JPH11327785A - 音響波方式タッチパネル - Google Patents

音響波方式タッチパネル

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JPH11327785A
JPH11327785A JP13232598A JP13232598A JPH11327785A JP H11327785 A JPH11327785 A JP H11327785A JP 13232598 A JP13232598 A JP 13232598A JP 13232598 A JP13232598 A JP 13232598A JP H11327785 A JPH11327785 A JP H11327785A
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JP
Japan
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touch panel
glass
glass substrate
weight
zro
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Application number
JP13232598A
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English (en)
Inventor
Masahiro Tsumura
昌弘 津村
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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    • H02MAPPARATUS FOR CONVERSION BETWEEN AC AND AC, BETWEEN AC AND DC, OR BETWEEN DC AND DC, AND FOR USE WITH MAINS OR SIMILAR POWER SUPPLY SYSTEMS; CONVERSION OF DC OR AC INPUT POWER INTO SURGE OUTPUT POWER; CONTROL OR REGULATION THEREOF
    • H02M3/00Conversion of dc power input into dc power output
    • H02M3/02Conversion of dc power input into dc power output without intermediate conversion into ac
    • H02M3/04Conversion of dc power input into dc power output without intermediate conversion into ac by static converters
    • H02M3/10Conversion of dc power input into dc power output without intermediate conversion into ac by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode
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    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/86Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable only by variation of the electric current supplied, or only the electric potential applied, to one or more of the electrodes carrying the current to be rectified, amplified, oscillated or switched
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音響波減衰が小さく、伝送信号強度の高いガ
ラス基板を用いて大型の音響波式タッチパネルを得る。 【解決手段】 音響波の伝搬媒体として、主成分として
のSiO2 と追加の成分とで構成され、減衰係数が約
0.25dB/cm以下であるガラス基板を用いる。ガ
ラス基板は、ソーダライムガラスの伝播速度と実質的に
同じ伝播速度を有しており、追加の成分としてBaO及
び/又はB2 3 を実質的に含んでいない。前記ガラス
基板は、BaOおよびB2 3 を実質的に含まず、Al
2 3 、ZrO2 、およびSrOを含み、ZrO2 の含
有量が3重量%以上であり、SrOの含有量が6.5重
量%以上であり、Al2 3 とZrO2 との割合がZr
2 /(Al2 3 +ZrO2 )=30〜100重量%
である。このようなガラス基板を用いることで、大型の
強化された音響波式タッチパネルが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響波方式タッチ
ポジションセンサに関し、より詳しくは、基板(サブス
トレート)内で音響波が発生し、この音響波が伝送信号
からある範囲の特徴的時間の遅れを有して基板中を伝搬
し、この時間の遅れが基板の一つの軸に沿っての各々の
軸方向変位と関連した異なる経路長を表わす方式のタッ
チパネルに関する。基板への接触(タッチ)の結果、波
に乱れが生じるので、これを検出し、基板への接触の軸
方向変位を求める。この種のタッチパネルは、コンピュ
ータイメージディスプレイと関連したコンピュータ入力
装置として使用される。
【0002】
【従来の技術】タッチパネルは、一般に、ブラウン管
(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマデ
ィスプレイパネル(PDP)などの表示デバイス又は表
示ユニットと組合されることにより、入力−出力デバイ
スとして種々の分野で利用されている。現在、市場のタ
ッチパネルは、主に、抵抗式、容量式および音響波式タ
ッチパネルなどである。抵抗式および容量式タッチパネ
ルに比べ、音響波式タッチパネルを用いると、タッチ表
面を丈夫にすることができ、明瞭な大きな画像が得られ
る。
【0003】抵抗式および容量式タッチパネルは、基板
上に抵抗層が形成されている。一般に好ましい基板材料
として、強度、光学的透明度およびコストの点から、ソ
ーダガラス(ソーダ石灰ガラス)が選ばれる。タッチポ
ジションに関する情報を検出するには、前記抵抗層は必
須である。また、従来の抵抗式タッチパネルには、プラ
スチック製カバーシートがかぶせられている。多くの用
途においては、ガラス基板に付加されたかかる構成部分
は、偶発的にまたは故意により損傷しやすい。さらに、
これらの付加的構成部分のために、光透過率が低下し、
周囲の光の反射が増加するため、表示デバイスにおける
データおよび像の鮮明度(視認性)が低下する。
【0004】これに対して、従来の音響波式タッチパネ
ルは、頑丈なタッチ表面および高い表示画像品質を有し
ているため、有利であり、インプット位置に関する座標
データを検出するのに超音波が用いられるので、ソーダ
ライムガラス基板上に抵抗層を形成する必要がなく、プ
ラスチックカバーシートも必要としない。ソーダライム
ガラスは、世界で製造されているガラスのうちの大部分
