JPH113108A - 加工制御方法及び加工制御装置 - Google Patents

加工制御方法及び加工制御装置

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JPH113108A
JPH113108A JP15670597A JP15670597A JPH113108A JP H113108 A JPH113108 A JP H113108A JP 15670597 A JP15670597 A JP 15670597A JP 15670597 A JP15670597 A JP 15670597A JP H113108 A JPH113108 A JP H113108A
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machining
state
control
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JP15670597A
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Takushi Tadano
拓志 但野
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の加工が同時に存在する場合の各加工を
容易に制御することができる加工制御方法及び加工制御
装置を提供すること。 【解決手段】 複数の加工が同時に存在する際の加工を
制御する装置であって、各加工中の工作物及び工具の状
態を常時あるいは断続的にそれぞれ監視する複数のセン
サと、前記各センサからの出力を入力情報として受取
り、各情報に基づいて各時点における状態の分類と特徴
パラメータの抽出を行ってメッセージを送出する状態認
識手段31と、前記状態認識手段からのメッセージに従
ってシーケンシャルな処理あるいは制御パラメータの動
的変更処理を指令する処理指令手段32と、前記処理指
令手段からの指令に従って所定の処理を実行する処理実
行手段33とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の加工が同
時に存在する場合の加工制御方法及び加工制御装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的な工作機械における加工制御方法
では、加工後の工作物の形状及び寸法が要求を満たすよ
うに、加工前に工作物に対する工具の移動経路を予め決
定する必要がある。また、加工が終了する前に工作物の
形状や寸法を計測し、その計測結果に基づいて再度加工
を施す場合もあるが、この場合においても再加工前に工
作物に対する工具の移動経路を計測結果に基づいて予め
決定する必要がある。即ち、従来の加工制御方法におい
ては、工作物と工具が加工前あるいは再加工前に予め決
定された工作物と工具の相対運動経路どおりに動作すれ
ば、工作物の形状及び寸法が所望の精度で加工されるこ
とが前提となっている。
【0003】ところが、加工中においては、工具摩耗、
工作機械や工具・工作物系の変形、工作機械各部の運動
精度等、定量的に予測することができない現象が生じる
ため、特に高精度な加工が要求される場合には、工具摩
耗等を経験に基づいて考慮して工作物と工具の相対運動
経路を決定しなければならい。従って、上述した従来の
加工制御方法では、要求に対して理想的な工作物の形状
及び寸法を得ることは困難であり、加工誤差が生じるこ
とは原理的に避けられない。
【0004】これに対して、加工中に加工を中断するこ
となく工作物の状態を常時あるいは断続的に監視(イン
プロセスモニタリング)して工作物の形状や寸法を計測
し、その計測結果に基づいてその後の工作物と工具の相
対運動経路を決定し、工作機械あるいは工作機械以外の
外部装置の動作を制御することによって、工具摩耗等に
関わらず、工作物の形状及び寸法を所望の精度で加工す
る加工制御方法が提案されている。このような加工制御
