JP3337495B2 - 複数室がある画像形成ドラム - Google Patents

複数室がある画像形成ドラム

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JP3337495B2
JP3337495B2 JP21590692A JP21590692A JP3337495B2 JP 3337495 B2 JP3337495 B2 JP 3337495B2 JP 21590692 A JP21590692 A JP 21590692A JP 21590692 A JP21590692 A JP 21590692A JP 3337495 B2 JP3337495 B2 JP 3337495B2
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    • G03F3/108Checking the colour or tonal value of separation negatives or positives using a non-impact printing method, e.g. ink jet, using duplicating or marking methods covered by B41M5/00, e.g. by ablation or by thermographic means

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子信号入力を用いた
多色刷り装置に関し、詳しくはレーザを用いて自動的に
フルカラーのプルーフ(印刷)イメージを生成し、一連
のカラー染料転写用紙に熱エネルギーを与え、それぞれ
の色の染料を選択的に記録紙に転写し、印刷イメージを
形成する方法および装置に関する。
【0002】関連出願 本発明は以下の係属中の出願と関連する。すなわち、そ
れぞれ1991年3月15日に出願された、米国特許出願番号
670,088 号の「書き込みビーム角調整装置」、米国出願
第670,089 号の「オートフォーカス装置のための自動的
なカットアウト」、米国出願第670,092 号の「異なる波
長の光を用いた書き込みビームの焦点合わせ」、米国出
願第670,095 号の「フォーカスファイバーマウント」、
および米国出願第670,129 号の「高速フォーカシングレ
ンズアセンブリ」、およびレイモンド ジェイ ハーシ
ュバーガー、ウィリアム ジー ファーエイ、ロナルド
アール ファースによる米国出願第749,228 号「レーザ
サーマルプリンタ装置およびその印字方法」、マイケル
エイチ パーソンズとジェイムズ エル モーンカー
ンによる米国出願第749,229 号「ロール状の素材供給を
用いたレーザサーマルプリンタ」、マイケル エイチ
パーソンズによる米国出願第749,378 号「レーザサーマ
ルプリンタのためのロール状用紙」、ジェームズ エル
モーンカーン、マイケル エイチ パーソンズ、レー
ネ エル ゴベインによる米国出願第749,223 号「素材
供給カルーゼル(回転ラック)」、マイケル エイチ
パーソンズによる米国出願第749,050 号「調節可能のエ
ッジガイドを備えた用紙搬送装置」、マイケル エイチ
パーソンズによる米国出願第749,372 号「垂直シート
搬送部を有するレーザサーマルプリンタ」、マイケル
エイチ パーソンズとウィリアム ジェイ サイモンズ
による米国出願第749,244 号「異なるシートと選択的に
接触するシート搬送装置」、ロジャー エス カーによ
る米国出願第749,399 号「マルチチャンバーの画像形成
ドラム」、ブラッドリー シー デクック、ロジャー
エス カー、リチャード エル オトゥールによる米国
出願第749,232 号「印刷済みシートと不要シートとをソ
ーティングする方法および装置」、ロジャー エス カ
ーによる米国出願第749,391 号「ドラム周囲にシート保
持リセス(凹み部)を有する画像形成減圧吸引ドラ
ム」、ブラッドリー シー デクック、ロジャー エス
カー、リチャード エル オトゥールによる米国出願
第749,231 号「重ね合わされたシート間からの空気除去
方法」、ロジャー エスカーによる米国出願第749,389
号「ドラム表面に軸方向に伸びる平坦部を有する画像形
成減圧吸引ドラム」、ロジャー エス カーとジェーム
ズ ケイ ルーセイによる米国出願第749,230 号「減圧
吸引ドラムにシートを順次重ねて供給し、またそこから
シートを取り除く方法および装置」、ロジャー エス
カーとダグラス エル ブランディングによる米国出願
第749,227 号「効果的な空気流を有するレーザサーマル
プリンタ」、マイケル エス ファーシルによる米国出
願第749,226 号「オートフォーカス検出マスク」、マイ
ケル エス ファーシルによる米国出願第749,225 号
「オートフォーカスのための初期立ち上げ方法」、マイ
ケル エス ファーシルとエリック ジーレンスキーに
よる米国出願第749,222 号「書き込みヘッド上のフォー
カシングレーザダイオードマウント」、ロジャー エス
カーとスタンレイ ジェイ トーマスによる米国出願
第749,386 号「光ファイバーマウントおよびサポー
ト」、シェリル ジェイ クベルカ、デビッド エフ
ダルフォンソ、エンスレイ イー タウンセンドによる
米国出願第749,387 号「ドラム表面の位置確認印」、エ
リック ジーレンスキーによる米国出願第749,382 号
「精密リードスクリュー駆動装置」、エリック ジーレ
ンスキーによる米国出願第749,390 号「光ファイバー巻
取りアセンブリ」、エリック ジーレンスキーによる米
国出願第749,383 号「書き込み平行移動機マウント」、
ドナルド デジャガーによる「マイクロリレーレンズと
して用いられる高口径有限共役レンズシステム」と関連
するものである。
【0003】
【従来の技術】色校正印刷とは印刷業界で用いられる手
法であり、印刷されるもともとの画像を模写した再生画
像を生成するために、費用と時間をかけることなく、高
速で大量印刷可能な印刷機を現実にセットアップして、
意図された画像見本を印刷するものである。以前は、こ
れらの見本画像もしくは校正刷りが、印刷機で使用され
る個々のカラー印刷プレートを生成するのと同様の色分
離により印刷されており、刷り上がった画像の差異を最
小限にできた。カラープリントを生成するのに様々なカ
ラー校正印刷装置が考案され、写真印刷、電子写真印
刷、非写真印刷などのプレスや小型の低速プレスにも使
用されてきた。
【0004】出来上がった校正刷り(プルーフ)は、構
成、スクリーニング、解像度、色、編集、その他の視覚
的な要素によって判定される。校正刷が印刷機で最終的
に印刷される画像に近ければ近い程、また、出来上がっ
た画像間、使用するそれぞれの印刷装置、印刷を行うそ
れぞれの店舗間で一貫性があればある程、その校正印刷
装置は受け入れられる。校正印刷システムの判定基準は
また、再生度、装置の費用、個々の校正刷の費用、速
度、環境的な要因から影響を受けることも含んでいる。
さらに、ほとんどすべての印刷装置には、生き生きとし
た画像を形成するのにハーフトーンプロセス(原画像
を、例えば写真などでスクリーン越しに撮影し、原画像
の濃淡密度を表す複数のドットにより形成される画像を
含む印刷プレートを生成するもの)が用いられているの
で、当然校正刷りを生成するのにも、連続トーンシステ
ムよりハーフトーンプロセスの方が印刷業界において受
け入れられている。
【0005】適切なデータ記憶装置に記憶された電子デ
ータから、電子的に分離された単一色分離という形で印
刷版を生成する電子システムの開発で、写真色分離法を
用いてプルーフ画像を生成する方法はいくぶん古くな
り、プルーフ画像と実際の印刷版の双方を電子的に形成
し、記憶させ、処理するための様々なプロセスが開発さ
れ実践されてきた。これら電子システムの一部はアナロ
グイメージも扱うことができるが、最も広く使用される
システムは、デジタルイメージの処理の容易さゆえに、
これを用いる。これら両方の電子システムにおいて、生
成された画像をCRTデスプレイに表示することが可能
である。しかし、最終印刷操作に進んでよいかどうかを
完全に判定する前に、一般に「ハードコピー」(実際に
紙などに印刷されたイメージ)を生成する必要がある。
これら双方の電子システムでは、実際に刷り上がりを見
るためにハードコピーを生成する何等かの形の出力装置
あるいはプリンタが必要である。本発明は校正印刷(プ
ルーフ)出力装置にも関連する。
【0006】純粋な写真プロセスはほとんど正確な画像
を再生できるが、印刷装置による再生像の複写が常にで
きるとは限らない。また、ほとんどの写真プロセスで
は、印刷上がりのイメージと直接比較できるハーフトー
ンイメージを生成できない。しかも、これらの方法では
印刷プレスにかけることのできる多種多様の用紙上にイ
メージを再生することがほとんど不可能である。最終出
来上がりイメージは印刷される紙質によって多少異なっ
て見えることはよく知られている。このように、実際に
印刷機にかけられる用紙にプルーフイメージ(校正刷
り)を形成できるかどうかは、校正印刷装置の市場にお
ける成功の鍵となる。
【0007】熱処理方法やインクジェット方式などのそ
の他の連続トーン校正印刷システムも開発されてきた
が、これらの方法は印刷業界で望まれるハーフトーンイ
メージを複製しない。
【0008】一方、ハーフトーン可能の電子写真校正印
刷方法も、ウェットプロセスあるいはドライプロセスの
いずれかを用いて導入された。ドライ工程を用いる電子
写真方法は、特にイメージがほとんど連続トーンの像で
ある場合、高画質に必要とされる高解像度に欠ける。こ
のことは、電子写真ドライ工程では必要な高解像度を提
供するに足る十分に細かいトナー粒子を使用しないこと
に起因する。一方、ウェット電子写真工程では十分に細
かい粒子のトナーを使用するが、環境的に好ましくない
溶媒を使用するという不都合がある。
【0009】1989年12月18日に出願された同一出願人に
よる米国出願第451,655 号および451,656 号では、ハー
フトーン可能の直接デジタルカラー校正印刷装置として
用いられるサーマルプリンタが開示されている。このプ
リンタは熱プリント媒体上の画像あるいは印字要素を形
成するための装置であり、十分な熱エネルギーを受け取
った時にドナー紙(転写紙)のダイ(染料)が記録用紙
に転写される。このプリンタは複数のダイオードレーザ
を有し、ダイオードレーザは情報信号にしたがって印刷
媒体の選択された領域に熱エネルギーを供給するために
変調される。プリンタのプリントヘッドはダイオードレ
ーザに接続される複数の光ファイバを有する光ファイバ
アレイの一端を含む。サーマルプリント媒体は回転ドラ
ム上に保持され、光ファイバアレイを有するプリントヘ
ッドはドラムに対して移動可能である。ダイ(染料)
は、光ファイバによってダイオードレーザからドナー
(転写紙)へと導かれる放射がドナー紙(転写紙)にお
いて熱エネルギーに転写されることにより、レシーバ
(記録紙)転写される。
【0010】上述のようなサーマルプリンタを使用した
直接デジタルカラー校正印刷装置は、高品質の雑誌や広
告に見られるような高画質グラフィックアートを校正印
刷するために必要とされる、150ライン/インチ以上
の解像度を有するハーフトーン校正画像を生成するため
に、一貫して精密に1800ドット/インチ(dpi)
以上の割合でミニピクセルを書き込む性能を有さねばな
らない。また、オリジナルと複写との目に見える差異を
避けるために、ドットあるいはミニピクセルを0.1濃
度ユニット以上の濃度許容量に保持する必要がある。こ
のような濃度コントロールはイメージ間および装置間で
反復可能であらねばならないし、フルカラーイメージを
生成するために、プルーファーを介して複数の経路に使
用されるそれぞれ個別の色においても、この濃度コント
ロールは維持されねばならない。
【0011】レーザ出力の輝度と周波数の変化とばらつ
きは、イメージを作り上げるドットの密度を左右する。
また、ファイバどうしの、あるいは単一のファイバにお
いても、書き込みの間に移動されるにつれて変化する光
ファイバの出力における差異も、ドット密度に影響す
る。ドラム表面の仕上がりの変化、ドラムの外周ぶれや
ドラムベアリングのぶれ、およびドラム軸に対するプリ
ントヘッドの平行移動における変化もまた、イメージド
ットの密度に影響を及ぼす。イメージ形成ドラムの振
動、あるいは書き込み過程におけるライトヘッド移動の
いかなる不均一な動きや、その他画像形成装置の任意の
部分に振動を伝えるいかなるものも、出来上がりイメー
ジの画質とプルーフ(校正刷)としての価値に悪影響を
与える。ドラム表面とそれぞれのファイバの末端部との
間の距離の差異も、画像密度に影響を与える。この距離
の差異は、ファイバ束の端部は平らであるのに対し、ド
ラム表面はカーブしていることにより生じるものであ
る。機械の周辺温度によるプリントヘッドの温度変化、
書き込み作業そのものがプリントヘッドに熱を与えるこ
ともまた画像密度を左右する。
【0012】オリジナル紙や印刷用紙の厚さといった印
刷媒体の相違や、用紙の層の差異も、画像密度に影響す
る。
【0013】このように、上述の要件をすべて満たし、
校正印刷の制御、質、生産性を改善するために、自動化
され、かつ作業員と労力を最小限にする記録装置が必要
とされる。また、このような記録装置は高画質のイメー
ジを繰り返し生成できるだけではなく、個々のイメージ
が最終イメージの構成要素に供給されるどのような方法
においてマルチカラー像の生成ができるような装置でな
ければならない。上述のようなサーマル校正印刷過程に
よれば、全体の書き込みプロセスの間、記録紙の一部を
保持することによって、最終プルーフを作り上げる複数
