JPH11326654A - 長周期ファイバグレーティング構造 - Google Patents

長周期ファイバグレーティング構造

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JPH11326654A
JPH11326654A JP10128743A JP12874398A JPH11326654A JP H11326654 A JPH11326654 A JP H11326654A JP 10128743 A JP10128743 A JP 10128743A JP 12874398 A JP12874398 A JP 12874398A JP H11326654 A JPH11326654 A JP H11326654A
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JP
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long
grating
period
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JP10128743A
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English (en)
Inventor
Heika Ri
炳夏 李
Junji Nishii
準治 西井
Kazuo Imamura
一雄 今村
Takahide Sudo
恭秀 須藤
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Publication date
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  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Light Guides In General And Applications Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外界媒質の屈折率等の影響を受けることなく
損失ピークの挙動を安定化し得る長周期ファイバグレー
ティング構造を提供する。 【解決手段】 長周期グレーティングの書き込み対象で
ある光ファイバ心線として、センタコア2aと、その外
周囲を覆うサイドコア2bとで二重コア構造とし、その
外周囲にクラッド3を有する構造とする。センタコアの
屈折率値をサイドコアよりも高く、かつ、サイドコアの
屈折率値をクラッドよりも高く設定する。センタコアの
比屈折率差Δ1を0.8〜1.0%、サイドコアの比屈
折率差Δ2を0.05〜0.15%に設定する。センタ
コアの半径a2を3.2〜3.8μm、サイドコアの半
径a1を17〜20μmに設定した階段形屈折率分布に
する。例えば300μmのマスクピッチの強度変調マス
クを介して紫外レーザ光を照射して長周期グレーティン
グの書き込みを行う。クラッドを覆う被覆層をクラッド
と同等以上の屈折率を有する紫外線透過型樹脂により形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバのコア
の軸方向に対し周期的な屈折率変調を生じさせて縞状に
屈折率差を有する回折格子(グレーティング)を書き込
み、このグレーティングにより伝搬光の透過特性を変更
させるようにして、遠距離光通信等のためのセンサ素子
もしくは各種ファイバ型デバイスとして用いられる長周
期ファイバグレーティングの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ところで、ファイバグレーティングには
短周期ファイバグレーティングと、長周期ファイバグレ
ーティングとの2種類がある。短周期ファイバグレーテ
ィングは、ほぼ1μm以下の周期の屈折率変調を実現し
て後方で結合するコアモードとし、ブラッグ(Bragg)
条件を満足する特定波長を選択的に反射する特性を有す
るものである。このため、上記短周期ファイバグレーテ
ィングは単にブラッググレーティングといわれることも
ある。また、上記長周期ファイバグレーティングは、ほ
