JPH11322746A - 抗ヘルペスウイルス剤 - Google Patents

抗ヘルペスウイルス剤

Info

Publication number
JPH11322746A
JPH11322746A JP16908298A JP16908298A JPH11322746A JP H11322746 A JPH11322746 A JP H11322746A JP 16908298 A JP16908298 A JP 16908298A JP 16908298 A JP16908298 A JP 16908298A JP H11322746 A JPH11322746 A JP H11322746A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deazaflavin
methyl
propyl
virus
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16908298A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiko Kawai
明彦 河合
Fumio Yoneda
文郎 米田
Masanori Katsurada
正徳 桂田
Yoshihiko Murai
良彦 村井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujimoto Brothers Co Ltd
Original Assignee
Fujimoto Brothers Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujimoto Brothers Co Ltd filed Critical Fujimoto Brothers Co Ltd
Priority to JP16908298A priority Critical patent/JPH11322746A/ja
Publication of JPH11322746A publication Critical patent/JPH11322746A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】5−デアザフラビン誘導体を有効成分とする抗
ヘルペスウイルス剤を提供する。 【構成】 一般式(1) (式中、R及びRは炭素数1〜4のアルコキシ基、
共に閉環したメチレンジオキシ基、ハロゲン原子または
水素原子を表す。但し、RとRは同時に水素とはな
らず、また、一方が水素の場合他方はプロポキシ基とな
らない。)で示される5−デアザフラビン誘導体を有効
成分とする抗へルペスウイルス剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、5−デアザフラビン誘
導体を有効成分とする抗ヘルペスウイルス剤を提供す
る。
【0002】
【従来の技術】ヘルペスウイルスは、二本鎖DNAをゲ
ノムとして有する大型のウイルスで、各種間における宿
主域、増殖速度、潜伏組織親和性等の生物学的性状の差
異に基づき、大きくα、β、γの3亜科に分類される。
ヒトを宿主とするヘルペスウイルス種は、α亜科に属す
るものとしては、単純ヘルペスウイルス1型(HSV−
1)及び2型(HSV−2)、水痘・帯状疱疹ウイルス
(VZV)の3種があり、β亜科に属するものとして
は、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)とヒトヘル
ペスウイルス6型(HHV−6)及び7型(HHV−
7)の3種、そしてγ亜科に属するものとしてはエプス
タイン・バールウイルス(EBV)およびヒトヘルペス
ウイルス8型(HHV−8)が知られている。
【0003】このようなヘルペスウイルスは、宿主に対
して不顕性に潜伏感染することを本質的特徴とするが、
特にヒトを宿主とするものについては、初感染時及び種
々の刺激により発症して重篤な疾患の原因となることが
多く、WHOが勧告する『将来抗ウイルス剤を必要とさ
れる病原性ウイルス』の1つに挙げられている。中でも
ヘルペスウイルス感染症として重要なものは、以下に掲
げるものである。
【0004】単純ヘルペスウイルス感染症は、HSV−
1,2を原因とする疾患で、初感染時に皮膚又は粘膜に
感染して限局性水疱性病変を形成する。その後、自律神
経節に潜伏感染し、種々の刺激によって再発して口唇ヘ
ルペス及び性器ヘルペス等を発症する。一方、VZVは
