JPH11329357A - 放電ランプ - Google Patents

放電ランプ

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JPH11329357A
JPH11329357A JP13922098A JP13922098A JPH11329357A JP H11329357 A JPH11329357 A JP H11329357A JP 13922098 A JP13922098 A JP 13922098A JP 13922098 A JP13922098 A JP 13922098A JP H11329357 A JPH11329357 A JP H11329357A
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discharge lamp
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Yukihiro Morimoto
幸裕 森本
Yoichiro Higashimoto
陽一郎 東本
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Ushio Denki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ランプの点灯中に、ガラス製筒体と側管部と
の溶着部においてその外方端側から発生する割れを防止
し、ランプ動作耐圧の高い安全に点灯する放電ランプを
提供すること。 【解決手段】 発光部囲繞用管部およびこれに続く側管
部よりなる石英ガラス製のバルブを有し、前記発光部囲
繞用管部内に一対の電極が対向配置されており、前記側
管部にはガラス製筒体が介装溶着されており、その先端
に前記電極を有する電極芯棒が前記ガラス製筒体に挿通
されて前記側管部の外方端において固定された放電ラン
プにおいて、前記ガラス製筒体は、その外方端の外周縁
部にテーパーが設けられたガラス製筒体であることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、映写プロ
ジェクター用、各種照明用、光化学産業用、半導体露光
用などに使用される放電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】プロジェクター用の光源として、高輝
度、点光源、高演色性という点から、例えば、キセノン
ランプなどの放電ランプが好適に利用されている。この
キセノンランプは、石英ガラスからなる略楕円球形をし
た発光部囲繞用管部とこれに続く側管部よりなるバルブ
が一般に使用され、前記バルブ内に封入ガスが封入され
るとともに、一対の電極が対向配置され、該電極をその
先端に有する電極芯棒がバルブの両端に続く側管部に挿
通されている。そして、前記側管部の端部を加熱して封
止することにより、前記電極芯棒が固定されて保持され
ている。
【0003】上述したような放電ランプは、電極や電極
芯棒が大きいために電極芯棒を側管部端部の封止部だけ
で支持することが困難である。よって、側管部にガラス
製の筒体を介装溶着し、電極芯棒を前記ガラス製筒体に
挿通して保持し、該側管部端部にかかる応力を緩和して
いる。
【0004】図8は、上述した放電ランプのガラス製筒
体近傍の断面図を示す。側管部11に、ガラス製筒体3
0を介装し、その先端に電極22を有する電極芯棒23
が挿通されている。そして、バルブ10の内部を減圧
し、ガラス製筒体30が配置された部分の側管部11を
バーナー等で焼き込んで縮径し、前記ガラス製筒体30
を介装溶着している。そして、上述のごとくガラス製筒
体30を介装溶着すると、バルブ10の内部が減圧の状
態であるため、前記側管部11の石英ガラスが管軸方向
に流れ込んで、溶着部18の端部に垂れ下がり部13を
形成する。そして、この垂れ下がり部13はガラス製筒
体30との間に隙間14を形成している。
【0005】上述したような放電ランプ、例えば、消費
電力が10kWのキセノンランプの場合、ランプ点灯時
のバルブ内のガス圧は、6.6MPaという高圧にな
る。このようにバルブ内部が高圧になると、ガラス製筒
体30と側管部11との溶着部18近傍において、該側
管部11から割れが発生することがある。この側管部1
1の割れは、溶着部18の隙間14のエッジ部15から
