。イメージ形成真空ドラム３００
表面上の円周凹部３２６の役割は、イメージセッターフ
ィルムシート４２を染料収集担持体シート４５上に配置
する際にしわがよらないようにすることである。円周凹
部３２６によって、イメージセッターフィルムシート４
２染料における折り目やしわの発生が防止でき、それに
より、折り目やしわがイメージ領域に及んだ場合に所望
イメージに与える悪影響を回避できる。円周凹部３２６
はまた、イメージ形成真空ドラム３００表面の吸引孔３
０６によって確実に除去することが難しい、染料収集担
持体シート４５の縁に沿って溜まった空気を実質的に排
除する。染料収集担持体シート４５とイメージセッター
フィルムシート４２との間に空気が残存すると、所望イ
メージに悪影響が及ぶ。

【００３９】好適な実施形態に沿って本発明を説明した
が、上記および請求の範囲に記載の本発明の精神と範囲
から逸れることなく、通常の知識を有する当業者によっ
て多くの変形および修正が実施できると理解されよう。
たとえば、イメージセッターフィルムシート４２におけ
るイメージ形成後、校正刷り作成中に染料収集担持体を
ドラムから送出し、保管トレーに保管して再利用するこ
とが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のイメージ処理装置の縦断面を示す側
面図である。

【図２】 本発明の旋盤ベッド走査サブシステムまたは
印刷機構を示す斜視図である。

【図３】 本発明の親ねじの水平断面を一部点線で示す
平面図である。

【図４】 本発明のイメージ形成真空ドラムを示す分解
斜視図である。

【図５】 本発明のイメージ形成真空ドラムの表面を示
す平面図である。

【図６】 イメージ形成真空ドラムを示す平面図であ
り、熱印刷媒体および染料ドナーシート材料の配置順序
を説明する。

【図７】 本発明のイメージ処理装置の縦断面を示す側
面図である。

【図８】 染料収集担持体材料およびイメージセッター
フィルムと共にイメージ形成真空ドラムを示す部分断面
図である。

【図９】 イメージ形成真空ドラムを示す平面図であ
り、染料収集担持体材料およびイメージセッターフィル
ムの配置順序を説明する。

【符号の説明】

１０ イメージ処理装置、３２ 熱印刷媒体、３６ 染
料ドナー材料シート、４２ イメージセッターフィルム
シート、４５ 染料収集担持体シート、３００イメージ
形成真空ドラム。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 色校正刷り作成装置においてイメージセ
   ッター記録フィルムを露光する方法であって、 染料収集担持体をイメージ形成真空ドラム上に載置する
   ステップと、 第一のイメージセッター記録フィルムのシートを、染料
   付着側を下にしてイメージ形成真空ドラム上の前記染料
   収集担持体と整合した状態に載置するステップと、 前記第一のイメージセッター記録フィルムのシートから
   染料を除去し、除去した染料を前記染料収集担持体によ
   り収集して、前記第一のイメージセッター記録フィルム
   のシート上に第一の所望イメージを作成するステップ
   と、を有する方法。
2. 【請求項２】 色校正刷り作成装置においてイメージセ
   ッター記録フィルムを露光する方法であって、 第一の染料収集担持体のシートをイメージ形成真空ドラ
   ム上に載置するステップと、 第一のイメージセッター記録フィルムのシートを、染料
   付着側を下にして前記第一の染料収集担持体のシートと
   整合した状態に載置するステップと、 前記第一のイメージセッター記録フィルムのシートから
   染料を除去し前記第一の染料収集担持体のシートにより
   収集して、前記第一のイメージセッター記録フィルムの
   シート上に所望イメージを作成するステップと、を有す
   る方法。
3. 【請求項３】 色校正刷り作成装置においてイメージセ
   ッター記録フィルム上にイメージを生成する方法であっ
   て、 熱印刷媒体のシートをドラム上に載置するステップと、 第一の染料ドナー材料のシートを前記ドラム上に前記熱
   印刷媒体のシートと整合した状態で載置するステップ
   と、 前記第一の染料ドナー材料のシートから染料を前記熱印
   刷媒体へ転写するステップと、 前記第一の染料ドナー材料のシートを前記ドラムから除
   去するステップと、 第二の染料ドナー材料のシートを前記ドラム上に前記熱
   印刷媒体と整合した状態で載置するステップと、 前記第二の染料ドナー材料のシートから染料を前記熱印
   刷媒体へ転写するステップと、 前記第二の染料ドナー材料のシートを前記ドラムから除
   去するステップと、 第三の染料ドナー材料のシートを前記ドラム上に前記熱
   印刷媒体と整合した状態で載置するステップと、 前記第三の染料ドナー材料のシートから染料を前記熱印
   刷媒体へ転写するステップと、 前記第三の染料ドナー材料のシートを前記ドラムから除
   去するステップと、 前記熱印刷媒体を前記ドラムから除去するステップと、 染料収集担持体を前記ドラム上に載置するステップと、 第一のイメージセッター記録フィルムのシートを、染料
   付着側を下にして前記ドラム上に載置するステップと、 前記第一のイメージセッター記録フィルムのシート上に
   第一のイメージを生成するステップと、 前記第一のイメージセッター記録フィルムのシートを前
   記ドラムから除去するステップと、 第二のイメージセッター記録フィルムのシートを、染料
   付着側を下にして前記染料収集担持体と整合した状態で
   前記ドラム上に載置するステップと、 前記第二のイメージセッター記録フィルムのシート上に
   第二のイメージを生成するステップと、 前記第二のイメージセッター記録フィルムのシートを前
   記ドラムから除去するステップと、 第三のイメージセッター記録フィルムのシートを、染料
   付着側を下にして前記染料収集担持体と整合した状態で
   前記ドラム上に載置するステップと、 前記第三のイメージセッター記録フィルムのシート上に
   第三のイメージを生成するステップと、 前記第三のイメージセッター記録フィルムのシートを前
   記ドラムから除去するステップと、を有する方法。