の重ねられたイメージの位置決定が確認されるので、多
様な転写紙が1枚の記録紙に重ねられ、印字ドラムもし
くはプラテン上の記録紙を乱すことなく、ここから除去
することもできる。
【0014】このように、高画質、精密で一定の校正刷
りイメージを生み出す熱複写プロセスを用いて、コンス
タントに、迅速かつ正確にイメージを生成する方法およ
び装置が技術的に望まれ、経済的にも有利である。
【0015】
【課題を解決するための手段およびその作用】本発明の
実施例によれば、レシーバー(記録紙)とドナー(転写
紙)とが重ね合わされて保持される担持(サポート)部
を有する熱画像形成装置が提供される。また、変調され
たコヒーレント光を生成し、このビームを担持部上のド
ナー紙に投射し、ドナー紙から記録紙にダイ(染料)を
転写することによって記録紙にイメージを転写する手段
が備えられる。さらに、担持部上のドナー紙に対して前
記コヒーレント光を移動させる手段も備えられる。記録
紙とドナー紙とを選択的に担持部に供給する供給手段も
また備えられる。担持部表面に設けられた、重ね合わさ
れた記録紙とドナー紙とを担持部に付着させるシート保
持手段も提供される。担持部上で記録紙と重ねられたド
ナー紙を選択的に取り去る第1の手段と、画像が複写さ
れた記録紙を担持部から選択的に取り去る第2の手段も
備えられる。
【0016】本発明の別の実施例による熱画像形成装置
は、軸回りに回動し、記録紙とドナー(転写)紙とを重
ね合わせて搭載する複写ドラムを有する。また、変調さ
れたコヒーレント光を生成し、このビームをドラム上の
ドナー紙に投射し、ドナー紙から記録紙にダイ(染料)
を転写することによって記録紙に画像を転写する手段を
備える。さらに、ドラムの軸に沿って前記コヒーレント
光線投射手段を移動させ、このコヒーレント光線投射手
段の動きとドラムの動きとを調和させて反復的に記録紙
に画像を記録する手段も備えられる。記録紙とドナー紙
とを選択的に担持部に供給する供給手段もまた備えられ
る。ドラム部には、記録紙とドナー紙とを重ね合わせて
ドラム部に付着させるために、真空シート保持手段が設
けられる。ドラム部上で記録紙と重ねられたドナー紙を
選択的に取り去る第1の手段と、複写された画像を含む
記録紙をドラム部から選択的に取り去る第2の手段も備
えられる。
【0017】さらに別の実施例では、軸回りに回動し、
記録紙とドナー紙を重ね合わせて搭載する水平画像形成
ドラムを有する熱画像形成装置が提供される。複数の変
調されたコヒーレント光線を生成し、この光線をドラム
軸に対して傾斜する角度でドラム上のドナー紙に投射
し、ドナー紙から記録紙上にダイ(染料)を転写するこ
とによって記録紙に画像を転写する手段も備えられる。
ドラムを反転可能に回転させる手段と、前記コヒーレン
ト光線投射手段をドラムの軸に沿って移動させる手段も
備えられる。1枚の記録紙と複数のドナー紙とを選択的
にドラムに供給する供給手段も備えられ、この供給手段
は、複数のドナー紙を連続して供給し、それぞれを個別
に記録紙上に重ねて画像を写す。記録紙の幅を第1の
幅、ドナー紙の幅を第2の幅とすると、第2の幅は記録
紙の第1の幅より広い。ドラムの長さ方向の軸に沿って
異なる用紙を選択的に記録する手段も提供される。押圧
ローラーは選択的に画像形成ドラム表面と接触し、ドナ
ー紙がドラム上の記録紙表面と密着するようにドナー紙
表面にローラーをかける。第1の手段は、画像形成ドラ
ムが第1の方向に回転した時、記録紙に重ねられたドナ
ー紙の端部に接し、記録紙を乱すことなくドナー紙を取
り去る手段であり、第2の手段は、ドラムが第2の方向
に回転した時、記録紙の末端部に接触し、これをドラム
から取り去る。
【0018】さらにまた別の実施例では、熱画像形成方
法が提供され、この方法は、軸回りに回動する水平画像
形成ドラムに、1枚の記録紙と複数のドナー紙(転写
紙)を選択的に供給するステップからなる。複数のドナ
ー紙は連続して供給され、それぞれ個別に記録紙上に重
ねられ、画像を写す。記録紙とドナー紙はドラム上に重
ね合わされ、ドラムの長さ方向の軸に沿って順次記録さ
れて行く。押圧ローラーは画像形成ドラム表面と選択的
に接触し、ドナー紙がドラム上の記録紙表面に密着する
ようにドナー紙表面にローラーをかける。ドラムは回転
し、複数の変調されたコヒーレント光線が生成され、こ
の光線はドラム軸に対して傾斜する角度でドナー紙に投
射され、ドナー紙から記録紙にダイ(染料)を転写する
ことによって記録紙上に画像が転写される。コヒーレン
ト光線投射手段は回転するドラムの軸に沿って動かさ
れ、画像形成ドラムが第1の方向に回転されると、ドナ
ー紙の端部は記録紙を乱すことなくそこからドナー紙が
取り除かれる。ドラムが第2の方向に回転すると、記録
紙の端部が摘まれ、この用紙がドラムから取り去られ
る。
【0019】また、別の実施例では、その上に積層状態
に記録紙及びドナー紙(転写紙)とを重ね合わせて担持
する画像形成ドラムであって、その軸によって回転する
ように保持された中空の画像形成ドラム部材と、前記画
像形成ドラムの内部を減圧にする減圧手段と、前記ドナ
ー紙から前記記録紙上に染料を転写することによって、
前記記録紙に画像を転写するために、前記画像形成ドラ
ム部材に搭載された前記ドナー紙上に、光線を投射する
光線投射手段と、前記画像形成ドラムを回転させる回転
手段と、前記画像形成ドラムを軸の方向に前記光線投射
手段を移動させる移動手段とを有し、前記画像形成ドラ
ムは、そこに記録紙を付着させるために、それの表面を
介して第1の複数吸引孔が設けられており、また、前記
画像形成ドラムは、そこに付着させる記録紙上に重ね合
わせるように、前記画像形成ドラムにドナー紙を付着さ
せるために、前記第1の複数吸引孔の近傍に第2の複数
吸引孔が設けられ、更に前記第2の複数吸引孔の少なく
とも一部を選択的に減圧にする減圧供給手段を有し、前
記第2の複数吸引孔の一部は、前記画像形成ドラムに付
着した前記ドナー紙の端の真下に位置し、前記第2の複
数吸引孔のその部分の減圧を止めることによって、前記
ドナー紙の端は、前記画像形成ドラムの付着から剥離す
ることを特徴とする。
【0020】従って、記録用紙およびドナー紙を任意に
付着させたり、剥離させたりすることができる。
【0021】本発明を実践するための様々な手段とその
他の特性、利点は、以下に続く詳細な説明、実施例、図
面を参照して、より明確にされるであろう。
【0022】
【実施例】全体の装置 本発明にかかるレーザサーマルプリンタプルーファ(校
正印刷装置)10の全体図が図1に示されており、この
装置は、素材供給部12と、シートカッター部14と、
シート搬送部16と、画像形成ドラム18と、書き込み
ヘッド部20と、使用済みシート排出部22と、出来上
がりシート排出部24とからなり、これらの各部分につ
いては詳細に後述する。キャビネット26内部の構成要
素の配置は、画像形成ドラム18と書き込みヘッド部2
0とが上層部中央に位置されている。素材供給部12は
キャビネット低位置の一方の端にあり、シートカッター
部14がやはり低位置でこれに隣接してある。シート搬
送部16はシートカッター14から、書き込みヘッド2
0とは逆の側で画像形成ドラムと接するように伸びる。
【0023】装置全体の操作は、素材供給部12から記
録紙の先端を引き出し、その長さを測り、シートカッタ
ー14で縦の長さに切断し、切断された用紙をシート搬
送部16によって画像形成ドラム18へと運ぶ。用紙は
ドラムの周囲に巻かれ、位置決めされ、固定される。次
いである長さのドナー紙(転写紙)が素材供給部12か
ら取り出され、シートカッター14で縦の長さに切断さ
れ、シート搬送部16によって画像形成ドラム18へ運
ばれる。画像形成ドラムにおいてドナー紙もドラム周囲
に巻き取られ、所望の位置で記録紙に重ねられ、固定さ
れる。ドナー紙がドラム周囲に固定された後、ドラムの
回転につれて書き込みヘッド部がドラムの軸に沿って横
切り、イメージが記録紙に写される。イメージが記録紙
に書き込まれたなら、ドナー紙は記録紙を乱すことなく
画像形成ドラムから取り除かれ、使用済みシート排出口
22から装置の外へ出される。この後、別の染料のドナ
ー紙が順次ドラム上の記録紙に重ねられ、所望の画像が
得られるまでイメージは記録紙上に写される。イメージ
転写が完成されたなら、それは出来上がりプリント排出
部24から装置の外へ出される。
【0024】これまで、熱画像形成装置は以下の2つの
素材供給方法のうち、いずれかの方法を用いてきた。す
なわち、両方の素材がシートの形状で供給され送られる
か、あるいは、素材の一方はシートとして供給され送ら
れ、もう一方はウェブ(ロール状に巻き上げられたも
の)として供給され送られる。いずれの方法もそれぞれ
不都合な点を持つ。シートとしての素材の供給は素材を
供給するのにコストがかかるとともに、シートを二重送
りする可能性も高い。どのようなシートであっても、二
重送りされた場合、画像を許容することができず、装置
へのダメージもあるので、この方法はあまり好ましくな
い。素材のどちらか一方にウェブが用いられ供給される
場合、一度で全体のラインの書き込み可能なイメージ書
き込み装置が必要となり、全体のラインを書き込むには
非常に長い書き込みアレイが必要となる。このような長
い書き込みアレイは製造が困難でありコストがかかる
上、なによりも校正印刷の画質に要求されるイメージの
一貫性のための、全体のラインへの正確な制御が困難で
ある。従って、本発明ではコスト面と二重送りの問題の
双方を解決するために、ウェブの形で供給され送られる
素材から高品質のプルーフ(校正刷り)イメージの形成
が可能となる装置を提供する。ウェブは使用される前に
個々のシートに切断され、これらシートは回転する画像
形成ドラムで比較的短い書き込みアレイによって正確に
書き込みがなされ、全体のイメージを通して一貫した画
像が提供されると共に、比較的容易に低コストで製造さ
れる。また、ロールの形で素材を供給し、自動的に紙を
送り切断をするので、装置のキャビネットは外部からの
埃の侵入に対して密封される。装置へ埃が入り込むと、
画質に悪影響を及ぼす可能性があるからである。このよ
うに、本発明は従来の両方のタイプの熱画像形成装置に
対しても有利な利点を提供する。
【0025】素材供給アセンブリ 素材供給アセンブリ12は図1〜4に示されており、垂
直サポート36、38のそれぞれの上端にあるベアリン
グ32、34にわたされる水平軸31の回りに回転する
カルーゼル(回転ラック)からなる。カルーゼル30
は、垂直に立てられた円形のプレート40からなり、こ
のプレートの一方の表面には、プレート円周に沿って等
間隔に並ぶ複数の素材保持スピンドル42が外側に突起
している。それぞれのスピンドル42に画像形成ドラム
18上で使用されるロール状の素材44がはめ込まれ
る。図1、3および42で示される実施例によれば、7
つのスピンドルが設けられ、その中の1つは記録紙のロ
ールを支え、4つのスピンドルは書き込みの過程で4
色、すなわち、シアン(青)、マゼンタ(赤)、イエロ
ー(黄)、ブラック(黒)を提供する異なる4つのドナ
ー紙のロールをそれぞれ支える。残り2つのスピンドル
は、オペレーターがその他の特殊な色を使用したい場合
に他のドナーやレシーバを取り外すことなく追加色を使
えるように設けられた予備のスピンドルである。もちろ
ん使用者の要望に応じてスピンドルの数は変えられても
よい。例えば図2では6つのスピンドルを有する回転ラ
ックが描かれている。各素材供給スピンドルにはそれぞ
れ対応する素材送り46が設けられ、その中の1つだけ
が図1で示されている。それぞれの素材送り部は、スピ
ンドル42にはめられているロール44から、ロール状
の素材の先端を引き出す。引き出された素材の先端部
は、駆動ローラー48と一対の圧力ローラー50とに挟
まれて送られ、エッジガイド52とコルゲーティングロ
ーラー54とを通って回転ラックの外へ送り出される。
駆動ローラー48は、回転ラックのプレートを貫通し裏
側へ伸びるシャフト56上に設けられており、シャフト
56には駆動ギヤ58が設けられている。このギヤにつ
いては追って詳しく説明する。圧力ローラー50は、ス
プリング62の付いた部品60で支えられており、この
スプリング62は圧力ローラーを駆動ローラー48に接
触させるように働く。エッジガイド52は、ロール状の
素材の端部に位置するように設けられ、装置が作動しな
い時に素材が垂れ下がるのを防止する。コルゲーティン
グローラー54は、素材の幅方向にわずかのひだを与え
るために設けられ、これにより素材は構造的により堅固
になり、シートカッターへの誘導が容易になる。
【0026】ロール状の素材は、コストと重さを軽減す
るために、フランジのないコアとして装置にはめ込ま
れ、回転ラックのスピンドルの一部分がロールのフラン
ジの役割を果たす。ロール状素材の重さは、駆動ローラ
ー48によって素材が送られない場合に、ロールが嵌ま
り込んだり、跳ね上がったり、巻き戻ったりしないだけ
の重さを有する。
【0027】回転ラック30はその軸回りに回転し、選
択された素材のロールをシートカッター14の対面する
位置へ送る。ここで素材はロール供給部から離れ、カッ
ター部を通過して送られ、長さを測定されて切断され
る。図1では、回転ラックは駆動モータ64によって反
時計方向に回転される。駆動モータ64はシーブ(滑
車)66を駆動させ、滑車66は回転ラックのプレート
40の円周に張られたベルト68と接する。ブレーキ7
0は、モータ64によって駆動されない時に回転ラック
を停止させるために配置される。すべての素材送り部4
6には共通の駆動部72が設けられ、これは図3に示さ
れている。この共通の駆動部は、回転アーム76の末端
にあるドライブギヤ74を含む。ギヤ74はモータ78
によって駆動され、アーム76はモータ80によって停
止位置と作動位置との間で回転される。図示されている
