JPH1130602A - ガス検出センサー及びその防爆取付構造 - Google Patents

ガス検出センサー及びその防爆取付構造

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JPH1130602A
JPH1130602A JP18638397A JP18638397A JPH1130602A JP H1130602 A JPH1130602 A JP H1130602A JP 18638397 A JP18638397 A JP 18638397A JP 18638397 A JP18638397 A JP 18638397A JP H1130602 A JPH1130602 A JP H1130602A
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gas
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sensor
detection
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JP18638397A
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Inventor
Tadahiro Omi
忠弘 大見
Koji Kawada
幸司 川田
Shinichi Ikeda
信一 池田
Akihiro Morimoto
明弘 森本
Yukio Minami
幸男 皆見
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Fujikin Inc
Original Assignee
Fujikin Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス検出センサーの構造の簡素化を図ると共
に、H2 OやO2 の存在下に於いて長期に、しかも安定
した高精度な可燃性ガス濃度や酸素ガス濃度の検出が行
なえるようにする。 【解決手段】 可燃性ガスを含有する被検出ガス内へセ
ンサー素子を配設し、可燃性ガスの接触反応によるセン
サー素子の発熱により可燃性ガスの検出信号を発信する
ようにした可燃性ガス検出センサーに於いて、表面に触
媒コーティング層14を有する熱電対から成り、可燃性
ガスの接触反応により加熱される第1検出センサー11
と、前記第1検出センサー11と同じ熱電対から成り、
第1検出センサー11と間隔Dを置いて配設されること
により被検出ガスの温度を検出する第2検出センサー1
2とから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可燃性ガスや可燃性
ガス内の酸素ガスの検出センサーとその防爆取付構造の
改良に関するものであり、各種の生産装置や生産設備の
保安用及び半導体製造用純水や半導体製造用ガス内の水
素の検出等に利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】可燃性ガスの検出センサーとしては、従
前から接触反応式(又は接触燃焼式)センサーや半導体
式センサー、熱伝導度式センサーが広く利用されてお
り、その中でも接触反応式センサーは、寿命及び安定性
に優れているため水素等の検出には数多く用いられてい
る。
【0003】図23は、従前の接触反応式センサーのセ
ンサー素子Aの一例を示すものであり、白金線(直径約
20μm)のコイルBに、触媒担体Cとなるアルミナ又
はシリカアルミナとバインダーとの混合物を焼結し、こ
れに白金等の触媒Dを担持させることにより構成されて
いる。
【0004】また、上記センサー素子Aの使用に際して
は、図24に示す如く、センサー素子Aと不活性物質を
焼結させた温度補償素子Aoとでブリッジ回路を組み、
予かじめセンサー素子Aに適当な電圧を加えてこれを約
250℃以上の温度に予熱しておく。この予熱されたセ
ンサー素子Aに水素等の可燃性ガスが接触すると、触媒
Dの触媒作用によって水素等が接触反応を起し、センサ
ー素子Aが加熱されてその電気抵抗が増大する。その結
果、ブリッジ回路の平衡が崩れて電位差が生じ、指示計
Eの振れの大きさからセンサー素子Aでの発熱量即ち被
検出ガス内の可燃性ガス濃度が読み取られる。
【0005】前記図23のセンサー素子Aは、(イ)可
燃性ガスに対する選択性に優れていること、(ロ)共存
するH2Oの影響を受け難いこと、(ハ)爆発下限界程
度のガス濃度(水素ガスの場合4〜10%位い)の測定
に適していること等の優れた利点を有している。
【0006】しかし、センサー素子の温度を250℃以
上に保持しなければならず、しかも可燃性ガスの検出中
は動作温度が更に上昇して着火源となる可能性があるた
め、200メッシュ程度の金網や焼結金属等でもってセ
ンサー素子Aを覆うことにより、センサー素子Aを防爆
構造とする必要があり、安全性の点に難点がある。ま
た、この種のセンサー素子Aは、前述の通り触媒担体C
内に触媒Dを担持する構成となっているため、触媒活性
の安定性と云う点に基本的な問題を抱えている。特に、
可燃性ガスの燃焼による触媒のシンターや、一部の不完
全燃焼により発生したカーボンの触媒活性度に及ぼす影
響は未だ十分に解析されておらず、高濃度のH2OやO
2 の共存下に於けるこの種のセンサー素子Aの使用実績
は殆んど見当らない。加えて、この種センサー素子Aは
触媒担体Cの内部の洗浄が困難であり、そのため高清浄
度を要求される半導体製造プロセスに於いては使用でき
ないと云う問題がある。
【0007】このように、高濃度のH2OやO2 の共存
下に於ける接触反応式可燃性ガス検出センサー素子Aの
使用は、信頼性等の点で大きな問題が残されており、こ
のことは半導体式可燃性ガス検出センサーや熱伝導度式
可燃性ガスセンサーの使用に於いても同様である。ま
た、この種のセンサー素子Aは、原理的には可燃性ガス
中の酸素検出用のセンサーとしても使用可能なものであ
るが、現実には前記信頼性等の問題から実用化されてお
らず、その使用実績も殆ど見当たらない。
【0008】図25は、従前の接触反応式可燃性ガス検