ぼ100μm以上の周期の屈折率変調を実現してコアモ
ードからクラッドモードに前方で結合するものとし、グ
レーティング要素から回折する光がクラッドのモード条
件を満足したときにのみクラッドモードへの結合が可能
になるようにしたものである。
【0003】上記のファイバグレーティングは、書き込
み対象である光ファイバのコアに対し2光束干渉法、位
相マスク法、強度変調マスク法等によって書き込まれる
(例えば特開平6−235808号公報、特開平7−1
40311号公報、特許第2521708号、特開平1
0−82919号公報参照)。この場合、単一のコアを
有する光ファイバを対象とし、ゲルマニュウム(Ge)
をドープした石英ガラス(コア)に対し照射紫外線とし
て紫外レーザー光を照射することにより該当個所に光誘
起屈折率変化を生ぜしめてグレーティングが生成(書き
込み)されるようになっている。特に、長周期ファイバ
グレーティングのグレーティングの書き込みは上記の強
度変調マスク法により行われる。
【0004】また、通常、光ファイバは単一のコアによ
り構成されているが、零分散波長を特定波長(1.5μ
m)にシフトするためにセンタコアとその周囲のサイド
コアとにより2種類の屈折率を有するようにして屈折率
分布を階段形にした分散シフトファイバも知られている
(電子情報通信学会論文誌,C,Vol.J70−C,N
o.9,p1264〜1271,1987年9月参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
長周期ファイバグレーティング構造においては、ある波
長の光がコア及びクラッドの各モード条件と、グレーテ
ィングの位相との合致条件名とを満たすときにのみ結合
されることになる。結合されたクラッドモードはクラッ
ドとこのクラッドの周囲の境界媒質(外界媒質)で吸収
もしくは散乱されることになる。このため、長周期ファ
イバグレーティングのスペクトルは、各結合されたクラ
ッドモードに対応する伝搬損失ピークを有している。そ
して、その一連の損失ピークの大きさは1次のクラッド
モードでは極めて小さくそのクラッドモードの次数が高
次になる程増大する(A.M.Vengsarkar,P.J.Lemaire,
J.B.Judkins,V.Bhatia,T.Erdongan,and,J.E.Sipe,
Japan Lightwave Technol.,14,p58,1996、S.A.Vasi
liev,E.M.Dianov,D.Varelas,H.G.Limberger,and,
R.P.Salathe,Opt.Lett.21,p1830,1996参照)。こ
の高次モードの損失ピークが長周期ファイバグレーティ
ングを用いた素子もしくはデバイスとして利用されてい
る。
【0006】しかしながら、より高次モードの伝搬光の
モードフィールドはより外側にクラッドを囲む外界媒質
にまで広がるため、高次のクラッドモードは低次のクラ
ッドモードに比較して上記外界媒質により敏感に影響を
受けることになる。つまり、高次のクラッドモードにお
ける損失ピークを利用して光通信用のデバイスを構成す
るに当たり、クラッドを取り囲む外界媒質の屈折率や雰
囲気温度に影響を受けて損失ピークの挙動が不安定にな
り易く、この結果、上記光通信用のデバイスによる所期
の透過特性が得られ難くなるという不都合を招くことに
なる。しかも、この傾向はクラッドモードが高次である
程顕著になる。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、外界媒質の屈
折率等に対し損失ピークの挙動を安定化し得る長周期フ
ァイバグレーティング構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は、モードフィールドがあまり広がらず外
界媒質に対し挙動が安定な低次モードでの損失ピークを
通信用デバイスに利用すべく、その低次モード、特に、
1次モードの損失ピークを大きくし得る長周期ファイバ
グレーティング構造について研究・実験を重ねた結果、
長周期グレーティングを書き込む対象の光ファイバのコ
ア構造を特定のものにし、そのコア及びクラッドの屈折
率分布形状を特定のものにすることにより上記目的が達