ような停止位置では、回転ラックが回転されると、ドラ
イブギヤ74は、各素材供給部に接続される駆動ギヤ5
8の通路からはずれて位置し、一方作動位置では、ドラ
イブギヤ74は素材送りの位置にある素材送り部のギヤ
58と接触し、動力をドライブロール48に伝えて、素
材をロール供給部からシートカッターへと送る。図3に
示される排気ファン82は、シートカッター14から排
気するためのもので、これについても追って詳細に述べ
る。
【0028】実施例では、プリンタに供給されるドナー
紙(転写紙)と記録紙のロールは、それぞれのコア
(芯)にそれぞれの様式で巻かれている。書き込みヘッ
ドによって画像が転写される記録面は、接触による害に
対し最も敏感であり、これがコアに巻かれるときは、記
録面がウェブの外側になるように巻かれる。一方、その
表面からダイ(染料)を記録面に転写する活性(転写)
面を有するドナー紙の表面もまた接触によってダメージ
を受けやすく、ダイ(染料)面がウェブの内側になるよ
うに巻かれる。この結果、これら2つの素材は共通の通
路で供給され、前述のそれぞれ敏感な面が送り面との接
触によって汚されることなく、共通の送り装置を用いて
送られる。この共通の送り面は、先に送られた素材の活
性面との接触によってすでに汚染されている可能性もあ
る。さらに、それぞれの用紙は画像形成ドラム上に正し
い向き、すなわち、それぞれの活性面が向き合うように
重ねられる。このように、記録紙はプリント面が上向
き、支持面が下になるように、ドナー(転写)紙は逆
に、支持面が上側に、活性転写面が下になるように、そ
れぞれの影響されやすい面がダメージを受けることなく
送られる。また、それぞれの素材はロール状に巻かれて
いたせいでカールしており、これがドラムに保持される
時にドラムのカーブ面に適合しやすく、ドラムへの素材
送りや付着が容易になされる。
【0029】シートカッターアセンブリ シートカッターアセンブリ(図1)は、素材送り位置に
おいて、素材供給カルーゼル(回転ラック)に隣接して
配置され、ロール状に巻かれた用紙が用紙送り46によ
って送られた時に、その先端部を受けとる。シートカッ
ターは一対のカッターブレード(刃)84を有し、巻か
れた用紙は用紙送り46によってこの2枚の刃の間を通
って送られる。ロール状の素材がカッターブレードの間
を通過する時、用紙測定ドラム86とマッティングエン
ドレス駆動ベルト88とが共同して送り動作を助け、そ
の送り方向を水平方向から垂直方向へと変更させる。
【0030】前記用紙測定ドラムと、センサ(図示され
ない)は、送られてくるロール状の素材の先端部を探知
し、カッターブレード84の間に所望の長さのシートが
送られてきた時点を決定する。この時点で、測定ドラム
86、それと共動するベルト88、およびドライブ72
らは停止され、2枚のカッターの刃が作動し、ウェブの
端から切離し、シート状にする。このウェブ測定部は、
2つの異なる長さのシート長を測定することができる。
すなわち、記録紙の切断とドナー(転写)紙の切断に対
応できる。記録紙とドナー紙が画像形成ドラム上に重ね
られる時、ドナー紙が縦横ともに記録紙を覆いかくせる
ように、ドナー紙の長さが記録紙よりも長く採られるた
めである。測定ドラム86とエンドレスベルト88と
は、これらドラムおよびベルト表面と、素材との間に相
対的な動きがないように、送られてくる素材に軽く接触
するように構成される。このように、測定ドラムとベル
トは、送られてくる素材の影響を受けやすい表面を傷付
けたりダメージを与えることがない。
【0031】シート搬送アセンブリ ロール状の用紙からシートが切断されたなら、このシー
トは測定ドラムとベルトから上方へ送り出され、垂直方
向に伸びるシート送り16へと送られる。この細部につ
いては、図5の斜視図に詳細に描かれている。シート搬
送部は、上方に伸びるエアテーブルからなり、このエア
テーブルには図示されないが複数の孔がその下にあるエ
ア室に向かって開けられている。エア室には、圧搾空気
源が設けられ、この空気はエアテーブル90の孔を通っ
てテーブル上に逃げ、シートを浮き上がらせる。圧搾空
気は供給源から供給されるが、この供給源については後
述する。エア室への空気の供給は、エア室への引込口に
あるダンパーバルブ93(図26参照)によって制御さ
れる。エアテーブル90のやや上方には複数のワイヤー
ガイド94が吊られ、エアテーブルからの空気の流れに
よってシートが舞い上がるのを防ぐ。エアテーブルの一
端にはエッジガイド96が設けられ、このガイド部は、
テーブル上空のワイヤーガイド94と実質的に同平面上
にあるプレート98から下方に折れている。エッジガイ
ドは図6の実線で示されている第1位置と、破線で示さ
れる第2位置との間を、カム装置100によって移動可
能になっている。3対の柔軟な駆動ローラー102およ
び104は、エッジガイドに隣接するエアテーブルの側
端部に沿って配置される。ローラー104は円錐形であ
り、円錐の底面側がエッジガイド96に近い側にある。
ローラー104とローラー102とは挟み合わせを形成
し、運ばれてきたシートの端部を軽く挟み、シートを画
像形成ドラムの方へと導くとともに、端部がエッジガイ
ドに揃うように送り、ドラム軸に対してシートの横方向
の好ましい位置決めを行う。ローラー104は、ギヤボ
ックス108によって作動されるシャフト106に搭載
され、ギヤボックス108は図示されないモータによっ
て動かされる。
【0032】エッジガイド96は、記録紙とドナー紙と
を適正な軸位置で正しく画像形成ドラムに送るために、
各々に対応した2つの位置の間を移動可能である。前述
のように、記録紙がまず画像形成ドラム上に置かれ、次
いで、その上にドナー紙(転写紙)が重ねられる。記録
紙を完全に覆い隠し、重ねられた記録紙との間に容易に
真空を導くために、ドナー紙のサイズは記録紙の4辺す
べてより大きく設定される。このように、エッジガイド
96が図5および図6の実線で示される第1の位置にあ
る時、記録紙はドラムの長さ方向の軸に沿って適正に位
置する。一方、エッジガイドが図5および図6の破線で
示される第2の位置に動かされた時、ドナー紙がドラム
の長さ方向の軸に沿って適正に位置する。円錐形のロー
ラー104は挟んでいるシートに横方向の力を与え、そ
れを軽くエッジガイドの方へ押しやり、記録紙と転写紙
との適正な横方向の位置を決める。
【0033】素材供給アセンブリの操作として、まずカ
ルーゼル(回転ラック)のプレート40(図1および
4)を回転させ、記録紙の供給ロール44がシートカッ
ター14に接する位置へと回転させる。送り装置のアー
ムピボットモータ80は、ドライブギヤ74を回転さ
せ、各ドライブロール48のそれぞれ駆動されるギヤ5
8と接触するように操作される。次いで、ギヤドライブ
モータ78に電圧が印加されてドライブロール48を回
転させ、記録紙のウェブをシートカッター14へと送
る。測定ドラム86およびエンドレスベルト88が作動
され、記録紙の先端を挟み、その端部が探知され適切な
長さが供給ロール44から引き出されるまで、記録紙を
シートカッター部を通る通路に沿って送る。その後測定
ロール86は停止され、カッターブレード84が作動し
て、記録紙のシートを供給ロールから切断する。記録紙
がまず画像形成ドラムに供給されねばならないので、シ
ート運搬部のエッジガイド96は図5の実線で描かれて
いる第1の位置に設定され、記録紙をイメージドラムの
適切な軸位置へと運ぶ。
【0034】測定ロール86とベルト88とによってシ
ート搬送部へ送られる間、記録紙はその記録面を上にし
て送られるので、エア室92へのダンパーバルブ93の
閉鎖によってエアテーブル90への空気の供給は止めら
れ、記録紙の下側の面がエアテーブル90表面と接して
運ばれる。こうして、ローラー102と104が作動さ
れて、記録紙は画像形成ドラムに近いシート搬送部の上
部へと搬送される。この際、円錐形ローラー104は、
記録紙の端部がエッジガイド96によって誘導されてい
ることを確認する。ゴム板でできたシートならし用の押
圧ローラー97が画像形成ドラムの軸に沿って搭載さ
れ、図1および5に示されるように、シート搬送部16
の上端で選択的にドラムと接触する。このように搭載さ
れるゴム板押圧ローラーは、モータあるいはソレノイド
99(図5参照)によって操作位置へと動かされ、画像
形成ドラムに送られるシートがドラム表面と密着して間
の空気を除去するようにシート表面をならす。このロー
ラーは、シートがドラムへ送られている間は操作位置か
ら外れ、作動しない。シートセンサ101は、前記ゴム
板押圧ローラーの真上に配置され、ドラムに供給される
シートの通路を妨げないように(図1参照)、ドラム表
面から十分間隔がおかれる。実施例では、センサはドラ
ム表面あるいはドラム上もしくは運搬途中のシートの反
射面からの光に反応する。センサ101の操作は装置全
体の操作と関連してより詳細に後述される。
【0035】記録紙は支持面を下側に、記録面を上向き
にして搬送されるので、シートの支持面側はエアテーブ
ル90と接触し、影響を受けやすい記録表面はガイドワ
イヤ94とは接触しない。ドライブロール104のみが
記録面と接触するが、これはシートと共に移動するの
で、シート表面を傷つけることはない。
【0036】記録紙が画像形成ドラムに取り付けられた
なら、次いで第1のドナー紙(転写紙)が運ばれる。こ
の時、測定ドラムとシート長センサがドナー紙を記録紙
よりも長いサイズに探知することを除いては、記録紙と
まったく同様の方法で供給される。ドナー紙はシート搬
送部16に送られると、ダンパーバルブ93が開いてエ
アテーブル90が作動され、空気流によってドナー紙は
エアテーブル表面から浮き上がり、ガイドワイヤ94と
接触する。ドナー紙は支持面(裏面)が上向き、転写面
を下にして送られるので、ドナー紙裏面がガイドワイヤ
94と接しながら移動されても、転写面には何のダメー
ジも与えない。記録紙の場合と同様、ドナー紙の影響を
受けやすい転写面は、ドナー紙を画像形成ドラムへと送
り出すローラー102とのみ接触する。ドナー紙の幅は
記録紙の幅よりも広く、画像形成ドラム上で記録紙の4
辺をすべて覆い隠すように意図されているので、エッジ
ガイド96は、ドナー紙が測定ドラム86とベルト88
とによってシート搬送部16へ送られる前に、破線で示
される第2の位置へ移動される。このように、記録紙と
ドナー紙の影響されやすい方の面は、シートカッター
部、シート長測定部、シート搬送部において、それぞれ
反対向きで装置表面と向き合うことになり、いずれかの
用紙の影響されやすい面が擦れて装置内の任意の表面に
付着したとしても、次に送られてくる別の素材の影響面
が、先に汚された表面と接触することはない。つまり、
記録紙の記録面だけがガイドワイヤ94と向き合うが、
これとは接触せず、ガイドワイヤ94はドナー紙の裏面
4のみ接触するので、ガイドワイヤはドナー紙の染料含
有面(転写面)からの染料を付着させ残留させることは
ない。同様に、エアテーブル90は記録紙の裏面とのみ
接触するので、ここには記録紙の記録面からの物質は付
着せず、ドナー紙はエアテーブル表面とは向き合うが、
空気流によってこれとは接触せず、ドナー紙の転写面に
エアテーブル表面からの記録紙残留物質が付着すること
はありえない。
【0037】画像形成アセンブリには、画像形成ドラム18と書き込みヘッドの斜視
図が示されている。画像形成ドラムは、フレーム204
内で軸202の回りに回転する。画像形成ドラム18
は、ドナー紙上のダイ(染料)が熱せられることによっ
て、ダイがドナー紙から記録紙へと転写されるようなサ
ーマルプリント媒体を搭載するためのものである。ドナ
ー紙と記録紙とは密着して重ねられ、ドラム内部を減圧
し、重ねられた用紙を吸引することによって、ドラム表
面に保持される。この吸引作用については後述する。本
発明のプリンタ校正印刷装置10とともに用いられるサ
ーマルプリント媒体は、米国特許第4,772,582 号で開示
されている媒体でもよい。この特許には、露光源の波長
域で強力に吸収する物質を有するドナー紙が含まれる。
ドナーに照射されたなら、この吸収物質が光エネルギー
を熱エネルギーに変換し、この熱を即座にダイ(染料)
に転嫁する。この熱で、ダイが記録紙に転写される気化
温度にまでダイを熱する。吸収物質はダイ(染料)層の
下にあっても、ダイと混合されてもよく、800nm 〜880n
m の波長の光に対し強力な吸収性を有する。本発明の実
施例で使用される記録紙は、同一出願人による1990年10
月31日出願の「記録紙の中間不透明サポート」と題され
た係属中の米国特許出願第606,404 号に開示されている
ものである。この特許で開示される記録紙は、記録紙へ
のダイの転写効率を改善した反射層を組み込んでいる。
【0038】光源は画像形成ドラムに対して移動可能で
あり、ドナー要素に対して光化学作用を引き起こすビー
ムを発する。光源は、原画像の色と形を表示する電子信
号によって個別に変調される複数のレーザダイオードか
らなり、それぞれのダイ(染料)は熱せられ、原画像の
色を記録紙上に再生するためにその色が必要とされる領
域にのみ揮発される。実施例によれば、レーザダイオー
ド206はドラム18から離れてフレーム204の静止
部分にあり、ここで生成された光を各光ファイバ208
の入力端へと発する。光ファイバ208は、ドラムに隣
接する移動可能の書き込みヘッド20へ光を転射する。
800nm 〜880nm の範囲の波長を有する第1の光線を生成
するレーザダイオードがまず選択されるが、できれば83
0nm の波長が好ましい。
【0039】書き込みヘッド20は、ドラム18に隣接
して移動可能に設定され、平行移動機210に搭載され
た印字ヘッド218を有する。平行移動機はバー21
2、214上で低摩擦にてスライド可能である。バー2