方法は単純なシーケンシャル制御(逐次制御)によって
実現していた。即ち、所定の寸法に達したかどうかを判
定し、所定の寸法に達していなければ更に加工を継続
し、所定の寸法に達していれば加工を終了するといった
単純な条件分岐による加工制御方法である。
【0005】このような加工制御方法は、通常の場合、
加工中に加工を中断することなく工作物の状態を常時あ
るいは断続的に監視することが困難であるため実現され
ている例は少ないが、例えば工作物の加工面に複数の抵
抗変化型寸法センサを埋め込み、加工の進行と共に変化
する抵抗変化型寸法センサの抵抗値を常時監視し、その
値をフィードバックして工具の切込み制御や工作物の姿
勢制御を行い、その値が所定の値に達した時点で加工を
終了する磁気ヘッド等の高精度加工が要求される電子部
品の加工工程において利用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した後者の従来の
加工制御方法を実現するNC工作機械は、PLC(プロ
グラマブル・ロジック・コントローラ)またはPC(プ
ログラマブル・コントローラ)と呼ばれるシーケンス制
御装置によって駆動系の制御を行っているが、これは予
め決められたシーケンスどおりに動作するようにリレー
回路によって電気的に実現されるシーケンス制御装置に
すぎない。また、駆動系の位置決めなどに利用されてい
るサーボ技術においても、クローズドループ方式の場合
には変位センサからの位置情報をフィードバックするこ
とで高精度な位置決めを行っているが、「高精度な位置
決め」を目的とした制御であって、制御自体が「高精度
な加工」を直接的な目的としたものではない。
【0007】従って、複数の加工が同時に存在する場
合、例えば複数の工作機械で複数の工作物をそれぞれ加
工する場合や、1台の工作機械で複数の工作物をそれぞ
れ加工する場合や、1台の工作機械で1つの工作物の複
数の箇所、例えば加工寸法精度と同時に平面度、平行
度、円筒度等の幾何公差についても高精度が要求される
工作物を加工する場合、あるいはこれらが複合された加
工の場合等には、個々の要求を独立して制御することが
できないため、単純なシーケンシャル制御で実現するこ
とは極めて困難である。例えば、工作物の加工面の複数
箇所に寸法を計測するための寸法センサが埋込まれてお
り、寸法精度と平面度が要求されている場合、全ての条
件を満足した時点で加工を終了するという単純な処理で
は切削除去し過ぎ等の回復不可能な状態に達してしまう
ことを能動的に回避することができない。
【0008】加工を終了した時点で複数の要求を同時に
満足しているためには、加工中に常に寸法や形状につい
てどのような状態にあるかを把握し、その状態に応じて
その時点における最適な送り制御や姿勢制御などの処理
を行うという動的な制御が必要である。上記例の場合に
は、加工の各時点で各センサの情報に基づいて寸法と平
面度がどのような状態にあるかを把握し、目標寸法まで
に十分余裕があるのであれば加工速度を重視し、目標寸
法に近づいたら加工速度を十分に小さくした上で平面度
を要求レベルに到達させるための制御を重視する等、状
況に応じた制御が必要である。
【0009】このように従来の単純なシーケンシャル制
御でも、センサからの情報に基づいて条件判断/分岐処
理を多用することで上記のような動的な制御は可能であ
るが、シーケンシャル制御の記述法はこのような様々な
状態に対して動的に処理内容を決定するようなアルゴリ
ズムには適していないため、シーケンスの作成が困難で
あるだけでなく、シーケンスの作成が困難であることに
起因するトラブルが生じ易く、メンテナンスも困難であ
る。
【0010】即ち、寸法精度や平面度を定量的に表した
パラメータは連続的な値であるが、「寸法が許容公差に
入っている/入っていない」、「寸法が目標寸法以下に
なった(過加工となった)」等の状況を把握する上で離
散的に扱わなければならないパラメータも存在し、単純
なシーケンシャル制御でこれらの状況判断に基づいた情
報処理を行うことは困難であり、また、生じ得る全ての