を占める程の汎用で安価なガラスであるが、音響波式タ
ッチパネルの慣用の基板材料であり、透明性が高く、超
音波周波数での音響波の伝搬が可能である。
【0005】一方、ディスプレイ技術は急速に発展して
おり、大型ディスプレイ製品が要望されている。抵抗式
および容量式タッチパネルの場合には、パネル寸法が増
大するに従って、一様な抵抗層を形成するのが困難にな
る。音響波式タッチパネルの場合は、超音波が基板を通
って伝搬するときの信号(音響波信号)が減衰するた
め、パネルの寸法が増大するに従って、信号の損失が大
きくなる。大型音響波式タッチパネルでは、入力位置を
確定するのに十分なSN(信号/雑音)比を与えること
ができないことがある。このため、音響波式タッチパネ
ルのSN比を高める手段が必要となる。また、信号の振
幅を減少させる製品、例えば、より低コストの制御装置
エレクトロニクスを有する製品、反射アレーの面積が減
少した製品、信号吸収性のシーリング材を有する製品な
どが求められており、これら要求に答えるためにも、音
響波式タッチパネルのSN比を高める必要がある。
【0006】音響波式タッチポジションセンサは、”レ
イリー”(Rayleigh)波などの音響波ビームを発生する
送波器と、対応する受信器を有しており、パネルに触れ
ることにより引き起こされる音響波ビームの減衰を観測
する。また、トランデューサ(変換器)、ケーブル導体
およびエレクトロニクスチャンネル(通信路)を必要と
する。商業的に成功している音響波タッチパネルは、多
数のトランデューサを設ける費用を避けるための工夫が
されている。そのため、音響波経路長は、比較的長くな
っている。
【0007】商業的に成功している音響波式タッチパネ
ルの分野でのパイオニア的な特許として、例えば、アド
ラー(Adler)の再発行米国特許第33151号明細書
が挙げられる。音響波トランスデューサにより発生した
バースト(連発)波は、シート状基板中へ結合(カップ
リング)される。これらの音響波は、音響波再方向指示
格子列(アレー)によって、系の能動領域へと、90°
偏向させられる。再方向指示格子は、トランスデューサ
からの音響波の伝搬軸に対して45°の角度で配向して
いる。これらの格子は、光学系における部分的に銀メッ
キされたミラーに類似している。能動領域を通過した音
響波は、今度は、他の格子列によって、出力トランスデ
ューサへ向けて方向を再指示される。タッチ位置の座標
は、受信信号が選択的に減衰した時間領域を分析するこ
とにより決定され、表面にタッチした場所(座標値)に
対応した特性遅延が見られる。格子列を使用することに
より、必要なトランスデューサの数が大きく減少するた
め、商業的に競合可能な価格でのタッチパネルを製作す
ることが可能になる。しかし、格子列を用いて音響波を
複数回偏向させるため、音響波が基板を通して透過しな
ければならない極大距離がかなり増大する。また、格子
列での散乱過程の能率が低い場合にも、音響波式タッチ
パネルの信号振幅は減少する。
【0008】音響波損の少ないタッチパネルとして、例
えば、WO96/23292には、ソーダライムガラス
よりも音響波損が少ないホウケイ酸ガラスおよびバリウ
ム含有ガラスを用いたタッチパネルが開示されている。
ホウケイ酸ガラスは、「パイレックス」(コーニング
社)、「テンパックス」(ショット(Schott)ガラス
社)、「ボロフロート」(ショットガラス社)などの商
品名で市販されており、熱膨張係数が小さく、大きい温
度勾配に耐えて、ひび割れしない性質を有している。
【0009】この文献には、ホウケイ酸ガラス及びバリ
ウム含有ガラス中のレイリー波の減衰係数は、それぞれ
0.74dB/インチ(0.3dB/cm))および
0.6dB/インチ(0.24dB/cm)であり、ソ
ーダライムガラス中のレイリー波の減衰係数(1.44
dB/インチ(0.57dB/cm))より小さいこと
が記載されている。しかし、ホウケイ酸ガラスは、伝播
速度が122,288inch/cmとソーダライムガラス(125,000i
nch/cm)と異なるため、ホウケイ酸ガラスを適用する
と、ソーダライムガラス中での伝播速度に基づいて設計
された従来のタッチパネルを、再度設計しなければなら
ず、経済的でない。また、大型ディスプレイ製品などの
要望を考えると、上記ホウケイ酸ガラス及びバリウム含
有ガラスの減衰係数は、未だ大きい。
【0010】さらに、大型化に際しては、化学的強化又
は熱的強化により強化された強化ガラス基板を使用する
ことが望ましいものの、ホウケイ酸ガラスは、熱膨張係
数が3.25×10-6/Kと低いため、熱強化できな
い。また、ホウケイ酸ガラスは、一般に、カリウムイオ
ンで置換できるナトリウムイオンの含有率が低いか、又
はナトリウムイオンを全く含有していないため、化学的
強化(硬化)できる程度は限られている。
【0011】なお、超音波は、ガラス基板中でいくつか
のモードをとるが、音響式タッチパネルには、”レイリ
ー”波と呼ばれるモードが特に重要である。レイリー波
は、本質的に、十分な厚さの均質な非圧電媒体からなる
シートの単一の表面に拘束される。レイリー卿は、半有
限媒体につき、このモードに関する波動関数を計算し
た。厚みが有限な媒体の一つの表面の近くを導かれるこ
のような波は、正確には”疑レイリー”波と呼ばれる
が、一般には”レイリー波”と呼ばれており、本明細書
においてもそのように呼ぶ。タッチパネルの設計および
製作の上で、レイリー波を首尾よく伝搬するには、基板
の厚みをレイリー波長の約4倍以上にすれば十分である
ことが、経験的に知られている。
【0012】また、音響波式タッチパネルで用いられる
他の波のモードについても、米国特許第5260521
号明細書、第5234148号明細書、第517732
7号明細書、第5162618号明細書および第507
2427号明細書などに記載されており、水平偏波横波
(horizontally polarised shear waves)およびラム波
(Lamb waves)などが用いられている。一般的には、レ
イリー波が用いられる。レイリー波は、タッチに対して
相対的に感受性が高いためであり、均質な媒体の単純な
表面を伝搬できることによる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ガラス基板の音響波減衰を抑制し、伝送信号の強度
を高めることができる音響波式タッチパネルおよびその
ためのガラス基板を提供することにある。本発明の他の
目的は、高い信頼性で動作できる丈夫な音響波式タッチ
パネルおよびそのためのガラス基板を提供することにあ
る。
【0014】本発明のさらに他の目的は、信号効率変換
の低いトランスデューサを用いたり、音響波式吸収が生
じるシーリング材などを備えていても使用可能な音響波
式タッチパネルおよびそのためのガラス基板を提供する
ことにある。本発明の別の目的は、熱的に強化又は化学
的に硬化でき、大型で強化された音響波式タッチパネル
及びおよびそのためのガラス基板を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究した結果、超音波伝搬媒体とし
て特定のガラス基板又はベースを使用すると、超音波の
減衰を著しく抑制でき、信号が受信、検知されるまで信
号の高い強度を保ちながら、伝送できることを見いだす
にいたり、本発明を完成した。
【0016】すなわち、本発明のタッチパネルは、主成
分としてのSiO2 と追加の成分とで構成される音響波
の伝搬媒体としてのガラス基板を備え、接触位置に関す
る座標データを検知するためのタッチパネルであって、
