JPH11317188A - 走査電子顕微鏡 - Google Patents

走査電子顕微鏡

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JPH11317188A
JPH11317188A JP11076423A JP7642399A JPH11317188A JP H11317188 A JPH11317188 A JP H11317188A JP 11076423 A JP11076423 A JP 11076423A JP 7642399 A JP7642399 A JP 7642399A JP H11317188 A JPH11317188 A JP H11317188A
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voltage
electron microscope
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秀男 戸所
Tadashi Otaka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対物レンズと試料との間に電子線に対する減
速電界を発生させる構造の走査電子顕微鏡において、試
料の装着・交換時における試料への電圧印加を自動的に
制御する。 【解決手段】 スイッチS1が閉じて加速電圧5が印加
されている第1条件と、陰極1と試料18との間に設け
られたバルブG1、G2の両者が開いている第2条件
と、試料交換機構57が試料18を試料ステージ19に
載せるために通過するバルブG3が閉じている第3条件
とが満されると、スイッチS2が閉じて試料18に重畳
電圧6が印加される。試料ホルダ21と試料ステージ1
9とは放電抵抗58を介して電気的に接続され、スイッ
チS2が開放されると試料18にチャージされた電荷が
試料ホルダ21、試料ステージ19を介して放電され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料表面で電子線
スポットを走査して試料表面の走査像を得る走査電子顕
微鏡に係り、特に、低加速電圧領域で空間分解能の高い
走査像を得ることの可能な走査電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体デバイス用試料におけ
るサブミクロンオーダー(1μm以下)のコンタクトホ
ールやラインパターンの観察用あるいは測長用として、
走査電子顕微鏡が用いられている。
【0003】走査電子顕微鏡では、加熱形又は電界放出
形の電子源から放出された電子線を試料上で走査して二
次的に得られる信号(二次電子および反射電子)を検出
し、この二次信号を電子線の走査と同期して走査される
ブラウン管の輝度変調入力とすることで走査像(SEM
像)を得ている。一般の走査電子顕微鏡では、負電位を
印加した電子源と接地電位にある陽極間で電子源から放
出された電子を加速し、接地電位にある検査試料に照射
している。
【0004】近年、走査電子顕微鏡が半導体製造過程ま
たは完成後の検査過程(例えば電子線による電気的動作
の検査)で利用されるようになってきた結果、絶縁物を
帯電なしに観察することができるように、1000V以
下の低加速電圧で10nm以下の高分解能が要求される
ようになってきた。
【0005】すなわち、半導体デバイス用試料は、一般
にAlやSiなどの導体部の上にSiO2 やSiNなど
の電気絶縁物を積層して構成される。このような半導体
デバイス用試料に電子線を照射すると電気絶縁物表面が
負に帯電(以下、単にチャージアップと表現する場合も
ある)し、放出される二次電子の軌道が変化したり、一
次電子線そのものの軌道が変化するようになる。この結
果、SEM像に異常コントラストが発生したり、ひどい
歪を生じる。
【0006】このようなチャージアップに起因した像障
害は、コンタクトホールの観察やラインアンドスペース
の測長に重大な支障をきたすので、半導体製造プロセス
の評価が難しくなるばかりか、半導体デバイスそのもの
の品質を確保する上で大きな障害となる。このため、従
来では試料に照射される一次電子線のエネルギーが1K
eV以下である、いわゆる低加速SEMが用いられてい
た。
【0007】ところが、上記した従来技術では次のよう