成し得ることを見いだしたものである。つまり、長周期
ファイバグレーティングの上記1次モードの損失ピーク
を大きくできれば、その長周期ファイバグレーティング
を、コアモードから前方伝搬クラッドモードの1次モー
ドにおける損失ピーク(第1ピーク)への結合を利用し
て雰囲気温度や外界媒質の屈折率に対し安定挙動となる
透過型フィルタ素子として利用し得ることになることを
見いだしたものである。
【0009】すなわち、本発明は、請求項1記載の如
く、光ファイバのコアに対し紫外線を照射することによ
り上記コアに対し長周期グレーティングが書き込まれて
なる長周期ファイバグレーティング構造を前提として、
上記書き込み対象である光ファイバとして、中心に位置
する第1のコアと、この第1のコアの外周囲に位置する
第2のコアと、この第2のコアの外周囲に位置するクラ
ッドとを有するものとし、加えて、上記第1のコアの屈
折率値を第2のコアのそれよりも高く、かつ、上記第2
のコアの屈折率値を上記クラッドのそれよりも高くなる
ように設定することを基本特定事項とするものである。
【0010】ここで、上記第1及び第2の各コアの比屈
折率差としては、第1のコアの比屈折率差を0.8〜
1.0%の範囲、第2のコアの比屈折率差を0.05〜
0.15%の範囲にそれぞれ設定することが好ましい。
特に、上記第1のコアの比屈折率差を0.8〜0.9%
の範囲、第2のコアの比屈折率差を0.05〜0.10
%の範囲にそれぞれ設定することがより好ましいものと
なる。
【0011】また、上記の比屈折率差の設定に加え、第
1のコアの半径を3.2〜3.8μmの範囲、第2のコ
アの外周面の半径を17〜20μmの範囲にそれぞれ設
定することが好ましい。この場合も、特に、上記第1の
コアの半径を3.2〜3.5μmの範囲、第2のコアの
半径を17〜18.5μmの範囲にそれぞれ設定するこ
とがより好ましいものとなる。
【0012】さらに、長周期ファイバグレーティングの
クラッドを覆う被覆層はそのクラッドと同等以上の屈折
率を有する紫外線透過型樹脂により形成することが好ま
しい。なお、上記第1のコアの屈折率分布は径方向に対
し上記範囲の特定値で一定のフラットな形状ではなく、
グレーデッド形とするのが好ましい。また、上記二重構
造のコア及びクラッド部分に対し長周期グレーティング
の書き込み前に予め高圧水素の充填を行うことにより、
紫外線照射による光誘起屈折率変化の感度を高めるよう
にしてもよい。
【0013】上記の発明の場合、コアが二重構造となり
屈折率分布が階段形のものとなる。そして、このような
二重構造のコアを有する光ファイバに対し紫外線を照射
することにより書き込まれた長周期グレーティングは、
その1次クラッドモードピーク(第1ピーク)が他の次
数のクラッドモードのピークと比べ格段に高い値を示す
ようになる。このため、その長周期ファイバグレーティ
ングを、コアモードから前方伝搬クラッドモードの第1
ピークへの結合を利用して透過型フィルタ素子として利
用し得ることになる上に、雰囲気温度や外界媒質の屈折
率に対し上記第1ピークの挙動が安定となって上記外界
媒質の屈折率等から受ける影響を最小限にすることが可
能になる。これにより、外界媒質からの影響を受け難く
その外界媒質の如何に拘わらず安定した挙動の透過特性
を有する長周期ファイバグレーティングとなり、通信用
デバイスとして好適な長周期ファイバグレーティングと
し得る。
【0014】また、長周期ファイバグレーティングを透
過する光の透過スペクトルの内、短波長域において格段
に高い値のピーク(第1ピーク)を発生させるため、コ
アモードから前方伝搬してそのクラッドモードの第1ピ
ークに結合する結合効率が高次のクラッドモードのピー
クに結合する従来の場合と比べ高くなり、この結果、同
じ結合効率を達成する上で紫外線照射による長周期グレ
ーティングの書き込み時間の短縮化を図ることが可能に
なる。加えて、上記の如く高い値のピークが短波長域で
得られるため、ピークを生じる波長(ピーク波長)とし
て同じ波長のものを得る上で、形成する長周期グレーテ
ィングの周期を上記従来の場合よりも長くすることがで
きる。このため、グレーティング書き込みのために用い
る例えば強度変調マスクのマスクピッチを広幅にするこ
