JPH11325305A - 液面制御弁装置 - Google Patents

液面制御弁装置

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JPH11325305A
JPH11325305A JP13813598A JP13813598A JPH11325305A JP H11325305 A JPH11325305 A JP H11325305A JP 13813598 A JP13813598 A JP 13813598A JP 13813598 A JP13813598 A JP 13813598A JP H11325305 A JPH11325305 A JP H11325305A
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JP
Japan
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float
valve
liquid level
liquid
valve device
Prior art date
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Application number
JP13813598A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yokota
博 横田
Tetsuya Tanimoto
哲也 谷本
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Yokota Seisakusho KK
Original Assignee
Yokota Seisakusho KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 液面レベルの制御を確実に行うと共に、チャ
タリングやハンチングが起こらないようにする。 【解決手段】 フロート5が、フロート支持部材4を介
して、給液流路を開閉する弁体3に連結され、弁体3を
全開と全閉のいずれかの状態に片寄せするよう付勢する
付勢手段6を備えると共に、フロート5とフロート支持
部材4との間に遊び運動部を有したり、該フロートが所
定の距離をおいた第2フロートと連結されたり、又は、
該フロートとフロート支持部材との間に遊び運動部を有
し、該フロートが所定の距離をおいた第2フロートと連
結される。第2フロートは、給液の比重より大きい比重
を有する重錘に置き換えられてもよく、弁体の開閉運動
を制動する制動手段を備えてもよく、弁体の進退方向に
係わる給液の作用圧力を相殺するバランス手段を備えて
もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フロートの上下動
に連係して給液流路を開閉する液面制御弁装置に関す
る。なお、本明細書において、「水」の語は流体を総称
的に代表するものとする。
【0002】
【従来の技術】従来から、フロートの上下動に連係して
給液流路を開閉する液面制御弁装置、特にその簡易な形
式である「フロート弁」や「ボールタップ」については
各種のものが知られている。その典型的な構成は、図1
7のフロート弁F’に例示したように、フロート5がフ
ロート支持部材4を介して弁体3に連結されたものであ
り、液面レベルの昇降に伴うフロート5の上下動に連動
して弁体3が弁座2の開口部を開閉するものである。フ
ロート5の作用力の弁体3への伝達に際してテコなどの
倍力機構を介在させたり、給液の圧力によって弁体3へ
の偏圧がかかるのを防ぐためにバランスピストンを装備
したりするなど、各種変形例もあるが、いずれも基本的
には弁体3が液面レベルの昇降にそのまま連動して動く
形態となっている。
【0003】又、このフロート弁F’を給液管端に装着
して給液量を直接制御する方式の他に、このフロート弁
F’をパイロット弁として用いて、より大きな口径を持
つ主弁装置の主弁駆動用ピストンやダイヤフラムを作動
させる方式も知られている。その典型的な構成は、図1
8に例示したように、主弁装置Mがパイロット機能を持
つフロート弁F’の開閉に連係して駆動されるものであ
り、主弁装置Mは、入口流路aと出口流路cとその連通
流路中に主弁座14を備えた主弁箱11の内部に、一体
的に組み合わされた主弁体15と該主弁体15より大き
い受圧面積を持つ主弁駆動部材16とが主弁軸17を介
して進退自在に設けられ、主弁体15は主弁座14との
間に絞り流路を形成し、主弁駆動部材16は主弁箱の円
筒状壁部13に対して滑動自在に嵌装されて、該壁部1
3及び主弁箱蓋12との間に主弁駆動圧力室dを形成
し、そして、主弁下流側液面レベルが所定値より高くな
れば閉鎖し、低くなれば開通するフロート弁F’が付設
され、主弁駆動圧力室dは、絞り調整弁20を介して主
弁上流側の入口流路aに連通されると共に、フロート弁
F’を介して主弁下流側液面に連通されている。この構
成によって、主弁下流側液面レベルが所定値より低くな
った場合には、フロート弁F’が開通し、主弁駆動圧力
室dの内圧が主弁下流側圧力まで低下し、主弁体15と
主弁駆動部材16の受圧面積の差に伴う推力により主弁
体15が開弁して給液を開始し、一方、主弁下流側液面
レベルが所定値より高くなった場合には、フロート弁
F’が閉鎖し、主弁駆動圧力室dの内圧が主弁上流側圧
力まで上昇し、主弁体15が閉鎖して給液を停止すると
いうものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来
技術による液面制御弁装置は、液面レベルの昇降がフロ
ート5の上下動、ひいては弁体3の開閉運動に直結して
いる構造である。従って、液面レベルが上限付近に近づ
くと、徐々に弁体3が給液を絞って行き、そのため液面
レベルの上昇速度は一層遅くなり、最終的に弁体3が全
閉するまでには長い時間がかかることとなり、清水以外
の液体の場合は異物が弁体3と弁座2の間に詰まりやす
くなるのみならず、弁体3が開閉を繰り返す所謂「チャ
タリング」や「ハンチング」を引き起こして弁体3や弁
座2の耐久性を低下させ、更にはウォーターハンマーに
まで発展して損傷を引き起こす可能性すらある。特に、
図18のようにフロート弁F’を主弁装置Mの駆動用の
パイロットとして用いる場合には、その主弁装置M自体
のチャタリングやハンチング、ひいてはウォーターハン
マーをも誘発する可能性があるという問題があった。
【0005】ここでもし、フロート弁F’の液面に波動