ガラス基板の減衰係数は約0.25dB/cm以下であ
る。この減衰係数は、5.53MHzのレイリー波につ
き、基板表面で、レイリー波の伝搬を支持するのに十分
な厚さを有する試験対象ガラスサンプルに対向する一対
の0.5インチ幅ウェッジトランスデューサを装着し、
信号について振幅対距離のプロットの傾きにより測定で
きる。さらにガラス基板は、下記(1)および(2)の
うち少なくとも一つの特性を有している。
【0017】(1)伝播速度がソーダライムガラスの伝
播速度と実質的に同じである (2)追加の成分がBaO及び/又はB2 3 を実質的
に含まないまた、本発明のタッチパネルは、前記ガラス
基板が、主成分としてのSiO2と追加の成分とで構成
されている。前記追加の成分は、下記(A)〜(D)か
ら選択された少なくともいずれか一つの特性を有してい
る。
【0018】(A)BaOを実質的に含まず、ZrO2
およびSrOのうち少なくともいずれかの成分を含む (B)BaOおよびB2 3 を実質的に含まず、Al2
3 、ZrO2 、およびSrOのうち少なくとも1つの
成分を含む (C)ZrO2 およびSrOのうち少なくともいずれか
の成分を含み、ZrO2 の含有量が3重量%以上であ
り、SrOの含有量が6.5重量%以上である (D)ZrO2 とAl2 3 とを含み、Al2 3 とZ
rO2 との割合がZrO2 /(Al2 3 +ZrO2
=30〜100重量%である さらに、タッチパネルは、音響波が伝搬可能な基板と、
前記音響波を基板中に導入するための手段とで構成で
き、基板は化学的又は熱的に強化可能なガラスで形成し
てもよい。
【0019】また、本発明の接触位置に関する座標デー
タを検知するための音響波式タッチパネルを構成するた
めのガラス基板は、前記(1)〜(2)、(A)〜
(D)のうち少なくとも一つの特性を有するガラス基板
で構成されている。
【0020】音響波式タッチパネルを記述するのに、
「音響波センサ」、「音響波式タッチスクリーン」、
「超音波タッチパネル」など多くの用語が用いられてき
ている。本明細書では、特に断らない限り、これらの用
語はすべて同義語であって、超音波によりタッチを感知
するものであって、トランスデューサの数を減少するた
めに反射格子アレーを用いている透明なタッチセンサの
ことを意味する。
【0021】また、本明細書において「強化可能なガラ
ス」とは、熱強化できるか、又は実質的に化学的に硬化
できるガラスを意味する。さらに、「実質的に」強化さ
れたガラスとは、強度が約50%以上増加、好ましくは
約100%以上増加するまで、化学硬化されたガラスの
ことをいう。
【0022】
【発明の実施の形態】接触位置に関する座標データを検
知するための音響波式タッチパネルを構成するガラス基
板は、主成分としてのSiO2 と追加の成分とで構成さ
れ、音響波伝搬媒体として用いられる。
【0023】本発明は、一の態様において、(1)ガラ
ス基板の音響波(レイリー波)伝播速度が、ソーダライ
ムガラスの伝播速度(125,000inch/cm)と実質的に同じ
であり、しかも減衰係数が小さいという特色がある。ガ
ラス基板の伝播速度は、例えば、約121,000〜129,000in
ch/cm程度、好ましくは123,000〜127,000inch/cm程度、
さらに好ましくは124,000〜126,000inch/cm程度であ
る。このようなガラスは、例えば、サン−ゴバン(Sain
t-gobain)社製,商品名「CS25」(伝播速度124,70
0inch/cm)として入手できる。伝播速度がソーダライム
ガラスとほぼ同じであるガラス基板を用いると、汎用ガ
ラス基板であるソーダライムガラス基板と同一の設計が
利用できる利点がある。
【0024】本発明は、他の態様において、(2)ガラ
ス基板を構成する追加の成分がBaO及び/又はB2
3 を実質的に含有しないにも拘らず、減衰係数が小さい
という特色がある。ガラス基板は、上記(1)又は
(2)いずれかの特色を有しており、(1)と(2)の
両方の特色を有していてもよい。上記態様(2)におい
て、ガラス基板は、追加の成分として、BaOとB2
3 とを共に実質的に含まないのが好ましく、追加の成分
がBaOとB2 3 のいずれか一方の成分を含む場合
は、減衰係数は、0.23dB/cm以下、好ましくは
0.20dB/cm以下である。
【0025】「低音響波損ガラス」は次のように定義で
きる:5.53MHzのレイリー波につき、基板表面
で、レイリー波の伝搬を支持するのに十分な厚さを有す
る試験対象ガラスサンプルに対向する一対の0.5イン
チ幅のウェッジトランスデューサを装着し、信号につい
て振幅対距離のプロットの傾きによって測定したとこ
ろ、減衰係数(音響波損失)が約0.25dB/cm以
下のガラス。
【0026】ガラス基板の減衰係数は、約0.25dB
/cm以下(例えば、0.1〜0.23dB/cm程
度)、好ましくは0.22dB/cm以下(例えば、
0.1〜0.20dB/cm程度)であり、例えば、サ
ン−ゴバン(Saint-gobain)社製,商品名「CS25」
では、平均減衰率0.46dB/インチ(0.18dB
/cm)である。従って、本発明のガラス基板を用いる
と、ソーダライムガラス(平均減衰率1.44dB/イ
ンチ(0.57dB/cm)に比べて平均減衰率を約7
0%、ホウケイ酸ガラス(ショットガラス社製、商品名
「テンパックス」、平均減衰率0.74dB/インチ
(約0.3dB/cm))に比べて平均減衰率を約40
%、バリウム含有ガラス(0.6dB/インチ(約0.
24dB/cm))に比べて平均減衰率を約20%も低
減できる。ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラスおよ
びバリウム含有ガラスよりも音響波吸収が実質的に少な
い本発明のガラス基板を用いると、受信トランスデュー
サにより受信可能な信号を実質的に増大させることがで
きる。最大音響波行路長20〜40インチのタッチパネ
ルにおいて、ホウケイ酸ガラスに比べて、前記「CS2
5」を用いた場合、約12〜22dBの信号が追加され
たのと同等の効果が得られる。現在の商業的製品よりも
大型のタッチパネルを用いる場合は、さらに大きい信号
利得が期待できる。
【0027】なお、音響波減衰は、振動数の増加関数で
あり、図3に示した方法により、ガラス中でのレイリー
波の減衰により測定できる。すなわち、送信トランスデ
ューサ2および受信トランスデューサ4の対をガラスに
載せ、それらの間隔を2インチ、4インチおよび6イン
チと変化させる。レイリー波の伝搬を支持するのに十分
な厚さを有する試験対象ガラスサンプル2試料につき、
振幅を各間隔で測定し、プロットした振幅対距離の傾き
より、減衰係数(平均減衰率)を測定する。測定には、
0.5インチ幅のウエッジトランスデューサと、5.5
3MHzのレイリー波を用いる。
【0028】このような低音響波損ガラス基板は、主成
分としてのSiO2 と追加の成分とで構成できる。追加
の成分は、前記(A)〜(D)の態様から選択された少
なくとも一つの特性を有している。
【0029】態様(A)において、追加の成分は、Ba
Oを実質的に含まず、ZrO2 及びSrOの少なくとも
一方の成分を含んでいる。このようなガラス基板は、B
aOを実質的に含んでいなくても、減衰係数が小さい。
さらに減衰係数を低減させるには、ZrO2 、SrOの
双方の成分を含むのが好ましい。
【0030】BaOを実質的に含まないとは、不可避的
又は意図的であるか否かを問わず、ガラス基板中のBa
Oの含有量が、例えば、0〜1.5重量%程度、好まし
くは0〜1.0重量%程度、さらに好ましくは0〜0.