初感染時に水痘(水疱瘡)を発症させ、その後神経節に
潜伏感染し、単純ヘルペスと同様に再活性化して帯状疱
疹を再発させる。これは一定の神経支配領域に沿ってヘ
ルペスが帯状に配列し、神経痛様の疼痛を伴う事を特徴
とするが、神経痛や運動麻痺等の後遺症を残す場合があ
る。サイトメガロウイルス感染症は、多くの場合、免疫
抑制状態の患者においてみられ、特に最近は、後天性免
疫不全症候群(AIDS)、強力な免疫抑制療法を受け
た癌患者、臓器移植を受けた患者に発生する感染症であ
る。またサイトメガロウイルス感染症は稀な疾患である
にも拘わらず重篤であり、失明や死亡に至る例が多い。
この感染症の原因であるHCMVも他のヘルペスウイル
スと同様に、感染により通常は無症候性の潜伏感染とな
るが、免疫抑制状態に陥ることにより高率に再活性化し
て肺炎、網膜炎等の重篤な疾患を引き起こす。
【0005】現在、ヘルペスウイルス感染症の治療には
核酸系抗ウイルス剤が広範に用いられており、中でもア
シクロビルはウイルスに対する選択毒性が良好で、特に
単純ヘルペスウイルスに対して効果を示す。しかし、ア
シクロビルは腸管吸収が悪く、血中濃度の維持が困難で
あるほか、VZVおよびHCMVに対しては効果が弱い
という欠点を有する。そのため、より高い活性濃度が要
求されるVZVにはソリブジン、同じくHCMVに対し
てはガンシクロビルが有効であると言われている。しか
し、ソリブジンは高い選択毒性を有するものの、抗癌剤
の5−フルオロウラシルとの併用により死亡例を含む重
篤な副作用が認められ、一般に使用されていないのが現
状である。一方、核酸系抗ウイルス剤と総称される化合
物群は、一般にウイルス宿主細胞内において活性化さ
れ、ウイルスのDNA合成を阻害して抗ウイルス作用を
示す。従って、ウイルスに対する選択毒性が低い場合に
は、生体内の正常細胞においてもDNA合成阻害活性に
基づく副作用を呈し、特にサイトメガロウイルス対して
現在最も有効とされているガンシクロビルにおいては白
血球減少、血小板減少等の造血器障害が多いことが報告
されている(現代医療、24巻、7号、411頁(19
92年))。これは従来薬剤における第一の問題点とし
て指摘されるものである。
【0006】従来薬剤における第二の問題点として、同
様の作用機序を有する抗ウイルス剤の多用は、ウイルス
の薬剤耐性株を生ずる危険性があることが指摘されてい
る。すなわち、核酸系抗ウイルス剤の代表であるアシク
ロビルは、宿主細胞内のα亜科ヘルペスウイルス(例え
ば、HSV−1)等に由来するチミジンキナーゼによっ
て1−リン酸化され、最終的に細胞内で活性型である3
−リン酸化体となり、DNAポリメラーゼを阻害して抗
ウイルス作用を示すが、チミジンキナーゼを産生しない
ヘルペスウイルスの変異株が既に出現していることが報
告されている。そして、このチミジンキナーゼ欠損変異
株は、アシクロビル以外の核酸系抗ヘルペスウイルス剤
などに対しても耐性を示すことが知られている〔最新医
学、44巻、1号、第101頁(1989年)〕。ま
た、β亜科ヘルペスウイルスであるHCMVに関しても
同様に、HCMV特有のリン酸化酵素を産生しないガン
シクロビル耐性株の出現が報告されている〔臨床と研
究、74巻、9号、第11及び85頁(1997
年)〕。
【0007】一方、無機ピロリン酸の構造類似体である
フォスカーネットナトリウムにおいて抗ヘルペスウイル
ス活性が見出され、このものは核酸系とは異なる作用機
序を示すことで注目された。すなわち、ヘルペスウイル
スのDNAポリメラーゼのピロリン酸結合部位に直接作
用して、DNAポリメラーゼ阻害活性を示し、チミジン
キナーゼ欠損ウイルス等に対しても有効な抗ヘルペスウ
イルス活性がみられると言うものである。しかし、これ
についても、腎障害等の種々の副作用を生じることがあ
り、適応症はAIDS患者におけるCMV網膜炎だけに
限られ、他のCMV感染症や予防の目的の使用は認めら
れていない。また、程度は少ないものの既にヘルペスウ
イルスのDNAポリメラーゼ変異の耐性株が出現してい
るとの報告がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この様に、抗ウイルス
剤の分野においては、副作用と耐性株の出現は常に伴う
問題であり、新たな優れた抗薬剤の開発が要望されてお
り、かかる新規且つ有効な抗ヘルペスウイルス剤を提供
することが本発明目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この様な
核酸系抗ウイルス剤特有の副作用の軽減をはかるために