もなく、フロート5の動きがスムーズかつ揺れもないと
いう理想状態であれば、徐々に時間をかけて閉鎖するこ
とがむしろチャタリングやハンチングを防止する筈のと
ころであるが、現実には液面の波動を完全に防ぐことは
困難であり、又、フロート弁F’の弁体3や主弁装置M
の主弁体15の付近の流れも全閉近辺では高速流になっ
ているため、圧力脈動を起こしやすい状態となってお
り、チャタリングやハンチングの防止は困難な課題であ
った。
【0006】そこで、本発明は、簡潔で合理的な構造に
よって、これらの技術的問題点を抜本的に解決し、設計
・製作・維持管理が容易でコストが低廉であり、液面レ
ベルの制御を自動的に且つ確実に行うと共に、チャタリ
ングやハンチングが起こりにくく、又、弁上流側の圧力
変動の影響も受けにくく、更には、異物の目詰まりも起
こりにくい、高性能且つ経済的な液面制御弁装置を得る
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、フロートの上下動に連係して給液流路を
開閉する液面制御弁装置において、フロートが、フロー
ト支持部材を介して、給液流路を開閉する弁体に連結さ
れ、該弁体を全開と全閉のいずれかの状態に片寄せする
よう付勢する付勢手段を備えると共に、該フロートとフ
ロート支持部材との間に遊び運動部を有することを特徴
としている。又、もう一つの発明は、フロートの上下動
に連係して給液流路を開閉する液面制御弁装置におい
て、フロートが、フロート支持部材を介して、給液流路
を開閉する弁体に連結され、該弁体を全開と全閉のいず
れかの状態に片寄せするよう付勢する付勢手段を備える
と共に、該フロートが所定の距離をおいた第2フロート
と連結されたことを特徴としている。更に、もう一つの
発明は、フロートの上下動に連係して給液流路を開閉す
る液面制御弁装置において、フロートが、フロート支持
部材を介して、給液流路を開閉する弁体に連結され、該
弁体を全開と全閉のいずれかの状態に片寄せするよう付
勢する付勢手段を備えると共に、該フロートとフロート
支持部材との間に遊び運動部を有し、かつ該フロートが
所定の距離をおいた第2フロートと連結されたことを特
徴としている。
【0008】本発明においては、前記第2フロートが、
給液の比重より大きい比重を有する重錘に置き換えられ
た構成であってもよい。又、前記弁体の開閉運動を制動
する制動手段を備えた構成であってもよい。又、前記弁
体に対する給液の圧力作用方向の逆方向に該給液の圧力
を受け止めて、該弁体の進退方向に係わる該給液の作用
圧力を相殺するバランス手段を備えた構成であってもよ
い。又、前記弁体が、より大きな流路の開閉を行う主弁
装置を駆動するためのパイロット流路を開閉する構成で
あってもよい。又、前記弁体が、より大きな流路の開閉
を行う主弁装置を駆動するパイロット弁装置を作動させ
るための流路を開閉する構成であってもよい。
【0009】これらの構成によって、本発明の液面制御
弁装置においては、液面レベルが上限に近づいてフロー
トの上昇速度が遅くなっても、所定の位置に達したとき
にそのフロートの動きと切り離されて弁体が速やかに閉
鎖するので、弁体の閉鎖直前でのチャタリングやハンチ
ングが起こりにくく、弁体や弁座の耐久性を向上させ、
安定的な給液が可能になる。そして、弁体の開閉運動を
制動する制動手段を付設しその制動力を調整することに
よって、液面レベルの動きとは切り離して任意の弁開閉
速度を得られるので、施設現場の状況に都度対応でき、
実用上極めて便利である。又、上記遊び運動部が存在す
ることによって、液面レベルが上限に近づいたときに液
面の波動によってフロートが揺れても、その揺れが弁体
に直接伝わるのを防ぐクッションとしても作用するの
で、液面の波動によるチャタリングやハンチングも防止
できる。
【0010】本発明はこのように、簡潔で合理的な構造
により設計・製作・維持管理が容易でコストが低廉であ
り、液面レベルの制御を自動的に且つ確実に行うと共
に、チャタリングやハンチングが起こりにくい高性能且
つ経済的な液面制御弁装置である。なお、弁上流側の圧
力変動の影響を受けにくい形式にしたり、給液中の異物
の目詰まりが起こりにくい形式にしたり、2液面制御の
可能な形式にしたりするなど、各種応用も可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、実施例を示した図面に基づ
き本発明をより詳細に説明する。なお、各図において共
通する部分には共通の図面符号を付してある。図1及び
図2は、本発明の第1実施例を示したものであり、図1
が弁閉鎖直前の状態、図2が弁閉鎖直後の状態を示す。
図中のフロート弁Fにおいて、入口流路1aと出口流路
1bとその連通流路中に弁座2を備えた容器1の中に、
弁座2に離接して給液流路を開閉する弁体3が設けられ
ている。一方、液面レベルの昇降に連動して上下するフ
ロート5がフロート支持部材4に連結されており、その
連結部位には遊び運動部が形成されている。即ち、フロ
ート5はフロート支持部材4上のストッパー4m;4n
の間の範囲内で自由に動けるようになっている。
【0012】フロート支持部材4は軸部4cによって容
器1に枢支され、給液圧力により常時開こうとしている
弁体3に押し当てられる形で連結されており、遊び運動
部を介したフロート5の動きを弁体3に伝達して弁体3
を開閉する。なお、フロート支持部材4は弁体3に押し
当てられる代りに弁体3に枢着されてもよいことは言う
までもない。又、弁体3と弁座2との間にはパッキン類
を装着するなど、従来周知の各種シール手段が施工可能
である。そして更に、このフロート支持部材4上には、
弁体3を全開と全閉のいずれかの状態に片寄せ保持する
よう付勢する付勢部材6を備えている。本図においては
その付勢部材6としては重りが用いられ、その付勢力は
付勢力調整部6aのねじを調節して重りの位置を変える
ことによって調整可能となっている。
【0013】本発明の液面制御弁装置の作動態様につい
て、この第1実施例を示した図1及び図2に基づいて説
明する。図1は、液面レベルが上昇してきて上限レベル
に接近した状態を示している。このとき、フロート5が
徐々に上昇して遊び運動部中の上部ストッパー4mに近
づき、やがては当接して、フロート支持部材4を軸部4
cを中心とする反時計方向に回動させる。そして、フロ
ート支持部材4上の重り6が軸部4cの真上に至るまで
の間は、フロート5の浮力による回動力が重り6を徐々
に押上げて行き、重り6が軸部4cの真上を通過した時