とができ、これにより、その強度変調マスクの形成も狭
幅のものよりも容易になる。また、そのようなマスクを
用いずに屈折率変調部分毎に集光サイズを所定幅に設定
したレーザビームを直接照射する後述のレーザ直接描画
法や、上記マスクを用いない他の方法により長周期グレ
ーティングの書き込みを行う場合に、そのレーザビーム
の照射位置変更及びその設定が容易になる。
【0015】さらに、被覆層として紫外線透過形樹脂に
より形成することにより、長周期グレーティングの書き
込みに当たり被覆層の上から紫外線照射を行っても長周
期グレーティングの書き込みを有効に行うことができ、
長周期グレーティングの書き込みのための被覆層除去作
業、及び、書き込み後の再被覆作業という面倒な作業を
省略することができる上に、上記の除去及び再被覆に伴
う機械的強度の低下を招くおそれもない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0017】図1は、本発明の実施形態に係る長周期フ
ァイバグレーティングを作製する作製方法の一例として
の強度変調マスク法(Amplitude Method)を示し、1は
長周期ファイバグレーティングを構成する書き込み対象
の光ファイバ賭しての所定長さの光ファイバ心線、2は
長周期グレーティング21が書き込まれるコア、3はこ
のコアの外周囲を覆うクラッド、5は強度変調マスク、
10は上記光ファイバ心線1の軸方向Xに移動制御され
る可動式の反射ミラーである。
【0018】上記コア2は、図2に示すように、断面中
心位置に延びる第1のコアとしてのセンタコア2aと、
このセンタコア2aの外周囲を覆う第2のコアとしての
サイドコア2bとの二重構造を有している。上記コア2
としては、Geに加えSn、あるいは、Sn及びAl、
もしくは、Sn,Al及びB等のドーパントを添加した
ものを用いるのが光誘起屈折率変化を定常的に高める上
で好ましい。また、長周期グレーティング21の書き込
みの際の光誘起屈折率変化を高めるために、書き込み前
に特に上記コア2に対し高圧水素を予め充填しておくの
が好ましい。高圧水素の充填は上記光ファイバ心線1を
高圧水素が充填された密閉容器内に入れ、室温状態で所
定の圧力下(例えば20MPaの圧力下)で所定期間
(例えば2週間)放置すればよい。
【0019】上記光ファイバ心線1は、上記センタコア
2aと、サイドコア2bと、クラッド3とにより、図3
に示すような階段形の屈折率分布を有するように形成さ
れている。すなわち、上記センタコア2aの屈折率値が
サイドコア2bのそれよりも高く、かつ、サイドコア2
bの屈折率値がクラッド3のそれよりも高く設定されて
階段形の屈折率分布とされている。加えて、上記センタ
コア2aの屈折率分布が好ましくは中心から径方向に対
し山形状のグレーデッド形とされる一方、サイドコア2
bとクラッド3の屈折率分布が扁平な階段形とされてい
る。つまり、上記光ファイバ心線1は、零分散波長を特
定波長にシフトするためにセンタコア2aとその周囲の
サイドコア2bとの二重構造にして屈折率分布を階段形
にした分散シフトファイバによって構成されている。
【0020】このような二重コア構造にして階段形の屈
折率分布にした書き込み対象としての光ファイバ心線1
において、本願発明の長周期ファイバグレーティングと
して特に好ましい階段形屈折率分布は以下の代表的パラ
メータにより特定される。すなわち、センタコア2aの
半径をa2、サイドコア2bの外周面までの半径をa
1、センタコア2aのクラッド3に対する比屈折率差を
Δ1、サイドコア2bの比屈折率差をΔ2とした場合、
各パラメータa1,a2,Δ1,Δ2の各値を以下の範
囲に設定することが好ましい。
【0021】3.2≦ a2 ≦3.8μm 17≦ a1 ≦20μm 0.8≦ Δ1 ≦1.0% 0.05≦ Δ2 ≦0.15% なお、図2中4はクラッド3の外周囲を覆う被覆層であ
り、通常は、この被覆層4の無い状態の光ファイバ心線
1に対し紫外線を照射することにより長周期グレーティ
ング21の書き込みが行われるが、以下の如くすること
により被覆層4の外側から紫外線を照射することで長周
期グレーティング21の書き込みを行うようにしてもよ
い。すなわち、上記コア2の形成時に上記の如くGeに