12および214は、それぞれの両固定端の間でたわん
だり曲がったりしないように、十分に堅固であり、ドラ
ム軸に対してできる限り正確に平行となるように配置さ
れる。上部バー212は、印字ヘッド218の印字軸が
ドラム軸に対して垂直になるように、このドラム軸上に
正確に位置するように設置される。バー212はまた、
平行移動機210がドラム軸に対して垂直および水平方
向にあるように設定される。図10に示されるように、
上部バー212の平行移動機ベアリング215は、逆さ
“V”のような形でこのバーの上側の表面とだけ接触
し、平行移動器をこの部分だけで固定する。下部のバー
214は、バー212の回りでの平行移動機の回転に関
してのみこの移動機と接し、平行移動機が圧迫された
り、ガタガタ揺れたり、イメージ生成中に好ましからざ
る振動を印字ヘッドに伝えるような過剰固定はなされて
いない。これはベアリング217によって達成される。
ベアリング217は、上部バーと下部バーの中心線を結
ぶ線に垂直な直線上で、下側のバー表面のそれぞれ直径
方向に正対する2か所でのみこのバーと接する。このよ
うなスライディングベアリングは、平行移動機、書き込
みヘッドおよび生成されるイメージに周期的な振動を伝
えない点で優れている。断続的な振動が伝えられた場合
は、出来上がりのイメージの中にバンディング(帯)と
して現れ、容易に肉眼で知覚される。高精度のボールあ
るいはローラーベアリングでさえ、このような周期的な
振動を生じさせることが知られており、振動伝達はベア
リングが古くなるにつれ大きくなる。本実施例で使用さ
れたベアリングは、古くなっても書き込みヘッドの光軸
をドラム軸に対してわずかに変更させただけであり、こ
れは出来上がりのイメージ中にまったく知覚されない。
また、このようなスライディングベアリングは、生成さ
れるイメージの質を下げるような振動を平行移動機内に
引き起こしたり、装置を拘束したりする程きつく作られ
ていないので、耐久性にも優れる。
【0040】平行移動機(トランスレータ) 図8および9に関して、平行移動機210はモータ28
2によって駆動される。モータ282は、バー212、
214に平行なリードねじ284を回転させ、印字ヘッ
ドをドラム軸と平行に移動させる。接続部286(図9
参照)は、リードねじ上のドライブナットを平行移動機
(トランスレータ)に接続する。接続286はまた、ド
ライブナットとリードねじの不一致を調整し、直線リー
ドねじに平行な力と、回転方向の力とだけが、リードね
じおよびドライブナットによって平行移動機に伝えられ
るようにする。さらに、接続286は、スプリットスリ
ーブによって平行移動機に接続される。スプリットスリ
ーブは接続部286にかぶさってあり、セットねじによ
って固定されない限り平行移動機内孔で自由に動くこと
ができる。セットスクリューはスプリットスリーブを平
行移動機と接続部の双方に固定する。この構成では、セ
ットねじをゆるめ、スプリットスリーブを平行移動機と
接続部とから(あるいはリードねじ周辺から)取り出す
ことができる。これによってリードねじは、修理や交換
の際に、装置から平行移動機全体を取り出すことなく、
平行移動機およびフレーム部から取り出される。
【0041】印字ヘッド218はV字型ヘッド288に
取り外し可能に搭載される。V字型ヘッドは、上部バー
212のベアリング215と精密な関係で平行移動機2
10に設けられ、自動的にドラム軸に対して好ましい向
きをとる。印字ヘッドは、平行移動機と、ドラム周辺か
らの距離に関してドラム表面と、ドラム軸周囲の角位置
とについて選択的に設定可能である。すなわち、一対の
調節可能の位置決め手段が設けられ、平行移動機210
上の2つの軸に関し、印字ヘッドを正確に位置付けるこ
とができる。この調節可能な位置決め手段のひとつ(例
えばマイクロメータ調整ねじ220)が図に示されてい
る。印字ヘッドをこれら位置決め手段に接触させるため
に拡張スプリング223(図10)が設けられる。
【0042】平行移動機駆動リードねじ284は、マシ
ンフレーム204の両側面間で、両端をベアリング29
2に支えられて位置する。駆動端では、リードねじ軸は
ベアリングおよび一対のスプリング固定部294を貫通
して伸びる。このスプリング固定部は2つに分離され、
圧縮スプリング296によってオールダム継手298に
接続される。スプリング固定部の一方はベアリング29
2の外輪に接し、フレーム204の孔内で軸方向へ移動
して、軸方向のベアリングの位置を決定する。もう一方
のスプリング固定部は、フレーム外表に取り付けられた
リードねじ固定部300によって固定される。フレーム
204の外部表面にはモータ282も搭載され、このモ
ータは貫通軸302を有する。貫通軸の一端は、オール
ダム継手298の後ろ半分に接続され、もう一方の端は
弾み車304を貫通し、クラッチ306を通って軸回転
エンコーダ308へと伸びる。弾み車は、クラッチを介
してのみ軸と接触される。
【0043】リードねじのもう一方の端は、ベアリング
292を通過して、ウォッブルロッド310へと伸び、
その先には調節ねじ311がフレーム204の外部表面
に取り付けられたエンドプレート312を貫通してい
る。ウォッブルロッド310の両端には、半球形のロッ
ド端表面と係合する半球形のソケットもしくはボール3
14が設けられ、それぞれリードねじと調整ねじとにし
っかりと固定される。
【0044】平行移動機の駆動配置においては、弾み車
304がクラッチ306を介してモータ出力シャフト3
02に取り付けられ、回転変動を最小限にし、モータに
よるこの回転変動がリードねじに伝わらないように働
く。弾み車はクラッチを介して取り付けられているの
で、書き込みヘッド部あるいは搬送部などの不調によっ
てマシンが突然停止しても、これらの状態下でクラッチ
が離されるので、弾み車の慣性が装置部分へ伝えられる
ことはなく、不調部分にさらに追加のダメージを与えな
い。オールダム継手298はモータ部とリードねじとの
間のいかなる微小な調整ずれをも調整し、一方でこれら
双方に堅固なねじれ接続をおこなう。ウォッブルロッド
310を使用することで、軸方向の動きに対するリード
ねじの正確さと安定性が改善される。このようなウォブ
ルロッド接続の正確さと安定性は、スラストベアリング
よりもずっと優れていること解明されている。軸方向
における変化とリードスクリューの安定性は、画像形成
ドラム上のイメージ配置の正確さに直接影響する。圧縮
スプリング296は、リードねじを軸方向にウォッブル
ロッド310と調整ねじ311とに押しつけ、すべての
バックラッシュは装置から除去される。調整ねじはオー
ルダム継手における隙間を調節する。さらに、オールダ
ム継手と取り外し可能のエンドキャップ312とによっ
て、その他のリードねじ駆動部分を解体したり、書き込
みヘッドや平行移動器を取り外すことなく、リードねじ
を取り出し、交換することが可能となる。
【0045】印字ヘッド 図7は印字ヘッド218の断面図であり、この印字ヘッ
ドはそのドラム側の端部にフランジ230を有する円筒
形のバレル(胴体)228からなる。バレル部の内部
は、印字側の固定レンズバレル232を内蔵するように
作られ、レンズバレル232の中に固定レンズ234を
有する。プリントヘッド236は印字ヘッドと逆の側の
バレル内に設けられる。プリントヘッド部はバレル22
8内部に設けられる管状部分からなり、光ファイバのリ
ニアアレイを含む。光ファイバは、複数の光ファイバ2
40を有するファイバ支持ウエファ、もしくは基板23
8を含む。光ファイバは、バレルの反対側でドラム18
と向き合う印字エンドを有する。光ファイバ240は、
プリントヘッドの末端部から、保護さや242を通過
し、印字ヘッドバレルの外に出てレーザダイオード20
6(図1参照)にまで伸びる。
【0046】カップ形状のふた244は印字ヘッドバレ
ル228のフランジ230と噛み合うように配置され、
後述されるフォーカシング駆動手段のハウジングを形成
する。同一出願人による1991年3月15日出願の米国特許
出願第670,095 号(発明者:ハリガンおよびカールソ
ン)に開示されているように、ドラム18に近接する閉
鎖部末端には、一対のシート伸縮部246と248とに
よって橋渡された、軸まわりに開く開口部(オープニン
グ)が設けられている。シート伸縮部246と248
は、ふたの外部端で環状プレート部材250および25
2によってふた244に装着される。環状に合わさった
シート伸縮部の中心部分には、移動可能の円筒レンズハ
ウジング254があり、このハウジングには移動可能の
レンズ256が含まれる。円筒形のボビン258は固定
レンズバレルの端部周辺に位置され、等間隔に配置され
たアーム26を介して移動レンズハウジングに接続され
る。これらアームはシート伸縮部の足(環状プレート)
250、252の間に伸びる。ボビン258の円筒部周
囲にはボイスコイル262が巻かれ、駆動回路に接続さ
れる。これについても後述する。
【0047】エンドふた244とフランジ230の間に
は、強力な円環状の磁石264が固定レンズバレル23
2の周囲に、やや距離を置いて配置される。ボビン26
2のボイスコイル部は、プレート266の内周と固定レ
ンズバレル232の外周との間に設定される。磁石、環
状プレート、固定レンズバレルおよびボビンのサイズ
は、ボビンがレンズバレルの軸回りに自由に動くことが
できるような大きさに設定される。ボビンは移動可能の
レンズハウジング254に取り付けられることで、この
ギャップの間に保持される。ハウジング254は、環状
プレート250および252によって適切な位置に保持
される。バレル部228、フランジ230、固定レンズ
バレル232および環状プレート266はすべて鋼(ス
チール)などの磁性材で形成されており、円環状の磁石
264に接触されて、環状プレート266と固定レンズ
バレル232の端部との間に強力な磁場を生じる。この
結果、電流がレンズフォーカシング回路(図示されな
い)によってボビン258の音声コイル262に流され
た時、ボビンと移動可能なレンズハウジング254に軸
方向の力が伝えられ、それによって、装置の光学軸に沿
って移動可能のレンズ256が移動する。こうして、後
述される適切なフォーカス検出システムがあるために、
移動レンズアセンブリは、光ファイバアレイの出力が画
像形成ドラム18上、あるいはこれに搭載される(図示
されない)印字要素上の適切な位置で焦点が合うように
駆動される。
【0048】光ファイバアレイは複数のファイバ240
からなり、それぞれのファイバは、遠隔のレーザダイオ
ード206に接続される。ダイオードレーザは個別に変
調され、光ファイバの印字エンド242から、固定レン
ズ234と移動レンズ256とからなるレンズ集合体を
通って、画像形成ドラムに保持されるプリント媒体(ド
ナー紙)へと選択的に投射を行う。光ファイバアレイ
は、同一出願人による1989年12月18日出願の係属中の米
国特許出願第451,656 号に示されるタイプのアレイでも
よく、基板238上にある光ファイバ240からなる。
各光ファイバは、当業者にとって周知である外被、被膜
金属およびコアからなる。上記係属中の出願に開示され
ているように、ファイバはレーザダイオードからアレイ
へと伸び、基板上に形成された(図示されない)溝(グ
ルーブ)に位置され、印字エンド242でのファイバ
は、互い平行に非常に近接し合って配置される。これら
のファイバ端はファイバ軸を含む共通の平面上に位置す
る。実施例では、アレイには20本の印字ファイバ24
0が用いられる。同一出願人による係属中の米国特許出
願第670,095 号に図示されるように、基板238はプリ
ントヘッド236の管状部分の中に配置され、この管状
部にはキー溝が設けられており、このキー溝は、バレル
部228内壁にある対応する(図示されない)キーと噛
み合う。リニアアレイ240の向きは、ドラム軸202
に対してあらかじめ選択された角度である。
【0049】画像形成ドラム18に近接する側の印字ヘ
ッド末端部には、ドラム表面を狙う一対のフォトセンサ
226が設けられている。このフォトセンサのそれぞれ
は赤外線光源を有するか、あるいは外部の光エネルギー
源に頼る。一対のフォトセンサは、これが固定される印
字ヘッドの光学軸をはさんで反対の側にそれぞれ配置さ
れる。プリントヘッド236の外部表面のキー溝、バレ
ル部228の内壁の対応キー、および印字ヘッド軸の正
反対の側にそれぞれ配置された一対のフォトセンサ22
6の向きはすべて一致し、2つのフォトセンサが画像形
成ドラム18の軸202と正確に平行である場合に、リ
ニアアレイ240の印字角度は本装置においてあらかじ
め決定された角度となる。
【0050】本発明の装置では、ドラム軸と平行になる
ように注意深く形成された目に見えるライン268がド
ラム表面に設けられているので、上述のような位置関係
の決定は、比較的簡単になされる。すなわち、2つのフ
ォトセンサ226が同時にこのライン268を検出した
場合、印字ヘッドは、ドラム軸に対するリニアアレイの
好ましい角度を有する適正な角方位を有することにな
る。印字ヘッドの角度位置の調整もまた、容易に成され
る。印字ヘッド218を平行移動器にロックする押えク
ランプ270がゆるめられ、マイクロメータ調整ねじ2
20が平行移動機の停止に対して調節され、ねじれバネ
222の力に対抗してヘッド部を回転させる、あるいは
必要であれば、ねじれバネによって印字ヘッドを逆方向
に回転させる。ドラムが回転していようと停止していよ
うと、そこに印字要素が設置されていようといまいと、
両方のフォトセンサ226が同時にライン268を検出
した場合は、リニアアレイとドラム軸との所望の角度が
得られる。この構成では、印字ヘッドが組み立てられる
時にフォトセンサ226とリニアアレイとの間に所定の
関係がすでに設定されているので、複雑なセットアップ