点から、一転して重り6の付勢力がフロート支持部材4
の回動を加速し、図2のように、弁体3を弁座2に押し
付けて閉鎖させる。
【0014】この重り6がフロート支持部材4を加速回
動させるときに、もし遊び運動部がなかったとしたら、
フロート5込め回動させるための充分な作用力(重量)
を重り6に備えさせておく必要があるのみならず、その
回動の結果として、フロート5は液面を離れて跳ね上が
り、その後の液面レベルの下降に追随することができな
くなってしまう恐れがあるが、本発明においては、遊び
運動部が存在するために、フロート5を液面上に残した
ままフロート支持部材4のみ回動することが可能であ
り、その回動のための力は軽少でよい。その後、液面レ
ベルが下降した場合には、フロート5も下降して遊び運
動部中の下部ストッパー4nに近づき、やがては当接し
て、フロート支持部材4を軸部4cを中心とする時計方
向に回動させる、そして、フロート支持部材4上の重り
6が軸部4cの真上に至るまでの間は、フロート5の重
力による回動力が重り6を徐々に押上げて行き、重り6
が軸部4cの真上を通過した時点から、一転して重り6
の付勢力がフロート支持部材4の回動を加速し、弁体3
は弁座2から離れて全開する。
【0015】以上のように、本発明の液面制御弁装置
は、液面レベルが上限に近づいてフロート5の上昇速度
が遅くなっても、所定の位置に達したときにそのフロー
ト5の動きと切り離されて弁体3が軽少な力でしかも速
やかに閉鎖するので、弁体3の閉鎖直前でのチャタリン
グやハンチングが起こりにくく、弁体3や弁座2の耐久
性を向上させ、安定的な給液が可能になるという特長を
持つ。そして、そのままではその弁体3の開閉が性急す
ぎるという場合には、弁体3の開閉運動を制動する制動
手段(ダンパー)を付設しその制動力を調整することに
よって、簡単に所望の弁開閉速度に調整することができ
る。即ち、液面レベルの動きとは切り離して任意の弁開
閉速度を得られる構造となっているので、施設現場の状
況に都度対応でき、実用上極めて便利である。又、上記
遊び運動部4m〜4nが存在することによって、液面レ
ベルが上限に近づいたときに液面の波動によってフロー
ト5が揺れても、その揺れが弁体3に直接伝わるのを防
ぐクッションとして作用するので、液面の波動によるチ
ャタリングやハンチングも防止できる。
【0016】本発明はこのように、簡潔で合理的な構造
により設計・製作・維持管理が容易でコストが低廉であ
り、液面レベルの制御を自動的に且つ確実に行うと共
に、チャタリングやハンチングが起こりにくい高性能且
つ経済的な液面制御弁装置である。なお、後述するよう
に、弁上流側の圧力変動の影響を受けにくい形式にした
り、給液中の異物の目詰まりが起こりにくい形式にした
り、2液面制御の可能な形式にしたりするなど、各種応
用も可能である。
【0017】図3は、本発明の第2実施例を示したもの
で、弁閉鎖直前の状態を示す。この実施例は、第1実施
例における付勢部材6が重りの形態であったものを、ば
ねの形態のものに置き換えたもので、同様に、弁体3を
全開と全閉のいずれかの状態に片寄せするよう付勢する
働きをする。装置はよりコンパクトなものとなってお
り、又、その付勢力は付勢力調整部6aのねじを調節す
ることによって調整可能となっている。この付勢の機構
自体は、所謂「スナップ」「トグル」「タンブラー」と
称される周知の機構であって、同じ作用をするものであ
ればその形式は問わず、図示の圧縮ばねの代りに引っ張
りばねを用いた構造にしてもよく、その部材は図示のコ
イルばねの代りに板ばね等を利用してもよいし、又、他
の弾性体を利用してもよいし、更に、その取付け位置も
図示の位置に限る必要はないことは言うまでもない。そ
の他の構成及び作動態様は第1実施例と同様なので詳説
は省略する。
【0018】図4は、本発明の第3実施例を示したもの
で、弁閉鎖直前の状態を示す。この実施例は、第2実施
例のものの遊び運動部の形態を変えた一例であり、フロ
ート5に装着された棒がフロート支持部材4を貫通する
構造となっている。そしてストッパー4m;4nの間が
フロート5の遊び運動部となり、第2実施例と同様の作
動をする。その他の構成及び作動態様は第2実施例と同
様なので詳説は省略する。
【0019】図5は、本発明の第4実施例を示したもの
で、弁閉鎖直前の状態を示す。この実施例は、第3実施
例のものの遊び運動部の形態を更に変えた一例であり、
フロート5とフロート支持部材4とが可撓性や可動性を
持つ連結部材、例えば紐、ワイヤ、鎖、自在継手などに
よって連結された構造となっている。そしてその連結部
材の長さまでの範囲内でフロート5は遊び運動できるの
で、第3実施例と同様の作動をする。又、本発明におい
て制動手段(ダンパー)を付設してその制動力を調整す
ることによって弁体3の開閉速度を任意の速度に調整で
きることも、本図には例示されている。即ち、本図の場
合は付勢部材6を取り囲んで蛇腹状の容器が設けられ、
その容器の室8の内外の空気の連通路を絞り調整弁9等
で絞り調整することによって、該室8にダンパーの役目
を果たさせる。このダンパー機構自体は、周知の機構で
あって、同じ作用をするものであればその形式は問わ
ず、図示の蛇腹状容器の代りにピストン・シリンダーを
用いてもよく、エアーダンパーでもオイルダンパーでも
よいし、仕様によっては単純に弾性体を付設するだけで
もよいし、更にその取付け位置も図示の位置に限る必要
はないことは言うまでもない。
【0020】更に、フロート支持部材4の長さや曲げ角
度を調整することによって、フロート5の作動位置を周
囲の状況に応じて任意に調整できることも、本図には例
示されている。即ち、本図の場合はフロート支持部材4
に長さ調整部4eや曲げ角度調整部4fが設けられ、調
整ボルトやナット等を緩めて任意に調整後、再度固定す
ることで容易にフロート5の作動位置調整が行える。こ
の調整機構は同じ作用をするものであればその形式は問
わず、図示のものに限る必要はないことは言うまでもな
い。その他の構成及び作動態様は第3実施例と同様なの
で詳説は省略する。
【0021】図6は、本発明の第5実施例を示したもの
で、弁閉鎖直前の状態を示す。この実施例は、第3実施
例のものを上限レベルと下限レベルの2つの液面レベル
を感知して制御する2液面制御形式にしたものであり、
それを可能とするために、フロート5は所定の距離をお
いた第2フロート5bと適宜の紐、ワイヤ、鎖、棒など
によって連結されている。この2つのフロートを用いた
2液面制御形式の場合は、付勢部材6の付勢力と両フロ