は、宿主細胞と正常細胞において、より選択的に効果を
奏するような化合物の探索が検討される必要があるが、
何れにせよ核酸系抗ウイルス剤の構造変換のみであれば
核酸系本来の作用機序に由来する副作用の発現の回避は
期待できず、耐性の発現も早いと考え、核酸系抗ウイル
ス剤等の従来から医薬品として用いられている抗ウイル
ス剤には見られない、新規な抗ヘルペスウイルス剤を提
供することを目的とし、鋭意研究を行った結果、核酸系
とは全く異なる化学構造を持つ5−デアザフラビンのア
ルコキシあるいはハロゲン誘導体において、強力な抗ヘ
ルペスウイルス活性を有することを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0010】フラビン化合物とは、ビタミンBとして
知られるリボフラビンを含む化合物群の総称で、フラビ
ン系酵素の補欠分子族として生体内必須物質として機能
しているものであり、一群のフラビン誘導体に、ヒト免
疫不全ウイルス(HIV)の抑制作用がみられること、
その中でもリボフラビン及びフラビンモノヌクレオチド
(FMN)等が特に好ましい効果を示したことが開示さ
れている。しかし、RNAウイルスであるHIVはDN
Aウイルスであるヘルペスウイルスとは生物学的に全く
異なる種族であり、本発明の5−デアザフラビン誘導体
は、フラビン化合物の5位窒素を炭素に等価変換した特
有の化学構造を有する化合物であり、酸化還元触媒活性
を有する他、ミトコンドリアの酸化的リン酸化における
ATP産生機能に影響を及ぼすこと等は既知であるが、
ヘルペスウイルスに対する作用は新規である。
【0011】本発明は、このような生体内必須物質類似
の骨格を持つ化合物群、すなわち、一般式(1)
【0012】
【化1】
【0013】(式中、R及びRは炭素数1〜5のア
ルコキシ基、共に閉環したメチレンジオキシ基、ハロゲ
ン原子または水素原子を表す。但し、RとRは同時
に水素とはならず、また、一方が水素の場合他方はプロ
ポキシ基とならない。)で示される5−デアザフラビン
誘導体を抗ヘルペスウイルス剤として提供するものであ
る。ここで一般式(1)に示される化合物は、既知の一
般的な合成方法によって製造することができる。例え
ば、特開平3−81276号において開示され、以下の
反応例に従って製造することができる。即ち、一般式
(2)
【0014】
【化2】
【0015】で示される6−N−プロピルアミノウラシ
ル誘導体を、一般式(3)
【0016】
【化3】
【0017】(式中、R及びRは前記と同じ)で示
される置換ベンズアルデヒドと共に酢酸中加熱還流し
て、一般式(4)で示されるアリルビス−(6−N−プ
ロピルアミノウラシル−5−イル)メタンを中間体とし
て得る。
【0018】
【化4】
【0019】(式中、R及びRは前記と同じ)
【0020】次いで、過剰のジエチルアゾジカルボキシ
レート(以下、DEADと言う。)を加えて(4)が融
解する温度で加熱攪拌することにより、一般式(1)で
示される5−デアザフラビン誘導体を得ることができ
る。
【0021】
【化1】
【0022】本化合物は、ヘルペスウイルス感染症の治
療を目的とした医薬として用いることができるが、その
治療がウイルスの内部感染に対する治療か、又は外部感
染に対する治療かに応じて、経口的、非経口的(例え
ば、静脈注射、筋肉内注射等)、局所的、経腸的かを選
択して投与することができる。一般に、内部感染に対し
ては、担体、賦形剤、希釈剤、溶解補助剤と混合した組
成物を錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、
注射剤等の形態で経口的又は非経口的に投与することが
できる。他方、眼、口、皮膚等における外部感染に対し
ても、各剤形に応じた賦形剤等との組成物を軟膏剤、ク
リーム剤、噴霧剤等として感染局所又はその周辺に適用
することができる。例えば、サイトメガロウイルス性網
膜炎等の治療及び予防に対しては、1〜300mg/k
gの薬量レベルで経口または非経口的に投与することが
でき、更に、1〜10%の濃度で白色ワセリン等の脂溶
性軟膏基剤と共に眼軟膏剤として適用することもでき
る。またその他の医薬製剤として使用可能な持続性放出
薬物供給システムを利用することにより投与することも
できる。
【0023】以下、実施例を示して更に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0024】
【実施例1】8−ブトキシ−3−メチル−10−プロピ