や調整なしに、古い印字ヘッドを新しいものと交換する
ことが可能である。
【0051】ダイオードレーザ206は、図40の組み
立て図およおび図41の分解図の双方に描かれている唯
一のマウントにそれぞれ個別に配置されている。このマ
ウントは、熱シンク209を有し、この上にダイオード
レーザ206が取り付けられる。ブラケット211もま
たこの熱シンクに組み合わされ、光ファイバコネクタ2
15のためのホルダ213を有する。ブラケット211
には光ファイバガイドモードミキサ217もはめ込ま
れ、このモードミキサはカバープレート219によって
適切な位置に保持される。光ファイバガイドモードミキ
サ217は堅いモールドプラスチックかあるいはセルフ
ォーム(cell foam)プラスチックで作られ、これには引
き込みチャネル221、円筒孔223および引き出し口
225が設けられる。光ファイバ227はレーザダイオ
ード206に接続され、引き込みチャネル221を通っ
て光ファイバガイド217に入り込む。光ファイバの余
剰の長さ分は、円筒孔223の中に巻き取られて納めら
れるので、ファイバコネクタ215をブラケット211
のホルダ213にしっかりと固定することができる。カ
バープレート219には制限アクセスチャネル229が
設けられ、ファイバガイドの中のファイバはここを通っ
て導かれる。このような構成では、一定の長さのファイ
バが円筒孔の中に巻き取られ、ここを通過する光にモー
ド調整を行い、レーザダイオードとコネクタ215との
間のファイバの長さにおける変化を調整する。また、円
筒孔223に納まりきらなかった余剰のファイバは、引
き出し口225で調節される。カバープレートのアクセ
スチャネル229によって、部品を解体せずに、ファイ
バをファイバガイドに挿入したりそこから引き出したり
できるが、このチャネルはファイバガイドに設けられた
通路より狭く、ファイバがアクセスチャネルから引き出
されるまで、ファイバをガイド部に維持しておくことが
できる。このように、本発明によれば、コンパクトなレ
ーザダイオードと光ファイバマウントおよびガイド部が
提供され、ファイバをここへ導入し、透過された光を一
様に均すためのモード調整がなされる間、ファイバを比
較的固定して維持することができる。また同時に、ファ
イバ必需品に手を加えることなく、ファイバの長さを調
節できる。
【0052】焦点検出手段は、基板238の裏面に形成
された第2の光ファイバアレイ271からなり、この光
ファイバアレイは印字アレイ240とは反対側に位置す
る。フォーカシングアレイ271は単一のファイバだけ
を必要とするが、実際には3本のファイバが設けられ、
このうちの2つは第1のファイバが衰えた時の予備ファ
イバである。フォーカシングファイバはその引き込み端
でフォーカシングレーザダイオードに接続され、フォー
カシングレーザダイオードのためのハウジング290が
書き込みヘッドに設けられる。従来の配置では、フォー
カシングレーザダイオードは、印字アレイ用のレーザダ
イオードも有し、書き込みヘッドから離れて固定され、
移動する書き込みヘッドと静止したレーザダイオードと
の間の相対的な動きを認める光ファイバによってそこに
接続されていた。しかしながら、書き込みヘッドが画像
形成ドラムを横切るにつれて移動するフォーカシング光
ファイバの動きは、フォーカシングシステムに使用され
る光線に大きなノイズを発生させ、フォト検出器によっ
て探知されたフォーカス信号があまりに雑多となり、印
字アレイの正確な制御ができなかった。書き込みヘッド
にフォーカシングレーザダイオードを搭載することで、
光ファイバダイオードを書き込みヘッドに接続し、書き
込みヘッドの移動にもかかわらず、書き込みへッドを実
質的に固定させ、フォーカス信号の鮮明度を十分に高め
る。フォーカシングダイオードハウジング290は、図
を見やすくするために図7には示されていないが、図
9、10、11に描かれている。
【0053】フォーカシングレーザダイオードは、印字
ビームの波長とは異なる波長の第2の光線を生成するた
め選択される。この第2の光線は、800nm 〜880nm の範
囲以外の波長であるのが好ましく、できれば、フォーカ
シング光源はあらかじめ960nm に設定された光線を発す
るのがよい。960nm の波長の光線はどのような転写染料
にも吸収されないことが知られており、結果として、使
用されているカラーダイ(染料)に関係なく、この波長
のすべてのフォーカシングビームはドナー紙を通過し、
記録紙要素の一部である反射面で反射される。この記録
紙の反射面はドナー紙の裏面よりも印字ビームがフォー
カシングされるダイ層に非常に近いので、フォーカシン
グビームが記録紙反射面で反射するかぎり、フォーカシ
ングビームと印字ビームはほぼ同じ位置にフォーカシン
グされる。印字ビームの焦点距離が短いと、レンズの口
径が大きくなり、フォーカシングビームと印字ビームと
が異なる深さで焦点を結ぶ場合よりも、大きな印字力が
ドナー紙に与えられる。
【0054】フォーカシングレーザダイオードは書き込
みヘッド上に搭載されるので、フォカスダイオードを書
き込みヘッドアレイに接続する光ファイバの長さを調節
するために、光ファイバスプールを設ける必要がある。
フォーカスダイオードには十分に長い光ファイバが必要
とされ、ファイバの一端が書き込みヘッド基板上に設置
された後、ファイバのもう一端はレーザダイオードとの
接続のために磨かれなければならない。スプールのおか
げで、フォーカス信号のノイズの原因となるかもしれな
いファイバの振動なしに、余分な長さのファイバが調節
される。フォーカスファイバスプールは図43に示され
ており、図8の書き込みヘッド218を一部変形させた
ものである。プリントヘッド236の管状部分には、レ
ンズ234と反対側の端部に、外側に張り出すフランジ
241が設けられ、内側にはファイバスプール243と
接するスレッド(より糸)が設けられる。ファイバスプ
ール243は、ファイバ内孔245と、フォーカスファ
イバ271のためのクロスボア(縦方向の内孔)247
と、フランジ241から離れて配置される外部フランジ
249とを有する。スリーブ253は、フォーカスファ
イバ保護さや257と噛み合うニップル(突起)255
を有し、上記2つのフランジ243と249との間に位
置する。スプールを組み立てるには、まず、印字ファイ
バとフォーカスファイバが基板238に配置され、すべ
てのファイバがプリントヘッド部236の内孔に導かれ
る。次いでフォーカスファイバはスプール243の内孔
245でより合わされ、縦方向の内孔クロスボアに送ら
れ、一方、印字ファイバは、スプール内孔245をまっ
すぐに通過して保護さや242から光ファイバカプラー
(接合器)へと導かれる。フォーカスファイバはスリー
ブのニップル255から保護さや257を通り、カプラ
ー261へ送られる。この後、基板はプリントヘッドの
管状部内部に設置される。次いで、スプールがプリント
ヘッド236の末端により合わされ、スリーブをフラン
ジ243と249との間にゆるく保持される。ニップル
255を通って伸びるフォーカスファイバを有するスリ
ーブ253はフランジの回りに回転され、フォーカスフ
ァイバの余分な長さが巻き取られるまで、ファイバをス
プール外表に巻きつける。印字ファイバはこのスプール
から独立しており、これによってねじられることはない
ので、この巻取操作が印字ファイバに影響を与えること
はない。過剰のファイバがすべてスプールに巻き取られ
たなら、スプールはプリントヘッドに固定され、スリー
ブを適所に固定する。こうして余分なファイバが調節さ
れ、フォーカス信号を揺らしたり弱めたりするのを防止
する。
【0055】図8に示されるように、焦点検出手段はま
た、埋没した半反射面274を有するビームスプリッタ
ー272を含み、このビームスプリッターはリニアアレ
イ240の印字エンド242と固定レンズ234との間
に位置する。分割セル光検出器276が、バレル228
の側壁に配置され、記録面とビームスプリッターの埋没
層によって反射されたフォーカシングビームの一部を受
けとる。ナイフエッジ278は、ビームスプリッタと光
検出器276との間にある。図28の破線ので描かれた
○印の列279に示されるような、印字アレイから光検
出器に届く光の量は、上述の予防措置にもかかわらず、
十分に大きく、光検出器のフォーカス信号を圧倒する。
このため、直径が300 〜600 ミクロン(好ましくは400
ミクロン)の開孔部281を有するマイクロマスク28
0が設けられる。このマスクのおかげで、装置は、印字
アレイからのエネルギーがフォーカシング光検出器に届
くのを著しく防止することができる。マスクの厚さはお
よそ400 ミクロン、光検出器表面からおよそ125 〜500
ミクロン(好ましくは400 ミクロン)の距離にあり、印
字アレイの反射部分の存在にも拘らず印字ヘッドアレイ
の焦点を制御するために、直径50ミクロンの反射フォー
カシングビーム283が分割セル光検出器によって使用
されるのを認め、反射フォーカシングビームは、直径50
ミクロンの20本のビームからなり、もともとのフォー
カシングビームの20倍の力を有して1ミリはなれた光
検出器表面に衝突する。
【0056】フォーカス検出システムは、960nm の波長
を有する光線を生成するレーザダイオードと、印字ビー
ムのリニアアレイと反対の側の基板上に配置され、ビー
ムスプリッター272からフォーカシングビームを投射
するフォーカシング光ファイバ271と、レンズ234
および256からなるフォーカシング部とからなる。こ
のうち、レンズ234と256は、それぞれ単一のレン
ズとして図示されているが、単一あるいは復号のレンズ
の集合であってもよい。フォーカシング光線はドラム表
面あるいはそこに保持されている印字要素に投射され、
反射面で反射され、フォーカシング部を通過してビーム
スプリッター272に戻る。ビームスプリッターでは、
反射されたフォーカシングビームの一部がナイフエッジ
を通過し、埋没層で偏向されて、マスク280の開口部
281を通り分割セル光検出器276へ届く。実施例で
は、光検出器276は、例えば960nm の波長のフォーカ
シングビームに対して感応する。フォトセル276から
の信号は、フォーカシング回路(図示されない)に送ら
れ、適切な電流を発生させ、この電流は移動レンズ25
6に取り付けられたボビン258上のボイスコイル26
2に供給される。この方法で、焦点検出システムは常
に、印字ビームが集中される印字要素面(ドナー面)に
密接する表面の位置を監視する。
【0057】本発明のフォーカシングシステムを用いる
と、装置立ち上げ時におけるおおよそのフォーカシング
が容易になる。このような初期のフォーカシング配置な
しには印字アレイは焦点から外れ、記録面あるいは画像
形成ドラム表面からの印字ビームの反射は、大きな焦点
のぼやけた像を光検出器に生成するので、装置の初期設
定において最終焦点に近付ける必要がある。焦点の合わ
ない印字ビームの反射はフォーカスビーム領域に溢れ出
し、フォーカスビーム光検出器を溢れさせ、真の焦点を
設定することができなくなる。したがって、印字ビーム
アレイを操作せずに、オートフォーカスレンズへのボイ
スコイル駆動の操作を押さえる一方で、フォーカスシス
テムだけを個別に操作する必要がある。このように、書
き込みヘッド装置ではまず、平行移動機210内のバレ
ル228を軸方向に位置決めし、オシロスコープや電圧
計のような装置を用いて分割セル光検出器の出力を測定
して、レンズ位置を設定する。書き込みヘッドが所望の
フォーカス位置に移動するにつれて、光検出器の出力は
最大値へと上昇し、その後ゼロを通過して最小値に落ち
る。書き込み装置およびオートフォーカスシステムの初
期フォーカシングのための望ましい焦点位置は、出力が
ゼロを通過する地点であり、書き込みヘッド部はこの地
点で平行移動機と接触する。
【0058】画像形成ドラム 画像形成ドラムとその駆動の詳細は、図13〜16に示
されている。ドラムは通常中空であり、円筒形のシェル
(外殻)320からなり、このシェルには複数の吸引孔
が設けられている。ドラムの両端は円筒状のプレート3
24および326によって閉じられ、このそれぞれの中
心にはハブ328と330とがそれぞれ設けられてい
る。2つのハブはそれぞれの支持ベアリング332と3
34を通過してフレーム204の各部分で外側へ伸び
る。ハブ328はベアリング332を通ってモータアー
マチャー(電機子)336と係合するために一回り小さ
くなり、このアーマチャーはファスナーナット338に
よってハブに固定される。モータステータ(固定子)3
40は、フレーム204に固定され、アーマチャー33
6を取り囲んで、反転可能、速度変化可能の、画像形成
ドラム用の駆動モータを形成する。ハブ328の外側の
端部は、フレーム204に保持されたエンコーダ342
につながり、このエンコーダ342は柔軟なカプリング
344によってハブに連結される。もう一方のハブ33
0の中心吸引孔346からは、吸引パイプ348が伸び
る。パイプには外部フランジ350がついており、この
フランジがフレーム204の外部表面にしっかりと接着
される。吸引パイプにはまた、延長部352が設けられ
ており、これはハブ330の中心吸引孔346へ、しか
しここからわずかに間隔をおいて伸びる。この配置で
は、吸引パイプ延長部352の外径と、ハブ330の減
圧吸引孔の内径との間に、減圧吸引漏れ通路がある。こ
れらの部分は、ドラム回転の間に、不均一な動きや振動
を画像形成ドラムに伝える可能性があり、ハブ330に
よってこれらの部分がまったく接触し合わないように配
置されている。吸引パイプの反対側の末端はハイボリュ
ーム真空ポンプに接続され、実施例ではこの真空ポンプ
は、毎分1.7〜2.0m(60〜70cfm)の流
量で1270〜1520mmHO(50〜60インチ
O)の減圧状態を発生させることができる。