な問題点があった。すなわち、加速電圧が低くなると電
子線のエネルギばらつきに起因する色収差により分解能
が著しく低下し、高倍率での観察が難しくなる。また、
電子電流が少なくなると二次信号とノイズとの比(S/
N)が著しく低下し、SEM像としてのコントラストが
悪くなり、高倍率、高分解能での観察が困難となる。特
に、超微細加工技術で作られた半導体デバイスなどで
は、コンタクトホールやラインパターンなどの凹部から
発生する信号が微弱となり、精細な観察や測長を行う上
で大きな障害となっていた。
【0008】このような問題を解決する方法として、例
えば、アイ・トリプルイー、第9回アニュアルシンポジ
ューム オン エレクトロン イオン アンド レーザ
ビーム テクノロジーのプロシーデング、176頁から
186頁(IEEE 9th AnnualSymposium on Electron,Ion
and Laser Technology)では、電子源と接地電位にあ
る陽極間での加速電圧は高く設定し、接地電位にある対
物レンズと負電位を印加された検査試料の間に減速電界
を発生させて試料に照射する電子線は減速させることに
より、最終的に比較的低い加速電圧に設定し、色収差の
低減とチャージアップの防止とを両立させた走査電子顕
微鏡が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従
来技術では試料への負電位の印加がオペレータの手動操
作によって行われていたため、試料交換時に短絡が生じ
る可能性があった。また、半導体素子のように電気的な
衝撃に弱い試料は電位の急峻な変化によって破壊する可
能性があるため、試料の装着や交換時における印加電位
のオン/オフを慎重に行う必要があるなど、試料交換時
等における取り扱が難しいという問題があった。
【0010】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点を解決して、対物レンズと試料との間に電子線に対す
る減速電界を発生させる構造の走査電子顕微鏡におい
て、試料の装着・交換時の取扱が容易な走査電子顕微鏡
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記した目
的を達成するために、本発明は、電子源と、前記電子源
より放出された一次電子線を試料台上に配置された試料
上で走査する走査手段と、試料から発生する二次信号を
検出する検出器とを備えた走査電子顕微鏡において、試
料台に設けられた負電圧被印加部に負電圧を印加し、前
記一次電子線に対する減速電界を形成する減速電界形成
手段と、前記試料台を内在する試料室と、前記負電圧被
印加部と前記試料との接続状態が解除されるように前記
試料を前記試料室外に搬送する搬送機構と、前記搬送機
構による前記試料の搬送の準備動作に連動して、前記負
電圧印加が停止され、前記試料が放電抵抗を介して接地
されるように制御する手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0012】上記した構成によれば、試料の装着・交換
時の準備動作に連動して試料への負電圧の印加が自動的
に制御されるので、オペレータは試料に負電圧が印加さ
れることを特に意識することなく試料の装着や交換を行
うことができるようになるので、取扱いが極めて容易に
なる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例である走
査電子顕微鏡システムの概略構成図であり、当該システ
ムは走査電子顕微鏡本体100および試料交換機構20
0から構成されている。図2は、図1の走査電子顕微鏡
本体100の構成を詳細に示した図である。
【0014】図2において、陰極1、引出電極2、およ
び陽極3は電界放出型電子銃を構成し、陰極1と引出電
極2との間には引出電圧4が印加され、陰極1には加速
電圧5が印加される。陰極1から放出された電子線20
aは、引出電極2と接地電位にある陽極3との間に印加
された電圧でさらに加速される。このため、陽極3を通
過した電子線のエネルギ(加速電圧)は加速電圧5と一
致する。また、試料18には試料ホルダ21を介して負
の重畳電圧6が印加され、対物レンズ17と試料18と
の間には減速電界が形成されるため、試料18に照射さ