5重量%程度であることを意味する。ガラス基板中のZ
rO2 の含有量は、例えば、1重量%以上(例えば、1
〜20重量%程度)、好ましくは3重量%以上(例え
ば、5〜15重量%程度)、さらに好ましくは7重量%
以上(例えば、7〜15重量%程度)である。
【0031】SrOの含有量は、例えば、1重量%以上
(例えば、1〜20重量%程度)、好ましくは3重量%
以上(例えば、3〜15重量%程度)、好ましくは5重
量%以上(例えば、5〜15重量%程度)、さらに好ま
しくは6.5重量%以上(例えば、6.5〜15重量%
程度)である。
【0032】態様(B)においては、BaO及びB2
3 を実質的に含まなくても、前記追加の成分を、Al2
3 、ZrO2 、およびSrOから選択された少なくと
も1つの成分で構成することにより、減衰係数を低減で
きる。前記成分の組み合わせは、適当に選択でき、単一
成分(ZrO2 、SrOなど)、二成分(SrOとAl
2 3 との組み合わせ、ZrO2 とAl2 3 との組み
合わせ、SrOとZrO2 との組み合わせ)、又は三成
分(SrOとZrO2 とAl2 3 との組み合わせ)な
どであってもよく、二成分(SrOとZrOとの双方)
を含有したり、三成分を含有する場合が多い。
【0033】BaOを実質的に含まないとは、前記態様
(A)と同様であり、ガラス基板中のZrO2 又はSr
Oの含有量も前記態様(A)に同じである。B2 3
実質的に含まないとは、B2 3 の含有量が、例えば、
0〜4重量%程度、好ましくは0〜2重量%程度、さら
に好ましくは0〜1重量%程度(例えば、0〜0.5重
量%程度)であることを意味する。Al2 3 の含有量
は、例えば、2.5重量%以上(例えば、2.5〜20
重量%程度)、好ましくは3.0重量%以上(例えば、
3.5〜15重量%程度)である。
【0034】態様(C)においては、ZrO2 およびS
rOの少なくともいずれか一方の成分を特定量含有させ
ることにより、低音響波損とすることができる。追加の
成分は、ZrO2 およびSrOの双方の成分を含有して
いてもよく、ZrO2 およびSrOの一方の成分を含有
していてもよい。
【0035】ZrO2 の含有量は、ガラス基板中、例え
ば、3重量%以上(例えば、3〜20重量%程度)、好
ましくは5重量%以上(例えば、5〜15重量%程
度)、さらに好ましくは7重量%以上(例えば、7〜1
5重量%程度)である。
【0036】SrOの含有量は、ガラス基板中、例え
ば、6.5重量%以上(例えば、6.5〜20重量%程
度)、好ましくは7.0重量%程度(例えば、7.0〜
15重量%程度)、さらに好ましくは7.5重量%以上
(例えば、7.5〜15重量%程度)である。
【0037】態様(D)では、ZrO2 とAl2 3
を所定の割合で含有させることにより、低音響波損のガ
ラス基板とすることができる。ZrO2 とAl2 3
の割合(ZrO2 /(Al2 3 +ZrO2 ))は、例
えば、30〜100重量%程度、好ましくは40〜90
重量%程度、さらに好ましくは50〜80重量%程度で
ある。なお前記態様(C)および(D)において、追加
の成分は、B2 3 及び/又はBaOを含有していても
よいが、B2 3 及び/又はBaOを含有していなくて
もよい。
【0038】前記態様(A)〜(D)において、ガラス
基板がAl2 3 とZrO2 とを含む場合、Al2 3
とZrO2 との合計含有量は、例えば、3〜20重量%
程度、好ましくは8〜20重量%程度、さらに好ましく
は10〜20重量%程度(例えば11〜20重量%程
度)程度である。
【0039】また、追加の成分は、さらにK2 Oを含有
していてもよく、Na2 O、CaOおよびMgOを含有
していてもよい。ガラス基板中のK2 Oの含有量は、例
えば、5〜10重量%程度、好ましくは6〜10重量%
程度である。
【0040】ガラス基板中のNa2 O、CaOおよびM
gOの合計含有量は、例えば、7〜20重量%程度、好
ましくは10〜20重量%程度(例えば、11〜20重
量%程度)である。
【0041】追加の成分は、必要に応じて、TiO2
23 、Y23 、SnO2 、PbO2 、In23
などの金属酸化物を含んでいてもよい。主成分としての
SiO2 の含有量は、前記追加成分の残余量であり、例
えば、約45〜90重量%、好ましくは約50〜85重
量%(例えば、約55〜85重量%)である。ガラス基
板は、種々の成分、例えば、酸化物(例えば、ZnO、
BeO、LiO2 、TeO2 、V25 、P25 )、
融剤、清澄剤、着色剤、脱色剤、その他の成分などをさ
らに含有していてもよい。
【0042】ガラス基板の密度は、例えば、2.6〜
3.0g/cm3 程度、好ましくは2.7〜3.0g/
cm3 程度(特に、2.75〜3.0g/cm3 程度)
である。 ガラス基板の軟化点(107.6poise)は、例
えば、800〜900℃程度、好ましくは830〜86
0℃程度である。
【0043】本発明のタッチパネルのガラス基板は、タ
ッチによりデータを入力するのに有用であり、表示デバ
イス上に配置され、表示デバイスによって表示されたデ
ータはタッチパネルを通して見ることができる。そのた
め、タッチパネルを構成するガラス基板は、可視光領域
(波長約400〜700nm)においてすぐれた光透過
率を有する。
【0044】表示デバイス上に配置された本発明のタッ
チパネルは、液晶表示デバイス、プラズマ表示パネルデ
バイスなどと組合せて使用できる。図1は、本発明のタ
ッチパネルの一構成を示す概念的平面図である。タッチ
パネルは、X軸およびY軸方向に対称的であり、タッチ
可能な表示領域(画像表示領域)2を有する伝搬媒体と
してガラス基板1を有する。基板中を伝搬する音響波は
十分な出力密度を有し、前記音響波は、表面へタッチす
ることにより測定可能な範囲で減衰する。
【0045】送信手段3a,3bは、ガラス基板1のX
軸およびY軸の方向に、音響波を送信する。これらの送
信手段は、電気音響変換器、例えば、セラミック圧電素
子を有し、ウェッジトランスデューサのプラスチックウ
ェッジなどのモード変換素子を有していてもよい。これ
らの変換手段は、送信反射格子アレー4a,4bに向け
て音響波ビームを指向するように、ガラス基板1の所定
の位置に配置されている。
【0046】送信手段からX軸およびY軸方向に送信さ
れた音響波は、Y軸方向の両縁部に形成された第1の反
射アレー(第1の反射手段)4a,4b、およびX軸方
向の両縁部に形成された第2の反射アレー(第2の反射
手段)5a,5bからなる反射手段によって方向を再指
示され、X軸およびY軸の方向に、表示領域2の全面
(活性領域)にわたって伝搬され、それら音響波は、受
信手段により受信されるべく、X軸およびY軸方向に方
向を再指示され、すなわち収束される。
【0047】受信手段6a,6bは、送信手段と同じ部
材で構成されている。送信手段と受信手段とは、主とし
て、エレクトロニクスへの結合の仕方によって区別され
る。例えば、アイテム6a,6bが励起回路素子に接続
され、3aおよび3bが受信回路素子に接続されれば、
6a,6bは送信手段として、3a,3bは受信手段と
して働く。信号ケーブル7aおよび7bは、送信素子に
接続されており、信号ケーブル8aおよび8bは、受信
素子に接続されている。
【0048】このデバイスにおいて、20〜30サイク
ルの信号音バーストなどの励起信号がケーブル7a(又
は7b)を介して送信手段3a(又は3b)ヘ間欠的に
送られるとき、超音波は反射アレー4a(又は5a)に
よって反射され、ガラス基板1の表面を通って伝搬さ
れ、反射アレー4b(又は5b)により反射されて、受
信手段6a(又は6b)により受信される。音響波の遅
延は合計でも1ミリ秒以内であるため、人の応答時間内
で、XおよびY座標測定サブシステムを逐次励起でき
る。受信された信号は、信号ケーブル8a(又は8b)
を介して、信号処理制御装置へ送られ、そこで、制御装
置は受信信号を認識し、その強さを検出する。
【0049】図1のタッチパネルは、例えば、表示デバ
イスおよびサウンドシステムなどの出力デバイスを制御
するホストコンピュータのコンピュータ周辺装置とし
て、表示デバイスの前に置かれる。ここで、ホストコン
ピュータの適用ソフトウェアに応じて、検出したタッチ
の結果をユーザー(人間)にフィードバックすることが
できる。フィードバックとしては、例えば、表示画像中
でのアイコンの強調表示、音(クリック音、ベル音な