加えSn、あるいは、Sn及びAl、もしくは、An,
Al及びB等のドーパントを添加してコア2を形成した
光ファイバ心線1に対し、被覆層4を紫外線透過型樹脂
により形成し、このようにして形成された光ファイバを
書き込み対象とする。また、これに加えて、上記書き込
み対象の光ファイバを上記の如く高圧水素が充填された
密閉容器に入れて所定期間放置することにより特に上記
コア2に対し水素充填を行うことが、紫外線照射による
光誘起屈折率変化の感度を高め得る点で好ましい。ここ
で、上記のGeに加えSnもしくはSn及びAl等を共
ドープすることにより、紫外線照射に対する光誘起屈折
率変化を定常的に高めることができ、被覆層4を透過し
た照射紫外線によって有効な屈折率変調を生じさせるこ
とが可能になる。
【0022】また、上記の被覆層4は、被覆層4付きで
長周期グレーティング21の書き込みが行われる場合、
被覆層4なしで長周期グレーティング21の書き込みが
行われた後に被覆層4の形成が行われる場合のいずれの
であっても、その屈折率はクラッド3の屈折率値と同等
以上の値になるように設定することが好ましい。
【0023】上記強度変調マスク(Amplitude Mask)5
は、紫外線レーザ光を透過する透明基板51の裏面に対
し光ファイバ心線1の軸方向Xに直交する方向(図1の
紙面に直交する方向)に延びて上記紫外レーザ光の透過
を遮断する遮断層52を上記軸方向Xに所定ピッチ毎に
形成したものである。これにより、紫外レーザ光の透過
を遮断する遮断層52と、軸方向Xに隣接する2つの遮
断層52,52間に上記紫外レーザ光が透過するスリッ
ト部とが軸方向Xに対し交互に並んだスリットマスク状
に形成されている。そして、上記スリット部と遮断層5
2とにおける光ファイバ心線1に照射される透過紫外レ
ーザ光の強度比が1:0になるようにされている。
【0024】図4は作製装置についてより具体的な例を
示したものであり、上記光ファイバ心線1の側方直前に
上記強度変調マスク5を配設し、この強度変調マスク5
に対し例えばKrFエキシマレーザ源6から紫外レーザ
光を照射すればよい。この際、反射ミラー10を長周期
グレーティング21(図1参照)の形成範囲内で軸方向
Xに所定速度で交互に移動させて強度変調マスク5に対
する紫外レーザビームLBの照射位置を軸方向Xに移動
させる。これにより、上記紫外レーザ光が強度変調マス
ク5の各スリット部を透過し、上記コア2に対し上記強
度変調マスク5のスリット部のピッチ(マスクピッチ)
に対応したグレーティングピッチの各部分(図1に黒塗
りにて示す部分)の屈折率が増大されて長周期グレーテ
ィング21が書き込まれることになる。なお、図4中8
は紫外レーザ光を拡大して平行ビーム化するビームエキ
スパンダー、9は上記の平行ビーム化された紫外レーザ
光のパワーが均一の部分を切り出す微小幅のスリット、
11は光スペクトルアナライザ、12は光アイソレータ
である。
【0025】また、上記の図4の作製装置において、上
記強度変調マスク5を用いない他の方法により長周期グ
レーティング21の書き込みを行うこともできる。すな
わち、図5に示すレーザ直接描画法(Stepping Metho
d)においては、可動式の反射ミラー10と、光ファイ
バ心線1との間に所定のレンズ7を介装することにより
紫外レーザ光(レーザビーム)LBの軸方向Xに対する
集光サイズを所定幅に設定し、このような集光サイズの
紫外レーザ光を書き込み対象の光ファイバ心線1に対し
直接照射することにより、長周期グレーティング21の
屈折率増大部分(同図に黒塗りにて示す部分)を1ライ
ン毎に書き込むようにする。この場合、上記反射ミラー
10及びレンズ7を最初の書き込み位置に設定し、長周
期グレーティング21の1ライン分を書き込んだ後、上
記反射ミラー10及びレンズ7を一体に軸方向Xに隣接
する次のグレーティング周期の書き込み位置まで移動さ
せて長周期グレーティング21の次の1ライン分を書き
込むという操作を繰り返すことになる。この方法では上
記紫外レーザ光LBの集光精度及び反射ミラー10等の
移動精度を正確に維持する必要があるものの、グレーテ
ィング周期の変更等に容易に対処することができ、多様
なグレーティング周期の長周期グレーティング21の形