出センサーの試験に使用した試験系の説明図であり、図
に於いて1a〜1eはマスフローコントローラ、2a〜
2cは混合部、3は水分発生反応炉、4は可燃性ガス吸
引ライン、5はセンサー素子Aを取り付けした検出部、
6は排気ラインである。前記水分発生反応炉3内へは通
常適宜量のH2 及びO2 が供給され、水分発生反応炉3
内の触媒層により活性化されたH2 及びO2 が反応炉3
内で気相中での燃焼反応をすることなしに接触反応を
し、その結果H2Oが生成される。尚、水分発生反応炉
3は常時約400℃の温度に制御されている。
【0009】水分発生反応炉3内で生じたH2O蒸気と
未反応のH2 及び未反応のO2 は、約120℃に加熱さ
れた可燃性ガス吸引ライン(内径約1/4″、長さ50
0mm)4を通してセンサー素子Aを設けた検出部5内
へ導出され、排気ライン6を通して外部へ放出されて行
く。尚、吸引ライン4及び検出部5が120℃に加熱さ
れているのは、内部を通るH2O蒸気が凝縮(結露)す
るのを防止するためである。また、排気ライン6の末端
には排気ポンプが連結されており、排気ライン6内は大
気圧よりも僅かに減圧されている。
【0010】図26は、図25の水分発生反応炉3から
の発生水分量を50(sccm)、200(scc
m)、1000(sccm)とした場合に於ける接触反
応式可燃性ガス検出センサー素子Aを用いて測定した発
生水分+余剰酸素雰囲気(H2O:O2 =10:1)中
の水素ガス濃度(VoL%)と検出器出力(指示計Eの
振れ)の関係を示すものである。尚、可燃性ガス検出セ
ンサー素子Aとしては図23に記載のセンサー素子を用
い、また、検出器としては図24に記載の検出器を使用
した。更に、前記水分発生量の単位(sccm)は標準
状態に換算したH2O(cc/min)を表わすもので
ある。
【0011】図26からも明らかなように、同じ水素ガ
スの混合濃度であっても、H2Oの発生量によって検出
器の出力(mA)は大きく異なってくることが判る。結
果として、検出部5内を流れるH2O量によって、H2
濃度が同一であっても検出器の振れが大きく変化するた
め、その校正に手数がかかることになるが、水分発生量
をほぼ一定値に制御した状態下で長時間使用をする半導
体製造装置等に於いては、H2 濃度(%)と検出器の出
力(mA)とがリニアーの関係になっているので、H2
ガス濃度の測定に利用することは可能である。
【0012】これに対して、図27は図25の実験系に
於いて、センサー素子Aを取り付けした検出部5へH2
=1%、O2 =9%、H2O=90%の混合ガスを11
00sccmの割合で連続的に流通させ、且つ前記検出
部5の温度を140℃に保持した場合の、センサー素子
Aによる検出時間(Hr)と検出器(指示計E)の出力
(mv)との関係を示すものである。
【0013】図27からも明らかなように、連続検出時
間が長くなるにつれて出力(mv)が大きく変化するこ
とになり、水素ガス検出用センサー素子Aの触媒Dの活
性度低下による検出感度の悪化が明確に示されている。
【0014】換言すれば、従前の接触反応式可燃性ガス
検出用センサー素子Aは、使用時間の経過と共に触媒活
性度、即ちH2 ガス検出感度が大きく低下することにな
り、図25の如き半導体製造用の水分発生反応炉3の発
生水分取出ライン内の未反応水素ガス濃度の検出等に
は、信頼性の点で到底利用することができない。尚、こ
のことは、前記した半導体式水素ガス検出用センサーや
熱伝導度式水素ガス検出用センサーの場合でも同様であ
ることが、実験により確認されている。また、図25の
如き半導体製造用の水分発生炉3に於いては、水素ガス
過剰状態で水分を発生させる使い方をする場合もあり、
この場合には、発生水分の取出ライン内の発生水分+余
剰水素雰囲気中の未反応酸素ガスの濃度を検出する必要
があるが、従前のセンサー素子Aは、これ等の場合に利
用することが出来ないことは勿論である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従前の接触
反応式可燃性ガス検出センサーや半導体式可燃性ガス検
出センサー、熱伝導式可燃性ガス検出センサー等に於け
る上述の如き問題、即ち、(イ)検出部へ流入する被検
出ガス流量によって、同じ可燃性ガス濃度であっても検
出値が大きく異なり、校正に手数がかかること、及び
(ロ)ガス検出精度が使用時間の経過と共に大きく低下
し、信頼性に欠けること、(ハ)可燃性ガス中の酸素ガ
ス濃度を精度よく検出できないこと、(ニ)高清浄度を
保ち難いこと、(ホ)防爆性の点に難点があること等の
問題を解決せんとするものであり、被検出ガス流量が変
った場合でも簡単に検出値の校正ができると共に、被検
出ガス内の可燃性ガス濃度や酸素ガス濃度と検出値との
間に再現性のあるリニアー関係が保持されることにより
高精度なガス濃度の検出を行なうことができ、しかも検
出感度の経時変化が少なくて常に高い信頼性を発揮でき
るようにしたガス検出センサーと、その防爆取付構造を
提供せんとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、接触反
応式可燃性ガス検出センサーAの出力特性を調査する過
程に於いて、当該センサーAの信頼性を損なう検出感度
の低下等は、その殆んどが触媒担体C内に担持された触
媒Dの活性度の変化に起因するものであることを知得し
た。一方、本願発明者等は、水分反応発生炉の開発を進
める過程に於いて、発生炉本体の内壁面に形成した白金
触媒層の安定化、即ち触媒性能の経時変化の防止に成功
をしている。そこで、本願発明者等は水分発生反応炉に
於ける白金触媒層の形成技術を可燃性ガス検出センサー
へ応用することにより、触媒性能の劣化が少なくて信頼
性の高い可燃性ガス検出センサーが得られることを着想
した。
【0017】また、本願発明者等は上述の如き着想に基
づいて、「白金線コイルの温度変化に基づく抵抗変化」
に代えて「熱電対の温度変化による出力変化」を可燃性
ガス濃度の検出要素とすることを想到し、各種の「熱電
対と白金コーティング触媒」との組み合わせについて、
可燃性ガス検出センサーとしての諸特性をテストすると
