JPH11326074A - 温度測定方法および装置 - Google Patents

温度測定方法および装置

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JPH11326074A
JPH11326074A JP10124792A JP12479298A JPH11326074A JP H11326074 A JPH11326074 A JP H11326074A JP 10124792 A JP10124792 A JP 10124792A JP 12479298 A JP12479298 A JP 12479298A JP H11326074 A JPH11326074 A JP H11326074A
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JP
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intensity
pulse
interference light
light
change
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Application number
JP10124792A
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English (en)
Inventor
Takayuki Inoue
貴之 井上
Shigeru Sakamoto
繁 坂本
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速測定か可能で回路規模が小さい温度測定
方法および装置を提供する。 【解決手段】 パルス立ち上がり直後と定常時とで互い
に発振波長が異なるパルス状のレーザ光をレーザ光源1
6により被測定物20に繰り返し照射し、各パルスそれ
ぞれについて被測定物20からのレーザ光の反射光によ
る干渉光の強度の時間変化を光検出部32により検出し
サンプリング部34によりサンプリングして干渉光強度
変化を求める。各パルスの1つ前のパルスについて求め
られた被測定物20からの干渉光の強度の定常時におけ
る値をオフセット値として記憶部36に記憶しておき、
判定部40により、干渉光強度変化とオフセット値とを
大小比較し、その比較結果に基づいて被測定物20の温
度の変化方向を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被測定物にレーザ
光を照射して、その被測定物からのレーザ光の反射光の
強度を測定し、その測定結果に基づいて被測定物の温度
の変化方向を測定する温度測定方法および装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】各種生産プロセスにおいて材料、半製品
または製品の温度を非接触で且つ高精度に測定すること
は極めて重要である。例えば、半導体集積回路の特性
は、その製造プロセスにおける温度に大きく依存してお
り、したがって、半導体集積回路の製造プロセスにおい
て、半導体基板の温度を非接触で測定する技術が要求さ
れている。例えば、特開平8−145811号公報に
は、被測定物の表面および裏面それぞれからのレーザ光
の反射光による干渉光強度が被測定物の温度だけでなく
レーザ光の波長にも依存することを利用して、互いに異
なる2波長のレーザ光それぞれを被測定物に照射して反
射光の干渉強度を検出し、これに基づいて、被測定物の
温度だけでなく温度の変化方向をも測定する技術が開示
されている。
【0003】図5は、この特開平8−145811号公
報に開示された従来技術に係る温度測定装置の構成図で
あり、図6は、この従来技術に係る温度測定方法の説明
図である。パルス電源1により駆動された半導体レーザ
光源2から出射されたパルス状のレーザ光は、光ファイ
バ3を経た後にコリメート光学系4により平行光束とさ
れ、両面研磨された半導体基板である被測定物5に照射
される。被測定物5に照射されたレーザ光は、被測定物
5の表面で一部が反射されるとともに、被測定物5の裏
面で他の一部が反射され、これらの反射光の干渉光は、
光検出部6により検出され、その反射光強度に応じた電
気信号が光検出部6から出力される。その電気信号は、
A/D変換器7によりデジタル信号に変換された後にコ
ンピュータ8に入力される。
【0004】このようにして各パルスについて測定され