成を容易に行い得る。
【0026】さらに、図6に示す可変幅スリットマスク
法においては、紫外レーザ光LBを透過するスリット部
151の軸方向Xに対する幅を任意に変更可能に構成さ
れた可変幅スリットマスク15を用い、長周期グレーテ
ィング21の屈折率増大部分(同図に黒塗りにて示す部
分)を1ライン毎に書き込むようにする。この場合、上
記可変幅スリットマスク15を反射ミラー10と一体に
移動可能にし、これら可変幅スリットマスク15及び反
射ミラー10を最初の書き込み位置に設定して長周期グ
レーティング21の1ライン分を書き込んだ後、上記可
変幅スリットマスク15及び反射ミラー10を軸方向X
に隣接する次のグレーティング周期の書き込み位置まで
移動させて長周期グレーティング21の次の1ライン分
を書き込むという操作を繰り返すことになる。この方法
では上記可変幅スリットマスク15及び反射ミラー10
の移動精度を正確に維持する必要があるものの、グレー
ティング周期の変更等に容易に対処することができ、多
様なグレーティング周期の長周期グレーティング21の
形成を容易に行い得る。
【0027】なお、紫外レーザ光の照射パワーは、上記
強度変調マスク法では低密度パワーに、上記レーザ直接
描画法及び可変幅スリットマスク法では高密度パワーに
それぞれ設定するのが好ましい。また、上記強度変調マ
スク法においては反射ミラー10を、レーザ直接描画法
においては反射ミラー10及びレンズ7を、可変幅スリ
ットマスク法においては反射ミラー10及び開閉幅スリ
ットマスク15をそれぞれ移動させ書き込み対象の光フ
ァイバ心線1を固定にしているが、逆に書き込み対象の
光ファイバ心線1を軸方向Xに移動させるようにしても
よい。
【0028】
【実施例】比率屈折率差Δ1,Δ2及び半径a1,a2
として下記の値により特定される階段形屈折率分布(図
3に示すもの)を有する階段形分散シフトファイバを書
き込み対象である光ファイバ心線1として用い、図4に
示す強度変調マスク法及びレーザ直接描画法の2方法に
より長周期グレーティング21の書き込みを行った。上
記光ファイバ心線1に対しては書き込み前に水素充填を
行った。
【0029】Δ1=0.81% Δ2=0.07% a1=17.7μm a2=3.45μm 上記レーザ直接描画法の場合、450μmのグレーティ
ング周期を有する長周期グレーティング21の書き込み
を行った。この書き込みは室温状態で行い、そのまま室
温状態で放置することによりほぼ1ヵ月でその長周期フ
ァイバグレーティングのスペクトルは安定した。また、
上記書き込み後の長周期ファイバグレーティングを15
0℃のオーブン中に入れて15時間放置するという経時
促進処理を行うことによってもそのスペクトルは安定し
た。これらのスペクトルシフトは充填水素が時間経過と
共に抜けていくためと考えられる。
【0030】上記強度変調マスク法の場合、そのマスク
ピッチを200μm、300μm、400μm、500
μm、600μm、700μmの6種類のものを用いて
異なる長さのグレーティング周期を有する6種類の長周
期グレーティング21の書き込みを行った。図7にマス
クピッチ(グレーティング周期)が300μmの場合の
長周期ファイバグレーティングのスペクトル例を、図8
にマスクピッチが400μmの場合の長周期ファイバグ
レーティングのスペクトル例をそれぞれ示す。また、上
記6種類の長周期ファイバグレーティングにおける各マ
スクピッチに対するピーク波長の関係を図9に示す。
【0031】これら異なる長さのマスクピッチにより書
き込まれた長周期ファイバグレーティングは全て比較的
強い第1ピークを有しており、その第1ピークはマスク
ピッチが500μmまでは第2ピークよりも明確に強い
ものであった。但し、その第1ピークの強さ(ピーク深
さ)は、マスクピッチ(グレーティング周期)が増加す
るにつれて減少した。また、第1ピークと第2ピークと
の間隔は、特に短いグレーティング周期のものにおいて
は第2ピークと第3ピークとの間隔よりも大きくなると
いう傾向を示した。
【0032】次に、グレーティング周期の異なる長周期
ファイバグレーティングを外界媒質としての互いに異な
る一連の屈折率マッチングオイルに浸し、すなわち、屈