状態に応じた処理を定義していないことによる誤動作に
つながる可能性が高い。
【0011】近年、電子機器を始めとして、光学系部
品、マイクロマシンなど様々な分野において、加工効率
の向上が要求される傾向や寸法だけでなく幾何公差につ
いても高精度が要求される傾向はますます強くなってお
り、さらに多くの要求を同時に満たさなければならない
加工工程が増えている。また、最近、加工中にリアルタ
イムに加工中の各種状態をセンシングするインプロセス
センシング技術や複数のセンサを組合わせて多くの情報
を得るセンサフュージョン技術の研究が行われている
が、実用レべルになっているものが少ないため、これら
のセンシングによって得られた情報をどのように処理す
るかについてはあまり検討がなされておらず、利用され
ている例も極めて少ない。
【0012】この発明は、上述した事情から成されたも
のであり、複数の加工が同時に存在する場合の各加工を
容易に制御することができる加工制御方法及び加工制御
装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、この発明に
あっては、複数の加工が同時に存在する際の加工制御方
法であって、各加工中の工作物及び工具の状態を常時あ
るいは断続的にそれぞれ監視し、その結果得られた情報
を入力としてイベント駆動型の情報処理を行い、各時点
における制御内容を動的に決定することにより達成され
る。
【0014】上記構成によれば、従来はシーケンシャル
な動作定義に基づいた処理により制御を行っていたのに
対し、イベント駆動型の情報処理に基づく統合的な制御
を行うことができるので、複数の加工が同時に存在する
場合でも各加工を容易に制御することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施形態は、この発明の好適な具体例であるから、
技術的に好ましい種々の限定が付されているが、この発
明の範囲は、以下の説明において、特にこの発明を限定
する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるもの
ではない。
【0016】図1は、この発明の加工制御装置の実施形
態の概略を示す構成図である。この加工制御装置は、複
数の加工が同時に存在する場合、例えば複数の工作機械
で複数の工作物をそれぞれ加工する場合や、1台の工作
機械で複数の工作物をそれぞれ加工する場合や、1台の
工作機械で1つの工作物の複数の箇所、例えば寸法精度
と同時に平面度、平行度、円筒度等の幾何公差について
も高精度が要求される工作物を加工する場合、あるいは
これらが複合された加工の場合等において、加工中に加
工を中断することなく工作物及び工具の状態を常時ある
いは断続的に監視(インプロセスモニタリング)し、得
られた情報に基づいてイベント駆動型の情報処理を行
い、各時点における制御内容を動的に決定して工作機械
あるいは工作機械以外の外部装置を制御する装置であ
る。
【0017】図1の加工制御装置1Aは、複数の工作機
械あるいは工作機械以外の外部装置1、複数の工作物の
各所に必要に応じて設けられたセンサの出力を計測する
計測系2、コンピュータ等を用いた統括的な制御を行う
制御システム3及び各制御対象機器の駆動制御を行う個
々の制御系4を備えている。このような構成において、
制御の内容はソフトウエアによって定義されており、そ
のソフトウェアが制御システム3のCPU単体あるいは
CPUとその周辺装置を含むコンピュータによって実行
処理されることによって、切込み・送り駆動系や主軸駆
動系等の制御系や工具・工作物の位置/姿勢制御を行う
駆動系等の制御系4に対して統括的な制御指令が出力さ
れる。
【0018】上記ソフトウェアを実行処理する制御シス
テム3の実行処理系は、例えば図2に示すようなモジュ
ール構成となっており、状態認識手段であるステータス
アナライザ31、処理指令手段であるメッセージハンド
ラ32及び処理実行手段である複数のアクション33で