れる電子線の加速電圧は、加速電圧5から重畳電圧6を
差し引いた電圧となる。
【0015】陽極3を通過して加速された電子線20b
は、コンデンサレンズ7および対物レンズ17によって
試料18上に収束される。対物レンズ17を通過した電
子線は、対物レンズ17と試料18との間に形成された
減速電界で減速され、実質的に加速電圧5から重畳電圧
6を差し引いた電圧に相当するエネルギで試料18に到
達する。
【0016】対物レンズ17での電子線の開き角は、コ
ンデンサレンズ7の下方に配置された絞り8で決められ
る。絞り8のセンタリングは調整つまみ10を操作する
ことにより行われる。
【0017】加速された電子線20bは上走査コイル1
1および下走査コイル12で偏向され、試料18上で
は、減速電界によって減速された収束電子線20cがラ
スタ走査される。本実施例では、走査コイルを2段構成
とすることで走査された電子線が常に対物レンズ17の
レンズ中心を通るようにしている。
【0018】試料18は試料ホルダ21で固定され、試
料ホルダ21は、水平調整等の位置調整が可能な試料ス
テージ19上に絶縁台9を介して載置される。試料ホル
ダ21には重畳電圧6が印加されている。
【0019】減速された電子線20cが照射されて試料
18から発生した二次電子24は、対物レンズ17と試
料18間に作られた減速電界によって加速されて対物レ
ンズ17内に吸引され、さらに、対物レンズ17の磁場
の影響を受けて螺旋運動しながら上昇する。
【0020】対物レンズ17を通過した二次電子24
は、対物レンズ17と下走査コイル12との間で電子線
通路外に設けられて正電位が印加された吸引電極13で
吸引され、10kV(正電位)が印加されたシンチレー
タ14によって吸引加速されてシンチレータを光らせ
る。
【0021】発光した光はライトガイド15で光増倍管
16に導かれ電気信号に変換される。光増倍管16の出
力はさらに増幅されブラウン管の輝度変調入力になる
が、ここでは図示を省略してある。
【0022】このような構成の走査電子顕微鏡によれ
ば、コンデンサレンズ7、絞り8、対物レンズ17を通
過するときの電子線(電子線20b)のエネルギは最終
段の電子線(電子線20c)のエネルギよりも高いの
で、色収差が改善され、高分解能が得られた。
【0023】しかも、試料に照射される一次電子線は減
速されて低エネルギとなっているので、試料のチャージ
アップも解消される。
【0024】具体的には、加速電圧(500V)のみを
印加した時に15nmであったビーム径が、加速電圧
(1000V)と重畳電圧6(500V)とを加算した
ことにより10nmに改善された。
【0025】また、図1において、電界放出陰極1、引
出電極2、陽極3、コンデンサレンズ7、対物レンズ1
7、試料18、試料ホルダ21、絶縁台9、試料ステー
ジ19等の構成要素は真空筐体61に納められている。
なお、真空排気系は図示を省略している。
【0026】ここで、試料18に負電圧が印加されてい
る状態では、試料交換機構77による試料交換や真空筐
体61を大気にすることは避けなければならない。換言
すれば、電子線が試料18上で走査されているときだけ
重畳電圧6を印加するようにすればよい。
【0027】そこで、本発明では試料の装着・交換時の
準備動作である、スイッチS1が閉じて加速電圧5が印
加されている第1の条件と、陰極1と試料18との間に
設けられたバルブG1、バルブG2の両者が開いている
第2の条件と、試料交換機構77が試料18を試料ステ
ージ19に載せるために通過するバルブG3が閉じてい
る第3の条件とが全て満たされたときのみ、スイッチS
2が閉じて試料18に重畳電圧6が印加される制御が行
われるようになっている。
【0028】また、試料ホルダ21と試料ステージ19
とは放電抵抗Rを介して電気的に接続されおり、スイッ
チS2が開放されると試料18にチャージされた電荷が
試料ホルダ21、放電抵抗R、試料ステージ19を介し
て一定の時定数のもとで速やかに放電され、試料18の
電位が下がるようになっている。
【0029】なお、陰極1の周囲の真空が設定値以上で
ある条件で加速電圧5が印加可能となる、あるいは真空
筐体61の真空が設定値以上のときのみバルブG1、G
2が開放されるような通常のシーケンスが組まれている
ことは言うまでもない。
【0030】また、本実施例では、上述の3つの条件の