ート5;5bの浮力と重量の作用力が適切に設定されて
いれば、フロート5とフロート支持部材4の間の遊び運
動部はなくても作動する。
【0022】その作動を見ると、液面レベルが上昇して
上限レベルに近づいたときは、フロート5の浮力がフロ
ート支持部材4を軸部4cを中心とする反時計方向に回
動させ、やがては付勢部材6の付勢力がフロート支持部
材4の回動を加速し、弁体3を弁座2に押し付けて閉鎖
させる。本実施例の場合は、このときにフロート5は液
面から若干跳ね出ることはあるが、以後の作動には特に
差し支えない。次に、液面レベルが下降しても、付勢部
材6の付勢力によって弁体3は弁座2に押し付けられた
ままであり、弁閉鎖状態を維持する。更に液面レベルが
下降して下限レベルに達すると第2フロート5bの浮力
が消失し、両フロート5;5bの合計重量がフロート支
持部材4にかかり、付勢部材6の付勢力を上回って、フ
ロート支持部材4を軸部4cを中心とする時計方向に回
動させる、そして、やがては付勢部材6の付勢力がフロ
ート支持部材4の回動を加速し、弁体3は弁座2から離
れて全開する。その後、液面レベルが上昇すると、第2
フロート5bの浮力が回復するが、付勢部材6の付勢力
によって弁体3は弁座2から離れたままであり、液面レ
ベルが上限レベルに近づくまでは開弁状態を維持する。
この一連の作動により、2液面制御が可能となるもので
ある。
【0023】第2フロート5bについては、浮力が重量
より大きい一般的なフロートでも差し支えないが、給液
の比重より大きい比重を有する重錘に置き換えると、フ
ロート5の下に常時垂れ下がることとなり、その浮遊の
ためのスペースが省略できて管理上好都合である。その
他の構成及び作動態様は第3実施例と同様なので詳説は
省略する。
【0024】図7は、本発明の第6実施例を示したもの
で、弁閉鎖直前の状態を示す。この実施例は、第5実施
例のもののフロート5とフロート支持部材4との間に第
1実施例の遊び運動部4m〜4nを組み込んだものであ
り、第5実施例のものに比較して更に軽少な作用力で作
動するという特長を持つ。即ち、第5実施例のものと異
なるところは、液面レベルが上限レベルまで上昇して付
勢部材6の付勢力が弁体3を閉鎖させるときに、フロー
ト支持部材4の運動が遊び運動部の存在によりフロート
5;5bとは切り離され、フロート5;5b込め動かす
必要がなくなるので、付勢部材6の付勢力が軽少です
む。その他の構成及び作動態様は第5実施例と同様なの
で詳説は省略する。
【0025】図8は、本発明の第7実施例を示したもの
である。この実施例は、第2実施例のものに、弁体3の
進退方向に係わる給液の作用圧力を相殺するバランス手
段を備えさせて、弁体3の開閉作動をより軽少な作用力
で行わせると共に、給液圧力の変動の影響も受けにく
く、目詰まりも起こりにくい形式にしたものである。本
実施例においては、フロート支持部材4は、互いに連結
されたレバー4bと弁棒4aの2節の部材で構成され
て、弁体3を図の上下方向に進退させると共に、弁体3
を全開と全閉のいずれかの状態に片寄せするよう付勢す
る付勢部材6を備えており、その弁体開閉の原理は第2
実施例と同じである。それに加えて、本実施例において
は、弁棒4a上の給液流路を挟んで弁体3の反対側の箇
所にバランス部材7が装着されており、その前後がシー
ル部材7sによって遮断されている。
【0026】その作動を見ると、給液の圧力は弁体3に
対して図の下方向に働くと同時に、バランス部材7に対
して図の上方向に働き、常に両方向の作用力が相殺され
るので、給液圧力が弁体3に偏圧を及ぼすことは防止さ
れ、弁体3を開閉駆動する力が軽少ですむ上、給液圧力
の変動の影響も受けにくい。なお、図示したように弁座
2の開口部も充分に大きくとれ、又、シール部材7sと
してダイヤフラムを用いれば、給液が異物を含んでいて
も目詰まりを起こす恐れはなく、清水以外の用途に使用
するときに好都合である。その他の構成及び作動態様は
第2実施例と同様なので詳説は省略する。
【0027】図9は、本発明の第8実施例を示したもの
である。この実施例は、第7実施例のものの遊び運動部
の形態を変えた一例であり、フロート支持部材4がフロ
ート5を貫通し、そしてフロート支持部材4上のストッ
パー4m;4nの間がフロート5の遊び運動部となって
第7実施例と同様の作動をする。なお、本発明において
は、付勢部材6としてばねを用いる方法の他に重りを併
用しても、いずれかを単独で使用しても差し支えないこ
と、及び、バランス部材7の大気側の室8をシール部材
7sとシール部4sによって密封し、その室8の内外の
空気の連通路を絞り調整弁9等で絞り調整することによ
って該室8にダンパーの役目を果たさせ、弁体3の開閉
速度を任意の速度に調整できることも、本図には例示さ
れている。その他の構成及び作動態様は第7実施例と同
様なので詳説は省略する。
【0028】図10は、本発明の第9実施例を示したも
のである。この実施例は、第8実施例のものを上限レベ
ルと下限レベルの2つの液面レベルを感知して制御する
2液面制御形式にしたものであり、それを可能とするた
めに、フロート5は、第5実施例の場合と同様に、所定
の距離をおいた第2フロート5bと適宜の紐、ワイヤ、
鎖、棒などによって連結されている。この2つのフロー
トを用いた2液面制御形式の場合は、付勢部材6の付勢
力と両フロート5;5bの浮力と重量の作用力が適切に
設定されていれば、フロート5とフロート支持部材4の
間の遊び運動部はなくても作動する。なお、第2フロー
ト5bについては、給液の比重より大きい比重を有する
重錘に置き換えてもよいことは既述の通りである。その
他の構成及び作動態様は第8実施例及び第5実施例と同
様なので詳説は省略する。
【0029】図11は、本発明の第10実施例を示した
ものである。この実施例は、第9実施例のもののフロー
ト5とフロート支持部材4との間に遊び運動部4m〜4
nを組み込んだものであり、第9実施例のものに比較し
て更に軽少な作用力で作動するという特長を持つ。即
ち、第9実施例のものと異なるところは、液面レベルが
上限レベルまで上昇して付勢部材6の付勢力が弁体3を
閉鎖させるときに、フロート支持部材4の運動が遊び運
動部の存在によりフロート5;5bとは切り離され、フ
ロート5;5b込め動かす必要がなくなるので、付勢部
材6の付勢力が軽少ですむ。その他の構成及び作動態様
は第9実施例と同様なので詳説は省略する。
【0030】図12は、本発明の第11実施例を示した
ものである。この実施例は、前記各実施例のフロート弁