構成される。このような構成において、その動作処理例
を説明する。ステータスアナライザ31は、工作機械・
工具・工作物・加工雰囲気等に設置されている各種セン
サの出力を入力情報として受取り、各情報に基づいて各
時点における状態の分類と特徴パラメータの抽出を行
い、メッセージハンドラ32に適切なメッセージを送出
する。
【0019】メッセージハンドラ32は、ステータスア
ナライザ31から受取ったメッセージに従って、シーケ
ンシャルな処理を担当するアクション33を呼出して起
動させ、あるいは制御パラメータの動的変更処理を指令
する。各アクション33は、シーケンシャルな処理とし
て記述可能な単純な制御系あるいはサーボ等のように単
体で独立して機能し得る制御系である。即ち、各アクシ
ョン33は、メッセージハンドラ32から呼出されると
起動してシーケンシャルな処理を行った後に終了する
か、あるいはサーボ等のようにある状態を維持するため
に常に動作していてメッセージハンドラ32からの指令
に従って制御パラメータを動的に変更する。
【0020】各アクション33は、見掛上並列的に処理
される。但し、同時に実行されることが禁止されている
組合わせや、優先順位に基づいて実行中のアタション3
3が強制終了される場合等もあり、メッセージハンドラ
32の判断で適切に処理される。ステータスアナライザ
31は、常時あるいは断続的に各センサから得られる加
工中の状態を監視しており、加工中の状態に応じてメッ
セージハンドラ32へのメッセージの送出を行い、上記
の処理を繰返す。
【0021】加工終了条件に適合する状態となった場
合、その状態に応じて適切な終了処理を行うアクション
33が呼出され、その後制御システム3の動作が停止状
態または加工開始待ち状態になり、加工を終了する。加
工終了には、全ての要求を満たした時点での正常終了、
全ての要求を満たすことが不可能であることと判断した
時点での不良終了、加工中に何らかの異常が発生した場
合の異常終了、人為的な強制終了等が存在し、それぞれ
適切な終了処理を行ってから加工を終了する。
【0022】一般的に、各センサからの情報は、各制御
処理に対する直接的な入力情報として適切ではない場合
が多いため、シーケンシャルな処理では条件分岐が非常
に煩雑になる。上記実施形態の特徴は、加工中の状態お
よび状態遷移という概念を媒介として、入力情報である
センサ出力と、出力情報である制御処理の関係を系統的
にモデル化できることであり、結果として以下の効果が
得られる。状態を中心にモデル化し、それに基づいて制
御処理の記述を行うため、考えられる全ての状態を考慮
した完成度の高いシステムを構築することが容易にな
り、品質の高いシステムを短期間で開発できる。
【0023】シーケンスの記述では条件分岐が非常に複
雑になるが、状態の判定と実際の処理をステータスアナ
ライザ31と各アクション33で分担するため、整然と
したアルゴリズムによるソフトウエアのコーディングが
可能となり、保守も容易になる。複数の制御系4の統合
が可能となる。その結果、加工中の状態に応じて制御系
4や制御パラメータを切替えることが可能となり、より
高度な要求に対応した加工が可能となる。
【0024】
【実施例】以下に、上記実施形態の具体例として、1台
の工作機械で1つの工作物の複数の箇所を加工する場
合、即ち円筒研削盤による磁気ヘッドの研削加工を自動
制御する場合に適用した例を説明する。尚、この説明及
び説明に当って使用する図においては、この発明の主旨
を理解する上で不要と思われる部分は省略してある。ま
た、この発明の主旨を損ねない範囲で理解を容易にする
ために全体あるいは部分的に模式化してある場合があ
る。
【0025】(加工対象)ここで、磁気ヘッドには、ブ
ロックを対向させることによって記録/再生用磁気ヘッ
ドとして機能するための磁気ギャップが形成される形態
や、再生専用磁気ヘッドとしてMR効果等を利用した磁
気センサが磁気媒体と接する面に埋込まれている形態
等、いくつかの種類が存在するが、どの形態の磁気ヘッ