すべてを満足したときに重畳電圧6が印加されるものと
して説明したが、これらの内の1つあるいは2つの条件
が満たされたときにスイッチS2が閉じるようにしても
良い。
【0031】図3は、本発明の第2実施例である走査電
子顕微鏡の主要部のブロック図であり、前記と同一の符
号は同一または同等部分を表している。
【0032】上記した第1実施例では、二次電子24を
吸引電極13により電子通路外に取り出して検出してい
たが、本実施例では、チャンネルプレート検出器26を
用いて二次電子を検出するようにした点に特徴がある。
【0033】同図において、対物レンズ17と下走査コ
イル12との間には、中央孔33を有する円板状チャン
ネルプレート本体25が設けられている。中央孔33の
径は走査コイル12で偏向された電子線20bが衝突し
ない大きさに設定される。また、チャンネルプレート本
体25の下方にはメッシュ34が設けられている。
【0034】このような構成において、加速された電子
線20bはチャンネルプレートの中央孔33を通過した
後、対物レンズ17で収束されて試料18上に照射され
る。試料18で発生した二次電子24は対物レンズ17
でレンズ作用を受け、発散しながら全面に置かれたメッ
シュ34を通過してチャンネルプレート25に入射す
る。チャンネルプレート25に入射した二次電子24は
チャンネルプレート25の両端に印加された増幅電圧2
8で加速、増幅される。増幅された電子27はアノード
電圧29でさらに加速されてアノード37に捕獲され
る。
【0035】捕獲された二次電子は増幅器30で増幅さ
れた後、光変換回路31で光32に変換される。光32
に変換するのは増幅器30がチャンネルプレート25の
増幅電圧28等でフローティングになっているためであ
る。
【0036】光32は接地電位の電気変換回路35で再
び電気信号に変換され、走査像の輝度変調信号として利
用される。この方式では二次電子ばかりでなく反射電子
も検出可能である。
【0037】明らかな様に、本実施例によっても前記と
同様の効果が達成される。
【0038】図4は、本発明の第3実施例である走査電
子顕微鏡の主要部のブロック図であり、前記と同一の符
号は同一または同等部分を表している。本実施例では、
所望の二次信号を選択的に検出できるようにした点に特
徴がある。
【0039】同図において、チャンネルプレート25に
は、その電位を任意に制御できるフィルタ電圧36が印
加される。例えば、フィルタ電圧36を重畳電圧6より
もさらに10ボルト程度の負電圧とすれば、試料から放
出された二次電子および反射電子のうち、二次電子はチ
ャンネルプレート25とメッシュ34の間に作られた逆
電界で追い返され、エネルギの高い反射電子のみを選択
的に検出できるようになる。
【0040】また、二次電子を追い返す限界のフィルタ
電圧36を測定すれば、試料の電位を知ることも可能
で、このような機能を付加することにより、完成した半
導体素子の機能検査を行うことができるようになる。
【0041】図5は、本発明の第4実施例である走査電
子顕微鏡のブロック図であり、前記と同一の符号は同一
または同等部分を表している。本実施例は、対物レンズ
17の上部にエネルギフィルタ(電位障壁)を設けた点
に特徴がある。また、本実施例では、特に試料18を対
物レンズ17内部に配置するインレンズ方式に適用した
例を示している。
【0042】エネルギフィルタは、一次電子を通すため
の円筒46、一組のシールドグリッド41、およびエネ
ルギフィルタ42から構成されている。前記図3に関し
て説明した第3実施例の場合と同様に、本実施例でもフ
ィルタ電圧36を制御してエネルギフィルタ42の電位
を適宜に調整することにより試料18の電位を測定する
ことが可能になる。
【0043】さらに、本実施例では吸引電極13の電圧
を適宜に選択することにより、反射電子を検出せずに二
次電子のみを選択的に検出できるようになる。
【0044】このインレンズ方式では、試料ステージ1
9が対物レンズ17の内部に置かれ、絶縁台9、試料ホ
ルダ21を介して試料18が固定されている。試料ホル
ダ21には重畳電圧6が印加され、試料18と対物レン
ズ17との間で減速電界が作られている。対物レンズ1
7の励磁コイル45は対物レンズ17の上部に固定され
ている。対物レンズ17は8インチのウエハが入る大き