Fを、より大きな流路の開閉を行う主弁装置Mを駆動す
るためのパイロットとして用いたものである。主弁装置
Mの構造そのものについては、前記「従来の技術」の項
及び図18にて説明したものと同様であり、主弁箱11
中に主弁体15と一体の主弁駆動部材16を駆動する主
弁駆動圧力室dが形成され、主弁駆動圧力室dは、絞り
調整弁20を介して主弁上流側の入口流路aに連通され
ると共に、フロート弁Fを介して主弁下流側液面に連通
され、フロート弁Fが開通すれば主弁駆動圧力室dの内
圧が主弁下流側圧力(以下「2次圧力」という)まで低
下し主弁体15が開弁して給液を開始し、フロート弁F
が閉鎖すれば主弁駆動圧力室dの内圧が主弁上流側圧力
(以下「1次圧力」という)まで上昇し主弁体15が閉
鎖して給液を停止するというものである。
【0031】このフロート弁Fとして前記各実施例のも
のを適用することによって、液面レベルが上限に近づい
てフロートの上昇速度が遅くなっても、所定の位置に達
したときにそのフロートの動きと切り離されてフロート
弁Fが速やかに閉鎖する上、ダンパーの制動力を調整す
ることによって、液面レベルの動きとは切り離して任意
のフロート弁開閉速度も得られるので、主弁装置M側の
チャタリングやハンチング、ひいてはウォーターハンマ
ーも防止でき、安定的な給液が可能になり、従来技術の
大幅な改良をもたらすものである。又、前述のように、
フロート弁Fを給液の圧力変動の影響を受けにくい形式
にしたり、給液中の異物の目詰まりが起こりにくい形式
にしたり、2液面制御の可能な形式にしたりするなどの
応用によって、主弁装置Mも含めた全体の性能や耐久性
を向上させることができる。
【0032】図13は、本発明の第12実施例を示した
ものである。この実施例は、主弁装置Mを駆動するパイ
ロット弁装置Pを設け、そのパイロット弁装置Pを作動
させるための流路を開閉する子パイロットとして、前記
各実施例のフロート弁Fを用いたものである。この実施
例においては、主弁装置M部分は第11実施例のものと
同様であるが、特にパイロット弁装置Pの基本部分につ
いて、国際公開WO98/15762(国際出願PCT
/JP97/03539)の構造を使用するものを例示
した。即ち、パイロット弁装置Pは、給液圧力と所定圧
力手段との対向作用力のバランスによって連動作動する
パイロットA弁とB弁とを備え、給液圧力が所定値より
高くなれば開通し、低くなれば閉鎖するA弁と、給液圧
力が所定値より高くなれば閉鎖し、低くなれば開通する
B弁とが、その中間に主弁装置Mの主弁駆動圧力室dを
介して、主弁上流側と主弁下流側との間に連通路によっ
て直列的に連通されている。
【0033】パイロット弁装置Pの弁箱21の中には、
A弁体24を収容したA弁室f、B弁体25を収容した
B弁室h、A弁室fとB弁室hの間の中間室g、そして
1次圧力室iが形成されている。A弁体24とB弁体2
5は同軸上にあって連動し、且つ、互いに相手の作動を
妨げないよう、シリンダー・ピストン様式の弁開閉機構
が適用されている。又、その作動時に、一方が開き一方
が閉鎖するという状態のみならず、両弁体24;25共
にほぼ閉鎖する状態も生み出し得る位置間隔に配設され
ている。22は弁箱蓋、23は受圧板、23sはシール
部材、26は両弁体24;25を受圧板23と一体的に
組み合わせる弁軸を示す。そして、受圧板23を挟んで
1次圧力室iの反対側は、大気に開放されると共に、所
定圧力手段としての付勢部材27が装着されている。こ
の付勢力即ちパイロット弁装置Pの作動圧力は、付勢力
調整部28で調整できる。A弁室fは入口流路aの1次
圧力に、中間室gは主弁駆動圧力室dに、B弁室hは出
口流路cの2次圧力に、夫々連通され、又、1次圧力室
iは絞り調整弁29を介して入口流路aの1次圧力に連
通されると共に、フロート弁Fの入口側に連通されてい
る。この構成により、1次圧力室i内の給液圧力の増減
によってA弁24とB弁25の開閉が切り替わり主弁装
置Mを駆動する仕組みとなっている。
【0034】その作動の態様を見ると、液面レベルが上
限レベルより下方にあってフロート弁Fが開通している
状態のときには、1次圧力室i内の給液圧力がフロート
弁F経由解放されるので、付勢部材27の力が1次圧力
室iの内圧に勝ち、A弁体24は閉鎖、B弁体25は開
通しており、それによって主弁駆動圧力室dの内圧は2
次圧力となっているので、主弁体15は開弁して給液し
ている。次に、液面レベルが上昇して上限レベルに達す
ると、前述の機構によりフロート弁Fが閉鎖し、1次圧
力室i内の給液圧力がフロート弁F経由解放できなくな
るので、1次圧力室iの内圧が付勢部材27の力に勝
ち、A弁体24は開通、B弁体25は閉鎖し、それによ
って主弁駆動圧力室dの内圧は1次圧力に向かって上昇
し、主弁体15は閉鎖して給液を停止する。
【0035】本実施例においては、A弁体24とB弁体
25が一本の弁軸26上に揃えて設けられ、一個の所定
圧力手段(付勢部材27)に対して一体的に連動して、
パイロット弁装置P内で1次圧力と2次圧力の混合を行
い、その合成圧力を主弁駆動圧力室dに送り込んで流況
変化に速やかに対応するという仕組みとなっており、こ
のため作動が迅速である。又、液面レベルが上限レベル
に近づいたときのフロート弁F及び主弁装置Mの挙動
も、前述のフロート弁Fの構造により安定的であり、チ
ャタリングやハンチング、ひいてはウォーターハンマー
も起こりにくい。
【0036】図14は、本発明の第13実施例を示した
ものである。この実施例は、第12実施例のものに定流
量制御機能を付与したものであり、パイロット弁装置P
の基本部分は、第12実施例と同様に、国際公開WO9
8/15762(国際出願PCT/JP97/0353
9)の構造を使用するものを例示した。その構成は、主
弁装置Mを流過する流路中にはオリフィス31が設けら
れており、パイロット弁装置Pは、流過流量の変化に伴
うオリフィス31の前後差圧の変化に対応して、そのオ
リフィス31の前後差圧が所定値より高くなれば開通
し、低くなれば閉鎖するA弁と、オリフィス31の前後
差圧が所定値より高くなれば閉鎖し、低くなれば開通す
るB弁とが、その中間に主弁装置Mの主弁駆動圧力室d
を介して、主弁上流側とフロート弁Fとの間に連通路に
よって直列的に連通されている。具体的に第12実施例
のパイロット弁装置Pと異なるのは、受圧板23を挟ん
でオリフィス前面圧力室iとオリフィス後面圧力室jが
設けられ、オリフィス前面圧力室iはオリフィス31の
前面(上流側)の流路a1に連通され、オリフィス後面