ドにおいても、磁気ギャップを形成する部分の対向面の
高さあるいは磁気センサを形成する部分の高さが磁気ヘ
ッドの特性を良好にする上で重要な寸法となっており、
デプスと呼ばれている。
【0026】加工の対象とした磁気ヘッドは図3に示す
外観を有し、2つのブロック半体11、12を対向させ
て接合した構造となっている。接合面の同一面上には、
順に第1のデプス計測用センサ8a、複数の磁気ギャッ
プ部あるいは磁気センサ部9、第2のデプス計測用セン
サ8bが埋込まれている。また、接合面の下方には、第
1及び第2のデプス計測用センサ8a、8bの出力端子
10a、10bが形成されている。図4(A)は、デプ
スの概念を理解しやすいように、磁気ギャップ部あるい
は磁気センサ部9を四角形で模式的に示した図であり、
この四角形の高さがデプスに相当する。第1及び第2の
デプス計測用センサ8a、8bは、研削加工によって抵
抗値が変化する部分を有しており、これらの部分の下端
13a、13bと各磁気ギャップ部あるいは磁気センサ
部9の下端9aは十分な精度で一直線上に並ぶように形
成されている。
【0027】研削加工中に第1及び第2のデプス計測用
センサ8a、8bの出力は、出力端子10a、10bか
ら計測系2を通して制御システム3のコンピュータ等に
取込まれる。このとき、磁気ヘッド7の各部の空間的な
位置関係は予め把握されているため、図4(B)に示す
ように、第1及び第2のデプス計測用センサ8a、8b
の出力からDL寸法及びDR寸法が求められ、DL寸法
及びDR寸法から各デプス寸法Dl〜D3が算出され
る。そして、図4(C)に示すように、全ての磁気ギャ
ップ部あるいは磁気センサ部9のデプス寸法Dl〜D3
が要求寸法に研削加工されると同時に、磁気媒体が摩擦
摺動する面の曲率が適正な曲率に研削加工される。
【0028】(加工設備)このような構造の磁気ヘッド
7は、例えば図5に示す角度調整機構を有する工作物ホ
ルダの台座15に取付けられる。この工作物ホルダの角
度調整機構は、角度調整部19が弾性ヒンジ20を介し
て工作物ホルダ本体14と連結した構造となっており、
弾性ヒンジ20の左右に配置した2個の積層型ピエゾア
クチュエータ21に印加する電圧によって弾性ヒンジ2
0を中心とする図示矢印a方向に角度調整ができるよう
になっている。
【0029】磁気ヘッド7が取り付けられた工作物ホル
ダは、円筒研削盤の主軸台センタ18aと心押し台セン
タ18bに挟持され、両センタ18a、18bの軸を中
心に予め設定した揺動角で図示矢印b方向に揺動される
と同時に、主軸台及び心押し台と共に予め設定した移動
距離で図示矢印c方向に往復移動される。そして、円筒
研削盤の砥石台は磁気ヘッド7の往復移動と直交する図
示矢印d方向に切込み送りされ、磁気ヘッド7が砥石台
の回転砥石17により研削加工される。尚、積層型ピエ
ゾアクチュエータ21への印加電圧及び砥石台の切込み
送り量は、各種制御系を通じてコンピュータによって統
括的に制御できるようになっている。
【0030】(加工に対する要求と制約)磁気ヘッド7
の特性を良好にするために、そのデプス寸法Dl〜D3
を高精度に仕上げる要求があり、これと同時に磁気ヘッ
ド7の製造コストを低減させるために、その加工時間を
可能な限り短縮させる要求がある。また、加工設備等の
性能上、上記要求に対して制約も存在する。本例では、
研削加工前のデプス寸法Dl〜D3が約50μmである
のに対して、研削加工後は全ての部分にわたってデプス
寸法Dl〜D3が4±0.2μm、デプス下端を結ぶ直
線と研削面の平行度が0.1μm以下という要求があ
る。
【0031】これに対し、工作物ホルダの角度調整機構
には角度調整可能レンジが存在し、このレンジをオーバ
ーしている場合は角度調整不能となる。また、デプス計
測用センサ8a、8bは、センサ部が研削されて抵抗値
が変化することを応用したものであるため、デプスが大
きいときは感度が低く、研削加工の進行とともにデプス
が小さくなると感度は高くなる。さらに、砥石台の切込
み送りはステップ送りで駆動され、最小の送り量は0.