さである。
【0045】図6は、本発明の第5実施例である走査電
子顕微鏡のブロック図であり、前記と同一の符号は同一
または同等部分を表している。本実施例では、強い電界
が印加されると不都合な試料を観察できるようにした点
に特徴がある。
【0046】半導体集積回路では、強電界で素子が破損
することがある。このような問題点を解決するために、
本実施例では対物レンズ17と試料18との間に制御電
極39を設け、当該制御電極39に制御電圧40から数
十ボルトを印加している。
【0047】本実施例によれば、対物レンズ17と試料
18との間に発生した電界が制御電極39によって緩和
され、素子の破損を防ぐことができる。
【0048】図7は、本発明の第6実施例である走査電
子顕微鏡のブロック図であり、前記と同一の符号は同一
または同等部分を表している。
【0049】上記した第1および第4実施例では、電界
を利用して二次信号を偏向し、これを検出器で検出して
いたが、本実施例では、磁界および電界を利用して二次
信号を偏向するようにした点に特徴がある。
【0050】加速電圧が大きくなって減速電界による最
終段における電子線の減速比が小さくなると、試料に照
射される一次電子線20bと試料から放出される二次電
子24とのエネルギ差が小さくなるので、二次電子24
を吸引するために比較的大きな電界Eを吸引電極13に
より発生させると、当該電界Eによって一次電子20b
も曲げられてしまう。
【0051】本実施例は、このような問題点を解決する
ためになされたもので、磁界による電子線の偏向方向が
電子線の進行方向によって異なることに着目し、電界E
による一次電子線20bの偏向をキャンセルすると共に
二次電子24の偏向量を補足するような磁界Bを発生さ
せるようにしている。
【0052】すなわち本実施例では、一次電子線20b
が、吸引電極13の発生する電界Eによる偏向方向とは
逆方向に偏向されるように磁界Bを発生させる。したが
って、磁界Bの強度を適宜に制御することにより、電子
線20bの電界Eによる偏向がキャンセルされる。
【0053】一方、二次電子24に対しては、磁界Bに
よる偏向方向と電界Eによる偏向方向とが同一方向にな
るので、二次電子の偏向量が大きくなって二次電子の検
出が容易になる。
【0054】図8は、本発明の第7実施例である走査電
子顕微鏡のブロック図であり、前記と同一の符号は同一
または同等部分を表している。本実施例では、単結晶シ
ンチレータを利用して二次信号を検出するようにした点
に特徴がある。
【0055】同図において、単結晶シンチレータ55
は、例えば円筒形状のYAG単結晶を斜めに切断し、そ
の切断面に一次電子20bを通過させるための開口部5
7を設けたものであり、その先端部には金属またはカー
ボン等の導電性薄膜56がコーティングされており、接
地電位が与えられている。
【0056】本実施例では、コンデンサレンズ12で作
られる一次電子線20bのクロスオーバ58が開口部5
7の近傍に来るようにし、対物レンズ17による二次電
子24のクロスオーバ59は開口部57から離れた位置
に来るようにする。このようにすれば、一次電子線20
bは開口部57に遮られることなく、二次電子24も効
率良く検出できるようになる。
【0057】なお、上記した第8実施例では、シンチレ
ータの発光部とライトガイドを共にYAG単結晶により
構成するものとして説明したが、二次電子を検出する発
光部のみをYAG単結晶で形成し、他の部分はガラスや
樹脂などの透明性部材で構成するようにしても良い。
【0058】図9は、本発明の第8実施例である走査電
子顕微鏡の主要部のブロック図であり、前記と同一の符
号は同一または同等部分を表している。
【0059】本実施例では、電子銃を構成する陽極を省
略し、接地された引出電極2と陰極1との間に印加され
た引出電圧4で電子線を加速する。引出電圧4で加速さ
れた電子は対物レンズで17で収束されて試料18に向
かう。試料18には加速電圧5の正極側が接続されてい
る。このとき、低加速電圧の領域では加速電圧5より引
出電圧4の方が高いので、電子線は対物レンズ17と試
料18の間で加速電圧5に減速されて試料に到達する。
電界放出陰極を用いた典型的な例では、引出電圧が3k
V、加速電圧が1kVである。このような構成によれ
ば、陽極および重畳電圧源が省略されるので、構成が簡