ど)、またはタッチコントロール機能上の動作などであ
る。このような動作はすべてタッチを正確に検出する音
響波式タッチパネルシステムに依存しており、その正確
な検出は十分なSN比の維持に依存する。
【0050】音響波は、タッチパネルのガラス基板を通
って伝搬するとき、強度を失う。この物理的効果、すな
わち基板により音響波エネルギーが減衰することは、音
響波式タッチパネルの信号振幅を決定する際の重要なフ
ァクター(因子)である。本発明のタッチパネルにおい
ては、所定のガラス基板を用いるため、超音波の減衰が
低減され、十分な強度の受信信号が検出される。その結
果、タッチポジションは、信頼性よく、精度高く検出さ
れる。
【0051】本発明のガラスを用いて組み立てたタッチ
パネルは、顕著に信号振幅が増加している。本発明の低
音響波損ガラスは、シート形態で容易に、経済的に購入
可能で、任意に熱強化又は化学的に硬化可能である。こ
のようなガラス基板の使用により、信号振幅が増大する
ため、通常ではSN比が著しく低下するような製品であ
っても、SN比を改善することができる。そのため、例
えば、次のような場合であっても有利に使用できる。
【0052】トランスデューサ、例えば、部材3a,3
b,6a及び6bの設計に際し、設計者は、表示デバイ
スハウジング内部へタッチパネルを装着する為に、信号
振幅の減少を容認しなければならない場合が多い。例え
ば、設計者は、機械的な制限を克服するために、トラン
スデューサの幅を例えば0.5インチから0.25イン
チに減じることがある。また、設計者は、ウェッジトラ
ンスデューサとタッチ面とを急な傾斜角で交差させるこ
ともある。しかし、これらの設計は信号損の原因とな
る。この様な場合に、低音響波損基板を用いると、設計
者がトランスデューサの効率を低下させることが可能と
なる為、機械的によりフィットしたタッチパネルが可能
となる。
【0053】また、図4に示したように、タッチ面と表
示デバイスのハウジングとの間にシーリング材が必要な
ときには、シーリング材が音響波を吸収するため、設計
者は、機械的設計と信号振幅とのいずれを優先させるか
選択を迫られることがある。図4において、タッチパネ
ル100とCRT102は、筐体104に装着され、タ
ッチパネル100は貼付けテープ106により適所に保
持される。シーリング材108が、タッチパネル100
の表面と接触しているため、音響波エネルギーが吸収さ
れる。しかし、ここで本発明のタッチパネルを用いる
と、信号供給の増加のため、音響波エネルギー損失を惹
起しうる。
【0054】設計者は、エレクトロニクスの設計に当っ
て、さらに別の選択もしなければならない。音響波式タ
ッチパネルとともに使用される現在の制御装置製品は、
数十のピークピーク(peak-to-peak)ボルトもの励起信
号を発生する。励起電圧が大きいために、電子回路素子
のコストが増大し、さらに許容できないレベルのEMI
を放出する可能性もある。励起電圧を例えば15dBだ
け低減することができると、多くの利点があるものの、
励起電圧の低下に応じて、受信信号も15dB損失する
ことになる。本発明のガラス基板を使用することによ
り、このような励起電圧の低下を可能にする為に十分な
信号が提供される。
【0055】低音響波損ガラス基板を用いた製品改良の
うち、最も効果的であるのは、センサのサイズを大きく
増大させることが可能なことである。最近、エロ(El
o)・タッチ・システムズ社は、音響波式タッチパネル
製品を導入した。これらは、対角線寸法21インチの大
型タッチパネルである。
【0056】エロ社は、当初、21インチのソーダライ
ムガラス製品を企画したが、信号振幅が低く、信頼しう
る品質性能を保証することができなかった。ソーダライ
ムガラスタッチパネルの僅かな寸法の増大で、信号振幅
が大きく低下することは、次の計算からわかる。標準的
なビデオディスプレイの横縦比が3:4であると仮定す
るとき、対角線寸法を1インチ増加すると、極大音響波
経路長(極大音響波経路長=定数+Xアレー長の2倍+
Xアレー間の内部間隔)は2.2インチ増大する。減衰
が1.5dB/インチの場合、対角線が1インチ増大す
るに当り、基板中での吸収が3.3dB増加する。対角
線が3インチ増大すると、信号が10dBだけ低下す
る。そのため、より大型のソーダライムガラス製音響波
式タッチパネルを製造することは、急速に困難となる。
エロ・タッチ・システムズ社が、1996年11月のラ
スヴェガスでのコムデックス見本市において、ラミネー
トされた逆投射スクリーンを有し、投射ディスプレイに
より照らされた機能する31インチ対角線タッチパネル
によって証明したように、本発明のガラス基板を用いれ
ば、ずっと大きいサイズが可能である。図5に、タッチ
パネルの概念図を示したが、この例は、投射像の構成へ
の大型タッチパネルの使用を例証するものである。投射
器118およびレンズ120により、リアルタイムのビ
デオ映像が逆投射スクリーン110に投射される。この
スクリーンは、音響波式タッチパネル122の基板の裏
にラミネートされていてもよい。すなわち、音響波式タ
ッチパネルのガラス基板は、逆投射スクリーン材料にラ
ミネートされていてもよい。なお、符号112は筐体、
符号114はシーリング材である。
【0057】AV(視聴覚)用途に用いることができる
非常に大きいタッチパネルに対して、市場の関心が増し
つつある。頻繁に接触する必要があるような用途で、大
型ガラス片を使用する場合、安全および強度に十分な配
慮が必要である。この新興の市場ニッチが成熟するにつ
れて、極めて大型の音響波式タッチパネルの強化版が求
められる可能性がある。
【0058】本発明の基板を構成するガラスは、慣用の
方法により、熱的又は化学的に強化可能である。例え
ば、ガラスを赤熱するまで加熱した後、ガラスの両面を
速やかに冷却することで、強く圧縮することにより熱強
化され、例えば約15000psiまで全体的に、また
は10000psiまで部分的に強化することができ
る。ここで、ガラスの内部はゆっくりと冷却する結果、
張力下におかれ、両表面によりそれらに平行に引っ張ら
れる。ガラスは、十分に大きい熱膨張係数、すなわち強
化前に約6×10-6/K以上の熱膨張係数を有するとき
にのみ、熱強化可能である。
【0059】本発明に用いるガラスの熱膨張係数は、強
化前において、通常、約6×10-6/K以上、好ましく
は約6×10-6/K〜約12×10-6/K、さらに好ま
しくは約7×10-6/K〜約10×10-6/K、特に約
8×10-6/K〜約10×10-6/K程度であり、熱強
化可能である。例えば、前記「CS25」の熱膨張係数
は、8.3×10-6/K(20℃〜300℃)である。
この値は、ソーダライムガラス(熱膨張係数=8.5〜
9×10-6/K)の値に類似しており、熱強化が不可能
な「ボロフロート」などのホウケイ酸ガラス(熱膨張係
数=約3×10 -6/K)とは極めて異なる。また、本発
明に用いるガラスは、例えば、米国特許第395448
7号明細書に開示されている方法により化学的に強化
(硬化)することができる。化学的硬化は、ガラス表面
に存在する若干の低位のアルカリ金属イオンを高位のア
ルカリ金属イオンで置換することにより、例えば、リチ
ウム及び/又はナトリウムイオンがカリウムイオンによ
って置換することにより、行うことができる。
【0060】このように、ホウケイ酸ガラスは強化でき
ないが、本発明で用いるガラスは強化可能であり、かつ
低音響波損である。すなわち、音響波が伝播可能な基板
と、前記音響波を基板中に導入するための手段とで構成
されるタッチパネルにおいて、前記基板は、減衰係数が
約0.25dB/cm以下であり、かつ化学的又は熱的
に強化可能なガラスで形成されている。ガラス基板は、
熱強化されていることが多い。「実質的に」強化された
ガラスは、例えば、強度が約50%以上、好ましくは約
100%以上増加している。このようなガラスを用いる
と、音響波式タッチパネルの寸法を大きくできる。
【0061】強化ガラス基板の使用には、反射アレー材
料とガラスを焼きなまししない硬化プロセスの使用が必
要である。例えば、ポリマーベースの低温硬化反射材料
を使用できる。ポリマー材料は、より慣用的な反射材料
であるガラスフリットよりもより急速に音響波パワーを
減衰させるので、低音響波損基板の必要性が増大する。
【0062】反射アレー材料としては、熱膨張係数8.