lμmである。尚、実際にはさらに多くの要求や制約が
存在したが、ここではこの発明の主旨を理解する上で十
分な内容に限定して説明する。
【0032】(上記要求を満たすための加工設備の概路
制御動作)研削加工は、様々な精度因子の影響により、
図4(B)に示すように加工面がデプス下端に対して傾
いた状態のまま進行するが、デプスが大きい状態ではデ
プス計測用センサ8a、8bの感度が悪いため、動的な
角度調整は行わずに角度を一定にした状態で研削加工を
進行させる。そして、(1)式で表されるデプス計測用
センサ8a、8bの測定値DL、DRの平均値Dが7μ
mに達した時点で、(2)式で表されるそれらの測定値
DL、DRの差△Dから角度調整量を算出し、工作物ホ
ルダの角度調整機構を用いて角度調整を行う。 D=(DL+DR)/2・・・(1) △D=DL−DR・・・(2)
【0033】この角度調整は研削加工が進行している状
態のまま行われるため、積層型ピエゾアクチュエータ2
1を十分に低速で駆動すると共に適切な印加電圧変化に
よって駆動し、磁気ヘッド7及び工具への悪影響や工作
物ホルダの振動特性劣化等が生じないような条件で制御
しなければならない。そして、角度調整後、切込み送り
を一時停止して研削状態が安定するのを待ち、再び角度
を一定に保ったまま研削加工を進行させる。その後は角
度調整機構による動的な角度微調整を行いながら、最小
の切込み量で研削加工を進行させる。
【0034】そして、要求仕様を満足する形状・寸法が
得られた時点で、砥石17を元に戻して積層型ピエゾア
クチュエータ21の印加電圧を初期状態に戻す等の終了
処理を行い、研削加工後の寸法情報をディスプレイに表
示して加工を終了する。また、過研削等の回復不能な不
良状態に至った場合は、砥石17を元に戻して積層型ピ
エゾアクチュエータ21の印加電圧を初期状態に戻す等
の終了処理を行い、不良になった旨をディスプレイに表
示して加工を終了する。
【0035】以上が一連の加工制御の概要であるが、加
工時間を短くするためにさらに以下の概略動作を実現す
る。研削加工の開始直後は、砥石17は磁気ヘッド7に
接していないため、デプス計測用センサ8a、8bから
の値をもとに研削加工が開始したかどうかを判定し、砥
石17が空切り状態にある場合は、単位切込み量を例え
ば3μmと大きな値にする。
【0036】残りの研削加工量が十分に大きく、過研削
が生じる危険性がない範囲では、単位切込み量を例えば
2μmと小さな値にして高速加工にする。残りの研削加
工量が11μm以下、即ちデプス寸法Dl〜D3が15
μm以下の場合は、単位切込み量を例えば0.5μmに
する。同様に、残りの加工量が3μm以下、即ちデプス
寸法Dl〜D3が7μm以下の場合は、単位切込み量を
例えば0.lμmにする。
【0037】(上記概略制御動作を具体的に実現するた
めの各ソフトウエアモジュールの構成と動作)上述した
概略制御動作は、人間が動作を把握しやすいように記述
したものであり、技術者の常識的な理解の範囲での暗黙
の了解を前提として省略されたり暗示的あるいは暖味な
説明ですませている部分が多い。しかし、制御動作を定
義するソフトウエアとしては、全ての処理を明示的に定
義しなければならない。
【0038】制御動作を定義するソフトウエアは、図6
に示す状態遷移モデルに基づいて構築されている。同図
の楕円で記した各ノードは研削加工中に生じ得る状態を
示しており、各ノードを結ぶ矢印は状態遷移を表してい
る。また、図7には各ノードに対応する「加工中の状
態」、「ソフトウエア的に定義される判定条件」及び
「アクション」の概略的な説明を記す。ステータスアナ
ライザ31は、図7に示した判定条件に基づいて状態の
認識を行い、適切な処理が行われるようにメッセージハ
ンドラ32に対してメッセージを送出する。状態は加工
の進行と共に移り変り、図6に矢印で示した状態遷移が
生じ、最終的には加工終了状態に達して、次の加工開始
待ち状態に達する。
【0039】メッセージハンドラ32は、ステータスア
ナライザ31から受取ったメッセージに従って対応する
アクション33を呼出す。異なる2つのアクション33
は組合わせによって並列的に実行することが可能な場合
と、同時に実行することが不可能な場合があり、ステー
タスアナライザ31は、現在実行中のアクション33が
終了する前に次のアクション33を実行させるかどうか
を判定し、適切なタイミングでメッセージを送出する。
例えぱ、積層型ピエゾアクチュエータ21による角度調
整と砥石17の切込み送りは同時に行ってもよいが、同
じ方向への角度調整を行う2つのアクション33は、先
に呼出された角度調整の結果に基づいて次の角度調整が
行われなければ正しい角度調整はできない。
【0040】また、現在実行中のアクション33が終了
する前に次のアクション33が呼出された場合に、現在
実行中のアクション33の処理を強制的に終了して次の
アクション33を実行しなければならない場合もある。
例えば、先に呼出された角度調整を実行中に、これとは
逆の方向に角度調整を実行しなけれぱならない状態に至
った場合、先の角度調整はその時点で強制終了し、次の