【0059】画像形成ドラムの表面には軸方向に伸びる
「平坦部」が設けられ、この平坦部はドラム円周に沿っ
て約8°分広がり、図13に示されている軸方向に伸び
る中心線268がつけられている。ドラム回りには、図
13に描かれるように、リセス(凹み部)354が、平
坦部352の一端からドラム円周をぐるりと回ってもう
一方の端まで、幅はエンドプレート326の内壁の外側
からもう一方のエンドプレート324の内壁外側まで伸
びている。このドラム周囲のリセスの深さは実際には記
録紙の厚さに等しく約0.11mm(約0.004イン
チ)であるが、図においては誇張して描かれている。エ
ンドプレートには円周回りの溝(グルーブ)356が設
けられ、この溝はドラム内部へと通じ、ドラム表面の円
周端に減圧状態を供給する。図16にはドラム表面の展
開図が示されている。この図は、平坦部352の中心線
である軸方向の中心線268に沿って切り離され、広げ
られた図である。平坦部の軸方向の向かい合う辺はそれ
ぞれ2本の破線352aで示され、ドラム両端側のリセ
ス354の末端はライン354aで示される。記録紙に
よって覆われる画像形成ドラム表面上の領域は破線35
8で囲まれる部分であり、この領域はドラム軸方向には
リセス(凹み部)354の端から端まで、円周回りには
平坦部の一端からもう一方の端まで、重なる部分がなく
広がる。
【0060】ドラム内壁、正確には平坦部の真下に当た
る部分には、バルブブロック360が軸方向に伸び、個
別に制御される2つの減圧室362と364を形成す
る。これらの減圧室は、平坦部352の軸方向の中心線
268の両側に配置された吸引孔の真下に位置する。第
1の減圧室362は、平坦部352の「リーディングエ
ッジ」端に沿って並ぶ複数の吸引孔に沿って伸びる。
「リーディングエッジ」とは、ドナー紙が記録紙に重ね
られ、ドラムが図1の矢印365の向きに回転する
時、ドナー用紙(転写紙)の進行方向側の先端が重なる
側のドラムフラット端を意味する。第1の減圧室は、ド
ナー紙の先端部(進行方向側の端)の保持を制御する。
このシート保持機能については後述する。第1の減圧室
を「ドナー減圧室」とする。ドナー減圧室362は、図
16の362aラインで囲まれる部分であり、ドラム端
の円周に沿って設けられた溝356の一部へと伸びてい
るのが分かる。これとは別個に制御される第2の減圧室
364は、記録紙がドラムに巻かれる時の後縁に沿って
伸び、図16の破線364aで示される。この第2の減
圧室を「記録紙減圧室」とする。
【0061】画像形成ドラム内の真空室ブロック360
と逆の側には、力学的なバランスを取るための釣り合い
ブロック366が設けられている。バランスブロック3
66とバルブブロック360のそれぞれには、吸引孔に
減圧状態を導くための通路370が設けられ、減圧され
ない時の吸引孔は各ブロックに覆われている。前記減圧
導引通路370は、減圧室362、364によって制御
されることはない。
【0062】記録紙上にドナー紙が重ねられた時にドナ
ー紙によって覆われる部分の領域は、図15のライン3
71で示される。位置確認印373が、軸方向に伸びる
平坦部352の中心線268の真ん中につけられてい
る。この印の目的については以下で述べる。
【0063】平坦部352の目的には2つの側面があ
る。すなわち、ドナー紙の先端(リーディングエンド)
と後端を、印字プロセスにおける比較的高速のドラムの
回転による空気の影響から保護するためと、ドナー紙先
端部の端部と後端部がドラム周囲から少しへこんだ部分
に納められることで、装置のその他の部分(例えば印字
ヘッド端など)との接触をなくし、ダメージを押さえる
ためのものである。この平坦部はまた、ドナー紙がドラ
ム内部の減圧吸引手段によってドラム表面に保持されて
いる間は、ドナー紙端部に湾曲する方向の力を伝え、減
圧されなくなった時には、ドナー紙への湾曲力を解放し
てドナー紙端部がドラム表面から持ち上がるようにも働
く。このおかげで、画像形成ドラムからのドナー紙の除
去が容易となる。
【0064】画像形成ドラム表面におけるリセス(凹み
部)354の目的は、ドナー紙が記録紙紙面上を引っ張
られつつ送られる際に、ドナー紙表面にしわができない
ようにすることである。こうして、画像領域にまで伸
び、出来上がりイメージに深刻な悪影響を及ぼす可能性
のあるシート上の折り目やしわがドナー紙に発生する
を防止する。また、記録紙のエッジに沿った部分の空気
をすべて、ドラム表面の吸引孔によって吸引することは
困難であるが、リセスによってこの部分の空気の引き込
みが解消される。記録紙とドナー紙との間の残留空気も
画像に不利な影響を与え得る。
【0065】減圧室および制御バルブ 減圧室と制御バルブの拡大図が図15に示されており、
ここでは記録紙減圧室364の方が描かれている。図示
されるように、減圧室364は、エンドプレート32
4、326のそれぞれの通路372を介して、ドラム内
部の中央減圧室363と通じる。制御バルブは、エンド
プレート326から外側に伸びるバルブアクチュエータ
374を有し、図19〜22に示されるアクチュエータ
カム388と接触するように配置される。これについて
は追って詳細に説明する。バルブアクチュエータ374
は減圧室内部で、伸長ロッド376を介して、減圧室3
64のそれぞれ反対側の両端にある第1および第2のバ
ルブ部378と380に接続される。各バルブ部は、そ
れぞれの通路372を閉じる対応シートと噛み合うよう
に配置され、メインドラム室363内の減圧状態が減圧
室364に伝えられるのを防止する。同時にバルブ37
8は通路372を閉鎖し、ドラムのエンドウォール32
6(図18参照)にある開口部382を通して、減圧室
364を大気に開放する。バルブ380はロッド376
の端部にバネで押し付けられ、ロッド長と減圧室長との
間の微小な差異を調整する。ロッド376には、減圧室
364の壁のショルダーに接するスプリングリテーナ3
84が設けられており、ここにスプリング386が付け
られる。このスプリングは、バルブアクチュエータカム
388(図19参照)によってバルブアクチュエータが
解放された時に、減圧室がメイン減圧室363に向けて
開けられる位置にバルブを戻す働きをする。
【0066】減圧室バルブアクチュエータカム388は
図17〜22に示されており、通常、垂直方向に搭載さ
れた平板からなる。この平板は、図示されないサポート
部上端からピボット390を支点に旋回する。このバル
ブアクチュエータカムは、図12に示されるように、画
像形成ドラムの減圧供給端でベアリングキャップ392
から上方に伸びる。図18と19には、ベアリングキャ
ップ392の部分断面図が描かれている。この表面には
リセス(凹み部)394が設けられており、ドラム18
の端と向かい合い、アクチュエータカムが図18の「休
止」位置にある時、このバルブアクチュエータカムの端
部と接する。カム表面には発動面396および398が
あり、これら発動面は、減圧室362と364のひとつ
あるいは双方のアクチュエータ374と接する。カム表
面にはまたリセス400が設けられ、カムが操作のある
段階でドナー紙減圧室362のバルブを操作する間は、
記録紙減圧室364のバルブが作動しないようにする。
リセスの両側にはランピング(反り返り)面が設けら
れ、アクチュエータカムが図17の作動位置にある間に
ドラムが不注意で回転した場合、バルブアクチュエータ
にダメージが及ばないようにする。アクチュエータカム
388は、ロータリーカム404によって駆動され、こ
のロータリーカムはエクステンション406をアクチュ
エータカム388の裏面に接触させる。ロータリーカム
404はシャフトに搭載され、図11に示されるよう
な、ベアリングキャップ392の外部表面に搭載された
モータ408によって駆動される。
【0067】用紙排出手段 不要シート排出手段22は、画像形成ドラム表面の上部
に近接するドナー紙剥離(ブレード)410を含む。こ
のドナー剥離ブレードは、ドラム表面のシートと接する
除去位置と、上方に移動してドラム表面から離れる非操
作位置との間を移動可能である。不要シート搬送ベルト
412が水平に設けられ、剥離ブレード410によって
剥がされた使用済みのドナー紙を排出口414へと運
び、装置から排出する。
【0068】印刷済みシート排出手段24は、画像形成
ドラム上部にあり、前記移動剥離ブレード410とは反
対の側で近接する印刷紙排出固定ブレード416を有す
る。イメージシート(記録紙)搬送ベルト418は真空
テーブル420と組み合わせられて配置され、像が印刷
された記録紙を装置外部にある排出トレイ422へ排出
する。
【0069】空気流 装置キャビネット26内部の種々の構成要素は、以下で
述べられる空気の流れに沿って配置され、これにより装
置の全体的な操作が強化される。特に素材供給部12と
シートカッター(用紙切断)部14の位置は、素材供給
ロールと共に装置内に持ち込まれる埃やシートカッター
の動きによって発生する埃が、できる限り画像書き込み
位置から遠ざかるように配置される。ドナー紙と記録紙
が画像形成ドラム上に重ねられる時、これら用紙の間に
埃が入り込んだ場合、画像の質に悪影響を及ぼすからで
ある。また、シートカッター14は埃や汚れを発生させ
る部位であるので、この部分は装置キャビネット内部の
最も低い場所に位置される。さらに、カッター部14を
通る空気をキャビネットから排出するために換気ファン
82が設けられ、埃を含む空気を排出口424から排出
する。
【0070】装置のキャビネットは空気が入らないよう
に密封されているので、空気はエアファン430によっ
て、エア引き込み口426の非常に細かいフィルタ42
8を通して装置内へ導入される。ファンからの空気は、
ダクト432で導かれる。この空気の流れは図26の白
抜き矢印で示されている。空気の一部は、シート搬送部
16のエア室90に供給され、ダンパーバルブ93によ
って制御される。さらに一部の空気は、シート搬送部上
方を流れる。その先で空気は画像形成部へと導かれ、画
像形成ドラムと書き込みヘッド上方を通過し、不要シー
ト排出口と印刷済みシート(記録紙)排出口とから、外
部へ排出される。画像形成領域の空気圧はその他のキャ
ビネット内の部分と比較して圧力が高い。これにより、
埃を含む空気が画像形成部に入り込まないようにこの領
域から排斥し、画像形成部からシート搬送部へと逆方向
に空気を送る。シート搬送部からの空気は、上述の換気
ファン82によってシートカッター部から外へ排出され
る。空気のさらに別の一部は、空気排出口436から装
置外部に排出される前に、434で示される回路板やそ
の他の電子部品において、これらの部品を冷やすために
使用される。さらにまた別の一部はレーザダイオードに
導かれ、これらのダイオードを冷やし、出口438から
排出される。
【0071】このように、本発明では、装置を通る空気
流は慎重に制御され、画像形成領域に埃や汚れが入り込
んでシートを汚染したり生成される画像に悪影響を及ぼ
す可能性を最小限に押さえる。また、素材を画像形成部
に供給する部品の位置は、埃発生部をできる限り画像形
成部から遠ざけるように選択され、引力の関係から埃が
画像形成領域へ上昇しない位置に設定される。また、シ
ートカッター部を通して空気をキャビネット外へ排出す
るのに換気ファンを使用することで、画像形成部の清潔
さが維持される。
【0072】操作手順 図20〜39を参照して、本発明のレーザサーマルプリ
ンタ校正印刷装置の操作手順を説明する。操作ステップ
の番号は、各ステップの冒頭に中括弧[#]で示され、
この番号は図36〜39の表に示される連続する操作番
号に対応する。また、図36〜39で使用されているド
ラムフラット部の中心線の位置を示すアルファベット
は、図23にそれぞれの該当する位置が示されている。
また、図36〜38に示される表中の「真空」とは、大
気圧より減圧された状態であることを示す。
【0073】[1]画像形成ドラムのドラムフラット3
52の中心線268が「ホーム」位置、すなわち書き込
みヘッドの光学軸と一致する位置にある場合、装置の各
部分の状態は以下の通りである。カルーゼル(回転ラッ
ク)30は静止状態、画像形成ドラムも静止状態、シー
ト測定ロール86およびシート搬送ロール102、10
4もまた静止する。画像形成ドラムにはまったくシート
が巻かれておらず、これに接続される真空ポンプもOF
Fの状態である。押圧ローラー97と、ドナー紙剥離ブ
レード410は、画像形成ドラムとは接触しない。装置
を作動開始すると、記録紙供給ロールがシートカッター
14に近接するまで回転ラックが回転する。この位置で
回転ラックが停止して、エッジガイド96が記録紙用の
第1の位置に設定される。ダンパーバルブ93を閉鎖す
ることによってエアテーブル92への空気の流れがOF
Fにされる。シート送りロール48が駆動部72によっ
て駆動され、記録紙のロールの先端部をシートカッター
部へと送り、ここで記録紙は測定ロール86およびベル
ト88とに挟まれ、シート長が決定されるまで前進し、
所定の長さだけ進んだところでカッターブレード84が
作動する。この時点までの装置の状態は図27に示され
る。
【0074】[2]次いで、画像形成ドラムが時計の針
方向に回転され、ドラムフラット352の中心線268
がシートセンサ101の真下にきた時点(位置H、図2
3および36〜39参照)で停止される。その他のすべ
ての状態はステップ[1]と同一である。中心線が位置
Hにある状態では、シートセンサ101は反射のない位
置確認印373(図16参照)を捕えない。
【0075】[3]シート搬送部16が作動され、記録
紙の先端部がシートセンサ101に探知されるまで記録
紙は上方に搬送され、探知されたところで記録紙はスト
ップする。記録紙がドラムに巻かれるきは、シート表
面からの反射を捕らえることによってシートセンサがシ