折率マッチングオイルが外界媒質として存在する場合の
ピーク波長の変化を観察した。この場合の5種類の長周
期ファイバグレーティングにおける一連の屈折率マッチ
ングオイルの屈折率値と、ピーク波長変化との関係を図
10に示す。この結果、低次モード(図10の下側の折
れ線)、特に、1次モードにおいては、ピーク波長自体
のみならず、そのピーク深さにおいても上記屈折率マッ
チングオイル(外界媒質)の影響を受けることはなかっ
た。
【0033】さらに、上記の図10の横軸の内、屈折率
1.453の屈折率マッチングオイル(外界媒質)に浸
した場合と、外界媒質としての空気中に置いた場合との
波長に対する透過率の違いを調べた。その結果を図11
に示す。これによると、外界媒質がマッチングオイルで
ある場合の透過率変化T1と、外界媒質が空気である場
合の透過率変化T2とを比較すると、少なくとも第1ピ
ークP1においては両者はほぼ完全に合致している。従
って、マッチングオイルと空気という外界媒質の屈折率
の相違があっても、第1ピークP1の位置及びその強さ
(ピーク深さ)は上記相違の影響を受けることなく同一
の特性を維持していることが分かる。なお、上記図11
の縦軸の透過率は負の値とされ、上記ピーク深さは負の
値がより大きくなる側に延びており、透過損失を表して
いる(図12において同じ)。
【0034】加えて、上記の図11で用いた長周期ファ
イバグレーティングのクラッド3の外表面に対し掻き傷
を付けた場合と、付けない場合との相違による影響を調
べた。掻き傷は、上記長周期ファイバグレーティングを
スライドガラスの上に載せてサンドペーパーによりクラ
ッド3の外表面を擦ることにより付けた。この掻き傷を
付けた場合と、付けない場合との波長に対する透過率の
違いを調べた。その結果を図12に示す。これによる
と、掻き傷を付けた場合の透過率変化T3と、掻き傷を
付けない場合の透過率変化T4とを比較すると、少なく
とも第1ピークP1においては両者はほぼ完全に合致
し、より高次のモードのピークになるに従い大きい影響
を受けていることが分かる。従って、このようなクラッ
ド3の外表面性状の相違によっても第1ピークP1の位
置及びその強さは影響を受けることなく同一の特性を維
持していることが分かる。
【0035】そして、上記の第1ピークで結合するモー
ドはコア2近傍位置で局所的に限定されるため、その結
合効率は高く、しかも、クラッド3外表面に対する依存
性は低いと考えられる。上記の結合効率が高いというこ
とは、長周期グレーティング21の書き込みのための時
間の短縮化が可能になる。また、クラッド3の外表面性
状に対する依存性が低いということは、被覆層4を除去
して光ファイバ心線1に対し長周期グレーティング21
の書き込みを行った後に再被覆するという作業を行って
も、その除去もしくは再被覆時のクラッド3の外表面に
対する影響の有無に拘わらず書き込んだ長周期グレーテ
ィング21の透過特性を損なうことなく所期の透過特性
を発揮させることができる。さらに、紫外線透過型樹脂
による被覆層4を施した光ファイバ心線1を書き込み対
象とし、その被覆層4の外側から長周期グレーティング
21の書き込みを行った場合も、その外界媒質としての
被覆層4の物性値(ヤング率,屈折率等)の影響を受け
難い安定した透過特性を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜請求項
4のいずれかに記載の発明における長周期ファイバグレ
ーティング構造によれば、1次クラッドモードピークが
他の高次のクラッドモードのピークと比べ格段に高い値
を示すようになるため、その長周期ファイバグレーティ
ングを、コアモードから前方伝搬クラッドモードの第1
ピークへの結合を利用して透過型フィルタ素子として利
用し得ることになる上に、雰囲気温度や外界媒質の屈折
率に対し上記第1ピークの挙動が安定となって上記外界
媒質の屈折率等から受ける影響を最小限にすることがで
きるようになる。これにより、外界媒質からの影響を受
け難く外界媒質の如何に拘わらず安定した挙動の透過特
性を有する長周期ファイバグレーティングとすることが
でき、通信用デバイスとして好適な長周期ファイバグレ