共にその結果について詳細な検討をした。
【0018】本願発明は上述のような過程を経て創作さ
れたものであり、請求項1に記載の発明は可燃性ガスを
含有する被検出ガス内へセンサー素子を配設し、可燃性
ガスの接触反応によるセンサー素子の発熱により可燃性
ガスの検出信号を発信するようにしたガス検出センサー
に於いて、表面に触媒コーティング層14を有する熱電
対から成り、可燃性ガスの接触反応により加熱される第
1検出センサー11と、前記第1検出センサー11と同
じ熱電対から成り、第1検出センサー11と間隔Dを置
いて配設されることにより被検出ガスの温度を測定する
第2検出センサー12とから構成したことを発明の基本
構成とするものである。
【0019】請求項2に記載の発明は、可燃性ガスを含
有する被検出ガス内へセンサー素子を配設し、可燃性ガ
スの接触反応によるセンサー素子の発熱により被検出ガ
ス内の酸素ガスの検出信号を発信するようにしたガス検
出センサーに於いて、表面に触媒コーティング層14を
有する熱電対から成り、可燃性ガスの接触反応により加
熱される第1検出センサー11と、前記第1検出センサ
ー11と同じ熱電対から成り、第1検出センサー11と
間隔Dを置いて配設されることにより被検出ガスの温度
を測定する第2検出センサー12とから構成したことを
発明の基本構成とするものである。
【0020】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
の発明に於いて、第1検出センサー11及び第2検出セ
ンサー12を、両側端面が開放された同じ形態のカバー
体15、17により間隔Gを置いて覆う構成としたもの
である。
【0021】請求項4の発明は、請求項1、請求項2又
は請求項3の発明に於いて、第1検出センサーの方のカ
バー体15の内壁面に、触媒コーティング層16を設け
るようにしたものである。
【0022】請求項5の発明は請求項1、請求項2、請
求項3又は請求項4の発明に於いて、第1検出センサー
11及び第2検出センサー12を形成する熱電対をクロ
メル・アルメルから成る熱電対とすると共に、第1検出
センサー11の外表面に設ける触媒コーティング層14
及び第1検出センサー11の方のカバー体15の内壁面
に設ける触媒コーティング層16を、カバー体15の外
表面に形成した酸化物又は窒化物から成るバリヤー皮膜
とその上部に形成した白金コーティング触媒とから形成
するようにしたものである。
【0023】請求項6の発明は、可燃性ガスを含有する
被検出ガス内へセンサー素子を配設し、可燃性ガスの接
触反応によるセンサー素子の発熱により可燃性ガスの検
出信号を発信するようにしたガス検出センサーに於い
て、白金又は白金を含有する金属から成る熱電対から成
り、可燃性ガスの接触反応により加熱される第1検出セ
ンサー11と、前記第1検出センサー11と同じ熱電対
から成り、第1検出センサー11と間隔Dを置いて配設
されると共にその外表面を酸化物又は窒化物から成るバ
リヤー皮膜によって覆うことにより、被検出ガスの温度
を検出する第2検出センサー12とから構成したことを
発明の基本構成とするものである。
【0024】請求項7の発明は、可燃性ガスを含有する
被検出ガス内へセンサー素子を配設し、可燃性ガスの接
触反応によるセンサー素子の発熱により被検出ガス内の
酸素ガスの検出信号を発信するようにしたガス検出セン
サーに於いて、白金又は白金を含有する金属から成る熱
電対から成り、可燃性ガスの接触反応により加熱される
第1検出センサー11と、前記第1検出センサー11と
同じ熱電対から成り、第1検出センサー11と間隔Dを
置いて配設されると共にその外表面を酸化物又は窒化物
から成るバリヤー皮膜によって覆うことにより、被検出
ガスの温度を検出する第2検出センサー12とから構成
したことを発明の基本構成とするものである。
【0025】請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7
の発明に於いて、第1検出センサー11と第2検出セン
サー12とを薄板状の検出センサーとしたものである。
【0026】請求項9の発明は、請求項1乃至請求項8
の発明に於いて、第1検出センサー11と第2検出セン
サー12とを間隔を置いて対向状に配設するか、又は第
1検出センサー11を第2検出センサー12よりガスの
流れの下流側に配設するようにしたものである。
【0027】請求項10の発明は、請求項1乃至請求項
8の発明に於いて、第1検出センサー11と第2検出セ
ンサー12とを一つのガス流路内へ配設するか、又は並
列状に分岐した二つのガス流路内へ夫々分離して配設す
るようにしたものである。
【0028】請求項11の発明は、可燃性ガスを含有す
る被検出ガスの流路内へ介挿する分岐部33を備えたガ
ス検出センサー取付体34と、ガス検出センサー取付体
34のガス入口側及びガス出口側に夫々設けたメッシュ
体又は多孔質焼結体35とから成り、前記ガス検出セン
サー取付体34の分岐部33より被検出ガスの流通部内
へガス検出センサーを気密状に挿入固定することを発明
の基本構成とするものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施態様を説明する。図1は本発明の可燃性ガス検出セン
サーを用いた可燃性ガス検出器の構成図である。本発明
に係る可燃性ガス検出器は可燃性ガス検出センサー10
と検出器本体20と両者の間を連結する接続ケーブル3
0とから形成されている。また、前記可燃性ガス検出セ
ンサー10は後述するように白金コーティング触媒を施
した第1検出センサー11と被検出ガスの温度を検出す
る第2検出センサー12とセンサー保持部13等から形
成されている。更に、前記検出器本体20は第1検出セ
ンサー11からの温度信号を検知する第1温度検出器2
1、第2検出センサー12からの温度信号を検知する第
2温度検出器22、両者の検出温度を夫々表示する第1
温度表示部23及び第2温度表示部24、両者の検出温
度の差を検出する温度差検出器25、検出器25からの
差温度を表示する温度差表示部26等より構成されてい
る。更に、前記接続ケーブル30はその両端にコネクタ