圧力室jはオリフィス31の後面(下流側)の流路a2
に連通され、又、B弁室hはフロート弁Fの入口側に連
通されている点である。
【0037】本装置は、液面レベルが上限レベルより下
方にあるときには、オリフィス31の設定開度に見合っ
た流量を流す定流量弁として作動する。即ち、設定流量
を下回る流量の場合は、オリフィス31開口部の抵抗は
小さいため、パイロット弁装置Pにおいては、付勢部材
27の力が、オリフィス前面圧力室iとオリフィス後面
圧力室jの内圧の差(即ち、オリフィス31の前後差
圧)に勝ち、受圧板23は図の右方向に押される。従っ
て、A弁体24は閉鎖、B弁体25は開通し、主弁駆動
圧力室dの内圧は2次圧力となるので、主弁体15は開
弁方向に作動し流量を増加させる。一方、設定流量を上
回る流量の場合は、オリフィス31開口部の抵抗が増大
するため、パイロット弁装置Pにおいては、オリフィス
前面圧力室iとオリフィス後面圧力室jの内圧の差(即
ち、オリフィス31の前後差圧)が付勢部材27の力に
勝ち、受圧板23は図の左方向に押される。従って、A
弁体24は開通、B弁体25は閉鎖し、主弁駆動圧力室
dの内圧は1次圧力となるので、主弁体15は閉鎖方向
に作動し流量を減少させる。このように、上流側の供給
流量の多寡などにより変化するオリフィス31の前後差
圧の変化を受けて、A弁体24とB弁体25が応動し、
主弁駆動圧力室dの内圧を適宜に増減して、主弁体15
の開度を調整しながら定流量を維持する。
【0038】なお、オリフィス31をハンドル32等に
て絞り操作することにより、流量を所期の定流量値に設
定でき、又、付勢部材27を付勢力調整部28にて調整
することにより、定流量値を微調整することができる。
本装置は、このように定流量制御機能を備えていること
により、フロート弁Fが開弁して給液しているときに1
次圧力が高くても、その吐き出し流動は極めて穏当であ
り、又、過度の給液が起こらない等の特長がある。更
に、どの流路部分にも固定絞り部がないので、給液中の
異物の目詰まりが起こりにくいという特長も併せ持つ。
一方、液面レベルが上限レベルまで上昇したときには、
フロート弁Fの閉鎖により主弁駆動圧力室dの内圧が上
昇し、主弁体15を閉鎖させるが、本発明のフロート弁
Fの採用によって、主弁装置M側のチャタリングやハン
チング、ひいてはウォーターハンマーも起こりにくく安
定した作動を行うことは、第12実施例の場合と同様で
ある。
【0039】なお、図14には、主弁装置Mを緩徐に作
動させたい場合の制動方法の一例として、主弁駆動部材
16自体に制動手段(ダンパー)を形成したものが図示
されている。その構造は、主弁箱11の円筒状壁部13
には縮径部を備え、主弁駆動部材16には拡径部を備
え、その縮径部と拡径部との間に、主弁駆動部材16の
進退運動を制動するダンパー室18が形成されたもので
ある。このダンパー室18の形状の設計を適切に行い、
あるいはダンパー室18の内外を連通しかつ通過流量を
調整できる小孔を穿設するなどの方法によって、制動開
始のタイミングの設定や制動力の調整が行えることは言
うまでもない。その他の構成及び作動態様は第12実施
例と同様なので詳説は省略する。
【0040】図15は、本発明の第14実施例を示した
ものである。この実施例は、第13実施例のもののフロ
ート弁Fを、第5、6、9、10実施例で述べた2液面
制御形式のものに置き換えた実施例であり、2液面での
制御を行いつつ、給液時には定流量制御機能を発揮する
自動弁としたものである。その他の構成及び作動態様は
第13実施例と同様なので詳説は省略する。
【0041】図16は、本発明の第15実施例を示した
ものである。この実施例は、第14実施例のものから定
流量制御機能を取り去り、2液面制御を2つのフロート
弁F;F’によって行わせる実施例である。その構造
は、オリフィス31が取り除かれ、パイロット受圧板2
3を挟んだ室i(1次圧力室となる)と室j(2次圧力
室となる)は入口流路aと出口流路cとに夫々連通され
ており、又、B弁室hは第1フロート弁Fの入口側に連
通されると共に、主弁駆動圧力室dが第2フロート弁
F’の入口側に連通されている。そして主弁装置Mの前
後差圧の増減によってパイロット弁装置PのA弁とB弁
の開閉が切り替わり、2液面制御を行う仕組みとなって
いる。
【0042】その作動の態様を見ると、液面レベルが下
限レベルより下方にあるときには、第1フロート弁Fも
第2フロート弁F’も開通しており、それによって主弁
駆動圧力室dの内圧は2次圧力となっているので、主弁
体15は開弁して給液している。このときパイロット弁
装置Pにおいては、1次圧力室iと2次圧力室jの内圧
の差(即ち、主弁装置Mの前後差圧)が小さく、付勢部
材27の力がその差圧に勝っているので、A弁体24は
閉鎖、B弁体25は開通している。次に、給液によって
液面レベルが上昇するにつれ、まず第2フロート弁F’
が閉鎖するが、依然としてB弁体25及び第1フロート
弁Fは開通の状態であり、主弁駆動圧力室dの内圧は2
次圧力のままとなっているので、主弁装置Mの給液は維
持される。
【0043】次に、液面レベルが更に上昇して上限レベ
ルに達すると、第1フロート弁Fが閉鎖し、それによっ
て主弁駆動圧力室dの内圧は1次圧力に向かって上昇
し、主弁体15を閉鎖させる。このときパイロット弁装
置Pにおいては、1次圧力室iと2次圧力室jの内圧の
差が大きくなるので、付勢部材27の力に勝ち、A弁体
24は開通、B弁体25は閉鎖する。次に、下流側の消
費によって液面レベルが低下するにつれ、まず第1フロ
ート弁Fが開通するが、依然としてB弁体25は閉鎖の
状態であり、又このとき第2フロート弁F’も閉鎖の状
態であるから、主弁駆動圧力室dの内圧は1次圧力のま
まとなっており、主弁装置Mは閉鎖したままである。
【0044】次に、液面レベルが更に低下して下限レベ
ルに達すると、第2フロート弁F’が開通し、それによ
って主弁駆動圧力室dの内圧が2次圧力に向かって低下
し、主弁体15を開弁させ、再び主弁装置Mから下流側
への給液が開始される。このときパイロット弁装置Pに
おいては、1次圧力室iと2次圧力室jの内圧の差が小
さくなるので、付勢部材27の力がその差圧に勝ち、再
びA弁体24は閉鎖、B弁体25は開通する。以上の一
連の作動によって、定流量制御機能はないものの、2液
面制御が可能となるものである。なお、本実施例の場
合、第1フロート弁Fには本発明のフロート弁を適用し
ているが、第2フロート弁F’については、主弁装置M