ル−5−デアザフラビン(化合物番号1)の製造 3−メチル−6−プロピルアミノウラシル(1.18
g,6.5mmol)と4−ブトキシベンズアルデヒド
(1.15g,6.5mmol)を酢酸(40ml)に
懸濁した液を4時間加熱還流した。冷却後、酢酸を留去
した残渣にエタノールを加えるとき析出する白色沈殿を
濾別してエタノール、ジエチルエーテルで洗浄してp−
ブトキシビス−(6−N−プロピルミノウラシル−5−
イル)メタン(1.13g,2.1mmol,66%)
を得た。次いで得られた化合物(1.06g,2.02
mmol)にDEAD(2.02g,11.6mmo
l)を加え、180℃で原料が完全に融解するまで約3
0分間加熱した。反応混合物が固化しないうちにエタノ
ールを加えて激しく攪拌し、この時析出する結晶を濾別
後、更にエタノールから再結晶して8−ブトキシ−3−
メチル−10−プロピル−5−デアザフラビン(0.2
8g,41%)を黄色針状結晶として得た。
【0025】m.p.183〜185℃ H−NMR(CDCl,60MHz) δ(pp
m):1.09(3H,t,J=6.6Hz),1.3
6(3H,t,J=6.0Hz),1.53−2.58
(6H,m),3.68(3H,s),4.46(2
H,t,J=6.0Hz)4.62−5.06(2H,
m),7.53(1H,brs),7.68(1H,d
d,J=1.6,9.0Hz),8.39(1H,d,
J=9.0Hz),9.61(1H,s). IR(KBr,cm−1)3040,2960,170
0,1658,1620,1543,1465,141
5,1262,1230,1165. 元素分析 理論値 C:66.84,H:6.79,N:12.31(%) 実測値 C:66.97,H:6.79,N:12.34(%)
【0026】
【実施例2】実施例1と実質的に同様の方法により、対
応する置換ベンズアルデヒドを用いて、表1に示す化合
物番号2〜13の各化合物を得た。
【0027】
【表1】
【0028】
【実施例3】〔抗HCMV活性試験〕培養ヒト細胞にお
いて多段階のHCMV感染が起こる条件下で、化合物1
〜13の抗ヘルペスウイルス作用を調べた。即ち、ヒト
胎児肺由来の2倍体正常細胞(MRC−5)に対してH
CMV(AD169)株を、数10:1の割合で感染さ
せ、培養液に種々の濃度の化合物1〜13試験液を添加
し、その後1週間培養しながら経時的にウイルス培養に
伴う細胞変性効果の有無を指標として評価した。この
時、化合物1〜13の増量による宿主細胞の死滅を指標
として細胞毒性についても判断した。また、対照化合物
としてリボフラビン、フラビンモノヌクレオチド(FM
N)、ガンシクロビルを用いて同様の方法により抗ヘル
ペスウイルス活性を調べ、化合物1〜13の結果と比較
した。これらの結果を表2に示した。
【0029】
【表2】
【0030】
【実施例4】〔抗HSV−1活性試験〕同様にして、表
3記載の化合物のHSV−1に対する抗ウイルス活性を
調べた。即ち、Hela細胞に対してHSV−1(Ce
ll−rounding type)株を、数10:1
の割合で感染させ、培養液に種々の濃度の化合物試験液
を添加し、その後2日間培養しながら経時的にウイルス
培養に伴う細胞変性効果の有無を指標として評価した。
この時、化合物の増量による宿主細胞の死滅を指標とし
て細胞毒性についても判断した。この時の結果を表3に
示した。
【0031】
【表3】
【0032】
【実施例5】〔ラット肝初代培養細胞を用いた細胞毒性
試験〕コラゲナーゼ潅流法を用いてラットから採取した
肝細胞を5×10細胞/mlの懸濁液に調製し、これ
を24時間培養した。次いで、10μM濃度に表4記載
の化合物を含むウイリアムズE培地(ギブコ・イー・ア
ール・エル)に交換した後、さらに24時間経過した時
点における培地中に放出された乳酸脱水素酵素(LD
H)の活性を測定した。同試験を1化合物につき4例実
施し、その平均を表4に示すとともに、対照溶媒である
0.5%DMSO/水における同試験の結果を1とした
場合の比率を示した。
【0033】
【表4】
【0034】
【実施例6】〔単回投与におけるマウスの急性毒性試
験〕ddY系マウスの雄3匹からなる群に、表5記載の
化合物を200及び2000mg/kgの投与量でそれ
ぞれ単回経口投与し、投与日から14日間、一般症状観
察を行った。その結果、表5の如く50%致死量(LD
50)はいずれも2000mg/kg以上であった。
【0035】
【表5】
【0036】
【発明の効果】一般式(1)で表される5−デアザフラ