発生しており、とりわけ、溶着部の外方端側から生じる
傾向がある。
【0006】かかる理由は次の通りと考えられる。石英
ガラスの物性において、物理的強度の温度依存性、すな
わち、石英ガラスの物理的強度が温度上昇に伴って増大
することは、一般に知られていることである。したがっ
て、例えば、キセノンランプのようにバルブが石英ガラ
スからなるランプの場合、アークに近い発光部囲繞用管
部においては、その部分の石英ガラスの温度はアークの
熱を享受して上昇し、点灯中のガス圧に耐え得る程度に
十分な強度になる。ところが、外方端側に向かうに従っ
て温度が低下すると、これに伴って石英ガラスの強度も
減少してしまう。その結果、ガラス製筒体の外方端側に
おいては、石英ガラスの温度が発光部側に比較して低い
ために、その破壊耐圧が低く、割れや破壊が発生し易く
なってしまう。
【0007】近時では、プロジェクターの投射映像用光
源の一層の明るさが要求され、使用される放電ランプに
おいては、封入されるガスの量がますます増大する傾向
にある。よって、点灯時のバルブ内部のガス圧も更に高
くなり、ランプの破壊耐圧を増大させることが要求され
ている。そのため、割れの発生し易いガラス製筒体の溶
着部外方端近傍、なかでもエッジ部近傍において破壊耐
圧を増大させることが必要である。
【0008】本発明者らは、溶着部外方端近傍、特にエ
ッジ部近傍の、側管部の石英ガラスの強度を増大させる
ため、その部分の石英ガラスの温度を上昇させることを
考えた。そして、アーク放射の熱をよく伝導する電極芯
棒を利用することを考えた。例えば、溶着部のエッジ部
を加熱する具体的手段として、ガラス製筒体の外径を小
さくして、溶着部のエッジ部を電極芯棒に接近させる方
法が可能である。ところがこの方法によると、側管部を
縮径させる時間が多分にかかってしまい、生産性が非常
に悪い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、ガラス製筒体の外方端側の溶着部近傍で生
じる側管部の割れを防止し、ランプ点灯時にガス圧が増
大しても、十分に耐えられ、安全に点灯するランプを提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、発光部囲繞
用管部およびこれに続く側管部よりなる石英ガラス製の
バルブを有し、前記発光部囲繞用管部内に一対の電極が
対向配置されており、前記側管部にはガラス製筒体が介
装溶着されており、その先端に前記電極を有する電極芯
棒が前記ガラス製筒体に挿通されて前記側管部の外方端
において固定された放電ランプにおいて、前記ガラス製
筒体は、その外方端の外周縁部にテーパーが設けられた
ガラス製筒体であることを特徴とする。そしてさらに、
請求項2に記載の発明は、上記の特徴を有する放電ラン
プであって、前記電極が陰極および陽極からなる直流型
であることを特徴とする。
【0011】ランプを点灯すると、電極の先端から電極
芯棒に熱が伝達されるため電極芯棒も非常に高温にな
る。例えば、側管部の端部の電極芯棒においては、その
温度は約800Kになる。ガラス製筒体外方端の外周縁
部をテーパー状にすると、側管部を構成する石英ガラス
がテーパー状の斜面に沿って流れ込み、溶着部の端部が
管軸の中心方向、すなわち電極芯棒の軸心方向に流れて
径方向に縮径されるため、電極芯棒の熱をより受け易く
なる。そして、溶着部端部の石英ガラスの温度が上昇す
ると、当該石英ガラスの物理的強度が増して、当該溶着
部端部の側管部の強度が増大し、その結果、ランプの破
壊耐圧性を向上させることができるようになる。また、
ガラス製筒体の外径を従来のものと変化させることもな
いので、側管部の焼き込み量もほとんど変わらず、よっ
て、従来と生産性も変わらず、外方端側の溶着部近傍の
強度を増大させることができる。
【0012】更に、請求項2に記載の発明によれば、放
電ランプが直流型の放電ランプである場合、交流型の放
電ランプに比較して電極あるいは電極芯棒は陽極側にお
いてより大きいので、とくに大きな荷重がガラス製筒体
にかかる。よって、本発明による効果は特に大きいもの
である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明の
実施の形態を具体的に説明する。図1に定格消費電力が
10kWのキセノンランプを示す。同図で示すように、