の開弁用のトリガーとして用いるに過ぎないものである
から、本発明のフロート弁を必ずしも適用する必要はな
く、従来技術のフロート弁でもよいことが図示されてい
る。その他の構成及び作動態様は第14実施例と同様な
ので詳説は省略する。
【0045】以上説明した通り、本発明の液面制御弁装
置は画期的な作用効果を生み出すが、更に、本発明の趣
旨の範囲内で、種々構造的変化を加えたり従来技術を援
用して、実施上の要請に応えることが可能である。例え
ば、フロート弁F中の弁体3を全開と全閉のいずれかの
状態に片寄せするよう付勢する付勢部材6については、
実施例によって、重りを用いたものや、ばねを用いたも
のが図示されているが、そのいずれの方法をいずれの実
施例に適用してもよいことは言うまでもない。制動手段
(ダンパー8)については、いくつかの実施例中に図示
されているが、他のいずれの実施例にも適用できること
は言うまでもない。フロート支持部材4の構造について
は、二重にレバーを連結してフロートからの作用力を倍
力する所謂「複式」の構造にしてもよいことは勿論であ
る。フロート弁Fの設置方法については、配管の末端に
そこから放流させるように介設したり、あるいは配管の
途中に介設するなど、現地の仕様に合わせて適宜に選択
してよいことは勿論である。
【0046】なお、第2フロート5bを導入した2液面
制御形式の実施例として、図6、7、10、11を示し
たが、その他の実施例においても、遊び運動部の幅を大
きくとることにより、ある程度の2液面制御は可能であ
る。即ち、図1、2、3、4、8、9においてはストッ
パー4m;4nの間隙を大きくしたり、図5においては
フロート5とフロート支持部材4との間の連結部材を長
くしたりすることにより、第2フロート5bを用いなく
ても実質的に2液面制御を行える。但し、2液面のレベ
ル差を任意に大きく設定したい場合は、第2フロート5
bを用いる形式とする方が設計上の自由度は高い。
【0047】パイロット弁装置Pについては、図示は省
略したが、両弁体24;25の配置を変えて中間室gの
中に同居させることも可能である。又、該弁体24;2
5を別個の弁軸上に夫々設けてもよい。その他にも、パ
イロット弁装置Pの各室f;g;h;i;jの配置(位
置関係)及び組み合わせ、それに伴う連通路配管等、こ
の発明の趣旨の範囲内で設計変更可能であり、パイロッ
ト弁装置Pの構造を前記の各実施例に限定するものでは
ない。その所定圧力手段としての付勢部材27について
は、各図にはコイルばねを例示したが、他の弾性部材を
用いたり、重錘にリンクしたり、倍力機構を付加した
り、気圧、液圧装置等を適用してもよいことは勿論であ
る。
【0048】主弁装置Mについては、各実施例において
は、主弁体15にリフト弁形式を適用しているが、この
発明の趣旨の範囲内で、その他の形式の開閉弁(例え
ば、バタフライ弁、ゲート弁、ボール弁等)を適用して
もよい。又、いくつかの実施例に示したように、主弁体
15と主弁駆動部材16とは、一体部材に形成してもよ
い。逆に、この主弁体15と主弁駆動部材16を、2つ
に分割した主弁箱の夫々に収め、この2つの弁箱を貫通
させた主弁軸の両端に主弁体15と主弁駆動部材16を
固着する等の構造にしても差し支えない。なお、図12
における主弁ばね19は、最初の通液時の主弁体15の
作動の安定上は望ましいものではあるが、以後の作動に
は特に関係がないので省略してもよい。
【0049】仕様条件によっては、チャタリングやハン
チングを確実に防止するために、図13に示したように
主弁開口部bの形状を流量変化をスムーズにする鋸歯状
の流路としたり、図14〜16に示したように主弁駆動
部材16自体にダンパー18を形成したり、あるいは、
主弁装置Mに他の制動手段を設けたりしてもよい。その
他、図示は省略するが、パイロット弁装置Pに制動手段
を設けたり、適宜に連通路を絞ったりする等の方法もあ
る。それらの対処方法は、いずれかを単独で採用して
も、いくつかを組み合わせて採用してもよいし、それが
必要とされない仕様条件下においては省略してもよい。
【0050】定流量制御機能を構成する場合に介設する
オリフィス31については、それを可変式とする場合に
は、一般的な開閉弁(例えば、バタフライ弁、ゲート
弁、ボール弁、リフト弁等)のいずれでも適用できる。
そして、その操作については、ハンドル32による手動
操作の他にも、各種アクチュエーター等を用いて自動化
することも勿論可能である。このオリフィス31の設置
位置は主弁上流側、下流側のどちらでも可能である。
又、パイロット弁装置Pの所定圧力手段(付勢部材2
7)に付勢力調整部28を設けた場合は、この所定圧力
手段の調整が即ち流量設定を意味するものであるから、
オリフィス31の絞り操作による流量設定は必ずしも必
要ではなく、オリフィス31は固定オリフィスとしても
よい。勿論、固定オリフィスでも組換えは可能にしてお
くことが望ましい。
【0051】各連通路に設けられる絞り調整弁20;2
9等については、いずれも開閉機能を有するものであれ
ば形式を問わず、例えばゲート弁、玉型弁、ボール弁、
リフト弁、ニードル弁、コック等適宜に選択できること
は勿論である。各実施例にわたり、密封性を要する箇所
に装着されるシール部材については、現地の仕様に合わ
せて適宜にOリング、パッキン、シールリング、ダイヤ
フラム、ベローズ等を適用してよく、又、直接接触によ
り良好な密封性を保持できる場合は、該シール部材を省
略してもよい。なお、各弁体と弁座の当接面の形状をコ
ーン状や曲面状にしたり、キャビテーションやハンチン
グを防止するために弁体又は弁座に櫛歯状突起や整流格
子を設ける等の従来技術を援用してもよい。そのほか、
この発明の趣旨の範囲内で種々設計変更可能であり、こ
の発明を前記の各実施例に限定するものではない。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明の液面制御弁装置
においては、液面レベルが上限に近づいてフロートの上
昇速度が遅くなっても、所定の位置に達したときにその
フロートの動きと切り離されて弁体が速やかに閉鎖する
ので、弁体の閉鎖直前でのチャタリングやハンチングが
起こりにくく、弁体や弁座の耐久性を向上させ、安定的
な給液が可能になる。そして、弁体の開閉運動を制動す
る制動手段を付設しその制動力を調整することによっ
て、液面レベルの動きとは切り離して任意の弁開閉速度
を得られるので、施設現場の状況に都度対応でき、実用
上極めて便利である。又、前記遊び運動部が存在するこ