ー部31、32が設けられており、可燃性ガス検出セン
サー10と検出器本体20間を電気的に着脱自在に連結
する。
【0030】尚、本実施態様では、検出器本体20に第
1温度表示部23及び第2温度表示部24を備え、両検
出センサー11、12の検出温度を夫々個別に表示する
ようにしているが、差温度(可燃性ガス濃度)表示部2
6のみを設けたものでもよく、或いは差温度表示部26
に可燃性ガス濃度警報発信部(図示省略)を具備したも
のであってもよく、検出器本体20の構成は如何なるも
のでもよい。
【0031】前記可燃性ガス検出センサー10は図2及
び図3に示す如く、通常ガス供給管36に設けたT字形
分岐管33内へセンサー保持部13を気密状に挿着する
ことにより、両検出センサー11、12を供給管36内
へ配設固定している。即ち、図2は本発明に係る可燃性
ガス検出センサー10の防爆取付構造を示すものであ
り、図に於いて34は被検出ガスの供給管36内へ介挿
するガス検出センサー取付体、33はガス検出センサー
取付体34に設けたT字形の分岐部、34aはフラン
ジ、34bはメッシュ体押え、34cはメッシュ体受
け、35は防爆用の金属メッシュ体である。前記金属メ
ッシュ体35はステンレス鋼製の約200メッシュ程度
の金網を複数枚積層することによりディスク状に形成さ
れており、ガス検出センサー取付体34の入口側及び出
口側に設けたメッシュ体受け34cとメッシュ体押え3
4b間に夫々挾着保持されている。当該金属メッシュ体
35を設けることにより、万一ガス検出センサー取付体
34の内部で発火が生じても火炎が金属メッシュ体35
によって遮断され、ガス供給管36内へ火炎が移行して
所謂爆発に至るのが完全に防止される。
【0032】尚、本実施態様では、爆発防止用に金属メ
ッシュ体を使用しているが、これに替えて金属やセラミ
ックの多孔質焼結体を使用してもよい。また、図2の実
施態様では、ガス検出センサー取付体34のT形の分岐
部33内へセンサー保持部13を挿着し、被検出ガスを
直線状に流通させるようにしているが、ガス供給管36
の下流側からセンサー保持部13を挿入固着して、被検
出ガスを図2のガス供給管36の上流側からT形分岐部
33の方向へ流通させることも可能である。
【0033】また、本実施態様では、後述するように、
水素ガスを含有する被検出ガスを用いて検出センサー1
0の各種の特性試験を行なっているが、第1検出センサ
ー11の白金触媒コーティング層と接触して活性化さ
れ、これによって燃焼するガスであれば如何なる可燃性
ガス、例えばCOであっても検出することができ、可燃
性ガスは水素ガスに限定されるものでないことは勿論で
ある。
【0034】図4乃至図16は、本発明に係る可燃性ガ
ス検出センサー10の各実施態様を示すものである。即
ち、図4及び図5は第1実施態様の検出センサー10を
示す正面図及び側面図であり、第1検出センサー11を
逆U字形の薄板状熱電対(以下第1検出センサー本体1
1aと呼ぶ)の表・裏両面側に後述する触媒コーティン
グ層14を形成した構成としたものである。
【0035】また図6及び図7は第2実施態様の検出セ
ンサー10を示す正面図及び側面図であり、第1検出セ
ンサー11を、第1検出センサー本体11aの表・裏両
面側に1.2mm×1.2mmの触媒コーティング層1
4を有する構成としたものである。即ち、触媒コーティ
ング層14の面積を減らして検出感度を低下させたもの
である。
【0036】更に、図8及び図9は第3実施態様の検出
センサー10を示す正面図及び側面図であり、第1検出
センサー11を、第1検出センサー本体11aの表・裏
何れか片面側のみに0.7mm×1mmの触媒コーティ
ング層14を設け、検出感度をより低下させる構成とし
たものである。
【0037】図10及び図11は第4実施態様の検出セ
ンサー10を示す正面図及び側面図であり、第1検出セ
ンサー11を、第1検出センサー本体11aの表・裏両
面側に触媒コーティング層14を形成すると共に、両端
面を開口した金属製カバー体15により、間隙G=0.
5mmの間隔を置いて第1検出センサー本体11aの表
・裏両面側を覆う構成としたものである。また、当該第
4実施態様に於いては、第2検出センサー12の方は、
第1検出センサー本体11aと同じ構成の第2検出セン
サー本体12aの表・裏両面側を前記カバー体15と同
じ構成のカバー体17により、間隙G=0.5mmの間
隔を置いて覆った構成としている。
【0038】図12及び図13は、第5実施態様の検出
センサー10を示す正面図及び側面図であり、第1検出
センサー11を、第1検出センサー本体11aの表・裏
両面側に触媒コーティング層14を形成すると共に、両
端面を開口とし且つその内面側のみに触媒コーティング
層16を設けた金属製カバー体15により、間隙G=
0.5mmの間隔を置いて前記第1検出センサー11a
の表・裏両面側を覆う構成としたものである。又、第2
検出センサー12の方は、前記第4実施態様に於ける第
2検出センサー12と同じ構成のものとなっている。
【0039】図14及び図15は、第6実施態様の検出
センサー10を示す正面図及び側面図であり、第1検出
センサー11を、前記第5実施態様の場合と同一の金属
製カバー体15により、間隙G=1.0mmの間隔を置
いて第1検出センサー本体11aの表・裏両面側を覆う
構成としたものである。又、当該第6実施態様に於いて
は、第2検出センサー12の方は、第1検出センサー1
1の金属製カバー体15と同じ構造(但し、触媒コーテ
ィング層16は無い)のカバー体17により、間隙G=
1.0mmの間隔を置いて、前記第1検出センサー本体
11aと同じ構造の第2検出センサー本体12aの表・
裏両面側を覆った構成のものとしている。
【0040】より具体的には、第1検出センサー11を
形成する第1検出センサー本体11aと第2検出センサ
ー12を形成する第2検出センサー本体12aとは、同
材料を用いて同一形態に構成された熱電対であり、図4
及び図5に示すように厚さT=0.06mm、横幅W=
1.5mmのシート材を横寸法Lが4.4mmの逆U字
形に成形したものである。また、両センサー本体11
a、12bは間隔D=4mmを置いて平行状に配置され