た干渉光強度の時間変化は図6に示すようなものとな
る。すなわち、干渉光強度は、パルス状のレーザ光のパ
ルス立ち上がり時刻t0 に立ち上がり、その後の時刻t
1 までに一定値に漸近し、時刻t1 から時刻t2 までは
一定値であり、パルス状のレーザ光のパルス立ち下がり
時刻t2 に立ち下がる。この図に示すように、干渉光強
度は立ち上がり直後にオーバーシュートしている。これ
は、半導体レーザ光源2からパルス状のレーザ光を出射
する場合、パルス立ち上がり直後のレーザ光の波長は、
その後の定常時のレーザ光の波長より数オングストロー
ム程度短いからである。そこで、この従来の温度測定技
術では、各パルスそれぞれについて、パルス立ち上がり
直後および定常時それぞれの所定の時刻における干渉光
強度を求め、これに基づいて所定の演算を行って被測定
物5の温度の変化方向を測定するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の温度測定技術では、各パルスについてパルス立ち上
がり直後および定常時それぞれの所定の時刻における干
渉光強度を求めた後に、これらに基づいて所定の演算を
行うことから、被測定物の高速な温度変化を測定するの
が困難であり、レーザ光強度の変動等のノイズに弱いの
で測定精度が悪く、また、上記所定の演算を電子回路で
行う場合には回路規模が大きく高価になるという問題点
があった。
【0006】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、高速測定か可能で回路規模が小さい温
度測定方法および装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る温度測定方
法は、(1) パルス立ち上がり直後と定常時とで互いに発
振波長が異なるパルス状のレーザ光を被測定物に繰り返
し照射し、(2) 各パルスそれぞれについて被測定物から
のレーザ光の反射光または透過光による干渉光の強度の
時間変化を測定して干渉光強度変化を求め、(3) 各パル
スの1つ前のパルスについて求められた被測定物からの
干渉光の強度の定常時における値をオフセット値とし、
(4) 干渉光強度変化とオフセット値とを大小比較し、そ
の比較結果に基づいて被測定物の温度の変化方向を判定
する、ことを特徴とする。
【0008】この温度測定方法によれば、干渉光強度変
化とオフセット値との大小比較に基づく被測定物の温度
の変化方向の判定のための演算が簡易であり、この演算
を電子回路で行う場合には回路構成が簡単なものとなり
演算速度も速い。さらに、演算速度が速いことから、干
渉光強度変化を求める際のサンプリングレートを高速と
することができ、高速測定が可能である。
【0009】また、本発明に係る温度測定方法では、オ
フセット値は、被測定物からの干渉光の強度の定常時に
おける一定期間の平均値であることを特徴とする。この
場合には、干渉光強度変化にノイズが重畳されていたと
しても、そのノイズの影響を軽減することができ、ノイ
ズに対して安定で正確な測定が可能となる。
【0010】本発明に係る温度測定装置は、(1) パルス
立ち上がり直後と定常時とで互いに発振波長が異なるパ
ルス状のレーザ光を被測定物に繰り返し照射するレーザ
光源と、(2) 各パルスそれぞれについて被測定物からの
レーザ光の反射光または透過光による干渉光の強度の時
間変化を測定して干渉光強度変化を求める光検出部と、
(3) 各パルスの1つ前のパルスについて求められた被測
定物からの干渉光の強度の定常時における値をオフセッ
ト値として記憶する記憶部と、(4) 干渉光強度変化とオ
フセット値とを大小比較し、その比較結果に基づいて被
測定物の温度の変化方向を判定する判定部と、を備える
ことを特徴とする。
【0011】この温度測定装置によれば、パルス立ち上
がり直後と定常時とで互いに発振波長が異なるパルス状
のレーザ光がレーザ光源により被測定物に繰り返し照射
され、各パルスそれぞれについて被測定物からのレーザ
光の反射光または透過光による干渉光の強度の時間変化
が光検出部により測定されて干渉光強度変化が求められ
る。そして、各パルスの1つ前のパルスについて求めら
れた被測定物からの干渉光の強度の定常時における値が
オフセット値として記憶部により記憶され、判定部によ
り、干渉光強度変化とオフセット値とが大小比較され、
その比較結果に基づいて被測定物の温度の変化方向が判
定される。したがって、干渉光強度変化とオフセット値
との大小比較に基づく被測定物の温度の変化方向の判定