8×10-6/Kを有する「ESL4022C」などのガ
ラスフリット、ガラスの焼きなまし温度より低い温度で
硬化可能な反射インキが使用できる。熱膨張係数8.8
×10-6/Kを有する「ESL4022C」ガラスフリ
ットは、ソーダライムガラスの典型的な熱膨張係数に匹
敵する値を有しているので、よく使用される。例えば、
商品名「スターファイア」ソーダライムガラスは、9.
0×10-6/Kの熱膨張係数を有している。
【0063】ガラス基板は、複数のガラス層で構成され
た安全ガラスとして利用してもよい。例えば、図6に示
すように、ガラス基板を、内層ガラス151と、タッチ
表面152aを有する外層ガラス152とが、接着剤1
53を介して積層された積層体とすることにより、大型
タッチパネルを構成することができる。外層には、本発
明の低音響波損ガラスを用い、25dB/cm以下の減
衰係数を付与できる。
【0064】安全ガラス(積層ガラス)は強度が大きい
ため、必ずしもガラスを強化する必要はないが、上層
(タッチ面を形成する層)が低減衰係数のガラスで構成
されている限り、内層ガラスおよび外層ガラスの一方又
は両方を熱的又は化学的に強化してもよく、少なくとも
内層ガラスを強化することが有利である。例えば、上下
に積層された安全ガラスにおいて、上下両面のガラスを
強化してもよいが、下面のガラスだけを強化すると、安
全ガラスを効果的に強化できる。タッチ面であるガラス
基板の上面に負荷又は衝撃が作用すると、安全ガラスが
撓み、上面のガラス層は圧縮され、下面のガラス層は引
っ張られ、ガラスは圧縮下で強い反面、張力下では非常
に弱い。そのため、内層(下層)のガラスを強化ガラス
で構成すると、上層の破壊を防止できる。内層(下層)
のガラスは、強化可能なガラスであればよく、バリウム
含有ガラスや減衰係数の大きいガラス(例えば、低コス
トで、透明度が高いソーダライムガラス)を用いてもよ
い。なお、必要に応じて、内層(下層)のガラスに本発
明の熱強化された低音響波損ガラスを用いてもよい。好
ましい態様では、減衰係数0.25dB/cm以下のガ
ラスで構成された上層と、強化ソーダライムガラスで構
成された下層とでガラス基板が形成されている。
【0065】積層体の内層及び外層は、通常、近似又は
実質的に同じ膨脹係数を有している。外層と内層のガラ
スの熱膨張係数が互いに異なると、温度変化により、ガ
ラス基板に反り曲がりが生じる。本発明の低音響波損ガ
ラスは、ソーダライムガラスやバリウム含有ガラスとほ
ぼ同じ熱膨張係数を有している。そのため、内層にソー
ダライムガラス又はバリウム含有ガラス(特に強化ガラ
ス)、外層に本発明の低音響波損ガラスを用いることに
より、強度が高く、温度変化によっても形状変化の少な
い積層ガラスを得ることができる。なお、内層にソーダ
ライムガラス、外層にホウケイ酸ガラスを用いた場合、
熱膨張係数が大きく異なるため、温度変化により、ガラ
ス基板は明白に反り曲がる。
【0066】また、低音響波損ガラスの熱膨張係数は、
市販のタッチパネル製品の反射アレイの材料として使用
されている普通のガラスフリットとよく適合するため、
低い焼結温度で反射アレイをガラス基板と一体化でき
る。これに対し、ホウケイ酸ガラスの熱膨張係数は、普
通のガラスフリットと適合しないため、ホウケイ酸ガラ
スとガラスフリットとの接合度が小さく、高い焼結温度
を必要とする。
【0067】このようにして得られた本発明の音響波式
タッチパネルおよびそのためのガラス基板を用いると、
低損失ガラスを使用するため、SN比が増大し、信号が
増大する。このため、次のような利点が生じる。
【0068】(1)SN比が増大するため、タッチパネ
ルに関連したエレクトロニクス制御装置のコストの低減
が可能になる。 (2)長い音響波経路中の、音響波散乱による損失を防
止し、SN比を上昇させることにより、タッチパネルの
全体としての寸法を増すことを可能とする。例えば、対
角線寸法が21インチ以上の長方形タッチパネルが可能
となる。 (3)SN比が高いため、音響波エネルギーを吸収する
シーリング材を併用できる。すなわち、タッチパネルの
鋭敏な部分と隣接物体とを接触(シールなど)すること
ができる。 (4)基板材料中での減衰による信号損失が少なくなる
ため、設計技師は、デザインを優先して、信号振幅を犠
牲にすることができる。例えば、タッチ/ディスプレイ
系にタッチパネルを装着させる場合、音響波信号の振幅
を犠牲にして、機械的デザインを最適化することができ
る。さらに、積層ガラスとして利用する場合には、粗雑
に扱っても信頼でき、タッチ表面が頑丈である。さらに
は、熱的に又は化学的に強化でき、大型強化タッチパネ
ルが可能となる。
【0069】本発明において、ガラス基板は、種々の音
響波、例えば、レイリー波のみならず、水平偏波横波
(horizontally polarized shear waves)、高次の水平
偏波横波(higher order horizontally polarized shea
r waves)、零次の水平偏波横波(zeroth order horizo
ntally polarized shear waves)、またはラブ波(Love
waves)を伝搬するのに適合している。ラブ波は、レイ
リー波と同じ減衰機構を共有するために、本発明のガラ
スは、すべての音響波モードについて、ソーダライムガ
ラスに比して減衰が減少している。好ましい音響波モー
ドは、レイリー波である。
【0070】米国特許第5591945号明細書に記載
されているように、レイリー波が反射アレーに沿って伝
搬し、センサ(以下、レイリー−横−レイリーセンサ
(Rayleigh-shear-Rayleigh sensor)と呼ぶ)の活動領
域(又は活性領域)において水平偏波横波がタッチを感
知する、音響波式タッチパネルを設計することが可能で
ある。このようなセンサは、センサがシリコーンゴムで
シールされていても、タッチを感知できる(RTV)。
このようなセンサは、活動領域が水で覆われていてもタ
ッチを感知できる。
【0071】低音響波損ガラスを用いて、大型のレイリ
ー−横−レイリーセンサを作製することができる。動作
周波数が5.53MHzの場合、レイリー−横−レイリ
ーセンサの波動力学によると、ガラス厚みは約3mmに
制限される。さらに、レイリー−横−レイリーセンサ
は、ガラスの上面および底面の双方でタッチ感受性であ
るので、それを、標準的な安全ガラス接着剤を用いて、
安全ガラス基板の部分として積層することができない
(粘性減衰のほとんどないシリコーンゴムなどの接着剤
が要求される)。レイリー−横−レイリータッチパネル
のこれらの波動力学的要求のために、本発明の強化され
た低音響波損ガラスが、大型レイリー−横−レイリータ
ッチパネルのためにとくに興味あるものとなる。
【0072】
【発明の効果】本発明の音響波式タッチパネルによる
と、ガラス基板の音響波減衰を低減でき、信号の強度を
高くすることができる。そのため、電磁干渉に関して、
信頼性が高く、耐久性の高い音響波式タッチパネルが得
られる。また、信号効率変換が低いトランスデューサを
用いたり、音響波吸収が生じるシーリング材を備えてい
ても、音響波式タッチパネルの使用が可能となる。さら
に、熱的に又は化学的に強化でき、大型強化タッチパネ
ルが可能となる。