ており、センサー保持部13に固設されている。
【0041】前記、両センサー本体11a、12aを形
成する熱電対には、酸化雰囲気に強いクロメル・アルメ
ル熱電対が使用されている。即ち、当該熱電対は、Ni
89%、Cr9.8%、Fe1%、Mn0.2%から成
るNi−Cr系合金(クロメル,+脚)と、Ni94
%、Mn2.5%、Al2%、Si1%、Fe0.5%
のNiを主体とする合金(アルメル,−脚)とから形成
されており、約1000℃の温度まで使用可能である。
【0042】本実施態様では、クロメル・アルメルから
成る熱電対(CA型)を使用しているが、他の銅−コン
スタンタン(CC型)や鉄−コンスタンタン(CI型)
等の熱電対を使用することも勿論可能である。尚、この
場合には両検出センサー11a、12aの外表面に耐食
性のTiN皮膜等を形成するのが望ましい。
【0043】また、本実施態様では両検出センサー本体
11a、12aにクロメル・アルメル熱電対等を使用
し、第1検出センサー本体11aの方に後述するように
白金触媒コーティング層14を設ける構成としている
が、これ等の熱電対に替えて白金−ロジウム系熱電対を
使用することも可能である。尚、白金−ロジウム系熱電
対を使用した場合には、第1検出センサー本体11aの
方に白金触媒コーティング層14を設ける必要はない
が、温度補償用(温度比較用)のセンサーを形成する第
2検出センサー本体12aの方は、その触媒性を消すた
めに外表面をTiNコーティング層等によって覆う必要
がある。
【0044】更に、本実施態様では、両検出センサー本
体11a、12aを細幅の薄いシート状の合金材を用い
て逆U字形に形成しているが、両検出センサー本体11
a、12aの形態やその断面形状は如何なるものであっ
てもよいことは勿論である。
【0045】前記両検出センサー本体11a、12aを
被覆するカバー体15、17は薄いステンレス鋼板(S
US316L)から断面形状が長方形状に形成されてお
り、短辺側の両側面が開放されている。その結果、被検
出ガスは、カバー体15、17の短辺側の開口からカバ
ー体とセンサー本体の間へ流入し、センサー本体の外表
面に沿ってカバー体とセンサー本体の間隙G内を下流側
へ流通して行く。
【0046】尚、本実施態様では、カバー体15、17
の材質をステンレス鋼(SUS316L)としている
が、耐食性材料であれば如何なるものであってもよい。
また、本実施態様ではカバー体15、17の断面形状を
長方形状としているが、その断面形状は長方形に限られ
るものではない。更に、カバー体15、17は、その下
端部をセンサー保持部13へ固定することにより、セン
サー本体との間に所定の間隙Gを保持した状態で垂直状
に固設されている。
【0047】前記第1検出センサー本体11aの外表面
やカバー体15の内壁面に設けた触媒コーティング層1
4・16は、金属材の外表面に形成したバリヤー皮膜と
バリヤー皮膜の外表面に形成した白金コーティング皮膜
とから形成されている。
【0048】即ち、前記バリヤー皮膜は、金属材から白
金コーティング皮膜内への金属拡散を防止するためのも
のであり、TiNやTiC、TiCN、TiAlN、A
23 、Cr2 3 、SiO2 、CrN等の酸化物や
窒化物から成る厚さ0.1〜5μm程度の皮膜であっ
て、イオンプレーティング工法やスパッター工法により
形成される。
【0049】尚、バリヤー皮膜の厚さは前述の通り0.
1μm〜5μm程度が適当である。何故なら、厚さが
0.1μm以下であると、バリヤー機能が十分に発揮さ
れず、また逆に、厚さが5μmを越えるとバリヤー皮膜
そのものの形成に手数がかかるうえ、5μm以上の厚さ
としても、地金からの金属類の拡散阻止機能がほとんど
変化せず、しかも加熱時の膨張差等が原因となってバリ
ヤー皮膜の剥離等を生ずるおそれがあるからである。ま
た、バリヤー皮膜の形成方法としては、前記イオンプレ
ーティング工法やイオンスパッタリング法以外に、真空
蒸着法等のPVD法や化学蒸着法(CVD法)、ホット
プレス法等を用いることができる。
【0050】一方、前記白金コーティング皮膜は、被検
知流体内の可燃性ガス成分を活性化してこれを接触触媒
反応(接触燃焼)させるものであり、0.1〜3μm程
度の厚さの皮膜であってイオンプレーティング工法やス
パッター工法により形成されている。尚、白金コーティ
ング皮膜の厚さは前述の通り0.1μm〜3μm程度が
適当である。何故なら、厚さが0.1μm以下の場合に
は、長期に亘って触媒活性を発揮することが困難とな
り、また逆に、厚さが3μm以上になると、白金コーテ
ィング皮膜の形成費が高騰するうえ、3μm以上の厚さ
にしても触媒活性度やその保持期間にほとんど差がな
く、しかも加熱時に膨張差等によって剥離を生ずるおそ
れがあるからである。また、白金コーティング皮膜の形
成方法は、前記イオンプレーティング工法やイオンスパ
ッタリング法以外に、真空蒸着法、化学蒸着法、ホット
プレス法等が使用可能であり、更に、バリヤー皮膜がT
iN等の導電性のある物質の時にはメッキ法も使用可能
である。
【0051】前記各実施態様に於いては、前述り通り両
検出センサー11,12を薄板状にすることにより触媒
面積を増やしつつ熱容量を小さくし、センサーとしての
検出感度や応答性を上げるようにしているが、検出セン
サー11,12の形状は如何なるものであってもよいこ
とは勿論である。
【0052】また、前記各実施態様に於いては、両検出
センサー11,12を間隔Dを置いて対向状(図1に示
すように、平面視で平行になる)に配置するようにして
いるが、両検出センサー11,12をガスの流れの方向
に間隔を置いて一列状(平面視に於いて、直線状の配置
となる)に配置し、且つ第2検出センサー12の方を第
1検出センサー11よりも被検出ガスの流れの上流側に
位置せしめるようにしてもよい。後者のような両検出セ
ンサー11,12の配置とすることにより、第1検出セ
ンサー11の発熱の影響が第2検出センサー12に伝わ
らず、センサーの検出精度をより高めることができる。
【0053】更に、前記各実施態様に於いては、第1検
出センサー11と第2検出センサー12の両方を一つの
センサー保持部13に固定して被検出ガスの流路内へ一