ート先端部を検出し、先端部がセンサに探知されたなら
記録紙を停止させる。この時、センターラインは位置A
にある。
【0076】[4]画像形成ドラムが反時計方向に回転
され、記録紙搭載位置が位置B、図23参照)に来たな
ら停止される。
【0077】[5]真空ポンプを作動することで画像形
成ドラムに減圧が導かれる。この時点で、図24に示さ
れるように、画像形成ドラムのすべての減圧室は真空に
され、すべての吸引孔に減圧状態が導かれる。
【0078】[6]押圧ローラー(もしくはならしロー
ラ)97が記録紙先端部と接するように動かされ、記録
紙が画像形成ドラムに密着するように押し付ける。ドラ
ム内の減圧によりシートが吸引孔に吸引され、記録紙が
ドラム表面に保持される。この時点での装置の状態は図
28に示される。
【0079】[7]次いで、画像形成ドラムは記録紙後
端がロードローラ97の下に来るまで、時計と反対方向
に回転する。押圧ローラーをかけることで、記録紙とド
ラム表面との間の空気が容易に除去される。
【0080】[8]画像形成ドラムは、再び記録紙の先
端部が押圧ローラー97の下に来るように時計方向に回
転して戻る。ダンパーバルブを開くことで、エアテーブ
ル92への空気流が作動される。この時点での装置の状
態は図29に示されている。
【0081】[9]押圧ローラー97が接触しない位置
へ動かされドラム表面から離れる。
【0082】[10]カルーゼル(回転ラック)が回転
され、適切なドナー紙供給位置で停止する。エッジガイ
ド96が第2の位置(ドナー紙用の位置)に移動し、ド
ナー紙が画像形成ドラムに重ねられる時には、このドナ
ー紙が記録紙を完全に覆うような幅に設定される。シー
ト送りロール48が駆動部72によって駆動され、ドナ
ー紙のウェブの先端部をシートカッター部へと送り、そ
こで測定ロール86とベルト88とによって、適切な長
さになるまで運ばれる。カッターブレード89が作動
し、ドナーシートをウェブから切り取る。画像形成ドラ
ムは時計方向に回転し、ドナー紙搭載位置は位置Hへく
る。
【0083】[11]モータ408によって、バルブア
クチュエータカム388が作動され、カム404を介し
てアクチュエータカムを図18および20の作動位置へ
と動かす。これによってカム表面396は、ドナー紙減
圧室用のバルブアクチュエータ374Dと接触し、パッ
セージ372を閉鎖し、ドナー室へ減圧状態を導くのを
とめて大気圧とする。この時点でのこの操作は、非常に
重要である。すなわち、先に記録紙がドラム表面をほと
んど覆い、そこに導かれた減圧状態を塞いでいるので、
記録紙によって吸引孔が塞がれていないドナー紙の先端
部に当てられる吸引力は強力であり、その位置の吸引孔
から吸引力を除去しないと、ドラム表面を覆うシートの
動きが妨害されるからである。図20を参照するなら、
記録紙減圧室用のバルブアクチュエータ374Rは、バ
ルブアクチュエータカム388のリセス(くぼみ部)4
00に位置し、作動されない。減圧室の状態は図24〜
26に示されており、この図でドナー紙減圧室362の
斜線の部分は減圧状態が導かれていないことを示すが、
これ以外の吸引孔には減圧状態が導かれる。
【0084】[12]適切な供給ロールから送られ、切
断され、シート搬送部へ送られたシート搬送部16上の
ドナー紙は、上方へと運ばれ、ドナー紙先端がシートセ
ンサ101に到達したなら停止される。このシートセン
サは先に記録紙の両端が位置確認印373を覆わないよ
うにその位置をチェックし、位置確認印の上に重なった
場合は誤り信号を発生して操作を停止させる。センサは
今度はドナー紙先端をチェックし、ドナー紙が図16に
示される位置確認印373を覆う適切な位置にあること
を確認する。この時点での装置の状態は図30に示され
ている。
【0085】[13]バルブアクチュエータカム388
を離し、ドナー紙減圧室バルブを開けて、ドナー紙減圧
室362とドナー紙先端部に再び減圧状態を導く。
【0086】[14]押圧ローラー97が接触位置へと
移動し、ドナー紙先端部をドラムフラット352に密着
させる。
【0087】[15]画像形成ドラムが時計と反対方向
に回転し、ドナー紙の後端が押圧ローラーの下に来るま
で回転する。この時点での装置の状態は図31に示され
る。
【0088】[16]画像形成ドラムが時計の針方向に
回転し、ドナー紙の先端が再び押圧ローラーの下に戻
る。このようにドラムを反転させてドナー紙に2度ロー
ラーをかけるのは、一度目のローラーで記録紙とドナー
紙との間のほとんどの空気が除去されたように見えて
も、多少の空気が残っている可能性があるからである。
このような引き込み空気は実際にイメージが出来上がっ
てみないと認識されない。つまり、空気の残る部分は低
密度の領域として画像に現れるのである。2度の目のロ
ーラーによってドナー紙を記録紙に密着させることで、
認識されない連行空気も除去される。この時点で、シー
トセンサは再度ドナー紙の適正な位置をチェックする。
ドナー紙後端が位置確認印を適正に覆っていたなら、ド
ナー紙の位置が適切であり、かつ適正な長さに切断され
ていることを意味する。センサがドナー紙表面を探知す
るはずの時に、反射しない位置確認印を探知した場合
は、エラー信号が発生され、操作を中断する。
【0089】[17]押圧ローラーが画像形成ドラムか
ら離れ、ドラムの回転は時計と反対方向に、イメージ書
き込み速度にまで加速される。この時、画像形成ドラム
と書き込みヘッド平行移動器とは、各ドライブと関連す
るエンコーダ(符号化器)によって同調され、画像形成
過程が開始される。
【0090】第1のドナーシートから記録紙上へのイメ
ージの書き込みが終わったなら、重ねられた記録紙をド
ラム上の位置から動かすことなく、第1のドナーシート
を除去せねばならない。複数パスイメージの位置決め
は、記録紙の位置が複数回の書き込みステップにおいて
も同一の位置に保たれているかどうかによって決定され
るからである。つまり、ドラム表面の記録紙を乱すこと
なくドナー紙を取り去ることが重要となる。これは以下
の連続するステップによって可能となる。すなわち、 [21]画像形成ドラムを、図23のFで示されるドナ
ー紙除去位置で停止させる。
【0091】[22]ドナー紙剥離ブレード410が画
像形成ドラム表面に接する位置へと動かされる。
【0092】[23]減圧室バルブアクチュエータカム
388が作動し、バルブアクチュエータをドナー紙減圧
室362と記録紙減圧室364との双方に接触させる。
バルブアクチュエータのアクチュエータカム表面の位置
は、バルブアクチュエータの位置とともに図21に示さ
れるが、これらは引き続くステップに向けて移動され
る。減圧室の状態は図26に描かれ、ここでは斜線部分
で示されるように、ドナー紙減圧室362と記録紙減圧
室364の双方が大気に向けて開けられている。この
時、ドナー紙先端部下方の減圧吸引状態はOFFになっ
ており、かつドナー紙のこの部分はドラム平坦部のリー
ディングエッジに巻かれてあるので、ドナー紙先端は、
それ自身のはりの強さによって、図32に描かれるよう
に、ドラムフラットから持ち上がろうとする。記録紙後
端への吸引作用も切られているとはいえ、記録紙後の後
端部は、その上に重ねられたドナー紙の後端部と、まだ
減圧が導かれているドラム平坦部後端の吸引孔とによっ
て保持され、これが画像形成ドラム表面から持ち上がる
ことはない。この時点で両方のバルブアクチュエータが
作動して、バルブアクチュエータカムの結合機構を単純
化する。
【0093】[24]画像形成ドラムは時計と反対方向
に回転し、図33で示されるように、ドラム表面から持
ち上がったドナー紙先端部の約6.4mm(1/4イン
チ)だけが剥離ブレードと接触するように回転される。
【0094】[25]ドナー紙剥離ブレードは、ドナー
紙先端部を保持したまま接触しない位置まで移動する。
ここで、ドナー紙排出駆動ベルト412が充電される。
【0095】[26]バルブアクチュエータカムが図1
9の作動されない位置に動かされ、ドラム内のすべての
減圧室は再び減圧される。
【0096】[27]画像形成ドラムは引き続き時計と
反対方向に回転され、ドナーシートを記録紙から完全に
剥がし、それを不要シート排出口414へ運ぶ。
【0097】画像形成ドラムは、すでに位置確認された
記録紙上に次のドナー紙が重ねられる準備ができてい
る。記録紙には第1のドナー紙からのイメージが記録さ
れている。前述の用紙搭載ステップ[9]〜[17]を
繰り返すことで、第2のドナー紙が画像形成ドラムに搭
載され、第2のイメージも記録紙上に書き込まれる。第
2のドナー紙も前述の用紙取り外しステップ[21]〜
[27]を繰り返すことで除去される。こうして、作業
員あるいはプログラムが必要とするだけのドナー紙を用
いて、この過程が繰り返される。記録紙に最終イメージ
が転写されたなら、記録紙が取り除かれる。
【0098】出来上がりの記録紙を取り除くために、以
下のステップが用いられる。
【0099】[31]画像形成ドラムは、記録紙取り外
し位置Dで停止される。
【0100】[32]バルブアクチュエータカム388
が作動し、減圧室362と364の双方のバルブアクチ
ュエータ374に接触する。こうして減圧が止められ、
もはやドナー紙によって押さえられていない記録紙の後
端部が解放され、記録紙排出搬送ベルト418と減圧4
20が作動される。この時点での装置の状態は図34に
示されている。
【0101】[33]画像形成ドラムは時計の針方向に
回転され、記録紙の後端が記録紙排出ガイド416に接
触され、ドラムから持ち上げられる。この時点での装置
の状態は図35に示されている。
【0102】[34]バルブアクチュエータカム388
を停止させることで、バルブアクチュエータが離され、
ドラム内すべてが減圧状態にされる。
【0103】[35]画像形成ドラムは時計の針方向に
回転され、記録紙は記録紙排出ベルト418上の排出ガ
イド上へと送られる。画像形成ドラムは再度減圧状態に
なっているとはいえ、記録紙が記録紙排出ガイドによっ
てドラム表面から剥がされつつある限りは、記録紙の除
去にともない大気と接触する吸引孔の数は徐々に増え、
ドラム表面にまだ残る記録紙に働く吸引保持力は減少し
てゆく。こうして、ドラムが十分に回転して記録紙がド
ラム上から完全に取り除かれるまで、定位置の記録紙の
「先端」部を保持するに足るだけの吸引力が残される。
出来上がった記録紙は装置から排出され、使用される
か、あるいはプルーフ(校正刷)として使用するために
特定の紙にラミネート(接着)される。
【0104】[36]画像形成ドラムは時計と反対方向
に回転され「ホーム」位置に戻される。減圧状態は終了
され、次のプルーフを生成できる。
【0105】記録紙、ドナー紙双方には、使用されない
リード(巻取用の空白)部が設けられ、この部分がまず
ロールの先端部から切り取られ、不要紙排出口412か
ら装置外へ捨てられることに留意されたい。
【0106】その他の実施例 回転画像形成ドラムを用いた装置と関連する実施例を述
べてきたが、重ねられる記録紙とドナー紙を搭載するの
に駆動プラタンを用いた装置および方法にも、多くの特
長、利点がある。また、特定の操作状態と範囲を先に述
べたが、本装置に異なる操作状態や範囲を適用してもよ
い。例えば、印字レーザダイオードは、800 〜880 nm
の範囲の波長で、160 〜500 mWのパワー範囲で操作さ
れてもよい。印字ビームは、18〜30μmの印字平面にお
いて、50〜62μmの範囲の直径を有する光ファイバによ
って生成されるスポットサイズを有してもよい。画像形
成ドラムは、1200〜2400dpi の解像度で、250 〜1200rp
m の速度で書き込みを行うことができる。
【0107】実施例では、フォーカシングビームの波長
は960 nmであったが、あらかじめ定められた印字ビー
ムの波長と十分に異なり、これと容易に識別できる限り
は、別の波長を選択してもよい。また、これら別の波長
の光線は、十分な量の光線が光検出機で検出され、焦点
検出手段を操作するならば、そしてフォーカシング光の
吸収がドナー紙のダイ(染料)を記録紙に転写するほど
強くないならば、ダイ層に吸収されてもされなくても構
わない。
【0108】フォーカスビームを反射させる面について
も、別の例が挙げられる。もちろん記録紙の反射面が好
ましいのだが、特に記録紙が光透過性であり、ドラム面
が反射性である場合、フォーカスビームをドラム部で反
射させることも可能である。また、フォーカスビームを
反射させる面として、印字要素の他の面が選ばれてもよ
い。
【0109】光検出器の位置についても、別の場所が可
能である。例えば、印字ヘッドの外に、しかしフォーカ
シングビームの反射部分がフォーカシング部を通過する
必要のないようにこれと近接して位置されてもよい。ま
た、光検出器を光透過性の担持部表面の背後に配置し、
フォーカスビームの反射を必要とせずに直接このビーム
の衝突に反応することも可能である。
【0110】このように、本発明は、高画質の正確な一
貫したプルーフイメージを生み出す熱画像形成プロセス
を用いて、一貫して、迅速に、正確にイメージを生成す
る方法および装置を提供する。このような方法および装
置は、プルーフィング(校正印刷)過程の制御、質、生
産性を改善するために自動化され、作業員の監視と労力
を最小限にする。さらに、この書き込み装置は一貫して
高画質のイメージを生成するだけではなく、個々のイメ
ージがどのように最終イメージを構成する要素に供給さ
れるかにかかわらず、正しい位置でマルチカラーのイメ
ージを作り上げることができる。すなわち、本発明は多
種のドナーシート(転写紙)を一枚の記録紙に重ねら
れ、ライティングドラムもしくはプラテン上の記録紙を
乱すことなくドナー紙を取り去り、全体の書き込みの間
記録紙の一部を保持して複数回重ねられるイメージの位
置を確認し、最終的なプルーフを生成する方法および装