【0073】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0074】比較例1 平坦なソーダライムガラス基板(セントラルガラス社
製:488mm(幅)×403mm(長さ)×3.3m
m(厚さ))を用いて、図3に示す超音波式タッチパネ
ルを製作した。この音響波式タッチパネル中で、レイリ
ー波を励起し、伝搬させた。制御装置(タッチパネル・
システムズ社製,5810EI00)を用いて、タッチ
パネルの性能を観測した。ソーダライムガラスの組成
は、SiO2(71重量%)、Na2 O(13重量
%)、K2 O(1重量%)、CaO(11重量%)、M
gO(2重量%)、Al23 (2重量%)、B2 3
(0重量%)、SrO(0重量%)、ZrO2 (0重量
%)、BaO(0重量%)であった。Na2 O、CaO
およびMgOの合計含有量は26重量%であった。
【0075】可視光領域でのガラス基板の光透過率は9
1%である(スガ試験装置社製,ヘイズコンピュータH
GM−2Dを使用)。この測定の絶対的校正は若干不確
かであるが、他のガラスとの比較には十分に役立つ(ガ
ラスの前面および裏面の双方での反射が4%であるの
で、92%透過が理論上の上限である。反射は、空気と
ガラスとの間の屈折率の不適合により惹起される。ガラ
スの屈折率は、典型的には、約n=1.5であるので、
単一面での反射、(n−1/n+1)2 は約4%とな
る)。
【0076】さらに、前記方法により減衰係数を測定し
たところ、0.57dB/cmであった。下記の方法に
従って、音響波の伝搬速度を測定した。音響波の伝搬速
度は、反射アレーの素子間のピッチ又は間隔を変え、受
信信号振幅がもっとも大きいときに観測することによっ
て求めた。前記ピッチ又は間隔が、固定された動作周波
数に相当する音の波長の整数倍に等しくなるとき、もっ
とも強くなる。一連のサンプルを作製し、反射アレイの
ピッチを少しずつ変化させた。極大受信振幅を与えるピ
ッチから波長を求め、波長と周波数(5.53MHz)
との積から速度を計算した。
【0077】市販のレイリー波タッチパネル製品の場合
と同様に、音響波信号をウェッジトランスデューサを有
するガラス面へ送信し、該面から受信した。ウェッジト
ランスデューサは、プラスチックウェッジに接合させた
セラミック製圧電素子で構成されており、このウェッジ
はガラス面に接合されている。このウェッジは、圧電素
子からの圧力モードの音響波をガラス基板上のレイリー
波に結合(カップル)する。送信トランスデューサは、
50V振幅の5.53MHzトーンバーストにより励起
した。このようにして、ソーダライムガラス基板の伝搬
速度を測定したところ、125000インチ/秒であっ
た。
【0078】伝搬速度125000インチ/秒で設計し
たタッチパネルの受信信号の強さを受信トランスデュー
サにおいて測定した。タッチパネルのX軸およびY軸サ
ブシステムの双方について測定を行なった。測定された
強度は、それぞれ1.41mVおよび1.69mVであ
った。
【0079】比較例2 比較例1のソーダガラスに代えて、平坦なホウケイ酸ガ
ラス基板(ショット社製,商品名「テンパックス」;4
88mm(幅)x403mm(長さ)x3.3mm(厚
さ))を用いた。このガラス基板は、SiO2 (81重
量%)、Na2O(3重量%)、K2 O(1重量%)、
23 (13重量%)およびAl2 3 (2重量%)
からなっており、Na2 O、CaOおよびMgOの合計
含量は3重量%であった。
【0080】比較例1の方法により、可視光領域でのガ
ラス基板の光透過率を測定したところ93.0%であっ
た。さらに、前記方法により測定したところ、減衰係数
は0.30dB/cm、伝搬速度は122288インチ
/秒であった。伝搬速度122288インチ/秒をもつ
よう設計したタッチパネルについて、比較例1の方法を
用いて、X軸およびY軸の双方につき、受信信号の強度
を測定した。X軸(図1の水平軸)での強度は6.66
mV、Y軸(図1の鉛直軸)でのそれは8.39mVで
あった。
【0081】「テンパックス」および「ボロフロ−ト」
の熱膨脹係数は、約3.3×10-6/Kであり、熱強化
又は化学強化ができない。
【0082】参考例1 比較例1で用いたソーダライムガラスに代えて、平坦な
ガラス基板(ショット社,商品名「B270」またはデ
サグ社,商品名「スーパーワイト」:488mm(幅)
×403mm(長さ)×3.3mm(厚さ))を用い
た。このガラス基板の組成は、SiO2 (69重量
%)、Na2 O(8重量%)、K2 O(8重量%)、C
aO(7重量%)、BaO(2重量%)、ZnO(4重
量%)、TiO 2 (1重量%)、Sb23 (1重量
%)、B2 3 (2重量%)、Al2 3(0重量
%)、SrO(0重量%)、ZrO2 (0重量%)であ
った。Na2 O、CaOおよびMgOの合計含有量は1
5重量%であった。
【0083】比較例1に記載の方法により、可視光領域
でのガラス基板の光透過率を測定したところ、92.8
%であった。さらに、前記方法により測定したところ、
減衰係数は0.24dB/cm、伝播速度は、1216
09インチ/秒のレイリー波伝搬速度を有していた。
【0084】121609インチ/秒のレイリー波伝搬
速度を有するタッチパネルの受信信号強度を、比較例1
の方法を用いて、X軸およびY軸について測定した。受
信信号強度は、X軸において7.69mV、Y軸におい
て7.50mVであった。
【0085】前記ガラスの熱膨脹係数は、約9.5×1
-6/Kである。また、「B270」ガラスの軟化点
(107.6ポイズ)は708℃である。
【0086】参考例2 参考例1のガラスに代えて、ガラス基板[旭硝子(株)
製,商品名「PD−200」]を用いた。このガラス基
板の組成は、SiO2 (60重量%)、Na2O(3重
量%)、K2 O(7重量%)、CaO(3重量%)、B
aO(7重量%)、B2 3 (0重量%)、Al2 3
(8重量%)、SrO(6.3重量%)、ZrO
2 (2.7重量%)であった。Na2 O、CaOおよび
MgOの合計含有量は8重量%であった。
【0087】比較例1の方法により測定したところ、可
視光領域での光透過率は91.1%であり、減衰係数は
0.21dB/cm、伝播速度は118,518インチ
/秒のレイリー波伝搬速度を有していた。118,51
8インチ/秒のレイリー波伝搬速度を有するタッチパネ
ルの受信信号強度を、比較例1の方法を用いて、X軸お
よびY軸について測定した。受信信号強度は、X軸にお
いて15mV、Y軸において17mVであった。前記ガ
ラスの熱膨張係数は、約8.3×10-6/Kである。ま
た、ガラスの軟化点(107.6ポイズ)は830℃であ
る。
【0088】実施例1 参考例1のガラスに代えて、ガラス基板[サン−ゴバン
(Saint-gobain)社、商品名「CS25」]を用いた。
このガラス基板の組成は、SiO2 (59重量%)、N
2 O(5重量%)、K2 O(9重量%)、CaO(6
重量%)、BaO(0.2重量%)、B2 3 (0重量
%)、Al2 3 (4重量%)、SrO(8重量%)、
ZrO2 (7.5重量%)であった。Na2 O、CaO
およびMgOの合計含有量は12重量%であった。
【0089】比較例1の方法により測定したところ、可