ーティングを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の長周期ファイバグレーティ
ングを強度変調マスク法により形成する場合の説明図で
ある。
【図2】書き込み対象の光ファイバ心線の断面図であ
る。
【図3】書き込み対象の光ファイバ心線の屈折率分布形
状を示す図である。
【図4】作製装置を示す模式図である。
【図5】レーザ直接描画法により長周期グレーティング
を形成する場合の説明図である。
【図6】可変幅スリットマスク法により長周期グレーテ
ィングを形成する場合の説明図である。
【図7】マスクピッチが300μmの場合のスペクトル
例を示す図である。
【図8】マスクピッチが400μmの場合のスペクトル
例を示す図である。
【図9】マスクピッチに対するピーク波長の関係を示す
図である。
【図10】各種屈折率の屈折率マッチングオイルに対す
るピーク波長の変化を示す図である。
【図11】外界媒質がマッチングオイルである場合と、
空気である場合との波長に対する透過率の変化を示す図
である。
【図12】クラッドの外表面に掻き傷を付けた場合と、
付けない場合との波長に対する透過率の変化を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 光ファイバ心線 2 コア 2a センタコア(第1のコア) 2b サイドコア(第2のコア) 3 クラッド 4 被覆層 21 長周期グレーティング LB 紫外レーザ光(紫外線)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ファイバのコアに対し紫外線を照射する
    ことにより上記コアに対し長周期グレーティングが書き
    込まれてなる長周期ファイバグレーティング構造におい
    て、 上記書き込み対象である光ファイバが中心に位置する第
    1のコアと、この第1のコアの外周囲に位置する第2の
    コアと、この第2のコアの外周囲に位置するクラッドと
    を有し、かつ、 上記第1のコアの屈折率値が第2のコアの屈折率値より
    も高く、上記第2のコアの屈折率値が上記クラッドの屈
    折率値よりも高くなるように設定されていることを特徴
    とする長周期ファイバグレーティング構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 第1のコアの比屈折率差が0.8〜1.0%の範囲、第
    2のコアの比屈折率差が0.05〜0.15%の範囲に
    それぞれ設定されていることを特徴とする長周期ファイ
    バグレーティング構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、 第1のコアの半径が3.2〜3.8μmの範囲、第2の
    コアの半径が17〜20μmの範囲にそれぞれ設定され
    ていることを特徴とする長周期ファイバグレーティング
    構造。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかにおい
    て、 クラッドの外周囲にそのクラッドと同等以上の屈折率を
    有する紫外線透過型樹脂による被覆層を有していること
    を特徴とする長周期ファイバグレーティング構造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6253008B1 (en) * 1998-06-26 2001-06-26 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Optical filter and method of making the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6253008B1 (en) * 1998-06-26 2001-06-26 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Optical filter and method of making the same

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