のための演算が簡易であり、この演算を電子回路で行う
場合には回路構成が簡単なものとなり演算速度も速い。
さらに、演算速度が速いことから、干渉光強度変化を求
める際のサンプリングレートを高速とすることができ、
高速測定が可能である。
【0012】また、本発明に係る温度測定装置では、記
憶部は、被測定物からの干渉光の強度の定常時における
一定期間の平均値をオフセット値とすることを特徴とす
る。この場合には、干渉光強度変化にノイズが重畳され
ていたとしても、そのノイズの影響を軽減することがで
き、ノイズに対して安定で正確な測定が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。
【0014】まず、本実施形態に係る温度測定方法およ
び装置の説明に先だって、これらが採用するレーザ光を
用いた温度測定の原理について説明する。両面研磨され
た半導体基板等の被測定物に単波長のレーザ光を照射す
ると、そのレーザ光は被測定物の表面および裏面で反射
され干渉光となる。その干渉光の強度は、レーザ光の波
長が一定であれば被測定物の温度の変化に対して一定周
期で正弦波状に変化する。また、レーザ光の波長が変化
すると、干渉光の強度と被測定物の温度との関係は温度
軸方向にシフトする。
【0015】ところで、被測定物に照射すべきレーザ光
を発生する光源として半導体レーザ光源を用いて矩形波
で駆動する場合、半導体レーザ光源の温度は、通電して
いる期間に次第に上昇し、通電していない期間に元に戻
る。したがって、半導体レーザ光源から出射されるパル
スレーザ光のパルス立ち上がり直後の波長は、その後の
定常時の波長より短い。このようなパルスレーザ光を被
測定物に照射すると、図7に示すように、干渉光強度は
パルス立ち上がり直後と定常時とで異なる。この図で、
破線は、パルス立ち上がり直後の干渉光強度の温度依存
性を示し、実線は、定常時の干渉光強度の温度依存性を
示す。
【0016】被測定物の温度を測定するに際しては、干
渉光強度変化の半周期を1単位として、温度を測定す
る。ここで、1単位とは、定常時の干渉光強度において
極大値と極小値との間の中間値から次の中間値までをい
う。そして、中間値を超える干渉光強度変化が起きたと
きに昇温および降温の何れの状態であるかを判定する。
例えば、現在5.5℃と8.5℃との間の温度であると
すると、干渉光強度は中間値より小さい値となる。温度
が変化して干渉光強度が中間値より大きくなると、昇温
および降温の何れの状態であるかを判定する。パルス立
ち上がり直後の干渉光強度が中間値より大きければ、温
度は8.5℃に近いと判定され、昇温状態にあると判定
される。一方、パルス立ち上がり直後の干渉光強度が中
間値より小さければ、温度は5.5℃に近いと判定さ
れ、降温状態にあると判定される。
【0017】逆に干渉光強度が中間値より大きな値であ
って、その後に温度が変化して干渉光強度が中間値より
小さくなる場合は、次のように判定する。パルス立ち上
がり直後の干渉光強度が中間値より大きければ降温状態
にあると判定される。一方、パルス立ち上がり直後の干
渉光強度が中間値より小さければ昇温状態にあると判定
される。
【0018】次に、本実施形態に係る温度測定装置の構
成について説明する。図1は、本実施形態に係る温度測
定装置の構成図である。
【0019】矩形波発生部12は、一定パルス幅であっ
て一定周期の矩形波信号を発生し、その矩形波信号をレ
ーザ駆動部14へ出力する。レーザ駆動部14は、矩形
波発生部12から出力された矩形波信号を入力し、この
矩形波信号に基づいて、レーザ光源16に与えるべき駆
動電流を出力する。レーザ光源16は、レーザ駆動部1
4から出力された駆動電流を入力し、この駆動電流に基
づいてレーザ発振する。また、レーザ光源16は、パル
ス立ち上がり直後と定常時とで互いに発振波長が異なる
ものであり、例えば波長1.3μm帯のレーザ光を出力
する半導体レーザ光源が好適に用いられ、この場合、パ
ルス立ち上がり直後のレーザ光の波長は、その後の定常
時のレーザ光の波長より数オングストローム程度短い。
ここで、駆動電流も矩形波であり、レーザ光源16から
出力されるレーザ光も一定パルス幅であって一定周期の
矩形パルス状のものである。
【0020】被測定物20は、レーザ光源16から出力
されたパルス状のレーザ光が照射され、そのうちの一部
を表面で反射し、他の一部を裏面で反射させる。被測定
物20は、例えば両面研磨された半導体基板であり、そ
の厚みは、表面および裏面それぞれで反射したレーザ光