発光部囲繞用管部12とこれに続く側管部11よりなる
石英ガラス製のバルブ10の中に、タングステンよりな
る一対の電極21、22が13mm間隔で対向配置され
ている。前記側管部11の発光部側にはガラス製筒体3
0が介装溶着されており、その先端に前記電極21,2
2を有する外径6φのタングステンからなる電極芯棒2
3が、前記ガラス製筒体30に挿通されて前記側管部1
1の端部40で固定されている。また、バルブ10内に
は、1MPaのキセノンガスが封入されている。
【0014】図2は、本発明にかかるランプの要部を示
す。前記ガラス製筒体30は、外径;D=12mmφ、
内径;d=6mmφ、長さL=30mmで、外方端の外
周縁部にテーパーが設けられている。同図のように、ガ
ラス製筒体30のテーパー部分に位置する側管部11の
石英ガラスが、当該テーパーの斜面に沿って電極芯棒2
3の軸心方向に流れ込んでいる。
【0015】本発明の効果を実証するため、ガラス製筒
体のテーパー部近傍の側管部の温度がどのように変化す
るか、本発明にかかるランプおよび従来のランプについ
て、側管部の温度測定を行って調べた。さらに、当該側
管部の温度が変化することにより、側管部の破壊耐圧が
どのように変化するかを調べた。実験結果は以下のとお
りである。
【0016】実験に使用した放電ランプは、消費電力4
50W(以下ランプという)、2kW(以下ランプ
という)、10kW(以下ランプという)のキセノン
ランプであり、消費電力450W〜10kWのランプ
(ランプ〜)の各々について、本発明にかかるラン
プおよび従来のランプを作製した。本発明にかかるラン
プは、図1に示したランプと同じ構成で、ガラス製筒体
30の外方端側の外周縁部にテーパーを設けている。な
お、実験に用いたランプの寸法は、図1において ガラス製筒体30の長さ:L、 電極21と電極芯棒23からなる電極マウントの長さ:
L1、 電極先端から側管部外方端側のガラス製筒体端面までの
長さ:L2、 と表したとき、図3に示す表のとおりである。
【0017】次に、図4は、本発明にかかるランプのガ
ラス製筒体30を示しており、同図(a)は筒体を側面
から見たとき、同図(b)は筒体を発光部側端面から見
たときの図である。同図において、ガラス製筒体30
は、 全長:L(mm) テーパー傾斜部の長手方向の幅:l(mm) テーパー傾斜部の径方向の幅:t’(mm) とすると、本実験に使用したガラス製筒体30は、図5
に示す表のとおりである。
【0018】〔温度測定〕まず、ガラス製筒体30の外
方端近傍の側管部11の温度を測定することを試みた。
ガラス製筒体30のテーパー部に溶着している側管部1
1に、熱電対を埋設し、ランプを点灯して温度を測定し
た。図6は、温度測定の結果を示す。ここで、横軸はL
2/L1比を、縦軸は温度(K)をそれぞれ示してい
る。同図において、ランプ〜の各々のランプについ
て、 ▲:テーパーなし(従来のランプ) ●:テーパーあり(本発明にかかるランプ) と表している。同図に示すように、温度測定の結果、各
消費電力のランプ〜のいずれも、ガラス製筒体30
の外方端側の外周縁にテーパーを設けることで、当該テ
ーパー部近傍の側管部11の温度が上昇することがわか
った。
【0019】〔破壊耐圧〕温度測定に用いた本発明のラ
ンプおよび従来のランプ、合わせて6種類のランプにつ
いて、溶着部の破壊耐圧の測定を行った。破壊耐圧の測
定方法は、次の通りである。それぞれのガラス製筒体を
持つ側管部の構造を一方の電極側だけ具備し、ガラス製
筒体側の一端のみ封止した耐圧試験用のガラスバルブを
作製する。このガラスバルブを所定の温度、すなわち、
上記温度測定により求められた各ランプの側管部の温度
に加熱する。そして、ガラスバルブの他端の側管部から
窒素ガスを徐々に加圧流入し、ガラスバルブが破壊され
た圧力を測定する。上述の温度測定に用いた種々の消費
電力のランプ〜について、それぞれ破壊耐圧を測定
した。
【0020】図7は、上述した破壊耐圧の測定結果を示
している。同図において、横軸はL2/L1(mm)を
示し、縦軸は破壊耐圧(Pa)を示している。同図にお
いて、 △:テーパーなし(従来のランプ) ○:テーパーあり(本発明にかかるランプ) と表している。
【0021】上記のように、温度および破壊耐圧の測定
結果から、ガラス製筒体30の外方端の外周縁部にテー