ビン誘導体はヘルペスウイルスに対して強い抗ウイルス
活性を示し、例えば代表的なα亜科ヘルペスウイルスで
あるHSV−1、同じく代表的なβ亜科ヘルペスウイル
スであるHCMVに対する本化合物の抗ヘルペスウイル
ス活性試験では、本化合物のうち例えば8−ブトキシ誘
導体(化合物番号1)は、実施例3に示す如く、リボフ
ラビン及びFMNに対して実に数十倍以上もの抗HCM
V活性を示すものである事から、この様な本化合物の抗
ヘルペスウイルス活性は、これまで知られていたフラビ
ン化合物の性質をはるかに上回る効果を示すものであ
る。また、実施例3及び実施例4に示した如く、現在医
薬品として用いられているガンシクロビルに匹敵する抗
ヘルペスウイルス活性を有する。従って本化合物はヘル
ペスウイルス感染症の治療に対して特に有効である。
【0037】更に、安全性についても、5−デアザフラ
ビン誘導体について肝初代培養細胞に対する細胞毒性試
験、及びマウスを用いた単回投与による急性毒性試験を
実施したところ、それぞれ実施例5及び実施例6に示し
た如く、優れた安全性を示す結果が得られた。
【0038】以上のように、5−デアザフラビン誘導体
は従来の抗ウイルス剤とは全く異なる化学構造を有する
ことから、核酸系抗ウイルス剤とは異なる作用部位にお
いてその効果を示していると予想され、従来薬剤特有の
副作用や耐性株の出現等の問題を解決することに多いに
役立つ事が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村井 良彦 大阪府松原市西大塚1丁目3番地40号 藤 本製薬株式会社創薬研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R及びRは炭素数1〜5のアルコキシ基、
    共に閉環したメチレンジオキシ基、ハロゲン原子または
    水素原子を表す。但し、RとRは同時に水素とはな
    らず、また、一方が水素の場合他方はプロポキシ基とな
    らない。)で示される5−デアザフラビン誘導体の少な
    くとも1種を有効成分とする抗ヘルペスウイルス剤。
  2. 【請求項2】 ヘルペスウイルスが、単純ヘルペスウイ
    ルス、水痘・帯状疱疹ウイルスまたはヒトサイトメガロ
    ウイルスのいずれかである請求項1に記載の抗ヘルペス
    ウイルス剤。
  3. 【請求項3】 5−デアザフラビン誘導体が、8−ブト
    キシ−3−メチル−10−プロピル−5−デアザフラビ
    ン、8−ペントキシ−3−メチル−10−プロピル−5
    −デアザフラビン、8−イソブトキシ−3−メチル−1
    0−プロピル−5−デアザフラビン、8−エトキシ−3
    −メチル−10−プロピル−5−デアザフラビン、6−
    メトキシ−3−メチル−10−プロピル−5−デアザフ
    ラビン、7−メトキシ−3−メチル−10−プロピル−
    5−デアザフラビン、8−メトキシ−3−メチル−10
    −プロピル−5−デアザフラビン、9−メトキシ−3−
    メチル−10−プロピル−5−デアザフラビン、6,8
    −ジメトキシ−3−メチル−10−プロピル−5−デア
    ザフラビン、7,8−ジメトキシ−3−メチル−10−
    プロピル−5−デアザフラビン、7,9−ジメトキシ−
    3−メチル−10−プロピル−5−デアザフラビン、
    7,8−ジエトキシ−3−メチル−10−プロピル−5
    −デアザフラビン、7,8−ジクロロ−3−メチル−1
    0−プロピル−5−デアザフラビン又は7,8−メチレ
    ンジオキシ−3−メチル−10−プロピル−5−デアザ
    フラビンのいずれかである請求項1〜2記載の抗ヘルペ
    スウイルス剤。
JP16908298A 1998-05-12 1998-05-12 抗ヘルペスウイルス剤 Pending JPH11322746A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16908298A JPH11322746A (ja) 1998-05-12 1998-05-12 抗ヘルペスウイルス剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16908298A JPH11322746A (ja) 1998-05-12 1998-05-12 抗ヘルペスウイルス剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11322746A true JPH11322746A (ja) 1999-11-24