が互いに干渉し得る程度である。したがって、被測定物
20の表面および裏面それぞれで反射したレーザ光は互
いに干渉する。なお、本実施形態は、被測定物20の表
面および裏面それぞれで反射したレーザ光の干渉光強度
を検出するものであるが、被測定物20を透過したレー
ザ光の干渉光強度を検出してもよい。
【0021】被測定物20の屈折率および厚みそれぞれ
が温度上昇に因り増加することを考慮すると、パルス立
ち上がり直後および定常時それぞれにおける被測定物2
0からの反射光による干渉光の強度の増減は以下のよう
な関係がある。すなわち、被測定物20が昇温状態にあ
る場合であって、被測定物20からの反射光による干渉
光の強度が増加している場合には、定常時の干渉光強度
はパルス立ち上がり直後の干渉光強度よりも小さくな
り、被測定物20からの反射光による干渉光の強度が減
少している場合には、定常時の干渉光強度はパルス立ち
上がり直後の干渉光強度よりも大きくなる。これに対し
て、被測定物20が降温状態にある場合であって、被測
定物20からの反射光による干渉光の強度が増加してい
る場合には、定常時の干渉光強度はパルス立ち上がり直
後の干渉光強度よりも大きくなり、被測定物20からの
反射光による干渉光の強度が減少している場合には、定
常時の干渉光強度はパルス立ち上がり直後の干渉光強度
よりも小さくなる。
【0022】光検出部32は、この被測定物20からの
干渉光を入力し、その干渉光強度に応じた値の電気信号
を出力する。サンプリング部34は、矩形波発生部12
から出力される矩形波信号の1周期の数十分の1から数
百分の1程度のサンプリング間隔で、光検出部32から
出力された電気信号をサンプリングし、干渉光強度をア
ナログ信号からデジタル信号へ変換してデジタル信号と
して出力する。記憶部36は、サンプリング部34によ
りサンプリングされデジタル信号として出力された干渉
光強度の時間変化を各パルス毎に記憶するとともに、各
パルスの1つ前のパルスについて記憶された干渉光強度
の時間変化のうち定常時における値をオフセット値とし
て求めこれを記憶する。
【0023】判定部40は、記憶部36に記憶された各
パルスについての干渉光強度の時間変化から、同じく記
憶部36に記憶されたオフセット値を減算する。そし
て、判定部40は、この減算結果に基づいて被測定物2
0の温度の変化方向、すなわち、被測定物20が昇温状
態および降温状態の何れにあるかを判定する。
【0024】次に、この温度測定装置の作用を説明する
とともに、本実施形態に係る温度測定方法について説明
する。図2は、本実施形態に係る温度測定方法の説明図
である。
【0025】一定パルス幅であって一定周期の矩形波信
号は、矩形波発生部12から出力されてレーザ駆動部1
4へ入力し、レーザ光源16に与えられるべき駆動電流
は、、この矩形波信号に基づいてレーザ駆動部14から
出力される。レーザ駆動部14から出力された駆動電流
を入力したレーザ光源16は、この駆動電流に基づいて
レーザ発振する。レーザ光源16から出力されたレーザ
光は、一定パルス幅であって一定周期の矩形パルス状の
ものであり、パルス立ち上がり直後と定常時とで互いに
発振波長が異なる。
【0026】そのパルス状のレーザ光が被測定物20に
照射されると、その一部は被測定物20の表面で反射
し、他の一部は被測定物20の裏面で反射し、両者は互
いに干渉する。その被測定物20からの干渉光は、光検
出部32により受光され、その干渉光強度に応じた値の
電気信号が出力される。光検出部32から出力された電
気信号は、サンプリング部34によりサンプリングさ
れ、アナログ信号からデジタル信号へ変換されてデジタ
ル信号として出力される。記憶部36には、サンプリン
グ部34によりサンプリングされデジタル信号として出
力された干渉光強度の時間変化が各パルス毎に記憶され
るとともに、各パルスの1つ前のパルスについて記憶さ
れた干渉光強度の時間変化のうち定常時における値がオ
フセット値として記憶される。
【0027】図2(a)および(b)は、レーザ光源1
6から出力されたレーザ光の連続する2つのパルスそれ
ぞれについて光検出部32により検出されサンプリング
部34によりサンプリングされた干渉光の強度の時間変
化を示すグラフである。これらの図に示すように、レー
ザ光のパルス立ち上がり直後の発振波長は定常時の発振
波長と異なるので、レーザ光のパルス立ち上がり直後の
被測定物20からの干渉光の強度は定常時と異なる値を
示している。また、これらの2つの図の間で定常時にお