パーを設けると、ガラス製筒体30のテーパー部近傍の
側管部11の石英ガラスの温度が上昇して、側管部11
の破壊耐圧が増大することがわかった。
【0022】なお、本発明においてはガラス製筒体30
の形状に関して変更が可能である。すなわち、ガラス製
筒体30はその筒軸に直角に切断したときの断面輪郭が
円以外の多角形であっても良い。また当該ガラス製筒体
30の断面輪郭がそのテーパー部のみ、その他の部分の
形状と異なっていても良い。また、本発明は電極芯棒2
3を側管部内で挿通させるガラス製筒体30の形状につ
いてのものであり、キセノンランプに限らず、例えば、
超高圧水銀ランプや、あるいは、メタルハライドランプ
といった他の放電ランプに適用できるのは言うまでもな
い。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、発光部囲繞用管部
およびこれに続く側管部よりなる石英ガラス製のバルブ
を有し、前記発光部囲繞用管部内に一対の電極が対向配
置されており、前記側管部にはガラス製筒体が介装溶着
されており、その先端に前記電極を有する電極芯棒が前
記ガラス製筒体に挿通されて前記側管部の外方端におい
て固定された放電ランプにおいて、前記ガラス製筒体
は、その外方端の外周縁部にテーパーが設けられたガラ
ス製筒体としたので、溶着部の端部近傍の側管部の石英
ガラスが電極芯棒に近づき、当該石英ガラスがアーク放
電による熱を電極芯棒から容易に受け取ることができる
ようになるので、溶着部の端部近傍の温度が上昇して物
理的強度が増大し、その結果、ランプの破壊耐圧が増し
て安全に点灯するランプを提供することができる。
【0024】また、請求項2に記載の発明によって、直
流型の放電ランプであっても、例えばランプが破壊され
易い陽極側においても、電極芯棒を保持できて割れの発
生を防止し、ランプ動作耐圧の高い、安全に点灯する放
電ランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるキセノンランプを示す。
【図2】本発明にかかるランプの要部を示す。
【図3】実施例としたランプを示す表である。
【図4】(a)本発明にかかるランプのガラス製筒体を
横から見た図である。 (b)本発明にかかるランプのガラス製筒体を発光部側
端面から見た図である。
【図5】実施例としたガラス製筒体を示す表である。
【図6】側管部の温度測定の結果を示す図である。
【図7】破壊耐圧の測定結果を示す図である。
【図8】従来のランプの要部を示す。
【符号の説明】
10 バルブ 11 側管部 12 発光部囲繞用管部 13 垂れ下がり部 14 隙間 15 エッジ部 18 溶着部 21、22 電極 23 電極芯棒 30 電極保持用筒体 40 側管部端部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光部囲繞用管部およびこれに続く側管
    部よりなる石英ガラス製のバルブを有し、前記発光部囲
    繞用管部内に一対の電極が対向配置されており、前記側
    管部にはガラス製筒体が介装溶着されており、その先端
    に前記電極を有する電極芯棒が前記ガラス製筒体に挿通
    されて前記側管部の外方端において固定された放電ラン
    プにおいて、 前記ガラス製筒体は、その外方端の外周縁部にテーパー
    が設けられたガラス製筒体であることを特徴とする放電
    ランプ。
  2. 【請求項2】 前記電極が陰極および陽極からなる直流
    型の放電ランプであることを特徴とする請求項1に記載
    の放電ランプ。
JP13922098A 1998-05-07 1998-05-07 キセノンランプ Expired - Lifetime JP3405193B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012123918A (ja) * 2010-12-06 2012-06-28 Ushio Inc 高圧放電ランプ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012123918A (ja) * 2010-12-06 2012-06-28 Ushio Inc 高圧放電ランプ

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