とによって、液面レベルが上限に近づいたときに液面の
波動によってフロートが揺れても、その揺れが弁体に直
接伝わるのを防ぐクッションとして作用するので、液面
の波動によるチャタリングやハンチングも防止できる。
【0053】本発明はこのように、簡潔で合理的な構造
により設計・製作・維持管理が容易でコストが低廉であ
り、液面レベルの制御を自動的に且つ確実に行うと共
に、チャタリングやハンチングが起こりにくい高性能且
つ経済的な液面制御弁装置である。なお、弁上流側の圧
力変動の影響を受けにくい形式にしたり、給液中の異物
の目詰まりが起こりにくい形式にしたり、2液面制御の
可能な形式にしたりするなど、各種応用も可能である。
従って、実施効果の顕著さは従来技術と比較して極めて
大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液面制御弁装置の第1実施例の縦断面
図であり、弁閉鎖直前の状態を示したものである。
【図2】本発明の液面制御弁装置の第1実施例の縦断面
図であり、弁閉鎖直後の状態を示したものである。
【図3】本発明の液面制御弁装置の第2実施例の縦断面
図である。
【図4】本発明の液面制御弁装置の第3実施例の縦断面
図である。
【図5】本発明の液面制御弁装置の第4実施例の縦断面
図である。
【図6】本発明の液面制御弁装置の第5実施例の縦断面
図である。
【図7】本発明の液面制御弁装置の第6実施例の縦断面
図である。
【図8】本発明の液面制御弁装置の第7実施例の縦断面
図である。
【図9】本発明の液面制御弁装置の第8実施例の縦断面
図である。
【図10】本発明の液面制御弁装置の第9実施例の縦断
面図である。
【図11】本発明の液面制御弁装置の第10実施例の縦
断面図である。
【図12】本発明の液面制御弁装置の第11実施例の縦
断面図である。
【図13】本発明の液面制御弁装置の第12実施例の縦
断面図である。
【図14】本発明の液面制御弁装置の第13実施例の縦
断面図である。
【図15】本発明の液面制御弁装置の第14実施例の縦
断面図である。
【図16】本発明の液面制御弁装置の第15実施例の縦
断面図である。
【図17】従来技術の液面制御弁装置の一例を示した縦
断面図である。
【図18】従来技術の液面制御弁装置の一例を示した縦
断面図である。
【符号の説明】
F…本発明のフロート弁 F’…従来技術のフロート
弁 1…容器 1a…入口流路 1b…出口流路 2
…弁座 3…弁体 4…フロート支持部材 4a…フロート支持部材(弁
棒) 4b…フロート支持部材(レバー) 4c…軸部 4e…長さ調整部 4f…曲げ角度調整部 4m…ストッパー 4n…ストッパー 4s…シー
ル部 5…フロート 5b…第2フロート(又は重錘) 6…付勢部材 6a…付勢力調整部 7…バランス
部材 7s…シール部材 8…ダンパー(室) 9…絞り
調整弁 M…主弁装置 11…主弁箱 12…主弁箱蓋 13…円筒状壁部
14…主弁座 15…主弁体 16…主弁駆動部材 17…主弁軸 18…ダンパー(室) 19…主弁ばね 20…絞
り調整弁 P…パイロット弁装置 21…弁箱 22…弁箱蓋 23…受圧板 23
s…シール部材 24…A弁体 25…B弁体 26…弁軸 27
…付勢部材 28…付勢力調整部 29…絞り調整弁 31…オリフィス 32…ハンドル a(a1;a2)…主弁入口流路 b…主弁開口部
c…主弁出口流路 d…主弁駆動圧力室 f…A弁室 g…中間室 h…B弁室 i…オリフィス前面圧力室(又は1次圧力室) j…オリフィス後面圧力室(又は2次圧力室)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロートの上下動に連係して給液流路を
    開閉する液面制御弁装置において、フロートが、フロー
    ト支持部材を介して、給液流路を開閉する弁体に連結さ
    れ、該弁体を全開と全閉のいずれかの状態に片寄せする
    よう付勢する付勢手段を備えると共に、該フロートとフ
    ロート支持部材との間に遊び運動部を有することを特徴
    とする液面制御弁装置。
  2. 【請求項2】 フロートの上下動に連係して給液流路を
    開閉する液面制御弁装置において、フロートが、フロー
    ト支持部材を介して、給液流路を開閉する弁体に連結さ
    れ、該弁体を全開と全閉のいずれかの状態に片寄せする
    よう付勢する付勢手段を備えると共に、該フロートが所
    定の距離をおいた第2フロートと連結されたことを特徴
    とする液面制御弁装置。
  3. 【請求項3】 フロートの上下動に連係して給液流路を
    開閉する液面制御弁装置において、フロートが、フロー
    ト支持部材を介して、給液流路を開閉する弁体に連結さ
    れ、該弁体を全開と全閉のいずれかの状態に片寄せする
    よう付勢する付勢手段を備えると共に、該フロートとフ
    ロート支持部材との間に遊び運動部を有し、かつ該フロ
    ートが所定の距離をおいた第2フロートと連結されたこ
    とを特徴とする液面制御弁装置。
  4. 【請求項4】 前記第2フロートが、給液の比重より大
    きい比重を有する重錘に置き換えられたことを特徴とす
    る、請求項2又は3に記載の液面制御弁装置。
  5. 【請求項5】 前記弁体の開閉運動を制動する制動手段
    を備えたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに
    記載の液面制御弁装置。
  6. 【請求項6】 前記弁体に対する給液の圧力作用方向の
    逆方向に該給液の圧力を受け止めて、該弁体の進退方向
    に係わる該給液の作用圧力を相殺するバランス手段を備
    えたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載
    の液面制御弁装置。
  7. 【請求項7】 前記弁体が、より大きな流路の開閉を行
    う主弁装置を駆動するためのパイロット流路を開閉する
    ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の液
    面制御弁装置。
  8. 【請求項8】 前記弁体が、より大きな流路の開閉を行
    う主弁装置を駆動するパイロット弁装置を作動させるた
    めの流路を開閉することを特徴とする、請求項1〜6の
    いずれかに記載の液面制御弁装置。
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