ける被測定物20からの干渉光の強度は互いに異なるも
のとなっている。これらの相違は、レーザ光源16から
2つのパルスそれぞれが出力された時刻における被測定
物20の温度の相違に因るものであり、被測定物20が
昇温状態および降温状態の何れにあるかに依存するもの
である。本実施形態に係る温度測定方法では、以下のよ
うにして被測定物20の温度変化方向を判定する。
【0028】すなわち、図2(a)に示す干渉光強度の
時間変化に基づいて、定常時における干渉光強度をオフ
セット値として求め、このオフセット値を記憶部36に
記憶しておく。このオフセット値は、定常状態である或
る時刻における干渉光強度であってもよいが、定常状態
である或る一定期間における干渉光強度の平均値である
のが好適である。次に、図2(b)に示す次のパルスに
ついて求められた干渉光強度の時間変化から、記憶部3
6に記憶しておいたオフセット値を減算して、図2
(c)に示すグラフで表されるような減算結果を得る。
【0029】この減算結果は離散的にサンプリングされ
たデータであるので、判定部40は、定常時およびパル
ス立ち上がり直後それぞれにおいて、その減算結果の値
が正である場合および負である場合それぞれが幾つある
かを計数して多数決により減算結果の値の符号を求め
る。そして、判定部40は、両者が互いに同じ符号であ
れば被測定物20は昇温状態であると判定し、一方、両
者が互いに異なる符号であれば被測定物20は降温状態
であると判定する。
【0030】以上のように、本実施形態では、各パルス
の1つ前のパルスについて求められた被測定物20から
の干渉光の強度変化に基づいてオフセット値を求める際
に定常状態である或る一定期間における干渉光強度の平
均値をオフセット値とすることにより、また、減算結果
の符号の判定(すなわち、干渉光強度とオフセット値と
の大小比較)の際に多数決原理を導入することにより、
干渉光強度の時間変化にノイズが重畳されていたとして
も、そのノイズの影響を軽減することができ、ノイズに
対して安定で正確な測定が可能となる。また、本実施形
態では、従来技術のものと比較して、干渉光強度の時間
変化に対する演算が簡易であり、この演算を電子回路で
行う場合には回路構成が簡単なものとなり演算速度も速
い。さらに、演算速度が速いことから、サンプリング部
34におけるサンプリングレートを高速とすることがで
きる。
【0031】なお、パルス立ち上がり直後における減算
結果(図2(c))の値の符号判定は、上記の方法に限
らず、以下に説明するような方法に従って行なってもよ
い。図3は、パルス立ち上がり直後における減算結果の
値の符号判定の他の方法の説明図である。この方法によ
れば、パルスの立ち上がり時刻から定常状態移行時刻ま
での間の期間にサンプリング部34によりサンプリング
された干渉光強度(図中の白丸印)の平均値(図中の線
分)を求め、この平均値と定常状態移行時刻における干
渉光強度(図中の黒丸印)とを大小比較する。そして、
平均値の方が大きい場合には、干渉光強度の時間変化は
突起波形であり、パルス立ち上がり直後における減算結
果の値の符号は正であると判定する(図3(a))。一
方、平均値の方が小さい場合には、干渉光強度の時間変
化はなまり波形であり、パルス立ち上がり直後における
減算結果の値の符号は負であると判定する(図3
(b))。
【0032】図4は、パルス立ち上がり直後における減
算結果の値の符号判定の更に他の方法の説明図である。
この方法によれば、パルスの立ち上がり時刻から定常状
態移行時刻までの間の期間にサンプリング部34により
サンプリングされた干渉光強度(図中の白丸印)それぞ
れと、定常状態移行時刻における干渉光強度(図中の黒
丸印)とを大小比較し、前者の方が大きい場合の数と後
者の方が大きい場合の数とを求める。そして、前者の方
が大きい場合の数が多い場合には、干渉光強度の時間変
化は突起波形であり、パルス立ち上がり直後における減
算結果の値の符号は正であると判定する(図4
(a))。一方、前者の方が大きい場合の数が少ない場
合には、干渉光強度の時間変化はなまり波形であり、パ
ルス立ち上がり直後における減算結果の値の符号は負で
あると判定する(図4(b))。
【0033】上記の図3または図4で説明した判定方法
でも、干渉光強度の時間変化にノイズが重畳されていた
としても、そのノイズの影響を軽減することができ、ノ
イズに対して安定で正確な測定が可能となる。
【0034】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