Family

ID=15879998

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16908298A Pending JPH11322746A (ja) 1998-05-12 1998-05-12 抗ヘルペスウイルス剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11322746A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7498336B2 (en) 2003-02-13 2009-03-03 The United States Of America As Represented By The Secretary, Department Of Health And Human Services Deazaflavin compounds and methods of use thereof
CN109153683A (zh) * 2015-12-29 2019-01-04 免疫目标公司 作为NF-κB抑制剂的2H-色烯并[2,3-D]嘧啶-2,4(3H)-二酮
KR20200024283A (ko) 2018-02-05 2020-03-06 테라 스톤 가부시키가이샤 세포 내에서 atp 생산을 활성화하기 위한 보효소 인자의 사용
KR20230003307A (ko) 2018-02-05 2023-01-05 테라 스톤 가부시키가이샤 세포 내에서 atp 생산을 활성화하기 위한 보효소 인자의 사용

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7498336B2 (en) 2003-02-13 2009-03-03 The United States Of America As Represented By The Secretary, Department Of Health And Human Services Deazaflavin compounds and methods of use thereof
CN109153683A (zh) * 2015-12-29 2019-01-04 免疫目标公司 作为NF-κB抑制剂的2H-色烯并[2,3-D]嘧啶-2,4(3H)-二酮
US11266648B2 (en) 2015-12-29 2022-03-08 ImmuneTarget, Inc. Substituted chromeno[2,3-d]pyrimidines as NF-κB inhibitors
KR20200024283A (ko) 2018-02-05 2020-03-06 테라 스톤 가부시키가이샤 세포 내에서 atp 생산을 활성화하기 위한 보효소 인자의 사용
CN111032051A (zh) * 2018-02-05 2020-04-17 泰拉强石株式会社 用于激活细胞中atp产生的辅酶因子的使用
EP3750543A4 (en) * 2018-02-05 2021-10-27 Tera Stone Co., Ltd USE OF COENZYME FACTOR TO ACTIVATE ATP PRODUCTION IN A CELL
US11439644B2 (en) 2018-02-05 2022-09-13 Tera Stone Co., Ltd Use of coenzyme factor for activation of ATP production in cell
KR20230003307A (ko) 2018-02-05 2023-01-05 테라 스톤 가부시키가이샤 세포 내에서 atp 생산을 활성화하기 위한 보효소 인자의 사용
KR20230004893A (ko) 2018-02-05 2023-01-06 테라 스톤 가부시키가이샤 세포 내에서 atp 생산을 활성화하기 위한 보효소 인자의 사용
KR20230004894A (ko) 2018-02-05 2023-01-06 테라 스톤 가부시키가이샤 세포 내에서 atp 생산을 활성화하기 위한 보효소 인자의 사용
EP4324528A2 (en) 2018-02-05 2024-02-21 Tera Stone Co., Ltd Use of coenzyme factor for activation of atp production in cell