アクション33を実行する必要がある。このような場合
には、メッセージハンドラ32が各アクション33の優
先度を判断し、必要に応じて現在実行中のアクション3
3を強制的に終了して次のアタション33を呼出す。
【0041】尚、図6では簡略化のため、いくつかの重
要でない状態や状態遷移を省略している。例えぱ、加工
中に非常停止すべき異常が発生した状態や人為的な操作
によって終了指令が出された状態あるいはそれに関わる
状態遷移が省略されている。以上の処理によって、前述
の全ての要求を満足する磁気ヘッド7のデプス研削加工
の制御動作を実現することができる。
【0042】この実施形態の加工制御方法を用いること
で、以下の効果が得られる。状態を中心にモデル化し、
それに基づいて制御処理の記述を行うため、考えられる
全ての状態を考慮した完成度の高いシステムを構築する
ことが容易になり、品質の高いシステムを短期問で開発
できる。シーケンスの記述では条件分岐が非常に複雑に
なるが、状態の判定と実際の処理をステータスアナライ
ザ31とアクション33で分担するため、整然としたア
ルゴリズムによるソフトウエアのコーデイングが可能と
なり、保守も容易になる。複数の制御系4の統合が可能
となる。その結果、加工中の状態に応じて制御系4や制
御パラメータを切替えることが可能となり、より高度な
要求に対応した加工が可能となる。
【0043】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、複数
の加工が同時に存在する場合の各加工を容易に制御する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の加工制御装置の実施形態の概略を示
す構成図。
【図2】図1の加工制御装置におけるソフトウェアを実
行処理する制御システムの実行処理系の一例を示すブロ
ック図。
【図3】図1の加工制御装置により加工する工作物の一
例を示す斜視図。
【図4】図3の工作物の加工状態を示す断面側面図。
【図5】図3の工作物を保持する工作物ホルダの一例を
示す平面図。
【図6】図1の加工制御装置における制御を説明するた
めの状態遷移モデルの一例を示す図。
【図7】図6の状態遷移モデルの各ノードに対応する
「加工中の状態」、「ソフトウエア的に定義される判定
条件」及び「アクション」の概略的な説明を示す図。
【符号の説明】
1・・・工作機械あるいは工作機械以外の外部装置、2
・・・計測系、3・・・制御システム、4・・・制御
系、31・・・ステータスアナライザ、32・・・メッ
セージハンドラ、33・・・アクション

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の加工が同時に存在する際の加工制
    御方法であって、 各加工中の工作物及び工具の状態を常時あるいは断続的
    にそれぞれ監視し、 得られた情報に基づいてイベント駆動型の情報処理を行
    い、 各時点における制御内容を動的に決定することを特徴と
    する加工制御方法。
  2. 【請求項2】 複数の加工が同時に存在する際の加工を
    制御する装置であって、 各加工中の工作物及び工具の状態を常時あるいは断続的
    にそれぞれ監視する複数のセンサと、 前記各センサからの出力を入力情報として受取り、各情
    報に基づいて各時点における状態の分類と特徴パラメー
    タの抽出を行ってメッセージを送出する状態認識手段
    と、 前記状態認識手段からのメッセージに従ってシーケンシ
    ャルな処理あるいは制御パラメータの動的変更処理を指
    令する処理指令手段と、 前記処理指令手段からの指令に従って所定の処理を実行
    する処理実行手段とを備えたことを特徴とする加工制御
    装置。
JP15670597A 1997-06-13 1997-06-13 加工制御方法及び加工制御装置 Withdrawn JPH113108A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4900924A (en) * 1987-05-13 1990-02-13 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Reference signal generation apparatus for position detector
JP2008517362A (ja) * 2004-10-18 2008-05-22 マンザトロン−アイピー リミテッド サブジェクトシステムへの作用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4900924A (en) * 1987-05-13 1990-02-13 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Reference signal generation apparatus for position detector
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