置を提供するものである。
【0111】本発明は実施例を参照して詳細に述べられ
てきたが、本発明の原理と範囲内で多種多様の変形改良
が可能であることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる校正印刷プリンタの実施例を示
す概略側面図である。
【図2】本実施例の素材供給カルーゼル(回転ラック)
の正面斜視図である。
【図3】本実施例の素材供給カルーゼル(回転ラック)
の背面斜視図である。
【図4】本実施例の素材送り装置の拡大斜視図である。
【図5】本実施例の用紙搬送アセンブリの斜視図であ
る。
【図6】図5の6−6ラインに沿った部分断面図であ
る。
【図7】本実施例の画像形成ドラムと書き込みヘッドの
斜視図であり、隠れた部分を明確に見せるために一部表
層部を切り取った図である。
【図8】図7の8−8ラインに沿った、印字ヘッドとレ
ンズ集合体との断面図である。
【図9】本実施例の書き込みヘッド平行移動装置(トラ
ンスレータ)の正面図である。
【図10】図9の10−10ラインに沿った書き込みヘ
ッド平行移動装置(トランスレータ)の側面図である。
【図11】本実施例の画像形成ドラムと書き込みヘッド
の背面斜視図である。
【図12】図11のドラムを反対側から見た画像形成ド
ラムと書き込みヘッドの部分背面斜視図である。
【図13】本実施例の画像形成ドラムとその駆動アセン
ブリの断面図である。
【図14】図13の14−14ラインに沿った画像形成
ドラムの断面図であり、減圧室の位置を示す図である。
【図15】図14の15−15ラインに沿ったレシーバ
シート除去減圧室の断面図であり、減圧吸引制御バルブ
の細部を示す図である。
【図16】本実施例の画像形成ドラムの表面を示す図で
ある。
【図17】図18の17−17ラインに沿った減圧吸引
制御バルブアクチュエータカムの正面図である。
【図18】本実施例のアクチュエータカムの側面図であ
り、アクチュエータカムによるドナー紙巻き付けおよび
取外しのための減圧吸引制御バルブの作用を示す図であ
る。
【図19】図18と同様の図であるが、アクチュエータ
カムが減圧吸引制御バルブと接触しない場合の図であ
る。
【図20】図18の20−20ラインに沿ったアクチュ
エータカムの正面図であり、一機能における減圧吸引制
御バルブのカム従動子の位置を示す図である。
【図21】図18の20−20ラインに沿ったアクチュ
エータカムの正面図であり、一機能における減圧吸引制
御バルブのカム従動子の位置を示す図である。
【図22】図18の20−20ラインに沿ったアクチュ
エータカムの正面図であり、一機能における減圧吸引制
御バルブのカム従動子の位置を示す図である。
【図23】本実施例の画像形成ドラムの端面図であり、
様々な操作の位置を示す図である。
【図24】装置の作動状態に応じた減圧領域を説明する
図である。
【図25】装置の作動状態に応じた減圧領域を説明する
図である。
【図26】装置の作動状態に応じた減圧領域を説明する
図である。
【図27】画像形成ドラムへの素材の供給およびそこか
らの排出に関し、それぞれのステップにおける素材処理
システムを示す図である。
【図28】画像形成ドラムへの素材の供給およびそこか
らの排出に関し、それぞれのステップにおける素材処理
システムを示す図である。
【図29】画像形成ドラムへの素材の供給およびそこか
らの排出に関し、それぞれのステップにおける素材処理
システムを示す図である。
【図30】画像形成ドラムへの素材の供給およびそこか
らの排出に関し、それぞれのステップにおける素材処理
システムを示す図である。
【図31】画像形成ドラムへの素材の供給およびそこか
らの排出に関し、それぞれのステップにおける素材処理
システムを示す図である。
【図32】画像形成ドラムへの素材の供給およびそこか
らの排出に関し、それぞれのステップにおける素材処理
システムを示す図である。
【図33】画像形成ドラムへの素材の供給およびそこか
らの排出に関し、それぞれのステップにおける素材処理
システムを示す図である。
【図34】画像形成ドラムへの素材の供給およびそこか
らの排出に関し、それぞれのステップにおける素材処理
システムを示す図である。
【図35】画像形成ドラムへの素材の供給およびそこか
らの排出に関し、それぞれのステップにおける素材処理
システムを示す図である。
【図36】素材供給および排出の各ステップにおけるド
ラム操作状態を示す図である。
【図37】素材供給および排出の各ステップにおけるド
ラム操作状態を示す図である。
【図38】素材供給および排出の各ステップにおけるド
ラム操作状態を示す図である。
【図39】素材供給および排出の各ステップにおけるド
ラム操作状態を示す図である。
【図40】本実施例のレーザマウントおよびファイバガ
イドの斜視図である。
【図41】図40のレーザマウントとファイバガイドの
分解図である。
【図42】本実施例の校正印刷プリンタ内を通る空気の
流れを示す断面図である。
【図43】本実施例の書き込みヘッドに搭載されたフォ
ーカシングレーザ集合部のための光ファイバスプールを
通る断面図である。
【図44】図8の44−44ラインに沿ったフォーカシ
ング光検出器の平面図である。
【符号の説明】
10 レーザサーマルプリンタプルーファ 12 素材供給アセンブリ 14 シートカッター 16 シート搬送アセンブリ 18 画像形成ドラム 20 書き込みヘッド 22 不要シート排出口 24 出来上がりシート排出口 30 カルーゼル(回転ラック) 82 換気ファン
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 11/04

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その上に積層状態に記録紙及びドナー紙
    (転写紙)とを重ね合わせて担持する画像形成ドラムで
    あって、その軸によって回転するように保持された中空
    の画像形成ドラム部材と、 前記画像形成ドラムの内部を減圧にする減圧手段と、 前記ドナー紙から前記記録紙上に染料を転写することに
    よって、前記記録紙に画像を転写するために、前記画像
    形成ドラム部材に搭載された前記ドナー紙上に、光線を
    投射する光線投射手段と、 前記画像形成ドラムを回転させる回転手段と、 前記画像形成ドラムを軸の方向に前記光線投射手段を移
    動させる移動手段と、 を有し、 前記画像形成ドラムは、そこに記録紙を付着させるため
    に、それの表面を介して第1の複数吸引孔が設けられて
    おり、 また、前記画像形成ドラムは、そこに付着させる記録紙
    上に重ね合わせるように、前記画像形成ドラムにドナー
    紙を付着させるために、前記第1の複数吸引孔の近傍に
    第2の複数吸引孔が設けられ、 更に前記第2の複数吸引孔の少なくとも一部を選択的に
    減圧にする減圧供給手段を有し、 前記第2の複数吸引孔の一部は、前記画像形成ドラムに
    付着した前記ドナー紙の端の真下に位置し、前記第2の
    複数吸引孔のその部分の減圧を止めることによって、前
    記ドナー紙の端は、前記画像形成ドラムの付着から剥離
    することを特徴とするサーマル画像形成装置の画像形成
    ドラム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像形成ドラムにおい
    て、 前記画像形成ドラムは、前記画像形成ドラムの各々の端
    に近接して搭載される軸ベアリングを通じて伸びるハブ
    を軸方向に延ばすことによって、その軸の回りで回転す
    るように搭載されており、 前記ハブの一つは、前記画像形成ドラムの内部から外部
    に伸びる軸孔を提供し、 前記減圧供給手段は、前記回転する画像形成ドラムの不
    均一な動きや振動を伝えることなしに、前記画像形成ド
    ラムの内部を減圧にするために、放射状ではなく同軸状
    に前記ハブの軸孔が配置されていることを特徴とするサ
    ーマル画像形成装置の画像形成ドラム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の画像形成ドラムにおい
    て、 前記画像形成ドラムの内部から前記第2の複数吸引孔の
    少なくとも一部を選択的に減圧にする前記減圧供給手段
    は、前記画像形成ドラムの内部表面に配置されたバルブ
    ブロックと、 前記第2の複数吸引孔の一部に近接した第1の減圧室を
    形成する形成手段と、 少なくとも一つのバルブ口前記画像形成ドラムの内部
    とに空気を連通させる連通手段と、 ドラム表面を介して前記第2の複数吸引孔の一部を減圧
    にすることを停止するために、前記バルブ口を閉じるよ
    うに配置されたバルブと、から成ることを特徴とするサ
    ーマル画像形成装置の画像形成ドラム。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の画像形成ドラムにおい
    て、 前記バルブは、アクチュエータを有し、アクチュエータ
    は、配設されたカムによって動作するように、前記画像
    形成ドラムの端を介して外部に伸びていることを特徴と
    するサーマル画像形成装置の画像形成ドラム。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の画像形成ドラムにおい
    て、 前記第2の複数吸引孔の一部を減圧にすることを停止す
    るためにバルブ口を閉める際に、前記バルブは、前記第
    1の減圧室を大気圧にすることによって、ドラム表面を
    介して前記第2の複数吸引孔の一部を開けるように配置
    されていることを特徴とするサーマル画像形成装置の画
    像形成ドラム。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の画像形成ドラムにおい
    て、 前記減圧手段は、画像形成ドラムの内部から前記第1の
    複数吸引孔の一部を選択的に減圧にする手段であり、 前記第1の複数吸引孔の一部は、前記画像形成ドラムに
    付着した記録紙の端の真下に位置し、前記第1の複数吸
    引孔のその部分の減圧を止めることによって、前記記録
    紙の端は、前記画像形成ドラムの付着から剥離すること
    を特徴とするサーマル画像形成装置の画像形成ドラム。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の画像形成ドラムにおい
    て、 前記画像形成ドラムの内部から前記第1の複数吸引孔の
    少なくとも一部を選択的に減圧にする前記減圧供給手段
    は、前記画像形成ドラムの内部表面に配置されたバルブ
    ブロックと、 前記第1の複数吸引孔の一部に近接した第2の減圧室を
    形成する形成手段と、 少なくとも一つのバルブ口前記画像形成ドラムの内部
    とに空気を連通させる連通手段と、 前記第1の複数吸引孔の一部を減圧にすることを停止す
    るために、前記バルブ口を閉じるように配置されたバル
    ブと、から成ることを特徴とするサーマル画像形成装置
    の画像形成ドラム。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の画像形成ドラムにおい
    て、 前記第1の複数吸引孔の一部を減圧にすることを停止す
    るためにバルブ口を閉める際に、前記バルブは、前記第
    2の減圧室を大気圧にすることによってドラム表面を介
    して第1の複数吸引孔の一部を開けるように配置されて
    いることを特徴とするサーマル画像形成装置の画像形成
    ドラム。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の画像形成ドラムにおい
    て、 前記バルブは、アクチュエータを有し、アクチュエータ
    は、配設されたカムによって動作するように、前記画像
    形成ドラムの端を介して外部に伸びていることを特徴と
    するサーマル画像形成装置の画像形成ドラム。
  10. 【請求項10】 請求項4または請求項9記載の画像形
    成ドラムにおいて、 前記配設されたカムは、前記バルブアクチュエータにお
    いて前記第1または第2の減圧室を動作させることを特
    徴とするサーマル画像形成装置の画像形成ドラム。
  11. 【請求項11】 請求項6記載の画像形成ドラムにおい
    て、 前記第2の複数吸引孔の一部は、前記第2の複数吸引孔
    の一部の上に巻かれている前記ドナー紙の端から前記記
    録紙の反対の端までの部分の真下に位置し、前記画像形
    成ドラムの内部から選択的に減圧にするものであること
    を特徴とするサーマル画像形成装置の画像形成ドラム。
  12. 【請求項12】 請求項3または請求項記載の画像形
    成ドラムにおいて、 前記第1または第2の減圧室は、前記画像形成ドラムの
    内部表面に配置された単一の室から形成されることを特
    徴とするサーマル画像形成装置の画像形成ドラム。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の画像形成ドラムにお
    いて、 前記減圧手段は、前記第2の複数吸引孔の一部と前記第
    1の複数吸引孔一部との間に配置された前記第の複
    数吸引孔の部分前記第1または第2の減圧室のい
    ずれかとは無関係に、前記画像形成ドラム内部から
    引して減圧状態にすることを特徴とするサーマル画像形
    成装置の画像形成ドラム。
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