緒に挿着するようにしているが、被検出ガスの流路を並
列状に分岐させ、一方の分岐流路に第1検出センサー1
1のみを、また他方の分岐流路に第2検出センサー12
のみを夫々挿着するようにしてもよい。後者のような両
検出センサー11,12の配置とすることにより、第1
検出センサー11の発熱の影響が第2検出センサー12
に及ばなくなり、センサーの検出精度をより高めること
ができる。
【0054】次に、本発明に係る可燃性ガス検出センサ
ー10の各実施態様について、その特性を説明する。図
16は実施態様No1(図4、図5)の可燃性ガス検出
センサー10の出力特性を示すものであり、図26に示
した試験装置を用い、O2 の存在下にH2 濃度(又はH
2 の存在下にO2 濃度)を変化させて測定したものであ
る。ケース1からケース3の各試験例について、H2
度に対する出力(温度差)がリニアーになっており、可
燃性ガス検出センサーとして利用し得ることが示されて
いる。また、ケース4・5の試験例については、H2
存在下にO2 濃度を変化させて測定したものであり、実
施態様No1の検出センサーが、可燃性ガス中の酸素濃
度検出用センサーとしても利用できるものであることが
示されている。
【0055】図17は、実施態様No2(図6、図7)
の可燃性ガス検出センサー10の出力特性を示すもので
あり、第1検出センサー11の触媒コーティング層14
の面積を少なくして、検出感度を低下させたものであ
る。この実施態様No2のセンサー10の場合には、O
2 存在下に於けるH2 センサー(ケース1及びケース
2)としては出力(温度差)とH2 濃度の間にリニアー
性が保たれているが、H2 存在下に於けるO2 センサー
(ケース4及びケース5)としては、特性がリニアー性
を失なうため、可燃性ガス中のO2 検出センサーとして
は利用し難くくなる。
【0056】図18は実施態様No3(図8、図9)の
可燃性ガス検出センサー10の出力特性を示すものであ
り、第1検出センサー11の触媒コーティング層14の
面積をより少なくして、検出感度を低下せしめたもので
ある。この実施態様No3のセンサー10の場合には、
2 濃度が高いケース1の場合には、H2 に対して優れ
た出力特性のリニアー性が得られるが、O2 濃度の低い
場合(ケース2)には、リニアー性の範囲が狭くなり、
また、H2 存在下に於けるO2 センサー(ケース4及び
ケース5)としては、検出感度が著しく低下する。
【0057】図19及び図20は実施態様No4(図1
0、図11)の可燃性ガス検出センサー10の出力特性
を示すものであり、カバー体15を設けることにより第
1検出センサー本体11aと被検出ガスとの接触度を調
整し、センサー感度を調節するようにしたものである。
この実施態様No4の検出センサー10の場合には、何
れのケースの場合にも出力特性がリニアー性を有するも
のになるが、ケース3及びケース5の場合には検出感度
が低下する。尚、検出センサー10の初期温度を高めた
場合(図20)には、ケース3及びケース5の場合の検
出感度も上昇することになり、好都合である。
【0058】図21は、本実施態様No5(図12、図
13)の可燃性ガス検出センサー10の出力特性を示す
ものであり、カバー体15の内面にも触媒コーティング
層14を設けることによって、間隙G内へ流入した被検
出ガス内の可燃性成分の接触反応性を高め、センサーの
検出感度を上昇させるようにしたものである。尚、前記
間隙Gは0.5mmに設定されている。この実施態様N
o5の検出センサー10の場合、その出力特性はケース
1からケース5の全てに亘ってほぼリニアー性を保持し
ており、且つケース3及びケース5の場合の検出感度も
上昇している。
【0059】図22及び図23は実施態様No6の可燃
性ガス検出センサー10の出力特性を示すものであり、
前記実施態様No5の場合よりも間隙Gを増し(G=
1.0mm)、間隙G内へ流入する被検出ガスの量を増
すことにより、検出感度を若干高めるようにしたもので
ある。即ち、図22は検出センサー10の初期温度を1
98〜221℃とし、且つ各ケースに於いてH2 とO2
流量を調整することによりガス濃度(H2 濃度)を調整
した場合の出力特性を示すものである。
【0060】この実施態様No6の検出センサー10の
場合には、全ケースについて、即ちO2 存在下に於ける
2 センサーとしても或いはH2 存在下に於けるO2
ンサーとしても、その出力特性に優れたリニアー性が得
られ、検出センサーとしては最も理想的なものである。
尚、図22に於いてケース4の特性がO2 濃度約6%以
上(O2 =60sccm)の範囲で飽和しているのは、
間隙G内へ流入した被検出ガス内のH2 (100scc
m)が全て接触反応をしてしまい(H2 +1/2O2
2O)、O2リッチガスになっているためである。
【0061】尚、前記図16乃至図22は、可燃性ガス
としてH2 ガスを含んだ被検出ガスの場合の出力特性を
示すものであり、厳密には水素ガス検出センサーとして
の出力特性を示すものである。しかし、可燃性ガスとし
てH2 ガス以外のガス、例えばプロパン、メタン等のガ
スを含有する被検出ガスにも、前記H2 ガスを含有する
被検出ガスの場合とほぼ同じ傾向の出力特性となり、従
って、本発明の可燃性ガス検出センサー10は、酸素存
在下に於ける殆んどの可燃性ガスの濃度検出又は殆どの
可燃性ガス中の酸素ガス濃度の検出に適用することが出
来る。
【0062】
【発明の効果】本願請求項1の発明に於いては、熱電対
から成る第1検出センサー本体の外表面に触媒コーティ
ング層14を形成し、可燃性ガスの接触反応により加熱
される第1検出センサー11と、当該第1検出センサー
と同じ熱電対から成り、前記被検出ガスの温度を検出す
る第2検出センサー12とから可燃性ガス検出センサー
を形成している。その結果、構造が極めて簡単で、しか
も検出出力と可燃性ガス濃度とが極めてリニアーな関係
にある可燃性ガス検出センサーが得られ、半導体製造装
置用水分発生反応炉から取り出された発生水分中の残留
水素等の検出に極めて有用である。
【0063】同様に、請求項2の発明に於いては、可燃