素化される。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
試料に負電位を印加して対物レンズとの間に減速電界を
発生させることにより、試料に照射される電子線を減速
させて色収差の低減とチャージアップの防止とを両立さ
せた走査電子顕微鏡において、試料の装着・交換時の準
備動作に連動して試料への負電圧の印加が自動的に制御
されるようにしたので、オペレータは試料に負電圧が印
加されることを特に意識することなく試料の装着や交換
を行うことができるようになるので、取扱いが極めて容
易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である走査電子顕微鏡の構
成図である。
【図2】 図1の走査電子顕微鏡部の構成図である。
【図3】 本発明の第2実施例である走査電子顕微鏡部
の構成図である。
【図4】 本発明の第3実施例である走査電子顕微鏡部
の構成図である。
【図5】 本発明の第4実施例である走査電子顕微鏡部
の構成図である。
【図6】 本発明の第5実施例である走査電子顕微鏡部
の構成図である。
【図7】 本発明の第6実施例である走査電子顕微鏡部
の構成図である。
【図8】 本発明の第7実施例である走査電子顕微鏡部
の構成図である。
【図9】 本発明の第9実施例である走査電子顕微鏡部
の構成図である。
【符号の説明】
1…陰極、2…引出電極、3…陽極、4…引出電圧、5
…加速電圧、6…重畳電圧、7…コンデンサレンズ、8
…絞り、9…絶縁台、10…調整つまみ、11…上走査
コイル、12…下走査コイル、13…吸引電極、14…
シンチレータ、15…ライトガイド、16…光増倍管、
17…対物レンズ、18…試料、19…試料ステージ、
20…一次電子線、21…試料ホルダ、24…二次電
子、25…チャンネルプレート、28…増幅電圧、29
…アノード電圧、30…増幅器、31…光変換回路、3
3…中央孔、34…メッシュ、35…電気変換回路、3
6…フィルタ電圧、37…アノード、39…制御電極、
40…制御電圧、41…シールドグリッド、42…エネ
ルギフィルタ、55…単結晶シンチレータ、56…導電
性薄膜、61…筐体、77…試料交換機構

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子源と、 前記電子源より放出された一次電子線を試料台上に配置
    された試料上で走査する走査手段と、 試料から発生する二次信号を検出する検出器とを備えた
    走査電子顕微鏡において、 試料台に設けられた負電圧被印加部に負電圧を印加し、
    前記一次電子線に対する減速電界を形成する減速電界形
    成手段と、 前記試料台を内在する試料室と、 前記負電圧被印加部と前記試料との接続状態が解除され
    るように前記試料を前記試料室外に搬送する搬送機構
    と、 前記搬送機構による前記試料の搬送の準備動作に連動し
    て、前記負電圧印加が停止され、前記試料が放電抵抗を
    介して接地されるように制御する手段とを備えたことを
    特徴とする走査電子顕微鏡。
  2. 【請求項2】 電子源と、 前記電子源より放出された一次電子線を試料台上に配置
    された試料上で走査する走査手段と、 試料から発生する二次信号を検出する検出器とを備えた
    走査電子顕微鏡において、 試料台に設けられた負電圧被印加部に負電圧を印加し、
    前記一次電子線に対する減速電界を形成する減速電界形
    成手段と、 前記試料台を内在する試料室と、 前記負電圧被印加部と前記試料との接続状態が解除され
    るように前記試料を前記試料室外に搬送する搬送機構
    と、 前記電子線の照射以降、前記搬送機構による前記試料の
    搬送の準備動作前に、前記負電圧印加が停止され、前記
    試料が放電抵抗を介して接地されるように制御する手段
    とを備えたことを特徴とする走査電子顕微鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021093306A (ja) * 2019-12-11 2021-06-17 株式会社日立ハイテク 荷電粒子線装置およびホルダ

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