EP4324528A3 (en) * 2018-02-05 2024-05-01 Tera Stone Co., Ltd Use of coenzyme factor for activation of atp production in cell

Similar Documents

Publication Publication Date Title
O’Brien et al. Acyclovir: an updated review of its antiviral activity, pharmacokinetic properties and therapeutic efficacy
HU200932B (en) Process for producing pharmaceutical compositions containing 1-(beta-d-arabino-furanozyl)-5-propinyl-uracil as active component
DE69412251T2 (de) Aromatische nitro verbindungen und deren metabolite verwendbar als anti-virus-und anti-tumormittel
Neyts et al. The N-7-substituted acyclic nucleoside analog 2-amino-7-[(1, 3-dihydroxy-2-propoxy) methyl] purine is a potent and selective inhibitor of herpesvirus replication
JPS59186985A (ja) ジメチルアミノメチレン化された抗ヘルペス化合物
WO2002085358A2 (en) Antiviral agents and methods of treating viral infections
JPH10509132A (ja) 抗ウィルス剤としてのピロロ(2,3−d)ピリミジン誘導体
JP2764656B2 (ja) 薬学的治療
JPH11322746A (ja) 抗ヘルペスウイルス剤
Zabihollahi et al. Inhibitory effect and structure–activity relationship of some Biginelli-type pyrimidines against HSV-1
EP1305296B1 (en) 5-substituted pyrimidine derivatives of conformationally locked nucleoside analogues
DE60011637T2 (de) Dioxolan nukleosidanalogen zur behandlung und vorbeugung von viralen infektionen
JP2001504468A (ja) L―β―ジオキソランウリジン類似体及びウイルス感染の治療とその予防方法
AU2001278993A1 (en) 5-substituted pyrimidine derivatives of conformationally locked nucleoside analogues
EP0124810B1 (en) New pyrimidine derivatives endowed with antiviral activity
KR0159945B1 (ko) 신규 시클로부탄 유도체
US20240041854A1 (en) Cold medicine and antiviral medicine
CN112294834B (zh) 地西他滨在制备治疗单纯疱疹病毒的药物中的应用
US5674869A (en) Pharmaceutical treatment
KR101875997B1 (ko) 엔-메탄노카르바티미딘을 이용한 대상포진의 치료방법
JP2001163787A (ja) 抗ウイルス剤
US6121248A (en) Anti-viral agent
Keating Antiviral chemotherapy
EP0580657A1 (en) Use of guanine derivative or a prodrug thereof in the treatment of hiv-1 infection
Jaffe et al. Cidofovir Therapy for Cutaneous Viral Infections