性ガスを含有する被検出ガス内の酸素ガス濃度を高精度
で検出することができ、水分発生反応炉から取り出され
た発生水分中の残留酸素等の検出に有用である。
【0064】第1検出センサー11及び第2検出センサ
ー12にカバー体15、17を設け、第1検出センサー
等の触媒コーティング層14上で接触反応させる可燃性
ガス量を適宜に調整する構成とした場合には、検出を必
要とする可燃性ガス又は酸素ガスの全濃度範囲に亘って
適宜の感度で高精度なガス濃度の測定が行なえる。
【0065】第1検出センサー等に設けた触媒コーティ
ング層14は、地金の上面に設けた酸化物や窒化物から
成るバリヤー皮膜とその上面に設けた白金コーティング
皮膜とから形成されているため、地金の金属成分の白金
コーティング皮膜内へ拡散等に起因する触媒性能の劣化
が完全に防止される。その結果、ガス検出センサーの出
力特性が殆んど経年変化を起さず、安定した可燃性ガス
又は酸素ガスの検出が行なえる。
【0066】第1検出センサー及び第2検出センサーを
形成する熱電対として白金−ロジウム系の熱電対を用い
た場合には、第2検出センサーを形成する白金−ロジウ
ム系熱電対に前記TiN等のバリヤー皮膜を形成するだ
けで、触媒コーティング層を設けることなく長期に亘っ
て安定した高精度の可燃性ガス又は酸素ガスの検出が行
なえる。
【0067】本発明のガス検出センサーは構成部材の外
表面が全て平滑な平面に形成されており、従前のこの種
のセンサーのように凹凸の多い触媒担持体で覆われてい
ない。その結果、センサー外表面の洗浄性がよく、高清
浄度を要求される半導体製造用プロセスに用いても、ガ
ス純度の低下を招く心配がない。
【0068】本発明のガス検出センサーは熱電対方式で
あるため、センサー部の温度を直接モニターすることが
できる。その結果、センサー部自体の温度が着火源とな
る程度に到達する前に、ガス供給を停止する等の手段を
講じて爆発の危険を簡単且つ確実に回避することがで
き、安全性の確保の点でも極めて有利である。
【0069】本発明に係るガス検出センサーの防爆取付
構造によれば、ガス検出センサー取付体34を配管路内
へ介挿し、その分岐部33内へガス検出センサーの保持
部13を挿着するだけで極めて簡単にセンサーの取り付
けができると共に、ガス検出センサー取付体34のガス
入口側及びガス出口側に金属メッシュ体35を配設して
いるため、万一取付体34の内部で着火が生じても、火
炎が取付体34の外部へ拡散することはない。本発明は
上述の通り、酸素存在下に於ける可燃性ガスの検出セン
サーとしてのみならず可燃性ガス中の酸素ガスの検出セ
ンサーとしても用いることができ、優れた実用的効用を
有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可燃性ガス検出センサーを用いた可燃
性ガス検出器の構成説明図。
【図2】本発明の可燃性ガス検出センサーの取付け状態
を示す説明図。
【図3】図2のイ−イ視図。
【図4】第1実施態様に係る可燃性ガス検出センサーの
正面図。
【図5】図4の側面図。
【図6】第2実施態様に係る可燃性ガス検出センサーの
正面図。
【図7】図6の側面図。
【図8】第3実施態様に係る可燃性ガス検出センサーの
正面図。
【図9】図7の側面図。
【図10】第4実施態様に係る可燃性ガス検出センサー
の正面図。
【図11】図10の側面図。
【図12】第5実施態様に係る可燃性ガス検出センサー
の正面図。
【図13】図12の側面図。
【図14】第6実施態様に係る可燃性ガス検出センサー
の正面図。
【図15】図14の側面図。
【図16】第1実施態様に係る可燃性ガス検出センサー
(No1検出センサー)の出力特性図。
【図17】第2実施態様に係る可燃性ガス検出センサー
(No2検出センサー)の出力特性図。
【図18】第3実施態様に係る可燃性ガス検出センサー
(No3検出センサー)の出力特性図。
【図19】第4実施態様に係る可燃性ガス検出センサー
(No4検出センサー)の出力特性図(初期温度197
〜215℃)。
【図20】第4実施態様に係る可燃性ガス検出センサー
(No4検出センサー)の出力特性図(初期温度206
〜216℃)。
【図21】第5実施態様に係る可燃性ガス検出センサー
(No5検出センサー)の出力特性図。
【図22】第6実施態様に係る可燃性ガス検出センサー
(No6検出センサー)の出力特性図。
【図23】従前の接触反応式可燃性ガス検出用センサー
素子の一例を示す斜面図。
【図24】接触反応式可燃性ガス検出器の基本回路図。
【図25】接触反応式可燃性ガス検出用センサー素子の
出力特性測定系の説明図。
【図26】接触反応式可燃性ガス検出用センサー素子の
出力特性図。
【図27】接触反応式可燃性ガス検出用センサー素子の
出力特性の経時変化を示す図。
【符号の説明】
10は可燃性ガス検出センサー、11は第1検出センサ
ー、11aは第1検出センサー本体、12は第2検出セ
ンサー、12aは第2検出センサー本体、13はセンサ
ー保持部、14は触媒コーティング層(第1検出センサ
ー本体側)、15はカバー体(第1検出センサー本体
側)、16はカバー体内面の触媒コーティング層、17
はカバー体(第2検出センサー本体側)、20は検出器
本体、21は第1温度検出器、22は第2温度検出器、
23は第1温度表示部、24は第2温度表示部、25は
温度差検出器、26は温度差(H2 ガス濃度)表示部、
30は接続ケーブル、31はコネクター部、32はコネ
クター部、33は分岐部、34はガス検出センサー取付
体、34aはフランジ、34bはメッシュ体押え、34
cはメッシュ体受け、35は防爆用メッシュ体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川田 幸司 大阪府大阪市西区立売堀2丁目3番2号 株式会社フジキン内 (72)発明者 池田 信一 大阪府大阪市西区立売堀2丁目3番2号 株式会社フジキン内 (72)発明者 森本 明弘 大阪府大阪市西区立売堀2丁目3番2号 株式会社フジキン内 (72)発明者 皆見 幸男 大阪府大阪市西区立売堀2丁目3番2号 株式会社フジキン内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可燃性ガスを含有する被検出ガス内へセ