よれば、パルス立ち上がり直後と定常時とで互いに発振
波長が異なるパルス状のレーザ光を被測定物に繰り返し
照射し、各パルスそれぞれについて被測定物からのレー
ザ光の反射光または透過光による干渉光の強度の時間変
化を測定して干渉光強度変化を求め、各パルスの1つ前
のパルスについて求められた被測定物からの干渉光の強
度の定常時における値をオフセット値とし、干渉光強度
変化とオフセット値とを大小比較し、その比較結果に基
づいて被測定物の温度の変化方向を判定する。このよう
にすることにより、干渉光強度変化とオフセット値との
大小比較に基づく被測定物の温度の変化方向の判定のた
めの演算が簡易であり、この演算を電子回路で行う場合
には回路構成が簡単なものとなり演算速度も速い。さら
に、演算速度が速いことから、干渉光強度変化を求める
際のサンプリングレートを高速とすることができ、高速
測定が可能である。また、オフセット値が被測定物から
の干渉光の強度の定常時における一定期間の平均値であ
る場合には、干渉光強度変化にノイズが重畳されていた
としても、そのノイズの影響を軽減することができ、ノ
イズに対して安定で正確な測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る温度測定装置の構成図であ
る。
【図2】本実施形態に係る温度測定方法の説明図であ
る。
【図3】パルス立ち上がり直後における減算結果の値の
符号判定の他の方法の説明図である。
【図4】パルス立ち上がり直後における減算結果の値の
符号判定の更に他の方法の説明図である。
【図5】従来技術に係る温度測定装置の構成図である。
【図6】従来技術に係る温度測定方法の説明図である。
【図7】レーザ光を用いた温度測定の原理について説明
する図である。
【符号の説明】
12…矩形波発生部、14…レーザ駆動部、16…レー
ザ光源、20…被測定物、32…光検出部、34…サン
プリング部、36…記憶部、40…判定部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス立ち上がり直後と定常時とで互い
    に発振波長が異なるパルス状のレーザ光を被測定物に繰
    り返し照射し、 各パルスそれぞれについて前記被測定物からの前記レー
    ザ光の反射光または透過光による干渉光の強度の時間変
    化を測定して干渉光強度変化を求め、 各パルスの1つ前のパルスについて求められた前記被測
    定物からの前記干渉光の強度の定常時における値をオフ
    セット値とし、 前記干渉光強度変化と前記オフセット値とを大小比較
    し、その比較結果に基づいて前記被測定物の温度の変化
    方向を判定する、 ことを特徴とする温度測定方法。
  2. 【請求項2】 前記オフセット値は、前記被測定物から
    の前記干渉光の強度の定常時における一定期間の平均値
    であることを特徴とする請求項1記載の温度測定方法。
  3. 【請求項3】 パルス立ち上がり直後と定常時とで互い
    に発振波長が異なるパルス状のレーザ光を被測定物に繰
    り返し照射するレーザ光源と、 各パルスそれぞれについて前記被測定物からの前記レー
    ザ光の反射光または透過光による干渉光の強度の時間変
    化を測定して干渉光強度変化を求める光検出部と、 各パルスの1つ前のパルスについて求められた前記被測
    定物からの前記干渉光の強度の定常時における値をオフ
    セット値として記憶する記憶部と、 前記干渉光強度変化と前記オフセット値とを大小比較
    し、その比較結果に基づいて前記被測定物の温度の変化
    方向を判定する判定部と、 を備えることを特徴とする温度測定装置。
  4. 【請求項4】 前記記憶部は、前記被測定物からの前記
    干渉光の強度の定常時における一定期間の平均値を前記
    オフセット値とすることを特徴とする請求項3記載の温
    度測定装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100985341B1 (ko) 2003-12-23 2010-10-04 주식회사 포스코 반도체 레이저를 이용한 강재의 온도 측정장치
CN103852186A (zh) * 2012-12-03 2014-06-11 财团法人工业技术研究院 非接触式温度测量方法

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