視光領域での光透過率は89.5%であり、ソーダライ
ムガラスとほぼ同程度であった。減衰係数は0.18d
B/cmであった。伝播速度はソーダライムガラスとほ
ぼ同じ124,700インチ/秒のレイリー波伝搬速度
を有していた。
【0090】124,700インチ/秒のレイリー波伝
搬速度を有するタッチパネルの受信信号強度を、比較例
1の方法を用いて、X軸およびY軸について測定した。
受信信号強度は、X軸において35mV、Y軸において
40mVであり、典型的なソーダライムガラスやホウケ
イ酸ガラスよりも大きな受信強度が得られた。
【0091】制御装置に接続したタッチパネルを用いて
タッチを検出した。受信信号の明白な下降から、タッチ
ポジションを正確に定めることができた。すなわち、タ
ッチポジションの座標を検出するために、タッチパネル
を制御装置に接続した。図2におけるように、パネルに
触れたときの受信信号は、受信信号の強度Dにおける顕
著な低下Dtを示し、その結果、タッチポジションを明
瞭に認識することが可能となった。このことにより、所
望のタッチパネル機能が十分にもたらされる。
【0092】前記ガラスの熱膨脹係数は、約8.3×1
-6/Kであり、熱強化又は化学的硬化可能なガラスで
ある。また、ガラスの軟化点(107.6ポイズ)は84
3℃である。実施例、比較例および参考例の結果を表に
示す。
【0093】
【表1】 上記の実施例において、実施例のタッチパネル基板は、
比較例のタッチパネル基板と比較して、音響波減衰をよ
り有効に防止でき、SN比を増大できる。しかも、熱的
又は化学的に強化可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の音響波式タッチパネルの一実施
態様を示す概念的平面図である。
【図2】図2は実施例1における受信信号の包絡線を示
す波形図である。
【図3】図3は基板中での音響波の減衰を測定する方法
を示す概略図である。
【図4】図4はCRTディスプレイモニタに搭載された
タッチパネルの断面図である。
【図5】図5は投射像を受けるために採用したタッチパ
ネルの断面図である。
【図6】図6は外側のガラス層がタッチパネル基板とし
て機能する安全ガラス積層体の断面図である。
【符号の説明】
1:ガラス基板 3a,3b:送信手段 4a,4b,5a,5b:反射アレー 6a,6b:受信手段 100,122:タッチパネル 102:CRT(ブラウン管) 104,112:筐体 106:貼付けテープ 108,114:シーリング材 110:逆投射レンズ 118:投射器 120:レンズ 151:内層ガラス 152a:タッチ表面 152:外層ガラス 153:接着剤

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分としてのSiO2 と追加の成分と
    で構成された音響波の伝搬媒体としてのガラス基板を備
    え、接触位置に関する座標データを検知するためのタッ
    チパネルであって、ガラス基板が、5.53MHzのレ
    イリー波につき、基板表面で、レイリー波の伝搬を支持
    するのに十分な厚さを有する試験対象ガラスサンプルに
    対向する一対の0.5インチ幅ウェッジトランスデュー
    サを装着し、信号について振幅対距離のプロットの傾き
    によって測定したとき、約0.25dB/cm以下の減
    衰係数を有し、かつ下記(1)および(2)のうち少な
    くとも一つの特性を有するタッチパネル。 (1)伝播速度がソーダライムガラスの伝播速度と実質
    的に同じである (2)追加の成分がBaO及び/又はB2 3 を実質的
    に含まない
  2. 【請求項2】 追加の成分がBaO及びB2 3 の双方
    の成分を実質的に含まない請求項1記載のタッチパネ
    ル。
  3. 【請求項3】 追加の成分がBaO及びB2 3 のうち
    一方の成分を含み、ガラス基板の減衰係数が約0.20
    dB/cm以下である請求項1記載のタッチパネル。
  4. 【請求項4】 音響波の伝搬媒体としてのガラス基板を
    備え、接触位置に関する座標データを検知するためのタ
    ッチパネルであって、前記ガラス基板が、主成分として
    のSiO2 と追加の成分とで構成され、追加の成分が下
    記(A)〜(D)から選択された少なくとも一つの特性
    を有するタッチパネル。 (A)BaOを実質的に含まず、ZrO2 およびSrO
    のうち少なくとも一方の成分を含む (B)BaOおよびB2 3 を実質的に含まず、Al2
    3 、ZrO2 、およびSrOから選択された少なくと
    も1つの成分を含む (C)ZrO2 およびSrOのうち少なくとも一方の成
    分を含み、ZrO2の含有量が3重量%以上であり、S
    rOの含有量が6.5重量%以上である (D)ZrO2 とAl2 3 とを含み、Al2 3 とZ
    rO2 との割合がZrO2 /(Al2 3 +ZrO2
    =30〜100重量%である
  5. 【請求項5】 追加の成分がBaO及びB2 3 を実質
    的に含まず、ZrO 2 およびSrOのうち少なくとも一
    方の成分を含む請求項4記載のタッチパネル。
  6. 【請求項6】 Al2 3 とZrO2 との合計含有量が
    3〜20重量%である請求項4記載のタッチパネル。
  7. 【請求項7】 Al2 3 とZrO2 との割合が、Zr
    2 /(Al2 3+ZrO2 )=40〜90重量%で
    あり、Al2 3 とZrO2 との合計含有量が8〜20
    重量%である請求項4記載のタッチパネル
  8. 【請求項8】 ガラス基板中のK2 Oの含有量が5〜1
    0重量%である請求項4記載のタッチパネル。
  9. 【請求項9】 ガラス基板中のNa2 O、CaOおよび
    MgOの合計含有量が7〜20重量%である請求項4記
    載のタッチパネル。
  10. 【請求項10】 音響波が伝播可能な基板と、前記音響
    波を基板中に導入するための手段とで構成されるタッチ
    パネルであって、基板が、化学的又は熱的に強化可能な
    ガラスで形成されている請求項1又は4項記載のタッチ
    パネル。
  11. 【請求項11】 ガラス基板が熱強化されており、強化
    前に、約6×10-6/K〜約12×10-6/Kの熱膨張
    係数を有する請求項1又は4記載のタッチパネル。
  12. 【請求項12】 ガラス基板の密度が2.6〜3.0g
    /cm3 である請求項1又は4記載のタッチパネル。
  13. 【請求項13】 ガラス基板の軟化点が、800〜90
    0℃である請求項1又は4記載のタッチパネル。
  14. 【請求項14】 音響波がレイリー波、水平偏波横波、
    高次の水平偏波横波、零次の水平偏波横波又はラブ波で
    ある請求項1又は4記載のタッチパネル。
  15. 【請求項15】 接触位置に関する座標データを検知す
    るための音響波式タッチパネルを構成するためのガラス
    基板であって、主成分としてのSiO2 と追加の成分と
    を含む請求項1又は4記載のガラス基板。
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