    ンサー素子を配設し、可燃性ガスの接触反応によるセン
    サー素子の発熱により可燃性ガスの検出信号を発信する
    ようにしたガス検出センサーに於いて、表面に触媒コー
    ティング層(14)を有する熱電対から成り、可燃性ガ
    スの接触反応により加熱される第1検出センサー(1
    1)と、前記第1検出センサー(11)と同じ熱電対か
    ら成り、第1検出センサー(11)と間隔を置いて配設
    されることにより被検出ガスの温度を検出する第2検出
    センサー(12)とから構成したことを特徴とする可燃
    性ガスのガス検出センサー。
  2. 【請求項2】 可燃性ガスを含有する被検出ガス内へセ
    ンサー素子を配設し、可燃性ガスの接触反応によるセン
    サー素子の発熱により被検出ガス内の酸素ガスの検出信
    号を発信するようにしたガス検出センサーに於いて、表
    面に触媒コーティング層(14)を有する熱電対から成
    り、可燃性ガスの接触反応により加熱される第1検出セ
    ンサー(11)と、前記第1検出センサー(11)と同
    じ熱電対から成り、第1検出センサー(11)と間隔を
    置いて配設されることにより被検出ガスの温度を検出す
    る第2検出センサー(12)とから構成したことを特徴
    とする酸素ガスのガス検出センサー。
  3. 【請求項3】 第1検出センサー(11)及び第2検出
    センサー(12)を、両側端面が開放された同じ形態の
    カバー体(15)、(17)により間隔(G)を置いて
    覆う構成とした請求項1又は請求項2に記載のガス検出
    センサー。
  4. 【請求項4】 第1検出センサーの方のカバー体(1
    5)の内壁面に、触媒コーティング層(16)を設ける
    ようにした請求項1、請求項2又は請求項3に記載のガ
    ス検出センサー。
  5. 【請求項5】 第1検出センサー(11)及び第2検出
    センサー(12)を形成する熱電対をクロメル・アルメ
    ルから成る熱電対とすると共に、第1検出センサー(1
    1)の外表面に設ける触媒コーティング層(14)及び
    第1検出センサー(11)の方のカバー体(15)の内
    壁面に設ける触媒コーティング層(16)を、カバー体
    (15)の外表面に形成した酸化物又は窒化物から成る
    バリヤー皮膜とその上部に形成した白金コーティング皮
    膜とから形成するようにした請求項1、請求項2、請求
    項3又は請求項4に記載のガス検出センサー。
  6. 【請求項6】 可燃性ガスを含有する被検出ガス内へセ
    ンサー素子を配設し、可燃性ガスの接触反応によるセン
    サー素子の発熱により可燃性ガスの検出信号を発信する
    ようにしたガス検出センサーに於いて、白金又は白金を
    含有する金属から成る熱電対から成り、可燃性ガスの接
    触反応により加熱される第1検出センサー(11)と、
    前記第1検出センサー(11)と同じ熱電対から成り、
    第1検出センサー(11)と間隔を置いて配設されると
    共にその外表面を酸化物又は窒化物から成るバリヤー皮
    膜によって覆うことにより、被検出ガスの温度を検出す
    る第2検出センサー(12)とから構成したことを特徴
    とする可燃性ガスのガス検出センサー。
  7. 【請求項7】 可燃性ガスを含有する被検出ガス内へセ
    ンサー素子を配設し、可燃性ガスの接触反応によるセン
    サー素子の発熱により被検出ガス内の酸素ガスの検出信
    号を発信するようにしたガス検出センサーに於いて、白
    金又は白金を含有する金属から成る熱電対から成り、可
    燃性ガスの接触反応により加熱される第1検出センサー
    (11)と、前記第1検出センサー(11)と同じ熱電
    対から成り、第1検出センサー(11)と間隔を置いて
    配設されると共にその外表面を酸化物又は窒化物から成
    るバリヤー皮膜によって覆うことにより、被検出ガスの
    温度を検出する第2検出センサー(12)とから構成し
    たことを特徴とする酸素ガスのガス検出センサー。
  8. 【請求項8】 第1検出センサー(11)と第2検出セ
    ンサー(12)とを薄板状の検出センサーとした請求項
    1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項
    6又は請求項7に記載のガス検出センサー。
  9. 【請求項9】 第1検出センサー(11)と第2検出セ
    ンサー(12)とを間隔を置いて対向状に配設するか、
    又は第1検出センサー(11)を第2検出センサー(1
    2)よりガスの流れの下流側に配設するようにした請求
    項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求
    項6、請求項7又は請求項8に記載のガス検出センサ
    ー。
  10. 【請求項10】 第1検出センサー(11)と第2検出
    センサー(12)とを一つのガス流路内へ配設するか、
    又は並列状に分岐した二つのガス流路内へ夫々分離して
    配設するようにした請求項1、請求項2、請求項3、請
    求項4、請求項5、請求項6、請求項7又は請求項8に
    記載のガス検出センサー。
  11. 【請求項11】 可燃性ガスを含有する被検出ガスの流
    路内へ介挿する分岐部(33)を備えたガス検出センサ
    ー取付体(34)と、ガス検出センサー取付体(34)
    のガス入口側及びガス出口側に夫々設けたメッシュ体又
    は多孔質焼結体(35)とから成り、前記ガス検出セン
    サー取付体(34)の分岐部(33)より被検出ガスの
    流通部内へガス検出センサーを気密状に挿入固定するこ
    とを特徴とするガス検出センサーの防爆取付構造。
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